生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_無水ギ酸の製造方法
出願番号:2001553251
年次:2012
IPC分類:C07C 51/09,C07C 51/44,C07C 51/48,C07C 53/02


特許情報キャッシュ

ハインツ アウアー ベルント ベスリング ハンス ハマー ハンス ハッセ フリードリッヒ ザウアー マキシミリアン フィカリ ティル アドリアン JP 4908712 特許公報(B2) 20120120 2001553251 20010112 無水ギ酸の製造方法 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 508020155 BASF SE 久野 琢也 100099483 高橋 佳大 100112793 星 公弘 100128679 二宮 浩康 100135633 篠 良一 100156812 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 100114890 ハインツ アウアー ベルント ベスリング ハンス ハマー ハンス ハッセ フリードリッヒ ザウアー マキシミリアン フィカリ ティル アドリアン DE 100 02 791.1 20000124 20120404 C07C 51/09 20060101AFI20120315BHJP C07C 51/44 20060101ALI20120315BHJP C07C 51/48 20060101ALI20120315BHJP C07C 53/02 20060101ALI20120315BHJP JPC07C51/09C07C51/44C07C51/48C07C53/02 C07C 51/09 C07C 51/44 C07C 51/48 C07C 53/02 特開昭56−008341(JP,A) 特開昭61−043133(JP,A) 特開昭62−039541(JP,A) 特開昭55−027171(JP,A) 特開昭55−083730(JP,A) 特開昭56−040637(JP,A) 特開昭60−218355(JP,A) 8 EP2001000344 20010112 WO2001053244 20010726 2003524640 20030819 10 20071122 上村 直子 【0001】本発明は無水もしくはほぼ無水のギ酸を製造するための方法および装置に関する。【0002】"Ullmanns Encyklopaedie der technischen Chemie"、第4版、第7巻、第365頁から、ホルムアミドを硫酸によって酸分解することによってギ酸を製造することは公知である。しかしこの方法は、化学量論的な量の硫酸アンモニウムが不可避的な生成物として生じるという欠点を有するギ酸を製造するためのもう1つの可能性は、メタノールと一酸化炭素とから合成されるギ酸メチルの加水分解である。この場合、次の反応方程式に基づいている:【0003】【化1】【0004】"Ullmanns Encyklopaedie der technischen Chemie"、第4版、第7巻、第366頁に記載されているギ酸メチルの加水分解HCOOCH3+H2O HCOOH+CH3OHは、加水分解の平衡状態が不利であるという欠点を有する。所望の方法生成物を蒸留により除去することによって平衡をシフトさせることは不可能である。というのも、ギ酸メチル(沸点32℃)は、実質的にメタノール(沸点65℃)およびギ酸(沸点101℃)よりも低い沸点を有するからである。水との共沸混合物の形成に基づいて、生じる水性のギ酸溶液から無水ギ酸を容易に蒸留して取得することができない。難点はギ酸メチルの加水分解混合物から無水ギ酸を取得することである。【0005】EP−B−0017866に記載の、重要な工程a)〜g)を有する方法によればギ酸メチルから出発して無水ギ酸を製造することが可能である。