生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_液晶の粘性係数の測定方法ならびに測定装置
出願番号:2002172528
年次:2004
IPC分類:7,G01N11/00


特許情報キャッシュ

梁井 元樹 内田 龍男 JP 2004020255 公開特許公報(A) 20040122 2002172528 20020613 液晶の粘性係数の測定方法ならびに測定装置 チッソ株式会社 000002071 チッソ石油化学株式会社 596032100 内田 龍男 500342983 高木 千嘉 100091731 西村 公佑 100080355 杉本 博司 100110593 梁井 元樹 内田 龍男 7 G01N11/00 JP G01N11/00 C G01N11/00 A 11 OL 15 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレイの応答特性をシミュレーションによって再現するために、液晶の粘性係数であるγ1、η1、η2、η3を測定あるいは算出する方法とそれを利用した測定装置並びにその測定装置を用いて測定した好ましい粘性係数を有する液晶組成物に関する。【0002】【従来の技術】ある外場下における配向プロファイルおよびその時間発展を決定する液晶層中の主なパラメーターは、液晶の物性値である、スプレイ変形に対する弾性定数(K11)、ツイスト変形に対する弾性定数(K22)、ベンド変形に対する弾性定数(K33)、誘電率異方性値(Δε)とダイレクターに垂直な誘電率(ε⊥)、屈折率異方性値(Δn)とダイレクターに垂直な屈折率(no)、および、5つの粘性係数(γ1、η1、η2、η3、η12)があり、また、カイラル性を有する場合はピッチ(p)があり、これらに加えて、液晶層のギャップおよび境界条件として上下基板上でのダイレクターのプレチルト角(θp)と上下基板間でのねじれ角(φ)、等がある。【0003】この他、必要に応じてアンカリングエネルギーを考慮することもできる。ここで、5つの粘性係数の中のγ1は回転粘性係数を表し、η1、η2、η3およびη12はずれ粘性係数であるミエソビッツ係数を表している。また、これらは、粘性係数の別表記であるレスリー係数α1〜α6に変換することができる。上記の液晶のパラメーターの中で、K11、K22、K33、Δε、ε⊥、Δn、no、pは、比較的簡便な測定方法が確立している。例えば、K11、K22、K33、Δε、ε⊥に対しては、平行配向セルを作成し電気容量の電圧依存性を測定することによって算出する方法(CRIG MAZE,Mol.Cryst.Liq.Cryst.,Vol.48,273(1978))が提案されている。また、Δn、noに対しては、アッべ屈折計を用いて、pに対しては、楔セルを作製しディスクリネーションラインを観察することによって測定される。【0004】しかしながら、粘性係数に関しては、上記5つの粘性係数を全て測定することは、過去にいくつかの液晶に対して評価は行われているものの、手間がかかるのに加えて測定が著しく困難であるという欠点があった。γ1に関しては、例えば、平行配向セルの過渡電流特性を解析することによって得る過渡電流法(MASAHIRO IMAI,Mol.Cryst.Liq.Cryst.,Vol.262,267(1995))、平行配向セルの光学的応答特性から得る緩和法(Shin−Tson,Wu and Chiung−Sheng Wu,Phys.Rev.A42,2219(1990))、円筒状の液晶に回転磁界を印加することが可能な構成において液晶に働くトルクを測定することによってγ1を算出する回転磁界法(V.Tsvetkov,Acta Physicochim(USSR),10,557(1939))等が提案されており、公知技術として確立されている。【0005】また、η1、η2、η3、η12に関しては、キャピラリー中を流れる液晶のダイレクターの磁場による変化から算出する方法(CH.GAHWILLER,Mol.Cryst.Liq.Cryst.,Vol.20,301(1973))等が提案されている。【0006】しかし、特に、ミエソビッツ係数の測定は非常に困難であるため殆ど評価が行われておらず、また、γ1の上述した測定方法は、他の粘性係数を考慮しないトルクバランス方程式に基づいた理論から算出されているため、フローの影響(γ1以外の粘性係数の影響)を考慮して応答特性を再現するという観点からは、その妥当性や精度において不明瞭な点があった。そこで、実際的な評価においては、γ1のみを評価するか、あるいは、回転粘度計で測定した粘性係数(ηs)のみを評価するかのいづれかであり、種々のモードの応答特性の再現に必要な全ての粘性係数を簡便かつ体系的に測定する方法や装置は提供されていないのが現状である。【0007】これによって、上記の液晶層のパラメーターを用いて、種々のモード、TN(Twisted Nematic)、STN(Super Twisted Nematic)、ECB(ElectricallyControlled Birefringence)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)、VA(Vertically Aligned)、IPS(In Plane Switching)、OCB(Optically Compensated Birefringence)、等における光学特性をシミュレーションによって定量的に再現するという観点から、静的な光学特性である輝度あるいは透過率の電圧依存性等は再現することが可能であるが、動的な光学特性である輝度あるいは透過率の応答特性に関してはγ1あるいはηsしか考慮していないため全く不十分であるという欠点があった。【0008】特に、OCBモードの応答特性に関しては、フローの影響(γ1以外の粘性係数の影響)が著しく重要であり、γ1以外の他の粘性係数も考慮しなければ、その高速応答性を説明することができないことが知られている(Synya.Onda,Tetsuya.Miyashita and T.Uchida.,ASIA DISPLAY 98,p1055)。ただし、提案されている全てのモードに対してη12は寄与しないため、最終的にはγ1、η1、η2、η3の4つの粘性係数の簡便な測定方法と測定装置が必要とされている。【0009】【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、液晶ディスプレイの応答特性をシミュレーションによって再現することを目的として、粘性係数γ1、η1、η2、η3を簡便に測定する方法ならびにその測定装置を提供することにある。【0010】【課題を解決するための手段】本発明者らは、この目的を達成するために鋭意検討した。その結果、二枚の平行板からなる回転粘度計と電源を用いて液晶の粘性係数の評価と種々のモードにおける応答特性の評価を行うことによって、上記の課題を解決することを見出し、本発明を完成した。本発明は以下に示す各発明からなる。【0011】本発明における第1の発明は、2つの同心円筒あるいは平行におかれた平板の間隙に液晶を注入し、一方を固定し、他方にずれを発生させることによって粘性係数を測定することができ、また、その2つの円筒あるいは平板を通して液晶に電圧を印加することが可能である粘度計において、1)電圧を印加し、液晶がニュートン流体として振舞う範囲内で、大部分のダイレクターを電界に対して平行に配向させた状態でη1を測定し、2)電圧を印加しない状態でη2を測定し、3)上記1)によるη1から上記2)によるη2の差をγ1として算出する、液晶の粘性係数であるη1、η2、γ1を測定あるいは算出する方法である。