タイトル: | 公開特許公報(A)_低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法及び該製造方法で製造された低級脂肪族カルボン酸エステル |
出願番号: | 2002172502 |
年次: | 2004 |
IPC分類: | 7,C07C67/04,C07C69/14,C07B61/00 |
渡辺 恭一 内田 博 JP 2004018404 公開特許公報(A) 20040122 2002172502 20020613 低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法及び該製造方法で製造された低級脂肪族カルボン酸エステル 昭和電工株式会社 000002004 柿沼 伸司 100118740 渡辺 恭一 内田 博 7 C07C67/04 C07C69/14 C07B61/00 JP C07C67/04 C07C69/14 C07B61/00 300 14 OL 14 4H006 4H039 4H006AA01 4H006AA02 4H006AB84 4H006AC48 4H006BA12 4H006BA14 4H006BA30 4H006BA33 4H006BA35 4H006BA75 4H006BE60 4H006KA11 4H039CA66 4H039CF10 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、低級オレフィンと低級脂肪族カルボン酸とを反応させて低級脂肪族カルボン酸エステルを製造する方法及び該製造方法により製造された低級脂肪族カルボン酸エステルに関する。【0002】【従来の技術】低級オレフィン類と低級脂肪族カルボン酸とを酸触媒の存在下で反応させて、相当する低級脂肪族カルボン酸エステルを得ることが可能なことはよく知られている。この反応の触媒としてヘテロポリ酸及びその塩が有効に働くことも知られている。これらの従来技術の具体例としては、例えば、特開平4−139148号公報、特開平4−139149号公報、特開平5−65248号公報、特開平5−163200号公報、特開平5−170699号公報、特開平5−255185号公報、特開平5−294894号公報、特開平6−72951号公報、特開平9−118647号公報等が挙げられ、初期活性の高い触媒開発が進んでいる。【0003】しかし工業的な製造方法においては、原料から導かれる不純物や反応により生成する副生物が触媒の劣化を起こす原因となり、ひいては反応成績の低下に繋がるなどの問題が発生する。特に、純度の低い原料を用いた場合にその原料に含まれる不純物や、循環系を持つプロセスで連続的に反応を行う場合に系内に蓄積する様々な不純物や副生物等の影響で触媒が劣化し、さらに副反応を促進するという悪循環に陥る等の問題点がある。【0004】【発明が解決しようとする課題】本発明は、気相で低級脂肪族カルボン酸を低級オレフィンでエステル化する低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法において、連続的に安定した運転が可能な低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法を提供するものである。【0005】より詳しくは、当該製造方法において、原料由来の不純物或いは循環系を持つプロセスで生ずる副生物由来の化合物の原料に対する濃度を低く押さえることにより、特に触媒の劣化を抑え、ひいては長時間、連続的に安定した運転が可能な低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法を提供するものである。【0006】【課題を解決するための手段】本発明者らは、低級オレフィンと低級脂肪族カルボン酸とを反応させ低級脂肪族カルボン酸エステルを製造する際に、触媒の劣化が起こりにくい、長時間、連続的に安定した運転が可能な製造方法を探求すべく鋭意研究を行った。【0007】その結果、気相で低級脂肪族カルボン酸と低級オレフィンとを酸触媒を用いて低級脂肪族カルボン酸エステル化する低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法において、実質的にアセチレン類を含まないことをように制御することで、触媒劣化の進行が著しく抑えられ、ひいては長時間、連続的に安定した運転が可能なことを見出し本発明を完成させた。【0008】すなわち本発明(I)は、酸触媒の存在下、低級脂肪族カルボン酸と低級オレフィンとから低級脂肪族カルボン酸エステルを製造する方法において、原料中に実質的にアセチレン類を含まないことを特徴とする低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法である。【0009】また、本発明(II)は、本発明(I)の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法により製造された低級脂肪族カルボン酸エステルである。