タイトル: | 特許公報(B2)_マレイミド化合物、これを含む樹脂組成物及びその硬化物 |
出願番号: | 2002148476 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | C07D 207/452,C08F 222/00,G03F 7/027 |
尾崎 徹 横島 実 JP 3989299 特許公報(B2) 20070727 2002148476 20020523 マレイミド化合物、これを含む樹脂組成物及びその硬化物 日本化薬株式会社 000004086 尾崎 徹 横島 実 20071010 C07D 207/452 20060101AFI20070920BHJP C08F 222/00 20060101ALI20070920BHJP G03F 7/027 20060101ALI20070920BHJP JPC07D207/452C08F222/00G03F7/027 C08F 222/00 C08F 290/06 CA(STN) 特開平01−204906(JP,A) 特開2001−348375(JP,A) 特開2003−313246(JP,A) 特開平11−302278(JP,A) 特開昭63−142040(JP,A) 6 2003335824 20031128 16 20041102 中島 芳人 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は各種コーティング材、表面処理剤、光導波路用材料、成形材料、積層板、接着剤、粘着剤、印刷インキ、レジストインキ、バインダー等に有用な活性エネルギー線硬化性の新規な樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、光重合開始剤を使用しないか、従来の使用量よりも少なく使用しても実用的な照射量の紫外線により十分硬化する新規な樹脂組成物及びその硬化物に関する。【0002】【従来の技術】紫外線や可視光線などの活性エネルギー線により重合する樹脂組成物は、硬化が速いという利点を有し、塗料、印刷インキ、接着剤、コーティング剤等に広く利用されている。しかしながら、従来の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、それら単独では、重合が開始しないため、光重合開始剤を併用する必要がある。光重合開始剤は、その添加量を増やすと硬化が速く進行するため、ついつい添加量が多めになる傾向にある。【0003】また、光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなる硬化物中には、未反応の光重合開始剤、あるいは、光重合開始剤の分解物が残存するので、この硬化物に光又は熱が作用した場合、硬化物が黄変したり、悪臭を発生する場合がある。また、光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物から得られる硬化物は、水中等に放置すると、未反応の光重合開始剤等がブリードする懸念があるため、食品包装用材料としての使用は不適当である。【0004】これら光重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の欠点を改良するために、光重合開始剤を含まない活性エネルギー線硬化性樹脂組成物として、特開平6−298817号公報には、マレイミド化合物を電子受容体として用いて、電子供与体と組み合わせて形成される電荷移動錯体を経由する光重合方法が開示されている。【0005】更に、「ポリマー マテリアルズ サイエンス アンド エンジニアリング(Polymer Materials Science and Engineering)」第72巻第470〜472頁(1995年)や「第4回フュージョンUV技術セミナー」要講集 第43〜77頁(1996年)には、電子受容体としてマレイミド誘導体、又電子供与体としてビニルエーテルを利用する方法が報告されている。これらの文献には、光重合開始剤不存在下でも重合性を示すものとして、1,4−ビス(ビニルオキシメチル)シクロヘキサンとシクロヘキシルマレイミドとの組み合わせから成る光重合性組成物、あるいは4−ヒドキロキシブチルビニルエーテルとヒドロキシアルキルマレイミドとの組み合わせから成る光重合性組成物が記載されている。しかし、これらの組成物は、反応は進行するものの、硬化塗膜を形成しない、という問題点を有していた。【0006】一方、「ポリマープレプリンツ(Polymer Preprints)」第37巻第2号第348〜349頁(1996年)には、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートやポリエチレングリコール#400ジアクリレートの重合開始剤としてN、N’−4,9−ジオキサン−1,12−ビスマレイミドドデカン等のマレイミドが開示されている。しかし、これらのマレイミドは、固体である場合が多く、また、アクリレートへの溶解性が悪い、という問題点を有している。【0007】【発明が解決しようとする課題】光重合開始剤を使用しないか、従来の使用量より少なく使用しても実用的な照射量の紫外線により十分硬化する新規な樹脂組成物及びその硬化物の開発が求められている。【0008】【課題を解決するための手段】本発明者は、前記のような課題を解決するために、鋭意検討の結果、特定のマレイミド化合物を使用することにより前記課題を達成できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。