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タイトル:特許公報(B2)_エアゾール組成物およびエアゾール製品
出願番号:2002120894
年次:2008
IPC分類:A01N 25/06,A01N 53/04,A61K 8/02,A61K 8/42,A61Q 5/00,A61L 9/01,B65D 83/34,B65D 83/36


特許情報キャッシュ

目加多 聡 三間 重和 JP 4194798 特許公報(B2) 20081003 2002120894 20020423 エアゾール組成物およびエアゾール製品 株式会社ダイゾー 391021031 朝日奈 宗太 100065226 佐木 啓二 100098257 目加多 聡 三間 重和 20081210 A01N 25/06 20060101AFI20081120BHJP A01N 53/04 20060101ALI20081120BHJP A61K 8/02 20060101ALN20081120BHJP A61K 8/42 20060101ALN20081120BHJP A61Q 5/00 20060101ALN20081120BHJP A61L 9/01 20060101ALN20081120BHJP B65D 83/34 20060101ALN20081120BHJP B65D 83/36 20060101ALN20081120BHJP JPA01N25/06A01N53/00 504DA01N53/00 504FA61K8/02A61K8/42A61Q5/00A61L9/01 RB65D83/14 Z A01N 25/06 A61L 9/01 B65D 83/34 B65D 83/36 特開2001−072963(JP,A) 特開平06−092841(JP,A) 特開平07−241498(JP,A) 特開2001−172616(JP,A) 特公昭60−038977(JP,B1) 9 2003313101 20031106 13 20050204 中島 庸子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明はエアゾール組成物およびエアゾール製品に関する。さらに詳しくは、不均一な液体組成物に炭酸ガスを加圧溶解させることにより均一となったエアゾール組成物および該エアゾール組成物を気密容器に充填したエアゾール製品に関する。【0002】【従来の技術】2成分以上からなり不均一な(分離や白濁している)原液を用いたエアゾール組成物として、たとえば油成分と水とからなる不均一な原液とジメチルエーテルとからなり、前記原液とジメチルエーテルとが溶解して均一となるエアゾール組成物(特開平6−92841号)や、油成分とアルコール成分とからなる不均一な原液と、液化石油ガスおよび/またはジメチルエーテルとからなる噴射剤とからなり、噴射剤を充填することにより原液と噴射剤とが溶解して均一となるエアゾール組成物(特開平4−314780号)などがある。これらは、不均一な原液に容器内部で液化する噴射剤(液化ガス)を加えることにより溶解し、均一なエアゾール組成物が得られる。【0003】【発明が解決しようとする課題】前記エアゾール組成物は容器内部では均一であるため、製品を振とうしなくても常に均一な組成物を噴射できること、また組成物の安定性に優れているなどの優れた点を有する。しかし、不均一な原液を均一にするためには噴射剤を多く配合する必要があり、噴射剤として液化石油ガスやジメチルエーテルなどの可燃性の液化ガスを用いているため、火気に対する安全性が低いという問題がある。【0004】【課題を解決するための手段】 本発明は、気密容器内では液体である成分を2種以上配合した不均一な液体組成物と、炭酸ガスとからなるエアゾール組成物を気密容器に充填したエアゾール製品であって、液体組成物中に炭酸ガスを加圧溶解させることにより均一となり、25℃における製品圧力が2〜5MPaであるエアゾール製品にかかわる。本発明のエアゾール製品は、炭酸ガスが加圧溶解しているので火気に対する安全性が高い。また、火気に対する安全性をさらに高くするために、液体組成物中に水を含有することが好ましい。さらに、噴霧粒子の拡散性をよくするために、液体組成物中に液化ガスを含有することが好ましい。【0006】【発明の実施の形態】本発明のエアゾール組成物は、気密容器内では液体である成分を2種以上配合した不均一な液体組成物と炭酸ガスとからなり、不均一な液体組成物中に炭酸ガスを加圧溶解させることにより均一となったエアゾール組成物である。炭酸ガスを不均一な液体組成物中に加圧溶解させることにより、均一なエアゾール組成物が得られるので、均一なエアゾール組成物を噴射することができる。