生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_キトサンナノ粒子とその製造方法
出願番号:2002158811
年次:2004
IPC分類:7,C08B37/08,A61K9/50,A61K47/36


特許情報キャッシュ

福森 義信 市川 秀喜 ナタラジャン ヴェンカテサン JP 2004002511 公開特許公報(A) 20040108 2002158811 20020531 キトサンナノ粒子とその製造方法 福森 義信 502196474 不二パウダル株式会社 000236632 向 寛二 100075867 福森 義信 市川 秀喜 ナタラジャン ヴェンカテサン 7 C08B37/08 A61K9/50 A61K47/36 JP C08B37/08 A A61K9/50 A61K47/36 2 1 OL 10 特許法第30条第1項適用申請有り 平成13年12月4日〜5日 化学工学会流動層特別研究会 化学工学会エネルギー部会主催の「第7回流動層シンポジウム」において文書をもって発表 4C076 4C090 4C076AA61 4C076AA95 4C076EE37H 4C076FF21 4C090AA01 4C090AA03 4C090BA47 4C090BD24 4C090CA06 4C090DA22 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、生体適合性・生体分解性のあるキトサンを、その活性のもととなるアミノ基を保持したままでナノサイズに超微粒子化することにより、医療分野における注射剤等の徐放性マイクロカプセルやドラッグデリバリーシステムに、粒子設計の自由度が高い被膜剤として工業的に大量生産することに利用される。【0002】【従来の技術】従来、湿式スプレーコーティングで用いられる被膜剤としては、溶媒溶液に希釈するエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどや、水系分散液として用いるエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アクリル系高分子、シリコンなどがある。乾式で用いられる被膜剤としては、脂質、高分子、ワックス等がある。これらは、いずれの場合も生体分解性がなく、経口投与の被膜剤として用いられている。【0003】生体分解性のあるゼラチン等は、高粘性水溶液となり分散液とならないため徐放性の粒子の製造ができない問題がある。【0004】【発明が解決しようとする課題】キトサンは広範な用途を有しており、汚水の浄化における凝集剤として広く使用されているほか、廃棄物中の有毒金属の減毒・無害化のためのキレート化剤、各種飲料の精製、化粧品、歯・眼科用材料にも使用されている。キトサンはまた、コレステロール低下作用を目的とした栄養補助剤としての用途も有している。この効果は、キトサンが消化管での脂質の輸送機構において鍵となる役割を担っており、脂質の吸収を阻害することによる。また、キトサンはカチオン性で溶液からのゲル形成能や被膜形成能を有しており、こうした特性がこの素材の薬物送達システムへの幅広い応用につながっている。そのほか、キトサンは医薬品分野では直接打錠や湿式造粒の基材としての応用研究が進められている。【0005】キトサンは生体内分解性・生体適合性であり、被膜形成能やゲル化特性を有している。そのため、包摂物に包合された薬物の放出を遅延させるため、あるいは劇的な生理学的環境の変化から包摂物を保護するためのコーティング基材として、また、その生体付着特性について、極めて広範な研究がなされてきた。カルボキシメチルセルロース/アルジネートを用いて調製したボリアニオン包摂物の機械的耐久性はキトサンでそれらをコーティングすることにより改善された。【0006】包摂物をキトサンにてコーティングした従来例として、Phanm.Dev.Technol.5巻、77頁ー85頁(2000年)に、PLGA(ポリ乳酸−グリコール酸)ナノ包摂物に粘膜付着性能を付与するために、前記包摂物をキトサンでコーティングしたものが知られている。