生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_アシル尿素基含有ポリイソシアネート、その製造法およびその使用
出願番号:2002058394
年次:2010
IPC分類:C07C 273/18,C07C 275/50,C08G 18/72,C09D 175/04,C07B 61/00


特許情報キャッシュ

クリストフ・ギュルトラー マルティン・ブラーム JP 4443090 特許公報(B2) 20100122 2002058394 20020305 アシル尿素基含有ポリイソシアネート、その製造法およびその使用 バイエル アクチェンゲゼルシャフト 591063187 Bayer Aktiengesellschaft 青山 葆 100062144 柴田 康夫 100083356 クリストフ・ギュルトラー マルティン・ブラーム DE 10110437-5 20010305 20100331 C07C 273/18 20060101AFI20100311BHJP C07C 275/50 20060101ALI20100311BHJP C08G 18/72 20060101ALN20100311BHJP C09D 175/04 20060101ALN20100311BHJP C07B 61/00 20060101ALN20100311BHJP JPC07C273/18C07C275/50C08G18/72 ZC09D175/04C07B61/00 300 C07C 273/18 C07C 275/48 C07C 231/10 C07C 303/40 C07C 311/51 C07B 61/00 C08G 18/16 C08G 18/72 特公昭42−017969(JP,B1) 特公昭49−003000(JP,B1) 特開平08−188566(JP,A) 5 2003002873 20030108 9 20041216 関 美祝 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、アシル尿素基含有ポリイソシアネート、その製造法、およびポリウレタンプラスチックの製造における出発成分としての、特にイソシアネート反応性の基を含有する被覆組成物(塗料)のための結合剤用の架橋剤としての、その使用に関する。【0002】【従来の技術】イソシアネートとカルボン酸との反応は、これまでに充分に研究されていない反応である。アシル尿素基を含有するイソシアネート重付加生成物の生成は、例えば、P.Babusiaux, R.Longeray, J.Dreux,Liebigs Ann. Chem., 1976, (3), 487、A.H.M.Schotmann, W.J.Mijs, Recl. Trav.Chim.Pays Bas 1992,111,88、DE−A2436740およびこれに引用されている文献に記載されている。イソシアネートとカルボン酸との縮合反応は、I.S.Blagbrough, N.E.Mackenzie, C.Ortiz, A.およびI.Scott(Tetrahedron Lett.1986,27(11),1251)によっても研究されている。【0003】アミドとイソシアネートとの反応によるアシル尿素の製造も、例えば、J.T.Micich(J.Am.Oil Chem.Soc.1982,59(2),92−4)において記載されており、この文献は、カルボン酸アミドとイソシアネートとの反応によって得られるアシル尿素の合成について記載している。【0004】DE−A1230778号は、アシル化尿素ポリイソシアネートの製造方法を開示している。該方法は、極めて大過剰のジイソシアネート成分に高稀釈で添加されるモノカルボン酸を使用して開始される。この方法の短所は、高い反応温度(約130〜140℃)、および、モノカルボン酸をイソシアネートに添加するのに要する約5時間の長い時間である。引用した方法は、生成物が高反応温度に原因して黄変するので、被覆(塗料)分野での適用に好適なポリイソシアネートの製造に適していない。【0005】アミド基含有プラスチックの製造方法はEP−A0624170に開示されている。脂肪族および芳香族ポリイソシアネートを多官能価カルボン酸(少なくともジカルボン酸)およびポリアルコールと反応させて、プラスチックを生成する。第三級アミン、例えば、アミノ置換ピリジンおよび/またはN−置換イミダゾールを触媒として使用する。