タイトル: | 特許公報(B2)_hCGの精製方法及び本法により精製した組換えhCG |
出願番号: | 2001562554 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | C07K 1/36,C07K 14/59,C12P 21/02,G01N 30/26,G01N 30/46,G01N 30/88,G01N 30/96,C12N 15/09 |
パラディージ,ジャンフランコ ロッシ,マーラ スカグリア,ラウラ JP 4588960 特許公報(B2) 20100917 2001562554 20010122 hCGの精製方法及び本法により精製した組換えhCG メルク セローノ ソシエテ アノニム 309025524 青木 篤 100099759 石田 敬 100077517 福本 積 100087871 古賀 哲次 100087413 鶴田 準一 100092624 永坂 友康 100111903 渡辺 陽一 100117019 中村 和広 100108903 越阪部 倫子 100127085 中村 和美 100134784 池田 達則 100138210 中島 勝 100141977 小池 慎太郎 100145436 小林 良博 100102990 出野 知 100128495 蛯谷 厚志 100093665 パラディージ,ジャンフランコ ロッシ,マーラ スカグリア,ラウラ EP 00103690.4 20000222 20101201 C07K 1/36 20060101AFI20101111BHJP C07K 14/59 20060101ALI20101111BHJP C12P 21/02 20060101ALI20101111BHJP G01N 30/26 20060101ALI20101111BHJP G01N 30/46 20060101ALI20101111BHJP G01N 30/88 20060101ALI20101111BHJP G01N 30/96 20060101ALI20101111BHJP C12N 15/09 20060101ALN20101111BHJP JPC07K1/36C07K14/59C12P21/02 CG01N30/26 AG01N30/46 AG01N30/88 JG01N30/96 DC12N15/00 A C07K1/00-19/00 C12P1/00-41/00 CA/MEDLINE/BIOSIS/WPIDS(STN) JSTPlus(JDreamII) PubMed 国際公開第98/020039(WO,A1) 特表平04−503606(JP,A) Journal of Chromatography B,1997年,Vol.699,p.383-401 7 EP2001000665 20010122 WO2001062773 20010830 2003524015 20030812 13 20080121 福澤 洋光 【0001】発明の分野本発明は絨毛性ゴナドトロピンの精製方法、特に未精製組換えヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)からの組換えhCGの精製に関する。前記方法はイオン交換クロマトグラフィー及び逆相HPLCの使用を含む。【0002】絨毛性ゴナドトロピンは胎盤により産生されるホルモンであり、そしてもとは妊娠している女性の尿から得ていた。【0003】前記ホルモンは非共有結合のα及びβサブユニットから成るヘテロダイマーである。その作用は主にゴナドトロピン黄体形成ホルモンのそれである。【0004】絨毛性ゴナドトロピンは、ゴナドトロピンの欠損又は低濃度に起因する無排卵性不妊症の治療において、卵胞の発達を卵胞刺激ホルモン又は閉経期尿性腺刺激ホルモンにより刺激した後の排卵の誘発を女性に与える。5000〜10000単位の単回投与が筋中注射により与えられ、通常排卵を刺激する黄体形成ホルモンの月経中期のピークを模倣する。絨毛性ゴナドトロピンはメノトロピンと、そして時々クエン酸クロミフェンとも連結した状態で、インビトロ受精手順、並びに過剰排卵及び卵母細胞収集を含めた他の補助的な受胎技術のための添加物として与えられもする。男性において、それは思春期前の停留睾丸の治療に使用されている。投与計画は大きく変化するが、筋中注射により用量は通常500〜4000単位の範囲で週3回である。