タイトル: | 特許公報(B2)_組換えタンパク質発現のためのベクターおよび方法 |
出願番号: | 2001530502 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | C12N 15/09,C12N 1/15,C12N 1/19,C12N 1/21,C12N 5/10,C12N 5/071,C12P 21/02 |
マクグルー,ジェフリー・ティー JP 4660046 特許公報(B2) 20110107 2001530502 20001012 組換えタンパク質発現のためのベクターおよび方法 イミュネックス・コーポレーション 591123609 IMMUNEX CORPORATION 社本 一夫 100089705 増井 忠弐 100076691 小林 泰 100075270 千葉 昭男 100080137 富田 博行 100096013 泉谷 玲子 100107386 マクグルー,ジェフリー・ティー US 60/159,177 19991013 20110330 C12N 15/09 20060101AFI20110310BHJP C12N 1/15 20060101ALI20110310BHJP C12N 1/19 20060101ALI20110310BHJP C12N 1/21 20060101ALI20110310BHJP C12N 5/10 20060101ALI20110310BHJP C12N 5/071 20100101ALI20110310BHJP C12P 21/02 20060101ALI20110310BHJP JPC12N15/00 AC12N1/15C12N1/19C12N1/21C12N5/00 101C12N5/00 202AC12P21/02 C C12N 15/ CA/BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 国際公開第94/008002(WO,A1) 19 US2000028431 20001012 WO2001027299 20010419 2003511079 20030325 28 20071005 冨永 みどり 【0001】発明の技術分野本発明は、真核細胞における組換えタンパク質の発現に関する。【0002】発明の背景組換えタンパク質の生産のための発現系の開発は、研究または治療用途のある与えられたタンパク質の源を提供するのに重要である。発現系は、大腸菌(E.coli)のような原核細胞についても、酵母(すなわち、サッカロミセス属(Saccharomyces)、ピキア属(Pichia)およびクルイベロミセス属(Kluyveromyces)種)および哺乳動物細胞のような真核細胞についても開発されてきている。哺乳動物細胞における発現は、このような発現系における翻訳後修飾が、微生物発現系において生じる翻訳後修飾の種類よりも、哺乳動物中の内因性タンパク質について生じるものに似ていることから、しばしば、治療用タンパク質の製造に好適である。【0003】いくつかのベクターが、哺乳動物宿主における発現に利用可能であるが、ベクターはそれぞれ、最低限の時間枠内で高レベルの組換えタンパク質を得るように、シスおよびある場合にはトランスの調節要素の種々の組合せを含有している。しかしながら、多数のこのようなベクターの利用可能性にもかかわらず、哺乳動物系で得られる組換えタンパク質の発現レベルは、しばしば、微生物発現系を用いて得られるレベルより低い。更に、クローン化され、トランスフェクションされた哺乳動物細胞のほんの一部が、高レベルの目的のタンパク質を発現するにすぎないので、有用な安定してトランスフェクションされる哺乳動物細胞系を開発するには、しばしば、微生物系について要するよりもかなり長時間を要することがありうる。【0004】第一読み取り枠が目的のポリペプチドをコードし且つ第二読み取り枠が選択可能マーカーをコードするジシストロン発現ベクターの使用は、組換えタンパク質を得るのに用いられてきた一つの方法である。このような系において用いるのに好ましいマーカーは、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)であるが、これは、増幅可能な遺伝子であるという利点を有し、高コピー数の挿入されるDNAを有する細胞を増加するレベルのメトトレキセート(MTX)中で培養することによってそれらの選択を可能にする。しかしながら、選択可能マーカー遺伝子の翻訳は、目的の遺伝子の翻訳より1/100倍まで有効性が劣り、これは、選択過程の効率を減少させる。更に、ジシストロン発現ベクターは、増幅条件下において非制御方式で欠失または転位する性質があり、増幅した細胞が目的のタンパクをもはや発現しない可能性を増加させる。