【0010】さらに本発明は例えば以下の事項からなる〔1〕 酸触媒の存在下、低級脂肪族カルボン酸と低級オレフィンとから低級脂肪族カルボン酸エステルを製造する方法において、原料中に実質的にアセチレン類を含まないことを特徴とする低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。【0011】〔2〕 アセチレン類の濃度が該物質と低級オレフィンとの合計に対してモル比で25ppm以下であることを特徴とする〔1〕に記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。【0012】〔3〕 アセチレン類の濃度が該物質と低級オレフィンとの合計に対してモル比で10ppm以下であることを特徴とする〔1〕に記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。【0013】〔4〕 アセチレン類の濃度が該物質と低級オレフィンとの合計に対してモル比で1ppm以下であることを特徴とする〔1〕に記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。【0014】〔5〕 アセチレン類がアセチレンであることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。【0015】〔6〕 アセチレン類がメチルアセチレンであることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。【0016】〔7〕 アセチレン類がビニルアセチレンであることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。【0017】〔8〕 低級脂肪族カルボン酸が、炭素数1〜炭素数4の低級脂肪族カルボン酸のいずれか一種以上であることを特徴とする〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。【0018】〔9〕 低級オレフィンが、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブテン及びそれらの二種以上の混合物からなる群から選ばれる少なくとも一種以上であることを特徴とする〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。【0019】〔10〕 酸触媒が、ヘテロポリ酸及び/又はヘテロポリ酸塩から選ばれた少なくとも一種の化合物を含むことを特徴とする〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。【0020】〔11〕 ヘテロポリ酸が、ケイタングステン酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、ケイバナドタングステン酸、リンバナドタングステン酸及びリンバナドモリブデン酸よりなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物を含むことを特徴とする〔10〕に記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。【0021】〔12〕 ヘテロポリ酸塩が、ケイタングステン酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、ケイバナドタングステン酸、リンバナドタングステン酸又はリンバナドモリブデン酸の、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、銅塩、金塩、ガリウム塩及びアンモニウム塩よりなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物を含むことを特徴とする〔10〕に記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。【0022】〔13〕 水の存在下に低級オレフィンと低級脂肪族カルボン酸との反応を行うことを特徴とする〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。【0023】〔14〕 〔1〕〜〔13〕のいずれかに記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法により製造されたことを特徴とする低級脂肪族カルボン酸エステル。【0024】【発明の実施の形態】以下、本発明についてより詳しく説明する。本発明で言う「アセチレン類」とは、炭素−炭素3重結合を有する低級オレフィンを表す。具体的には、例えばアセチレン、メチルアセチレン、ビニルアセチレンなどを挙げることができるが、より好ましくはアセチレンを意味する。【0025】中でも、当該低級脂肪族カルボン酸エステル化反応の条件下で起こりうるアセチレン類の重合が特に問題となる可能性がある。もちろん、これらに限定されるものではない。【0026】本発明の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法では、原料中のアセチレン類の濃度が該物質と低級オレフィンとの合計に対してモル比で25ppm以下に制御することが、触媒劣化の進行速度を低く抑え、ひいては長時間、連続的に安定した運転を行うことに対して有効である。