生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_炭疽菌の検出試薬
出願番号:2002031199
年次:2008
IPC分類:C07K 16/12,C12Q 1/04,G01N 33/569


特許情報キャッシュ

新堀 よみ子 権平 文夫 杉山 純一 牧野 壯一 JP 4107849 特許公報(B2) 20080411 2002031199 20020207 炭疽菌の検出試薬 デンカ生研株式会社 591125371 平木 祐輔 100091096 藤田 節 100118773 田中 夏夫 100111741 新堀 よみ子 権平 文夫 杉山 純一 牧野 壯一 20080625 C07K 16/12 20060101AFI20080605BHJP C12Q 1/04 20060101ALI20080605BHJP G01N 33/569 20060101ALI20080605BHJP JPC07K16/12C12Q1/04G01N33/569 F C07K 16/12 C12Q 1/04 G01N 33/569 PubMed JSTPlus(JDream2) Biochemistry,1966年,Vol.5, No.2, p.657-665 J. Appl. Microbiol.,1999年,Vol.87, p.246-249 J. Clin. Microbiol. ,1990年,Vol.28, No.2, p.223-231 3 2003238599 20030827 7 20050118 新留 豊 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、炭疽菌の保有する莢膜、菌体及び芽胞を認識する抗体を用いた炭疽菌の検出方法及びそのキットに関する。この試薬は炭疽菌による感染症及び炭疽菌を用いたテロリズム等の対策に有効に利用されるものである。【0002】【従来の技術】炭疽菌(Bacillus athracis)はバシラス属に属する通性嫌気性のグラム陽性の芽胞形成菌であり、環境により芽胞や莢膜を形成し、あるいは芽胞も莢膜も形成しない栄養型としても存在する。本菌は人畜共通伝染病である炭疽を引き起こすことが知られており、動物では世界各地で発生しており、人では家畜を取り扱う者が感染することがある。また、本菌は生物兵器として使用されたことがあると共に、本菌の芽胞を用いたテロリズムの発生もおきている。【0003】人に感染した場合は、感染経路により、皮膚炭疽、腸炭疽及び肺炭疽に分類されており、肺炭疽は死亡率が高いことが知られている。炭疽の診断においては、炭疽菌を分離し、同定することがもっとも確実な方法である。菌の同定は従来、莢膜染色、免疫沈降試験(アスコリー熱沈降反応)、生化学的性状試験、遺伝子を用いたPCRなどが用いられてきた。【0004】しかし、これらの方法では、炭疽菌の類縁種であるバシラス・セリウス(Bacillus cereus)等との判別は必ずしも容易ではなかった。また、これらの方法は数時間から一日以上の時間を必要とすることと、特殊な装置を必要とすることから、より短時間に且つ簡便に同定する方法が望まれていた。さらに、テロリズムで炭疽菌の芽胞を郵便等で送付される事件もあり、いち早く送付物が炭疽菌であることを同定する必要があることから、短時間に、簡便に同定できる試薬が望まれていた。【0005】【発明が解決しようとする課題】本発明は、炭疽菌をそのライフサイクル中のステージに拘わりなく、特異的に、簡便に、短時間に検出するための抗体、炭疽菌を特異的に簡便に、簡便に短時間に検出する方法及びキットを提供することを目的とする。具体的には、炭疽菌の莢膜、菌体及び芽胞を認識する抗体、該抗体を用いた免疫学的検出法、該抗体を含む検出キットを提供することを目的とする。【0006】【課題を解決するための手段】本発明者らは、莢膜を形成した炭疽菌、栄養型の炭疽菌及び芽胞を形成した炭疽菌のライフサイクル中の各ステージの菌体を抗原としてウサギを免疫し、それぞれに対する抗体を得て、本発明を完成するに至った。【0007】すなわち、本発明は、以下の通りである。