【0005】内部リボソームエントリー部位(Internal ribosome entry sites)(IRES)は、いくつかのウイルスおよび細胞RNAにおいて見出される種類の調節要素である(McBratney et al., Current Opinion in Cell Biology 5:961,1993 に概説される)。IRESは、選択可能マーカー遺伝子の翻訳効率を増加させるので、選択および増幅両方の過程を促進する場合に有用である(Kaufman R.J.,et al., Nucleic Acids Res. 19:4485,1991)。それにもかかわらず、利用可能な根拠は、ジシストロンmRNAが、おそらくは、より長いメッセージの低下したmRNA安定性のために、モノシストロンより低いレベルに蓄積することを示している。【0006】トランスフェクションされた細胞によって生産される組換えタンパク質の量は、概して、タンパク質の翻訳に利用可能なmRNAの量に比例するので、ジシストロン発現ベクターの使用は、所望の組換えタンパク質の低生産レベルをもたらすことがありうる。したがって、当該技術分野において、DHFRのような選択可能で増幅可能なマーカーの有用性を保持し、同時に、所望の組換えタンパク質をコードしているmRNAの比率を増加させる改良された方法を開発することが要求されている。更に、より転写的に活性な部位中に組み込まれるそれらトランスフェクタントの選択を容易にする方法、および哺乳動物細胞からの組換えタンパク質の有用なレベルの生産を比較的短時間で可能にする方法を開発することが要求されている。【0007】発明の概要本発明の一つの態様において、発現ベクターは、第一タンパク質をコードしているDNAであって、第二タンパク質をコードしているDNAに機能的に結合したDNAを含み、ここにおいて、ポリアデニル化(ポリA)部位をコードしているDNAは、内部ポリアデニル化部位をコードしているDNAが、目的の第一タンパク質をコードしているDNAに機能的に結合するように、その第一タンパク質をコードしているDNAと第二タンパク質をコードしているDNAとの間に挿入されている。好ましい第二タンパク質は、選択可能マーカー、好ましくは、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)であるが、他の増幅可能マーカーも、本発明の発現ベクター中で用いるのに適している。【0008】好ましくは、内部ポリアデニル化部位を与えるのに利用されるポリアデニル化シグナルは、SV40ポリアデニル化シグナル、より好ましくは、後期SV40ポリアデニル化シグナル、そして最も好ましくは、後期SV40ポリアデニル化シグナルの突然変異型である。好ましいポリアデニル化シグナルは、配列リストに与えられ、下に更に記載される。本発明のもう一つの態様において、ポリアデニル化シグナルは誘導性である。【0009】発現ベクターは、第一タンパク質をコードしているDNAと第二タンパク質をコードしているDNAとの間に、それら両方に機能的に結合した且つ内部ポリアデニル化部位の下流のIRES配列を更に含んでいてよい。或いは、発現ベクターは、実質的には、Lucas et al. 以下に記載のようなmRNAスプライス供与および受容部位を含んでいてよい。【0010】本発明のもう一つの側面は、DNAがタンパク質をコードしている発現ベクターを含む。このような発現ベクターは、組換え体の異種タンパク質をコードしているDNAが、内部ポリアデニル化部位、および第二タンパク質(選択可能マーカーなど)をコードしているDNAに機能的に結合するように挿入されうる部位(クローニング部位と称される)を含む。所望により、他の調節要素、例えば、内部ポリアデニル化部位の下流のIRES配列、または内部ポリアデニル化部位および第二タンパク質をコードしているDNAに機能的に結合した、実質的には、Lucas et al. 以下に記載のようなmRNAスプライス供与および受容部位も含まれていてよい。発現増強配列要素(EASE)も、それに機能的に結合したクローニング部位の上流に含まれていてよい。【0011】宿主細胞は、本発明の発現ベクターを用いてトランスフェクションされて、トランスフェクションされた細胞の安定なプールを生じることができる。したがって、本発明のもう一つの態様は、トランスフェクションされた宿主細胞を提供し、なおもう一つの態様は、本発明の発現ベクターを用いてトランスフェクションされた細胞の安定なプールを提供する。更に提供されるのは、トランスフェクションされた細胞のプールからクローン化された細胞系である。