【0027】ここで言う「原料中のアセチレン類の濃度」とは、該低級脂肪族カルボン酸エステル化反応を行う反応器入り口直前の各々の濃度を指す。【0028】例えば、具体的には図1に示すような循環工程を持たないワンパスのプロセスにおいて当該反応を行う場合、▲1▼で示す反応器入り口直前での濃度を指す。また、図2に示すような後工程からの循環工程を持つプロセスでは、▲2▼で示す反応器入り口直前での濃度を指す。もちろん本発明は、これらに例示したプロセスに限定されるわけではない。【0029】従って、ここで言う「原料」には、新たにフィードする低級オレフィンや低級脂肪族カルボン酸はもちろん、反応器で反応させた後の未反応原料を、後工程を経て回収し必要なら精製した上で循環系で反応器にフィードする物も含まれることは言うまでもない。【0030】図1で表されるプロセスでの▲1▼の位置、あるいは図2で表されるプロセスでの▲2▼の位置は、一般に、反応器での反応温度と同等の温度に保たれている。従って、このような場所での濃度測定では、特にサンプリングに工夫を要する。例えば、ガスの一部をサンプリング冷却し、凝縮した捕集液は全量を回収しガスクロマトグラフィーで分析し、また、凝縮せずに残った流出ガスはサンプリング時間内に出てきたガス流量を量り、その一部を取り出しガスクロマトグラフィーで組成を分析する方法などが挙げられる。【0031】本発明においては原料中に実質的にアセチレン類を含まないことが好ましく、特にアセチレン類の濃度が該物質と低級オレフィンとの合計に対してモル比で25ppmを越えると、触媒活性の低下速度が著しく速くなり、よって触媒寿命が大幅に短くなる。これはこれらのアセチレン類が触媒上で反応することにより重合してコークを生成し、その為に触媒の活性点が覆われ失活するためであると考えられる。【0032】従って、原料中のアセチレン類の濃度は低いほど良く、好ましくは10ppm以下、より好ましくは1ppm以下である。ここで言う1ppm以下とは、例えば本明細書に記述するアセチレン分析方法による場合の検出限界値を意味し、実質的に不検出であることが好ましい。【0033】原料中のアセチレン類の濃度を、該物質と低級オレフィンとの合計に対してモル比で25ppm以下に制御する方法に関して特に制限はない。一般に知られている分離技術を用いることで構わない。【0034】一例を挙げれば、まず基本的には原料として用いる低級オレフィンの中にこれらの化合物の含有量を極力少なくなるように精製しておくことは言うまでもない。あるいは原料中に含まれるアセチレン類をあらかじめ公知の水素化反応により水素添加し、反応を阻害しないアルケン類又はアルカン類に変換しておく方法も有効である。水素化反応に関しては例えば特開昭54−90101号公報、特開昭55−87727号公報、特開昭59−59634号公報に記載がある。【0035】また、特に循環系を組んだ場合に問題となりうる、反応系内の副反応により生成してくるアセチレン類に対しては、反応器から出てきた反応ガスを低級オレフィンを除く主生成物、原料、副反応物を適当な溶剤に吸収させる等の方法で低級オレフィンと分離することが出来る。また、原料ガスを高圧又は深冷蒸留により低級オレフィンと分離したり、分離膜等を利用して低級オレフィンと分離しても良い。ここに挙げた具体的な方法以外にも、循環して反応器に導かれるアセチレン類の濃度を、該物質と低級オレフィンとの合計に対してモル比で25ppm以下に制御することが可能な方法であれば、どの様な方法を採用しても構わない。【0036】本発明の反応原料としての低級脂肪族カルボン酸とは、好ましくは炭素数1〜炭素数4の低級脂肪族低級脂肪族カルボン酸であり、より好ましくは蟻酸、酢酸、アクリル酸、プロピオン酸、メタクリル酸であり、特に酢酸、アクリル酸が好適である。もちろんこれらの二種以上の混合物であっても構わない。【0037】また、本発明の反応原料としての低級オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブテンまたはそれらの二種以上の混合物を挙げることができる。【0038】本発明の酸触媒とは、ヘテロポリ酸及びその塩、イオン交換樹脂、鉱酸、ゼオライト、複合金属酸化物等の一般に酸触媒として広く知られているものを用いることができる。特にヘテロポリ酸やヘテロポリ酸塩が好適である。【0039】ここでいうヘテロポリ酸とは、中心元素および酸素が結合した周辺元素からなるものである。中心元素は、通常珪素または燐であるが、元素の周期律表の1族〜17族の多種の原子から選ばれる任意の1つからなることができる。具体的には、例えば、第二銅イオン;二価のベリリウム、亜鉛、コバルトまたはニッケルイオン;三価のホウ素、アルミニウム、ガリウム、鉄、セリウム、ヒ素、アンチモン、燐、ビスマス、クロムまたはロジウムイオン;四価の珪素、ゲルマニウム、錫、チタン、ジルコニウム、バナジウム、硫黄、テルル、マンガン、ニッケル、白金、トリウム、ハフニウム、セリウムイオンおよび他の希土類イオン;五価の燐、ヒ素、バナジウム、アンチモンイオン;六価のテルルイオン;および七価のヨウ素イオン等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。