【0005】それは低ゴナドトロピン性性機能低下症に関係した男性不妊のために与えられもする。同様に、その投与計画において相当なばらつきがあり、そして用量は500〜4000単位、週2〜3回まで変化する。卵胞刺激活性を有する作用物質、例えばメノトロピンが正常な精子形成を可能にするためによく加えられる。精子減少症のために、メノトロピン又は他の卵胞刺激製剤と一緒に3000単位までの用量の絨毛性ゴナドトロピンが適用されうる。男性の性腺機能低下症に関係した思春期遅延の治療において、500〜1500単位の用量が週2回与えられる;その用量は血漿テストステロン濃度に対して滴定されるべきである。【0006】未加工の尿サンプルからのhCGの分離及び精製のためのさまざまな方法が使用されている(Birken et al., Endocrinology, 133 (3) : 1390-7, 1993 ; Sakakibara et al., Chem. Pharm. Bull., 35 (5) : 1414-6, 1990 ; Donini et al., Acta Endocrinol., 73 (1) : 133-45, 1973)。最近、膜ろ過アフィニティー・クロマトグラフィーと称する、アフィニティー・クロマトグラフィーのさまざまな方法が開発され、そして尿からのhCG精製に適用されている(Xu et al., Protein expression and purification, 16 : 221-3, 1999)。前記方法はアフィニティー・クロマトグラフィーのカラムの固相としてBrCN活性化セファロースの使用を避け、そしてアフィニティー・クロマトグラフィーによる尿サンプルからのhCGの通常の精製方法の変化を示す。この方法に伴う精製hCGの免疫活性は8554IU/mgである。【0007】組換えhCGは、他のゴナドトロピン・ホルモン及びヒト起源の夾雑物を欠き、そしてヒトの尿中に存在するものより特異的であるという利点を有する。しかしながら、組換えhCGの未精製標本はその組換え物産生に用いた細胞の他のタンパク質及び夾雑物の全てを含むので、組換え絨毛性ゴナドトロピンの絶対的な純度を達成するための方法には大きな価値がある。【0008】本発明の概要我々は、組換え処理の後に得られた培地の濃縮サンプル由来の、又は妊娠している女性の尿の未精製濃縮物由来のhCGの未精製標本を、得られたhCGが未精製hCG標本中に含まれるタンパク質又は他の夾雑物を含まないように精製しうることをここで発見した。【0009】前記精製方法はイオン交換クロマトグラフィー及び逆相HPLCの使用に基づく。サイズ排除カラムのさらなる使用の可能性はあらゆる残余の微量な夾雑物の除去をもたらす。最適な結果は少なくとも2ステップのイオン交換クロマトグラフィーが実施される場合に得られる。【0010】本発明の方法は組換え処理に由来した培地の未精製標本からの組換えhCGの精製に使用される。そのr−hCGは、高純度及び高い特定の生理活性(23,000〜28,000IU/mgの範囲)を手に入れ、培地中に存在した場合、ウシ胎児血清(FBS)タンパク質を、そして組換え処理に使用した宿主細胞に含まれる核酸及び他の夾雑物を実質的に含まない。【0011】本発明の方法は妊娠している女性の尿の未精製濃縮物から開始される尿hCGの精製、及び例えばウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、及びサルを含む他の哺乳動物からのCGの精製に良好に使用される。【0012】イオン交換クロマトグラフィー及び逆相HPLCの使用を含むサンプルからのhCGの精製方法の提供は本発明の目的である。前記方法はサンプルをイオン交換クロマトグラフィーに供し、そしてその溶出物を逆相HPLCに供するステップを含む。前記溶出物をサイズ排除カラムに注ぐさらなるステップを場合により実施しうる。前記精製方法から最適な結果を得るために異なる条件下で2のイオン交換クロマトグラフィー・ステップを好ましくは実施する。本発明の方法の好ましい態様は以下の:(a)サンプルをシリカ・クロマトグラフィー・カラムに通して、溶出し;(b)DEAEセファロース・イオン交換クロマトグラフィー・カラムに通して、溶出し;(c)CM−セファロース・イオン交換クロマトグラフィー・カラムに通して、溶出し;(d)シリカC18逆相HPLCカラムに通して、溶出し;そして(e)セファクリル・サイズ排除クロマトグラフィー・カラムに通して、溶出する、のステップを含む。