【0012】本発明における第2の発明は、1)液晶のダイレクターの外場に対する応答特性を解析することによってγ1を算出した後、2つの同心円筒あるいは平行におかれた平板の間隙に液晶を注入し、一方を固定し、他方にずれを発生させることによって粘性係数を測定し、また、その2つの円筒あるいは平板を通して液晶に電圧を印加することが可能である粘度計において、2)電圧を印加し、上記γ1の値を用いて、の条件下で、大部分のダイレクターを電界に対して平行に配向させた状態でη1を測定し、3)電圧を印加しない状態でη2を測定する、液晶の粘性係数であるγ1、η1、η2を測定する方法である。(ここで、は無次元のパラメーターであり、Dは速度勾配を表わし、Δε、γ1およびdは、液晶の誘電率異方性値、回転粘性係数および液晶層の間隙の厚みを表わし、Uは印加電圧を表わし、電源として交流を利用した場合は実効値を表わす)。【0013】本発明における好ましい態様は、過渡電流法によりγ1を算出する上記第2の発明である。本発明における別の好ましい態様は、緩和法によりγ1を算出する上記第2の発明である。本発明における別の好ましい態様は、回転磁界法によりγ1を算出する上記第2の発明である。【0014】本発明における第3の発明は、1)液晶のダイレクターの外場に対する応答特性を解析することによってγ1を算出した後、2つの同心円筒あるいは平行におかれた平板の間隙に液晶を注入し、一方を固定し、他方にずれを発生させることによって粘性係数を測定することができ、また、その2つの円筒あるいは平板を通して液晶に電圧を印加することが可能である粘度計において、2)電圧を印加し、上記γ1の値を用いて、の条件下で、大部分のダイレクターを電界に対して平行に配向させた状態でη1を測定し、3)電圧を印加しない状態でη2を測定し、4)電圧を印加しない状態で等方相を示す温度領域における粘性係数の温度依存性からη3を算出する、液晶の粘性係数であるγ1、η1、η2、η3を測定する方法である。(ここで、は無次元のパラメーターであり、Dは速度勾配を表わし、Δε、γ1およびdは、液晶の誘電率異方性値、回転粘性係数および液晶層の間隙の厚みを表わし、Uは印加電圧を表わし、電源として交流を利用した場合は実効値を表わす)。【0015】本発明における好ましい態様は、過渡電流法によりγ1を算出する上記第3の発明である。本発明における別の好ましい態様は、緩和法によりγ1を算出する上記第3の発明である。本発明における別の好ましい態様は、回転磁界法によりγ1を算出する上記第3の発明である。【0016】本発明の第4の発明は、上記第1〜3の発明の何れかに記載の方法を利用した粘性測定装置である。本発明の第5の発明は、上記第1〜3の発明の何れかに記載の方法で測定されたη1及びη2が60mPa・sec≦η1≦400mPa・sec、および10mPa・sec≦η2≦60mPa・secの範囲にある液晶組成物である。【0017】【発明の実施の形態】下記の液晶組成物を用いて本発明を具体的に説明する。なお、用いる液晶化合物は、表1に示した定義に基づき、記号で表した。(用いる液晶)5−BB−C(既知の方法で得られる液晶の物性値)Δε=11.0ε⊥=6.35K11=6.32(pN)K22=4.62(pN)K33=10.7(pN)Δn=0.188no=1.533【0018】液晶の物性値に関して、誘電率異方性値(Δε)、ダイレクターに垂直な誘電率(ε⊥)、スプレイ変形に対する弾性定数(K11)、およびベンド変形に対する弾性定数(K33)は、平行配向セルを作製しLCRメーターにより電気容量の電圧依存性を測定しその結果を連続体理論に基づく理論曲線でカーブフィッティングすることによって算出を行った。ツイスト変形に対する弾性定数(K22)は、90°のねじれ配向セルを作製し電気容量の電圧依存性におけるしきい値から見積もった。また、屈折率異方性値(Δn)およびダイレクターに垂直な屈折率(no)は、589nmの波長(λ)を有するNaD線を光源とし市販のアッべ屈折計を用いて測定を行った。いずれも一般的に確立した既知の方法を用いている。なお、上記物性値および下記の透過率の応答特性における測定温度(T)はT=23℃である。【0019】この液晶に対して本発明の測定法ならびに測定装置を用いて粘性係数の算出を行った。具体的には、2枚の平行におかれた上下円板からなる回転粘度計の円板間に電圧を印加できるような測定装置を作製し評価を行った。ただし、本発明の方法で用いられる粘性測定装置は、電界の方向と大部分のダイレクターの方向を一致させ、この方向とずれの方向が直交するような構成を有すればよいので回転粘度計に限定されるものではない。この測定装置を用い電圧を印加することによってη1を正しく測定するためには、η1の定義から流れ方向に対してダイレクターを垂直状態に保つことが必須である。そのため、ダイレクターに作用する電界トルクは、それに作用する粘性トルクに比べて十分大きいという条件を満足しなければならず、液晶材料の評価という観点からは、指針となるパラメーターを見出し明確にする必要がある。【0020】鋭意検討の結果、無次元のパラメーターを導入し、5%以内の精度におけるη1の測定条件として、10−7≦β≦0.2が好ましいことがわかった。更に好ましくは、10−7≦β≦0.1である。βが0.2を越えると、速度勾配あるいは電界の方向に対するダイレクターの傾き角が大きくなるため、η1の値を実際より小さく見積もってしまうため好ましくない。また、βが10−7より小さくなると、安定な粘度が得られないため好ましくない。ここで、γ1は回転粘性係数であり、Dは速度勾配であり、dは液晶層の厚みであり、Δεは誘電率異方性値であり、Uは印加電圧である。ただし、交流電圧を使用した場合、Uは実効値である。また、η1が精度よく測定できているかどうかの確認は、測定に用いるDを包含する範囲内で縦軸を粘性応力、横軸をDとしてプロットした場合に単純な比例関係が得られ、その傾きから算出される粘度がDに無関係であることが示され、ニュートン流体であることを確認することによって成される。【0021】上記液晶材料に関しては、直流電圧でU=800V、2枚の平行な円板間の距離(d)はd=0.5mm、ずれ速度勾配(D)はD=50(1/sec)、β=0.02においてη1の算出を行った。また、D=5〜120(1/sec)の範囲内で変化させニュートン流動状態であることを確認した。回転粘度計を用いた場合は、D=αωと書け、αはdと円板の半径で決定する定数である。ここで、ωは角速度である。D=5〜120(1/sec)の範囲は、ω=0.14〜3.4(rad/sec)の範囲に対応する。以上の条件から、η1=125mPa・secを得た。【0022】η2の測定は、電圧を印加しない状態で、ニュートン流動する条件内で粘度を測定することによってなされる。経験的に流動配向角はかなり小さいので、これより得られた粘性係数(ηs)は近似的にη2に等しい。そこで、η2=26.0mPa・secを得た。上記方法によって、種々の液晶組成物のη1とη2を測定した。その結果、実用的に好ましい液晶組成物のη1、η2は、60mPa・sec≦η1≦400mPa・sec、および10mPa・sec≦η2≦60mPa・secの範囲であることがわかった。この下限未満では誘電率異方性が低下し、上限を超えると応答特性が悪くなり、何れも好ましくない。【0023】η3は、電圧無印加の状態でネマチック・等方相相転移温度(NI点)以上の温度領域において等方相の粘度の温度依存性を測定することによって算出される。等方的流体の温度依存性は経験的に下記の式で与えられる。