また、周辺元素の具体例としては、タングステン、モリブデン、バナジウム、ニオブ、タンタル等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。【0040】このようなヘテロポリ酸は、また、「ポリオキソアニオン」、「ポリオキソ金属塩」または「酸化金属クラスター」として知られている。よく知られているアニオン類の幾つかの構造には、この分野の研究者本人にちなんで名前が付けられており、例えば、ケギン、ウエルス−ドーソンおよびアンダーソン−エバンス−ペアロフ構造として知られている。詳しくは、「ポリ酸の化学」(社団法人日本化学会編、季刊化学総説No.20、1993年)に記載がある。ヘテロポリ酸は、通常高分子量、例えば、700〜8500の範囲の分子量を有し、その単量体だけでなく、二量体錯体をも含む。【0041】また、ヘテロポリ酸の塩とは、上記ヘテロポリ酸の水素原子の一部又は全てを置換した金属塩或いはオニウム塩であれば特に制限はない。【0042】具体的には、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、バリウム、銅、金及びガリウムの金属塩やアンモニアなどのオニウム塩を挙げることが出来るが、これに限定されるものではない。【0043】ヘテロポリ酸は特に、ヘテロポリ酸が遊離酸及び幾つかの塩である場合に、水又は他の酸素化溶媒のような極性溶媒に対して比較的高い溶解度を有しており、それらの溶解度は適当な対イオンを選択することにより制御することができる。【0044】本発明において触媒として用いることができるヘテロポリ酸の特に好ましい例としては、ケイタングステン酸 H4[SiW12O40]・xH2Oリンタングステン酸 H3[PW12O40]・xH2Oリンモリブデン酸 H3[PMo12O40]・xH2Oケイモリブデン酸 H4[SiMo12O40]・xH2Oケイバナドタングステン酸 H4+n[SiVnW12−nO40]・xH2Oリンバナドタングステン酸 H3+n[PVnW12−nO40]・xH2Oリンバナドモリブデン酸 H3+n[PVnMo12−nO40]・xH2Oケイバナドモリブデン酸 H4+n[SiVnMo12−nO40]・xH2Oケイモリブドタングステン酸 H4[SiMonW12−nO40]・xH2Oリンモリブドタングステン酸 H3[PMonW12−nO40]・xH2O(式中、nは1〜11の整数であり、xは1以上の整数である)などを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。【0045】好ましくは、ケイタングステン酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、ケイバナドタングステン酸、リンバナドタングステン酸であり、より好ましくはケイタングステン酸、リンタングステン酸、ケイバナドタングステン酸、リンバナドタングステン酸である。【0046】このようなヘテロポリ酸の合成方法としては、特に制限はなく、どのような方法を用いてもよい。例えば、モリブデン酸またはタングステン酸の塩とヘテロ原子の単純酸素酸またはその塩を含む酸性水溶液(pH1〜2程度)を熱することによって得ることができる。生成したヘテロポリ酸水溶液からヘテロポリ酸化合物を単離するには、金属塩として晶析分離する方法などがある。それらの具体例は、「新実験化学講座8 無機化合物の合成(III)」(社団法人日本化学会編、丸善株式会社発行、昭和59年8月20日、第3版)の1413頁に記載されているが、これに限定されるものではない。また、合成したヘテロポリ酸のケギン構造の確認は、化学分析のほか、X線回折、UV、IRの測定により行うことができる。【0047】また、ヘテロポリ酸塩の特に好ましい例としては、上記の特に好ましいヘテロポリ酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、銅塩、金塩、ガリウム塩、及びアンモニウム塩等が挙げられる。特にケイタングステン酸のリチウム塩、リンタングステン酸のセシウム塩などが好適に用いられる。【0048】かかるヘテロポリ酸塩の具体例としては、ケイタングステン酸のリチウム塩、ケイタングステン酸のナトリウム塩、ケイタングステン酸の銅塩、ケイタングステン酸の金塩、ケイタングステン酸のガリウム塩、リンタングステン酸のリチウム塩、リンタングステン酸のナトリウム塩、リンタングステン酸の銅塩、リンタングステン酸の金塩、リンタングステン酸のガリウム塩、リンモリブデン酸のリチウム塩、リンモリブデン酸のナトリウム塩、リンモリブデン酸の銅塩、リンモリブデン酸の金塩、リンモリブデン酸のガリウム塩、ケイモリブデン酸のリチウム塩、ケイモリブデン酸のナトリウム塩、ケイモリブデン酸の銅塩、ケイモリブデン酸の金塩、ケイモリブデン酸のガリウム塩、ケイバナドタングステン酸のリチウム塩、ケイバナドタングステン酸のナトリウム塩、ケイバナドタングステン酸の銅塩、ケイバナドタングステン酸の金塩、ケイバナドタングステン酸のガリウム塩、リンバナドタングステン酸のリチウム塩、リンバナドタングステン酸のナトリウム塩、リンバナドタングステン酸の銅塩、リンバナドタングステン酸の金塩、リンバナドタングステン酸のガリウム塩、リンバナドモリブデン酸のリチウム塩、リンバナドモリブデン酸のナトリウム塩、リンバナドモリブデン酸の銅塩、リンバナドモリブデン酸の金塩、リンバナドモリブデン酸のガリウム塩、ケイバナドモリブデン酸のリチウム塩、ケイバナドモリブデン酸のナトリウム塩、ケイバナドモリブデン酸の銅塩、ケイバナドモリブデン酸の金塩、ケイバナドモリブデン酸のガリウム塩等を挙げることができる。