即ち、本発明は、(1)、1分子中に1又は2個の水酸基を有する非芳香族性の多環式炭化水素環を有する化合物(a)とマレイミド基を有するモノカルボン酸(b)との反応物であるマレイミド化合物(A)、(2)、(1)記載のマレイミド化合物(A)と(A)以外の重合性化合物(B)を含有することを特徴とする樹脂組成物、(3)重合性化合物(B)が(メタ)アクリロイル基、ビニルエーテル基及びN−ビニル基を有する化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物である(2)記載の樹脂組成物、(4)(メタ)アクリロイル基を有する化合物が(ポリ)エステル(メタ)アクリレート(B−1−1)、ウレタン(メタ)アクリレート(B−1−2)、エポキシ(メタ)アクリレート(B−1−3)、(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート(B−1−4)、アルキル(メタ)アクリレート又はアルキレン(メタ)アクリレート(B−1−5)、芳香環を有する(メタ)アクリレート(B−1−6)及び脂環構造を有する(メタ)アクリレート(B−1−7)からなる群より選ばれる1種以上の化合物である(3)記載の樹脂組成物、(5)ビニルエーテル基を有する化合物が、他末端がハロゲン原子又は水酸基で置換されていても良いアルキルビニルエーテル(B−2−1)、他末端がハロゲン原子又は水酸基で置換されていても良いシクロアルキルビニルエーテル(B−2−2)、ビニルエーテル基がアルキレン基と結合し、さらに置換基を有していても良いアルキル基、シクロアルキル基及び芳香族基から成る群から選ばれる少なくとも一つと、エーテル結合、ウレタン結合及びエステル結合から成る群から選ばれる少なくとも一つの結合を介して結合している構造を有するモノビルエーテル、ビニルエーテル及びポリビニルエーテル(B−2−3)からなる群から選ばれる1種以上の化合物である(3)記載の樹脂組成物、(6)光重合開始剤(C)を含有する(2)乃至(5)のいずれか1項に記載の樹脂組成物、(7)、(2)乃至(6)のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物、に関する。【0009】【発明の実施の形態】本発明を詳細に説明する。本発明のマレイミド化合物(A)は、1分子中に1又は2個の水酸基を有する非芳香族性の多環式炭化水素環を有する化合物(a)とマレイミド基を有するモノカルボン酸(b)とをエステル化反応せしめることにより得ることができる。【0010】1分子中に1又は2個の水酸基を有する非芳香族性の多環式炭化水素環を有する化合物(a)の具体例としては、ヒドロキシノルボルナン、水添β−ナフトール等の2環式炭化水素環化合物(a−1)、ヒドロキシアダマンタン、ジヒドロキシアダマンタン、トリシクロデカンジメチロール、ヒドロキシ−トリシクロデカン、ヒドロキシ−パ−ヒドロアントラセン、トリシクロウンデカンジメチロール等の3環式炭化水素環化合物(a−2)、ヒドロキシ基及びヒドロキシメチル基以外の有機基あるいはハロゲン基を有する前記の多環式炭化水素環化合物(a−3)及び前記、多環式炭化水素環化合物(a−1)、(a−2)及び(a−3)中の水酸基とアルキレンオキサイド(例、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)との反応物(a−4)等を挙げることができる。【0011】マレイミド基を有するモノカルボン酸(b)の具体例としては、例えば、無水マレイン酸と1級アミノカルボン酸とから、公知の技術〔例えば、デー・エイチ・ライヒ(D.H.Rich)ら「ジャーナル・オブ・メディカル・ケミストリー(Journal of Medical Chemistry)」第18巻、第1004〜1010頁(1975年)参照〕を用いて合成できる化合物(b−1)、ヒドロキシル基を有するマレイミド化合物と分子中に1個の酸無水物を有する化合物とのハーフエステル化物(b−2)等を挙げることができる。【0012】ヒドロキシル基を有するマレイミド化合物としては、例えば、反応式【0013】【化1】【0014】で示されるように、マレイミドとホルムアルデヒドとから、あるいは、無水マレイン酸と1級アミノアルコールとから、公知の技術(例えば、米国特許2526517号明細書、特開平2−268155号公報参照)等を用いて合成することができる。【0015】上記反応で用いられる1級アミノカルボン酸の具体例としては、例えば、アスパラギン、アラニン、β−アラニン、アルギニン、イソロイシン、グリシン、グルタミン、トリプトファン、トレオニン、バリン、フェニルアラニン、ホモフェニルアラニン、α−メチル−フェニルアラニン、リジン、ロイシン、シクロロイシン、3−アミノプロピオン酸、α−アミノ酪酸、4−アミノ酪酸、アミノ吉草酸、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、2−アミノカプリル酸、3−アミノカプリル酸、6−アミノカプリル酸、8−アミノカプリル酸、9−アミノノナン酸、2−アミノカプリン酸、9−アミノカプリン酸、15−アミノペンタデカン酸、2−アミノパルミチン酸、16−アミノパルミチン酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。【0016】又、上記反応で用いられる1級アミノアルコールの具体例としては、例えば、2−アミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−3−フェニル−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−3−メチル−1−ブタノール、2−アミノ−4−メチルチオ−1−ブタノール、2−アミノ−1−ペンタノール、(1−アミノシクロペンタン)メタノール、6−アミノ−1−ヘキサノール、7−アミノ−1−ヘプタノール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、等などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。