この場合、a)ギ酸メチルを加水分解し、b)得られる加水分解混合物からメタノールならびに過剰のギ酸メチルを留去し、c)蒸留(b)のギ酸および水を含有する塔底生成物を、主としてギ酸を吸収する抽出剤を用いて液-液抽出で抽出し、d)その際に得られるギ酸、抽出剤および水の部分量を含有する抽出相を蒸留し、e)蒸留の際に得られる水およびギ酸の部分量を含有する塔頂生成物を工程(b)の蒸留塔の下方部分に返送し、f)主として抽出剤およびギ酸を含有する、蒸留工程(d)の塔底生成物を蒸留により無水ギ酸と抽出剤とに分離し、かつg)工程(f)を離れる抽出剤を工程に返送する場合に、無水ギ酸が得られる。【0006】この方法の場合、特にh)蒸留工程(b)および(d)を単一の塔中で実施し、i)加水分解のために必要な水を蒸気の形で、工程(b)の実施のために備えられた塔の下方部分に導入し、(k)加水分解(a)の際にギ酸メチルと水とを1:2〜1:10のモル比で使用し、かつ/またはl)抽出剤として一般式I【0007】【化2】【0008】[式中、基R1およびR2はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基もしくはアラルキル基を表すか、またはR1およびR2はN原子と一緒になってヘテロ環式の5員もしくは6員環を形成し、かつ上記の基の1つのみがアリール基であり、かつR3は水素もしくはC1〜C4−アルキル基を表す]のカルボン酸アミドを使用することが有利である。【0009】以下に方法工程(a)〜(i)を詳細に説明する。【0010】工程(a)加水分解は通常、80〜150℃の温度範囲で実施する。【0011】工程(b)加水分解混合物の蒸留は原則的に任意の圧力で、有利には0.5〜2バールで実施することができる。一般に常圧での作業が推奨される。この場合、塔底の温度は約110℃であり、かつ塔頂では約30〜40℃である。加水分解混合物は有利には80〜150℃の温度範囲で添加し、かつメタノールは液状で有利には温度55〜65℃で除去する。混合物を一方ではギ酸メチルとメタノールとに、かつ他方では水性のギ酸に、満足のいくよう分離することはすでに、25の理論段を有する(有利には35〜45の理論段数)蒸留塔を用いて可能である。工程(b)のために提案される塔の構造様式は任意であってよいが、しかし特に多孔板塔もしくは充填塔が推奨される。【0012】工程(c)抽出剤を用いたギ酸水溶液からのギ酸の液-液抽出は、有利には常圧および温度60〜120℃、特に70〜90゜で向流で実施する。抽出剤の種類に応じて通常、1〜12の理論分離段を有する抽出装置が必要である。このために適切な抽出装置は、特に液-液抽出塔である。多くの場合、4〜6の理論分離段で満足のいく結果が達成される。【0013】抽出剤の選択は制限されない。抽出剤として特に前記の一般式Iのカルボン酸アミドが適切である。この種の抽出剤は特にN,N−ジ−n−ブチルホルムアミド、N,N−ジ−n−ブチルアセトアミド、N−メチル−N−2−ヘプチルホルムアミド、N−n−ブチル−N−2−エチルヘキシルホルムアミド、N−n−ブチル−シクロヘキシルホルムアミドおよび/またはN−エチルホルムアニリドならびにこれらの化合物の混合物である。その他の適切な抽出剤は特にジイソプロピルエーテル、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、トリブチルホスフェートおよびブタンジオールホルメートである。【0014】工程(d)抽出相は相応する蒸留装置中で蒸留によって、通常は主としてギ酸および抽出剤を含有する液相、ならびに主として水および少量のギ酸を含有する蒸気相とに分離する。これは抽出蒸留である。塔底温度は有利には140〜180℃である。十分な分離効果は通常、5の理論段から達成される。【0015】工程(e)ギ酸−水混合物の返送は通常、蒸気の形で行う。【0016】工程(f)および(g)工程(f)を実施するための蒸留装置(たいていは塔として形成されている)は有利には減圧下(約50〜300ミリバール)および相応して低い塔頂温度(約30〜60℃)で運転する。