生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_1,3−プロパンジオールの製造方法
出願番号:2002177805
年次:2004
IPC分類:7,C07C29/09,C07C29/136,C07C31/20,C07C51/09,C07C51/367,C07C59/01,C07B61/00


特許情報キャッシュ

高原 潤 JP 2004018479 公開特許公報(A) 20040122 2002177805 20020618 1,3−プロパンジオールの製造方法 三菱化学株式会社 000005968 長谷川 曉司 100103997 高原 潤 7 C07C29/09 C07C29/136 C07C31/20 C07C51/09 C07C51/367 C07C59/01 C07B61/00 JP C07C29/09 C07C29/136 C07C31/20 Z C07C51/09 C07C51/367 C07C59/01 C07B61/00 300 6 OL 9 4H006 4H039 4H006AA02 4H006AC41 4H006BA22 4H006BA23 4H006BC11 4H006BC30 4H006BD31 4H006BD52 4H006BE20 4H006BE60 4H039CA60 4H039CH60 【0001】【従来の技術】1,3−プロパンジオールは、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールと共に、多価アルコールとして、ポリエステル、ポリウレタン等の原料となる有用な工業中間体であり、工業的製法が種々報告されている。Shell社は、エチレンオキシドをカルボニル化することにより得られる3−ヒドロキシプロパナールを還元することにより1,3−プロパンジオールを得る方法を開発、生産しており、また、Degussa社, Dupont社等によりアクロレインを水和して同じく3−ヒドロキシプロパナールを得、これを水添し製造方法を開発、生産している。また、3−ヒドロキシプロピオン酸及びそのエステルは、脂肪族ポリエステルの原料として有用な化合物であり、またこれらから合成されるポリエステルは生分解性が予想されることから、環境にやさしいポリエステルとして注目されている。マロノアルデヒドのモノアセタール、ビスアセタールを加水分解・還元することによっても、1,3−プロパンジオールを製造することができる。また、同様にマロン酸モノアルデヒドアセタール、及びそのエステルのアセタール部分を加水分解・還元することにより3−ヒドロキシプロピオン酸及びそのエステルを合成することができる。【0002】原料のマロノアルデヒドビスアセタールの合成は容易で、例えば、ビニルエーテルとオルト蟻酸エステルとの反応により合成できることが知られている(US2000−493906,US2000−494255)。また、我々は、アクロレイン、もしくはアクロレインアセタールを原料として、これをアルコール類と酸素と反応させることにより、マロノアルデヒドビスアセタールを主成分とする生成物群を得る方法を研究してきた。また同様にアクロレインの代わりにアクリル酸、及び又はそのエステルを用いると、マロン酸モノアルデヒドアセタールが合成できる。【0003】これらを加水分解・還元して1,3−プロパンジオールを得る製造方法の特徴としては、他の製造方法に比べ、反応条件が穏和なために副成物が少なく、選択性(歩留まり)がよく、また同じアクロレインを原料とする水和を経由する方法に比べ、水の使用量が極端に少なく、水の生成物からの除去を蒸留によらなければならない1,3−プロパンジオールの製造としては、その蒸留の際のコストが非常に少なくてすむという特長がある(以下、この方法を酸化法と呼ぶ)。【0004】【発明が解決しようとする課題】ポリエステルに使用される1,3−プロパンジオールは、それに含まれる微量成分のカルボニル化合物が500ppm以下であることが要求される。これは、ポリマーにしたときのカルボニル化合物が原因の着色が起きるからである。前述の1,3−プロパンジオールの製造方法は、いずれの場合もカルボニル化合物を中間体としており、これを還元することにより、最終生成物である1,3−プロパンジオールを得ている。その中間体のひとつである2−ヒドロキシエチル−1,3−ジオキサンは、1,3−プロパンジオールとの蒸留分離が困難であり、かつ、各種溶剤への溶解度も1,3−プロパンジオールと似ていることから、抽出分離なども効率的には行えない化合物で、これを除去するのには、還元反応条件を厳しいものにするしか有効な方法はない。すなわち、高温、高圧の反応である。