【0007】また、他の従来例として、Phanm.Res.16巻、1830ー1835頁(1999年)にアルジネート包摂物の機械的強度と安全性を増大させるためにキトサンをコーティングしたことについて報告がある。【0008】しかしながら、これらいずれの場合においても、調製された包摂物へのコーティングは、キトサン溶液中で包摂物を懸濁するか、もしくは包摂物をキトサン溶液に加え、ついでその溶液のpHを変化させるか貧溶媒を添加することによってキトサン被膜を硬化させることにより実施されている。これらの方法は、キトサン溶液が、その高い粘性並びに高い保水能力のため、コーティング剤としては直接使用できないことに起因する。【0009】以上のことから、キトサンは、従来の技術で述べた被膜剤のように汎用的に使用されるに至っていない。【0010】一方で、被膜剤は、環境汚染、残留溶媒による人体への悪影響、操業上の安全性、製造コストを考慮して有機溶媒へ溶解して用いることを避け、水系分散液として用いることが重視されている。【0011】水系分散に用いる被膜剤の成膜は、水分の蒸発過程で引き起こされる毛細管圧による被膜剤粒子の圧縮や乾燥後の粒子表面張力による融着により行なわれる。したがって、これらの作用を利用して堅固な膜を形成するには、可能な限り小さな被膜剤粒子を生成することが肝要である。D  そこで、キトサンナノ粒子が水分散型コーティング剤として用いられるためには、それらが均一な被覆層と膜形成をもたらすことが期待され、ナノ粒子の被膜形成が粒子間での高分子のからみ合いによる融着によって生じるため、被膜を形成させるナノ粒子は共有結合性の架橋を有しないことが必須である。【0012】【課題を解決するための手段】本発明のキトサンナノ粒子は、キトサンの原材料中に含まれるアミノ基を保持したままであり、かつ残留添加物を含まず、また極めて微細な粒子であることを特徴としている。【0013】また本発明のキトサンナノ粒子の製造方法は、キトサンを酸に溶解させ、乳化剤を用いた乳化法にて油中水型キトサン乳化液を得て、これにアルカリを加え中和し、析出物を洗浄、乾燥してキトサンナノ粒子を得たことを特徴とするものである。【0014】本発明のキトサン粒子は、例えば1μm以下の極めて微小な粒子(いわゆるナノ粒子)であって、前記のアミノ基を保持したままの微小粒子であることを特徴とする。【0015】このように、本発明のキトサン粒子は、極めて微小な粒子(いわゆるナノ粒子)であり、しかも分散液であるため、従来例のような高粘性の溶液とは異なり、例えばコーティング剤として使用する場合、高濃度でのスプレーが可能であり、収率よくキトサン被膜を形成することが可能である。【0016】また、例えば1μm以下のような極めて微小な粒子であることから、コーティング操作により形成した粒子堆積層が被膜を形成することが容易である。【0017】更に、本発明のキトサンナノ粒子は、極めて微小な粒子で、しかもアミノ基をそのまま保持するものである。したがって、本発明のキトサンナノ粒子は、アミノ基とイオン結合により複合体を形成することにより、被膜を形成した時の膜の性質を制御することが可能である。【0018】また、アミノ基は、反応性が高いために、化学的結合によりキトサンを修飾することにより、膜の性質を制御することが可能である。【0019】また、アミノ基が存在することにより、粒子は正に帯電しており、負に帯電している粒子とにて粒子混合膜を形成させることによって、膜の性質を制御することが可能である。【0020】このように本発明のキトサンナノ粒子は、コーティング膜として使用することが可能であり、また膜の性質を制御することが可能であり、したがって、工業上の利用範囲が大である。【0021】以上述べたように、本発明のキトサン粒子のように、アミノ基を有しており、また微小粒子であることが発明の目的を達成し得る上で重要であり、粒子径が1μm以下であれば目的を達成し得ると考える。【0022】また、キトサン粒子が700nm以下であればより望ましく、500nm以下であれば最も望ましい。【0023】前述のように、水系分散に用いる被膜剤の成膜は、水分の蒸発過程で引き起こされる毛細管圧による粒子の圧縮や乾燥後の粒子表面張力による融着により行なわれる。【0024】この毛細管圧や表面張力は、粒子径に反比例することが知られている。