また、該エアゾール組成物を噴射したとき、溶解した炭酸ガスにより液体組成物が微細化されるが、液体組成物が空間で再び分離するため、噴霧粒子が細かくなりすぎず、適度な大きさになり空間での拡散性に優れ、かつ噴射対象面での飛散を防止できる。さらに、液体組成物に可燃物を配合した場合であっても、炭酸ガスが液体組成物中に溶解しているため、噴射時、液体組成物とともに炭酸ガスが噴射され、火気に対する安全性が高くなる。【0007】本発明で用いる液体組成物は、気密容器内で液体である成分を2種以上配合し、これら成分が溶解せずに不均一な(分離や白濁している)ものである。前記液体組成物を構成する成分としては、気密容器内および大気圧下でも液体である液成分と、気密容器内では液体であり、大気圧下では気体となる液化ガスとに大別される。【0008】前記液成分としては、水、低級アルコール、多価アルコール、シリコーンオイル、炭化水素、エーテル、ケトン、エステル油、脂肪酸、高級アルコール、油脂などがあげられる。【0009】前記水としては特に限定がなく、精製水、イオン交換水、生理食塩水などがあげられる。【0010】前記低級アルコールとしては、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、ブタノールなどがあげられる。【0011】前記多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、キシリトール、ソルビトール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、トリエチレングリコール、トリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどがあげられる。【0012】前記シリコーンオイルとしては、メチルポリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルシリコーンエマルジョンなどがあげられる。【0013】前記炭化水素としては、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、流動パラフィン、イソパラフィン、ケロシン、スクワラン、スクワレン、トルエン、キシレンなどがあげられる。【0014】前記エーテルとしては、エチルエーテル、ジオキサン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトールなどがあげられる。【0015】前記ケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトンなどがあげられる。【0016】前記エステル油としては、酢酸エチル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、乳酸セチル、コハク酸ジエトキシエチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジエトキシエチルなどがあげられる。【0017】前記脂肪酸としては、オレイン酸などがあげられる。【0018】前記高級アルコールとしては、ラウリルアルコールなどがあげられる。【0019】前記油脂としては、ツバキ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、ホホバ油、ヤシ油などがあげられる。【0020】前記液化ガスとしては、プロパン、ノルマルブタンおよびイソブタン、これらの混合物である液化石油ガス、ジメチルエーテル、液化石油ガスとジメチルエーテルとの混合物などがあげられる。さらに、前記液化ガス中にノルマルペンタンやイソペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサンなどの炭素数が5〜6の炭化水素を溶解させたものを用いてもよい。【0021】本発明に用いられる液体組成物の構成成分としては、前記液成分および液化ガスのうち、炭酸ガスの溶解度が高い成分、たとえば等重量の炭酸ガスを溶解できる成分を少なくとも1種用いることが好ましい。等重量の炭酸ガスを溶解できる成分としては、たとえばエタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール;ペンタン、ヘキサン、灯油、イソパラフィン、トルエン、キシレンなどの炭化水素;メチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどのシリコーンオイル;アセトンなどのケトン類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピルなどのエステル油;プロパン、ブタンなどの液化石油ガス;ジメチルエーテルなどがあげられる。