【0017】前記、分子中に1個の酸無水物基を有する化合物の具体例としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル−テトラヒドロ無水フタル酸等を挙げることができる。【0018】前記、ハーフエステル化物(b−2)は、前記ヒドロキシル基を有するマレイミド化合物中の水酸基1化学当量と前記分子中に1個の酸無水物基を有する化合物中の無水物基約1化学当量を反応させることにより得ることができる。反応温度は、60〜100℃が好ましく、反応時間は、1〜10時間が好ましい。反応時には必要に応じて、有機溶剤を使用することが出来る。【0019】前記多環式炭化水素環を有する化合物(a)とマレイミド基を有するモノカルボン酸(b)との反応は、多環式炭化水素環を有する化合物(a)中の水酸基1当量に対して、マレイミド基を有するモノカルボン酸(b)中のカルボキシル基0.5〜1.5当量を反応させるのが好ましく、特に、0.95〜1.1当量が好ましい。脱水反応を促進するために、エステル化触媒として、硫酸、P−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の酸類を使用するのが好ましい。反応溶媒として、副生する水を反応系外に除去する目的で非水溶性の有機溶剤を使用するのが好ましい。そのような目的で使用しうる有機溶剤の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等を挙げることができる。反応中の重合を防止するために重合防止剤を添加するのが好ましい。使用しうる重合防止剤の具体例としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、P−メトキシフェノール、フェノチアジン等を挙げることができる。反応温度は、使用する反応溶媒によるが通常80℃〜130℃、又反応時間は、通常5〜20時間である。本発明の樹脂組成物には、任意成分として(A)以外の重合性化合物(B)を使用する。重合性化合物(B)の具体例としては、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物、ビニルエーテル基を有する化合物、N−ビニル基を有する化合物、(A)以外のマレイミド化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、不飽和ポリエステル等が挙げられる。【0020】本発明の樹脂組成物に併用可能な(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を大別すると、(ポリ)エステル(メタ)アクリレート(B−1−1);ウレタン(メタ)アクリレート(B−1−2);エポキシ(メタ)アクリレート(B−1−3);(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート(B−1−4);アルキル(メタ)アクリレート又はアルキレン(メタ)アクリレート(B−1−5);芳香環を有する(メタ)アクリレート(B−1−6);脂環構造を有する(メタ)アクリレート(B−1−7)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。【0021】前記化合物において、(ポリ)エステル(メタ)アクリレート(B−1−1)とは、主鎖にエステル結合を1つ以上有する(メタ)アクリレートの総称として、ウレタン(メタ)アクリレート(B−1−2)とは、主鎖にウレタン結合を1つ以上有する(メタ)アクリレートの総称として、エポキシ(メタ)アクリレート(B−1−3)とは、1官能以上のエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる(メタ)アクリレートの総称として、(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート(B−1−4)とは、主鎖にエーテル結合を1つ以上有する(メタ)アクリレートの総称として、アルキル(メタ)アクリレート又はアルキレン(メタ)アクリレート(B−1−5)とは、主鎖が直鎖アルキル、分岐アルキル、直鎖又は末端にハロゲン原子及び/又は水酸基を有していてもよい(メタ)アクリレートの総称として、芳香環を有する(メタ)アクリレート(B−1−6)とは、主鎖又は側鎖に芳香環を有する(メタ)アクリレートの総称として、脂環構造を有する(メタ)アクリレート(B−1−7)とは、主鎖又は側鎖に、構成単位中に酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい脂環構造を有する(メタ)アクリレートの総称として、それぞれ用いる。以下これらについて説明する。【0022】(ポリ)エステル(メタ)アクリレート(B−1−1)としては、例えば、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性フタル酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性コハク酸(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートの如き単官能(ポリ)エステル(メタ)アクリレート類;ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパン又はグリセリン1モルに1モル以上のε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等の環状ラクトン化合物を付加して得たトリオールのモノ、ジ又はトリ(メタ)アクリレート;【0023】ペンタエリスリトール又はジトリメチロールプロパン1モルに1モル以上のε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等の環状ラクトン化合物を付加して得たトリオールのモノ、ジ、トリ又はテトラ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトール1モルに1モル以上のε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等の環状ラクトン化合物を付加して得たトリオールのモノ、又はポリ(メタ)アクリレートのトリオール、テトラオール、ペンタオール又はヘキサオール等の多価アルコールのモノ(メタ)アクリレート又はポリ(メタ)アクリレート;【0024】(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、(ポリ)テトラメチレングリコール、(ポリ)ブチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオール等のジオール成分とマレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ダイマー酸、セバチン酸、アゼライン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、等の多塩基酸及びこれらの無水物との反応物であるポリエステルポリオールの(メタ)アクリレート;前記ジオール成分と多塩基酸及びこれらの無水物とε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等からなる環状ラクトン変性ポリエステルジオールの(メタ)アクリレートの等の多官能(ポリ)エステル(メタ)アクリレート類;などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。【0025】ウレタン(メタ)アクリレート(B−1−2)とは、少なくとも一つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有するヒドロキシ化合物(B−1−2−▲1▼)とイソシアネート化合物(B−1−2−▲2▼)との反応によって得られる(メタ)アクリレートの総称である。【0026】少なくとも一つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有するヒドロキシ化合物が(B−1−2−▲1▼)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなど各種の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物と、上記の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物とε−カプロラクトンとの開環反応物などが挙げられる。【0027】イソシアネート化合物(B−1−2−▲2▼)としては、例えば、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートの如き芳香族ジイソシアネート類;イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環構造のジソイシアネート類;イソシアネートモノマーの一種類以上のビュレット体又は、上記ジイソシアネート化合物を3量化したイソシアネート体等のポリイソシアネート;上記イソシアネート化合物と前記ポリオール化合物とのウレタン化反応によって得られるポリイソシアネート等が挙げられる。【0028】本発明の樹脂組成物に併用可能なエポキシ(メタ)アクリレート(B−1−3)は、1官能性以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートの総称である。エポキシ(メタ)アクリレートの原料となるエポキシ樹脂としては、前記のエポキシ基を有する化合物が(b−4)等を挙げることができる。【0029】本発明の樹脂組成物に併用可能な(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート(B−1−4)としては、例えば、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ブチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の単官能(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート類;【0030】ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロリピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、プロピレングルコールとテトラヒドロフランの共重合体、ポリイソプレングリコール、水添ポリイソプレングリコール、ポリブタジェングリコール、水添ポリブタジェングリコール等の炭化水素系ポリオール類等の多価水酸基化合物と(メタ)アクリル酸から誘導される多官能(メタ)アクリレート類;ネオペンチルグリコール1モルに1モル以上のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の環状エーテルを付加したジオールのジ(メタ)アクリレート;【0031】ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類のアルキレンオキシド変性体のジ(メタ)アクリレート;水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、水添ビスフェノールS等の水添ビスフェノール類のアルキレンオキシド変性体のジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパン又はグリセリン1モルに1モル以上のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の環状エーテル化合物を付加して得たトリオールのモノ、ジ又はトリ(メタ)アクリレート;【0032】ペンタエリスリトール又はジトリメチロールプロパン1モルに1モル以上のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の環状エーテル化合物を付加したトリオールのモノ、ジ、トリ又はテトラ(メタ)アクリレトート;ジペンタエリスリトール1モルに1モル以上のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の環状エーテル化合物を付加したヘキサオールの3〜6官能(メタ)アクリレート等の多官能(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート類等が挙げられる。