【0049】好ましくは、ケイタングステン酸のリチウム塩、ケイタングステン酸のナトリウム塩、ケイタングステン酸の銅塩、ケイタングステン酸の金塩、ケイタングステン酸のガリウム塩、リンタングステン酸のリチウム塩、リンタングステン酸のナトリウム塩、リンタングステン酸の銅塩、リンタングステン酸の金塩、リンタングステン酸のガリウム塩、リンモリブデン酸のリチウム塩、リンモリブデン酸のナトリウム塩、リンモリブデン酸の銅塩、リンモリブデン酸の金塩、リンモリブデン酸のガリウム塩、ケイモリブデン酸のリチウム塩、ケイモリブデン酸のナトリウム塩、ケイモリブデン酸の銅塩、ケイモリブデン酸の金塩、ケイモリブデン酸のガリウム塩、ケイバナドタングステン酸のリチウム塩、ケイバナドタングステン酸のナトリウム塩、ケイバナドタングステン酸の銅塩、ケイバナドタングステン酸の金塩、ケイバナドタングステン酸のガリウム塩、リンバナドタングステン酸のリチウム塩、リンバナドタングステン酸のナトリウム塩、リンバナドタングステン酸の銅塩、リンバナドタングステン酸の金塩、リンバナドタングステン酸のガリウム塩である。【0050】さらに、より好ましくは、ケイタングステン酸のリチウム塩、ケイタングステン酸のナトリウム塩、ケイタングステン酸の銅塩、ケイタングステン酸の金塩、ケイタングステン酸のガリウム塩、リンタングステン酸のリチウム塩、リンタングステン酸のナトリウム塩、リンタングステン酸の銅塩、リンタングステン酸の金塩、リンタングステン酸のガリウム塩、ケイバナドタングステン酸のリチウム塩、ケイバナドタングステン酸のナトリウム塩、ケイバナドタングステン酸の銅塩、ケイバナドタングステン酸の金塩、ケイバナドタングステン酸のガリウム塩、リンバナドタングステン酸のリチウム塩、リンバナドタングステン酸のナトリウム塩、リンバナドタングステン酸の銅塩、リンバナドタングステン酸の金塩、リンバナドタングステン酸のガリウム塩である。【0051】酸触媒はそのまま用いることもかのであるが、担体に担持して用いることが好ましい。その場合、酸触媒の含有量は、担体の全質量に対して、10質量%〜200質量%の範囲が好ましい。より好ましくは50質量%〜150質量%の範囲である。【0052】酸触媒の含有量が10質量%より少なくなると、触媒中の活性成分の含有量が少なすぎて、触媒単位質量あたりの活性が低くなる恐れがあり好ましくない。【0053】また、酸触媒の含有量が200質量%を超えると、有効表面積が減少し担持量を増やした効果が現れにくくなると同時に、コーキングも発生しやすくなり、触媒寿命が著しく短くなる恐れがあり好ましくない。【0054】本発明の酸触媒の担体として用いることのできる物質には、特に制限はない。好ましくは、酸触媒を担持して触媒として調製した場合に、該触媒のBET法による比表面積の値が65m2/g〜350m2/gの範囲内に入るものが好適である。【0055】本発明の触媒の担体として用いることが出来る物質の形状には、特に制限はなく、具体的には粉末状、球状、ペレット状その他任意の形状の物を用いることが出来る。具体的には、例えばシリカ、珪そう土、モンモリロナイト、チタニア、活性炭、アルミナ及びシリカアルミナなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。【0056】担体としてより好ましくは、主成分が珪質の担体であり、形態が球状又はペレット状のものが挙げられる。好ましくは担体が担体全重量に対して85重量%以上、より好ましくは95質量%以上の純度を有するシリカであり、且つ圧縮強度が30N以上であるものが挙げられる。ここでいう「圧縮強度」とは、例えばJIS Z 8841「造粒物−強度試験方法」に従って測定することができる。【0057】またそれらの平均直径としては、反応形態にもよるが固定床の場合2mm〜10mmの範囲が、流動床の場合は粉末から5mmの範囲が好ましい。【0058】本発明の酸触媒は、所望の製造方法で製造できる。例としてはヘテロポリ酸及び/またはヘテロポリ酸塩触媒の製造方法を以下に示す。第1工程ヘテロポリ酸、及び/又はヘテロポリ酸塩の溶液又は懸濁液を得る工程。第2工程第1工程で得た溶液又は懸濁液を担体に担持する工程。【0059】第1工程で用いることのできる溶媒は、所望のヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩を均一に溶解又は懸濁できるものであれば特に制限はなく、水、有機溶媒、又はそれらの混合物等が用いることが出来る。好ましくは、水、アルコール、低級脂肪族カルボン酸類を例示することが出来るが、これに限定されるものではない。【0060】ヘテロポリ酸及び/またはヘテロポリ酸塩を該溶媒に溶解又は懸濁させる方法に、特に制限はない。所望のヘテロポリ酸及び/またはヘテロポリ酸塩を均一に溶解又は懸濁できる方法であれば良い。【0061】例えば、ヘテロポリ酸、すなわち遊離酸の状態の場合には溶解できるものであればそのまま溶媒に溶解させてもよく、完全に溶解できない場合でも微粉末状にするなどして均一に懸濁できれば、そのようにして懸濁させてもよい。ヘテロポリ酸塩の場合には、ヘテロポリ酸及び中和元素の原料塩を一緒に溶解又は別々に溶解させた後に混合して均一な溶液又は懸濁液を調製する方法などがある。また、ヘテロポリ酸塩の状態の化合物であれば、ヘテロポリ酸の場合と同様にして均一な溶液又は懸濁液を得ることができる。【0062】この溶液又は懸濁液の最適な容積は、第2工程の担持方法及び用いる担体により異なるが、特に制限はない。【0063】第2工程は第1工程で得たヘテロポリ酸及び/又はヘテロポリ酸塩の溶液又は懸濁液を担体に担持して低級脂肪族低級脂肪族カルボン酸エステル製造用触媒を得る工程である。【0064】ヘテロポリ酸及び/又はヘテロポリ酸塩の溶液又は懸濁液を担体に担持する方法に特に制限はなく、公知の方法で可能である。【0065】例えばヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩を担体の吸液量相当の溶液又は懸濁液になるように溶媒に溶解又は懸濁させ、その溶液又は懸濁液を担体に含浸させることにより調製することが出来る。【0066】また、過剰の溶液又は懸濁液を用い、担体をヘテロポリ酸溶液中に適度に動かしながら含浸させ、その後濾過して過剰の酸を取り除くことにより調製することもできる。【0067】また、ヘテロポリ酸塩を担持する場合は、前述のようにあらかじめヘテロポリ酸塩を調整してから担持する方法以外に、担体中に含まれる塩を形成可能な元素を利用してヘテロポリ酸を担持すると同時に塩とする方法を用いることもできる。【0068】このようにして得られた湿潤触媒は、加熱オーブン内に数時間置いて乾燥することが適当であり、その後デシケータ内で周囲温度まで冷却する。乾燥温度は、約400℃を超えるとヘテロポリ酸の骨格の破壊を招くので好ましくない。好ましくは80℃〜350℃の範囲である。【0069】また工業的には通気回転乾燥機、連続式流動層乾燥機、連続式熱風搬送型乾燥機等の乾燥機を用いて連続的に乾燥することが出来る。【0070】ヘテロポリ酸の担持量は、調製触媒の乾燥重量から使用する担体の重量を差し引くことにより簡易的に計算できるし、より正確にはICP等の化学分析により測定することが出来る。【0071】本発明の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法を行う際の低級オレフィンと低級脂肪族カルボン酸の使用割合としては、低級オレフィンを低級脂肪族カルボン酸に対して等モルもしくは過剰モル量使用することが望ましい。その割合としては低級オレフィン:低級脂肪族カルボン酸が、モル比として、1:1〜30:1の範囲にあるのが好ましく、より好ましくは3:1〜20:1、さらに好ましくは5:1〜15:1の範囲である。【0072】また、本発明の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法における気相反応の形態としては、固定床、流動床の何れも実施でき担体の形状も実施する形態に合わせて粉末から数mmの大きさに成形したものから選ぶことが出来る。【0073】さらに、本発明の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法において、原料に少量の水を混合することは触媒寿命の観点から好ましい。しかし、あまりに多くの水を加えると、アルコール、エーテルなどの副生物も増えてくるので好ましくない。一般にオレフィン、低級脂肪族カルボン酸の全使用量中の1mol%〜15mol%が好ましく、より好ましくは2mol%〜8mol%の範囲である。【0074】反応温度、圧力としては、供給媒体が気体状を保つ範囲である必要があり、原料に何を使うかによって異なってくる。一般に反応温度としては120℃〜250℃の範囲が好ましく、より好ましくは140℃〜220℃の範囲である。【0075】また、圧力としては常圧から3MPaの範囲が好ましく、より好ましくは常圧から2MPaまでの範囲である。【0076】触媒に供給する原料の空間速度(以下、「GHSV」と略す。)としては100/hr〜7000/hrの範囲、より好ましくは300/hr〜3000/hrの範囲のGHSVで触媒層を通すのが好適である。【0077】以下、本発明をさらに実施例及び比較例を参照して説明するが、これらの実施例は本発明の概要を示すもので、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。【0078】【実施例】<反応ガス分析>実施例1のアセチレン濃度については、エチレンの一部をサンプリングし、後述するガスクロマトグラフィーの条件で分析した。当該分析条件における検出限界は1ppmであった。