タイトル: | 特許公報(B2)_睡眠促進用組成物 |
出願番号: | 2001572097 |
年次: | 2012 |
IPC分類: | A61K 31/198,A61P 25/20 |
小関 誠 八尾 治夫 大久保 勉 ジュネジャ レカ ラジュ JP 4961087 特許公報(B2) 20120330 2001572097 20010404 睡眠促進用組成物 太陽化学株式会社 000204181 細田 芳徳 100095832 小関 誠 八尾 治夫 大久保 勉 ジュネジャ レカ ラジュ JP 2000102926 20000405 20120627 A61K 31/198 20060101AFI20120607BHJP A61P 25/20 20060101ALI20120607BHJP JPA61K31/198A61P25/20 A61K 31/198 A61P 25/20 CA/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/WPIDS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 特開平09−100230(JP,A) 特開平09−012454(JP,A) 実開平07−022749(JP,U) 国際公開第99/042096(WO,A1) 米国特許第05501866(US,A) 2 JP2001002916 20010404 WO2001074352 20011011 7 20080213 森井 隆信 技術分野本発明は、テアニンを含有する睡眠促進用組成物、該組成物を含有する食品および医薬品、テアニンを用いる睡眠促進方法、ならびに前記食品または医薬品の製造のためのテアニンの使用に関する。背景技術睡眠障害は、アルコール依存症、睡眠薬などの薬物依存症、麻薬中毒などへの、いわば入り口となるような障害であって、睡眠障害をどのように克服するかはこれらの問題を未然に防止することにつながり、社会的にも有意義なことである。このような睡眠障害に対して現在、ハルシオンやリストミンS等の治療医薬品が用いられているが、これら医薬品はめまいや健忘、また依存症による情緒不安定などの好ましくない副作用を有するため、医師の指示無しに服用することは非常に危険で、睡眠障害を有するもの全てが服用できるわけではないという欠点がある。このように従来の合成医薬品には副作用があるといった欠点があり、有効な治療法は見出されていないのが現状である。発明の開示本発明の目的は、副作用の恐れがなく、誰もが安心して日常的に使用できる、睡眠促進用組成物を提供することにある。また、本発明の目的は、睡眠障害を有する個体に適用される睡眠促進効果を有する食品および医薬品を提供することにある。さらに、本発明の目的は、睡眠障害を有する個体に有効な睡眠促進方法、ならびに前記食品または医薬品の製造のためのテアニンの使用を提供することにある。上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、テアニンが睡眠促進に有効であり、かつ問題とすべき副作用を伴わないことを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、〔1〕 テアニンを含有することを特徴とする睡眠促進用組成物、〔2〕 前記〔1〕記載の組成物を含有する、睡眠障害を有する個体に適用するための食品、〔3〕 前記〔1〕記載の組成物を含有する、睡眠障害を有する個体に適用するための医薬品、〔4〕 テアニンを睡眠障害を有する個体に投与する睡眠促進方法、ならびに〔5〕 睡眠障害を有する個体に適用するための食品または医薬品の製造のためのテアニンの使用、に関する。発明を実施するための最良の形態本発明の睡眠促進用組成物(以下、組成物という)は、種々の原因により生ずる様々な睡眠障害を緩和または改善することを目的として日常的に使用することができる。本発明の組成物の所望の効果の発現は、かかる組成物に含有される、テアニンについて初めて見出された睡眠促進作用に基づくものである。本発明に用いられるテアニンとは、グルタミン酸の誘導体(γ−グルタミルエチルアミド)であり、天然には茶葉に多く含まれるアミノ酸成分である。