生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_タンニンを含有する組成物の変色抑制方法及びその組成物
出願番号:2002145188
年次:2007
IPC分類:A61K 8/44,A61K 8/97,A61P 19/00,A23L 1/272


特許情報キャッシュ

細川 勝 鳥塚 誠 凉松 淳 JP 3923849 特許公報(B2) 20070302 2002145188 20020520 タンニンを含有する組成物の変色抑制方法及びその組成物 花王株式会社 000000918 岸本 達人 100104499 山下 昭彦 100101203 細川 勝 鳥塚 誠 凉松 淳 20070606 A61K 8/44 20060101AFI20070517BHJP A61K 8/97 20060101ALI20070517BHJP A61P 19/00 20060101ALI20070517BHJP A23L 1/272 20060101ALN20070517BHJP JPA61K8/44A61K8/97A61P19/00A23L1/272 A61K 8/44 A61K 8/97 A61P 19/00 A23L 1/272 特開2001−114651(JP,A) 特開2001−181121(JP,A) 7 2003335624 20031125 14 20050112 原田 隆興 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、タンニンを含有する組成物の経日による変色を抑制し、安定化させる方法、及び、そのような経日によるタンニンの変色を起こし難い安定な組成物に関する。【0002】【従来の技術】生理的な作用を有する多種の植物エキスは医薬部外品、化粧品、食品等に汎用的に配合されている。しかし、植物エキスを配合した組成物は、経日により変色、着色が進み、製品の安定性に問題を生じさせる傾向がある。特に高温下での保存においては変色、着色が進行しやすい。これは、植物エキスにタンニンが含有されていることが一因となっている。【0003】一般に、タンニンを含有する組成物の変色、着色を抑制する方法として、1)当該組成物のpHを酸性にする、2)当該組成物に酸化防止剤や還元剤を添加する、3)当該組成物にキレート剤を添加する、或いは、4)当該組成物から酸素を遮断する等が知られている。【0004】しかし、特に皮膚に直接塗布する皮膚化粧料として用いる場合、当該組成物の酸性度が高い領域では変色抑制効果が高いものの、皮膚等への刺激が懸念される。また、還元剤やキレート剤の添加量が多いと変色抑制効果は高まるものの、製品への安定性に問題が生じると考えられる。更に、酸素を遮断するには、特別な設備が必要となり、組成物の保存容器も特殊なものを用意しなければならなくなるという問題があった。加えて、上記方法を併用する場合、例えば、pHを酸性にして、エチレンジアミン四酢酸塩(以下「エデト酸塩」という)をキレート剤として添加する方法を併用した場合は、タンニンへの高い変色抑制効果が得られるが、酸性が強すぎるとエデト酸塩がエデト酸となって沈殿が析出してしまう傾向があり、有効濃度のエデト酸塩を配合することが困難であった。【0005】【発明が解決しようとする課題】本発明は、タンニンを含有する組成物の変色を抑制する方法及びその組成物を提供することにある。【0006】【課題を解決するための手段】 発明者は、エデト酸塩及びアミノ酸(但し、グリシンを除く)を含有し、pHを3〜5にした組成物にタンニンを配合すると、エデト酸塩の配合量が少なくても、経日によるタンニンの変色、着色を抑制できることを見出した。【0007】【発明の実施の形態】本発明は、エデト酸塩及びアミノ酸を含有し、且つ、pHが3〜5の組成物に、タンニンを配合することによるタンニンを含有する組成物の変色抑制方法及びその組成物に関する。【0008】皮膚等の適用部位での刺激感を低減できる点でpHは3以上とすることが好ましいが、pHが低いほど変色抑制効果は高い。本発明においては、タンニンを含有する組成物の変色、着色を抑制する方法として、上記組成物のpHを酸性すなわちpH3〜5、好ましくはpH3〜4.5にすることが必要である。尚、pH測定は、Compact pH meter B-212を用い、原液を常温で測定した。【0009】上記組成物のpHを3〜5に調節するための成分としては、各種のpH調整剤を用いることができ、酸及び緩衝剤が含まれる。