【0022】液体組成物の構成成分として引火点を有する成分を用いる場合であっても、液体組成物の構成成分として水を配合することにより、液体組成物、特に液化ガスを用いる場合は、液成分の引火点を高くすること、または引火点を有さないようにすることができるため、消防法上危険物に該当しない安全なエアゾール組成物とすることができる。たとえば、液体組成物を基準とした場合、通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上、また液体組成物中の液成分を基準とした場合、40重量%以上、好ましくは50重量%以上の水を配合することにより、液体組成物や液成分の引火点を高くすることができ、または引火点を有さないようにすることができる。【0023】液体組成物の構成成分として液化ガスを配合する場合、液化ガスは気密容器内では液体であり大気中に噴射されると気体となるため、気化による容積の膨張が大きく、液体組成物を微細化し、拡散性を向上させる効果がある。また、気化熱による冷却効果が得られ、使用感を向上させることができる。【0024】液体組成物の好適な例としては、(a)メチルポリシロキサンなどのシリコーンオイルとエタノールやイソプロパノールなどの低級アルコールとの組合せ、(b)低粘度の流動パラフィンや灯油などの炭化水素と低級アルコールとの組合せ、(c)アルコール水溶液と炭化水素およびジメチルエーテル(DME)との組合せなどがあげられる。【0025】不均一となる各成分の重量比は特に限定されないが、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/20である。【0026】前記液体組成物は、エアゾール組成物中15〜90重量%、好ましくは20〜80重量%、より好ましくは25〜75重量%である。液体組成物が15重量%未満の場合は、液体組成物の配合量が少なくなるため、有効成分を所望量配合できない場合があり、所定量の有効成分を噴射するには噴射時間が長くなる。また、炭酸ガスの配合量が多くなるため、圧力が高くなり、炭酸ガスが液体で存在する場合があり、炭酸ガスが液体で存在する場合は、製品温度が炭酸ガスの臨界温度(31.1℃)付近になると、製品圧力が急激に上昇するおそれがある。液体組成物が90重量%を超えると均一なエアゾール組成物が得られにくくなる。【0027】前記液体組成物には、製品の用途や目的に応じて、有効成分やその他の成分(界面活性剤、油成分、高分子化合物、粉体など)を配合することができる。【0028】前記有効成分としては、たとえば殺虫剤、抗力増強剤、消臭剤、害虫忌避剤、土壌燻蒸剤、皮膚軟化剤、かゆみ止め、消炎鎮痛剤、収斂剤、抗炎症剤、局所麻酔剤、抗ヒスタミン剤、清涼剤、殺菌・防腐剤、保湿剤、アミノ酸、ビタミン類、ホルモン類、頭髪用セット剤、育毛剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、各種抽出液、香料などが用いられる。【0029】前記殺虫剤としては、フタルスリン、イミプロトリン、アレスリン、ペルメトリン、シスメスリン、プロパルスリン、レスメトリン、d−フェノトリン、テフルスリン、ベンフルスリン、ネオピナミンフォルテ、クリスロンフォルテなどがあげられる。【0030】前記抗力増強剤としては、サイネピリン、ピペロニルブトキサイト、オクタクロロジプロピルエーテルなどがあげられる。【0031】前記消臭剤としては、ラウリル酸メタクリレート、安息香酸メチル、フェニル酢酸メチル、ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノン、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、緑茶エキスなどがあげられる。【0032】前記害虫忌避剤としては、N,N−ジエチル−m−トルアミド(ディート)、カプリル酸ジエチルアミドなどがあげられる。【0033】土壌燻蒸剤としては、D−D(1,3−ジクロロプロペンと1,2−ジクロロプロパンの混合物)、DBCP(1,2−ジブロモ−3−クロロプロパン)、DCIP(ジクロロジイソプロピルエーテル)、MITC(メチルイソチオシアネート)、クロルピクリン(トリクロロニトロメタン)、エチレンジブロマイド、ジメチルジクロルビニルホスフェート、二硫化炭素などの1種または2種以上を含有する混合物などがあげられる。【0034】前記皮膚軟化剤としては、尿素などがあげられる。【0035】前記かゆみ止めとしては、クロタミトン、l−メントール、d−カンフルなどがあげられる。【0036】前記消炎鎮痛剤としては、サリチル酸メチル、カンフル、インドメタシン、ピロキシカム、フェルビナク、ケトプロフェンなどがあげられる。