【0033】本発明の樹脂組成物に併用可能なアルキル(メタ)アクリレート又はアルキレン(メタ)アクリレート(B−1−5)としては、例えば、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート類;【0034】エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレートの炭化水素、ジオールのジ(メタ)アクリレート類;【0035】トリメチロールプロパンのモノ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリレート又はトリ(メタ)アクリレート(以下、ジ、トリ、テトラ等の多官能の総称として「ポリ」を用いる。)、グリセリンのモノ(メタ)アクリレート又はポリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのモノ又はポリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンのモノ又はポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのモノ又はポリ(メタ)アクリレート等のトリオール、テトラオール、ヘキサオール等の多価アルコールのモノ又はポリ(メタ)アクリレート類;【0036】2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート類;などが挙げられる。【0037】本発明の樹脂組成物に併用可能な芳香環を有する(メタ)アクリレート(B−1−6)としては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート類;ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。【0038】本発明の樹脂組成物に併用可能な脂環構造を有する(メタ)アクリレート(B−1−7)としては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等の脂環構造を有する単官能(メタ)アクリレート類;水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等の水添ビスフェノール類のジ(メタ)アクリレート;トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート等の環状構造を持つ多官能性(メタ)アクリレート類;テトラフルフリル(メタ)アクリレート等の構造中に酸素原子等を有する脂環式(メタ)アクリレート、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。【0039】また、本発明の樹脂組成物に併用可能な(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、上記した化合物の他に、例えば、(メタ)アクリル酸ポリマーとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応物又はグリシジル(メタ)アクリレートポリマーと(メタ)アクリル酸との反応物等のポリ(メタ)アクリルポリマー(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリレート;トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート等のイソシアヌル(メタ)アクリレート;ポリシロキサン骨格を有する(メタ)アクリレート;ポリブタジェン(メタ)アクリレート;メラミン(メタ)アクリレート等も使用可能である。【0040】次に、本発明の樹脂組成物に併用可能なビニルエーテル基を有する化合物を大別すると、他末端がハロゲン原子又は水酸基で置換されていても良いアルキルビニルエーテル(B−2−1)、他末端がハロゲン原子又は水酸基で置換されていても良いシクロアルキルビニルエーテル(B−2−2)、ビニルエーテル基がアルキレン基と結合し、さらに置換基を有していても良いアルキル基、シクロアルキル基及び芳香族基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基と、エーテル結合、ウレタン結合及びエステル結合からなる群から選ばれる少なくとも一つの結合を介して結合している構造を有するモノ、ジ及びポリビニルエーテル(B−2−3)、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。【0041】前記、アルキルビニルエーテル(B−2−1)としては、例えば、ヒドロキシメチルビニルエーテル、クロロメチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。【0042】前記、シクロアルキルビニルエーテル(B−2−2)としては、例えば、2−ヒドロキシシクロプロピルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノ又はジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールモノ又はジビニルエーテル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。