【0005】一方、酸化法は、マロノアルデヒドビスアセタールを加水分解しながら還元し、1,3−プロパンジオールを得る。これは、アセタールの加水分解反応は平衡反応であるため、反応を押し切りに近くするためには多量の水を必要とするが、続く還元を同時に行えば、アセタール化の平衡の束縛から逃れるため、使用する水の量が少なくてすむため有利であるからである。【0006】この反応を単純に高温、高圧で行うと、種々の副生物を生じ、目的物である1,3−プロパンジオールの歩留まりが低下する。これは加熱に対し単独では安定なマロン酸アルデヒドビスアセタールだが、加水分解されアセタールからアルデヒドになると、そのホルミル基の反応性のため、種々の副反応が起きるからである。【0007】一方では残存カルボニル化合物を減らすことが求められ、もう一方では中間体の不安定さのために、反応条件を温和にしなければならないことが求められる。すなわち、相反する要求のために、反応の運転条件が複雑になる。【0008】【課題を解決する手段】本発明者らは、この適した運転条件を明らかにするために鋭意研究した結果、反応基質がアセタール体であれば反応系においても安定であることに着目し、反応系中のホルミル基をもつ化合物の濃度が反応基に導入するマロノアルデヒドアセタール濃度の30%以下で運転することにより、高い選択率、変換率で1,3−プロパンジオール、又は3−ヒドロキシプロピオン酸を製造でき、かつ残存カルボニル化合物を低濃度に押さえることができることを見出し、本発明を完成した。【0009】すなわち、本発明の要旨は、マロノアルデヒドアセタールを加水分解・還元することにより1,3−プロパンジオール誘導体を得る反応において、反応系中のホルミル基をもつ化合物の濃度を、反応系に導入するマロノアルデヒドアセタール濃度に対して30%以下に維持して加水分解・還元する1,3−プロパンジオールの製造方法に存する。【0010】また、マロン酸モノアルデヒドアセタール及びそのエステルを加水分解・還元することにより3−ヒドロキシプロピオン酸誘導体を得る反応において、反応系中のホルミル基をもつ化合物の濃度を、反応系に導入するマロン酸モノアルデヒドアセタール及びそのエステル濃度に対して30%を越えない範囲に維持して加水分解・還元する、3−ヒドロキシプロピオン酸誘導体の製造方法に存する。【0011】【発明の実施の形態】原料であるマロノアルデヒドアセタール、マロン酸モノアルデヒドアセタールは、一般構造式が以下の化合物である。【0012】【化1】【0013】ここで、R1〜R4は炭素数1〜23のアルキル基、フェニル基等の炭素数6〜22のアリール基であり、それらアルキル基、アリール基は他の官能基 例えばクロロ基、フ゛ロモ基等のハロケ゛ン基、ニトロ基、アミト゛基等の置換基が1つ以上存在しても構わない。また縮合環であってもよい。また、R1,R2又はR3、R4がなんらかの化学結合を持ち、アセタールが環状アセタールであってもよい。R5、R6は、水素原子、炭素数1〜23のアルキル基、炭素数1〜23のアルコキシ基、フェニル基等の炭素数6〜22のアリール基、クロロ基、フ゛ロモ基等のハロケ゛ン基、ニトロ基等の置換基が1つ以上存在しても構わない。R7は、水素原子、炭素数1〜23のアルキル基、フェニル基等の炭素数6〜22のアリール基、クロロ基、フ゛ロモ基等のハロケ゛ン基、ニトロ基等の置換基が1つ以上存在しても構わない。具体的には、テトラメトキシプロパン、テトラエトキシプロパン、マロノアルデヒドビスエチレングリコールアセタール、マロノアルデヒドビス1,3−プロパンジオールアセタール、2−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサン、3,3−ジメトキシプロピオン酸、3,3−ジメトキシメチルプロピオネート等が挙げられる。【0014】加水分解時の触媒としては、酸が有効である。この場合用いる酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸、ランタノイト゛トリフラート等のルイス酸、ヘテロホ゜リ酸等のホ゜リ酸、イオン交換樹脂、セ゛オライト、粘土等の固体酸を使用することができる。生成物の分離の簡便さから固体酸が便利である。酸の添加量は、ごく少量でも有効で、特に制限はないが、基質に対して好ましくは0.001重量比以上、更には0.01重量比以上、特には0.01重量比以上であり、また、好ましくは100重量比以下、さらには70重量比以下,特には60重量比以下である。【0015】還元反応に使用する還元剤としては、カルボニル基の還元剤として公知のもの、市販のもの等多くが知られているが、それらの中から任意に選ぶことが出来る。酸、及び水に対して、還元能が阻害されない還元剤が望ましい。