タイトル: | 特許公報(B2)_アクリル系樹脂におけるメタクリル酸エステル単位および/またはアクリル酸エステル単位の含有量を測定する方法 |
出願番号: | 2002078353 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | G01N 30/06,C08F 8/00,G01N 30/04,G01N 30/88,G01N 33/44,G01N 30/68,G01N 30/72 |
阿波加 泉 森 隆男 桑名 耕治 JP 3867598 特許公報(B2) 20061020 2002078353 20020320 アクリル系樹脂におけるメタクリル酸エステル単位および/またはアクリル酸エステル単位の含有量を測定する方法 住友化学株式会社 000002093 久保山 隆 100093285 中山 亨 100113000 榎本 雅之 100119471 阿波加 泉 森 隆男 桑名 耕治 20070110 G01N 30/06 20060101AFI20061214BHJP C08F 8/00 20060101ALI20061214BHJP G01N 30/04 20060101ALI20061214BHJP G01N 30/88 20060101ALI20061214BHJP G01N 33/44 20060101ALI20061214BHJP G01N 30/68 20060101ALN20061214BHJP G01N 30/72 20060101ALN20061214BHJP JPG01N30/06 AC08F8/00G01N30/04 PG01N30/88 PG01N33/44G01N30/68 ZG01N30/72 A G01N 30/06 G01N 30/04 G01N 30/88 CA(STN) JST7580(JDream2) JSTPlus(JDream2) 特開平07−224248(JP,A) 特開2000−046814(JP,A) D.G.Anderson, K.E.Isakson, D.L.Snow, D.J.Tessari,and J.T.Vandeberg,Analysis of Acrylic Polymers Using Cimbined Zeisel Reaction-Gas Chromatography and Infrared Spectrom,Analytical Chemistry,米国,American Chemical Society,1971年 6月,Vol.43, No.7,P.894-900 Miller T.G.,and Hronek R.J.,Determination of carboxymethyl substitution in cellulose ethers by Zeisel reaction and liquid chromatography,Analytical Chemistry,米国,1985年,Vol.57, No.11,P.2091-2093 Ramstad T., Nestrick T.J.,amd Stehl R.H.,Determination of polypropylene glycol extracted from polymers into food-simulating solvents,Analytical Chemistry,米国,1978年,Vol.50, No.9,P.1325-1327 Harry Jacin and John M. Slanski,Quantitative Detarmination of Ethoxyl in O-Ethylcellulose and in Ethyl-Hydroxyethyl Cellulose,Analytical Chemistry,米国,1970年,Vol.42, No.7,P.801-802 E.F.Jansen,S.W.Waisbrot,and Edward Rietz,Errors in the Zeisel Methoxyl Values for Pectin Due to Retained Alcohol,Industrial And Engineering Chemistry,米国,1944年,Vol.16, No.8,P.523-524 Alberto M.T.Magalhaes and Phillip M.Chalk,Determination of Methoxy Groups in Soils by the Zeisel Method Combined with Gas-Liquid Chromatography,Analyst,米国,1986年,Vol.111,P.77-79 D.G.Anderson,K.E.Isakson,D.L.Snow,D.J.Tessari,and J.T.Vandeberg,Analysis of Acrylic Polymers Using Cimbined Zeisel Reaction-Gas Chromatography and Infrared Spectrom,Analytical Chemistry,米国,American Chemical Society,1971年 6月,Vol.43, No.7,P.894-900 7 2003270225 20030925 9 20040831 黒田 浩一 【0001】【発明の属する技術分野】 本発明は、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを単量体として重合して得られるアクリル系樹脂におけるアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル由来の単量体単位の含有量を測定する方法に関する。