【0043】前記、モノ、ジ及びポリビニルエーテル(B−2−3)としては、例えば、エーテル結合を有する化合物(B−2−3−▲1▼)としての、エチレングリコールメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールメチルビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ジテトラメチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。【0044】ウレタン結合を有する化合物(B−2−3−▲2▼)は、1分子中に1個の水酸基を有する(ポリ)アルキレングリコールのモノビニルエーテル(m)と1分子中に少なくとも1個のイソシアネート基を有する化合物(n)とのウレタン化反応により得ることができる。【0045】これらのうち、一分子中に1個の水酸基を有する(ポリ)アルキレングリコールのモノビニルエーテル(m)としては、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル等が挙げられる。【0046】一方、一分子中に少なくとも1個のイソシアネート基を含有する化合物(n)としては、例えば、前記、イソシアネート化合物(B−1−2−▲2▼)等を挙げることができる。【0047】エステル結合を有する化合物(B−2−3−▲3▼)としては、前記一分子中に1個の水酸基を有する(ポリ)アルキレングリコールのモノビニルエーテル(m)と一分子中に少なくとも1個のカルボン酸ハライド基を有する化合物(l)の脱ハロゲン化水素によるエステル化反応によって得ることができる。【0048】一分子中に少なくとも1個のカルボン酸ハライド基を有する化合物(l)としては、公知のカルボン酸のクロライド、ブロマイド等のカルボン酸ハライドを挙げることができる。カルボン酸の具体例としては、酢酸、プロピオン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、アジピン酸、ダイマー酸、セバチン酸、テトラヒドロフタル酸、アゼライン酸等を挙げることができる。【0049】次に、本発明の樹脂組成物に併用可能なN−ビニル基を有する化合物としては、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等を挙げることができる。【0050】また、本発明の樹脂組成物に併用可能な前記(A)以外のマレイミド化合物としては、例えば、N−n−ブチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、2−マレイミドエチル−エチルカーボネート、2−マレイミドエチル−プロピルカーボネート、N−エチル−(2−マレイミドエチル)カーバメート等の単官能脂肪族マレイミド類;N−シクロヘキシルマレイミド等の脂環式単官能マレイミド類;N、N−ヘキサメチレンビスマレイミド、ポリプロピレングリコール−ビス(3−マレイミドプロピル)エーテル、ビス(2−マレイミドエチル)カーボネート等の脂肪族ビスマレイミド類;1,4−ジマレイミドシクロヘキサン、イソホロンビスウレタンビス(N−エチルマレイミド)等の脂環式ビスマレイミド;マレイミド酢酸とポリテトラメチレングリコールとをエステル化して得られるマレイミド化合物、マレイミドカプロン酸とペンタエリスリトールのテトラエチレンオキサイド付加物とのエステル化によるマレイミド化合物等のカルボキシマレイミド誘導体と種々の(ポリ)オールとをエステル化して得られる(ポリ)エステル(ポリ)マレイミド化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。【0051】本発明の樹脂組成物に併用可能な(メタ)アクリルアミド化合物としては、例えば、アクリロイルモルホリン、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド等の単官能性(メタ)アクリルアミド類;メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の多官能(メタ)アクリルアミド類などが挙げられる。【0052】併用可能な不飽和ポリエステルとしては、例えば、ジメチルマレート、ジエチルマレート等のフマル酸エステル類;マレイン酸、フマル酸等の多価不飽和カルボン酸と多価アルコールとのエステル化反応物が挙げられる。【0053】本発明の樹脂組成物に併用可能な重合性化合物(B)としては、上記した化合物に限定されたものではなく、前記(A)と共重合性を有する化合物であれば、その1種類又は複数種の化合物を、特に制限なく、併用することができる。【0054】本発明の樹脂組成物において、前記(A)及び(B)の組成割合には、特に制限がないが、(A)成分100重量部に対して、(B)成分10〜2000重量部を用いるのが好ましく、特に50〜1000重量部を用いるのが好ましい。【0055】本発明の樹脂組成物は、光重合開始剤の不存在下でも、紫外線又は可視光線の照射により十分硬化するが、硬化反応をより効率的に行なうために、公知慣用の光重合開始剤(C)を使用して硬化させることができる。使用しうる光重合開始剤(C)としては、分子内結合開裂型と分子内水素引き抜き型の2種に大別できる。【0056】このうち分子内結合開裂型の光重合開始剤としては、例えば、ジェトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系;ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステルなどが挙げられる。