【0037】前記収斂剤としては、酸化亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、タンニン酸、クエン酸、乳酸などがあげられる。【0038】前記抗炎症剤としては、アラントイン、グリシルレチン酸、グリシルリチン酸ジカリウム、アズレン、ウフェナマートなどがあげられる。【0039】前記局所麻酔剤としては、塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸リドカインなどがあげられる。【0040】前記抗ヒスタミン剤としては、ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミンなどがあげられる。【0041】前記清涼剤としては、l−メントール、カンフルなどがあげられる。【0042】前記殺菌・防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化クロルヘキシジン、感光素、パラクロルメタクレゾールなどがあげられる。【0043】前記保湿剤としては、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、コラーゲン、キシリトール、ソルビトール、ヒアルロン酸、カロニン酸、乳酸ナトリウム、d,l−ピロリドンカルボン酸塩、ケラチン、カゼイン、レシチンなどがあげられる。【0044】前記アミノ酸としては、グリシン、アラニン、ロイシン、セリン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニンなどがあげられる。【0045】前記ビタミン類としては、ビタミンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸d,l−α−トコフェロール、ビタミンD2(エルゴカシフェロール)、d,l−α−トコフェロール、酢酸d,l−α−トコフェロール、パントテン酸、ビオチンなどがあげられる。【0046】前記ホルモン類としては、エラストラジオール、エチニルエストラジオールなどがあげられる。【0047】前記頭髪用セット剤としては、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリル酸ブチル・アクリル酸メトキシエチル共重合体、アクリル酸アルカノールアミン、アクリル酸アルキル共重合体エマルジョン、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルジョンなどがあげられる。【0048】前記育毛剤としては、センブリエキス、トウガラシチンキ、プラセンタエキス、パントテン酸、サリチル酸、塩化カプロニウムなどがあげられる。【0049】前記紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸モノグリセリンエステル、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチルなどがあげられる。【0050】前記酸化防止剤としては、アスコルビン酸、α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどがあげられる。【0051】前記各種抽出液としては、シャクヤクエキス、ヘチマエキス、バラエキス、レモンエキス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリエキス、セージエキス、茶エキス、海藻エキス、プラセンタエキス、シルク抽出液などがあげられる。【0052】前記香料としては、ジャスミン油、スペアミント油、ハッカ油、バラ油、ユーカリ油、ラベンダー油、ライム油、ローズマリー油、レモン油などの天然植物性香料;シトロネロール、ジメチルベンジルカルボニル、ラベンデュロール、イソプレゴール、エチルホルメート、イソブチルサリシレート、メチルアセテートなどの単体香料などがあげられる。【0053】前記有効成分は、液体組成物中に0.01〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%配合される。有効成分の配合量が0.01重量%未満の場合は、有効成分の効果が充分に発揮できない傾向があり、一方、30重量%をこえると有効成分濃度が高すぎ、有効成分によっては人体へ悪影響を及ぼす場合がある。【0054】前記界面活性剤は、液体組成物を乳化させたり、使用感を向上させるために用いられ、非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性系界面活性剤、高分子系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、天然系界面活性剤などがあげられる。