したがって、前記の通り、粒子径は、小であればある程毛細管圧や表面張力が大になり好ましい。実際上は、1μm以下の径であればこれらの作用を利用した成膜が可能である。【0025】このような理由から、本発明のキトサンナノ粒子は、粒子径が1μm以下であることが望まれる。【0026】更に、工業上の利用や広範囲での利用を考えると700nm以下であることが一層望ましく、特に安定してコーティング剤等として工業的に利用するためには500nm以下であることが最も望ましい。【0027】また、本発明の方法によれば、上記の特徴を有する、例えば1μm以下のキトサンナノ粒子を製造し得る。【0028】本発明の製造方法によれば300nm程度あるいはそれ以下のアミノ基を保有するキトサンナノ粒子の製造が可能である。【0029】即ち、上記の目的を達成するために、生体内分解性コーティング剤への適用を目的として、キトサンを用いて、乳化法の乳化析出法によりキトサンナノ粒子を製造した。【0030】乳化析出性によるキトサン粒子の製造は以下の手順で行なった。まず、酸水溶液にキトサンを溶解した。このキトサン溶液を界面活性剤含有の油に加えて乳化し、油中水型のキトサン乳化液を調製した。別に、アルカリ水溶液を調製した。アルカリ水溶液をキトサン乳化液へ加え攪拌し、ついでこの乳化液を洗浄剤で遠心分離してキトサンナノ粒子を分取した。【0031】以上の方法により、得られるキトサン粒子は不純物を含まず、その径は1μm以下のナノ粒子である。【0032】乳化析出法によるキトサンナノ粒子の製造方法によると、製造スケールを4倍に変更しても得られたキトサン粒子は平均粒子径310〜335nmの範囲である。また、脱アセチル化度が同じであれば、キトサンの製造メーカー間のグレードによる差は平均粒子径316〜329nmでありほとんど差が見られない。ただし、脱アセチル化度が100%から89%に低下すると平均粒子径は316nmから458nmに増加する。【0033】以上の結果、これらの方法によれば所望の粒子径である例えば1μm以下のキトサン粒子を調製できる。【0034】【発明の実施の形態】製造方法の説明に先立ち、キトサンの原材料について説明する。【0035】キトサンとして、脱アチセル化度:100%(以下、D−100%と称する)および89%(以下、D−89%と称する))の市販のキトサンを使用した。D−100%のキトサンを0.5%酢酸水溶液に溶解して調製した0.5w/v%キトサン溶液の24時間後20℃における粘度は438mPa・s、D−89%のキトサンを0.5%酢酸水溶液に溶解して調製した0.5w/v%キトサン溶液の16時間後20℃における粘度は1780mPa・sである。また、キトサン10Bとして他社の脱アセチル化度:100%(以下、K−100%と称する)の市販のキトサンを使用した。K−100%のキトサンを0.5%酢酸水溶液に溶解して調製した0.5w/v%キトサン溶液の20℃における粘度は53mPa・sである。【0036】調製した水分散液中のキトサンナノ粒子の平均粒子径は、動的光散乱粒度分布測定装置を用い、25℃にて測定した。【0037】キトサンナノ粒子の形態は走査電子顕微鏡により観察した。予めカーボン粘着テープを貼付した走査電子顕微鏡の試料台に試料(キトサンナノ粒子分散液)1滴を滴下した後、風乾した。この乾燥試料に対して、金蒸着をほどこし、走査電子顕微鏡にて観察した。【0038】実施例1乳化析出法によるキトサンナノ粒子の調製は以下の手順で行なった。まず、クエン酸水溶液(7w/v%)20mlにD−100%キトサン500mgを2.5w/v%の最終濃度となるように溶解した。このキトサン溶液を界面活性剤アラセル C(5w/v%)含有流動パラフィン100mlに加え、高速ホモジナイザーを用いて5500rpmで10分間乳化し、油中水型のキトサン乳化液(A)を調製した。別に、3N水酸化ナトリウム水溶液30mlを用い、これを直接乳化液(A)に加えて、高速攪拌(5500rpm)を10分間継続し、ついでこの乳化液を石油エーテル、エタノール、精製水の順で遠心分離(2000rpm、25℃、30分間)による洗浄操作を各溶媒について2回ずつ行ない、キトサン粒子を分取した。