【0002】【従来の技術】 近年、半導体製造における新しい露出光源としてフッ化クリプトンエキシマレーザ(KrF)、フッ化アルゴンエキシマレーザなどを用いたフォトリソグラフィが使用され、このような短波長光源に対応する高感度、高解像度を持ったレジストとして、嵩高い置換基を有するアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル(以下、(メタ)アクリル酸エステルと総称する)を重合して得られるアクリル系樹脂が好適であることが知られている。具体的には、(メタ)アクリル酸エステルとして、例えば、アダマンチル基、イソボルニル基、トリシクロデカニル基などのように、エステル基の第1位の炭素原子、すなわち、カルボキシル基に直接結合している炭素原子が、2または3個の脂肪族炭化水素基で置換されたエステル基を含有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる(例えば、K.Nozaki et al, Chem.Mater., 6, 1492(1994))。 一方、エステル基の第1位の炭素原子が1個の高級脂肪族炭化水素基で置換された嵩高いエステル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなるアクリル系樹脂において、該樹脂の(メタ)アクリル酸エステル単位の含有量を測定する方法として、ヘキシルアルコールと過塩素酸ソーダとを用いて、エステル基と(メタ)アクリル酸基とに加水分解させ、エステル基由来のアルコールを定量する方法が従来から知られている(D.E.Jordan, Anal. Chem., 36,2134(1964)).【0003】【発明が解決しようとする課題】 本発明者らが、エステル基の第1位の炭素原子に2または3個の炭化水素基が置換された、嵩高いエステル基を有するアクリル系樹脂について、該樹脂における(メタ)アクリル酸エステル単位の含有量を上記方法にて測定したところ、エステル基と(メタ)アクリル酸基との加水分解が不十分であるため、(メタ)アクリル酸エステル単位の含有量を正確に測定することはできないという問題点が明らかになった。 本発明の目的は、エステル基の第1位の炭素原子に2または3個の炭化水素基で置換されているような、分岐構造や環状構造を有するエステル基を含有する(メタ)アクリル酸エステルからなるアクリル系樹脂においても、該樹脂の(メタ)アクリル酸エステル由来の単量体単位の含有量を正確に測定する方法を提供することである。【0004】【課題を解決するための手段】 本発明は、下記一般式(1)(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、R’は、分岐状脂肪族炭化水素基または環状脂肪族炭化水素基を表す。但し、R’は、炭素数1〜20であり、R’に水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子が置換されていてもよい。)で表されるアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを重合して得られるアクリル系樹脂を、芳香族炭化水素溶媒中にてハロゲン化水素酸と反応させ、R’のハロゲン化物及び/又はその誘導体を得、該ハロゲン化物及び/又はその誘導体を定量することを特徴とするアクリル系樹脂における一般式(1)で表される単量体由来の単量体単位の含有量を測定する方法である。【0005】【発明の実施の形態】 以下、本発明について、詳細に検討する。 本発明の測定対象となるアクリル系樹脂は、下記一般式(1)(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、R’は、分岐状脂肪族炭化水素基または環状脂肪族炭化水素基を表す。但し、R’は、炭素数1〜20であり、R’に水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子が置換されていてもよい。)で表される(メタ)アクリル酸エステルを重合してなるものである。【0006】 ここで、R’としては、例えば、イソプロピル基、t−ブチル基、2−メチルブチル基、2−メチルペンチル基などの分岐状脂肪族炭化水素基:シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、イソボルニル基、トリシクロデカニル基などの環状脂肪族炭化水素基:4−ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシアダマンチル基などの水酸基を含有する環状脂肪族炭化水素基:ペンチルラクトン基、γ−ブチロラクトン基などのカルボキシル基を含有する環状脂肪族炭化水素基などが挙げられる。