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タイトル:特許公報(B2)_ポリアミド樹脂
出願番号:2002103230
年次:2008
IPC分類:C08G 69/26,C12P 13/00


特許情報キャッシュ

加藤 公哉 秋田 大 西村 透 澤井 秀樹 JP 4158399 特許公報(B2) 20080725 2002103230 20020405 ポリアミド樹脂 東レ株式会社 000003159 加藤 公哉 秋田 大 西村 透 澤井 秀樹 20081001 C08G 69/26 20060101AFI20080911BHJP C12P 13/00 20060101ALN20080911BHJP JPC08G69/26C12P13/00 C08G 69/00-69/50 C12P 13/00 特開2001−200055(JP,A) 特開2001−151886(JP,A) 特開2001−106908(JP,A) 特開平11−228690(JP,A) 特開平07−165911(JP,A) 特開平06−256503(JP,A) 6 2003292613 20031015 14 20050315 堀 洋樹 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、ペンタメチレンジアミンとヘキサメチレンジアミンを主要成分として含有する脂肪族ジアミンと、テレフタル酸誘導体を主要成分として含有するジカルボン酸から誘導される、融点をポリマーの分解温度未満に制御した、降温結晶化温度、結晶化度の高いポリアミド樹脂に関するものである。【0002】【従来の技術】従来、耐熱性、寸法安定性、機械特性に優れたポリアミドとして、半芳香族ポリアミドが提案されている。例えば、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどの短鎖脂肪族ジアミンとテレフタル酸からなる半芳香族ポリアミドホモポリマーは、ポリマーの分解温度以上に融点があるため、溶融成形が困難である。そのため、半芳香族ポリアミドとしては、例えば、ヘキサメチレンジアミンと2−メチルペンタメチレンジアミンの混合物とテレフタル酸からなるポリアミドが特表平6−50359号公報に開示されている。この半芳香族ポリアミドにおいては、第三成分として、2−メチルペンタメチレンジアミンを共重合することにより、ポリマーの融点を制御して、溶融成形可能なものにしていると考えられる。【0003】【発明が解決しようとする課題】しかしながら、側鎖にメチル基が導入された脂肪族ジアミンは、側鎖に置換基がない脂肪族ジアミンと比較して、立体障害が大きいため、このような第三成分の共重合は、ポリマーの融点を低下させる手法としては有効であるが、結晶化速度や結晶化度の低下を引き起こすという課題があった。【0004】そこで本発明者らは、側鎖に置換基がない、特定の脂肪族ジアミンの混合物とテレフタル酸を重縮合することによって、ポリアミド樹脂の融点を、その分解温度より低い温度である290℃以上330℃以下に制御し、溶融成形可能で、しかも、結晶化速度、結晶化度が高いポリアミド樹脂が得られることを見出し、本発明に到達した。【0005】【課題を解決するための手段】 すなわち、本発明は、 (1)ペンタメチレンジアミンとヘキサメチレンジアミンを主要成分として含有する脂肪族ジアミンと、テレフタル酸誘導体を主要成分として含有するジカルボン酸誘導体を重縮合して得られるポリアミド樹脂であって、前記脂肪族ジアミン中のヘキサメチレンジアミン成分が全脂肪族ジアミンに対して30mol%以上、68mol%以下であり、前記ポリアミド樹脂を、示差走査熱量計を用いて溶融状態から20℃/minの降温速度で30℃まで降温した後、20℃/minの昇温速度で昇温した場合の融点が290℃以上330℃以下であることを特徴とするポリアミド樹脂。【0006】(2)示差走査熱量計を用いて、溶融状態から20℃/minの降温速度で30℃まで降温した場合に現れる降温結晶化温度が250℃以上であることを特徴とする(1)記載のポリアミド樹脂。【0007】(3)前記降温結晶化温度±40℃の範囲における降温結晶化の絶対値が40J/g以上であることを特徴とする(1)または(2)記載のポリアミド樹脂。【0008】(4)ペンタメチレンジアミンとヘキサメチレンジアミンを主要成分として含有する脂肪族ジアミンと、テレフタル酸を主要成分として含有するジカルボン酸を加熱重縮合して得られることを特徴とする(1)〜(3)いずれか記載のポリアミド樹脂。【0009】(5)ペンタメチレンジアミンとヘキサメチレンジアミンを主要成分として含有する脂肪族ジアミンとテレフタル酸を主要成分として含有するジカルボン酸の塩、および水の混合物を、加熱重縮合して得られることを特徴とする(4)記載のポリアミド樹脂。【0010】(6)ペンタメチレンジアミンが、リジン脱炭酸酵素を有する微生物、リジン炭酸酵素活性の向上した組換え微生物またはその抽出物を用いて、リジンから産出されたものであることを特徴とする(1)〜(5)記載のポリアミド樹脂。