本発明において見出されたテアニンによる睡眠促進作用の作用メカニズムは未だ不明な点が多いが、StageW、Stage1、Stage2、Stage3、Stage4およびStageREMからなる6つの睡眠段階において、睡眠導入段階のStageWではα波の占める割合が50%以上となり、その後、Stage1でα波が減少し、δ波が増えていくように脳波が変化することが知られているが、当該脳波の変化に対しテアニンが何らかの影響を及ぼすことにより前記作用が発現されるものと推定される。すなわち、本明細書において「睡眠を促進する」とは、睡眠に関わる生体の恒常性を保ち、自然な睡眠の進行を促すことをいう。それゆえ、本発明の組成物は、依存症などの副作用の発生の心配がなく、日常的に所望により使用することができる。たとえば、テアニンを含有する本発明の組成物を用いて、たとえば、生体リズムの変調により生ずる様々な睡眠障害(たとえば、不眠症、寝付きの悪さ(入眠困難)、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害等)を緩和または改善することができる。なお、本発明に用いるテアニンの睡眠促進作用の発現は、ポリグラフィーにより、睡眠導入段階の脳波の変化を調べることにより判定する。すなわち、前記睡眠導入段階における脳波変化が認められた場合、睡眠状態に入ったと認定する。テアニンを投与した個体と非投与の個体で睡眠状態に入るまでの時間を比較し、テアニンを投与した個体が非投与の個体より早期に睡眠状態に入った場合、テアニンの睡眠促進作用が発現されたと判定する。また、ポリグラフィーによれば、脳波だけでなく心電図、眼球運動、筋電図、呼吸曲線等の生体現象を同時に記録して観察することもできるため、それら脳波以外の項目によってもテアニンの睡眠促進作用の発現を判定することができる。本発明に用いられるテアニンの製造法としては、たとえば、茶葉から抽出する方法、有機合成法〔Chem.Pharm.Bull.,19(7)1301−1307(1971)〕、グルタミンとエチルアミンの混合物にグルタミナーゼを作用させる方法(特公平第7−55154号公報)、エチルアミンを含有する培地で茶の培養細胞群を培養し、培養細胞群中のテアニン蓄積量を増加させつつ培養細胞群の増殖促進を図る方法(植物細胞培養法)(特開平第5−123166号公報)、また、特公平第7−55154号公報、特開平第5−123166号公報における、前記植物細胞培養法においてエチルアミンをエチルアミン塩酸塩などのエチルアミン誘導体に置き換える変法等があり、公知のいずれの方法でも良い。また、使用されるテアニンの形態としては、精製品、粗精製品、抽出エキス等、いずれの形態でも良い。なお、ここでいう茶葉としては、緑茶葉、ウーロン茶葉、紅茶葉等があげられる。また、市販品〔サンテアニン(登録商標)太陽化学(株)製〕を用いてもよい。テアニンは、L−テアニン、D−テアニン、DL−テアニンのいずれも使用可能であるが、中でもL−体は食品添加物にも認められており、経済的にも利用しやすいため、本発明においてはL−体が好ましい。本発明の組成物におけるテアニンの含有量は特に限定されるものではなく、所望により適宜調整すればよい。たとえば、組成物中における好適なテアニン含有量は、好ましくは5〜100重量%、より好ましくは50〜100重量%である。本発明の組成物には、さらに各種ミネラルを含有させてもよい。ミネラルを含有してなる組成物は、生体内に不足しがちな必須元素、微量必須元素を補うことができるというさらなる効果が奏されるため、より好ましいものである。組成物におけるミネラルの含有量は、たとえば、0.0001〜99.9重量%が好ましく、0.01〜99.9重量%がより好ましい。かかるミネラルとしては、鉄、マグネシウム、銅、亜鉛、セレン、カルシウム、カリウム、マンガン、クロム、ヨウ素、モリブデン、ニッケル、バナジウム等、生体の恒常性の維持、調節のために必須の金属類またはこれらの金属塩類を挙げることができる。これらは単独でもしくは2種以上混合して用いることができる。また、生薬、ハーブ、アミノ酸、ビタミン等を共に含有させてもよい。かかる生薬としては特に限定されるものではないが、好ましくは精神安定に有効な霊芝、地黄茎、ナツメなどがあげられる。