【0079】実施例2、比較例1及び比較例2の反応管入口のアセチレン濃度については、実施例1で使用したアセチレン不検出のエチレンの一部を0.1vol%のアセチレンを含むエチレンに代えて添加し、その添加後のエチレンの一部をサンプリングし、ガスクロマトグラフィーで分析した。【0080】反応管出口ガスの分析は、全量を冷却し、凝縮した反応捕集液は全量を回収しガスクロマトグラフィーで分析した。また、凝縮せずに残った流出ガスはサンプリング時間内に出てきた出口ガス流量を量り、その一部を取り出しガスクロマトグラフィーで組成を分析した。分析条件は下記に示す。【0081】・未凝縮ガス分析条件分析は絶対検量線法を用い、分析は流出ガスを50ml採取し、ガスクロに付属した1mlのガスサンプラーに全量流し、以下の条件で分析を行った。【0082】1.エーテル、低級脂肪族カルボン酸、低級脂肪族カルボン酸エステル、アルコール、微量副生成物ガスクロマトグラフィー:島津ガスクロマトグラフ用ガスサンプラー(MGS−4;計量管1ml)付ガスクロマトグラフィー(島津製作所(株)製GC−14B)カラム:パックドカラムSPAN80 15% Shinchrom A 60〜80メッシュ(長さ5m)キャリアーガス:窒素(流量25ml/min)温度条件:検出器及び気化室温度が120℃、カラム温度は65℃一定の条件検出器:FID(H2圧60kPa、空気圧100kPa)【0083】2.アセチレンガスクロマトグラフィー:島津ガスクロマトグラフ用ガスサンプラー(MGS−4;計量管2.5ml)付ガスクロマトグラフィー(島津製作所(株)製GC−14B)カラム:パックドカラム Carbosieve G 60〜80メッシュ 長さ1mキャリアーガス:N2(流量44ml/min)温度条件:検出器及び気化室温度が150℃、カラム温度は100℃恒温検出器:FID(H2圧60kPa、空気圧70kPa)【0084】3.低級オレフィンガスクロマトグラフィー:島津ガスクロマトグラフ用ガスサンプラー(MGS−4;計量管1ml)付ガスクロマトグラフィー(島津製作所製(株)GC−14B)カラム:パックドカラム Unibeads IS 長さ3mキャリアーガス:ヘリウム(流量20ml/min)温度条件:検出器及び気化室温度が120℃、カラム温度は65℃一定検出器:TCD(He圧70kPa、Current 90mA、温度120℃)【0085】・捕集液の分析分析は内部標準法を用い、反応液10mlに対し、内部標準として1,4−ジオキサンを1ml添加したものを分析液として、その内の0.2μlを注入して行った。ガスクロマトグラフィー:島津製作所(株)製GC−14Bカラム:キャピラリーカラムTC−WAX(長さ30m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)キャリアーガス:窒素(スプリット比20、カラム流量2ml/min)温度条件:検出器及び気化室温度が200℃、カラム温度は、分析開始から5min間は50℃に保持し、その後20℃/minの昇温速度で150℃まで昇温し、150℃で10min間保持検出器:FID(H2圧70kPa、空気圧100kPa)【0086】<担体>合成シリカ(富士シリシア化学(株)社製、CARiACT Q−10)(比表面積219.8m2/g、細孔容積0.660cm3/g)を用いた。【0087】<触媒調製法>担体は110℃に調節した(熱風式)乾燥機で、4Hr乾燥した。ケイタングステン酸34.99g、硝酸リチウム0.0837gを秤量し、純水15mlを加え、均一に溶解させ、Li0.1H2.9PW12O40水溶液(含浸液)を得た。含浸液に担体を100ml入れ、よくかき混ぜる。液を含浸した担体を1Hr風乾後、150℃に調節した乾燥機で、5Hr乾燥する。得られた触媒は担持量300g/lであった。【0088】[実施例1]触媒を40ml反応管に充填し、圧力0.8MPaGで、アセチレンを含まない高純度エチレンを用い、エチレン:酢酸:水蒸気:窒素からなる原料ガスを78.5:8.0:4.5:9.0の体積比率で合わせて80.77g/時間を反応管に通過させ、触媒層の最も温度の高い部分を165℃に保ち、400時間継続して反応を行なった。結果を表1に示す。【0089】【表1】【0090】[実施例2]高純度エチレンの一部をアセチレン含有エチレンに代えて、原料ガス中のアセチレン濃度をアセチレンとエチレンの合計に対して25ppmになるように調整した以外は実施例1と同様の反応を行った。結果を表1に示す。【0091】[比較例1]高純度エチレンの一部をアセチレン含有エチレンに代えて、原料ガス中のアセチレン濃度をアセチレンとエチレンの合計に対して51ppmになるように調整した以外は実施例1と同様の反応を行った。結果を表1に示す。【0092】[比較例2]高純度エチレンの一部をアセチレン含有エチレンに代えて、原料ガス中のアセチレン濃度をアセチレンとエチレンの合計に対して103ppmになるように調整した以外は実施例1と同様の反応を行った。結果を表1に示す。【0093】【発明の効果】以上の結果から、酸触媒の存在下、低級脂肪族カルボン酸と低級オレフィンとから低級脂肪族カルボン酸エステルを製造する方法において、原料中に実質的にアセチレン類を含まないように制御することで長時間、連続的に安定した運転が可能であることは明らかである。