【0057】一方、分子内水素引き抜き型の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエトキシチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン系;4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系;10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、カンファーキノンなどが挙げられる。【0058】光重合開始剤を使用する場合は、樹脂組成物に、0.01〜10.00重量%の範囲で含有せしめるのが好ましい。【0059】また、本発明で得られる樹脂組成物は、光重合開始剤の不存在下に紫外線又は可視光線の照射により十分硬化するが、硬化反応をより効率的に行なうために、光重合促進剤を併用することもできる。そのような光重合促進剤としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチルエステル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル等のアミン類が挙げられる。【0060】光重合促進剤を使用する場合は、樹脂組成物に、0.01〜10.00重量%の範囲で含有せしめるのが好ましい。【0061】更に、本発明で得られる樹脂組成物は、使用目的、用途に応じて、非反応性化合物、無機充填剤、有機充填剤、カップリング剤、粘着付与剤、消泡剤、レベリング剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、顔料、染料等を適宜併用し、含有せしめることができる。【0062】前記において非反応性化合物とは、反応性が低いかあるいは反応性が無い液状もしくは固体状のオリゴマーや樹脂であり、その具体例としては、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、エポキシ樹脂、液状ポリブタジェン、ジシクロペンダジェン誘導体、飽和ポリエステルオリゴマー、キシレン樹脂、ポリウレタンポリマー、ケトン樹脂、ジアリルフタレートポリマー(ダップ樹脂)石油樹脂、ロジン樹脂、フッ素系オリゴマー、シリコン系オリゴマーなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。【0063】前記無機充填剤の具体例としては、例えば、二酸化珪素、酸化珪素、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、タルク、カオリンクレー、焼成クレー、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、水酸アルミニウム、酸化アルミニウム、ガラス、雲母、硫酸バリウム、アルミナホワイト、ゼオライト、シリカバルーン、ガラスバルーン、等が挙げられる。これらの無機充填剤には、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコネート系カップリング剤などを添加、反応させるなどの方法により、ハロゲン基、エポキシ基、水酸基、チオール基の官能基を持たせることもできる。【0064】前記、有機充填剤の具体例としては、例えば、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリオレフィン樹脂、エチレン・アクリル酸共重合体、ポリスチレン、アクリル共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂、フッ素樹脂、ナイロン12、ナイロン6/66、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。【0065】シランカップリング剤の具体例としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン又はγ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等のチタネート系カップリング剤;アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系カップリング剤;アセチルアセトン・ジルコニウム錯体等のジルコニウム系カップリング剤、などが挙げられる。【0066】本発明の樹脂組成物に使用可能な粘着付与剤、消泡剤、レベリング剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、顔料及び染料は、その硬化性、樹脂特性を損なわない範囲で、特に制限無く使用することができる。【0067】本発明の樹脂組成物を得るには、上記した各成分を上記した混合割合で混合すればよく、混合の順序や方法は特に限定されない。本発明の樹脂組成物は、実質的には溶剤を必要としないが、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素など、その他の有機溶剤によって本発明の樹脂組成物を希釈して使用することも可能である。【0068】本発明の樹脂組成物は、180〜500nmの波長の紫外線又は可視光線を照射することによって重合させることができる。又、紫外線以外のエネルギー線の照射によって、あるいは、熱によっても硬化させることができる。波長180〜500nmの紫外線又は可視光線の発生源としては、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、水銀−キセノンランプ、エキシマーランプ、ショートアーク灯、ヘリウム・カドミニウムレーザー、アルゴンレーザー、エキシマーレーザー、太陽光が挙げられる。