生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_アクリル系の腸溶性コーティング組成物
出願番号:2001557540
年次:2012
IPC分類:A61K 47/02,A61K 9/32,A61K 47/04,A61K 47/10,A61K 47/14,A61K 47/30,A61K 47/32,A61K 47/34,A61K 47/36,A61K 47/38


特許情報キャッシュ

チッタムル,ラミレディー レイエス,ジョージ ファーレル,トーマス,ピー. ヴェジー,チャールズ,エフ. メーラ,デヴ,ケー. ペテライト,ハンス−ウルリッヒ レーマン,クラウス JP 4914552 特許公報(B2) 20120127 2001557540 20010209 アクリル系の腸溶性コーティング組成物 ビーピーエスアイ ホールディングス,インコーポレーテッド 501306494 ローム ゲーエムベーハー 502292949 平木 祐輔 100091096 藤田 節 100118773 石井 貞次 100096183 チッタムル,ラミレディー レイエス,ジョージ ファーレル,トーマス,ピー. ヴェジー,チャールズ,エフ. メーラ,デヴ,ケー. ペテライト,ハンス−ウルリッヒ レーマン,クラウス US 09/501,866 20000210 US 09/766,859 20010119 20120411 A61K 47/02 20060101AFI20120322BHJP A61K 9/32 20060101ALI20120322BHJP A61K 47/04 20060101ALI20120322BHJP A61K 47/10 20060101ALI20120322BHJP A61K 47/14 20060101ALI20120322BHJP A61K 47/30 20060101ALI20120322BHJP A61K 47/32 20060101ALI20120322BHJP A61K 47/34 20060101ALI20120322BHJP A61K 47/36 20060101ALI20120322BHJP A61K 47/38 20060101ALI20120322BHJP JPA61K47/02A61K9/32A61K47/04A61K47/10A61K47/14A61K47/30A61K47/32A61K47/34A61K47/36A61K47/38 A61K 47/00-47/48 A61K 9/00-9/72 特開平07−002648(JP,A) 特開昭61−176536(JP,A) 国際公開第98/000114(WO,A1) 国際公開第00/003696(WO,A1) 国際公開第98/010754(WO,A1) 国際公開第00/012064(WO,A1) 特表平10−506913(JP,A) 23 US2001004167 20010209 WO2001058429 20010816 2003522139 20030722 16 20080115 福井 悟 【0001】発明の背景1. 発明の分野本発明は、胃液中でのコーティング錠の成分の放出を防止し、腸内でその錠剤成分を放出させるための、医薬錠剤等の腸溶性水性フィルムコーティングの分野に関する。より具体的には、本発明は、胃液中で不溶性であって、腸内では可溶性のコーティングを用いて医薬品をコーティングするのに使用し得る腸溶性の水性コーティング懸濁液の調製に使用するための、アクリル樹脂を基剤とした、完全に処方された、非毒性で、可食性の、腸溶性フィルムコーティング用乾燥粉末組成物を提供することに関する。【0002】2. 先行技術の説明いくつかの腸溶性の水性フィルムコーティング系が知られている。これらの例としては、セルロースアセテートフタレートを基剤とするAQUATERIC系、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)を基剤とするSURETERIC系、および、アクリル酸エステルとメタクリル酸とのコポリマーを基剤とするEUDRAGIT L系を挙げることができる。AQUATERIC系およびEUDRAGIT L系の両方とも、腸溶性コーティング懸濁液を調製するのに少なくとも3つの工程段階を必要とする。AQUATERIC系に関しては、AQUATERIC粉末を水に分散し、続いて、可塑剤トゥイーン(Tween)80と必要に応じて顔料を徐々に添加し、AQUATERIC懸濁液を調製する。EUDRAGIT L系は、粉末(L100-55)または水性分散液(L30-D)として入手可能である。「EUDRAGIT L Technical Application Pamphlet (Info LD-13/e)」(Rohm Pharma GmbH発行)に、以下の工程を含む腸溶性の水性分散液を調製するための段階的手順が詳細に記載されている:1)EUDRAGIT L100-55粉末を水に添加する;2)予め計算した量の水酸化ナトリウム水溶液を滴下する;3)中程度かつ制御可能な速度で作動する単純なスターラーを用いて30分間にわたり分散液を攪拌する;4)懸濁液をろ過する;5)続いて、可塑剤(EUDRAGIT L100-55粉末に関しては10重量%の推薦される使用レベルで)、「分離剤」および消泡剤を、ろ過後の懸濁液に添加する;6)さらに攪拌する;そして、7)最終ろ過を行なう。