(1) 炭疽菌に対する抗体であって、炭疽菌の莢膜に対する抗体、炭疽菌の芽胞に対する抗体ならびに莢膜および芽胞を含まない炭疽菌菌体に対する抗体からなる群から選ばれる抗体、(2) 炭疽菌に対する抗体を含む抗体組成物であって、炭疽菌の莢膜に対する抗体、炭疽菌の芽胞に対する抗体ならびに莢膜および芽胞を含まない炭疽菌菌体に対する抗体からなる群から選ばれる2種類の抗体を含む抗体組成物、(3) 炭疽菌に対する抗体を含む抗体組成物であって、炭疽菌の莢膜に対する抗体、炭疽菌の芽胞に対する抗体ならびに莢膜および芽胞を含まない炭疽菌菌体に対する抗体の総てを含む抗体組成物、(4) (1)〜(3)のいずれかの抗体または抗体組成物を用いて炭疽菌を検出することを特徴とする炭疽菌の検出方法、および(5) (1)〜(3)のいずれかの抗体または抗体組成物を含む、炭疽菌を検出するためのキット。【0008】【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の抗体または抗体組成物は、炭疽菌の莢膜に対する抗体、炭疽菌の芽胞に対する抗体ならびに莢膜および芽胞を含まない炭疽菌菌体に対する抗体からなる群から選ばれる少なくとも1種類の抗体を含む抗体または抗体組成物である。ここで、「抗体組成物」とは、1種以上の抗体を含む抗体混合物をいう。本明細書において、抗体という場合、1種類の抗体だけではなく、抗体組成物も含む。【0009】炭疽菌は環境により莢膜や芽胞を形成する。莢膜を形成した炭疽菌、芽胞を形成した炭疽菌及びこれらの莢膜や芽胞を形成していない炭疽菌をそれぞれホルマリンで不活化し、免疫原として用いることができる。この際、莢膜を形成した炭疽菌、芽胞を形成した炭疽菌及びこれらの莢膜や芽胞を形成していない炭疽菌を別々に免疫原として用いてもよいし、混合して免疫原として用いてもよい。不活化した菌株を、PBS等の緩衝液に、0.5〜1.5mg/ml、好ましくは1mg/mlの濃度で浮遊させて免疫原を調製することができる。免疫原は、市販のフロイント完全アジュバント、フロイント不完全アジュバント、BCG、水酸化アルミニウムゲル、百日咳ワクチン等の適当なアジュバントと共に投与するのが望ましい。また被免疫動物はウサギ、ヒツジ、馬、豚等が利用可能であるが通常はウサギが汎用される。ウサギの場合、約3kgのものを使用する。調製した免疫原は、動物の皮下、腹腔内、静脈内、筋肉内、皮内等いずれのルートを通しても投与することができる。免疫の間隔は特に限定されないが、例えば1〜2週間隔で2から5回免疫するのが望ましい。また一回当たりの投与量も限定されないが、例えば上述のように調製した免疫原を適当なアジュバントと混合し、1ml〜数mlの量を投与すればよい。最終免疫後、3〜10日後に、被免疫動物から血液を採取し、冷蔵室等に静置し、血餅を発生させた後、遠心分離等で血清部分を分離することにより抗体を得ることができる。【0010】莢膜を形成した炭疽菌、芽胞を形成した炭疽菌及びこれらの莢膜や芽胞を形成していない炭疽菌のそれぞれを免疫原として得た抗体を混ぜれば、ステージに拘わらず炭疽菌を検出することができる抗体組成物として用いることができる。また、炭疽菌の莢膜に対する抗体、炭疽菌の芽胞に対する抗体ならびに莢膜および芽胞を含まない炭疽菌菌体に対する抗体の2種類を必要に応じて混合して抗体組成物として用いてもよい。または、莢膜を形成した炭疽菌、芽胞を形成した炭疽菌及びこれらの莢膜や芽胞を形成していない炭疽菌を混合して免疫原として得た抗体は、そのままでステージに拘わらず炭疽菌を検出することができる抗体組成物として用いることができる。さらに、莢膜を形成した炭疽菌、芽胞を形成した炭疽菌及びこれらの莢膜や芽胞を形成していない炭疽菌の2種類を混合して免疫原として用いてもよい。【0011】また、本発明に使用する抗体としては、上記免疫原をマウスに免疫後、公知の細胞融合法により取得するモノクローナル抗体も使用することができる。モノクローナル抗体は、例えば、ケーラーとミルステインの方法(Kohler, G. and Milstein, C., Nature, 256, 495-497, 1975)等の公知の方法により作製し得る。