その経済性、分離の容易さ等から水素を還元剤とする接触還元がさらに望ましい。水素を還元剤として用いる場合には、反応圧は、高いほど還元反応の速度が速く、系中のホルミル基の濃度を下げられるが、あまりにも高いと、生成物の水酸基を水素化分解するおそれがあるので、おのずと限界がある。0.1MPa〜35MPaの間が好ましく、さらに好ましくは0.5MPa〜20MPa、最も好ましくは1MPa〜100MPaである。【0016】接触還元の触媒としては、ラネーニッケル、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウムなどの貴金属、及びそれらをカーボン、シリカ、ゼオライト等の担体に担持したもの等、公知のもの、市販のもの等が多く知られているが、それらの中から任意に選ぶことができる。これら触媒の量は、ごく少量でも有効で、特に制限はないが、基質に対して0.0001〜100重量比が好ましく、さらに好ましくは0.001〜70重量比,特に好ましくは、0.01%〜50重量比である。【0017】加水分解の触媒と、接触還元の触媒を別々の触媒として、またはそれらの物理混合物として加えてもよいが、例えば、ゼオライト等の固体酸を担体として接触還元能を持つ貴金属をそれに担持させたような、お互いが化学的結合を有する二元性を持った一種類の触媒として加えてもよい。加水分解触媒と還元触媒の量比は、反応中のホルミル基の濃度に重要な影響を与える。一般に還元触媒の量が加水分解触媒の量より多い場合は、ホルミル基の系中濃度が低く押さえられるので好ましいが、加水分解のしやすさは、基質であるアセタールの置換基に依存するので、一概には言えない。【0018】特にルテニウム等の白金族金属を触媒とする場合は、これら白金族貴金属が、酸としても水添触媒としても両方に作用するため(表面、Vol30.No8 645 (1992))、単一の触媒で加水分解・還元を行える。これは、触媒成分の単純化につながり、触媒そのものの合成をしやすくするばかりでなく、触媒劣化の際の再生なども容易にし、工業生産という観点から大きな意味がある。【0019】本発明においては、反応系中のホルミル基をもつ化合物の濃度を、反応系に導入する反応原料の濃度に対して30%以下に維持して加水分解・還元する。反応系中のホルミル基をもつ化合物の濃度は少ないほど副生物が生成しづらく、反応基に導入する反応原料の濃度に対して、通常0.01%以上であって、通常30%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下である。【0020】系中のホルミル基濃度の制御にもっとも影響を与えるのは、反応条件であり、中でも反応温度と水素圧の影響は寄与が大きい。アセタールの加水分解反応が、還元反応よりも反応温度の依存性が高いためであり、高温での反応では、還元反応よりも加水分解反応の速度が上回り、系中のホルミル基が増大する。これを抑制するためには、高温時の水素圧を高くすることが求められる。【0021】種々の検討をした結果、図1のグラフで示す曲線よりも、水素圧が高圧で、温度を低い部分であれば、副生物の少なく生成物が得られることがわかった。【0022】図1において、好ましい範囲、より好ましい範囲、更に好ましい範囲の下限を示す曲線は以下の式(1)〜(3)で表される。好ましい範囲P=0.019×exp(0.035×T)      (P=水素圧、T=温度)  …式(1)より好ましい範囲P=0.025×exp(0.035×T)      (P=水素圧、T=温度)  …式(2)更に好ましい範囲P=0.038×exp(0.035×T)      (P=水素圧、T=温度)  …式(3)【0023】反応器中のホルミル基の濃度を低く押さえながら反応されるということは、加水分解されて生じたホルミル基がすみやかに還元されアルコールに還元されることが望ましく、すなわちアセタールの加水分解速度よりも、加水分解によって生じるホルミル基の還元反応速度の方がある程度早くすればよい。加水分解速度は、基質と水の量、または触媒である酸の酸量、酸強度等に、還元反応は、還元触媒量等にも依存するが、大きくは、反応温度と水素圧に依存する。加水分解反応が吸熱反応に対して、還元反応は発熱反応であるので、加水分解反応速度の温度に対する影響は、高温域で大きく、従って、高温側で大きくなった加水分解速度よりも還元反応速度を早くするためには、それだけ水素圧を高圧にしなければならず、従って図1のような右にいくほど高圧の水素を必要とする曲線になる。もちろん、還元によって生じたアルコールはアセタールの加水分解速度に影響があるため、反応後期においては、加水分解速度が遅くなるので高温域においても低圧ですむ場合もありうる。