【0013】本発明の好ましい態様において、DEAEセファロース・イオン交換カラムを通した後の溶出は約pH7.5のリン酸ナトリウム・バッファーにより行われる。【0014】CM−セファロース・イオン交換カラムを通した後の溶出は約pH6のリン酸ナトリウム・バッファーにより好ましくは行われる。【0015】ステップ(d)の逆相HPLCは移動相として2−プロパノール/トリス−リン酸バッファーを用いて好ましくは行われる。【0016】本発明のCGは、好ましくはヒトCG、そして最も好ましくは組換え処理に利用したCHO細胞の培地由来の組換えhCGである。【0017】好適な賦形剤と一緒に治療として有効量の、前記組換え処理により調製された精製組換えhCGを含む医薬組成物の提供は本発明のさらなる目的である。好適な賦形剤の一例は凍結乾燥製品の安定化を助けるショ糖である。組換えhCGの医薬組成物は皮下投与に特に好適である。【0018】本発明の詳細な説明本発明はhCGの精製方法、特に組換え処理からの未精製培地からの組換えhCGの精製方法を提供する。そのr−hCGは高い純度及び高い特定の生理活性(23,000〜28,000IU/mgの範囲)を手に入れ、培地中に存在する場合、ウシ胎児血清を、そして組換え処理に用いられた宿主細胞に含まれる核酸又は他の夾雑物を実質的に含まない。本発明は、出発材料サンプルとして生物材料、特にhCG及び本明細書中に言及される他の夾雑物を含む未精製材料への使用を意図する。以下に詳細に記載される実施例は、バイオリアクターからの細胞培養上清培地から得られたr−hCGを含む出発材料サンプルを使用する。あるいは、サンプルは、妊娠した女性からの未精製濃縮尿である。【0019】前記サンプルは2日以上バイオリアクター内を潅流させた細胞培養上清培地の新たな採取により与えられる。好ましくは前記上清はろ過により不純物を除かれる。必要であれば、前記未精製溶液は濃縮され、そして細胞培養由来の夾雑物を除去するためにC4シリカ・クロマトグラフィーに供される。【0020】限外ろ過後の半精製産物は次に好ましくは2度実施される、そして好ましくは異なる条件で実施されるイオン交換クロマトグラフィー及び逆相HPLCに供される。最初のDEAEセファロース・イオン交換ステップは、基本的に大部分の非hCGタンパク質及びDNAを除去するhCG「貫流」ステップとしての機能を果たすために実施される。好ましくはCM−セファロース・カラムを通す第2のイオン交換ステップはhCG結合ステップとしての機能を果たし、そして残留DNA及び宿主細胞又は培地のタンパク質夾雑物を除去する。好ましい態様において、このステップは、約pH6のリン酸ナトリウム・バッファーにより溶出し、約5℃で実施される。【0021】シリカC18カラムによる逆相クロマトグラフィーは、微量の核酸及び細胞培養由来の夾雑物の除去に効果的である。好ましくは前記カラムが移動相としての2−プロパノール/トリス−リン酸バッファーにより溶出される。好ましくは次にその保持物溶液を10kDカットオフ限外ろ過に供し、濃縮し、そしてpH8の炭酸水素アンモニウムにより回収される。次に前記濃縮物をセファクリルS200HRによるサイズ排除クロマトグラフィー・カラムに注ぐ。このステップにおいて、分子サイズに基づく分離は、pH8の炭酸水素アンモニウムによる溶出でなおも存在しうる微量の細胞培養由来の夾雑物、可能性のある集合体、及び遊離のhCGサブユニットの除去を達成する。次にその溶出物を好ましくはpH7のリン酸ナトリウム・バッファー中、10kDカットオフの膜による限外ろ過により透析する。ろ過後、精製hCGバルクを好ましくは滅菌瓶中、低温で保存する。【0022】実施例1試薬:アンモニア、分析用グレード炭酸水素アンモニウム、分析用グレード(B.P.)リン酸水素二ナトリウム、分析用グレード無水変性エタノールリン酸、分析用グレード(Ph. Eur.)2−プロパノール、分析用グレード(Ph. Helv.)塩化ナトリウム、分析用グレード(Ph. Eur.)リン酸二水素ナトリウム、分析用グレード水酸化ナトリウム・ペレット、分析用グレード(Ph. Eur.)トリフルオロ酢酸(TFA)、HPLC用グレードトリス−(ヒドロキシメチル)アミノメタン、分析用グレード精製方法を要約したフロー図細胞培養工程由来の採取材料を一連の5のクロマトグラフィーのステップにより精製及び濃縮する。