また、ハーブは特に限定されるものではないが、たとえば、アニス、キャロットシード、クローブ、コリアンダー、サイプレス、シナモン、ジュニパー、ジンジャー、スイートオレンジ、パインニードル、バジル、パチュリ、ビターオレンジ、フェンネル、ブラックペッパー、ベイ、ペパーミント、ベルガモット、マンダリン、ミルラ、レモングラス、ローズマリー、グレープフルーツ、シダーウッド、シトロネラ、セージ、タイム、ティートゥリー、バイオレットリーフ、バニラ、ヒソップ、ユーカリ、ライム、レモン、イランイラン、カルダモン、クラリセージ、ジャスミン、ゼラニウム、カモミール、ブルガリアローズ、ローズ、オリバナム、ラベンダー、カミツレ、ゼラニウム、サンダルウッドネロリ、バーベナ、プチグレン、ベチバー、マージョラム、メリッサ、ローズウッド、オトギリソウ、セイントジョーンズワート、カワカワなどがあげられ、それらの中でも、鎮静効果、リラックス効果を有するペパーミント、ベルガモット、イランイラン、ゼラニウム、カモミール、ラベンダー、セイントジョーンズワート、カワカワが好ましい。これらのハーブの形態としては、たとえば、抽出エキス、精油、ハーブティなどが挙げられ、特に限定されるものではない。アミノ酸も特に限定されるものではないが、たとえば、グルタミン、グルタミン酸、トリプトファン、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、スレオニン、セリン、γ−アミノ酪酸、タウリン、チオタウリン、ヒポタウリンなどがあげられる。また、ビタミンとしては、たとえば、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、葉酸、ニコチン酸、リポ酸、パントテン酸、ビオチン、ユビキノン、プロスタグランジンなどがあげられ、これらビタミンの誘導体も含まれるがこれらのみに限定されるものではない。さらに、これら以外の成分として、たとえば、アロエ、ローヤルゼリー、メラトニン、プラセンタ、プロポリス、イソフラボン、大豆レシチン、卵黄レシチン、卵黄油、コンドロイチン、カカオマス、コラーゲン、酢、クロレラ、スピルリナ、イチョウ葉、緑茶、杜仲茶、黄妃茶、ウーロン茶、桑の葉、甜茶、バナバ茶、不飽和脂肪酸、オリゴ糖などの糖類、ビフィズス菌、紅麹などの菌類、アガリクス茸、姫マツタケ、マイタケ等のキノコ類、ブルーベリー、プルーン、ブドウ、オリーブ、うめ、柑橘類等の果実類、落花生、アーモンド、ゴマ、胡淑等の種実類、ピーマン、唐辛子、ネギ、カボチャ、ウリ、人参、ゴボウ、モロヘイヤ、ニンニク、シソ、ワサビ、トマト、らっきょ、葉菜、芋、豆等の野菜類、ワカメ等の海草類、魚介類、獣鳥鯨肉類、穀類など、そのもの、あるいはそれらの抽出物、乾燥品、粗精製品、精製品、加工品、醸造品等も好適に使用できる。また、本発明の一態様として、本発明の組成物を含有する、日常の使用に適した、睡眠障害を有する個体に適用するための食品または医薬品が提供される。当該食品または医薬品はテアニンを含有する組成物からなるものであれば特に限定はない。なお、本明細書における「個体」としては、たとえば、哺乳動物があげられ、具体的には、ヒト、ブタ、ウシ、イヌ、ネコ、ウマ等をあげることができるが、特にヒトが好ましい。本発明の食品としては、テアニンを含有してなる、以下に例示する各種食品をあげることができる。かかる食品としては、たとえば、固形食品、また、清涼飲料やミネラルウォーター、嗜好飲料、アルコール飲料など液状食品をあげることができる。ここで挙げられる液状食品としては、特に限定されるものではないが、好ましくは緑茶、ウーロン茶、紅茶、ハーブティー等の茶類、濃縮果汁、濃縮還元ジュース、ストレートジュース、果実ミックスジュース、果肉入り果実ジュース、果汁入り飲料、果実・野菜ミックスジュース、野菜ジュース、ミネラルウォーター、炭酸飲料、清涼飲料、牛乳、乳飲料、日本酒、ビール、ワイン、カクテル、焼酎、ウイスキー等が挙げられる。また、固形食品も特に限定されるものではないが、好ましくは練り製品、大豆加工品、ムース、ゼリー、ヨーグルト、冷菓、飴、チョコレート、ガム、クラッカー、ビスケット、クッキー、ケーキ、パン等があげられる。