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タイトル:特許公報(B2)_ランタン錯体及びそれを用いたBLT膜の製造方法
出願番号:2002184458
年次:2006
IPC分類:C07C 211/65,C01G 29/00,C07C 49/92,C07C 217/08,C23C 16/40,H01B 3/00,H01B 3/12,H01L 21/316,C07F 5/00


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李 時 雨 姜 相 宇 JP 3793118 特許公報(B2) 20060414 2002184458 20020625 ランタン錯体及びそれを用いたBLT膜の製造方法 學校法人浦項工科大學校 598057475 鈴江 武彦 100058479 村松 貞男 100084618 橋本 良郎 100092196 白根 俊郎 100095441 李 時 雨 姜 相 宇 KR 2001-054054 20010904 20060705 C07C 211/65 20060101AFI20060615BHJP C01G 29/00 20060101ALI20060615BHJP C07C 49/92 20060101ALI20060615BHJP C07C 217/08 20060101ALI20060615BHJP C23C 16/40 20060101ALI20060615BHJP H01B 3/00 20060101ALI20060615BHJP H01B 3/12 20060101ALI20060615BHJP H01L 21/316 20060101ALI20060615BHJP C07F 5/00 20060101ALN20060615BHJP JPC07C211/65C01G29/00C07C49/92C07C217/08C23C16/40H01B3/00 FH01B3/12 318AH01L21/316 XC07F5/00 D C07C211/00 C01G 29/00 C07C 49/00 C07C217/00 C23C 16/00 H01B 3/00 H01L 21/00 C07F 5/00 CA(STN) REGISTRY(STN) 特開平5−117199(JP,A) 特開平4−72066(JP,A) 特開2001−234343(JP,A) 7 2003119171 20030423 9 20020625 前田 憲彦 【0001】【発明が属する技術分野】本発明は、有機溶媒に対する優れた溶解度、高い蒸気圧、及び優れた蒸着特性を示すランタン錯体;及び前記La錯体と適切なBi及びTi前駆体を用いて穏やかな条件下でチタン酸ビスマスランタン(BLT:Bi4-XLaXTi3O12(0<X<4))薄膜を製造する有機金属化学蒸着法(MOCVD、metal organic chemical vapor deposition)に関する。【0002】【従来の技術】近年、半導体素子が従来に比べてさらに集積化、小型化されるにつれ、このような半導体素子の製造に適用できる材料と薄膜の形成方法の開発が要求されている。【0003】強誘電体BLT膜は、他の強誘電体膜より優れた性能特性を有すると知られている。例えば、チタン酸ビスマスストロンチウム(SBT:SrBi2Ti2O9)膜は、800℃以上の高い結晶化温度を必要とし、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT:PbZrXTi1-XO3(0<X<1))膜は106サイクルするだけで疲労(fatigue)を示すが、これに対し、BLT膜は700℃程度の比較的に低い結晶化温度を要し、1010サイクルにおいても疲労を示さないと報告されている(文献[B. H. Park, B. S. Kang, S. D. Bu, T. W. Noh, J. Lee, and W. Jo, Nature, 401(14), 682(1999)]参照)。【0004】このような強誘電体薄膜を製造する様々な方法の中、MOCVDは比較的に低い温度で行い、原料物質とキャリヤガスの量を変えることによって、薄膜の組成と蒸着速度を容易に調節でき、基材の表面を損なうことなく、蒸着された薄膜の均一性、段差被覆性(step coverage)及び孔充填の特性が優れるので広く用いられる。【0005】一般的に、MOCVD用前駆体は高い熱安定性、非毒性、高い蒸気圧、及び高い蒸着速度のような特性を有していることが要求される。溶媒に溶解した前駆体をダイレクト・リキッド・インジェクション(DLI, direct liquid injection)によって行われるMOCVDモードが特に好ましい。