【0007】 R’には、水酸基、カルボキシル基、フッ素、塩素などのハロゲン原子等が置換されていてもよく、前記の炭化水素基にトリフルオロメチル基などのパーフルオロアルキル基等が置換されていてもよい。【0008】 アクリル系樹脂として、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な単量体を共重合させたものでもよい。 ここで、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、モノアルキルフマレート、モノアルキルマレート、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ−シス−フタル酸などのα,β−不飽和カルボン酸;α,β−不飽和カルボン酸の分子内または分子間無水物;酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、イソノナン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどのビニルエステル;エチレン;プロピレン、1−ブテン、ノルボルネンなどのα−オレフィン;ブタジエン、ジシクロペンタジエンなどのジエン化合物;塩化ビニル、スチレン、ヒドロキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミドなどのビニル化合物などが挙げられる。【0009】 (メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な単量体の炭素数は通常、2〜20程度である。(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な単量体としては、中でもエチレン、プロピレン、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、スチレン、ノルボルネンが好適である。【0010】 本発明は、R’が鎖状脂肪族炭化水素基はもちろん、分岐状脂肪族炭化水素基、環状脂肪族炭化水素基などの嵩高い炭化水素基であっても、R’を含有する(メタ)アクリル酸エステルを単量体として重合して得られたアクリル系樹脂に含まれる(メタ)アクリル酸エステル単位の量を測定することができる。 中でも、R’の第1位の炭素原子が2または3個の炭化水素基で置換されているような、換言すれば、R’の第1位の炭素原子が分岐状構造または環状構造を有するようなR’を含有する(メタ)アクリル酸エステル単位についても、その含有量を測定することができるのである。 ここで、R’の第1位炭素原子が2または3個の炭化水素基で置換されている炭化水素基R’としては、例えば、イソプロピル基、t-ブチル基などの分岐状脂肪族炭化水素基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、イソボルニル基、トリシクロデカニル基などの環状脂肪族炭化水素基が例示される。【0011】 以下に、本発明の測定方法について詳細に説明する。 本発明は、アクリル系樹脂を芳香族炭化水素溶媒中にてハロゲン化水素酸と反応させ、R’のハロゲン化物及び/又はその誘導体を得、該ハロゲン化物及び/又はその誘導体を定量することにより、該樹脂における(メタ)アクリル酸エステル単位の含有量を測定する方法である。【0012】 アクリル系樹脂とハロゲン化水素酸との反応を化学式で表すと、例えば、下記一般式(2)で表すことができる。(式中、RおよびR’は前記と同じ意味を表し、Xは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子等を表し、好ましくは、臭素、ヨウ素、とりわけ好ましくはヨウ素を表す。)【0013】 R’がメチル基、第1位の炭素原子が1個または2個のアルキル基で置換されている炭化水素基および鎖状脂肪族炭化水素基等であると,上記一般式(2)に示したようにR’のハロゲン化物(R’-X)となる。 一方、R’の第1位の炭素原子が3個のアルキル基で置換されている嵩高い炭化水素基である場合、R’は、一般式(2)に示したようにR’のハロゲン化物(R’-X)となり、さらに、ハロゲン化物が脱ハロゲン化水素反応してオレフィンなどの誘導体を生成する場合がある。この場合には、(メタ)アクリル酸エステル単位の含有量を測定するためには、ハロゲン化物のみならず、ハロゲン化物の誘導体についても定量しなければならない。 具体例としてR’がエチルアダマンチル基の場合について、ハロゲン化水素酸との反応を下記式(3)で示し、得られたハロゲン化物を脱ハロゲン化水素させる反応式を下記式(4)で示した。【0014】 本発明に用いられる芳香族炭化水素溶媒としては、例えば、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン原子が置換された芳香族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられ、中でもトルエンが好適である。 