このパンフレットに記載されている特別な注意事項としては、電解質の存在、泡の形成、熱や霜への曝露、微細な顔料の存在、高速スターラーとミルを使用する際の高剪断勾配への曝露の結果として、EUDRAGIT L水性分散液の凝集が生じる可能性があるという警告が含まれる。さらに、特別な注意事項として、特定の配合比を注意深く監視する必要性が指摘されている。逸脱した配合は、凝集体の形成を結果として生じ、パンフレットに記載されているように、再分散させることを「不可能」にし、完全な水性分散液を使用に適さなくするからである。【0003】EUDRAGIT L30-D懸濁液は、水中に30重量%で含まれるエチルアクリレート/メタクリル酸コポリマーの予め中和された分散液である。「EUDRAGIT L Technical Application Pamphlet (Info LD-11/e)」(Rohm Pharma GmbH)に、以下の工程を含むEUDRAGIT L30-D懸濁液を基剤とする完全な水性分散系を調製するための多段階工程が詳細に記載されている:1)可塑剤を添加する;2)「分離剤」を添加する;3)消泡剤を添加する;4)必要に応じて顔料を添加する;5)攪拌する;そして、6)最終ろ過を行なう。EUDRAGIT L100-55粉末に対して記載されているものと同じ特別な注意事項が、EUDRAGIT L30-D懸濁液のパンフレットにも載っている。【0004】SURETERIC組成物は、Colorconによる米国特許第5,733,575号(参照により本明細書に組み入れる)に記載されており、2段階で消泡剤と一緒に水中へ容易に分散させることができる腸溶性フィルムコーティングプレミックスの完全な配合を教示することにより当分野の技術を進歩させた。このSURETERIC系は、コーティング中に、得られた水性分散液中で懸濁固体が沈澱することを防ぐために、粘度調整剤の添加を必要とする。Lehmannらによる米国特許第4,520,172号(参照により本明細書に組み入れる)は、EUDRAGIT Lコポリマーと適切なアルカリ化剤または「塩形成試薬」の2成分混合物を開示している。しかしながら、SURETERIC系と類似するEUDRAGIT L系のエチルアクリレートとメタクリル酸のコポリマーを基剤とする腸溶性フィルムコーティング系は知られていなかった。さらに、Rohm Pharma 社の文献に載っている注意事項、およびPVAPとメタクリル酸/エチルアクリレートのコポリマーとの化学的相違を考慮すると、Lehmannらによる2成分系が完全に処方された固体組成物にも拡張できるのであれば、そしてまた、腸溶性フィルムコーティングを施すためにその組成物を容易に水中へ分散させることができるのであれば、それは驚くべきことで予想外のことである。【0005】発明の概要本発明の目的は、水中で容易に分散して医薬錠剤等に適用し得る、EUDRAGIT Lコポリマーを基剤とする、完全に処方された腸溶性フィルムコーティング組成物を提供することである。【0006】本発明の別の目的は、調製時に固まらない、EUDRAGIT Lコポリマーを基剤とする、完全に処方された腸溶性フィルムコーティング組成物を提供することである。【0007】本発明の別の目的は、温度および湿度が高い状態で保存した際に凝集体を形成しない、EUDRAGIT Lコポリマーを基剤とする、完全に処方された腸溶性フィルムコーティング組成物を提供することである。【0008】本発明の別の目的は、医薬錠剤の適用時に不粘着コーティングを形成するコーティング分散液を調製するために水中へ容易に分散させることができる、EUDRAGIT Lコポリマーを基剤とする、完全に処方された腸溶性フィルムコーティング組成物を提供することである。【0009】本発明の別の目的は、レーキ顔料および中和剤を含み、該レーキ顔料が水中に分散させたとき安定している、完全に処方された腸溶性フィルムコーティング組成物を提供することである。【0010】本発明の別の目的は、医薬錠剤に適用したとき、極めて優れたフィルム強度のフィルムコーティングをもたらすコーティング分散液を調製するために、水中へ容易に分散させることができる、EUDRAGIT Lコポリマーを基剤とする、完全に処方された腸溶性フィルムコーティング組成物を提供することである。この異常なほどのフィルム強度は、「応力崩壊試験」における優れた結果によって証明される。【0011】本発明の別の目的は、凝固物が形成することなく水中で分散する、EUDRAGIT Lコポリマーを基剤とする完全に処方された腸溶性フィルムコーティング組成物を提供することである。【0012】本発明の別の目的は、EUDRAGIT Lコポリマーを基剤とする水性フィルムコーティング分散液を調製する工程数を6またはそれ以上から2にまで減らし、これにより、水性フィルムコーティング分散液を調製するための全時間を約90分から約20分に短縮するという有益な結果を達成することである。【0013】上記の目的および本発明の他の目的は、以下に記載する本発明によって達成される。