DLIにより強誘電体薄膜を形成する場合、対応する金属前駆体が溶液中で化学反応を起こさないことが好ましい。【0006】しかし、BLT薄膜の製造のためにMOCVDに適用される既存の有機金属化合物の中、代表的なTi前駆体であるTi(i−OPr)4(チタンテトライソプロポキシド)は湿気にかなり敏感であり、代表的なLa前駆体であるLa(tmhd)3(ランタンテトラメチルヘプタンジオネート)は有機溶媒に対する溶解度が非常に低い。【0007】【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的は、高蒸気圧、優れた蒸着特性、及び有機溶媒に対する高い溶解度を有するLa錯体を提供することである。【0008】本発明の他の目的は、前記La錯体を用い、穏やかな条件下でBLT薄膜が製造できるMOCVD法を提供することである。【0009】【課題を解決するための手段】本発明の一実施形態に従って、本発明では、下記式(I)のランタン錯体を提供する。【0010】【化3】(式中、Aはペンタメチルジエチレントリアミン(PMDT)又はトリエトキシトリエチレンアミン(TETEA)である)。【0011】また、本発明の他の実施形態に従って、本発明では、前記La錯体、下記式(II)のTi前駆体、および有機ビスマス(Bi)前駆体の蒸気を基材に接触させることを含む、基材上にBLT(Bi4-XLaXTi3O12(0<X<4))薄膜を蒸着する方法が提供される。【0012】【化4】(式中、mは2〜5の整数である)。【0013】【発明の実施の形態】本発明の一般式(I)のLa錯体は、ヘキサンのような有機溶媒中、室温でLa(tmhd)3をペンタメチルジエチレントリアミン(PMDT)又はトリエトキシトリエチレンアミン(TETEA)と反応させることによって製造できる。このように製造されたLa錯体は優れた蒸着特性を有し、低温で揮発しやすく、有機溶媒に容易に溶解するため、ランタン含有薄膜を製造する際、優れたLa前駆体としてMOCVDに用いられる。【0014】本発明のLa前駆体、一般式(II)のTi前駆体、及び有機ビスマス前駆体を用いてBLT薄膜を形成するための本発明のMOCVD工程は、前駆体の蒸気を250〜750℃、好ましくは250〜450℃の温度に加熱された基材の表面に接触させることによって実施できる。【0015】本発明に用いられる一般式(II)のTi前駆体として下記式(III)のTi(dmae)4(チタンテトラジメチルアミノエトキシド)が好ましく用いられる。Ti(dmae)4は室温で液体であるため取扱いが容易であり(文献[J. H. Lee et al., J. Vac. Sci. Technol, 17(1999), 3033]参照)、Ti(i−OPr)4より空気又は水分に対してあまり敏感でない。【0016】【化5】本発明に用いられる有機ビスマス前駆体としてはBi(フェニル)3が好ましい。【0017】本発明のMOCVD工程において、前記La、Ti、及びBi前駆体をダイレクト・リキッド・インジェクション(DLI)又はバブリング(bubbling)によって気化させてもよい。【0018】DLIの場合、各々の前駆体を有機溶媒に溶解し、この溶液を100〜300℃の温度に保持されたエバポレータに注入し、適切なキャリヤガスの流れの下で前駆体を気化させる。注入溶液の製造にはn−酢酸ブチル、ヘプタン、オクタン、テトラヒドロフラン(THF)等の有機溶媒を用いてもよい。本発明のLa,Ti、及びBi前駆体は、単一溶液相において互いに化学的に相互作用しないので、2つの前駆体又は3つの前駆体の全てを含む注入溶液を用いてもよい。【0019】適当な温度、例えば室温〜200℃に保持された容器(バブリング装置)に入れた前駆体にキャリヤガスを通過させて前駆体含有蒸気を反応器に移送することによってバブリング移送を行ってもよい。この工程に用いられるキャリヤガスはアルゴン及び窒素のような不活性ガスであってもよい。必要に応じて、キャリヤガスなしで、前駆体の蒸気のみを移送してもよい。【0020】本発明の方法によって蒸着されたBLT薄膜は熱処理することによって結晶性が与えられる。本発明に使用され得る基材としては、シリコン、Pt、Ir、IrO2、Ru、RuO2等が挙げられる。BLT膜の膜厚は蒸着時間を調節することによって簡単に調節できる。【0021】【実施例】以下、本発明を下記の実施例に基づき、さらに詳しく説明する。【0022】但し、下記の実施例は本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲を制限しない。