【0055】前記非イオン系界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体、アルキルグルコシドなどがあげられる。【0056】前記アニオン系界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、脂肪酸石鹸などがあげられる。【0057】前記カチオン系界面活性剤としては、アルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルアンモニウム塩などがあげられる。【0058】前記両性系界面活性剤としては、酢酸ベタイン、レシチンなどがあげられる。【0059】前記高分子系界面活性剤としては、ポリアルキルビニルピリジニウム、アルキルフェノールポリマー誘導体、スチレン・マレイン酸重合物誘導体などがあげられる。【0060】前記シリコン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体などがあげられる。【0061】前記天然系界面活性剤としては、サーファクチンナトリウム、シクロデキシトリンなどがあげられる。【0062】前記界面活性剤は、液体組成物中0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜10重量%配合することができる。0.1重量%未満の場合は、界面活性剤を配合する効果が得られにくく、一方、15重量%をこえると、べたつき感や皮膚への刺激が強くなるなど、使用感がわるくなる。【0063】前記油成分は、油性感を付与して使用感を向上させたり、液体組成物の粘度を上昇させて噴射面での液タレを防止するなどの目的で用いられる。油成分としては、常温でペースト状から固体状の油成分があげられる。油成分としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの脂肪酸;セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコールなどの高級アルコール;ミツロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、カンデリラロウなどのロウ類などがあげられる。【0064】前記高分子化合物は、液体組成物の粘度を上昇させて噴射面での液タレを防止したり、噴霧粒子径を調整するなどの目的で用いられる。前記高分子化合物としては、カラギーナン、ペクチン、デンプン、ゼラチン、コラーゲン、カルボキシメチルデンプン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガムなどがあげられる。【0065】前記粉体は、粉体自体が有効成分として作用したり、有効成分を担持する担体、保護剤、付着剤、固体潤滑剤などとして用いられる。前記粉体としては、タルク、酸化亜鉛、カオリン、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、シリカ、ゼオライト、セラミックパウダー、窒化ホウ素などがあげられる。【0066】本発明で用いる液体組成物は、前記液成分および液化ガスの中から相溶しないものを少なくとも2種選択し、これらを乳化させたり、別々に充填(分注)することにより得られる。なお、本発明で用いる液体組成物には、前記液成分および液化ガスの中から少なくとも1種を選択し、有効成分を配合することで前記液体組成物が不均一となる場合も含まれる。【0067】本発明のエアゾール組成物は、前記不均一な液体組成物に炭酸ガスを加圧溶解させ、均一とすることにより得られる。ここでいう加圧溶解とは、液体組成物が充填された容器の気相部に炭酸ガスを充填し、炭酸ガスが液体組成物に溶解していき、平衡になることをいう。【0068】前記炭酸ガスは、エアゾール組成物中10〜85重量%、好ましくは20〜80重量%、より好ましくは25〜75重量%配合される。炭酸ガスの配合量が10重量%未満の場合は、不均一な液体組成物への炭酸ガスの溶解量が少なくなり、均一なエアゾール組成物とすることが困難となる。一方、85重量%をこえると、圧力が高くなり、炭酸ガスが液体で存在する場合があり、炭酸ガスが液体で存在する場合は、製品温度が炭酸ガスの臨界温度(31.1℃)付近になると製品圧力が急激に上昇する恐れがあり、安全性に劣る。【0069】本発明のエアゾール製品の製造にあたっては、たとえば、有効成分や他の成分などを液体組成物に溶解または分散させ、液体組成物を耐圧性の気密容器に充填し、エアゾールバルブを取り付ける。この状態では、液体組成物は不均一な状態である。