フェノールなどのフェノール性水酸基を含有する芳香族炭化水素溶媒を用いると、R’の第1位の炭素原子に2または3個の炭化水素基が置換された場合、ハロゲン化物への反応が十分に進行しないことから好ましくない。【0015】 芳香族炭化水素溶媒の使用量としては、アクリル系樹脂1重量部に対して、通常、0.1〜100重量部程度であり、好ましくは1〜50重量部である。 芳香族炭化水素溶媒の使用量が上記範囲内であると、R’がハロゲン化物になる反応が十分に進行する傾向にあることから好ましい。 芳香族炭化水素の中に予め、内部標準物質を添加する内標準法が推奨される。内部標準物質としては、測定されるハロゲン化物の種類によっても異なるが、芳香族炭化水素によく溶解し、かつ、芳香族炭化水素やハルゲン化物と沸点が異なる標準物質であり、具体的には、ビフェニル、4−メチルビフェニル、4,4’−ジメチルビフェニルなどが例示される。【0016】 次に、得られた芳香族炭化水素溶液に、通常、一般式(2)でH−Xとして表記されたハロゲン化水素酸をハロゲン化水素酸水溶液として添加する。ハロゲン化水素酸の使用量としては、アクリル系樹脂1重量部に対して、通常、1〜200重量部、好ましくは20〜100重量部程度である。 ハロゲン化水素酸水溶液におけるハロゲン化水素酸の濃度は、上記反応を進行するのに十分な過剰量であり、通常、0.1〜0.8g/ml、好ましくは0.3〜0.6g/ml程度である。【0017】 また、例えば、ヒドロキシアダマンチル基などのようにR’に水酸基を含有する場合、下記式(5)にも示したように、水酸基がハロゲン化水素酸に置換されることから、エステル基と水酸基の合計当量以上のハロゲン化水素酸を使用しなければならない。【0018】 かくして得られたアクリル系樹脂とハロゲン化水素酸を含有する芳香族炭化水素溶液は、通常、還流装置の備えた反応器にて、40〜150℃程度、好ましくは100℃から芳香族炭化水素が還流する程度まで昇温し、続いて5分〜5時間程度、好ましくは30分〜2時間程度保温する。 (メタ)アクリル酸エステル単位のエステル基がメチル基、エチル基などの炭素数1〜5個程度であると、得られるハロゲン化物が低沸点であるため、上記の昇温操作により反応器からハロゲン化物が留出し、(メタ)アクリル酸エステル単位の含有量が正確に定量できない場合がある。この場合、還流装置を十分に冷却してハロゲン化物およびその誘導体を反応器に還流させるか、ハロゲン化物およびその誘導体を留出したのち冷却した回収器に回収して、ハロゲン化物およびその誘導体を定量すればよい。【0019】 続いて、室温程度まで冷却した芳香族炭化水素溶液を必要に応じて、苛性ソーダ水溶液、苛性カリ水溶液、アンモニア水などでpH3〜9程度に中和したのち、油層を分液し、油層に含有されるハロゲン化物を定量すればよい。pHが前記範囲内であると、樹脂が析出することなく、油層と水層とを容易に分液し得る傾向があることから好ましい。【0020】 定量用分析装置としては、例えば、ガスクロマトグラフ、液体クロマトグラフ、ゲルパーミエーションクロマトグラフなどのクラマトグラフ等が挙げられ、中でもガスクロマトグラフが好適である。 また、定量方法としては、例えば、絶対検量線法、内標準法、標準添加法、相対面積法などの方法が挙げられ、中でも、芳香族炭化水素溶媒に予め内部標準物質を含有させる内標準法が好適である【0021】 クロマトグラフィには、通常、屈折率検出器、紫外吸収検出器、水素炎イオン化(FID)検出器、質量分析検出器、遠赤外吸収検出器、赤外吸収検出器、蛍光検出器などの検出器が装備され、該検出器によってハロゲン化物およびその誘導体等が検出される。検出器としては、中でも、水素炎イオン化(FID)検出器、質量分析検出器が好ましい。【0022】【実施例】 以下に実施例を示して、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。尚、水1重量部は1容量部である。【0023】<内部標準物質を含有する芳香族炭化水素溶液の調製> 4−メチルビフェニル0.5重量部を100容量部メスフラスコに正確に量り採り、トルエン(特級、関東化学)を加えて100容量部とした。【0024】<測定用アクリル系樹脂の製造例> 反応器に2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート 30.4重量部および無水マレイン酸 10重量部を仕込み、更に溶媒としてメチルイソブチルケトン 50重量部を仕込んで溶液とした。該溶液を70℃に昇温した後に、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを1.1重量部添加したのち、さらに70℃程度で約15時間保温した。続いて、メタノール中に得られた反応液を滴下して、重量平均分子量5200、分散度1.43の2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート・無水マレイン酸共重合体(樹脂A)を得た。