【0014】詳細な説明本発明に従い、医薬錠剤をコーティングする際に使用し得る腸溶水性懸濁液の調製に使用するための、本発明の非毒性で、可食性の、腸溶性フィルムコーティング用乾燥粉末組成物は、アクリル樹脂(例えば、EUDRAGIT Lコポリマー)、アルカリ化剤、および粘着防止剤(detackifier)を含む。必要に応じて、しかし、好ましくは、本発明の乾燥粉末組成物は、1種以上の次の添加剤を含むことができる:可塑剤、顔料、流動助剤、界面活性剤、抗凝集剤、第2フィルム形成剤、および第2粘着防止剤。本発明の特に好ましい実施形態において、本発明の乾燥粉末組成物は、アクリル樹脂、アルカリ化剤、粘着防止剤、可塑剤、顔料、流動助剤、界面活性剤、抗凝集剤、第2フィルム形成剤、および第2粘着防止剤を含む。【0015】本発明の乾燥粉末組成物の調製方法は、アクリル樹脂を、アルカリ化剤、粘着防止剤と、必要に応じて1種以上の次の添加剤:可塑剤、顔料、流動助剤、界面活性剤、抗凝集剤、第2フィルム形成剤、および第2粘着防止剤とも、混合する工程を含む。得られる腸溶性フィルムコーティング用乾燥粉末組成物および別途添加される消泡剤は、高剪断ミキサーを使用して、水(好ましくは脱イオン水)中に容易に分散され、15〜30分で使用する準備が整う。凝固物の形成を排除するため、より遅いスターラーよりもむしろ高剪断ミキサーが使用される。【0016】本発明に従い、医薬錠剤等の基体をコーティングする方法は、消泡剤と本発明の乾燥組成物とを順に水中へ混合してコーティング懸濁液を調製すること、該コーティング懸濁液を該基体上に適用してフィルムコーティングを該基体上に形成させること、および該基体上のフィルムコーティングを乾燥させることを含む。【0017】腸溶性ポリマーは、塩形成が可能なカルボン酸基を有する、少なくとも1種のビニルまたはビニリデン成分を含むアクリル樹脂である。アクリル樹脂は、塩形成が可能なカルボン酸基を有する、少なくとも1種のビニルまたはビニリデン成分および少なくとも1種のアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレート成分を含んでもよい。またアクリル樹脂は、塩形成が可能なカルボン酸基を有する、少なくとも1種のビニルまたはビニリデン成分、少なくとも1種のアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレート成分、ならびに、a)アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレート、およびb) 塩形成が可能なカルボン酸基を有するビニルまたはビニリデン成分、と共重合することができる、少なくとも1種の他のビニルまたはビニリデン成分を含んでもよい。さらに、アクリル樹脂は、塩形成が可能なカルボン酸基を有する少なくとも1種のビニルまたはビニリデン成分と、塩形成が可能なカルボン酸基を有する該ビニルまたはビニリデン成分と共重合することができる、少なくとも1種の他のビニルまたはビニリデン成分を含んでもよい。【0018】好ましくは、腸溶性ポリマーは、(1)20〜85重量%の、少なくとも1種のアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレート成分、(2) 80〜15重量%の、塩形成が可能なカルボン酸基を有する少なくとも1種のビニルまたはビニリデン成分、(3) 0〜30重量%の、上記成分(1)および(2)と共重合可能な、少なくとも1種の他のビニルまたはビニリデン成分、を含むアクリル樹脂である。本発明の特に好ましい実施形態において、アルキルアクリレート(1)はエチルアクリレートであり、ビニル成分(2)はメタクリル酸である。EUDRAGIT L100-55粉末は、この定義に合致するコポリマー系の1例である。【0019】好ましくは、該アクリル樹脂は、本発明の乾燥コーティング組成物の約20重量%〜約80重量%を占める。【0020】アルカリ化剤は、ナトリウムもしくはカリウムの重炭酸塩、炭酸塩、リン酸塩または水酸化物、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、あるいはそれらの混合物でありうる。使用するアルカリ化剤の量は、アクリル樹脂中に存在するカルボン酸含有ビニルまたはビニリデン成分の量に直接依存する。具体的には、該アルカリ化剤は、アクリル樹脂との反応後、酸基の0.1〜10モル%が塩の形で存在するような量で添加する。【0021】粘着防止剤は、タルク、アルミナ水和物、グリセリルモノステアレート、カオリン、またはそれらの混合物でありうる。この粘着防止剤は主として、本発明の組成物を基剤とした水性分散液を使用して医薬錠剤等のフィルムコーティングを行っている間に起こり得る、錠剤と錠剤との粘着現象を減らすために用いられる。好ましくは、粘着防止剤は、本発明の乾燥コーティング組成物の約5重量%〜約40重量%を占める。【0022】可塑剤は、クエン酸トリエチル、グリセリルトリアセテート、アセチルクエン酸トリエチル、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、200〜8000の分子量を有するポリエチレングリコール、グリセロール、ヒマシ油、酸化プロピレンと酸化エチレンとのコポリマー、またはその混合物でありうる。