同じ原理で、反応初期からアルコールを添加しておけば加水分解速度を遅くすることができ、同様に高温域で高い水素圧を使用しなくてもすむ場合もある。しかしながら、これらは、加水分解速度が遅くなること、すなわち反応全体が遅くなることであり、もちろん、これらの方法は、その生産性、経済性観点から、適した領域が選択されるべき問題である。【0024】また、反応が進行にするに従って、系中の1,3−プロパンジオールの濃度が増大する。このことは、平衡反応であるアセタール化反応がより進行しにくい環境になることを示している。反応の最終局面、すなわち、残存カルボニル押し切り時には、反応の系中のほとんどは1,3−プロパンジオールで占めらることになる。このような場合には、反応温度を上げてもホルミル基を持った化合物濃度が高くなることはもちろんなく、また押し切りのためには反応温度が高い方が適している。従って、原料の転化率が30〜95%、さらに望ましくは、50〜80%に達するまでは、比較的低温の100℃以下、好ましくは80℃以下で反応し、さらに80℃以上、好ましくは100℃以上で、実質100%の変換率になるように運転することが望ましい。【0025】特に、反応生成物である脱保護されたアルコール、または、1,3−プロパンジオールを一部反応基に循環することにより、副生成物抑制に効果がある。これは、系中のアルコールまたは、1,3−プロパンジオール濃度向上によってホルミル基がアセタール化されやすくなり、ホルミル基濃度を下がること、また、基質の希釈効果により還元による発熱を押さえることによる。この循環の際、一度循環するアルコール、1,3−プロパンジオールを除熱した後に、反応基に戻すことにより、反応基内の温度が反応の進行により高くなりすぎるのを防ぐことができ、有効である。【0026】原料と水の反応初期における反応系中のモル比も、反応中のホルミル基濃度に影響がある。一般に水の量が少なければ少ないほどホルミル基の系中濃度が低く押さえられるので好ましいが、あまりにも少ないと反応の進行が遅く経済的ではない。また、加水分解のしやすさは、基質であるアセタールの置換基に依存するので、一概には言えない。従ってモル比で1/1〜1/100の範囲であればよい。上記の範囲内でも1/1〜1/50が好ましく、1/1.2〜1/20の範囲が特に好ましい。還元反応が早い条件、すなわち加水分解で生じたホルミル基の還元速度が十分に速い条件ほど、水の量を多くすることができる。【0027】この反応形式は、一般的な方法によって行うことができる。触媒の各成分が溶液状態で存在する場合は、回分反応器により特定の反応時間、基質を水及び水素を含むカ゛スと接触させて反応を進行させることもできるし、連続相反応器により、水、水素を含むカ゛ス及び基質を連続的に供給して反応を進行させることができる。一方、本発明の触媒成分が、固定化されている場合においては、前述の液相反応を使用することも出来るし、固定床に触媒を充填し、液相状態として対応する基質、水、及び水素を供給するいわゆるトリクルヘ゛ット゛方式を採用することができる。【0028】加水分解及び還元反応後の反応液は、加圧状態にある場合には、圧力をある程度解放し、低圧化させてもよい。触媒成分、水及び副成物から目的生成物の分離は、一般の操作方法、例えば、蒸留分離、抽出分離、晶析分離、沈降分離、濾別分離などを用いることができる。【0029】【実施例】以下に実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例15%Ru−C触媒0.96gを水素雰囲気下150℃、2h還元し、これをマロノアルデヒドビス1,3−プロパンジオール9.43g(50.1mmol)、1,3−プロパンジオール(0.135mmol)、水2.72g(151.1mmol)を入れた平型20mlオートクレーブ内に加え、オートクレーブ内を水素置換した。水素圧を0.5Mpaとし、90℃オイルバスに10分間油浴静置した。そのままの温度で水素圧を0.95Mpaとし、攪拌開始し、減少した水素分を常に供給し、圧を0.95Mpaに保つようにした。反応途中で反応混合物を抜き出し、ガスクロマトグラフィーで分析したが、マロノアルデヒドモノアセタールの濃度が5%を超えることはなかった。水素消費が終わったところで反応停止、オートクレーブを冷却した。反応混合物を窒素雰囲気下で加圧濾過したところ、濾液は無色透明で、ガスクロマトグラフィーにて分析したところ、1,3−プロパンジオールの収率はほぼ100%で、2−ヒドロキシ−1,3−ジオキサンが323ppm含まれていた。【0030】実施例25%Ru−C触媒7gを水素雰囲気下150℃、2h還元し、これをDAC 75.4g(0.4mol)、水21.7g(1.2mol)を入れた200mlオートクレーブ内に加え、オートクレーブ内を水素置換した。