この反応または副反応の選択性については記載されていない。得られる生成物は、黄色発泡プラスチックである。このことから、この方法において、触媒が、得られる生成物の色(黄色)に影響を与えると考えられる。塩基性第三級アミン、アミジンおよびイミダゾールは特に容易に酸化し、比較的長い反応時間において、反応バッチを黄変させる。【0006】以前の研究は、発泡プラスチックを製造することを目的として、カルボン酸とイソシアネートとの反応だけが、無色の生成物を与えることを示している。これと別に、低温において技術的に実施可能な反応時間内で反応を行うことによって無色かまたは微かに着色した耐光堅牢性ポリイソシアネートを生成する条件は見い出されていない。【0007】従って、無色生成物を得るために、CO2の遊離を伴うイソシアネートとカルボン酸基との反応生成物の生成のための触媒をどのように構成すべきかについての明確な情報を、当業者は前記の公表物から見い出すことができない。【0008】【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イソシアネートとカルボン酸との反応を改良して、ポリイソシアネートのような無色の非発泡生成物を得る方法を見い出すことである。【0009】【課題を解決するための手段】驚くことに、好適な触媒および好適な反応条件を使用することによって、カルボン酸とイソシアネートとの反応の反応温度および/または反応時間をかなり減少しうることが見い出された。本発明の方法は、CO2の遊離を伴うカルボン酸とイソシアネートとの反応に基づいており、触媒が、無色生成物を与える迅速な反応を達成するために存在する。この方法において、カルボン酸とイソシアネートとの反応は、最初にアミドを生成し、次に、さらなるイソシアネート基との反応によって、いわゆるアシル尿素を生成する。【0010】本発明は、金属塩触媒の存在下に、20〜220℃の温度で、式(I):R(NCO)n (I)[式中、Rは、n価の、4〜30個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖脂肪族基または脂環式基、または6〜24個の炭素原子を有する芳香族基を表し;nは、1、2、3または4である。]で示されるイソシアネートを、脂肪族および/または芳香族カルボン酸と反応させることによって、アシル尿素基を含有するポリイソシアネートを製造する方法に関する。【0011】本発明は、この方法によって製造される反応生成物(ポリイソシアネート)、およびポリウレタン被覆組成物用の結合剤としてのその使用にも関する。【0012】本発明の方法における減少した副反応の形成によって、<120(120未満)[APHA]の色価を有する耐光堅牢性生成物が得られる。反応は、ポリイソシアネートの方向に移動する。従って、所望の生成物に有利になるように、副生成物の生成を抑制することができる。副生成物は、カルボン酸から生成される無水カルボン酸、または、これに対応して、無水物の生成の際に生成される水とイソシアネート基との反応の結果として同時に生成される尿素を包含する。しかし、本発明の方法によって得られるポリイソシアネートは、反応の際に生成されるカルボン酸(ポリ)無水物を低いパーセントで含有する。同様に、イソシアネートへの熱応力は、イソシアヌレート、ウレトジオンおよびビウレットを僅かに生成する。【0013】本発明の方法は、モノマーイソシアネートおよびモノマーカルボン酸のような簡単な構造単位から高官能価ポリイソシアネートを生成する。【0014】本発明の方法において、式(I)のイソシアネートを、脂肪族カルボン酸と反応させる。イソシアネート成分は一般に過剰で存在する。溶媒を導入して、カルボン酸の溶解度を増加させることもできる。【0015】本発明の方法において、二酸化炭素の発生を伴うイソシアネートとカルボン酸との反応を促進する触媒を添加する。一般に、カルボン酸を全て使用し、得られたアミドが付加的イソシアネートと充分に反応して、特に必要なアシル尿素を生成するまで、試剤を相互に反応させる。反応の終了時に、反応混合物を薄膜蒸留によってモノマーイソシアネートから分離する。得られたポリイソシアネート、またはポリイソシアネートに加えて無水物、ビウレット、イソシアヌレートおよび尿素も含有することがあるポリイソシアネート混合物は、選択された反応条件および出発物質に依存して、耐光堅牢性ポリイソシアネート用の硬化剤としての好適な特性を有する。