好ましい宿主細胞は哺乳動物細胞である。最も好ましい態様において、宿主細胞はCHO細胞である。【0012】本発明は、更に、組換えタンパク質を入手する方法であって、本発明の発現ベクターを用いて宿主細胞をトランスフェクションし、トランスフェクションされた宿主細胞を、タンパク質の発現を促進する条件下で培養し、そしてタンパク質を回収することを含む方法を提供する。本発明の好ましい適用において、トランスフェクションされた宿主細胞系は、二つの選択工程、すなわち、優勢な増幅可能マーカーを発現する細胞について選択する第一、およびマーカー遺伝子、更には、目的の遺伝子の高発現レベルおよび/または増幅についての第二工程を用いて選択される。最も好ましい態様において、選択または増幅用物質は、内因性DHFR遺伝子およびトランスフェクションされたDHFR配列の増幅を引き起こすことが分かっているDHFRの阻害剤であるメトトレキセートである。【0013】発明の詳細な記述DHFRのような選択可能で増幅可能なマーカーの有用性を保持し、同時に、所望の組換えタンパク質をコードしているmRNAの比率を増加させる発現ベクターを、本明細書中において提供する。本発明の発現ベクターは、第一コーディング配列と第二またはその後のコーディング配列との間に挿入されたポリアデニル化シグナル(内部ポリアデニル化部位と称される)を含む。本発明のベクターにおいて、プロモーターで始まる転写物は、第一コーディング配列後に(モノシストロンメッセージ)または第二またはその後のコーディング配列後に(マルチシストロンメッセージ)ポリアデニル化されうる。本発明の一つの態様において、第一コーディング配列は目的のタンパク質をコードし、第二(またはその後の)コーディング配列は選択可能マーカーをコードする。もう一つの態様において、次のポリアデニル化部位は、第二またはその後のコーディング配列に続き、しかもそれに機能的に結合している。この態様において、内部ポリアデニル化部位は、したがって、第一ポリアデニル化部位になる。【0014】多数の転写物は、目的の遺伝子だけをコードし、選択可能マーカーをコードしないので、本発明のベクターは、選択可能マーカーを一層少なく生じ、より転写的に活性な部位中に組み込まれるトランスフェクタントだけが選択過程後も存続する。したがって、本発明の発現ベクターの使用は、内部ポリアデニル化シグナルの不存在下において可能であるよりも低レベルの選択用物質を用いて、高レベルの組換えタンパク質を発現するトランスフェクションされたプールおよびクローンの単離を容易にする。【0015】本発明の発現ベクターを利用する追加の利点は、モノシストロンメッセージが、ジシストロンメッセージよりも安定してまたは有効にプロセッシングされて、潜在的には、目的のタンパク質をコードしているメッセージの増加した蓄積、したがって、より高レベルのタンパク質生産をもたらすことがありうるということである。本発明の内部ポリアデニル化部位の使用は、したがって、トランスフェクションされた細胞による組換えタンパク質の有用なレベルの生産を比較的短時間で容易にするであろう。【0016】本発明のベクターおよび方法は、マルチシストロンベクターを開発する場合にも有用であろう。マルチシストロン発現ベクターは、二つまたはそれ以上の遺伝子の共役発現を可能にする(例えば、Fussenegger et al., Biotechnol Prog 13:733;1997 を参照されたい)。第一シストロンの後にポリアデニル化部位を挿入することは、第一シストロンの高レベル発現および任意の次のシストロンの一層低レベルの発現を引き起こすと考えられる。この技術の可能性のある用途は、多量の治療用タンパク質(または他の所望の組換えタンパク質)、および選択可能マーカー、転写因子、タンパク質フォールディングに関与する酵素および細胞の代謝および発現を調節する他のタンパク質などのより少ない量の他のタンパク質の発現を容易にすることであると考えられる。【0017】もう一つの態様において、ポリアデニル化部位は、第二または第三(またはその後の)シストロンの後に挿入される。これは、最初の二つの(または三つまたはそれ以上の)シストロンの高発現後、内部ポリアデニル化部位の後のシストロンのより少ない発現を可能にすると考えられる。この態様は、例えば、重鎖および軽鎖が独立して高レベルで合成される組換え抗体合成において用いられるであろう。トリシストロンベクターは、最初の二つのシストロンによってコードされる重鎖および軽鎖を用いて構築される。ポリアデニル化部位は、第二シストロンの後に挿入されて、最初の二つのシストロンの高レベル発現を可能にする。選択可能マーカーは、第三シストロンから(すなわち、ポリアデニル化部位に後に)発現され、一層低レベルで発現されると考えられる。