【数1】ここで、ηiso、η0、EgおよびkBは、それぞれ、等方相における粘度、適当な定数、エネルギーギャップ、およびボルツマン定数を示している。等方相においては粘性の異方性は消失しη3のみ残る。そこで、ネマチック相を示す温度領域内の適当な温度におけるη3は、等方相における粘度の温度依存性を上式でカーブフィッティングし、ネマチック相温度領域内まで外挿することによって算出される。このような方法に従って、T=23℃においてη3=38.0mPa・secを得た。【0024】γ1の測定に関して、ここでは1)経験的な近似を用いて算出する方法、2)平行配向セルの光学的応答特性から算出する緩和法(Shin−Tson,Wu and Chiung−Sheng Wu,Phys.Rev.A42,2219(1990))、3)平行配向セルの過渡電流特性を解析することによって得る過渡電流法(MASAHIRO IMAI,Mol.Cryst.Liq.Cryst.,Vol.262,267(1995))、の検討を行った。2)と3)における測定法は従来技術であるがγ1単独の評価に終始しており、異なる測定法によって得られたγ1の値の整合性、精度、および、上記方法で得られたずれ粘性係数と組み合わせることによる応答特性の定量的な再現性、に関しては不明確であった。【0025】1)経験的な近似を用いて算出する方法とは、γ1≒η1−η2の関係式から得る方法である。上記の方法で得たη1とη2からγ1=99mPa・secを得た。2)緩和法とは、平行配向セルにおいて電圧除去後の透過率の時間変化を測定することによって算出する方法である。より詳細には、Γtotal、T(t)、τ1、tおよびΓ0を、それぞれ、全リタデーション、透過率、時定数、時間および定数とすると、これらの間に下記の関係式が成り立つ。【0026】【数2】【0027】これより、縦軸を上式の左辺にとり横軸を時間にとってプロットしその直線の傾きからτ1を算出することによってγ1を得ることができる。ただし、この関係式は、▲1▼プレチルト角を無視、▲2▼弾性定数比(K33/K11)を無視、▲3▼他のずれ粘性係数を無視したトルクバランス方程式を出発点、としているため、精度良くγ1を得る条件は不明確であった。そこで、われわれは鋭意検討した結果、▲1▼〜▲3▼が無視できる条件として、平行配向セルの中央におけるダイレクターのチルト角(θm)が30°以下であり、かつ、プレチルト角(θp)が1°以下であることを見出した。更に好ましくは、θmは20°以下、かつθpは0.5°以下である。【0028】この条件を達成するために上記θmの上限値における配向プロファイルの数値計算を行い対応する透過率を得るとともに、低プレチルト角を実現するために配向膜としてPVA(Poly Vinyl Alcohol)を用いて平行配向セルを作製した。構成は、クロスニコルの偏光子間にその吸収軸に対して45°の角度に平行配向セルの光学軸が位置するようにし、測定波長(λ)をλ=589nmとして、電圧除去後の透過率の時間依存性の測定を行った。光干渉法からセル厚(d)はd=5.35μmであり、クリスタルローテーション法からθp=0.3°となっていることを確認した。この測定結果からθm≦20°の範囲内で上式を適用することによりγ1=96.5mPa・secを得た。【0029】3)過渡電流法とは、平行配向セルを作製し電圧変化に対する過渡電流特性を解析することによってγ1を算出する方法である。ただし、この測定方法も他の粘性係数を無視したトルクバランス方程式から出発している。上記文献に記載されている方法に従ってγ1を算出すると、γ1=97.1mPa・secとなった。これより1)〜3)の異なるγ1の算出法で、5%以内の許容範囲内で整合性がとれていることがわかる。【0030】粘性係数の1つである回転粘性係数γ1は、応答特性の再現性に対して最も高い精度が求められる。そこで、1)〜3)の測定方法において、測定の簡便さという観点からは、1)が最も簡便であるが一般的に粘度計における測定精度は5%程度であるのに加えて近似を用いてγ1を算出しているため2)と3)の方法の精度には及ばない。これより、より高い精度で応答特性を再現したい場合には、1)よりも測定の簡便さという観点では劣るが、2)や3)の方法で算出するのが好ましい。【0031】【実施例】本発明の方法ならびに測定装置を用いて粘性係数を算出し光学的応答特性を定量的に再現できることを下記の液晶を用いて具体的に説明する。【0032】実施例1以上より、液晶層において、応答特性の計算に必要な全てのパラメーターが揃い、下記のように要約される。(用いる液晶)5−BB−C(物性値)Δε=11.0ε⊥=6.35K11=6.32(pN)K22=4.62(pN)K33=10.7(pN)Δn=0.188no=1.533η1=129mPa・secη2=26mPa・secη3=38mPa・sec【0033】上記で得られたη1−η2からγ1を算出した場合γ1=103mPa・sec平行配向セルの光学的応答特性からγ1を算出した場合γ1=96.5mPa・sec過渡電流特性からγ1を算出した場合γ1=97.1mPa・sec【0034】上記液晶材料を用いてTNセルとOCBセルを作製し、応答特性において上記物性値を用いたシミュレーション値と実測値との比較を行った。連続体理論に基づく計算においてη12は寄与しないのでη12=0として計算を行った。作製したTNセルおよびOCBセルの仕様を下記に示す。dはセル厚、φはねじれ角、θpはプレチルト角を示している。【0035】(TNセル);クロスニコルの偏光子を用いたノーマリーホワイトモード、d=6.1μm、θp=5.1°、φ=90°(OCBセル);クロスニコルの偏光子を用いてその吸収軸と45°の角度をなす光学軸を有するベンド配向セルに光学補償層として平行配向セルを使用し、スプレイ・ベンド転移電圧(Vcr)を駆動電圧域の下限電圧としたノーマリーホワイトモード、d=7.7μm、θp=5.1°【0036】TNセルのセル厚は、第2極小点近傍に設定してあり、OCBセルのそれは、駆動電圧領域の上限電圧をV=6.0Vとし、下限電圧をVcr=1.6Vとし、この上限電圧と下限電圧におけるリタデーション変化がほぼ半波長となるように設定されている。また、OCBセルにおいては上限電圧であるV=6.0Vにおいてベンド配向セルのリタデーションを補償するために光軸がベンド配向セルのそれと直交するような配置で電圧可変型の平行配向セルを利用した。透過率の測定波長(λ)はλ=589nmである。また、初期印加電圧は、両モードともV=6.0Vとしており、時間t=0msecにおいて、TNセルに関してはV=0Vへ、OCBセルに関してはV=1.6Vへ変化させたときの透過率の時間変化を測定した。それぞれのモードにおいてシミュレーション値と実測値の比較を下記に示す(実線はシミュレーション結果であり、○は実測値を示す)。TNセルは図1に、OCBセルは図2にそれぞれ示した。なお、シミュレーションで用いたγ1は、平行配向セルの光学特性から算出されたものである。【0037】これより、TNセルとOCBセルの応答特性において上記物性値を用いたシミュレーション結果は、ほぼ実測値を再現しており所期の目的を達成していることがわかる。また、電圧除去後、透過率が90%に達する時間をτdと定義すると液晶ディスプレイの応答特性の一般的な評価パラメーターであるτdに関しても、シミュレーション結果は実測値とほぼ等しい。【0038】この応答特性の計算結果と実測値の妥当性は、TNモードとOCBモードに限定されるものではない。境界条件のみが異なるECBモード、HANモード、VAモード、ならびに、横電界を利用したIPSモード等においても全く同様である。