により構成される。【0011】【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。【0012】本発明は、ペンタメチレンジアミンとヘキサメチレンジアミンを主要成分として含有する脂肪族ジアミン、テレフタル酸誘導体を主要成分として含有するジカルボン酸誘導体から誘導される共重合ポリアミドである。また、耐熱性に優れ、溶融成形可能なポリアミド樹脂を得ようとするものであるので、示差走査熱量計を用いて、不活性ガス雰囲気下、前記ポリアミド樹脂を、溶融状態から20℃/minの降温速度で30℃まで降温した後、20℃/minの昇温速度で昇温した場合に現れる吸熱ピークの温度が、290℃以上330℃以下であることが必要である。本発明では、この吸熱ピークの温度を融点と定義する。ただし、吸熱ピークが2つ以上検出される場合には、ピーク強度の最も大きい吸熱ピークを融点とする。融点が290℃未満の場合は耐熱性が低下するため、融点は290℃以上に制御する必要がある。また、融点が330℃より高い場合は、ポリアミドの分解が促進され、溶融成形が困難となるため、融点は330℃以下に制御することが必要である。ここで、テレフタル酸誘導体の例としては、テレフタル酸、テレフタル酸クロリド、テレフタル酸ジメチルなどを挙げることができる。【0013】本発明において主要成分とは、構成成分のうち、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸の全モル数が少なくとも90mol%以上、好ましくは95mol%以上含むポリアミドを言う。【0014】 また、脂肪族ジアミン中のヘキサメチレンジアミン成分が全脂肪族ジアミンに対して30mol%以上、68mol%以下になるように混合して使用する。【0015】脂肪族ジアミン中のヘキサメチレンジアミン成分が30mol%未満、68mol%より多い場合は、ポリアミド樹脂の融点が330℃より大きくなり、溶融成形が困難となるため好ましくない。【0016】また、本発明では、溶融状態から降温した場合に、結晶化がはやいポリアミド樹脂を得ようとするものであるので、示差走査熱量計を用いて、溶融状態から20℃/minの降温速度で、30℃まで降温した場合に現れる発熱ピークの温度が250℃以上であることが好ましい。本発明では、この発熱ピークの温度を降温結晶化温度と定義する。ただし、発熱ピークが2つ以上検出される場合には、ピーク強度の最も大きい発熱ピークを降温結晶化温度とする。降温結晶化温度が250℃より低い温度の場合は、溶融状態からの結晶化が遅いため好ましくない。【0017】また、本発明では結晶化度の高いポリアミド樹脂を得ようとするものであるので、溶融状態から、20℃/minの降温速度で、30℃まで降温させた場合の示差走査熱量曲線に現れる降温結晶化温度+40℃と降温結晶化温度−40℃を結んでベースラインとした場合に得られる降温結晶化熱量の絶対値が、40J/g以上であることが好ましい。降温結晶化熱量の絶対値が大きいほど、溶融状態から降温した場合の結晶化度は大きくなると考えられるので、降温結晶化熱量が、45J/g以上であることがより好ましい。【0018】本発明のポリアミド樹脂の製造方法としては、公知の方法が適用可能であり、例えば「ポリアミド樹脂ハンドブック」(福本修編)等に開示されている方法が使用できる。ペンタメチレンジアミンとヘキサメチレンジアミンの混合物とテレフタル酸を、高温で加熱し、脱水反応を進行させる加熱重合法、また、ペンタメチレンジアミンとヘキサメチレンジアミンの混合物を水に溶解し、テレフタル酸クロリドを水と混ざらない有機溶媒に溶解しておき、これら水相と有機相の界面で重縮合させる方法(界面重合法)などが挙げられる。ここで、加熱重縮合とは、製造時のポリアミド樹脂の最高到達温度を200℃以上に上昇させる製造プロセスと定義する。界面重合法は、有機溶媒を用いること、重縮合時の副生成物となる塩酸を中和することが必要であることなどプロセスが複雑であるため、工業的に製造するには加熱重合法を用いることが好ましい。【0019】加熱重合法としては、ペンタメチレンジアミンとテレフタル酸の塩、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸の塩を調製し、水の共存下、これらを混合し、加熱して脱水反応を進行させる方法が好ましく用いられる。また、ペンタメチレンジアミンとテレフタル酸の塩、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸の塩の混合比を変化させることによって、ポリアミド中の共重合組成比を変化させることができる。ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸の塩が、全体の塩量に対して、70wt%以上、あるいは29wt%以下である場合には、得られるポリアミドの融点が330℃より大きくなるため、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸の塩は、全体の塩量に対して、30wt%以上、69wt%以下にすることが好ましい。