酸としては、例えばコハク酸、乳酸、塩酸等有機又は無機酸が挙げられ、これらの酸は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、緩衝剤としては、例えばコハク酸−コハク酸二ナトリウム、クエン酸−リン酸二ナトリウム、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム、塩酸−塩化カリウム、塩酸−フタル酸水素カリウム、フタル酸水素カリウム−水酸化ナトリウム、グリシン+塩化ナトリウム−塩酸、グリシン+塩化ナトリウム−水酸化ナトリウム、塩酸−クエン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム−水酸化ナトリウム、リン酸二水素カリウム−リン酸二水素ナトリウム、クエン酸二水素カリウム−クエン酸、クエン酸二水素カリウム−塩酸、クエン酸二水素カリウム−水酸化ナトリウム、コハク酸−四ホウ酸ナトリウム、クエン酸二水素カリウム−四ホウ酸ナトリウム、酒石酸−酒石酸ナトリウム、酢酸−酢酸ナトリウム等が挙げられ、それぞれの混合比を変えることにより調整できる。【0010】〔タンニン〕タンニンとは植物界に広く分布し、各種の植物エキスに含有されており、加水分解によって多価フェノール酸を生ずる物質の総称であり、ここではタンニン酸も含む。本発明において「タンニンを配合する」とは、タンニンが単離された成分として組成物に配合された場合だけでなく、植物エキス中の一成分として組成物に配合された場合も含む。植物エキスを用いる場合には、タンニンが植物エキス中の有効成分として組成物内に意図的に配合される場合と、植物エキス中の他の成分が有効成分であってタンニンは混入成分にすぎない場合とがある。本発明は上記いずれの場合にも適用可能であり、タンニンによる変色や着色を抑制できる。【0011】タンニンを含有した植物エキスとしては、例えば、スイカズラ、ユキノシタ、ハマメリス、ボタン、シャクヤク、キンギンカ、ソクハクヨウ、ローズマリー、ゴボウ、メリッサ、ノアザミ等のアザミ(特開平8−301780号公報の段落0007に記載された各種のアザミが含まれる)、アロエ、イラクサ、オトギリソウ、サルビア、シラカバ、タイム、フキタンポポ、ホップ、マロニエ、ユーカリ、チャ、ブッチャーズブルーム、ハゴロモグサ、ツボグサ、シラカバ、コーラ、Terminalia sericea、ゲンノショウコ、ザクロ、チョウジ、ダイオウ、ミロバラン、サンシュユ、ケイヒ、セイヨウトチノミ、アカブドウ、アスパラサスイネアリス、アセンヤク、緑茶、インチンコウ、ウスベニアオイ、ウーロン茶、エイジツ、エンメイソウ、カミツレ、ゲンノショウコウ、紅茶、コンフリー、ジユ、セイヨウキズタ、セキセツソウ、トウキンセンカ、ニワトコ、ニンドウ、ビワ、ペパーミント、ボタンピ、マロニエ、モモ、ヨモギ、ローズヒップ、キナ、コラ、ビルベリー、ゼニアオイ、クルミ、ラタニア、セージ、アルニカ、ゲンチアナ、セイヨウノコギリソウ、セイヨウハッカ、ヤグルマギク、ラベンダー(フレグランス ジャーナル23巻8号(1995年)及び同24巻8号等)等が挙げられる。これらの成分は、組成物の用途に応じて選定することができ、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。植物エキス中のタンニンの含有量は、植物によって千差万別であるが、一般に茶系以外の植物には約1%以下の量が含まれている。茶系植物では、タンニンはその主要成分の1つであり、約10%程度の量が含まれる。【0012】〔エチレンジアミン四酢酸塩(エデト酸塩)〕本発明において、タンニンによる変色を抑制するのに用いられる第一の成分はエデト酸塩である。エデト酸塩としては、例えばエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムカルシウム、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(無水)、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム二水塩、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム四水塩、エチレンジアミン四酢酸二カリウム二水塩等を用いることができ、これらの中でもエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムが好ましい。【0013】これらのエデト酸塩は単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。エデト酸塩の配合割合は、タンニンによる変色や着色を抑制する効果を充分なものとする点から、組成物の全重量を基準とした時に、0.0001重量%以上とするのが好ましく、一方、エデト酸の析出を防止する点から、0.10重量%以下とするのが好ましい。【0014】〔アミノ酸〕本発明においてタンニンの変色を抑制するのに用いられるもう1つの成分はアミノ酸である。