可塑剤が本発明の乾燥粉末組成物中に含まれない場合は、本発明のコーティング懸濁液中に別途可塑剤を混合する。好ましくは、可塑剤は、本発明のコーティング組成物の0重量%〜約20重量%を占め、より好ましくは、可塑剤は、本発明の乾燥コーティング組成物の約2重量%〜約20重量%を占める。【0023】顔料は、FD&CおよびD&Cレーキ、二酸化チタン、炭酸マグネシウム、タルク、焼成シリカ、酸化鉄、チャンネルブラック、リボフラビン、カルミン40、クルクミン、アナトー、不溶性染料、雲母および/もしくは二酸化チタンを基剤とするパール顔料、またはそれらの混合物でありうる。好適な顔料のその他の例が、Jeffriesによる米国特許第3,149,040号、Butlerらによる米国特許第3,297,535号、およびColorconによる米国特許第3,981,984号(これらの全てを参照により本明細書に組み入れるものとする)に示されている。さらに、顔料は、可塑剤を含むレーキブレンドおよびOPADRY着色コーティング組成物を含むことができ、その一部は、Colorconによる米国特許第4,543,370号(その全てを参照により本明細書に組み入れる)に開示されている。好ましくは、顔料は、本発明の乾燥コーティング組成物の0重量%〜約50重量%を占める。【0024】流動助剤は、Cabot, Inc.社によって商品名Cab-O-Silとして供給されるフュームドシリカ等のシリカでありうる。流動助剤は、ドライブレンド工程中およびその後ブレンダーから貯蔵容器に移す間、該粉末状組成物に流動性を付与するものである。好ましくは、流動助剤は、本発明の乾燥コーティング組成物の0重量%〜約3重量%を占める。【0025】界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ポリソルベート80、トゥイーン80またはそれらの混合物でありうる。好ましくは、界面活性剤は、本発明の乾燥コーティング組成物の0重量%〜約5重量%を占める。【0026】抗凝集剤は、カオリンでありうる。本発明の乾燥コーティング組成物中の抗凝集剤の量は、本発明の乾燥コーティング組成物の0重量%〜約40重量%の範囲である。驚くべきことに、粉末状組成物の調製中および温度と湿度が高い状態での最終組成物の保存中には、比較的低レベルのカオリンが凝集を防ぐことを見出した。好ましくは、カオリンは、該組成物の0重量%〜約40重量%のレベルで使用される。所定レベルのカオリンが、抗凝集剤として同様に知られたタルクやシリカの同量よりも顕著に大きな抗凝集効果を与える、ことが見出されたのは予想外であった。都合のよいことに、カオリンは、抗凝集剤であると同時に粘着防止剤としても働く。【0027】第2フィルム形成剤は、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(ナトリウムCMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、コンニャク粉、カラギーナン、その他のフィルム形成ポリマーまたはそれらの混合物でありうる。好ましくは、コーティング組成物中の第2フィルム形成剤の量は、本発明の乾燥コーティング組成物の0重量%〜約5重量%の範囲である。第2フィルム形成剤の使用によって、本発明の組成物のフィルム強度が向上する。驚くべきことに、Colorconによって開発された「応力腸溶試験」におけるコーティング性能によって示されるように、非常に低レベルの第2フィルム形成剤は、フィルム強度を向上させることができる。本発明の好ましい実施形態においては、本発明の組成物の0.5重量%のキサンタンガムの添加により、キサンタンガムを含まない組成物と比較して、応力腸溶試験ですぐれた結果が得られた。【0028】第2粘着防止剤は、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、その他の無機もしくは有機水封鎖剤(water-sequestering agent)、またはその混合物でありうる。好ましくは、コーティング組成物中の第2粘着防止剤の量は、本発明の乾燥コーティング組成物の0重量%〜約5重量%の範囲である。驚くべきことに、非常に低レベル(0重量%よりは高く5重量%まで)の第2粘着防止剤を添加することで、最も粘着しやすい処方物において、本発明の水性分散液を使用してフィルムコーティングした後、錠剤の粘着性が劇的に低減する。本発明の好ましい実施形態では、組成物のわずか0.15重量%のレベルで硫酸カルシウムを添加することによって、本発明の水性分散液でコーティングしたとき不粘着錠剤が形成される。驚くべきことに、所定レベルの硫酸カルシウムまたは同様の水封鎖性化合物は、タルクやグリセリルモノステアレート等の他の公知の粘着防止剤の同レベルと比較して、コーティング錠の粘着性を低減させるのに非常に効果的である。第2粘着防止剤は水封鎖剤として機能し、錠剤表面上の遊離水と結合することによって、水と凝集性ポリマーとの相互作用を妨げ、それによって、ポリマーのガラス転移温度(Tg)を効果的に高め、同時に、それ以上の軟化とそれに伴う同様の錠剤への粘着に対する抵抗性を増大させると予想される。