【0094】【図面の簡単な説明】図面は、本発明実施の形態の一態様を表すプロセスの模式図である。【図1】循環工程を持たないワンパスのプロセス図である。【図2】後工程からの循環工程を持つプロセス図である。 酸触媒の存在下、低級脂肪族カルボン酸と低級オレフィンとから低級脂肪族カルボン酸エステルを製造する方法において、原料中に実質的にアセチレン類を含まないことを特徴とする低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。 アセチレン類の濃度が該物質と低級オレフィンとの合計に対してモル比で25ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。 アセチレン類の濃度が該物質と低級オレフィンとの合計に対してモル比で10ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。 アセチレン類の濃度が該物質と低級オレフィンとの合計に対してモル比で1ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。 アセチレン類がアセチレンであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。 アセチレン類がメチルアセチレンであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。 アセチレン類がビニルアセチレンであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。 低級脂肪族カルボン酸が、炭素数1〜炭素数4の低級脂肪族カルボン酸のいずれか一種以上であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。 低級オレフィンが、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブテン及びそれらの二種以上の混合物からなる群から選ばれる少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。 酸触媒が、ヘテロポリ酸及び/又はヘテロポリ酸塩から選ばれた少なくとも一種の化合物を含むことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。 ヘテロポリ酸が、ケイタングステン酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、ケイバナドタングステン酸、リンバナドタングステン酸及びリンバナドモリブデン酸よりなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物を含むことを特徴とする請求項10に記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。 ヘテロポリ酸塩が、ケイタングステン酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、ケイバナドタングステン酸、リンバナドタングステン酸又はリンバナドモリブデン酸の、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、銅塩、金塩、ガリウム塩及びアンモニウム塩よりなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物を含むことを特徴とする請求項10に記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。 水の存在下に低級オレフィンと低級脂肪族カルボン酸との反応を行うことを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれかに記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。 請求項1〜請求項13のいずれかに記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法により製造されたことを特徴とする低級脂肪族カルボン酸エステル。 【課題】気相で低級脂肪族カルボン酸を低級オレフィンでエステル化する低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法において、連続的に安定した運転が可能な低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法の提供。【解決手段】気相で低級脂肪族カルボン酸を低級オレフィンでエステル化する低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法において、実質的にアセチレン類を含まない原料を用いることで、触媒劣化の進行を著しく抑え、ひいては長時間、連続的に安定した運転が可能なことを見出した。【選択図】 無し