アミノ酸としては、例えば、L−アスパラギン酸、アセチル−L−グルタミン酸、N−アセチル−L−システイン、アセチル−L−メチオニン、ε−アミノカプロン酸、アミノ酪酸、L−アラニン、DL−アラニン、L−アルギニン、L−イソロイシン、グリシルグリシン、グリシン、グルタチオン、L−グルタミン、L−グルタミン酸、L−シスチン、L−システイン、N−ステアロイル−L−グルタミン酸、ステアロイルロイシン、L−スレオニン、DL−スレオニン、L−セリン、DL−セリン、L−チロシン、L−トリプトファン、DL−トレオニン、L−バリン、パルミトイルグルタミン酸、dl−ピロリドンカルボン酸、L−ピロリドンカルボン酸、L−ヒスチジン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、N−ミリストイルメチルアラニン、L−メチオニン、N−メチルピロリドン、L−ロイシン等が用いられる。【0015】これらの中では、L−アルギニン、L−グルタミン酸、L−トレオニン、L−イソロイシン、L−フェニルアラニン、L−セリン、L−メチオニン、L−アスパラギン酸、L−ロイシン、グリシン、L−バリン、L−アラニン、L−ヒスチジンが好ましい。【0016】これらのアミノ酸は単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。アミノ酸の配合割合は、タンニンによる変色や着色を抑制する効果若しくはエデト酸塩の最低有効量を少量にする効果を充分なものとする点では、エデト酸に対して4〜10倍程度の量を用いるのが好ましい。また、組成物の全重量を基準とした時に、アミノ酸が水に溶解する範囲内で0.01%以上とするのが好ましく、0.1%以上とするのがさらに好ましい。〔タンニンを含有する組成物〕本発明の組成物は、用途に応じてその他の成分を適宜配合し、化粧料として用いることができる。このようなその他の成分としては、化粧品、医薬部外品、医薬品等に用いられる各種の配合成分、例えば、油剤(具体的には炭化水素類、エステル油、エーテル油、高級脂肪酸、高級アルコール、天然抽出のスフィンゴシン誘導体、合成セラミド類似体(特開昭62−228048号公報、特開平8−319263号公報)等)、多価アルコール、増粘剤、皮膜形成剤、脂肪酸、界面活性剤、粉体、粘土鉱物、無機塩、抗酸化剤、防腐剤、色素、紫外線吸収剤、香料等が挙げられる。【0017】組成物を製造するには、エデト酸塩、アミノ酸、及びその他の必要に応じて配合される成分を混合し、pHを3〜5に調整した後、タンニンを配合する。例えば、適切な溶剤にエデト酸塩及びアミノ酸、さらにその他の成分がある場合には、その全て又はほとんどを投入、混合して溶解又は分散させた後、適切なpH調整剤を添加してpHを3〜5に調整し、それからタンニン又は植物エキスのようなタンニンを含有する天然又は合成の混合材料を添加する。その後、残りの配合成分、例えば香料等がある場合には、それらを添加することによって組成物を製造することができる。タンニン若しくはタンニンを含有する植物エキス、又は、残りの成分を加える際に、pHが5より大きくならないようにするのが好ましいが、仮に5より大きくなった時はpH調整剤を追加して速やかにpHを3〜5に再調整する。【0018】【実施例】以下に示す実施例1〜28及び比較例1〜25においては、タンニン又は植物エキス、アミノ酸、コハク酸、リン酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの種類及び量を種々変えたサンプルの着色の有無を観察した。また、実施例29〜32では各種の化粧品を製造し、着色の有無を観察した。なお、各実施例、比較例で用いた配合成分の由来を以下に示す。*1:アミノ酸類(いずれも和光純薬(株))*2:アザミ抽出物(特開平8−301780号公報の段落0033に記載された発明品3)*3:日本薬局方カフェイン(メルク・ホエイ(株)カフェイン「ホエイ」)*4:コハク酸(日本触媒(株))*5:リン酸二ナトリウム(太平化学産業(株))*6:エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(帝国化学産業(株))*7:パラオキシ安息香酸メチル(吉富製薬(株))*8:タンニン酸(一丸ファルコス(株))*9:緑茶リキッド(一丸ファルコス(株))*10:ユーカリ抽出液BG(丸善製薬(株))*11:合成セラミド類似体(特開昭62−228048号公報に記載されたもの)*12:ジユ抽出液AL−J(丸善製薬(株))*13:カミツレ抽出液(丸善製薬(株))*14:チャ抽出液LA−J(丸善製薬(株))*15:ジメチルシロキサン/N−プロピオニルエチレンイミンコポリマー(特開平9−291020号公報の段落0077に記載された製造例2)*16:ブッチャーズブルーム抽出液(丸善製薬(株))実施例1〜28及び比較例1〜25(1)サンプル調製表1〜5に示す処方に従い、精製水に成分1の各成分、すなわちアミノ酸、コハク酸、リン酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを室温で攪拌混合し、完全に溶解させた後、実施例1〜13及び比較例1〜18(表1乃至表3)ではアザミ抽出物及びカフェインを添加し、実施例14〜23及び比較例19〜21(表4)ではタンニン酸を添加し、実施例24〜28及び比較例22〜25(表5)では緑茶リキッドを添加し、完全に溶解させて、A液を調製する。