応答特性の再現においては、配向変化に関して面内のみを考慮すればよいOCBモード、ECBモード、HANモード、VAモード、等はη3に影響しない。従って、これらの応答特性を再現する上ではη1、η2、γ1が既知であればよい。また、光源のスペクトルや屈折率の波長依存性は既知の方法で測定されるので輝度の応答特性も計算できる。【0039】実施例2と3に関しても同様に、本発明の測定方法と測定装置を用いて粘性係数の測定を行い、TNモードとOCBモードにおいてシミュレーション値と実測値の比較を行った。【0040】実施例2(用いる液晶組成物)3−HB−C         20.0%5−HH−VFF       47.0%2−BTB−1         7.0%3−H2BTB−2       5.0%3−HB(F)TB−2     7.0%3−HB(F)TB−3     7.0%3−HB(F)TB−4     7.0%(物性値)Δε=4.0ε⊥=3.3K11=10.2(pN)K22=7.6(pN)K33=21.0(pN)Δn=0.131no=1.480η1=78.7(mPa・sec)η2=10.6(mPa・sec)η3=20.5(mPa・sec)【0041】上記で得られたη1−η2からγ1を算出した場合γ1=68.1(mPa・sec)緩和法からγ1を算出した場合γ1=71.5(mPa・sec)過渡電流法からγ1を算出した場合γ1=72.9(mPa・sec)(TNセルの仕様);d=4.0μm、θp=6.2°(OCBセルの仕様);d=19.6μm、θp=6.1透過率の測定波長(λ)はλ=589nm、測定温度(T)はT=20℃である。また、τdの測定における電圧変化は、TNに対しては6.0V→0V、OCB(Vcr=3.3V)に対しては6.0V→3.3Vである。これらの条件においてシミュレーション値と実測値を下記に示す。【0042】これより、本発明の方法によって粘性係数を測定し、その結果を用いたシミュレーション結果は実測値をほぼ再現していることがわかる。【0043】実施例3(用いる液晶組成物)3−PyB(F)−F     11.0%5−PyB(F)−F     12.0%3−HB−O2        20.0%3−HEB−O4        5.0%3−HHEB−F        8.0%5−HHEB−F        8.0%3−PyBB−F        8.0%4−PyBB−F        8.0%5−PyBB−F        8.0%2−PyBH−3        4.0%3−PyBH−3        4.0%4−PyBH−3        4.0%【0044】(物性値)Δε=8.5ε⊥=4.2K11=14.0(pN)K22=7.1(pN)K33=14.0(pN)Δn=0.159no=1.505η1=134.0(mPa・sec)η2=27.6(mPa・sec)η3=55.5(mPa・sec)【0045】上記で得られたη1−η2からγ1を算出した場合γ1=106.4(mPa・sec)緩和法からγ1を算出した場合γ1=109.0(mPa・sec)過渡電流法からγ1を算出した場合γ1=112.0(mPa・sec)(TNセルの仕様);d=7.1μm、θp=4.8°(OCBセルの仕様);d=9.3μm、θp=4.8°透過率の測定波長(λ)はλ=589nm、測定温度(T)はT=20℃である。【0046】また、τdの測定における電圧変化は、TNに対しては6.0V→0V、OCB(Vcr=2.2V)に対しては6.0V→2.2Vである。これらの条件においてシミュレーション値と実測値を下記に示す。これより、本発明の方法によって粘性係数を測定し、その結果を用いたシミュレーション結果は実測値をほぼ再現していることがわかる。【0047】【表1】【0048】【発明の効果】本発明の粘性係数の測定法ならびに測定装置を使用することによって、液晶性化合物ならびに液晶性組成物の粘性係数を算出し、種々のモードにおいて応答特性をシミュレーションによって再現することができた。【図面の簡単な説明】【図1】TNセルにおける時間と透過率の関係である。【図2】OCBセルにおける時間と透過率の関係である。 2つの同心円筒あるいは平行におかれた平板の間隙に液晶を注入し、一方を固定し、他方にずれを発生させることによって粘性係数を測定することができ、また、その2つの円筒あるいは平板を通して液晶に電圧を印加することが可能である粘度計において、1)電圧を印加し、液晶がニュートン流体として振舞う範囲内で、大部分のダイレクターを電界に対して平行に配向させた状態でη1を測定し、2)電圧を印加しない状態でη2を測定し、3)上記1)によるη1から上記2)によるη2の差をγ1として算出する、液晶の粘性係数であるη1、η2、γ1を測定あるいは算出する方法。 1)液晶のダイレクターの外場に対する応答特性を解析することによってγ1を算出した後、2つの同心円筒あるいは平行におかれた平板の間隙に液晶を注入し、一方を固定し、他方にずれを発生させることによって粘性係数を測定し、また、その2つの円筒あるいは平板を通して液晶に電圧を印加することが可能である粘度計において、2)電圧を印加し、上記γ1の値を用いて、の条件下で、大部分のダイレクターを電界に対して平行に配向させた状態でη1を測定し、3)電圧を印加しない状態でη2を測定する、液晶の粘性係数であるγ1、η1、η2を測定する方法。(ここで、は無次元のパラメーターであり、Dは速度勾配を表わし、Δε、γ1およびdは、液晶の誘電率異方性値、回転粘性係数および液晶層の間隙の厚みを表わし、Uは印加電圧を表わし、電源として交流を利用した場合は実効値を表わす)。 過渡電流法によりγ1を算出する請求項2に記載のγ1、η1、η2を測定する方法。 緩和法によりγ1を算出する請求項2に記載のγ1、η1、η2を測定する方法。 回転磁界法によりγ1を算出する請求項2に記載のγ1、η1、η2を測定する方法。 1)液晶のダイレクターの外場に対する応答特性を解析することによってγ1を算出した後、2つの同心円筒あるいは平行におかれた平板の間隙に液晶を注入し、一方を固定し、他方にずれを発生させることによって粘性係数を測定することができ、また、その2つの円筒あるいは平板を通して液晶に電圧を印加することが可能である粘度計において、2)電圧を印加し、上記γ1の値を用いて、の条件下で、大部分のダイレクターを電界に対して平行に配向させた状態でη1を測定し、3)電圧を印加しない状態でη2を測定し、4)電圧を印加しない状態で等方相を示す温度領域における粘性係数の温度依存性からη3を算出する、液晶の粘性係数であるγ1、η1、η2、η3を測定する方法。(ここで、は無次元のパラメーターであり、Dは速度勾配を表わし、Δε、γ1およびdは、液晶の誘電率異方性値、回転粘性係数および液晶層の間隙の厚みを表わし、Uは印加電圧を表わし、電源として交流を利用した場合は実効値を表わす)。 過渡電流法によりγ1を算出する請求項6に記載のγ1、η1、η2、η3を測定する方法。 緩和法によりγ1を算出する請求項6に記載のγ1、η1、η2、η3を測定する方法。 回転磁界法によりγ1を算出する請求項6に記載のγ1、η1、η2、η3を測定する方法。 請求項1〜9の何れかに記載の方法を利用した粘性測定装置。 請求項1〜9の何れかに記載の方法で測定されたη1及びη2が60mPa・sec≦η1≦400mPa・sec、および10mPa・sec≦η2≦60mPa・secの範囲にある液晶組成物。 【課題】液晶ディスプレイの応答特性をシミュレーションによって再現するために、液晶の粘性係数の測定あるいは算出する方法とそれに使用する測定装置を提供する。【解決手段】1)液晶のダイレクターの外場に対する応答特性を解析することによってγ1を算出した後、2つの同心円筒あるいは平行におかれた平板の間隙に液晶を注入し、一方を固定し、他方にずれを発生させることによって粘性係数を測定し、また、その2つの円筒あるいは平板を通して液晶に電圧を印加することが可能である粘度計において、2)電圧を印加し、の条件下で、大部分のダイレクターを電界に対して平行に配向させた状態でη1を測定し、3)電圧を印加しない状態でη2を測定し、液晶の粘性係数であるη1とη2を測定する方法。(ここで、は無次元のパラメーターであり、Dは速度勾配を表し、Δε、γ1およびdは、液晶の誘電率異方性値、回転粘性係数および液晶層の間隙の厚みを表し、Uは印加電圧を表す。なお、電源として交流を利用した場合は実効値を表している。)【選択図】  なし