【0025】 (実施例1)<アクリル酸アダマンチル単位の定量> 測定用アクリル系樹脂の製造例で得られた樹脂A0.1重量部を50重量部の容器に正確に量り採り、内部標準物質を含有する芳香族炭化水素溶液を5容量部正確に加え、樹脂Aを溶解した。得られた芳香族炭化水素溶液にヨウ化水素水溶液(ヨウ化水素58重量%含有、比重1.701g/mL、関東化学)を約6容量部加えたのち、還流装置を取り付けて昇温し、トルエンを還流させながら1時間攪拌した。 続いて、室温まで冷却したのち、10mol/Lの苛性ソーダで加えて、pH5〜8程度に調整したのち、分液して油層を得た。【0026】 得られた油層を下記ガスクロマトグラフの条件で測定し、4−メチルビフェニル、ヨウ化アダマンチルおよびビニルアダマンチルの面積を求めた。 別途、下記ガスクロマトグラフの条件で測定した、4−メチルビフェニルとビニルアダマンチルの面積比と重量比との関係から、通常の内標準法により、ビニルアダマンチルの含量を求めた。このビニルアダマンチルの含量を樹脂Aに含有されたエチルアダマンチルメタアクリレートに換算してその量を求めた。結果を表1にまとめた。【0027】<無水マレイン酸単位の定量> 測定用アクリル系樹脂の製造例で得られた樹脂A0.1重量部を100重量部の容器に正確に量り採り、溶解溶媒40重量部を加えて5分間超音波にて溶解した。 得られた芳香族炭化水素溶液をエタノール性0.1mol/L水酸化カリウム溶液にて電位差滴定を行なった。 樹脂Aの量及び水酸化カリウムの滴定量より、樹脂Aに含有された無水マレイン酸の量を求めた。 結果を表1に記載した。【0028】(比較例1)測定用アクリル系樹脂の製造例で得られた樹脂A0.1重量部を50重量部の容器に正確に量り採り、0.5N加水分解促進剤10容量部(水酸化ナトリウム2重量部および過塩素酸ナトリウム1重量部をn−ヘキサノール100mlで定容したもの)を加えて、還流(サンドバス150℃:1時間)した。続いて還流後の液を氷にて冷却し、n−ヘキサノールにて10mlに定容し、分析試料を得た。 得られた油層を下記ガスクロマトグラフの条件で測定し、2−エチルアダマンタノールの面積を求めた。 尚、無水マレイン酸単位の定量は実施例1と同様に実施した。結果を表1に記載したように、全ての単量体単位の合計量でも83%に止まった。【0029】【表1】【0030】【発明の効果】 アクリル系樹脂に含有される嵩高いエステル基が十分に加水分解されないため、従来は(メタ)アクリル酸エステル単位の含有量を正確に測定することはできなかったが、表1からも明らかなように、本発明の測定方法を用いると、嵩高いエステル基、中でも第1位の炭素原子に3個の炭化水素基が置換されたエステル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単位を含有するアクリル系樹脂といえども、正確に(メタ)アクリル酸エステル単位の含有量を測定することができる。 さらに、クロマトグラフィの保持容量ごとにハロゲン化物等の含有量を測定できることから、アクリル系樹脂に含有されるエステル基別に単量体単位の含有量を測定することができる。 下記一般式(1)(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、R’は、分岐状脂肪族炭化水素基または環状脂肪族炭化水素基を表す。但し、R’は、炭素数1〜20であり、R’に水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子が置換されていてもよい。)で表されるアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを重合して得られるアクリル系樹脂を、芳香族炭化水素溶媒中にてハロゲン化水素酸と反応させ、R’のハロゲン化物及び/又はその誘導体を得、該ハロゲン化物及び/又はその誘導体を定量することを特徴とするアクリル系樹脂における一般式(1)で表される単量体由来の単量体単位の含有量を測定する方法。 R’が、R’の第1位の炭素原子にて分岐状構造または環状構造を有することを特徴とする請求項1に記載の測定方法。 R’が、アダマンチル基、メチルアダマンチル基、エチルアダマンチル基、ヒドロキシアダマンチル基から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1または2に記載の測定方法。 芳香族炭化水素溶媒が、ベンゼン、トルエン、キシレンから選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載に測定方法。 ハロゲン化水素酸がヨウ化水素酸であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載に測定方法。 ハロゲン化物及び/又はその誘導体の定量方法が、ガスクロマトグラフ法であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載に測定方法。 ハロゲン化物及び/又はその誘導体の定量方法が、内標準法であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載に測定方法。