また、本発明の医薬品はテアニンを含有してなるものであれば特に限定されるものではない。たとえば、その形態としては、溶液、懸濁物、粉末、固体成型物等のいずれでもよく、その剤型としては、錠剤、カプセル、粉末剤、顆粒剤、ドリンク剤等があげられる。また、他の医薬品とも併用することができる。なお、前記本発明の食品または医薬品にはヒト以外の個体を対象とするものも含まれ、たとえば、睡眠障害を有する哺乳動物、たとえば、ウシ、ブタ、ウマなどの家畜やイヌ、ネコなどのペットに好適に適用される睡眠促進効果を有する飼料、飲料、製剤、試薬などをあげることができる。本発明の組成物の製法は特に限定されるものではなく、たとえば、テアニンと他の原材料を粉体混合する製法、溶媒中にテアニンと他の原材料を溶かし混合溶液とする製法、またその混合溶液を凍結乾燥する製法、噴霧乾燥する製法など、一般的な食品または医薬品の製法を適用することができる。本発明の食品または医薬品についても同様である。また、本発明の組成物を製造する際に用いることができるテアニン以外の成分は、テアニンによる所望の効果の発現が阻害されないかぎり、適宜所望の用途に合わせて選択することができる。たとえば、既存の食品に対し、製造後の本発明の食品におけるテアニンの含有量が、好ましくは、前記組成物中における好適なテアニンの含有量範囲内となるように、テアニンを常法により配合することにより本発明の食品を製造することができる。また、テアニンを、たとえば、公知の経口投与に適した有機または無機の担体、賦形剤、結合剤、安定剤等と、食品の製造の場合と同様、好ましくは前記好適なテアニンの含有量範囲内となるように、テアニンを常法により配合することにより医薬品を製造することができる。かかる本発明の睡眠障害を有する個体に適用するための食品または医薬品の製造におけるテアニンの使用も本発明に包含される。さらに本発明の一態様として、テアニンを睡眠障害を有する個体に投与する睡眠促進方法を提供する。かかる方法によれば、副作用の発生の心配なく安全に、しかも効果的に当該個体の睡眠を促進することができるので当該個体の睡眠障害の緩和または改善に有効である。本態様において、本発明の所望の効果を得るためのテアニンの有効投与量としては一般には、たとえば、ヒトの場合、成人1日当たり0.2〜200mg/kg体重が好ましく、0.5〜50mg/kg体重がより好ましい。ただし、各個体においては、睡眠障害の種類、程度や、個体差(年齢、性別等)があるため、本発明におけるテアニンの投与量はかかる範囲のみに限定されるものでない。テアニンの投与は、テアニンそのものを用いて、または、本発明の組成物、好ましくは食品または医薬品を用いて行えばよい。また、投与方法、投与回数、投与期間等も特に限定されるものではなく、前記個体、好ましくは、睡眠障害の緩和または改善を所望するヒトに対し、たとえば、1回でまたは複数回に分けて、好ましくは経口投与により、テアニンを前記有効投与量範囲で投与すればよい。テアニンもしくは本発明の組成物等を、たとえば、日常的に摂取することにより睡眠障害を予防することもできる。本発明において用いられるテアニンの安全性は高く、たとえば、マウスを用いた急性毒性試験において5g/kg経口投与で死亡例はなく、一般状態および体重等に異常は認められない。また、特にL−テアニンは茶の旨味の主成分として知られるものであり呈味を用途とする食品添加物としても使用され、食品衛生法上、その添加量に制限はない。しかも、従来の睡眠障害改善用の薬物と異なり、テアニンの依存性は全く認められないので、本発明の組成物、食品または医薬品によれば、安全かつ効果的に睡眠促進が図られ、睡眠障害を緩和または改善することができる。実施例次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例において、「部」は特段の事情がないかぎり「重量部」を表わす。製造例10.3Mグルタミンおよび1.5Mエチルアミンをホウ酸緩衝液(Na2B4O7−NaOH,pH=11)中、0.3Uグルタミナーゼ〔天野製薬(株)製〕にて30℃、22時間反応させた。