上記炭疽菌免疫原で免疫したマウスの脾細胞またはリンパ節細胞とマウスのミエローマ細胞との細胞融合により得られるハイブリドーマを作製し、該ハイブリドーマの培養上清又は該ハイブリドーマを腹腔内に投与したマウスの腹水から調製することができる。被免疫動物は、マウスに限定されずラット、モルモット等も利用可能である。ミエローマ細胞は、一般に被免疫動物と同種の動物より得られたものを用いるが、異種間でも可能な場合がある。また、免疫されていない動物の脾細胞またはリンパ節をin vitroで免疫して、感作細胞を得ることもできる。ハイブリドーマのスクリーニングは、種々の免疫化学的方法で実施することができ、例えばELISA法、ウエスタンブロット法等が利用できる。【0012】この際、炭疽菌の芽胞のみに特異的に反応するモノクローナル抗体、炭疽菌の莢膜のみに特異的に反応するモノクローナル抗体および炭疽菌の莢膜および芽胞を除く菌体のみに特異的に反応するモノクローナル抗体を別々に用いれば、ライフサイクル中の各ステージの炭疽菌を検出することができ、これらを混合した抗体組成物として用いれば、ステージに拘わらず炭疽菌を検出することができる。また、必要に応じてこれらのモノクローナル抗体の2種類を混合して用いてもよい。【0013】抗体の精製が必要とされる場合は、硫安塩析法、DEAEセルロース等の陰イオン交換体を利用するイオン交換クロマトグラフィー、分子量や構造によってふるいわける分子ふるいクロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー等の公知の方法を適宜に選択して、またはこれらを組み合わせることにより精製することができる。【0014】このようにして得られた抗炭疽菌抗体を用いて炭疽菌を検出することが可能である。炭疽菌の検出はイムノブロット法、酵素免疫測定法(EIA、ELISA)、放射線免疫測定法(RIA)、蛍光抗体法、凝集反応を利用した方法、イムノクロマトグラフィー法等の当業者に知られた方法により行うことができる。この際、試料として、例えば患者検体から分離培養された細菌、炭疽菌であると疑われる粉末状物質等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。【0015】例えば、凝集反応を利用した方法においては、炭疽菌抗体を感作した担体を用いて炭疽菌を検出することができる。炭疽菌抗体を感作する担体としては、不溶性で、非特異的な反応を起こさず、かつ安定である限り、いかなる担体を使用してもよい。例えば、ラテックス粒子、ベントナイト、コロジオン、カオリン、固定羊赤血球、金コロイド粒子、セレニウムコロイド粒子等を使用することができるが、ラテックス粒子を使用するのが好ましい。ラテックス粒子としては、例えば、ポリスチレンラテックス粒子、スチレン−ブタジェン共重合体ラテックス粒子、ポリビニルトルエンラテックス粒子等を使用することができるが、ポリスチレンラテックス粒子を使用するのが好ましい。ラテックス粒子を使用する場合は、特別な処理をしなくても容易に抗体を担体に感作できるとともに、対象菌株と担体の反応により生じる凝集像が明瞭となり、対象菌株の担体に対する反応性を容易かつ精度よく判別できる点でさらに有利である。【0016】抗炭疽菌抗体を担体に感作する方法は、特に限定されない。例えば抗炭疽菌抗体を担体に物理的に吸着させてもよいし、化学的に結合させてもよい。より具体的には、例えば、抗炭疽菌抗体と担体とを混和した後、30〜37℃で1〜2時間加温振盪することにより、抗体を担体に感作させることができる。担体に感作する抗体の量は、使用する単体の粒径に応じて適宜設定することができる。抗体を担体に感作した後、担体表面上の未感作部分をウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン、ウサギ血清アルブミン、卵白アルブミン等でブロッキングするのが好ましい。抗炭疽菌抗体を感作した担体は対象菌株と反応させる時まで媒体分散液として保持しておくのが好ましい。この際、媒体としては、例えば、リン酸緩衝液、グリシン緩衝液等を使用することができる。