【0029】利点を付与する本発明組成物の添加剤は1処方物中にできるだけ多く配合することが特に有利である。したがって、本発明の特に好ましい実施形態は以下の成分:1)アクリル樹脂(好ましくは組成物の約20重量%〜約80重量%)、2)アルカリ化剤(アクリル樹脂上のカルボン酸基の約0.1〜10モル%を中和する量で存在する)、3)粘着防止剤(好ましくは組成物の約5重量%〜約40重量%)、4)可塑剤(好ましくは組成物の約2重量%〜約20重量%)、5)顔料(好ましくは組成物の0重量%より多く約50重量%まで)、6)流動助剤(好ましくは組成物の0重量%より多く約3重量%まで)、7)界面活性剤(好ましくは組成物の0重量%より多く約5重量%まで)、8)抗凝集剤(好ましくは組成物の0重量%より多く約40重量%まで)、9)第2フィルム形成剤(好ましくは組成物の0重量%より多く約5重量%まで)、および10)第2粘着防止剤(好ましくは組成物の0重量%より多く約5重量%まで)を含む組成物である。【0030】予期せざることに、レーキ顔料を含有する上記の完全に処方された組成物を水に分散させると、レーキ顔料は完全に安定していることが見出された。すなわち、カラーブリード(color bleeding)が認められなかった。「カラーブリード」を防ぐには、着色剤を、中和工程(アクリルポリマーが中和剤と反応する工程)の完了後にのみ分散液に加えるべきであることを指示する当業界の現在の技術水準を考慮すると、このことは特筆すべきことである。【0031】本発明の組成物を調製するための好ましい方法は、「V-ブレンダー」、フードプロセッサーまたは類似の装置を用いて、従来どおりのドライブレンドを行なう方法である。こうした従来のブレンド技術によって調製した本発明の組成物は、医薬錠剤等の基体をフィルムコーティングするに先立ち、高剪断ミキサーを利用して水溶液中へ分散させる。高剪断ミキサーの利用によって、問題となる凝集体を形成することなく、均質な水性分散液を形成させることができる。さらに、以下の実施例によって本発明を例示する。【0032】実施例実施例1アスピリンコア(合計装填量2.5Kg、1錠当たりアスピリン325mg)を、白色Opadry(登録商標)IIコーティング組成物(処方物 #574-39)から調製したサブコーティング分散液と、本発明の組成物から調製した腸溶性コーティング懸濁液とで、順にコーティングした。まず、乾燥OpadryII配合物(50g)を脱イオン水(250g)中に添加し、この混合物をプロペラ混合器で30分間攪拌することにより、OpadryIIサブコーティング分散液を調製した。このようにして、均質な分散液が得られた。【0033】実施例1における本発明の腸溶性乾燥粉末組成物は、Eudragit(登録商標)L100-55粉末(120.3g、48.13重量%)、重炭酸ナトリウム(3.6g、1.44重量%)、タルク(57.3g、22.93重量%)、黄色#6レーキ顔料(9.5g、3.8重量%)、二酸化チタン(14.3g、5.7重量%)、ヒュームドシリカ(3.3g、1.25重量%)、ラウリル硫酸ナトリウム(1.25g、0.5重量%)、カオリン(12.5g、5重量%)、およびキサンタンガム(0.625g、0.25重量%)をフードプロセッサー中で5分間十分に混合することによって調製した。この固体混合物にクエン酸トリエチル(27.5g、11重量%)を添加した。さらに2分間の混合後、目に見える凝集体を含まない均質なさらさらとした粉末が得られた。【0034】次に、本発明の腸溶性懸濁液を、まず消泡剤FG-10(1g)を脱イオン水(1.25Kg)中へ、汎用の分散ヘッド(すなわち、GPDHリング)を備えたSilverson 高剪断ミキサー(Model L-4RT-A)を使用して、1,500〜2,000RPMで操作し、固定子を容器の中央に配置し、2分間混合することによって調製した。ミキサーの攪拌速度を10,000RPMに上昇させ、本発明の腸溶性乾燥粉末組成物(250g)を、クランピングを防ぐのに十分遅い速度でボルテックス中へ少しずつ添加した(約1分間)。添加完了後に、固定子を容器の中心から外して配置し、空気連行(air entrainment)が最小となるようにした。またさらに、懸濁液をさらに10分間10,000RPMで混合することにより、目に見える凝集体を含まず、顔料の分解もカラーブリードも認められない、均質な懸濁液を得た.1個のポンプヘッドをもつCole-Parmer Masterflexポンプ、白金硬化処理シリコーンチューブ(サイズ15)、およびSpraying Systemsスプレーガン(1/8”VAU SS; fluid nozzle-VF60100-SS; air cap-VA1282125-60-SS)を備えた直径15インチのO’Hara LabCoat 1 コーティングパンに、アスピリンコアを添加した(総装填量2.5Kg、1錠当たりアスピリン325mg)。OpadryIIサブコーティング分散液と本発明の腸溶性コーティング懸濁液を用いて以下の工程条件のもと、順に錠剤をコーティングした。【0035】コーティング工程中、粘着性または錠剤と錠剤との粘着は見られなかった。