【0017】工程(h)プロセスのこの変法は工程(b)および(d)に関する。工程b)およびd)を実施するための蒸留装置は1つの統合蒸留装置中に配置されている。この場合、蒸留装置は通常、塔として形成されている。【0018】工程(i)この工程では加水分解のために必要な水を水蒸気の形で提供する。【0019】一酸化炭素とメタノールとからのギ酸メチルの合成は技術的にはメタノールのモル過剰で実施する。従って相応する合成反応器の反応搬出物中にはギ酸メチル以外に過剰のメタノールが著しい量で含有されている。該反応搬出物は通常、メタノールを20〜40質量%含有しており、残部は実質的にギ酸メチルからなる。EP−B−0017866に記載されている方法の経済性は、合成反応器中のメタノールを取り出し、ギ酸メチルおよびメタノールを含有する混合物を除去し、かつその後はじめて、工程a)を実施するための加水分解反応器に供給することにより改善される。経済的には、ギ酸メチルを約95%含有しているギ酸メチル流を加水分解反応器へ導入し、これに応じてこの流中のメタノール含有率は明らかに、合成反応器からでていく流におけるよりも低い。メタノールの除去は、精留部を備え、かつ塔頂で還流を有する蒸留塔中で実施する。この塔の還流の蒸発エンタルピーは、塔底蒸発器中で蒸気の形で入力しなくてはならない、つまり、プロセスに付加的なエネルギーを投入しなくてはならない。高いエネルギーコストというこの欠点以外に、方法の経済性は相応する塔の高い投資コストにより否定的な影響を受ける。従って少量のメタノール(たとえば5質量%)を含有するのみのギ酸メチルを製造するためのコストは、高濃度のギ酸メチルを使用することから生じる経済的な利点を低減する。【0020】本発明の課題は、無水もしくはほぼ無水のギ酸を製造する方法を提供することである。方法の経済性は、加水分解のために使用される、ギ酸メチルおよびメタノールを含有する混合物中のメタノールを除去するためのエネルギーコストならびに装置的コストを低減することにより改善することができる。【0021】前記課題の解決は無水もしくはほぼ無水のギ酸を取得するための方法から出発し、その際、i)ギ酸メチルを加水分解し、ii)得られる加水分解混合物からメタノールならびに過剰のギ酸メチルを留去し、iii)ギ酸および水を含有する、蒸留(ii)の塔底生成物を主としてギ酸を吸収する抽出剤を用いて液-液抽出で抽出し、iv)その際に得られるギ酸、抽出剤および水の部分量を含有する抽出相を蒸留し、v)この蒸留の際に得られる水およびギ酸の部分量を含有する塔頂生成物を工程ii)の蒸留装置の下方部分に返送し、vi)主として抽出剤およびギ酸を含有する蒸留工程iv)の塔底生成物を蒸留によって無水もしくはほぼ無水のギ酸と抽出剤とに分離し、かつvii)工程vi)を離れる抽出剤をプロセスに返送する。【0022】本発明による方法は、ギ酸メチルを加水分解する(工程i))前に、メタノールを含有するギ酸メチルを、工程ii)を実施するために備えられた蒸留装置に案内し、その際、メタノールを含有するギ酸メチルの相応する供給箇所が、蒸留装置中で、メタノールのための取り出し箇所の上方かつギ酸メチルのための取り出し箇所の下方に存在し、かつギ酸メチルのための取り出し箇所においてメタノールが除去されたギ酸メチルが得られ、これを引き続き工程i)へ返送することを特徴とする。【0023】ほぼ無水のギ酸とは、水を最大で30%、有利には最大で15%含有するギ酸と理解する。合成反応器を離れるギ酸メチルよりもメタノール含有率が低いギ酸メチルを、メタノールが除去されたギ酸メチルとして理解すべきである。【0024】実質的な利点は、本発明による方法のために比較的高いメタノールの割合(たとえば30%)を有するギ酸メチルも準備することができることである。このことによりエネルギーのコストも装置的なコストも低減し、ひいてはプロセスを経済的に運転することができる。