【0016】芳香族および脂肪族モノ−およびジカルボン酸は、本発明の方法に好適である。多官能価カルボン酸も本発明の方法に使用することができる。開鎖または環状であってよいモノ−およびジカルボン酸が好適である。好適な脂肪族酸の例は、酢酸および他の開鎖脂肪族カルボン酸であって、それらは炭素鎖上の置換基または他の官能基、例えばエーテル基を有することもできる。好適な環状酸は、脂環式酸、例えばシクロヘキサンカルボン酸およびペルヒドロナフタレンカルボン酸、および芳香族モノカルボン酸、例えば安息香酸である。不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸および桂皮酸も本発明の方法に使用することができる。【0017】開鎖二官能価脂肪族カルボン酸、例えばコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、エイコサン二酸、および奇数個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸;環状ジカルボン酸、例えばシクロヘキサンジカルボン酸;および芳香族ジカルボン酸、例えばフタル酸も本発明の方法に好適である。付加的アミノ官能基を有する脂肪族カルボン酸も好適である。C3〜C20の鎖長を有する脂肪族ジカルボン酸を使用するのが好ましい。アジピン酸、アゼライン酸およびドデカン二酸(例えば、α,ω−ドデカンジカルボン酸)が特に好ましい。【0018】一、二または多官能価カルボン酸は、別々かまたは混合物として、本発明の方法に使用することができる。好ましい実施態様においては、C3〜C20の鎖長を有するジカルボン酸の二成分または三成分混合物を、二成分混合物については0.1:1〜1:0.1の比率、三成分混合物については0.1:0.1:1〜0.1:0.1の比率で使用する。好ましくは、アゼライン酸およびアジピン酸を1:3の比率で使用する。【0019】本発明の方法において、カルボン酸、またはカルボン酸混合物をイソシアネートに添加する。好適なイソシアネートは、(シクロ)脂肪族または芳香族イソシアネートまたはそれらの混合物である。イソシアネート基間で異なる長さの炭素鎖を有する一、二または三官能価イソシアネートが好適である。その例は、ブタンジイソシアネート(BDI)、ペンタンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネート(HDI)、3−イソシアナトメチル−1,8−ジイソシアナトオクタン(トリイソシアナトノナン、TIN)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(Desmodur W、 H12MDI)、3,5,5−トリメチル−1−イソシアナト−3−イソシアナトメチルシクロヘキサン(IPDI)およびω,ω’−ジイソシアナト−1,3−ジメチルシクロヘキサン(H6XDI)である。芳香族イソシアネートの例は、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)および1.5−ジイソシアナトナフタレンである。【0020】好ましいジイソシアネートは、C4〜C6の炭素鎖長を有する開鎖脂肪族ジイソシアネート(ブタンイソシアネートまたはヘキサメチレンジイソシアネート、HDI)、イソホロン構造を有するジイソシアネート(IPDI、イソホロンジイソシアネート)またはシクロヘキサン構造単位を有する脂肪族ジイソシアネート(メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート、H12MDI)を包含する。トリイソシアナトノナン(TIN)を三官能価イソシアネートとして使用するのが好ましい。【0021】カルボン酸、またはカルボン酸混合物は、固体形態か、または好適な溶媒に溶解した後に導入することができる。カルボン酸またはカルボン酸混合物を溶解させる全ての溶媒が、カルボン酸またはカルボン酸混合物を溶解させるのに好適である。好適な溶媒は、テトラヒドロフランおよびエチレングリコールジメチルエーテル、エステルおよびトリエチルホスフェートを包含する。使用される溶媒の量は、この溶媒におけるカルボン酸またはカルボン酸混合物の溶解度に応じて調節される。本発明の方法の好ましい実施態様においては、カルボン酸またはカルボン酸混合物を溶媒に溶解して、10〜80重量%溶液、好ましくは20〜40重量%溶液を形成する。