【0036】最終的なコーティング錠は、「遅延放出型」アスピリンモノグラフにしたがってUSP溶解試験法<711>を利用して評価した。この方法に規定されているように、実施例1に記載のようにコーティングした6個の錠剤を2時間37℃で0.1N HCl中に置いた。2時間後の試験の酸性相での放出は上限10%に対し0.1%であった。この6個の錠剤を、次いで、リン酸バッファー(pH 6.8)中に置いた。そして、90分後のアスピリン放出量は、90分後に少なくとも80%であることがおおまかな要求値であるのに対し、35分間で80%を上回った。【0037】さらに、最終的なコーティング錠は、USP崩壊試験法<701>の改変版を利用して評価した。実施例1に記載のように調製した50個の錠剤を錠剤摩損度試験器(friabilator)中に入れて100回転の応力を加えた。次に、応力を加えた50個の錠剤をバスケットに入れて、人工胃液(0.1N HCl)中、1時間浸漬させた。このバスケットを、人工胃液中、約28〜32サイクル/分の速度で上下に動かした。同様に、応力を加えていない50個の錠剤をバスケットに入れて、人工胃液中、1時間浸漬させた。そして、このバスケットを、約28〜32サイクル/分の速度で上下に動かした。錠剤の完全性を、人工胃液から取り出した後に、評価した。両方のケース(応力を加えたものと、加えていないもの)において、膨張、裂け目または割れ目の徴候を示した錠剤は存在しなかった。さらに、最終的なコーティング錠を、質的に調べた。得られたオレンジ色のコーティングは、なめらかかつ均一なものであり、欠けたり、剥がれたり、あるいは色が均一でなかったりという証拠は示されなかった。【0038】実施例2〜5実施例2〜5は、実施例1に記載の方法と同様にして調製した本発明の組成物および懸濁液であるが、以下の表に詳述するような該組成物へのわずかな調整を行なった。実施例2〜5のすべてにおいて、本発明の組成物は凝集体を含有しない、さらさらとした粉末であった。また、水中に懸濁させた場合に目に見える凝固物を含まず、顔料の分解およびカラーブリードを観察することができない懸濁液が得られた。実施例2〜5のすべてにおいて、錠剤コーティングステップ中に粘着性は観察されなかった。全ての錠剤は、質感および色合いの点でなめらかで均一に見えた。相違は、分解試験の結果において、キサンタンガム含有量の関数として表示された。処方物中のキサンタンガムの存在は、応力崩壊試験結果の向上をもたらした。このことは、非常に少量のキサンタンガムを添加しただけで、フィルム強度および不浸透性が顕著に増大することを強く示唆する。【0039】【0040】実施例6〜9実施例6〜9は、実施例1に記載の方法と同様にして調製した本発明の組成物および懸濁液であるが、以下の表に詳述するような該組成物へのわずかな調整を行なった。実施例6〜9では、本発明の組成物は凝集体を含有しない、さらさらとした粉末であった。また、水中に懸濁させた場合に目に見える凝固物を含まず、顔料の分解およびカラーブリードを観察することができない懸濁液が得られた。、実施例1〜5においてはベッド温度30℃に維持したのに対し、実施例6〜9の錠剤コーティング工程中の錠剤ベッド温度は32〜35℃であった。一般に、粘着傾向はベッド温度の上昇にともない高まる。実施例6において、錠剤コーティング工程中、いくらかの粘着性および錠剤と錠剤との粘着が観察された。実施例7〜9においては、錠剤コーティング工程中に粘着性は観察されなかった。ごく少量の第2粘着防止剤(硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム2水和物または塩化カルシウム)の添加により、ベッド温度を上昇させることによる粘着傾向は相殺された。コーティング作業の完了時に、すべての錠剤が、質感および色合いの点でなめらかで均一に見えた。【0041】【0042】実施例10および11実施例10および11は、酸化鉄に基づく着色剤を使用した点以外は実施例1に記載の方法と同様にして調製した、本発明の組成物および懸濁液を示す。実施例10および11では、本発明の組成物は凝集体を含有しないさらさらとした粉末であった。また、水中に懸濁させた場合に目に見える凝固物を含まず、カラーブリードが観察されない懸濁液が得られた。実施例10および11では、錠剤コーティング工程中粘着性は観察されなかった。すべての錠剤が、質感および色合いの点でなめらかで均一に見えた。【0043】【0044】実施例12〜15実施例12〜15は、以下の表に詳述するように処方にいくつかの変更を加えて、実施例1に記載の方法と同様にして調製した、本発明の組成物および懸濁液を示す。カオリンを処方物に含める場合、粉末中にケーキングまたは凝集体形成の形跡は見当たらなかった。対照的に、タルクは含有するがカオリンは含有しない処方物では、粉末中にケーキングおよび凝集体形成がかなり見られた。実施例12〜15の処方物は、カラーブリードについて試験をおこなった。そして、試験結果から、本発明の組成物から調製した水性懸濁液の、「時間ゼロ」および、粉末組成物を40℃、相対湿度75%の状態で1ヶ月間保存した後の両方の時点における、カラーブリードの形跡は見られなかった。