【0018】組換えタンパク質の発現本明細書中で用いられる‘発現ベクター’という用語は、細胞中での組換え体異種タンパク質の発現に必要である、下に詳細に記載される種々の調節要素を含むベクターを記載すると理解される。発現ベクターには、原核細胞または真核細胞中での維持に適したシグナルが含まれうるし、および/または発現ベクターは、染色体中に組み込まれうる。【0019】組換え発現ベクターには、目的のタンパク質(またはそのフラグメント)、リボザイム、リボソームmRNA、アンチセンスRNA等をコードしているコーディング配列が含まれうる。好ましくは、コーディング配列は、タンパク質またはペプチドをコードする。コーディング配列は、合成であってよいし、cDNA由来核酸フラグメントまたはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって単離される核酸フラグメントであってよい。コーディング配列は、哺乳動物、ウイルスまたは昆虫の遺伝子に由来する適当な転写または翻訳調節要素に機能的に結合している。このような調節要素には、下に詳細に記載されるような、転写プロモーター、適当なmRNAリボソーム結合部位をコードしている配列、および転写および翻訳の終結を制御する配列(すなわち、ポリアデニル化シグナル)が含まれる。【0020】発現ベクターは、発現される遺伝子に結合した適当なプロモーターおよび/またはエンハンサーのような非転写要素、他の5’または3’フランキング非転写配列、リボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライス供与および受容部位、および転写終結配列のような5’または3’非翻訳配列を含んでいてもよい。宿主中で複製する能力を与える複製起点、およびトランスフェクタントの認識を容易にする選択可能遺伝子も包含されていてよい。【0021】DNA領域は、それらが互いに機能的に関係がある場合、機能的に結合している。例えば、シグナルペプチドのDNA(分泌リーダー)は、それがポリペプチドの分泌に関与する前駆体として発現されるならば、ポリペプチドのDNAに機能的に結合していて、したがって、分泌リーダーをコードしているDNAの場合、機能的に結合するとは、隣接するおよび読み枠中を意味する。プロモーターは、それが配列の転写を制御するならば、コーディング配列に機能的に結合していて、そしてリボソーム結合部位は、それが翻訳を可能にするように位置しているならば、コーディング配列に機能的に結合している。【0022】多重転写物の発現に用いられるジシストロン発現ベクターは、以前に記載されている(Kim S.K. and Wold B.J., Cell 42:129,1985; Kaufman et al., 1991, 上記)。ジシストロン発現ベクターは、2種類のタンパク質、例えば、目的の組換え体および選択可能マーカーをコードすることができる二つのシストロンまたは読み取り枠を含む。このようなジシストロン発現ベクターの一例は、マウスDHFR(Subramani et al., Mol.Cell.Biol. 1:854,1981)のコーディング配列を含有するpCD302(Mosley et al., Cell 1989)の誘導体であるpCAVDHFRである。このようなジシストロン発現ベクターのもう一つの例は、アデノウイルス三部分リーダーとDHFRcDNAコーディング配列との間にクローン化されたネズミ脳心筋炎ウイルス内部リボソームエントリー部位(ヌクレオチド260〜824;Jang and Wimmer, Genes and Dev. 4:1560,1990)を含有するpCAVDHFRの誘導体であるpCDEベクターである。他の種類の発現ベクター、例えば、米国特許第4,634,665号(Axel et al.)および同第4,656,134号(Ringold et al.)に記載のものも、本発明との組合せで有用であろう。【0023】細胞をトランスフェクションする場合に用いられる発現ベクター中の転写および翻訳の制御配列は、ウイルス源によって与えられてよい。例えば、一般的に用いられるプロモーターおよびエンハンサーは、ポリオーマ(Polyoma)、アデノウイルス2(Adenovirus 2)、シミアンウイルス40(Simian Virus 40)(SV40)およびヒトサイトメガロウイルスに由来する。ウイルスゲノムプロモーター、制御および/またはシグナル配列は、このような制御配列が、選択される宿主細胞と適合性であるという条件ならば、発現を誘導するのに利用することができる。