【0022】反応は、付加的反応媒体を使用するかまたは使用せずに行われる。好適な反応媒体は、高沸点芳香族溶媒、例えばクロロベンゼンまたはジクロロベンゼン、または高沸点エーテルを包含する。本発明の方法の好ましい実施態様においては、反応を、トリエチルホスフェートまたは他のホスフェートエステルのような化学的に中性の溶媒の存在下に行う。補助溶媒を、使用されるカルボン酸に対して1重量%〜数百重量%(例えば1000重量%以下、特に500重量%以下)の範囲で、必要な反応速度に応じてまたは生成されるポリイソシアネートの必要な組成に応じて選択される量で、使用することができる。【0023】本発明の方法によって生成される副生成物の量は、特に、カルボン酸またはカルボン酸混合物の溶解に使用される溶媒の量および種類に依存する。【0024】カルボン酸またはカルボン酸混合物は、室温かまたは最大150℃の高温で反応溶液に添加できる。温度範囲は好ましくは0℃〜100℃、より好ましくは20℃〜70℃である。【0025】反応を行った後、使用した溶媒に依存して加熱によるかまたは付加的真空を適用することによって、溶媒を反応バッチから除去することができる。【0026】カルボン酸とイソシアネートとの反応は、触媒の使用によって促進される。好適な触媒は、Mendeleevの周期表の第一、第二および第三主族および第二ならびに第三亜族の元素の(金属)塩、ならびにランタニド(ランタノイド)の塩を包含する。触媒の例は、ブチルピリジニウムテトラフルオロボレート、アルミニウムアセチルアセトネート、塩化ナトリウム、アルミニウムトリエトキシド、ブチルピリジニムヘキサフルオロホスフェート、メチルブチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、DBTL(ジブチル錫ジラウレート)、メチルブチルイミダゾリウムブチルスルホネート、アルミニウムトリエトキシド、ビスマス(III)2−エチルヘキサノエート、リチウムヘキサフルオロホスフェート、セシウムメチルスルホネート、カリウムトリフレート、メチルブチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、酢酸ビスマス(III)、メチルスルホン酸ナトリウム、亜鉛2−エチルヘキサノエート、ビスマス(III)ネオデカノエート、ピリジニウムトリフレート、リチウムテトラフルオロボレート、ナトリウムトリフレート、酢酸ビスマス(III)、塩化リチウム、過塩素酸リチウム、亜鉛トリフレート、リチウムトリフレート、燐酸カルシウム、塩化カルシウム、スカンジウム(III)トリフルオロメタンスルホネート、塩化カルシウム、酢酸スカンジウム(III)水和物、マグネシウムアセチルアセトネート、カルシウムビス(2,2,6,6−テトラ−メチル−3,5−ヘプタンジオネート)、過塩素酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸ランタン(III)水和物、マグネシウムn−プロポキシド、塩化マグネシウム、マグネシウム2,4−ペンタンジオネート、マグネシウムトリフルオロメチルスルホネート、過塩素酸マグネシウム、イッテルビウム(III)トリフルオロメチルスルホネートおよびステアリン酸マグネシウムである。【0027】カルボン酸とイソシアネートとの反応を促進する既知触媒であるアミン塩基は、比較的長い反応時間において、より高い温度で、生成物の微かな黄変を生じるという短所を有する。前記の反応促進剤は、トリエチルアミン、DBU(ジアザビシクロウンデセン)およびDBN(ジアザビシクロノネン)を包含する。【0028】環状イソシアネートと脂肪族カルボン酸との反応に好ましい触媒は、アルミニウムトリエトキシド、DBTL(ジブチル錫ジラウレート)、酢酸ビスマス(III)、ナトリウムトリフレート、カリウムトリフレート、トリエチルアミン、リチウムトリフレート、亜鉛2−エチルヘキサノエート、過塩素酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムおよび過塩素酸マグネシウムである。周期表の第二主族の元素の塩を触媒として使用するのが特に好ましい。