すべての錠剤が、質感および色合いの点でなめらかで均一に見えた。【0045】【0046】実施例16〜18実施例16〜18は、以下の表に詳述するように処方にいくつかの変更を加えて、実施例1に記載の方法と同様にして調製した、本発明の組成物および懸濁液を示す。カオリンを処方物に含める場合、粉末中にケーキングまたは凝集体形成の形跡は見当たらなかった。対照的に、タルクは含有するがカオリンは含有しない処方物では、粉末中にケーキングおよび凝集体形成がかなり見られた。本発明の組成物から調製した水性懸濁液の、「時間ゼロ」および、粉末組成物を40℃、相対湿度75%の状態で1ヶ月間保存した後の両方の時点における、カラーブリードの形跡は見られなかった。すべての錠剤が、質感および色合いの点でなめらかで均一に見えた。実施例18において、グリセリルモノステアレート、ラウリル硫酸ナトリウムおよびTween80を処方物から取り除いたことにより、実施例16および17のものより顕著に光沢またはつやが少ないコーティング錠の形成がもたらされた。【0047】【0048】実施例19〜26実施例19〜26は、かなりの調整を処方物に対して行なった以外は、実施例1に記載の方法と同様にして調製した、本発明の組成物および懸濁液を示す。粉末調製物(100g)、懸濁調製物(500g)およびコーティング工程(直径12''のパン、アスピリンコア1Kg装填)はスケールダウンして行った。【0049】【0050】 以下の成分a)〜c):a) i) 20〜85重量%の、少なくとも1種のアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレート成分、 ii) 80〜15重量%の、塩形成が可能なカルボン酸基を有する、少なくとも1種のビニルまたはビニリデン成分、 iii) 0〜30重量%の、上記i)及びii)と共重合可能な、少なくとも1種の他のビニルまたはビニリデン成分、を含むアクリル樹脂、b) 上記アクリル樹脂と反応可能であり、反応後に、上記ii)中の酸基の0.1〜10モル%を塩の形で存在させるようにするアルカリ化剤、およびc) 粘着防止剤、を含有する、医薬錠剤をコーティングする際に使用し得る腸溶水性懸濁液の調製に使用するための、非毒性で、可食性の、腸溶性フィルムコーティング用乾燥粉末組成物。 可塑剤をさらに含む、請求項1記載の腸溶性フィルムコーティング用乾燥粉末組成物。 顔料をさらに含む、請求項1記載の腸溶性フィルムコーティング用乾燥粉末組成物。 流動助剤をさらに含む、請求項1記載の腸溶性フィルムコーティング用乾燥粉末組成物。 界面活性剤をさらに含む、請求項1記載の腸溶性フィルムコーティング用乾燥粉末組成物。 抗凝集剤をさらに含む、請求項1記載の腸溶性フィルムコーティング用乾燥粉末組成物。 第2フィルム形成剤をさらに含む、請求項1記載の腸溶性フィルムコーティング用乾燥粉末組成物。 第2粘着防止剤をさらに含む、請求項1記載の腸溶性フィルムコーティング用乾燥粉末組成物。 アルキルアクリレートがエチルアクリレートであり、かつ、塩形成が可能なカルボン酸基を有するビニルまたはビニリデン成分がメタクリル酸である、請求項1記載の腸溶性フィルムコーティング用乾燥粉末組成物。 アルカリ化剤(b)が、ナトリウムもしくはカリウムの重炭酸塩、炭酸塩、リン酸塩または水酸化物、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、あるいはそれらの混合物である、請求項1記載の腸溶性フィルムコーティング用乾燥粉末組成物。 粘着防止剤が、タルク、アルミナ水和物、グリセリルモノステアレート、カオリン、またはそれらの混合物である、請求項1記載の腸溶性フィルムコーティング用乾燥粉末組成物。 可塑剤が、クエン酸トリエチル、グリセリルトリアセテート、アセチルクエン酸トリエチル、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、200〜8000の分子量を有するポリエチレングリコール、グリセロール、ヒマシ油、酸化プロピレンと酸化エチレンとのコポリマー、またはそれらの混合物である、請求項2記載の腸溶性フィルムコーティング用乾燥粉末組成物。 顔料が、FD&CおよびD&Cレーキ、二酸化チタン、炭酸マグネシウム、タルク、焼成シリカ、酸化鉄、チャンネルブラック、リボフラビン、カルミン40、クルクミン、アナトー、不溶性染料、雲母および/もしくは二酸化チタンをベースとするパール顔料、またはそれらの混合物である、請求項3記載の腸溶性フィルムコーティング用乾燥粉末組成物。 流動助剤がシリカである、請求項4記載の腸溶性フィルムコーティング用乾燥粉末組成物。 界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ポリソルベート80、トゥイーン80、またはそれらの混合物である、請求項5記載の腸溶性フィルムコーティング用乾燥粉末組成物。 抗凝集剤がカオリンである、請求項6記載の腸溶性フィルムコーティング用乾燥粉末組成物。 