【0023】以下のフロー図(表1)はr−hCG精製方法の好ましい態様を要約し、クロマトグラフィーのカラムの樹脂及び各中間ステップの操作の原理の要点をまとめる。【0024】【表1】【0025】詳細なフロー図及び工程の説明を以下に示す。捕捉ステップ(ステップI)で提供される条件は未精製材料が組換え起源である時、普通に適用されるものである。【0026】ステップI(捕捉ステップ)このステップ(ステップI)において、予備的な濃縮を達成し、そしてバッファーを制御された組成物に変更する。このステップを室温で始め(シリカC4クロマトグラフィー)そして次に約+5℃で続ける。好ましい温度範囲は5±3℃である。これをバイオリアクターの産生サイクルの間、個別にそれぞれの産物に対して続ける。【0027】(i)産物の浄化バイオリアクターから新たに収集した培地をろ過により通常最初に不純物を取除く。【0028】(ii)シリカC4クロマトグラフィー浄化の後、産物を、前もってpH7の25mMリン酸ナトリウムにより平衡化したC4シリカ・クロマトグラフィー・カラムに流す。好ましいpH範囲は6.6〜7.7である。前記カラムをUVモニターのシグナルがベースラインに戻るまで25mMリン酸ナトリウムにより洗浄する。次に前記産物を25mMリン酸ナトリウム中、34.2%(w/w)2−プロパノールにより溶出する。【0029】(iii)アンモニア処理次に1Mの終濃度に達するまでその溶液にアンモニアを加える。この混合物を6時間インキュベートする。次にこの溶液を水により2倍希釈し、そして85%リン酸を用いてpHを7.5に調整する。好ましいpH範囲は7.5±0.2である。【0030】(iv)濃縮及び透析バッチの間0.05M水酸化ナトリウム中に保存した10kDカットオフ膜をそのpHが約8に下がるまで精製水でリンスする。【0031】前記産物を濃縮及び透析して(10kD膜での限外ろ過による)10kDより小さな分子量をもつ物質を除去し、微量の2−プロパノールを除き、そしてアンモニア溶液をpH7.5の40mMリン酸ナトリウムに変える。好ましいpH範囲は7.5±0.2である。【0032】3〜15mg/mlの標的タンパク質濃度に達するように最終的な保持物を40mMリン酸ナトリウムにより膜から回収する。【0033】次にその溶液をろ過し、そして得られた濃縮物を約−15℃で冷凍して保存する。【0034】ステップII(ろ過及びDEAEセファロースFFクロマトグラフィーによるイオン交換)このクロマトグラフィー・ステップは大部分の非r−hCGタンパク質及び核酸を除去するr−hCG「貫流」ステップである。前記ろ過を室温で実施するのに対して、産物をカラムに通すクロマトグラフィーの段階を低温室内で実施する。【0035】(i)前記r−hCG濃縮未精製産物の解凍及びプール前記冷凍濃縮物を解凍し、そしてプールする。精製バルクr−hCGのバッチを、同様に機能する細胞バンクから産生された変更可能な数のr−hCG未精製濃縮物のプールから調製する。r−hCG未精製濃縮プールの数に対する判断基準は精製工程における次のクロマトグラフィー・ステップの最大タンパク質結合容量に依存する(4mg総タンパク質/mg樹脂)。【0036】(ii)ろ過による浄化好ましくは前記r−hCG溶液をろ過器具に通し、そしてそのフィルターをpH7.5の40mMリン酸ナトリウムにより洗浄する。【0037】(iii)DEAEセファロースFFによるイオン交換クロマトグラフィー弱荷電アニオン交換樹脂、ジエチル・アミノ・エタン(DEAE)セファロース・ファースト・フロー(Sepharose Fast Flow)を充填したカラムを40mMリン酸ナトリウム(pH7.5)により平衡化する。【0038】前記r−hCG溶液をそのカラムに流す。【0039】そのカラムにpH7.5の40mMリン酸ナトリウムを流す。このクロマトグラフィー工程を280nmでの分光測定により観察する。【0040】溶出始めのピークまで初めの廃液を捨てる。次にr−hCGを含む非結合画分を回収する。【0041】ステップIII(CMセファロースFFクロマトグラフィー)このクロマトグラフィー・ステップにおいて、大部分の宿主細胞の夾雑物が除去される。このクロマトグラフィー・ステップを約+5℃で実施する。好ましい温度範囲は5±3℃である。【0042】(i)前記DEAEセファロースFF溶出物の希釈注射用水をDEAEセファロースFF溶出物に加え、そしてそのpHを85%リン酸を用いて6に調整する。好ましいpH範囲は6±0.1である。