さらに、本発明のポリアミド樹脂は、加熱重縮合後、さらに固相重合することによって、分子量を上昇させることも可能である。固相重合は、100℃〜融点の温度範囲で、真空中、あるいは不活性ガス中で加熱することにより進行する。【0020】本発明のポリアミド樹脂の重合度にはとくに制限がなく、0.01g/mlとした98%硫酸溶液の25℃における相対粘度が1.5〜8.0であることが好ましく、1.8〜5.0であることがさらに好ましい。相対粘度が1.5未満では、実用的強度が不十分なため、8.0以上では、流動性が低下し、成形加工性が損なわれるので好ましくない。【0021】本発明のポリアミド樹脂には、構成成分のうち10mol%未満、好ましくは5mol%未満で、かつ、本発明の効果を損なわない量の他の成分を共重合することができる。代表的な共重合成分としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシリン酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸のような脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸のような脂環式ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,13−ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−ジアミノペンタデカン、1,16−ジアミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジアミノオクタデカン、1,19−ジアミノノナデカン、1,20−ジアミノエイコサン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタンなどの脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス−(4−アミノヘキシル)メタンのような脂環式ジアミン、キシリレンジアミンのような芳香族ジアミンなどが挙げられる。【0022】本発明を構成するペンタメチレンジアミンの製法に制限はないが、例えば、2−シクロヘキセン−1−オンなどのビニルケトン類を触媒としてリジンから合成する方法(Chemistry Letters,893(1986)、特公平4−10452)や、リジン脱炭酸酵素を用いてリジンから転換する方法などが既に提案されている。ペンタメチレンジアミンは、反応温度が高いほど、その脱アンモニア反応により生成する、2,3,4,5−テトラヒドロピリジンやピペリジンの生成量が多くなり、これら環状アミンはポリアミド樹脂を分解する可能性があると考えられるため、反応温度が低い製法によって、ペンタメチレンジアミンを得る方が、副生成物である環状アミン量を低減できるため好ましい。前者の方法では、反応温度が約150℃と高いのに対し、後者の方法は100℃未満であるため、原料としては後者の方法によって得られたペンタメチレンジアミンを用いることが好ましい。【0023】後者の方法で使用するリジン脱炭酸酵素は、リジンをペンタメチレンジアミンに転換させる酵素であり、Escherichia coli K12株をはじめとするエシェリシア属微生物のみならず、多くの生物に存在することが知られている。【0024】本発明において使用するのが好ましいリジン脱炭酸酵素は、これらの生物に存在するものを使用することができ、リジン脱炭酸酵素の細胞内での活性が上昇した組換え細胞由来のものも使用できる。【0025】組換え細胞としては、微生物、動物、植物、または昆虫由来のものが好ましく使用できる。例えば動物を用いる場合、マウス、ラットやそれらの培養細胞などが用いられる。植物を用いる場合、例えばシロイヌナズナ、タバコやそれらの培養細胞が用いられる。また、昆虫を用いる場合、例えばカイコやその培養細胞などが用いられる。また、微生物を用いる場合、例えば、大腸菌などが用いられる。【0026】また、リジン脱炭酸酵素を複数種組み合わせて使用しても良い。