こうして得られた、部分的に濃縮されたギ酸メチル流を、付加的なエネルギーコストをかけずに、たとえば所望の95%に濃縮することができる、蒸留装置iiに供給する場合、合成反応器からのギ酸メチルを濃縮するためにストリッパーとして構成された簡単な蒸留塔(精留部および還流を有していない)で十分であることも実質的な利点である。【0025】本発明の特別な実施態様では、合成反応器から取り出した、ギ酸メチルおよびメタノールを含有する混合物を、有利にストリッパーとして構成された蒸留塔に供給し、ここでメタノールの部分量を分離し、かつ蒸留塔の上端部でメタノールを含有するギ酸メチルを取り出すことにより、メタノールを含有するギ酸メチルが得られる。通常、有利にストリッパーとして構成された蒸留塔は精留部を有していない。有利には蒸留塔の上部の還流を省略する。このような蒸留塔はギ酸メチル中のメタノールの含有率を十分に低減することができ、これを引き続き、工程ii)の実施のために蒸留装置へ案内する。このような蒸留塔では、特に精留部および還流を省略することによって最小化することができる少ない建設費用が特に有利である。さらに、加熱蒸気量の低減により塔の伝熱装置の大きさおよび相応する凝縮器の冷却水必要量を低減することができる。【0026】有利には蒸留工程ii)およびiv)を単一の蒸留装置中で実施する。該装置は、相応して個々の蒸留塔の機能を満足する。有利には加水分解(工程i))のために必要とされる水を蒸気の形で、工程ii)の実施のために備えられた蒸留装置の下部に案内する。【0027】本発明により前記の方法を実施するための装置もまた提供する。この装置は、α)合成反応器、β)加水分解反応器、χ)工程ii)を実施するための蒸留装置、これはメタノールを含有するギ酸メチルのための供給箇所およびメタノールとギ酸メチルのための取り出し箇所を有する、δ)工程iv)を実施するための蒸留装置、ε)抽出装置およびΦ)工程vi)を実施するための蒸留装置、を有する。【0028】合成反応器として、メタノールと一酸化炭素とから出発してギ酸メチルを製造するために適切な全ての反応器が適切である。蒸留装置χ)、δ)およびΦ)は通常、塔として構成されている。抽出装置として有利には液-液抽出装置を使用する。【0029】有利な1実施態様では、本発明による装置はエレメントα)〜Φ)以外にさらに、有利にストリッパーとして構成されている蒸留塔を有している、つまり上部に精留部を有していないし、還流もない。有利にストリッパーとして構成された蒸留塔は過剰のメタノールを合成反応器の反応混合物から除去するために使用される。【0030】有利には、工程ii)を実施するための蒸留装置と、工程iv)を実施するための蒸留装置とは、単一の蒸留装置中に配置されている。該装置はたいてい、上部に工程ii)を実施するための蒸留装置を有し、かつ下部に工程iv)を実施するための蒸留装置を有する大きな塔として構成されている。【0031】添付の図面は次のものを表す:図1は、従来技術により無水もしくはほぼ無水のギ酸を製造するための装置の図、図2は、従来技術により無水もしくはほぼ無水のギ酸を製造するための略図であり、この場合、工程ii)を実施するための蒸留装置および工程iv)を実施するための蒸留装置は単一の蒸留装置中に配置されている、図3は、無水もしくはほぼ無水のギ酸を製造するための本発明による方法を実施するための装置の略図、図4は、無水もしくはほぼ無水のギ酸を製造するための本発明による方法を実施するための装置の略図であり、この場合、工程ii)を実施するための蒸留装置および工程iv)を実施するための蒸留装置は単一の蒸留装置中に配置されている。【0032】矢印の上もしくはその横に記載されている符号は、一般にそれぞれの流中で高い割合を有するか、もしくは主要な割合を有するそれぞれの成分を示す。流中の成分の割合は変化しうるので、この符号は単に方向付けのための基準として使用する。符号21はギ酸メチル、22は水、23はギ酸、24はメタノール、25は抽出剤、26は排ガスおよび27は一酸化炭素を表す。