一方、成分2の各成分を室温で攪拌混合し、完全に溶解させて、B液を調製する。そして、得られたA液とB液を室温で攪拌混合し、完全に溶解させ、各サンプルを得る。【0019】比較例22を除き、各サンプルのpHは、コハク酸及び/又はリン酸二ナトリウムを成分1に添加することでpH=4〜6.9に調整した。【0020】(2)評価方法各サンプルを5℃及び50℃の恒温室に2週間又は1ヶ月間保存した。保存後、400nmでの吸光度をUV−VIS分光光度計(島津製作所(株)製、島津紫外可視分光光度計UV−160)により測定し、pHをホリバ(株)製Compact pH meter B-212により測定した。各サンプルの着色の程度は吸光度の値で示され、値が大きいほど着色が強く、一方、値が小さいほど着色が弱いことを示す。また、各温度において、サンプル調製直後の吸光度と2週間又は1ヶ月保存後の吸光度の差(Δ吸光度)は、その値が小さいほど変色抑制効果が高いことを示す。【0021】表1の結果から明らかなように、実施例1〜13は、タンニンを含有する植物エキス(アザミ抽出物:特開平8−301780号公報の段落0033に記載された発明品3である)が溶解している組成物の経日による変色、着色を抑制し、また安定性に優れていた。一方、表2又は表3に示す比較例1〜14、16及び17は、50℃保存品において変色、着色を生じ、また、比較例15及び18は沈殿を生じた。【0022】表4の結果から明らかなように、実施例14〜23は、タンニン酸が溶解している組成物の経日による変色、着色を抑制し、また安定性に優れていた。一方、比較例19、20は、50℃保存品において変色、着色を生じ、また、比較例21は沈殿を生じた。【0023】実施例24〜28は、表5の結果から明らかなように、緑茶リキッドが溶解している組成物の経日による変色、着色を抑制し、また安定性に優れていた。一方、比較例22〜25は、保存2週間目の50℃保存品において変色、着色を生じたため、その時点で試験を中止した。なお実施例24〜28は、他の実施例と同様に保存1ヶ月目に試験を行い、保存2週間目の試験は行わなかった。【0024】【表1】【0025】【表2】【0026】【表3】【0027】【表4】【0028】【表5】【0029】実施例29:化粧水(1)処方1.ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油:0.2重量%2.1,3−ブチレングリコール:1.00重量%3.L−グルタミン酸:0.50重量%4.リン酸二ナトリウム:0.50重量%5.エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム:0.05重量%6.ユーカリ抽出液*10:1.50重量%7.パラオキシ安息香酸メチル:0.20重量%8.エタノール:3.00重量%9.精製水:残量pH=4.3(2)製造方法及び結果成分1〜5、9を攪拌混合することにより完全に溶解させた後、成分6を添加し、A液を調製する。一方、成分7、8を均一に混合してB液を調製する。得られたA液とB液を混合することにより化粧水を得る。実施例29で得られた化粧水は、経日的な変色、着色がなく安定であった。【0030】実施例30:乳液(1)処方1.ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油:0.85重量%2.ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸Na:0.60重量%3.合成セラミド誘導体*11:0.60重量%4.コレステロール:0.80重量%5.セタノール:0.75重量%6.スクワラン:3.00重量%7.パラオキシ安息香酸ブチル:0.15重量%8.コハク酸:0.10重量%9.ポリビニルピロリドン:0.10重量%10.ジプロピレングリコール:2.00重量%11.パラオキシ安息香酸メチル:0.30重量%12.エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム:0.05重量%13.L−アラニン:0.50重量%14.アザミ抽出物*2:1.00重量%15.ジユ抽出物*12:0.50重量%16.エタノール:2.00重量%17.