【0029】脂環式カルボン酸と脂肪族イソシアネートとの反応に好ましい触媒は、ブチルピリジニウムテトラフルオロボレート、酢酸ビスマス(III)、トリエチルアミン、DBTL(ジブチル錫ジラウレート)、DBU(ジアザビシクロウンデセン)、亜鉛2−エチルヘキサノエート、ラウリン酸亜鉛(II)、アルミニウムトリエトキシド、ナトリウムトリフレート、カリウムトリフレート、リチウムトリフレート、塩化カルシウム、イッテルビウムトリフルオロメチルスルホネート、過塩素酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムおよび過塩素酸マグネシウムを包含する。第二および第三主族の元素ならびにランタニドの塩が特に好ましい。【0030】本発明の方法の実施において、カルボン酸またはカルボン酸混合物のイソシアネートへの添加またはその逆の添加の後、触媒の存在下で、ガスの発生が止むまで反応混合物を撹拌する。次に、反応混合物をより高い温度に加熱する。反応温度の選択は一般に限定されないが、過度の高温においてポリイソシアネートの黄変が観察される。好適な温度は20℃〜220℃、好ましくは80℃〜150℃、より好ましくは100℃〜140℃である。触媒の存在下に行われない既知の反応と異なり、触媒反応においては、より高い温度においてさえ反応混合物の変色は顕著に少ない。【0031】反応時間は一般に、反応生成物に必要とされる官能価度、即ち、主として、アシル尿素に基づくポリイソシアネートの生成によって決まる。一般に反応時間が長いほど、より高い官能価を生じる。反応混合物のNCO分の測定は、反応混合物の官能価の指標を与えるが、カルボン酸無水物の生成のような他の要素は、不正確な(即ち、過度に高い)NCO分をシミュレーションする。必要とされるNCO分が得られると、反応混合物を室温に冷却する。【0032】反応の終了時に、薄膜蒸発器を使用して反応混合物をモノマーイソシアネートから分離する。薄膜蒸発は、好適な真空において、好ましくは100℃〜180℃、より好ましくは120℃〜160℃の温度で行う。【0033】 本発明の方法によって脂肪族イソシアネートから製造されるポリイソシアネートは、特に、耐光堅牢性用途のポリウレタン(PU)被覆、いわゆるDD被覆系の製造用の硬化剤として使用することができる。 本発明は、アシル尿素基を含有するポリイソシアネートであって、元素周期表の第二主族(IIA)元素の塩および第二亜族(IIB)元素の塩から成る群から選択される金属塩触媒の存在下に、20℃〜220℃の温度で、式(I): R(NCO)n (I)[式中、 Rは、n価の、4〜30個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖脂肪族基または脂環式基、または6〜24個の炭素原子を有する芳香族基を表し; nは、1、2、3または4である。]で示されるイソシアネートを、直鎖脂肪族カルボン酸と反応させることによって製造されるポリイソシアネートを提供する。イソシアネートは、ヘキサンジイソシアネート(HDI)、3,5,5−トリメチル−1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−シクロヘキサン(IPDI)、3−イソシアナトメチル−1,8−ジイソシアナトオクタン(TIN)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(H12MDI)、またはこれらの混合物である。直鎖脂肪族カルボン酸は、酢酸、ヘキサン酸、アジピン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、またはこれらの混合物であることが好ましい。ポリイソシアネートの色価は120APHA以下であることが好ましい。式(I)中のRは、n価の、4〜30個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖脂肪族基または脂環式基を表す。また、本発明のポリイソシアネートを含んで成る結合剤を含有するポリウレタン被覆組成物を提供する。【0034】【実施例】実施例11411.2gのヘキサメチレンジイソシアネート、54mgのマグネシウムトリフルオロスルホネートおよび各150mgのロノール(lonol)およびTinuvin 770を、2Lの3口フラスコに入れた。282gの燐酸トリエチルに両方とも溶解した51.15gのアジピン酸および21.96gのアゼライン酸を、この混合物に30分間で添加した。添加の間の温度は60℃であった。添加の終了時に、混合物を110℃に加熱した。加熱を15時間継続した。次に、混合物を冷却した。