次いで、反応液をDowex 50x8およびDowex 1x2〔共に、室町化学工業(株)製〕を用いるカラムクロマトグラフィーにかけ、これをエタノール処理することにより、反応液から目的物質を単離した。当該物質のL−テアニンとの確認は、得られた単離物質をアミノ酸アナライザーおよびペーパークロマトグラフィーにかけ、標準物質と同じ挙動を示すことを確認することにより行った。塩酸またはグルタミナーゼで加水分解処理を行うと、1:1(モル比)の割合でグルタミン酸とエチルアミンを生じた。このように、単離物質がグルタミナーゼによって加水分解されたことから、エチルアミンがグルタミン酸のγ位に結合していたことが示される。また、加水分解で生じたグルタミン酸がL−体であることも、グルタミン酸デヒドロゲナーゼにより確認され、得られた単離物質がL−テアニンであることを確認した。以上より、225nmolのL−テアニンを得た。なお、副生成物のグルタミン酸は20nmolであった。製造例2茶(Camellia sinensis L.)葉10kgを熱水で抽出後、カチオン交換樹脂〔室町化学工業(株)製Dowex HCR W−2〕に通し、1N NaOHにより溶出した。溶出画分を活性炭〔二村化学工業(株)製 太閤活性炭 SG〕に通し、15%エタノールによる溶出画分をRO膜〔日東電工(株)製 NTR 729 HF〕を用いて濃縮し、カラムクロマトグラフィーにて精製し、更に再結晶を行い、L−テアニン24.8gを得た。実施例1製造例1で得たL−テアニンを用いて下記の処方でテアニン配合キャンディーを製造した。テアニン配合キャンディー1.グラニュー糖 64部2.水飴 23部3.L−テアニン 10部4.香料(レモンフレーバー) 0.05部5.酒石酸 1部6.水 30部グラニュー糖を水20部に完全に溶解しながら110℃まで加熱し、水飴を加えて、145℃まで温度を上げた。火を止め、酒石酸を添加し混合した後、予めL−テアニンを溶解させた残りの水を加えた。再度混合し、75〜80℃まで冷却し、成形ローラーで成形し、1粒1gのキャンディーを得た。実施例2製造例2で得たL−テアニンを用いて下記の処方でテアニン含有カプセルを製造した。テアニン含有カプセル1.L−テアニン〔太陽化学(株)製〕 98部2.アラビアガム〔五協産業(株)製〕 2部常法に従ってL−テアニンの粉末をアラビアガムによりコーティングし、テアニン含有カプセルを得た。実施例3実施例1で製造したキャンディーを寝付きの悪さに悩むパネラー5名(床に就いてから1時間以上1.5時間未満の時間範囲で睡眠に至ることができない者)に床に就く30分前に1粒服用させたところ、服用4日で2名の寝付きが改善され、12日で全員寝付きが改善された(床に就いて約20分間以内に睡眠に至ることができるようになった)。又、好ましくない副作用は何等観察されなかった。なお、かかる試験を行う半月前にテアニン含有カプセル中のテアニンを乳糖に置き換えたカプセル(プラセボ)を用いて同様に試験を行ったが、なんら寝付きは改善されなかった。実施例4実施例2で得られたテアニン含有カプセル(L−テアニン:200mg/個)1個を不眠症と診断されるパネラー3名(床に就いて1.5時間以上に渡り睡眠に至ることができない者)に床に就く30分前に服用させたところ、服用4日で3名とも不眠症が解消された(床に就いて約20分間以内に睡眠に至ることができるようになった)。又、好ましくない副作用は何等観察されなかった。なお、かかる試験を行う半月前にテアニン含有カプセル中のテアニンを乳糖に置き換えたカプセル(プラセボ)を用いて同様に試験を行ったが、なんら不眠症は解消されなかった。産業上の利用可能性本発明によれば、副作用の恐れがなく、誰もが安心して日常的に使用できる睡眠促進用組成物が提供される。また、本発明によれば、睡眠障害を有する個体に適用される睡眠促進効果を有する食品および医薬品が提供される。さらに、本発明によれば、テアニンを睡眠障害を有する個体に投与する睡眠促進方法が提供される。 床に就いてから1時間以上1.5時間未満の時間範囲で睡眠に至ることができない寝付きの悪いヒトに対して、寝付きを改善するための、テアニンを含有することを特徴とする寝付き改善剤。 成人1日当たり、テアニンが0.5〜200mg/kg体重で投与される、請求項1記載の寝付き改善剤。