ついで炭酸ガスを容器内部の気相部に充填し、前記液体組成物中に加圧溶解させることにより均一なエアゾール組成物が得られる。液体組成物の構成成分として液化ガスを配合する場合は、エアゾールバルブを取り付けるとき、または取り付けたあとに液化ガスを充填し、ついで炭酸ガスを充填することが好ましい。【0070】本発明のエアゾール製品は、25℃における製品圧力が2〜5MPa、さらには2〜4MPaであることが好ましい。製品圧力が2MPa未満の場合は、液体組成物中への炭酸ガスの溶解量が少なくなるため、均一なエアゾール組成物が得られにくい場合がある。一方、製品圧力が5MPaをこえると、炭酸ガスが液体で存在しやすくなり、炭酸ガスが液体で存在すると、炭酸ガスの臨界温度付近での圧力上昇が大きくなり、安全性上好ましくない。【0071】前記気密容器としては、アルミニウムやブリキ、ステンレスなどの金属製、高耐圧ガラス製のものが好ましく、容器満注量が100ml未満のものが安全上好ましい。【0072】かくして得られるエアゾール製品は、液体組成物中に炭酸ガスが高濃度で溶解しているため、液体組成物とともに炭酸ガスが噴射され、火気に対する安全性が高くなる。また、噴射時、液体組成物に溶解していた炭酸ガスが瞬時に気化するため液体組成物は微細化されるが、液体組成物は空間で再び分離するため噴霧粒子は細かくなりすぎることがなく、使用者が吸引するおそれがない。さらに、噴霧粒子の拡散性に優れていることから、家やマンションなどの一室、車内などの比較的狭い空間だけでなく、ビルやマンション、家などのワンフロア、家、納屋、電車、フェリーの客室全体などの広い空間を、広範囲に処理する燻蒸剤や消臭剤、芳香剤などに用いることができる。くわえて、棒状で噴射する場合は飛距離が長いため、ハチの巣の駆除や防犯用などに好適に用いることができる。【0073】【実施例】実施例1液体組成物として、メチルポリシロキサン(商品名:TSF−451(100cs)、東芝シリコーン(株)製)とエタノールとの混合物を用い、高耐圧ガラス製気密容器(満注量:98ml)に充填した。ついで、エアゾールバルブを取り付け、炭酸ガスを充填した。【0074】実施例2液体組成物として灯油(商品名:ネオチオゾール、中央化成(株)製)とエタノールとの混合物を用い、高耐圧ガラス製気密容器(満注量:98ml)に充填した。ついで、エアゾールバルブを取り付け、炭酸ガスを充填した。【0075】<結果>実施例1(メチルポリシロキサンとエタノール)の場合は、液体組成物の状態ではメチルポリシロキサン/エタノール=99/1〜1/99(重量比)の範囲で両者は不均一になるが、該液体組成物に炭酸ガスを加圧溶解させることで、図1に示す領域において均一なエアゾール組成物が得られた。メチルポリシロキサンとエタノールとを所定の配合割合で充填して得られた液体組成物に炭酸ガスを加圧溶解させたときに、不均一から均一となる液体組成物と炭酸ガスとの重量比を表1に示す。【0076】【表1】【0077】実施例2(灯油とエタノール)の場合は、液体組成物の状態では灯油/エタノール=99/1〜23/77(重量比)の範囲で両者は不均一になるが、該液体組成物に炭酸ガスを加圧溶解させることで、図2に示す領域において均一なエアゾール組成物が得られた。灯油とエタノールとを所定の配合割合で充填して得られた液体組成物に炭酸ガスを加圧溶解させたときに、不均一から均一となる液体組成物と炭酸ガスとの重量比を表2に示す。【0078】【表2】【0079】処方例1(空間用殺虫剤)下記の液体組成物28gを高耐圧ガラス製容器(満注量98ml)に充填したのち、バルブを取り付け、バルブから炭酸ガス12gを充填した。液体組成物の状態では不均一であったが、液体組成物中に炭酸ガスを加圧溶解させることで均一なエアゾール組成物となった。25℃における製品圧力は3.2MPa、平均粒子径は30.6μmであった。【0080】なお、平均粒子径は、レーザー光散乱方式粒度分布測定装置(LDSA−3400A、東日コンピューターアプリケーションズ(株))を用いて測定し、ロジン・ラムラー分布関数により算出した。【0081】また、比較試験として、一般的な空間用殺虫剤を想定したエアゾール製品を製造し、平均粒子径を測定したところ、12.1μmであった。【0082】さらに、処方例1のエアゾール製品を、距離15cmにある火炎(火炎の長さ5cm)に向けて噴射したところ、噴射直後に噴射方向への火炎の延長は認められたが、すぐに火炎は消失し、認められなくなった。一方、前述のエアゾール製品を同様に火炎に向けて噴射したところ、噴射方向に火炎は延長し、かつ、火炎は消失することなく連続して燃焼した。