得られたキトサン粒子の平均粒子径は310±26nmであった。【0039】実施例2乳化析出法による実施例1の2倍スケールにおけるキトサンナノ粒子の調製は以下の手順で行なった。まず、クエン酸水溶液(7w/v%)40mlにD−100%キトサン1000mgを2.5w/v%の最終濃度となるように溶解した。このキトサン溶液を界面活性剤アラセル C(5w/v%)含有流動パラフィン200mlに加え、高速ホモジナイザーを用いて5500rpmで10分間乳化し、油中水型のキトサン乳化液(A)を調製した。別に、3N水酸化ナトリウム水溶液60mlを用い、これを直接乳化液(A)に加えて、高速攪拌(5500rpm)を10分間継続し、ついでこの乳化液を石油エーテル、エタノール、精製水の順で遠心分離(2000rpm、25℃、30分間)による洗浄操作を各溶媒について2回ずつ行ない、キトサン粒子を分取した。得られたキトサン粒子の平均粒子径は335±25nmであった。【0040】実施例3乳化析出法による実施例2の2倍スケールにおけるキトサン粒子の調製は以下の手順で行なった。まず、クエン酸水溶液(7w/v%)80mlにD−100%キトサン2000mgを2.5w/v%の最終濃度となるように溶解した。このキトサン溶液を界面活性剤アラセル C(5w/v%)含有流動パラフィン400mlに加え、高速ホモジナイザーを用いて5500rpmで10分間乳化し、油中水型のキトサン乳化液(A)を調製した。別に、3N水酸化ナトリウム水溶液120mlを用い、これを直接乳化液(A)に加えて、高速攪拌(5500rpm)を10分間継続し、ついでこの乳化液を石油エーテル、エタノール、精製水の順で遠心分離(2000rpm、25℃、30分間)による洗浄操作を各溶媒について2回ずつ行ない、キトサン粒子を分取した。得られたキトサン粒子の平均粒子径は316±49nmであった。【0041】実施例4乳化析出法による脱アセチル化度89%におけるキトサンナノ粒子の調製は以下の手順で行なった。まず、クエン酸水溶液(7w/v%)80mlにD−89%キトサン2000mgを2.5w/v%の最終濃度となるように溶解した。このキトサン溶液を界面活性剤アラセル C(5w/v%)含有流動パラフィン400mlに加え、高速ホモジナイザーを用いて5500rpmで10分間乳化し、油中水型のキトサン乳化液(A)を調製した。別に、3N水酸化ナトリウム水溶液120mlを用い、これを直接乳化液(A)に加えて、高速攪拌(5500rpm)を10分間継続し、ついでこの乳化液を石油エーテル、エタノール、精製水の順で遠心分離(2000rpm、25℃、30分間)による洗浄操作を各溶媒について2回ずつ行ない、キトサン粒子を分取した。得られたキトサン粒子の平均粒子径は458±60nmであった。【0042】実施例5乳化析出法による脱アセチル化度100%で、メーカーグレードの違いによるキトサン粒子の調製は以下の手順で行なった。まず、クエン酸水溶液(7w/v%)80mlにK−100%キトサン2000mgを2.5w/v%の最終濃度となるように溶解した。このキトサン溶液を界面活性剤アラセル C(5w/v%)含有流動パラフィン400mlに加え、高速ホモジナイザーを用いて5500rpmで10分間乳化し、油中水型のキトサン乳化液(A)を調製した。別に、3N水酸化ナトリウム水溶液120mlを用い、これを直接乳化液(A)に加えて、高速攪拌(5500rpm)を10分間継続し、ついでこの乳化液を石油エーテル、エタノール、精製水の順で遠心分離(2000rpm、25℃、30分間)による洗浄操作を各溶媒について2回ずつ行ない、キトサン粒子を分取した。得られたキトサン粒子の平均粒子径は329±15nmであった。【0043】図1乃至図3は、夫々前記実施例3乃至実施例5により製造されたキトサンの形状を示すもので、これらキトサンを走査型電子顕微鏡にて撮影した写真である。図4は、上記実施例の方法を図示したものである。【0044】また、図5は、キトサン脱アセチル化度100%(D−100)の原材料の赤外線分光スペクトル、図6はクエン酸結晶の赤外線分光スペクトル、図7は実施例3にて製造した本発明のキトサン粒子の赤外線分光スペクトルを示す。