【0027】このようなリジン脱炭酸酵素を持つ微生物としては、バシラス・ハロドゥランス(Bacillus halodurans)、バシラス・サブチリス(Bacillus subtilis)、エシェリシア・コリ(Escherichia coli)、セレノモナス・ルミナンチウム(Selenomonas ruminantium)、ビブリオ・コレラ(Vibrio cholerae)、ビブリオ・パラヘモリティカス(Vibrio parahaemolyticus)、ストレプトマイセス・コエリカーラ(Streptomyces coelicolor)、ストレプトマイセス・ピロサス(Streptomyces pilosus)、エイケネラ・コロデンス(Eikenella corrodens)、イユバクテリウム・アシダミノフィルム(Eubacterium acidaminophilum)、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)、ハフニア・アルベイ(Hafnia alvei)、ナイセリア・メニンギチデス(Neisseria meningitidis)、テルモプラズマ・アシドフィルム(Thermoplasma acidophilum)、ピロコッカス・アビシ(Pyrococcus abyssi)またはコリネバクテリウム・グルタミカス(Corynebacterium glutamicum)等が挙げられる。【0028】リジン脱炭酸酵素を得る方法に特に制限はないが、例えば、リジン脱炭酸酵素を有する微生物や、リジン脱炭酸酵素の細胞内での活性が上昇した組換え細胞などを適当な培地で培養し、増殖した菌体を回収し、休止菌体として用いることも可能であり、また当該菌体を破砕して無細胞抽出液を調製して用いることも可能であり、また必要に応じて精製して用いることも可能である。【0029】リジン脱炭酸酵素を抽出するために、リジン脱炭酸酵素を有する微生物や組換え細胞を培養する方法に特に制限はないが、例えば微生物を培養する場合、使用する培地は、炭素源、窒素源、無機イオンおよび必要に応じその他有機成分を含有する培地が用いられる。例えば、E.coliの場合しばしばLB培地が用いられる。炭素源としては、グルコース、ラクトース、ガラクトース、フラクトース、アラビノース、マルトース、キシロース、トレハロース、リボースや澱粉の加水分解物などの糖類、グリセロール、マンニトールやソルビトールなどのアルコール類、グルコン酸、フマール酸、クエン酸やコハク酸等の有機酸類を用いることができる。窒素源としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機アンモニウム塩、大豆加水分解物などの有機窒素、アンモニアガス、アンモニア水等を用いることができる。有機微量栄養素としては、各種アミノ酸、ビタミンB1等のビタミン類、RNA等の核酸類などの要求物質または酵母エキス等を適量含有させることが望ましい。それらの他に、必要に応じて、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、鉄イオン、マンガンイオン等が少量添加される。【0030】培養条件にも特に制限はなく、例えばE.coliの場合、好気条件下で16〜72時間程度実施するのが良く、培養温度は30℃〜45℃に、特に好ましくは37℃に、培養pHは5〜8に、特に好ましくはpH7に制御するのがよい。なおpH調整には無機あるいは有機の酸性あるいはアルカリ性物質、さらにアンモニアガス等を使用することができる。【0031】増殖した微生物や組換え細胞は、遠心分離等により培養液から回収することができる。回収した微生物や組換え細胞から無細胞抽出液を調整するには、通常の方法が用いられる。すなわち、微生物や組換え細胞を超音波処理、ダイノミル、フレンチプレス等の方法にて破砕し、遠心分離により菌体残渣を除去することにより無細胞抽出液が得られる。【0032】無細胞抽出液からリジン脱炭酸酵素を精製するには、硫安分画、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、等電点沈殿、熱処理、pH処理等酵素の精製に通常用いられる手法が適宜組み合わされて用いられる。精製は、完全精製である必要は必ずしもなく、リジン脱炭酸酵素以外のリジンの分解に関与する酵素、生成物であるペンタメチレンジアミンの分解酵素等の夾雑物が除去できればよい。【0033】リジン脱炭酸酵素によるリジンからペンタメチレンジアミンへの変換は、上記のようにして得られるリジン脱炭酸酵素を、リジンに接触させることによって行うことができる。【0034】反応溶液中のリジンの濃度については、特に制限はない。【0035】リジン脱炭酸酵素の量は、リジンをペンタメチレンジアミンに変換する反応を触媒するのに十分な量であればよい。【0036】反応温度は、通常、28〜55℃、好ましくは40℃前後である。【0037】反応pHは、通常、5〜8、好ましくは、約6である。ペンタメチレンジアミンが生成するにつれ、反応溶液はアルカリ性へ変わるので、反応pHを維持するために無機あるいは有機の酸性物質を添加することが好ましい。好ましくは塩酸を使用することができる。反応には静置または攪拌のいずれの方法も採用し得る。リジン脱炭酸酵素は固定化されていてもよい。反応時間は、使用する酵素活性、基質濃度などの条件によって異なるが、通常、1〜72時間である。また、反応は、リジンを供給しながら連続的に行ってもよい。【0038】このように生成したペンタメチレンジアミンを反応終了後、反応液から採取する方法としては、イオン交換樹脂を用いる方法や沈殿剤を用いる方法、溶媒抽出する方法、単蒸留する方法、その他通常の採取分離方法が採用できる。