【0069】本発明の樹脂組成物は、インキ、アルミニウム、鉄、銅等の金属、塩化ビニル、アクリル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチック、ガラス等のセラミック、木材、紙、印刷紙、繊維などの各種コーティング材として、表面処理剤、バインダー、プラスチック材料、成形材料、積層板、接着剤、光導波路用組成物、粘着剤などの用途に有用である。更に具体的な用途としては、平凸版インキ、フレキソインキ、グラビアインキ、スクリーンインキなどのインキ分野、ツヤニス分野、紙塗工剤分野、木工用塗料分野、飲料缶用塗工剤又は印刷インキ分野、軟包装フィルム塗工剤、印刷インキ又は粘着剤、感熱剤、感熱フィルム用塗工剤、印刷インキ、接着剤、粘着剤又は光ファイバーコート剤などの用途に有用である。【0070】【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。【0071】実施例1(マレイミド化合物(A)の合成例)トリシクロデカンジメチロール194g、マレイミドカプロン酸422g、硫酸7g、ハイドロキノン5g及びトルエン500gを仕込み、加熱、攪拌し、95〜130℃で脱水反応を約5時間行ない、生成する水が36gになったところで反応を終了する。反応混合物を、分液ロートに移し、トルエン1000gに溶解し、20重量%NaOH水溶液100gで中和した。その後、15重量%NaCl水溶液300gで3回洗浄する。溶剤を減圧留去して生成物525gを得た。生成物の屈折率(25℃)は、1,521、このものの粘度は、25℃で22.0Pa・sであった。NMR及びLCMS分析の結果から、生成物の主成分は、下記の構造式であることを確認した。【0072】【化2】【0073】実施例2ヒドロキシジシクロペンタニル150、マレイミドカプロン酸211g、硫酸5g、ハイドロキノン5g及びトルエン400gを仕込み、加熱、攪拌し、95〜130℃で脱水反応を約3〜10時間行ない、生成水が18gになったところで反応を終了する。反応混合物を、分液ロートに移し、トルエン700gに溶解し、20重量%NaOH水溶液100gで中和した。その後、15重量%NaCl水溶液200gで3回洗浄する。溶剤を減圧留去して生成物198gを得た。生成物の屈折率(25℃)は1,513、このものの粘度は、25℃で2.0Pa・sであった。NMR及びLCMS分析の結果から、生成物の主成分は、下記の構造式であることを確認した。【0074】【化3】【0075】実施例3〜5、比較例1、2表1に示される各成分を、同表に示される配合組成比にしたがって混合、溶解し本発明及び比較用の樹脂組成物を得た。調製した各樹脂組成物について、下記の評価方法に従って紫外線硬化性、得られた硬化塗膜のゲル分率及び表面(鉛筆)硬度を評価し、その結果を同じく表1にまとめて示した。【0076】(1)紫外線硬化性:ガラス板上に、各樹脂組成物を硬化後の膜厚が50μmになるように塗布した後、大気中で80W/cm高圧水銀ランプ(アイ・グラフィックス(株)製)を用いて、ランプ高さ8cm、コンベア速度5m/分の条件で紫外線を照射し、塗膜表面をタックフリーにするために必要な照射回数により評価した。なお、1回のUV照射量は、約160mJ/cm2であった。【0077】(2)ゲル分率:上記の硬化条件でランプの下を4回通して塗膜を作製した。ガラス板から剥離した硬化塗膜(重量:W1)を、メチルエチルケトン中で、80℃、3時間環流した後、100℃で1時間乾燥後に秤量(重量:W2)し、ゲル分率(%)=W2÷W1×100を求めた。【0078】(3)表面硬度:上記のゲル分率の評価と同じ方法で塗膜を作製し、JIS K−5400に基づき、鉛筆硬度を測定した。【0079】【0080】(注)*1 KAYARAD DPHA:日本化薬(株)製、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート混合物*2 KAYARAD R−551:日本化薬(株)製、ビスフェノールA、ポリ(n≒4)エトキシジアクリレート。*3 KAYARAD TMPTA:日本化薬(株)製、トリメチロールプロパントリアクリレート。【0081】表1に示した結果から、本発明の樹脂組成物は、光重合開始剤を使用していないにも係わらず、紫外線照射で容易に硬化し、均一で透明な塗膜が形成できることが明らかである。【0082】【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、光重合開始剤の不存在下であっても実用的な光照射量で十分硬化し、しかも高いゲル分率の塗膜を形成することができる。 1分子中に1又は2個の水酸基を有する非芳香族性の3環式炭化水素環化合物(a)とマレイミドカプロン酸(b)との反応物であるマレイミド化合物(A)。 1分子中に1又は2個の水酸基を有する非芳香族性の3環式炭化水素環化合物(a)がトリシクロデカンジメチロール又はヒドロキシジシクロペンタニルである請求項1記載のマレイミド化合物(A)。 請求項1又は請求項2に記載のマレイミド化合物(A)とビスフェノール類のアルキレンオキシド変性体のジ(メタ)アクリレート(B−1−4)、多価アルコールのモノ又はポリ(メタ)アクリレート(B−1−5)、及びビスフェノール類のジ(メタ)アクリレート(B−1−6)からなる群より選ばれる1種以上の化合物である重合性化合物(B)を含有することを特徴とする樹脂組成物。 光重合開始剤(C)を含有する請求項3に記載の樹脂組成物。 請求項3又は請求項4に記載の樹脂組成物の硬化物。 1分子中に1又は2個の水酸基を有する非芳香族性の多環式炭化水素環を有する化合物(a)とマレイミドカプロン酸(b)との反応物であるマレイミド化合物(A)とビスフェノール類のアルキレンオキシド変性体のジ(メタ)アクリレート(B−1−4)、多価アルコールのモノ又はポリ(メタ)アクリレート(B−1−5)、及びビスフェノール類のジ(メタ)アクリレート(B−1−6)からなる群より選ばれる1種以上の化合物である重合性化合物(B)を含有することを特徴とする樹脂組成物に紫外線を照射することを特徴とする硬化物の製造方法。