溶液のNCO分は36.1%であった(四官能価アシル尿素への転化についての理論NCO分:36.3%)。反応溶液を、薄膜蒸留(温度130℃、圧力1.5x10−2bar)に付した。60[APHA]の色価および3870mPasの粘度を有する生成物334g(収率23%、酸およびイソシアネートに基づく)を得た。ヘキサメチレンジイソシアネートモノマーの量は約0.1%であった。【0035】実施例2604.8gのヘキサメチレンジイソシアネート、11mgの酢酸亜鉛および各60mgのロノール(lonol)およびTinuvin 770を、1Lの3口フラスコに入れた。21.92gのアジピン酸および9.41gのアゼライン酸をこの混合物に添加した。添加の終了時に、温度を120℃に調節した。加熱を12時間継続した。次に、混合物を冷却した。溶液のNCO分は43.4%であった(四官能価アシル尿素への転化についての理論NCO分:43.5%)。反応溶液を、薄膜蒸留(温度130℃、圧力1.5x10−2bar)に付した。65[APHA]の色価および2250mPasの粘度を有する生成物143.4g(収率23.2%、酸およびイソシアネートに基づく)を得た。ヘキサメチレンジイソシアネートモノマーの量は約0.1%であった。【0036】実施例375.68gのシクロヘキサンジカルボン酸、20.7gのアゼライン酸、50mgの酢酸亜鉛および各260mgのロノール(lonol)およびTinuvin 770を、2.5Lの3口フラスコに入れた。1663.2gのヘキサメチレンジイソシアネートをこの混合物に添加した。添加の終了時に、温度を120℃に調節した。加熱を12時間継続した。次に、混合物を冷却した。溶液のNCO分は42.2%であった(四官能価アシル尿素への転化についての理論NCO分:42.01%)。反応溶液を、薄膜蒸留(温度130℃、圧力1.5x10−2bar)に付した。65[APHA]の色価および7150mPasの粘度を有する生成物400g(収率22.7%、酸およびイソシアネートに基づく)を得た。生成物は24.7%のNCO分を有していた。ヘキサメチレンジイソシアネートモノマーの量は約0.1%であった。【0037】本発明を例示するために前記に詳しく説明したが、そのような説明は例示するためだけのものであり、請求の範囲によって限定される以外は本発明の意図および範囲を逸脱せず当業者によって変更を加えうると理解すべきものとする。 アシル尿素基を含有するポリイソシアネートの製造方法であって、元素周期表の第二主族(IIA族)元素の塩および第二亜族(IIB族)元素の塩から成る群から選択される金属塩触媒の存在下に、20℃〜220℃の温度で、式(I): R(NCO)n (I)[式中、 Rは、n価の、4〜30個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖脂肪族基または脂環式基、または6〜24個の炭素原子を有する芳香族基を表し; nは、1、2、3または4である。]で示されるイソシアネートを、直鎖脂肪族カルボン酸と反応させることを含んで成る方法。 イソシアネートが、ヘキサンジイソシアネート(HDI)、3,5,5−トリメチル−1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−シクロヘキサン(IPDI)、3−イソシアナトメチル−1,8−ジイソシアナトオクタン(TIN)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(H12MDI)、またはこれらの混合物である、請求項1に記載の方法。 直鎖脂肪族カルボン酸が、酢酸、ヘキサン酸、アジピン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、またはそれらの混合物である、請求項1または2に記載の方法。 ポリイソシアネートの色価が120APHA以下である、請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。 式(I)中のRが、n価の、4〜30個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖脂肪族基または脂環式基を表す、請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。


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