【0039】本発明のポリアミド樹脂には、充填材、他種ポリマーなどを添加することができる。充填材としては一般に樹脂用フィラーとして用いられる公知のものが用いられ、本発明のポリアミド樹脂組成物の強度、剛性、耐熱性、寸法安定性などを改良できる。例えば、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミニウムウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、カオリン、マイカ、タルク、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、モンモリロナイト、アスベスト、アルミノシリケート、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素、シリカなどが挙げられる。これらは中空であってもよく、さらにはこれら充填材を2種類以上用いることも可能である。また、これら充填材をイソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカップリング剤で処理して使用してもよい。また、モンモリロナイトについては、有機アンモニウム塩で層間イオンをカチオン交換した有機化モンモリロナイトを用いてもよい。ポリアミド樹脂を補強するには、前記充填材の中でも、特にガラス繊維、炭素繊維が好ましい。【0040】また他種ポリマーとしては、他のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂、SAN樹脂、ポリスチレン等を挙げることができ、本発明のポリアミド樹脂の耐衝撃性を改良するには、オレフィン系化合物および/または共役ジエン系化合物を重合して得られる(共)重合体などの変性ポリオレフィンが好ましく用いられる。【0041】上記(共)重合体としては、エチレン系共重合体、共役ジエン系重合体、共役ジエン−芳香族ビニル炭化水素系共重合体などが挙げられる。【0042】ここで、エチレン系共重合体とは、エチレンと他の単量体との共重合体および多元共重合体をさし、エチレンと共重合する他の単量体としては炭素数3以上のα−オレフィン、非共役ジエン、酢酸ビニル、ビニルアルコール、α,β−不飽和カルボン酸およびその誘導体などの中から選択することができる。【0043】炭素数3以上のα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、3−メチルペンテン−1、オクタセン−1などが挙げられ、プロピレン、ブテン−1が好ましく使用できる。非共役系ジエンとしては5−メチリデン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−クロチル−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−2−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−2−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−メチル−5−ビニルノルボルネンなどのノルボルネン化合物、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、4,7,8,9−テトラヒドロインデン、1,5−シクロオクタジエン1,4−ヘキサジエン、イソプレン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、11−トリデカジエンなどが挙げられ、好ましくは5−メチリデン−2−ノルブルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエンなどである。α,β−不飽和カルボン酸としてはアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ブテンジカルボン酸などが挙げられ、その誘導体としてはアルキルエステル、アリールエステル、グリシジルエステル、酸無水物、イミドを例として挙げることができる。【0044】また、共役ジエン系重合体とは少なくとも1種以上の共役ジエンを構成成分とする重合体であり、例えば1,3−ブタジエンの如き単独重合体や1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンから選ばれる1種以上の単量体の共重合体などが挙げられる。これらの重合体の不飽和結合の一部または全部が水添により還元されているものも好ましく使用できる。【0045】共役ジエン−芳香族ビニル炭化水素系共重合体とは共役ジエンと芳香族ビニル炭化水素からなるブロック共重合体またはランダム共重合体であり、これを構成する共役ジエンの例としては前記の単量体が挙げられ、特に1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。