【0083】<液体組成物>灯油(ネオチオゾール) 49.4フタルスリン 0.5サイネピリン 0.1エタノール 50.0 合 計 100.0重量%【0084】処方例2(はち駆除用)下記の液体組成物のうち、LPG以外の成分(液成分)19.2gを高耐圧ガラス製容器(満注量98ml)に充填したのち、バルブを取り付け、バルブからLPG4.8gを充填し、ついで炭酸ガス16gを充填した。液体組成物の状態では不均一であったが、液体組成物中に炭酸ガスを加圧溶解させることで均一なエアゾール組成物となった。25℃における製品圧力は3.6MPaであった。【0085】<液体組成物>灯油(ネオチオゾール) 39.0エタノール 40.0イミプロトリン 1.0LPG(0.2MPa(25℃)) 20.0 合 計 100.0重量%【0086】処方例3(空間用消臭剤)下記の液体組成物のうちLPGとDME以外の成分(液成分)1.5gを高耐圧ガラス製容器(満注量98ml)に充填したのち、バルブを取り付け、バルブから液化ガス(LPGおよびDMEの混合物)6g、ついで炭酸ガス22.5gを充填した。液体組成物の状態では不均一であったが、液体組成物中に炭酸ガスを加圧溶解させることで均一なエアゾール組成物となった。25℃における製品圧力は4.7MPaであった。【0087】<液体組成物>緑茶エキス 0.5エタノール 10.0精製水 10.0DME 71.5LPG(0.2MPa(25℃)) 8.0 合 計 100.0重量%【0088】処方例4(頭髪用艶だしスプレー)下記の液体組成物16g(40重量%)を高耐圧ガラス製容器(満注量98ml)に充填したのち、バルブを取り付け、バルブから炭酸ガス24g(60重量%)を充填した。液体組成物の状態では不均一であったが、液体組成物中に炭酸ガスを加圧溶解させることで均一なエアゾール組成物となった。25℃における製品圧力は4.0MPaであった。【0089】<液体組成物>D−パントテニルアルコール 0.1エタノール 40.0メチルポリシロキサン(100cs) 29.9メチルフェニルポリシロキサン 10.0ミリスチン酸イソプロピル 20.0 合 計 100.0重量%【0090】【発明の効果】本発明によれば、液体組成物中に炭酸ガスが高濃度で溶解しているため、液体組成物とともに炭酸ガスが噴射され、火気に対する安全性が高くなる。また、噴射時、液体組成物に溶解していた炭酸ガスが瞬時に気化するため液体組成物は微細化されるが、液体組成物は空間で再び分離するため噴霧粒子は細かくなりすぎることがなく、使用者が吸引するおそれがない。さらに、噴霧粒子の拡散性に優れていることから、家やマンションなどの一室、車内などの比較的狭い空間だけでなく、ビルやマンション、家などのワンフロア、家、納屋、電車、フェリーの客室全体などの広い空間を、広範囲に処理する燻蒸剤や消臭剤、芳香剤などに用いることができる。くわえて、棒状で噴射する場合は飛距離が長いため、ハチの巣の駆除や防犯用などに好適に用いることができる。【図面の簡単な説明】【図1】本発明のメチルポリシロキサンとエタノールとを配合した液体組成物に炭酸ガスを加圧溶解させた場合に均一となる組成範囲(実施例1)を示すグラフである。【図2】本発明の灯油とエタノールとを配合した液体組成物に炭酸ガスを加圧溶解させた場合に均一となる組成範囲(実施例2)を示すグラフである。 気密容器内で液体である成分を2種以上配合した不均一な液体組成物と、炭酸ガスとからなるエアゾール組成物を気密容器に充填したエアゾール製品であって、液体組成物中に炭酸ガスを加圧溶解させることにより均一となり、25℃における製品圧力が2〜5MPaであるエアゾール製品。 液体組成物が水を含有する請求項1記載のエアゾール製品。 液体組成物が液化ガスを含有する請求項1記載のエアゾール製品。 前記液体組成物が、エアゾール組成物中15〜90重量%、前記炭酸ガスが、エアゾール組成物中10〜85%含有されてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載のエアゾール製品。 前記液体組成物に、等重量の炭酸ガスを溶解できる成分が、少なくとも1種含有されてなる請求項1〜4のいずれか1項に記載のエアゾール製品。 前記等重量の炭酸ガスを溶解できる成分が、低級アルコール、炭化水素、シリコーンオイル、エステル油、液化石油ガスまたはジメチルエーテルである請求項5に記載のエアゾール製品。 前記液体組成物が、シリコーンオイルと低級アルコールとからなる請求項1〜6のいずれか1項に記載のエアゾール製品。 前記液体組成物が、炭化水素と低級アルコールとからなる請求項1〜6のいずれか1項に記載のエアゾール製品。 前記液体組成物が、アルコール水溶液と炭化水素とジメチルエーテルとからなる請求項1〜6のいずれか1項に記載のエアゾール製品。


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