【0043】(ii)CMセファロースFFによるイオン交換クロマトグラフィー弱荷電カチオン交換樹脂、カルボキシメチル(CM)セファロース・ファースト・フローを充填したカラムを20mMリン酸ナトリウム(pH6)により平衡化する。好ましいpH範囲は6±0.1である。【0044】前記r−hCG溶液をそのカラムに流す。【0045】カラムをpH6の20mMリン酸ナトリウム・バッファーにより洗浄する。このクロマトグラフィー工程を280nmでの分光測定により観察する。【0046】産物をpH6の130mMリン酸ナトリウム・バッファーを用いて溶出する。溶出始めのピークまで初めの廃液を捨てる。【0047】r−hCGを含む溶出ピークを回収する。ウイルスの夾雑物を除去するために産物を場合によりこの段階でろ過しうる。【0048】ステップIV(シリカC18によるRP−HPLC)このRP−HPLCクロマトグラフィー・ステップは微量の細胞培養夾雑物、核酸残留物、及びエンドトキシンの除去に効果的である。それに10kDカットオフ限外ろ過及び補足的なろ過が続く。【0049】(i)アリコートの調製アリコートのpHを5に調整し、そして2−プロパノールを15%(v/v)の終濃度まで加える。【0050】(ii)シリカC18によるRP−HPLCクロマトグラフィーシリカC18樹脂を充填したカラムを0.5Mトリス−リン酸バッファー中、15%(v/v)2−プロパノールによりまず平衡化する。【0051】最初のアリコートをカラムに流し、そしてそのクロマトグラフィーをUV分光測定により観察する。【0052】カラムを同じ平衡化バッファーにより洗浄する。【0053】15%〜25%(v/v)の線形勾配の2−プロパノール/0.5Mトリス−リン酸バッファーによりr−hCGの溶出を続けて実施する。対応のピークが分光測定(A280 )により検出された時r−hCGが分画される。その吸光度が、ピークが高くなる時点で最大のピーク高の65%超、そしてピークが低くなる時点で最大ピーク高の20%超である画分をプールする。【0054】次にその4のr−hCG含有プールをためて、そして等量の注射用水(WFI)により希釈する。【0055】その産物を濃縮及びWFIに対して透析し(10kD膜での限外ろ過による)10kDを下回る分子量をもつ物質を除去し、そして2−プロパノールを除く。【0056】次にその産物をpH8の0.1M炭酸水素アンモニウム・バッファーに対して限外ろ過により透析する。【0057】得られた中間物質を約+5℃又は必要であれば冷凍で保存する。好ましい保存温度はそれぞれ5±3℃及び−15℃以下である。【0058】ステップV(セファクリルS−200HRによるサイズ排除クロマトグラフィー)このサイズ排除クロマトグラフィーは微量の細胞培養由来の夾雑物、予想しうる集合体、及び/又は遊離サブユニットの除去に効果的である。これに10kDカットオフ限外ろ過が続く。セファクリルS−200HR及び10kDカットオフ限外ろ過ステップを約+5℃で実施する。好ましい温度範囲は5±3℃である。【0059】(i)セファクリルS−200HRによるサイズ排除セファクリルS−200HR樹脂を充填したカラムを0.5M炭酸水素アンモニウム(pH8)により平衡化する。好ましいpH範囲は8±0.2である。前記r−hCG溶液をそのカラムに流し、そしてpH8の0.5M炭酸水素アンモニウムを用いて溶出を始めた。好ましいpH範囲は8±0.2である。r−hCG画分の回収をピークの始まりから開始し、そしてピークが低下する場面で最大ピーク高の50%水準となるまで続けた。【0060】(ii)10kDカットオフ限外ろ過バッチの間0.05M水酸化ナトリウム中に保存した10kDカットオフ膜をpHが約8に下がるまでWFIによりリンスした。【0061】その産物を濃縮及びWFIに対して透析する(限外ろ過による)。【0062】次にその産物をpH7の0.01Mリン酸ナトリウム・バッファーに対して(限外ろ過により)透析し、そして3.5mg/mlの標的の終濃度を達成するために最終タンパク質濃度を調整する。【0063】好ましくは得られたr−hCG最終バルク溶液を約−15℃で冷凍して保存する。【0064】クロマトグラフィー樹脂以下のクロマトグラフィー樹脂を本精製方法に利用しうる:同等の樹脂を利用することもできる。