芳香族ビニル炭化水素の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、ビニルナフタレンなどが挙げられ、中でもスチレンが好ましく使用できる。また、共役ジエン−芳香族ビニル炭化水素系共重合体の芳香環以外の二重結合以外の不飽和結合の一部または全部が水添により還元されているものも好ましく使用できる。【0046】また、ポリアミド系エラストマーやポリエステル系エラストマーを用いることもできる。これらの耐衝撃性改良材は2種以上併用することも可能である。【0047】このような耐衝撃性改良剤の具体例としては、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、エチレン/ヘキセン−1共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、未水添または水添スチレン/イソプレン/スチレントリブロック共重合体、未水添または水添スチレン/ブタジエン/スチレントリブロック共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体およびこれら共重合体中のカルボン酸部分の一部または全てをナトリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、カルシウムとの塩としたもの、エチレン/アクリル酸メチル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体、エチレン/メタクリル酸エチル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−無水マレイン酸共重合体、(「g」はグラフトを表わす、以下同じ)、エチレン/メタクリル酸メチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−マレイミド共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−N−フェニルマレイミド共重合体およびこれら共重合体の部分ケン化物、エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/ビニルアセテート/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/グリシジルアクリレート共重合体、エチレン/ビニルアセテート/グリシジルアクリレート共重合体、エチレン/グリシジルエーテル共重合体、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/2,5−ノルボルナジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン−g−N−フェニルマレイミド共重合体、エチレン/ブテン−1−g−N−フェニルマレイミド共重合体、水添スチレン/ブタジエン/スチレン−g−無水マレイン酸共重合体、水添スチレン/イソプレン/スチレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/ブテン−1−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジエン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、水添スチレン/ブタジエン/スチレン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、ナイロン12/ポリテトラメチレングリコール共重合体、ナイロン12/ポリトリメチレングリコール共重合体、ポリブチレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコール共重合体、ポリブチレンテレフタレート/ポリトリメチレングリコール共重合体などを挙げることができる。この中で、エチレン/メタクリル酸共重合体およびこれら共重合体中のカルボン酸部分の一部または全てをナトリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、カルシウムとの塩としたもの、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合体、水添スチレン/ブタジエン/スチレン−g−無水マレイン酸共重合体がさらに好ましく、エチレン/メタクリル酸共重合体およびこれら共重合体中のカルボン酸部分の一部または全てをナトリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、カルシウムとの塩としたもの、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合体が特に好ましい。