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る

特許公報(B2)_液晶の粘性係数の測定方法ならびに測定装置

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_液晶の粘性係数の測定方法ならびに測定装置
出願番号:2002172528
年次:2008
IPC分類:G01N 11/00


特許情報キャッシュ

梁井 元樹 内田 龍男 JP 4095351 特許公報(B2) 20080314 2002172528 20020613 液晶の粘性係数の測定方法ならびに測定装置 チッソ株式会社 000002071 チッソ石油化学株式会社 596032100 内田 龍男 500342983 高木 千嘉 100091731 西村 公佑 100080355 杉本 博司 100110593 梁井 元樹 内田 龍男 20080604 G01N 11/00 20060101AFI20080515BHJP JPG01N11/00 CG01N11/00 A G01N 11/00-11/16 特開平11−029508(JP,A) 特開平06−174626(JP,A) 特開2001−142043(JP,A) 特開平09−269472(JP,A) 特開平11−024023(JP,A) 特開2003−510651(JP,A) 9 2004020255 20040122 15 20050216 ▲高▼見 重雄 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレイの応答特性をシミュレーションによって再現するために、液晶の粘性係数であるγ1、η1、η2、η3を測定あるいは算出する方法とそれを利用した測定装置並びにその測定装置を用いて測定した好ましい粘性係数を有する液晶組成物に関する。【0002】【従来の技術】ある外場下における配向プロファイルおよびその時間発展を決定する液晶層中の主なパラメーターは、液晶の物性値である、スプレイ変形に対する弾性定数(K11)、ツイスト変形に対する弾性定数(K22)、ベンド変形に対する弾性定数(K33)、誘電率異方性値(Δε)とダイレクターに垂直な誘電率(ε⊥)、屈折率異方性値(Δn)とダイレクターに垂直な屈折率(no)、および、5つの粘性係数(γ1、η1、η2、η3、η12)があり、また、カイラル性を有する場合はピッチ(p)があり、これらに加えて、液晶層のギャップおよび境界条件として上下基板上でのダイレクターのプレチルト角(θp)と上下基板間でのねじれ角(φ)、等がある。【0003】この他、必要に応じてアンカリングエネルギーを考慮することもできる。ここで、5つの粘性係数の中のγ1は回転粘性係数を表し、η1、η2、η3およびη12はずれ粘性係数であるミエソビッツ係数を表している。また、これらは、粘性係数の別表記であるレスリー係数α1〜α6に変換することができる。上記の液晶のパラメーターの中で、K11、K22、K33、Δε、ε⊥、Δn、no、pは、比較的簡便な測定方法が確立している。例えば、K11、K22、K33、Δε、ε⊥に対しては、平行配向セルを作成し電気容量の電圧依存性を測定することによって算出する方法(CRIG MAZE,Mol.Cryst.Liq.Cryst.,Vol.48,273(1978))が提案されている。また、Δn、noに対しては、アッべ屈折計を用いて、pに対しては、楔セルを作製しディスクリネーションラインを観察することによって測定される。【0004】しかしながら、粘性係数に関しては、上記5つの粘性係数を全て測定することは、過去にいくつかの液晶に対して評価は行われているものの、手間がかかるのに加えて測定が著しく困難であるという欠点があった。γ1に関しては、例えば、平行配向セルの過渡電流特性を解析することによって得る過渡電流法(MASAHIRO IMAI,Mol.Cryst.Liq.Cryst.,Vol.262,267(1995))、平行配向セルの光学的応答特性から得る緩和法(Shin-Tson,Wu and Chiung-Sheng Wu,Phys.Rev.A42,2219(1990))、円筒状の液晶に回転磁界を印加することが可能な構成において液晶に働くトルクを測定することによってγ1を算出する回転磁界法(V.Tsvetkov,Acta Physicochim(USSR),10,557(1939))等が提案されており、公知技術として確立されている。【0005】また、η1、η2、η3、η12に関しては、キャピラリー中を流れる液晶のダイレクターの磁場による変化から算出する方法(CH.GAHWILLER,Mol.Cryst.Liq.Cryst.,Vol.20,301(1973))等が提案されている。【0006】しかし、特に、ミエソビッツ係数の測定は非常に困難であるため殆ど評価が行われておらず、また、γ1の上述した測定方法は、他の粘性係数を考慮しないトルクバランス方程式に基づいた理論から算出されているため、フローの影響(γ1以外の粘性係数の影響)を考慮して応答特性を再現するという観点からは、その妥当性や精度において不明瞭な点があった。そこで、実際的な評価においては、γ1のみを評価するか、あるいは、回転粘度計で測定した粘性係数(ηs)のみを評価するかのいづれかであり、種々のモードの応答特性の再現に必要な全ての粘性係数を簡便かつ体系的に測定する方法や装置は提供されていないのが現状である。【0007】これによって、上記の液晶層のパラメーターを用いて、種々のモード、TN(Twisted Nematic)、STN(Super Twisted Nematic)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)、VA(Vertically Aligned)、IPS(In Plane Switching)、OCB(Optically Compensated Birefringence)、等における光学特性をシミュレーションによって定量的に再現するという観点から、静的な光学特性である輝度あるいは透過率の電圧依存性等は再現することが可能であるが、動的な光学特性である輝度あるいは透過率の応答特性に関してはγ1あるいはηsしか考慮していないため全く不十分であるという欠点があった。【0008】特に、OCBモードの応答特性に関しては、フローの影響(γ1以外の粘性係数の影響)が著しく重要であり、γ1以外の他の粘性係数も考慮しなければ、その高速応答性を説明することができないことが知られている(Synya.Onda,Tetsuya.Miyashita and T.Uchida.,ASIA DISPLAY 98,p1055)。ただし、提案されている全てのモードに対してη12は寄与しないため、最終的にはγ1、η1、η2、η3の4つの粘性係数の簡便な測定方法と測定装置が必要とされている。