【0023】実施例1:La(tmhd)3−TETEA及びLa(tmhd)3−PMDTの製造La(tmhd)3(0.0143mole)及びトリエトキシトリエチレンアミン(TETEA)(0.0143mole)をヘキサンに溶解した後、溶液を室温で12時間保持した。次に、反応混合物をろ過した後、減圧下でろ液から溶媒を除去し、La(tmhd)3−TETEAを固体状で得た。【0024】TETEAの代わりにペンタメチルジエチレントリアミン(PMDT)を用いて前記と同様な反応を行い、La(tmhd)3−PMDTを固体状で得た。【0025】得られたLa(tmhd)3−TETEAの1H−NMR及びTGA/DSCのスキャンを各々図1A及び図1Bに;そしてLa(tmhd)3−PMDTの1H−NMR及びTGA/DSCのスキャンを各々図2A及び図2Bに示した。参考のために、本発明でTi前駆体として用いられるTi(dmae)4のTGA/DSCスキャンを図3に示す。これらの結果は本発明に用いられるLa及びTi錯体が熱的に安定であることを示す。【0026】実施例2:BLT薄膜の蒸着実施例1で得られたLa(tmhd)3−PMDT、Ti(dmae)4、及びBi(フェニル)3を用いるMOCVDによってPt/TiO2/SiO2/Si基材上にBLT薄膜を形成した。【0027】La(tmhd)3−PMDT、Ti(dmae)4、及びBi(フェニル)3を各々N−酢酸ブチルに0.2Mの濃度に溶解した後、1:1:4の体積比で混合し、0.1ml/分の速度でMOCVD装置のエバポレータに注入した。気化温度(エバポレータ)240℃、Ar/O2のキャリヤガス流速200/400(sccm)、反応器圧力2torr、エバポレータ圧力5torr、及び基材温度400℃の条件下で蒸着を行い、膜厚1000ÅのBLT薄膜を形成した。【0028】前駆体を含有する注入溶液を3日間貯蔵した後、1H−NMR分析を行った結果、溶液中のこれらの前駆体は3日の貯蔵期間すこしも反応しなかったことが分かった。【0029】蒸着されたBLT薄膜を650℃で1時間熱処理を行った後、電気的な特性を測定した。その結果を図5A及び図5Bに示すが、強誘電体非揮発性メモリ(FRAM,ferroelectric random access memory)のような半導体素子の製造時に用いるに適切な、優れた分極(polarization)値と疲労特性(sw=スイッチされた状態、ns=スイッチされていない状態)を示す。【0030】【発明の効果】従って、本発明のLa錯体は、熱安定性、揮発性、有機溶媒に対する溶解度等の側面においていずれも優れた特性を有し、BLT薄膜を穏やかな条件下で蒸着させるためのMOCVD用La前駆体として有用である。【図面の簡単な説明】【図1A】本発明の実施例1で製造されたLa(tmhd)3−TETEAの1H−NMRである。【図1B】本発明の実施例1で製造されたLa(tmhd)3−TETEAのTGA/DSCのスキャンである。【図2A】本発明の実施例1で製造されたLa(tmhd)3−PMDTの1H−NMRである。【図2B】本発明の実施例1で製造されたLa(tmhd)3−PMDTのTGA/DSCのスキャンである。【図3】Ti(dmae)4のTGA/DSCのスキャンである。【図4】本発明の実施例2で説明した、Ti(dmae)4、La(tmhd)3−PMDT、及びBi(フェニル)3を含む溶液の1H−NMRスペクトルを示す。【図5】本発明の実施例2で説明した、蒸着後に熱処理されたBLT薄膜の電気的な特性を示す。 下記式(I)のランタン錯体:(式中、Aはペンタメチルジエチレントリアミン(PMDT)又はトリエトキシトリエチレンアミン(TETEA)である。) 請求項1のLa錯体、下記一般式(II)のTi前駆体、及び有機ビスマス(Bi)前駆体の蒸気を基材に接触させることを含む、基材上にチタン酸ビスマスランタン(BLT:Bi4-XLaXTi3O12(0<X<4))薄膜を蒸着する方法:(式中、mは2〜5の整数である。) 前記基材が250〜750℃に加熱されることを特徴とする請求項2に記載の方法。 前駆体を有機溶媒に溶解した後、この溶液を100〜300℃に加熱して前駆体蒸気を生成することを特徴とする請求項2に記載の方法。 前駆体を室温〜200℃で気化させ前駆体蒸気を生成することを特徴とする請求項2に記載の方法。 前記Ti前駆体がTi(dmae)4(チタンテトラジメチルアミノエトキシド)であることを特徴とする請求項2に記載の方法。 Bi前駆体がBi(フェニル)3であることを特徴とする請求項2に記載の方法。


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