【0048】さらに、本発明のポリアミド樹脂には本発明の効果を損なわない範囲で各種添加剤、例えば酸化防止剤や耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体、ハロゲン化銅、ヨウ素化合物等)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤及び滑剤(脂肪族アルコール、脂肪族アミド、脂肪族ビスアミド、ビス尿素及びポリエチレンワックス等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラック等)、染料(ニグロシン、アニリンブラック等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、難燃剤(メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンオキシド、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等)を任意の時点で添加することができる。【0049】本発明のポリアミド樹脂は、射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形、溶融紡糸、フィルム成形などの任意の成形方法により、所望の形状に成形でき、機械部品などの樹脂成形品、衣料・産業資材などの繊維、包装・磁気記録などのフィルムとして使用することができる。【0050】【実施例】以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定されるものではない。【0051】[DSC(示差走査熱量測定)]セイコー電子工業製 ロボットDSC RDC220を用い、窒素雰囲気下、試料を約5mgを採取し、次の条件で測定した。試料を完全に融解させて3分間保持した後、20℃/分の降温速度で、30℃まで降温したときに現れる発熱ピークの温度(降温結晶化温度Tc)と、発熱ピークの温度±40℃の範囲の熱量(降温結晶化熱量ΔHc)を求めた。これに続いて、30℃で3分間保持した後、30℃から20℃/分の昇温速度で昇温したときに観測される吸熱ピークの温度(融点Tm)を求めた。【0052】[相対粘度(ηr)]98%硫酸中、0.01g/ml濃度、25℃でオストワルド式粘度計を用いて測定を行った。【0053】参考例1(リジン脱炭酸酵素の調整)E.coli JM109株の培養は以下のように行った。まず、この菌株をLB培地5mlに1白金耳植菌し、30℃で24時間振とうして前培養を行った。【0054】次に、LB培地50mlを500mlの三角フラスコに入れ、予め115℃、10分間蒸気滅菌した。この培地に前培養した上記菌株を植え継ぎ、振幅30cmで、180rpmの条件下で、1N塩酸水溶液でpHを6.0に調整しながら、24時間培養した。こうして得られた菌体を集め、超音波破砕および遠心分離により無細胞抽出液を調製した。これらのリジン脱炭酸酵素活性の測定を定法に従って行った(左右田健次,味園春雄,生化学実験講座,vol.11上,P.179-191(1976))。【0055】リジンを基質とした場合、本来の主経路と考えられるリジンモノオキシゲナーゼ、リジンオキシダーゼおよびリジンムターゼによる転換が起こり得るので、この反応系を遮断する目的で75℃で5分間、E.coli JM109株の無細胞抽出液を加熱した。さらにこの無細胞抽出液を40%飽和および55%飽和硫酸アンモニウムにより分画した。こうして得られた粗精製リジン脱炭酸酵素溶液を用いて、リジンからペンタメチレンジアミンの生成を行った。【0056】参考例2(ペンタメチレンジアミンの製造)50mM リジン塩酸塩(和光純薬工業製)、0.1mM ピリドキサルリン酸(和光純薬工業製)、40mg/L−粗精製リジン脱炭酸酵素(参考例1で調製)となるように調製した水溶液1000mlを、0.1N塩酸水溶液でpHを5.5〜6.5に維持しながら、45℃で48時間反応させ、ペンタメチレンジアミン塩酸塩を得た。この水溶液に水酸化ナトリウムを添加することによってペンタメチレンジアミン塩酸塩をペンタメチレンジアミンに変換し、クロロホルムで抽出して、減圧蒸留(10mmHg、60℃)することにより、ペンタメチレンジアミンを得た。【0057】参考例3(ペンタメチレンジアミンとテレフタル酸の塩の調製)参考例2のペンタメチレンジアミン20.0gを、水122.6g中に溶解した水溶液を、60℃のウォーターバスに浸して撹拌しているところに、テレフタル酸(東京化成工業製)を約1gずつ、中和点付近では約0.2gずつ添加していき、テレフタル酸添加量に対する水溶液のpH変化を調べ、中和点を求めると、pH7.24であった。中和点でのアジピン酸添加量は32.5gであった。pHが7.24になるように、ペンタメチレンジアミンとテレフタル酸の等モル塩の30wt%水溶液を調製した。