第2フィルム形成剤が、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(ナトリウムCMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、コンニャク粉、カラギーナン、その他のフィルム形成ポリマーまたはそれらの混合物である、請求項7記載の腸溶性フィルムコーティング用乾燥粉末組成物。 第2粘着防止剤が、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、その他の無機もしくは有機水封鎖剤、またはそれらの混合物である、請求項8記載の腸溶性フィルムコーティング用乾燥粉末組成物。 可塑剤、顔料、流動助剤、界面活性剤、抗凝集剤、第2フィルム形成剤、および第2粘着防止剤をさらに含み、アクリル樹脂が、前記組成物の約20重量%〜約80重量%の範囲であり;アルカリ化剤が、ナトリウムもしくはカリウムの重炭酸塩、炭酸塩、リン酸塩または水酸化物、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、あるいはそれらの混合物であり;粘着防止剤が、タルク、アルミナ水和物、グリセリルモノステアレート、カオリン、またはその混合物であって、前記組成物の約5重量%〜約40重量%の範囲であり;可塑剤が、クエン酸トリエチル、グリセリルトリアセテート、アセチルクエン酸トリエチル、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、200〜8000の分子量を有するポリエチレングリコール、グリセロール、ヒマシ油、酸化プロピレンと酸化エチレンとのコポリマー、またはその混合物であって、前記組成物の約2重量%〜約20重量%の範囲であり;顔料が、FD&CおよびD&Cレーキ、二酸化チタン、炭酸マグネシウム、タルク、焼成シリカ、酸化鉄、チャンネルブラック、リボフラビン、カルミン40、クルクミン、アナトー、不溶性染料、雲母および/もしくは二酸化チタンをベースとするパール顔料、またはその混合物であって、前記組成物の0重量%〜約50重量%の範囲であり;流動助剤がシリカであって、前記組成物の0重量%〜約3重量%の範囲であり;界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ポリソルベート80、トゥイーン80またはそれらの混合物であって、前記組成物の0重量%〜約5重量%の範囲であり;抗凝集剤がカオリンであって、前記組成物の0重量%〜約40重量%の範囲であり;第2フィルム形成剤が、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール(PGA)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(ナトリウムCMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、コンニャク粉、カラギーナン、その他のフィルム形成ポリマー、またはそれらの混合物であって、前記組成物の0重量%〜約5重量%の範囲であり;第2粘着防止剤が、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、その他の無機もしくは有機水封鎖剤、またはそれらの混合物であって、前記組成物の0重量%〜約5重量%の範囲である、請求項9記載の腸溶性フィルムコーティング用乾燥粉末組成物。 以下の工程a)〜c):a) アクリル樹脂、アルカリ化剤、および粘着防止剤をドライブレンドすることにより、請求項1〜19のいずれか1項に記載の非毒性で、可食性の、腸溶性フィルムコーティング用乾燥粉末組成物を調製すること、b) ブレンドした組成物を水に添加すること、およびc) 高剪断ミキサーまたは類似の装置を使用して水中の上記組成物を攪拌して、コーティング用水性懸濁液を調製すること、を含む、医薬品、菓子および食品に使用するための水性コーティング懸濁液の調製方法。 可塑剤、顔料、流動助剤、界面活性剤、抗凝集剤、第2フィルム形成剤、第2粘着防止剤、またはそれらの組合せを、アクリル樹脂、アルカリ化剤、および粘着防止剤と混合することにより、非毒性で、可食性の腸溶性フィルムコーティング用乾燥粉末組成物を調製することをさらに含む、請求項20記載の方法。 以下の工程a)〜d):a) アクリル樹脂、アルカリ化剤、および粘着防止剤を一緒に混合することにより、請求項1〜19のいずれか1項に記載の非毒性で、可食性の、腸溶性フィルムコーティング用乾燥粉末組成物を調製すること、b) 工程a)の組成物を水中で混合して水性コーティング懸濁液を調製すること、c) 有効量の上記コーティング懸濁液を基体上に適用して、該基体上にフィルムコーティングを形成させること、d) 上記基体上のフィルムコーティングを乾燥させること、を含む、フィルムコーティングで医薬錠剤等の基体をコーティングする方法。 可塑剤、顔料、流動助剤、界面活性剤、および抗凝集剤、第2フィルム形成剤、第2粘着防止剤、またはそれらの組合せを、アクリル樹脂、アルカリ化剤、および粘着防止剤と混合して、非毒性で、可食性の腸溶性フィルムコーティング用乾燥粉末組成物を調製することをさらに含む、請求項22記載の方法。


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