水素圧を1.5Mpaとし、内温が90℃なるまで加熱した。そのままの温度で水素圧を 2Mpaとし、攪拌開始し、減少した水素分を常に供給し、圧2Mpaに保つようにした。反応途中で反応混合物を抜き出し、ガスクロマトグラフィーで分析したが、マロノアルデヒドモノアセタールの濃度が5%を超えることはなかった。水素消費が終わったところで反応停止、オートクレーブを冷却した。反応混合物を窒素雰囲気下で加圧濾過したところ、濾液は無色透明でガスクロマトグラフィーにて分析したところ、1,3−プロパンジオールの収率はほぼ100%で、2−ヒドロキシ−1,3−ジオキサンが498ppm含まれていた。【0031】実施例35%Ru−C触媒として2g, 反応温度100℃、反応圧として5MPaとした他は、実施例2と同様に反応を行い、反応混合物を窒素雰囲気下で加圧濾過したところ、濾液は無色透明でガスクロマトグラフィーにて分析したところ、1,3−プロパンジオールの収率はほぼ100%であった。【0032】実施例45%Ru−C触媒として1.9g, DAC 0.1mol、1,3−プロパンジオール 0.9mol, 水0.6mol, 水素圧2MPa、反応温度が120℃とした他は実施例2と同様に反応を行い、反応混合物を窒素雰囲気下で加圧濾過したところ、濾液は無色透明でガスクロマトグラフィーにて分析したところ、1,3−プロパンジオールの収率はほぼ100%であった。【0033】比較例15%Ru−C触媒1gを水素雰囲気下150℃、2h還元し、これをDAC 75.4g(0.4mol)、水21.7g(1.2mol)を入れた200mlオートクレーブ内に加え、オートクレーブ内を水素置換した。水素圧を1.5Mpaとし、内温が140℃なるまで加熱した。そのままの温度で水素圧を 2Mpaとし、攪拌開始し、減少した水素分を常に供給し、圧を2Mpaに保つようにした。反応開始後10分後に反応混合物を抜き出し、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、マロノアルデヒドモノアセタールの濃度が31%であった。水素消費は、理論量の62%で消費で止まった。そこで、オートクレーブを冷却した。反応混合物を窒素雰囲気下で加圧濾過したところ、黒色の粘長な溶液を得た。濾液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、1,3−プロパンジオールの収率は48%であった。【図面の簡単な説明】【図1】加水分解、還元反応の反応系における、温度と水素圧の関係である。 マロノアルデヒドアセタールを加水分解・還元することにより1,3−プロパンジオール誘導体を得る反応において、反応系中のホルミル基をもつ化合物の濃度を、反応系に導入するマロノアルデヒドアセタール濃度に対して30%以下に維持して加水分解・還元する、1,3−プロパンジオールの製造方法。 マロン酸モノアルデヒドアセタール及びそのエステルを加水分解・還元することにより3−ヒドロキシプロピオン酸誘導体を得る反応において、反応時の系中のホルミル基をもつ化合物の濃度を、反応系に導入するマロン酸モノアルデヒドアセタール及びエステルの濃度に対して30%を越えない範囲に維持して加水分解・還元する、3−ヒドロキシプロピオン酸誘導体の製造方法。 請求項1及び2に記載の1,3−プロパンジオールの製造方法において、下記の式で表される曲線より水素圧が高く、かつ温度が低い条件で加水分解・還元を行う、1,3−プロパンジオールの製造方法。P=0.019×exp(0.035×T)      (P=水素圧、T=温度) 請求項1の条件を満たすために、生じた1,3−プロパンジオールの一部を反応器にリサイクルする1,3−プロパンジオールの製造方法。 マロノアルデヒドアセタールを加水分解・還元することにより1,3−プロパンジオールを得る反応において、残存カルボニル化合物の濃度を500ppm以下にする1,3−プロパンジオールの製造方法。 マロン酸アルデヒドのアセタールを加水分解・還元することにより1,3−プロパンジオールを得る反応において、白金族の触媒を用いる1,3−プロパンジオールの製造方法。 【課題】マロノアルデヒドアセタールを加水分解・還元することにより1,3−プロパンジオール誘導体を得る際に、高選択率、変換率で、かつ不純物の少ない1,3−プロパンジオールを製造する。【解決手段】マロノアルデヒドアセタールを加水分解・還元することにより1,3−プロパンジオール誘導体を得る反応において、反応時の系中のホルミル基をもつ化合物の量が初期原料量に対して30%を越えない範囲で加水分解・還元する多価アルコールの製造方法。


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