【0058】参考例4(2−メチルペンタメチレンジアミンとテレフタル酸の塩の調製)2−メチルペンタメチレンジアミン(東京化成工業製)20.0gを、水113.4g中に溶解した水溶液を、60℃のウォーターバスに浸して撹拌しているところに、テレフタル酸を約1gずつ、中和点付近では約0.2gずつ添加していき、テレフタル酸添加量に対する水溶液のpH変化を調べ、中和点を求めると、pH7.02であった。中和点でのテレフタル酸添加量は28.6gであった。pHが7.02になるように、2−メチルペンタメチレンジアミンとテレフタル酸の等モル塩の30wt%水溶液を調製した。【0059】参考例5(ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸の塩の調製)ヘキサメチレンジアミン(東京化成工業製)20.0gを、水194.4g中に溶解した水溶液を、60℃のウォーターバスに浸して撹拌しているところに、テレフタル酸を約1gずつ、中和点付近では約0.2gずつ添加していき、テレフタル酸添加量に対する水溶液のpH変化を調べ、中和点を求めると、pH7.14であった。中和点でのテレフタル酸添加量は28.6gであった。pHが7.14になるように、ペンタメチレンジアミンとテレフタル酸の等モル塩の20wt%水溶液を調製した。【0060】 実施例1〜3、比較例1 参考例3で調製したペンタメチレンジアミンとテレフタル酸の等モル塩の30wt%水溶液と参考例5で調製したヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸の20wt%水溶液を、それぞれの塩を、表1に示す重量比になるように混合した溶液を約60g試験管に仕込み、オートクレーブに入れて、密閉し、窒素置換した。ジャケット温度を310℃に設定し、加熱を開始した。缶内圧力が17.5kg/cm2に到達した後、缶内圧力を17.5kg/cm2で3時間保持した。その後、ジャケット温度を320℃に設定し、1時間かけて缶内圧力を常圧に放圧した。その後、缶内温度が280℃に到達した時点で、加熱を停止した。室温に放冷後、試験管をオートクレーブから取り出し、ポリアミド樹脂を得た。このように得られたポリアミド樹脂を粉砕し、240℃で、0.3torrにて、10時間固相重合し、ポリアミド樹脂を得た。【0061】比較例2、3参考例4で調製した2−メチルペンタメチレンジアミンとテレフタル酸の等モル塩の30wt%水溶液と参考例5で調製したヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸を用いて、実施例1と同様の方法でポリアミド樹脂を得た。【0062】【表1】【0063】 実施例1〜3と比較例1〜3の比較により、側鎖に置換基がない特定の脂肪族ジアミンと、テレフタル酸を特定の組成比で重縮合することによって、溶融成形可能な、結晶化速度、結晶化度が高いポリアミド樹脂が得られることを確認した。【0064】【発明の効果】本発明により、ペンタメチレンジアミンとヘキサメチレンジアミンを主要成分として含有する脂肪族ジアミンと、テレフタル酸誘導体を主要成分として含有するテレフタル酸誘導体を特定の組成比で重縮合することにより、溶融成形可能な、耐熱性、結晶性に優れたポリアミド樹脂を得ることができる。 ペンタメチレンジアミンとヘキサメチレンジアミンを主要成分として含有する脂肪族ジアミンと、テレフタル酸誘導体を主要成分として含有するジカルボン酸誘導体を重縮合して得られるポリアミド樹脂であって、前記脂肪族ジアミン中のヘキサメチレンジアミン成分が全脂肪族ジアミンに対して30mol%以上、68mol%以下であり、前記ポリアミド樹脂を、示差走査熱量計を用いて、溶融状態から20℃/minの降温速度で30℃まで降温した後、20℃/minの昇温速度で昇温した場合の融点が290℃以上330℃以下であることを特徴とするポリアミド樹脂。 示差走査熱量計を用いて、溶融状態から20℃/minの降温速度で30℃まで降温した場合に現れる降温結晶化温度が250℃以上であることを特徴とする請求項1記載のポリアミド樹脂。 前記降温結晶化温度の±40℃の範囲における降温結晶化熱量の絶対値が40J/g以上であることを特徴とする請求項1または2記載のポリアミド樹脂。 ペンタメチレンジアミンとヘキサメチレンジアミンを主要成分として含有する脂肪族ジアミンと、テレフタル酸を主要成分として含有するジカルボン酸を加熱重縮合して得られることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のポリアミド樹脂。 ペンタメチレンジアミンとヘキサメチレンジアミンを主要成分として含有する脂肪族ジアミンとテレフタル酸を主要成分として含有するジカルボン酸の塩、および水の混合物を、加熱重縮合して得られることを特徴とする請求項4記載のポリアミド樹脂。 ペンタメチレンジアミンが、リジン脱炭酸酵素を有する微生物、リジン炭酸酵素活性の向上した組換え微生物またはその抽出物を用いて、リジンから産出されたものであることを特徴とする請求項1〜5記載のポリアミド樹脂。


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