【0009】【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、液晶ディスプレイの応答特性をシミュレーションによって再現することを目的として、粘性係数γ1、η1、η2、η3を簡便に測定する方法ならびにその測定装置を提供することにある。【0010】【課題を解決するための手段】本発明者らは、この目的を達成するために鋭意検討した。その結果、二枚の平行板からなる回転粘度計と電源を用いて液晶の粘性係数の評価と種々のモードにおける応答特性の評価を行うことによって、上記の課題を解決することを見出し、本発明を完成した。本発明は以下に示す各発明からなる。【0011】本発明における第1の発明は、2つの同心円筒あるいは平行におかれた平板の間隙に液晶を注入し、一方を固定し、他方にずれを発生させることによって粘性係数を測定することができ、また、その2つの円筒あるいは平板を通して液晶に電圧を印加することが可能である粘度計において、1)電圧を印加し、液晶がニュートン流体として振舞う範囲内で、大部分のダイレクターを電界に対して平行に配向させた状態でη1を測定し、2)電圧を印加しない状態でη2を測定し、3)上記1)によるη1から上記2)によるη2の差をγ1として算出する、液晶の粘性係数であるη1、η2、γ1を測定あるいは算出する方法である。【0012】本発明における第2の発明は、1)液晶のダイレクターの外場に対する応答特性を解析することによってγ1を算出した後、2つの同心円筒あるいは平行におかれた平板の間隙に液晶を注入し、一方を固定し、他方にずれを発生させることによって粘性係数を測定し、また、その2つの円筒あるいは平板を通して液晶に電圧を印加することが可能である粘度計において、2)電圧を印加し、上記γ1の値を用いて、の条件下で、大部分のダイレクターを電界に対して平行に配向させた状態でη1を測定し、3)電圧を印加しない状態でη2を測定する、液晶の粘性係数であるγ1、η1、η2を測定する方法である。(ここで、は無次元のパラメーターであり、Dは速度勾配を表わし、Δε、γ1およびdは、液晶の誘電率異方性値、回転粘性係数および液晶層の間隙の厚みを表わし、Uは印加電圧を表わし、電源として交流を利用した場合は実効値を表わす)。【0013】本発明における好ましい態様は、過渡電流法によりγ1を算出する上記第2の発明である。本発明における別の好ましい態様は、緩和法によりγ1を算出する上記第2の発明である。本発明における別の好ましい態様は、回転磁界法によりγ1を算出する上記第2の発明である。【0014】本発明における第3の発明は、1)液晶のダイレクターの外場に対する応答特性を解析することによってγ1を算出した後、2つの同心円筒あるいは平行におかれた平板の間隙に液晶を注入し、一方を固定し、他方にずれを発生させることによって粘性係数を測定することができ、また、その2つの円筒あるいは平板を通して液晶に電圧を印加することが可能である粘度計において、2)電圧を印加し、上記γ1の値を用いて、の条件下で、大部分のダイレクターを電界に対して平行に配向させた状態でη1を測定し、3)電圧を印加しない状態でη2を測定し、4)電圧を印加しない状態で等方相を示す温度領域における粘性係数の温度依存性からη3を算出する、液晶の粘性係数であるγ1、η1、η2、η3を測定する方法である。(ここで、は無次元のパラメーターであり、Dは速度勾配を表わし、Δε、γ1およびdは、液晶の誘電率異方性値、回転粘性係数および液晶層の間隙の厚みを表わし、Uは印加電圧を表わし、電源として交流を利用した場合は実効値を表わす)。【0015】本発明における好ましい態様は、過渡電流法によりγ1を算出する上記第3の発明である。本発明における別の好ましい態様は、緩和法によりγ1を算出する上記第3の発明である。本発明における別の好ましい態様は、回転磁界法によりγ1を算出する上記第3の発明である。【0016】本発明の第4の発明は、上記第1〜3の発明の何れかに記載の方法を利用した粘性測定装置である。本発明の第5の発明は、上記第1〜3の発明の何れかに記載の方法で測定されたη1及びη2が60mPa・sec≦η1≦400mPa・sec、および10mPa・sec≦η2≦60mPa・secの範囲にある液晶組成物である。【0017】【発明の実施の形態】下記の液晶組成物を用いて本発明を具体的に説明する。なお、用いる液晶化合物は、表1に示した定義に基づき、記号で表した。(用いる液晶)5−BB−C(既知の方法で得られる液晶の物性値)Δε=11.0ε⊥=6.35K11=6.32(pN)K22=4.62(pN)K33=10.7(pN)Δn=0.188no=1.533【0018】液晶の物性値に関して、誘電率異方性値(Δε)、ダイレクターに垂直な誘電率(ε⊥)、スプレイ変形に対する弾性定数(K11)、およびベンド変形に対する弾性定数(K33)は、平行配向セルを作製しLCRメーターにより電気容量の電圧依存性を測定しその結果を連続体理論に基づく理論曲線でカーブフィッティングすることによって算出を行った。ツイスト変形に対する弾性定数(K22)は、90°のねじれ配向セルを作製し電気容量の電圧依存性におけるしきい値から見積もった。また、屈折率異方性値(Δn)およびダイレクターに垂直な屈折率(no)は、589nmの波長(λ)を有するNaD線を光源とし市販のアッべ屈折計を用いて測定を行った。いずれも一般的に確立した既知の方法を用いている。なお、上記物性値および下記の透過率の応答特性における測定温度(T)はT=23℃である。【0019】この液晶に対して本発明の測定法ならびに測定装置を用いて粘性係数の算出を行った。具体的には、2枚の平行におかれた上下円板からなる回転粘度計の円板間に電圧を印加できるような測定装置を作製し評価を行った。ただし、本発明の方法で用いられる粘性測定装置は、電界の方向と大部分のダイレクターの方向を一致させ、この方向とずれの方向が直交するような構成を有すればよいので回転粘度計に限定されるものではない。この測定装置を用い電圧を印加することによってη1を正しく測定するためには、η1の定義から流れ方向に対してダイレクターを垂直状態に保つことが必須である。そのため、ダイレクターに作用する電界トルクは、それに作用する粘性トルクに比べて十分大きいという条件を満足しなければならず、液晶材料の評価という観点からは、指針となるパラメーターを見出し明確にする必要がある。【0020】鋭意検討の結果、無次元のパラメーターを導入し、5%以内の精度におけるη1の測定条件として、10-7≦β≦0.2が好ましいことがわかった。更に好ましくは、10-7≦β≦0.1である。βが0.2を越えると、速度勾配あるいは電界の方向に対するダイレクターの傾き角が大きくなるため、η1の値を実際より小さく見積もってしまうため好ましくない。また、βが10-7より小さくなると、安定な粘度が得られないため好ましくない。ここで、γ1は回転粘性係数であり、Dは速度勾配であり、dは液晶層の厚みであり、Δεは誘電率異方性値であり、Uは印加電圧である。ただし、交流電圧を使用した場合、Uは実効値である。また、η1が精度よく測定できているかどうかの確認は、測定に用いるDを包含する範囲内で縦軸を粘性応力、横軸をDとしてプロットした場合に単純な比例関係が得られ、その傾きから算出される粘度がDに無関係であることが示され、ニュートン流体であることを確認することによって成される。【0021】上記液晶材料に関しては、直流電圧でU=800V、2枚の平行な円板間の距離(d)はd=0.5mm、ずれ速度勾配(D)はD=50(1/sec)、β=0.02においてη1の算出を行った。また、D=5〜120(1/sec)の範囲内で変化させニュートン流動状態であることを確認した。