精製水:残量pH=4.3(2)製造方法及び結果成分1〜7を加熱混合し80℃としてA液を調製する。一方、成分8〜12、17を加熱混合し80℃としてB液を調製する。A液にB液を添加し、冷却後、成分13を溶解させた後、成分14〜16を添加混合することにより乳液を得る。実施例30で得られた乳液は、経日的な変色、着色がなく安定であった。【0031】実施例31:美容液(1)処方1.ポリビニルアルコール:0.85重量%2.コハク酸:0.40重量%3.プロピレングリコール:2.00重量%4.エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム:0.05重量%5.パラオキシ安息香酸メチル:0.20重量%6.ポリエチレングリコール:0.60重量%7.L−アルギニン:0.50重量%8.アザミ抽出物*2:1.00重量%9.カミツレエキス*13:1.00重量%10.チャエキス*14:0.30重量%11.エタノール:5.00重量%12.オキサゾリン変性オルガノポリシロキサン(30%エタノール溶液)*15:3.80重量%13.精製水:残量pH=4.5(2)製造方法及び結果成分1〜6、13を加熱混合し80℃としてA液を調製する。得られたA液に成分7を溶解させた後、成分8〜12を添加混合し、美容液を得る。実施例31で得られた美容液は、経日的な変色、着色がなく安定であった。【0032】実施例32:化粧水(1)処方1.86%グリセリン:0.50重量%2.L−ロイシン:0.50重量%3.ε−アミノカプロン酸:0.01重量%4.コハク酸:0.10重量%5.エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム:0.05重量%6.アザミ抽出物*2:1.00重量%7.カフェイン:0.50重量%8.ブッチャーズブルームエキス*16:0.50重量%9.パラオキシ安息香酸メチル:0.20重量%10.エタノール:3.00重量%11.精製水:残量pH=4.3(2)製造方法及び結果成分1〜5、11を攪拌混合することにより完全に溶解させた後、成分6〜8を添加し、A液を調製する。一方、成分9、10を均一に混合してB液を調製する。得られたA液とB液を混合することにより化粧水を得る。実施例32で得られた化粧水は、経日的な変色、着色がなく安定であった。【0033】【発明の効果】本発明によれば、組成物のpHを3〜5にすると共に、当該組成物内にエデト酸塩及びアミノ酸を配合した後にタンニンを加えることにより、エデト酸塩の配合量が少なくても、経日によるタンニンの変色、着色を抑制し、タンニンを含有する組成物を安定化できるようになる。さらに、エデト酸塩の組成物中の配合量が少ないため、エデト酸の析出、特に、低温保存下でのエデト酸の析出を防止できる。従って、このような組成物からなる製品を開封後、冷蔵庫や冷暗所等で長期保存し継続使用することが可能となる。【0034】本発明に係るタンニンを含有する組成物の変色抑制方法及びその組成物は、タンニンを含有する成分、例えば、植物エキスを配合する医薬部外品、化粧品、食品等に適用可能である。特に、皮膚外用剤の形態をとる各種の製品、例えば、化粧水、乳液、美容液、入浴剤のような化粧品或いは医薬部外品に属する製品の変色、着色を抑制するのに適している。 エチレンジアミン四酢酸塩及びアミノ酸(但し、グリシンを除く)を含有し、且つ、pHが3〜5の組成物に、タンニン又はタンニンを含有する植物エキスを配合する、タンニンを含有する組成物の変色抑制方法。 前記アミノ酸が、L−アルギニン、L−グルタミン酸、L−トレオニン、L−イソロイシン、L−フェニルアラニン、L−セリン、L−メチオニン、L−アスパラギン酸、L−ロイシン、L−バリン、L−アラニン、L−ヒスチジンよりなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載のタンニンを含有する組成物の変色抑制方法。 前記エチレンジアミン四酢酸塩が、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムである請求項1又は2に記載のタンニンを含有する組成物の変色抑制方法。 前記アミノ酸の含有量が、前記エチレンジアミン四酢酸塩の含有量の4〜10倍である、請求項1乃至3のいずれかに記載のタンニンを含有する組成物の変色抑制方法。 少なくともタンニン又はタンニンを含有する植物エキス、エチレンジアミン四酢酸塩及びアミノ酸(但し、グリシンを除く)を含有し、且つ、pHが3〜5である組成物。 皮膚外用剤として用いられる、請求項5に記載の組成物。 前記アミノ酸の含有量が、前記エチレンジアミン四酢酸塩の含有量の4〜10倍である、請求項5又は6に記載の組成物。


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