【0045】図1〜図3より明らかなように、本発明のキトサン粒子は、1μm以下の粒子径である。【0046】また、図7に示すように、本発明の実施例3に示す方法にて製造したキトサンナノ粒子は、図5に示すキトサン原材料の特徴である赤外波長領域での分光特性を有している。更に、この図7に示す分光透過率には、図6に示すクエン酸結晶の分光透過率特性を含んでいない。【0047】つまり、クエン酸には図6のように波数1700ー1750に大きなピーク(吸収)があり、これは、−COOHの伸縮振動によるものである。一方キトサン原料には、図5に示すように、波数1700ー1750にはピークがない。【0048】一方、本発明のキトサンナノ粒子は、図7に示すように、赤外分光特性が図5の特性と一致する。【0049】このように、本発明のキトサンナノ粒子は、溶解に用いたクエン酸が存在せず、また他の不純物も残っていない。【0050】したがって、実施例により得られた本発明のキトサン粒子は、原料と化学的に同じと考えられる。【0051】これらから、本発明の製法により製造されたキトサンナノ粒子は、キトサンのアミノ基を含むものであり、しかも製造途中にて用いられる物質などの不純物を含まないことが明らかである。したがって、前述の本発明のキトサン粒子が、極めて微小粒子であって、コーティング剤として極めて好ましい。更に前述のように、膜の性質を制御することの可能な、工業上利用範囲の高いキトサンナノ粒子である。【0052】【発明の効果】本発明は、以下に記載するような効果を奏する。【0053】本発明のキトサンナノ粒子は、安全性・経済性の観点から多々問題を抱えている有機溶媒の使用を必要とせず、水分散系として使用できる効果がある。【0054】本発明のキトサンナノ粒子は、キトサンの水溶液が酸性溶媒の使用を必要とし、またキトサン溶液は一般に高粘性のためフィルムコーティングに用いることは非常に困難であり、また、その高い保水能力がコーティング時の粒子の著しい凝集を引き起こし、特に微粒子のコーティングにおいてはこの問題が顕著になるということに対し、これを水分散型コーティング剤として適用することにより溶液系コーティングにおいて直面するそれら問題を解消できる効果がある。【0055】本発明のキトサンナノ粒子は、生体内分解性を有し、経口剤や外用剤はもとより埋め込み製剤や非経口投与製剤等広範な応用が可能である。【0056】本発明のキトサン粒子は、アミノ基の活性を添加剤によって利用することによりマイクロカプセルからの薬物放出制御が可能である。【0057】本発明の製造方法によれば、何らかの特別な装置や危険な物質を使用することなく、安価で大量に本発明のキトサンナノ粒子を製造することが可能である。【図面の簡単な説明】【図1】本発明の実施例3によるキトサン粒子の走査電子顕微鏡による写真【図2】本発明の実施例4によるキトサン粒子の走査電子顕微鏡による写真【図3】本発明の実施例5によるキトサン粒子の走査電子顕微鏡による写真【図4】本発明の実施例1〜5の製法のフロー図【図5】キトサンの赤外分光スペクトル図【図6】クエン酸の赤外分光スペクトル図【図7】本発明のキトサンナノ粒子の赤外分光スペクトル図 キトサンの原材料中に含まれるアミノ基を保持したままで、かつ残留添加物を含まないことを特徴とするキトサンナノ粒子。 キトサンを酸に溶解させ、乳化剤を用いた乳化法にて油中水型キトサン乳化液を得て、これにアルカリを加え中和し、析出物を洗浄、乾燥して得たことを特徴とする請求項1のキトサンナノ粒子の製造方法。 【課題】医療分野における注射剤等の除放性マイクロカプセルやドラッグデリバリーシステムに、粒子設計の自由度が高い被膜剤として工業的に大量生産を可能にする。【解決手段】前記のような工業的利用を可能にするためにキトサンの原料中に含まれるアミノ基を保持したままで、かつ残留添加物を含まない粒子で、特に例えば1μm以下のように極めて微細なキトサンナノ粒子とした。また上記キトサン粒子は、キトサンを酸にて溶解し、乳化剤を用い乳化法にて油注水型キトサン乳化液とし、これにアルカリを加え中和し、析出物を洗浄、乾燥して製造する。【選択図】      図1


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