従来技術による方法と本発明による方法とでは、合成反応器6中でギ酸メチルを製造し、加水分解反応器1中でギ酸メチルの加水分解を実施し、かつ工程ii)を蒸留装置2中で実施し、抽出を抽出装置3中で行い、工程iv)の実施を蒸留装置4中で行い、かつ工程vi)を蒸留装置5中で行うことが共通している。【0033】図2および図4では蒸留装置2;4が単一の蒸留装置7中に配置されている。本発明による方法と従来技術による方法との違いは、合成反応器から排出されるギ酸メチルおよびメタノールを含有する流は異なる構成の蒸留塔8に供給される点である。従来技術による蒸留塔は精留部11および返送流10とを有しており、本発明による方法のための装置の場合、これらのエレメントは存在しない。蒸留塔8を離れる、メタノールの残留量を含有しているギ酸メチルは従来技術による方法によれば直接加水分解反応器1へと案内される。これとは対照的に、本発明による方法の場合、蒸留塔8を離れる、メタノールを含有しているギ酸メチルは蒸留装置2に供給され、その際、相応する供給箇所9はメタノールのための取り出し箇所12の上方およびギ酸メチルのための取り出し箇所13の下方に配置されている。ギ酸メチルのための取り出し箇所13において得られたギ酸メチルは蒸留装置2中でメタノールが除去される。次いでメタノールが低減したこのギ酸メチルを加水分解反応器1に供給する。【0034】本発明を以下の実施例に基づいて詳細に説明する。【0035】比較例比較例は、図1に略図で示されている装置中で実施される、従来技術による方法に相当する。水性ギ酸5.3kgを製造する。合成反応器6を離れるギ酸メチルおよびメタノールを含有する混合物を、精留部11を有する蒸留塔8へと案内し、その際、この塔中でギ酸メチルを95質量%まで濃縮する。ギ酸メチルを加水分解反応器1へ案内する。合成反応器の反応生成物はギ酸メチル以外にメタノールを25質量%含有している。精留部11を有する蒸留塔8は合計で30のトレーを有する泡鐘塔として構成されている。合成反応器6から取り出された混合物をトレー15に添加する。泡鐘塔は、0.9kWの熱を入力する塔底蒸発装置および0.95kWの熱を除去する塔頂凝縮器を有する。蒸留装置2は80のトレーを有する泡鐘塔として構成されている。加水分解反応器1から取り出される混合物をトレー15に供給する。蒸留装置2の塔底にで付加的に、蒸留装置4の、凝縮した液状の塔頂流を導入する。ギ酸メチルの合成に返送するための液状のメタノールを取り出し箇所12で除去する。取り出し箇所12はトレー50に存在する。蒸留装置2の塔頂で、取り出し箇所13において95質量%のギ酸メチルを留去する。このために相応する蒸留装置7の塔底蒸発器中で4.9kWの熱を入力しなくてはならない。塔頂凝縮器において4.5kWの熱を除去する。【0036】実施例以下に記載する実施例は、図3に略図で示されている装置中で実施される本発明による方法に相応する。前記の従来技術による方法と同様に、水性ギ酸5.3kgを製造する。合成反応器6の反応生成物はギ酸メチル以外にメタノールも25質量%含有している。ギ酸メチルの濃縮は、「純粋な」ストリッパーとして構成されている、15のみの棚段を有する蒸留塔8中で行う。この場合、合成反応器から取り出される混合物を最上段の棚段に添加し、塔は精留部11を有していない。蒸留塔8の塔底蒸発器中で0.6kWの熱を入力するが、これは従来技術による相応の方法よりも33%低く、相応する凝縮器では0.73kWの熱を除去し、これは従来技術による方法よりも23%低い(従って冷却水の節約と結びついている)。この装置の配置を用いてギ酸メチルを89質量%に濃縮する。得られる流を、供給箇所9で蒸留装置2に導入する。蒸留装置2は、比較例において使用した装置に関して、供給箇所9が異なるのみである。これはトレー65上に存在する。蒸留装置7の塔底蒸発器によるエネルギー入力は比較例に相応する。取り出し箇所13におけるギ酸メチルの濃度は95質量%である。【0037】「純粋な」ストリッパーとして構成された蒸留塔8は、比較試験において使用される蒸留塔8と比べて、半分の建造物高さを有するのみである。