【0065】現行の製造業者は以下のとおりである:Amersham Pharmacia Biotech,Bjoerkgatan 30 S-751 84, Uppsala SwedenMillipore Corporation17 Cherry Hill Drive Danvers, MA 01923 USAVydac, The Separations Group,17434 Mojave St. Hesperia, CA 92345 USA結果・分子量及びサイズSDS−PAGE本発明の精製方法を受けて得られたr−hCGの相対分子量を既知の分子量の標準タンパク質に対してSDS−PAGEにより決定した。クーマシー・ブリリアント・ブルー染色後、非還元SDS−PAGEは、約分子量70kD(65〜75kDの範囲)にr−hCGヘテロダイマーの幅広い単独のバンドを示した。そのバンドの正体をウェスタン・ブロッティングにより確かめた。【0066】・生理活性本発明の方法による精製後の異なるバッチのr−hCGの生理活性を表2に報告する。そのタンパク質濃度は276.5nmでの分光測定により決定したa=0.616。【0067】前記r−hCG標本の平均の特定の活性は、著しく高く、約25,000IU/mgにのぼる。【0068】【表2】【0069】・製剤液体及び凍結乾燥製剤の両方を本発明の高度に精製した組換えhCGを用いて作製した。【0070】液体製剤賦形剤としてマンニトール又はショ糖を用いた10000IU/mlの2つの液体製剤をDIN 2Rバイアル中に作製し、そして50、40、25、及び4℃での安定性試験に供した。【0071】その組成を表3及び4に表す。【0072】【表3】【0073】【表4】【0074】バイオアッセイ、SE/HPLC、及びRP−HPLCにより行った安定性試験の結果は、マンニトール製剤がショ糖製剤に関してより安定であることを示した。タンパク質の酸化及び遊離サブユニットの形成を最小化するために好ましくは冷蔵保存条件が要求される。【0075】凍結乾燥製剤5000IU力価の凍結乾燥製剤を賦形剤としてショ糖を用いて、50、40、25、及び4℃での安定性試験のためにDIN 2Rバイアル中に作製した。【0076】その組成を表5に表す。【0077】【表5】【0078】バイオアッセイ、SE/HPLC、及びRP−HPLCにより行った安定性試験の結果は、この凍結乾燥製剤が40℃及び50℃で少なくとも19週間安定であることを示した。【0079】25℃及び4℃での安定性試験を6ヶ月まで実施し、活性物質の分解がないことを示した。 以下のステップ: (a)サンプルをシリカ・クロマトグラフィー・カラムに通して溶出し; (b)サンプルをイオン交換クロマトグラフィー・カラムに通して溶出し; (c)第2のイオン交換クロマトグラフィー・カラムに通して溶出し; (d)逆相HPLCカラムに通して溶出し;そして (e)その溶出液をサイズ排除クロマトグラフィーに適用する、を含む、サンプルから23,000〜28,000IU/mgの範囲の特定の生理活性を有する組換えhCGを調製するための方法。 以下のステップ: (a)サンプルをシリカ・クロマトグラフィー・カラムに通して溶出し; (b)サンプルをDEAEセファロース・イオン交換クロマトグラフィー・カラムに通して溶出し; (c)CM−セファロース・イオン交換クロマトグラフィー・カラムに通して溶出し; (d)シリカC18逆相HPLCカラムに通して溶出し;そして (e)その溶出液をセファクリル(Sephacryl)サイズ排除クロマトグラフィーに適用する、を含む、サンプルから請求項1に記載の組換えhCGを調製するための方法。 DEAEセファロース・イオン交換クロマトグラフィーを通しての溶出がpH7.5のリン酸ナトリウム・バッファー中で行われる、請求項2に記載の方法。 CM−セファロース・イオン交換クロマトグラフィーを通しての溶出がpH6のリン酸ナトリウム・バッファー中で行われる、請求項2又は3に記載の方法。 ステップ(d)の逆相HPLCが、移動相として2−プロパノール/トリス−リン酸・バッファーを用いて行われる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。 ステップ(e)のサイズ排除クロマトグラフィーが、移動相として炭酸水素アンモニウム・バッファーを用いて行われる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。 前記サンプルがCHO細胞からの培地である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。