抗炭疽菌抗体を感作した担体の含有量は、通常、媒体分散液に対して0.2〜0.5重量%とすることができるが、0.25〜0.3重量%とするのが好ましい。媒体中には、必要に応じてウシ血清アルブミン、ゼラチン、アラビアゴム等を添加してもよい。このように調製した抗炭疽菌抗体感作担体を対象菌株と反応させ、凝集の有無またはその程度により対象菌株と抗炭疽菌抗体との反応性を判別し、炭疽菌を検出することができる。【0017】また、酵素免疫測定法(EIA)においては、抗炭疽菌抗体をマイクロプレート、樹脂ビーズ、磁性化ビーズ等の担体に物理吸着や化学結合により固相化する。固相化量は、特に限定されないが担体がマイクロプレートの場合、1ウエル当たり数ngから数十μgが望ましい。固相化は固相化すべき抗体を適切な緩衝液に溶解し、担体と接触させて行うことができる。例えば、マイクロタイターウエルを用いる場合、抗体溶液をマイクロタイタープレートのウエルに分注し一定時間置くことにより固相化することができる。抗体を固相化した後は、アッセイ中の非特異的結合を防ぐためにウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン、ウサギ血清アルブミン、卵白アルブミン等を含んだブロッキング溶液を用いてブロッキングを行うのが好ましい。次いで、固相化担体と試料を反応させ、洗浄後、炭疽菌を認識する標識した抗体を反応させる。標識はβ−D−ガラクトシダーゼ、ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼやグルコースオキシダーゼ等の酵素を用いて行うことができる。例えば、酵素免疫測定法(EIA)においては、多数のウエル(例えば、96穴)を有するマイクロタイタープレートに抗体を固相化させ、ウエル中で抗原抗体反応を行わせることにより一度に大量測定が可能になる。また用いる抗体及び試料菌体の使用量を非常に少なくすることも可能である。さらに、全自動EIA測定装置などの自動測定機器を用いることも可能になる。【0018】本発明は、炭疽菌の検出を可能にするキットの提供をも目的とするが、該キットは少なくとも抗炭疽菌抗体を含む。該キットが酵素免疫測定法に基づく場合は、抗体を固相化した担体を含んでいてもよく、抗体があらかじめ担体に結合していてもよい。該キットがラテックス等の担体を用いた凝集法に基づく場合は、抗体が吸着した担体を含んでいてもよい。また、該キットは適宜、ブロッキング溶液、反応溶液、反応停止液、試料を処理するための試薬等を含んでいてもよい。【0019】以上のように、本発明の抗炭疽菌抗体は炭疽菌の莢膜、菌体及び芽胞の抗体を含むのでほとんど全ての炭疽菌と反応することから、分離された細菌を迅速に炭疽菌と鑑別し、炭疽菌を検出することができ、生化学的性状を調べる時間と労力を大幅に省略することができる。また遺伝子を利用したPCRのように検体の前処理や特殊な装置を必要としないため安価にもつながる。以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。【0020】【実施例】実施例1 免疫抗原の調製炭疽菌パスツール2苗株の単一コロニーをトリプトソイブロス5mlに接種し37℃で培養して前培養菌とした。栄養形菌体の作製はトリプトソイブロス100mlに前培養菌を1ml加え、4時間37℃で振盪培養した。培養液を7000rpm、15分間遠心分離し、沈渣を20mlの生理食塩液で2回洗浄し、100mlの生理食塩液に再懸濁した後、最終濃度が0.5%になるようにホルマリンを加えて不活化した。菌が不活化されたことを確認後、生理食塩液で2回洗浄し、抗原液とした。【0021】芽胞菌体の作製はトリプトソイブロス100mlに前培養菌を1ml加え、24時間、37℃で振盪培養した。培養液を7000rpm、15分間遠心分離し、沈渣を20mlの生理食塩液で2回洗浄し、100mlの生理食塩液に再懸濁し、37℃で7日間静置培養し、最終濃度が0.5%になるようにホルマリンを加えて不活化した。菌が不活化されたことを確認後、生理食塩液で2回洗浄し、抗原液とした。