回転粘度計を用いた場合は、D=αωと書け、αはdと円板の半径で決定する定数である。ここで、ωは角速度である。D=5〜120(1/sec)の範囲は、ω=0.14〜3.4(rad/sec)の範囲に対応する。以上の条件から、η1=125mPa・secを得た。【0022】η2の測定は、電圧を印加しない状態で、ニュートン流動する条件内で粘度を測定することによってなされる。経験的に流動配向角はかなり小さいので、これより得られた粘性係数(ηs)は近似的にη2に等しい。そこで、η2=26.0mPa・secを得た。上記方法によって、種々の液晶組成物のη1とη2を測定した。その結果、実用的に好ましい液晶組成物のη1、η2は、60mPa・sec≦η1≦400mPa・sec、および10mPa・sec≦η2≦60mPa・secの範囲であることがわかった。この下限未満では誘電率異方性が低下し、上限を超えると応答特性が悪くなり、何れも好ましくない。【0023】η3は、電圧無印加の状態でネマチック・等方相相転移温度(NI点)以上の温度領域において等方相の粘度の温度依存性を測定することによって算出される。等方的流体の温度依存性は経験的に下記の式で与えられる。【数1】ここで、ηiso、η0、EgおよびkBは、それぞれ、等方相における粘度、適当な定数、エネルギーギャップ、およびボルツマン定数を示している。等方相においては粘性の異方性は消失しη3のみ残る。そこで、ネマチック相を示す温度領域内の適当な温度におけるη3は、等方相における粘度の温度依存性を上式でカーブフィッティングし、ネマチック相温度領域内まで外挿することによって算出される。このような方法に従って、T=23℃においてη3=38.0mPa・secを得た。【0024】γ1の測定に関して、ここでは1)経験的な近似を用いて算出する方法、2)平行配向セルの光学的応答特性から算出する緩和法(Shin-Tson,Wu and Chiung-Sheng Wu,Phys.Rev.A42,2219(1990))、3)平行配向セルの過渡電流特性を解析することによって得る過渡電流法(MASAHIRO IMAI,Mol.Cryst.Liq.Cryst.,Vol.262,267(1995))、の検討を行った。2)と3)における測定法は従来技術であるがγ1単独の評価に終始しており、異なる測定法によって得られたγ1の値の整合性、精度、および、上記方法で得られたずれ粘性係数と組み合わせることによる応答特性の定量的な再現性、に関しては不明確であった。【0025】1)経験的な近似を用いて算出する方法とは、γ1≒η1−η2の関係式から得る方法である。上記の方法で得たη1とη2からγ1=99mPa・secを得た。2)緩和法とは、平行配向セルにおいて電圧除去後の透過率の時間変化を測定することによって算出する方法である。より詳細には、Γtotal、T(t)、τ1、tおよびΓ0を、それぞれ、全リタデーション、透過率、時定数、時間および定数とすると、これらの間に下記の関係式が成り立つ。【0026】【数2】【0027】これより、縦軸を上式の左辺にとり横軸を時間にとってプロットしその直線の傾きからτ1を算出することによってγ1を得ることができる。ただし、この関係式は、▲1▼プレチルト角を無視、▲2▼弾性定数比(K33/K11)を無視、▲3▼他のずれ粘性係数を無視したトルクバランス方程式を出発点、としているため、精度良くγ1を得る条件は不明確であった。そこで、われわれは鋭意検討した結果、▲1▼〜▲3▼が無視できる条件として、平行配向セルの中央におけるダイレクターのチルト角(θm)が30°以下であり、かつ、プレチルト角(θp)が1°以下であることを見出した。更に好ましくは、θmは20°以下、かつθpは0.5°以下である。【0028】この条件を達成するために上記θmの上限値における配向プロファイルの数値計算を行い対応する透過率を得るとともに、低プレチルト角を実現するために配向膜としてPVA(Poly Vinyl Alcohol)を用いて平行配向セルを作製した。構成は、クロスニコルの偏光子間にその吸収軸に対して45°の角度に平行配向セルの光学軸が位置するようにし、測定波長(λ)をλ=589nmとして、電圧除去後の透過率の時間依存性の測定を行った。光干渉法からセル厚(d)はd=5.35μmであり、クリスタルローテーション法からθp=0.3°となっていることを確認した。この測定結果からθm≦20°の範囲内で上式を適用することによりγ1=96.5mPa・secを得た。【0029】3)過渡電流法とは、平行配向セルを作製し電圧変化に対する過渡電流特性を解析することによってγ1を算出する方法である。ただし、この測定方法も他の粘性係数を無視したトルクバランス方程式から出発している。上記文献に記載されている方法に従ってγ1を算出すると、γ1=97.1mPa・secとなった。これより1)〜3)の異なるγ1の算出法で、5%以内の許容範囲内で整合性がとれていることがわかる。【0030】粘性係数の1つである回転粘性係数γ1は、応答特性の再現性に対して最も高い精度が求められる。そこで、1)〜3)の測定方法において、測定の簡便さという観点からは、1)が最も簡便であるが一般的に粘度計における測定精度は5%程度であるのに加えて近似を用いてγ1を算出しているため2)と3)の方法の精度には及ばない。これより、より高い精度で応答特性を再現したい場合には、1)よりも測定の簡便さという観点では劣るが、2)や3)の方法で算出するのが好ましい。【0031】【実施例】本発明の方法ならびに測定装置を用いて粘性係数を算出し光学的応答特性を定量的に再現できることを下記の液晶を用いて具体的に説明する。【0032】実施例1以上より、液晶層において、応答特性の計算に必要な全てのパラメーターが揃い、下記のように要約される。(用いる液晶)5−BB−C(物性値)Δε=11.0ε⊥=6.35K11=6.32(pN)K22=4.62(pN)K33=10.7(pN)Δn=0.188no=1.533η1=129mPa・secη2=26mPa・secη3=38mPa・sec【0033】上記で得られたη1−η2からγ1を算出した場合γ1=103mPa・sec平行配向セルの光学的応答特性からγ1を算出した場合γ1=96.5mPa・sec過渡電流特性からγ1を算出した場合γ1=97.1mPa・sec【0034】上記液晶材料を用いてTNセルとOCBセルを作製し、応答特性において上記物性値を用いたシミュレーション値と実測値との比較を行った。連続体理論に基づく計算においてη12は寄与しないのでη12=0として計算を行った。作製したTNセルおよびOCBセルの仕様を下記に示す。dはセル厚、φはねじれ角、θpはプレチルト角を示している。【0035】(TNセル);クロスニコルの偏光子を用いたノーマリーホワイトモード、d=6.1μm、θp=5.1°、φ=90°(OCBセル);クロスニコルの偏光子を用いてその吸収軸と45°の角度をなす光学軸を有するベンド配向セルに光学補償層として平行配向セルを使用し、スプレイ・ベンド転移電圧(Vcr)を駆動電圧域の下限電圧としたノーマリーホワイトモード、d=7.7μm、θp=5.1°【0036】TNセルのセル厚は、第2極小点近傍に設定してあり、OCBセルのそれは、駆動電圧領域の上限電圧をV=6.0Vとし、下限電圧をVcr=1.6Vとし、この上限電圧と下限電圧におけるリタデーション変化がほぼ半波長となるように設定されている。また、OCBセルにおいては上限電圧であるV=6.0Vにおいてベンド配向セルのリタデーションを補償するために光軸がベンド配向セルのそれと直交するような配置で電圧可変型の平行配向セルを利用した。透過率の測定波長(λ)はλ=589nmである。