必要とされるエネルギー入力が少ないことに基づいて、熱伝達装置(蒸発器/凝縮器)の寸法を30%小さくすることができる。塔の直径は10%低減することができる。【0038】本発明による方法は従来技術による方法に対して、エネルギーコストおよび投資コストが明らかに改善されていることが明らかにわかる。【図面の簡単な説明】【図1】 従来技術により無水もしくはほぼ無水のギ酸を製造するための装置の図。【図2】 従来技術により無水もしくはほぼ無水のギ酸を製造するための装置の図。【図3】 本発明による方法により無水もしくはほぼ無水のギ酸を製造するための装置の図。【図4】 本発明による方法により無水もしくはほぼ無水のギ酸を製造するための装置の図。【符号の説明】1 加水分解反応器、 2 蒸留装置、 3 抽出装置、 4 蒸留装置、 5 蒸留装置、 6 合成反応器、 7 蒸留装置、 8 接続導管、 9 供給箇所、 10 取り出し箇所、 11 供給箇所、 21 ギ酸メチル、 22 水、 23 ギ酸、 24 メタノール、 25 抽出剤、 27 一酸化炭素 無水もしくはほぼ無水のギ酸を製造するために、 i)ギ酸メチルを加水分解し、 ii)得られた加水分解混合物からメタノールならびに過剰のギ酸メチルを留去し、 iii)蒸留(ii)の、ギ酸および水を含有する塔底生成物を、ギ酸を吸収する抽出剤を用いて液−液抽出で抽出し、 iv)その際に得られるギ酸、抽出剤および水の部分量を含有する抽出相を蒸留し、 v)この蒸留の際に得られる水およびギ酸の部分量を含有する塔頂生成物を工程(ii)の蒸留装置の下方部分に返送し、 vi)蒸留工程(iv)の、抽出剤およびギ酸を含有する塔底生成物を蒸留により無水もしくはほぼ無水のギ酸と抽出剤とに分離し、かつ vii)工程(vi)を離れる抽出剤を前記方法に返送する方法において、ギ酸メチルの加水分解(工程i))の前に、合成反応器から取り出されたギ酸メチルおよびメタノールを含有する混合物を蒸留塔に供給し、ここでメタノールの部分量を分離し、かつ前記蒸留塔の上端部でメタノールを含有するギ酸メチルを取り出すことにより得られるメタノールを含有するギ酸メチルを工程ii)の実施のために備えられた蒸留装置へ案内し、その際、蒸留装置中で、メタノールを含有するギ酸メチルの相応する供給箇所はメタノールのための取り出し箇所の上方およびギ酸メチルのための取り出し箇所の下方に存在し、かつギ酸メチルのための取り出し箇所において、メタノールが除去されたギ酸メチルが得られ、該ギ酸メチルを引き続き工程i)に返送することを特徴とする、無水もしくはほぼ無水のギ酸の製造方法。 前記蒸留塔がストリッパーとして形成されている、請求項1記載の方法。 前記ストリッパーとして形成されている蒸留塔が精留部を有していない、請求項2記載の方法。 前記ストリッパーとして形成されている蒸留塔が上部に還流を有していない、請求項2または3記載の方法。 蒸留工程ii)およびiv)を単一の蒸留装置中で実施する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。 α)合成反応器、 γ)蒸留塔、 β)加水分解反応器、 χ)メタノールを含有するギ酸メチルのための供給箇所およびメタノールとギ酸メチルのための取り出し箇所を有する、工程ii)を実施するための蒸留装置、 δ)工程iv)を実施するための蒸留装置、 ε)抽出装置および φ)工程vi)を実施するための蒸留装置を有する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法を実施するための装置。 前記蒸留塔がストリッパーとして形成されている、請求項6記載の装置。 工程χ)を実施するための蒸留装置および工程δ)を実施するための蒸留装置が単一の蒸留装置中に配置されている、請求項6または7記載の装置。


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