【0022】莢膜形成菌体の作製はNBY寒天培地の5枚に前培養菌の0.1mlを塗抹し、20%炭酸ガス培養器にて24時間培養した。菌体を集め、生理食塩液10mlに浮遊させ、最終濃度が0.5%になるようにホルマリンを加えて不活化した。菌が不活化されたことを確認後、生理食塩液で2回洗浄し、抗原液とした。【0023】実施例2 抗体の作製抗原液1mlに等量の不完全フロインドアジュバントを加え免疫原を作製した。免疫はウサギの背中の数箇所に皮下接種して行った。接種間隔は1週間おきに4回接種し、最終接種後1週間目に一部採血し、ウエスタンブロッティングにより抗体価の上昇を確認した。確認後ブースターを1週間おきに2回行い、その後1週間目に50ml採血し、その後1週間目に再度ブースターを行い、その後1週間目に採血した。これを2回繰り返した後、全採血し、全てをプールして抗体を作製した。【0024】このようにして作製した抗体の5mlにリン酸緩衝液を5ml加えて希釈したものに飽和硫安液を10ml加えて塩析を行った。沈渣を10mlのリン酸緩衝液に溶解し、再度飽和硫安液を10ml加えて塩析し、沈渣を2mlのリン酸緩衝液に溶解した。それをセファデックスG-25カラムを用いて脱塩し、精製抗体とした。【0025】実施例3 ラテックス凝集法による炭疽菌の検出▲1▼炭疽菌抗体感作ラテックスの調製担体として直径0.3μmのポリスチレン製球形粒子(ラテックス:市販品)を用いた。実例2で得られた炭疽菌抗体とラテックス粒子を各々リン酸緩衝生理食塩液(pH7.0)に溶解し、抗体とラテックス粒子の重量比が1:10となるように抗体を担体に固定化した。これをリン酸緩衝生理食塩液で洗浄し、ウシ血清アルブミンでブロッキングを行ったものを抗体感作ラテックスとした。▲2▼検体の培養炭疽菌を血液寒天培地に培養し検体とした。▲3▼スライド凝集反応紙製のスライド板のサークル内に、▲1▼で調製した抗体感作ラテックッスの25μlを滴下し、これに▲2▼で培養した検体の微量を加え混和した。1分間攪拌後、肉眼的に凝集の有無を観察し、凝集の認められたものを陽性、認められなかったものを陰性とした。【0026】実施例4 抗体感作ラテックス試薬の特異性炭疽菌のほかに同じバシラス属に属する納豆菌(Bacillus natto)、枯草菌(Bacillus subtilis)及びセレウス菌(Bacillus cereus)を血液寒天培地に培養し、その菌体の微量を用いて実施例3▲3▼のとおり試験を行った。結果を表1に示した。炭疽菌は全て本感作ラテックスで陽性を示した。一方炭疽菌以外の納豆菌、枯草菌、セレウス菌は全て陰性と判定された。【0027】【表1】【0028】【発明の効果】本発明の炭疽菌抗体を用いることにより、簡便、安価かつ迅速に炭疽菌の検出ができる。さらに、莢膜を形成した炭疽菌、栄養型の炭疽菌及び芽胞を形成した炭疽菌のライフサイクル中のステージに拘わりなく、特異的に、簡便に、短時間に検出することができる。 炭疽菌の莢膜に対する抗体、炭疽菌の芽胞に対する抗体ならびに莢膜および芽胞を含まない炭疽菌菌体に対する抗体の総てをラテックス粒子に感作させてなる抗体感作ラテックスを用いる、炭疽菌のライフサイクル中のステージに拘りなく、かつセレウス菌および枯草菌と判別して、炭疽菌を検出するラテックス凝集法。 ラテックス粒子がポリスチレンラテックス粒子、スチレン−ブタジェン共重合体ラテックス粒子、およびポリビニルトルエンラテックス粒子からなる群から選択される請求項1に記載の炭疽菌を検出するラテックス凝集法。 炭疽菌の莢膜に対する抗体、炭疽菌の芽胞に対する抗体ならびに莢膜および芽胞を含まない炭疽菌菌体に対する抗体の総てをラテックス粒子に感作させてなる、炭疽菌のライフサイクル中のステージに拘りなく、かつセレウス菌および枯草菌と判別して、炭疽菌を検出するための抗体感作ラテックスを含むラテックス凝集法キットであって、炭疽菌のライフサイクル中のステージに拘りなく、かつセレウス菌および枯草菌と判別して、炭疽菌を検出するためのラテックス凝集法キット。


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