また、初期印加電圧は、両モードともV=6.0Vとしており、時間t=0msecにおいて、TNセルに関してはV=0Vへ、OCBセルに関してはV=1.6Vへ変化させたときの透過率の時間変化を測定した。それぞれのモードにおいてシミュレーション値と実測値の比較を下記に示す(実線はシミュレーション結果であり、○は実測値を示す)。TNセルは図1に、OCBセルは図2にそれぞれ示した。なお、シミュレーションで用いたγ1は、平行配向セルの光学特性から算出されたものである。【0037】これより、TNセルとOCBセルの応答特性において上記物性値を用いたシミュレーション結果は、ほぼ実測値を再現しており所期の目的を達成していることがわかる。また、電圧除去後、透過率が90%に達する時間をτdと定義すると液晶ディスプレイの応答特性の一般的な評価パラメーターであるτdに関しても、シミュレーション結果は実測値とほぼ等しい。【0038】この応答特性の計算結果と実測値の妥当性は、TNモードとOCBモードに限定されるものではない。境界条件のみが異なるECBモード、HANモード、VAモード、ならびに、横電界を利用したIPSモード等においても全く同様である。応答特性の再現においては、配向変化に関して面内のみを考慮すればよいOCBモード、ECBモード、HANモード、VAモード、等はη3に影響しない。従って、これらの応答特性を再現する上ではη1、η2、γ1が既知であればよい。また、光源のスペクトルや屈折率の波長依存性は既知の方法で測定されるので輝度の応答特性も計算できる。【0039】実施例2と3に関しても同様に、本発明の測定方法と測定装置を用いて粘性係数の測定を行い、TNモードとOCBモードにおいてシミュレーション値と実測値の比較を行った。【0040】実施例2(用いる液晶組成物)3−HB−C 20.0%5−HH−VFF 47.0%2−BTB−1 7.0%3−H2BTB−2 5.0%3−HB(F)TB−2 7.0%3−HB(F)TB−3 7.0%3−HB(F)TB−4 7.0%(物性値)Δε=4.0ε⊥=3.3K11=10.2(pN)K22=7.6(pN)K33=21.0(pN)Δn=0.131no=1.480η1=78.7(mPa・sec)η2=10.6(mPa・sec)η3=20.5(mPa・sec)【0041】上記で得られたη1−η2からγ1を算出した場合γ1=68.1(mPa・sec)緩和法からγ1を算出した場合γ1=71.5(mPa・sec)過渡電流法からγ1を算出した場合γ1=72.9(mPa・sec)(TNセルの仕様);d=4.0μm、θp=6.2°(OCBセルの仕様);d=19.6μm、θp=6.1透過率の測定波長(λ)はλ=589nm、測定温度(T)はT=20℃である。また、τdの測定における電圧変化は、TNに対しては6.0V→0V、OCB(Vcr=3.3V)に対しては6.0V→3.3Vである。これらの条件においてシミュレーション値と実測値を下記に示す。【0042】これより、本発明の方法によって粘性係数を測定し、その結果を用いたシミュレーション結果は実測値をほぼ再現していることがわかる。【0043】実施例3(用いる液晶組成物)3−PyB(F)−F 11.0%5−PyB(F)−F 12.0%3−HB−O2 20.0%3−HEB−O4 5.0%3−HHEB−F 8.0%5−HHEB−F 8.0%3−PyBB−F 8.0%4−PyBB−F 8.0%5−PyBB−F 8.0%2−PyBH−3 4.0%3−PyBH−3 4.0%4−PyBH−3 4.0%【0044】(物性値)Δε=8.5ε⊥=4.2K11=14.0(pN)K22=7.1(pN)K33=14.0(pN)Δn=0.159no=1.505η1=134.0(mPa・sec)η2=27.6(mPa・sec)η3=55.5(mPa・sec)【0045】上記で得られたη1−η2からγ1を算出した場合γ1=106.4(mPa・sec)緩和法からγ1を算出した場合γ1=109.0(mPa・sec)過渡電流法からγ1を算出した場合γ1=112.0(mPa・sec)(TNセルの仕様);d=7.1μm、θp=4.8°(OCBセルの仕様);d=9.3μm、θp=4.8°透過率の測定波長(λ)はλ=589nm、測定温度(T)はT=20℃である。【0046】また、τdの測定における電圧変化は、TNに対しては6.0V→0V、OCB(Vcr=2.2V)に対しては6.0V→2.2Vである。これらの条件においてシミュレーション値と実測値を下記に示す。これより、本発明の方法によって粘性係数を測定し、その結果を用いたシミュレーション結果は実測値をほぼ再現していることがわかる。【0047】【表1】【0048】【発明の効果】本発明の粘性係数の測定法ならびに測定装置を使用することによって、液晶性化合物ならびに液晶性組成物の粘性係数を算出し、種々のモードにおいて応答特性をシミュレーションによって再現することができた。【図面の簡単な説明】【図1】TNセルにおける時間と透過率の関係である。【図2】OCBセルにおける時間と透過率の関係である。 1)液晶のダイレクターの外場に対する応答特性を解析することによってγ1を算出した後、2つの同心円筒あるいは平行におかれた平板の間隙に液晶を注入し、一方を固定し、他方にずれを発生させることによって粘性係数を測定し、また、その2つの円筒あるいは平板を通して液晶に電圧を印加することが可能である粘度計において、 2)電圧を印加し、上記γ1の値を用いて、の条件下で、大部分のダイレクターを電界に対して平行に配向させた状態でη1を測定し、 3)電圧を印加しない状態でη2を測定する、液晶の粘性係数であるγ1、η1、η2を測定する方法。(ここで、は無次元のパラメーターであり、Dは速度勾配を表わし、Δε、γ1およびdは、液晶の誘電率異方性値、回転粘性係数および液晶層の間隙の厚みを表わし、Uは印加電圧を表わし、電源として交流を利用した場合は実効値を表わす。) 過渡電流法によりγ1を算出する請求項1に記載のγ1、η1、η2を測定する方法。 緩和法によりγ1を算出する請求項1に記載のγ1、η1、η2を測定する方法。 回転磁界法によりγ1を算出する請求項1に記載のγ1、η1、η2を測定する方法。 1)液晶のダイレクターの外場に対する応答特性を解析することによってγ1を算出した後、2つの同心円筒あるいは平行におかれた平板の間隙に液晶を注入し、一方を固定し、他方にずれを発生させることによって粘性係数を測定することができ、また、その2つの円筒あるいは平板を通して液晶に電圧を印加することが可能である粘度計において、 2)電圧を印加し、上記γ1の値を用いて、の条件下で、大部分のダイレクターを電界に対して平行に配向させた状態でη1を測定し、 3)電圧を印加しない状態でη2を測定し、 4)電圧を印加しない状態で等方相を示す温度領域における粘性係数の温度依存性からη3を算出する、液晶の粘性係数であるγ1、η1、η2、η3を測定する方法。(ここで、は無次元のパラメーターであり、Dは速度勾配を表わし、Δε、γ1およびdは、液晶の誘電率異方性値、回転粘性係数および液晶層の間隙の厚みを表わし、Uは印加電圧を表わし、電源として交流を利用した場合は実効値を表わす。) 過渡電流法によりγ1を算出する請求項5に記載のγ1、η1、η2、η3を測定する方法。 緩和法によりγ1を算出する請求項5に記載のγ1、η1、η2、η3を測定する方法。 回転磁界法によりγ1を算出する請求項5に記載のγ1、η1、η2、η3を測定する方法。 請求項1〜8の何れかに記載の方法を利用した粘性測定装置。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る