このようなベクターの例は、Okayama および Berg(Mol.Cell.Biol. 3:280,1983)によって開示されたように構築することができる。非ウイルス細胞プロモーター(すなわち、βグロビンプロモーターおよびEF−1αプロモーター)も、組換えタンパク質が発現される細胞種類に依って用いることができる。【0024】SV40ウイルスゲノムに由来するDNA配列、例えば、SV40起点、初期および後期プロモーター、エンハンサー、スプライスおよびポリアデニル化部位は、異種DNA配列の発現に必要な他の遺伝要素を提供するのに用いることができる。初期および後期プロモーターは、両方とも、SV40ウイルス複製起点も含有するフラグメントとしてウイルスから容易に得られるので(Fiers et al., Nature 273:113,1978)、特に有用である。より小さいまたはより大きいSV40フラグメントも、ウイルス複製起点に位置するHindIIIからBglIに対して伸長する約250bp配列が含まれるという条件ならば、用いることができる。【0025】ジシストロン発現ベクターの場合、第二シストロン(通常は、選択可能マーカーをコードしているDNA)の下流に挿入され、そして、それに機能的に結合したポリアデニル化部位を、しばしば、転写および翻訳を調節するのに用いる。多数のこのようなポリアデニル化シグナルが知られている(例えば、下の表1を参照されたい)。本発明は、第二シストロンの下流のポリアデニル化シグナルまたは他の適当な調節要素に加えて、内部ポリアデニル化シグナル、例えば、ジシストロン発現ベクターの二つのシストロン間に挿入されるものを利用する。【0026】SV40の初期および後期ポリアデニル化シグナルは両方とも、本発明において有用である。これら配列は、SV40ゲノムのヌクレオチド2533にあるBamHI部位とヌクレオチド2770にあるBclI部位との間の237塩基対フラグメント中にコードされる(Carswell and Alwine, Mol.Cell.Biol. 9:4248;1989)。Carswell および Alwine は、それら二つのSV40ポリアデニル化シグナルの内、後期シグナルは、おそらくは、有効な切断およびポリアデニル化を容易にする下流および上流の配列要素を両方とも含むので、より有効であると結論した。【0027】多数のポリアデニル化シグナルが当該技術分野において知られており、本発明においても有用であろう。例には、下の表1に示されるものが含まれる。【0028】【表1】表1:ポリアデニル化シグナルSV40後期ポリAおよびその欠失突然変異体 − Scheck,N., Cooke,C., and J.C.Alwine (1992): Definition of the upstream efficiency element of the simian virus 40 late polyadenylation signal by using in vitro analysis. Mol.Cell Biol. 12:5386-5393HIV−1ポリA − Klasens,B.I.F., Das,A.T., and B.Berkhout (1998): Inhibition of polyadenylation by stable RNA secondary structure. Nucleic Acids Res. 26:1870-1876βグロビンポリA − Gil,A., and N.J.Proudfoot. (1987): Position-dependent sequence elements downstream of AAUAAA are required for efficient rabbit β-globin mRNA formation. Cell 49:399-406HSV TKポリA − Cole,C.N. and T.P.Stacy (1985): Identification of sequence in the herpes simplex virus thymidine kinase gene required for efficient processing and polyadenylation. Mol.Cell.Biol. 5:2104-2113ポリオーマウイルスポリA − Batt,D.B. and G.G.Carmichael (1995): Characterization of the polyomavirus late polyadenylation signal. Mol.Cell.Biol. 15:4783-4790ウシ成長ホルモン − Gimmi,E.R., Reff,M.E., and I.C.Deckman. (1989): Alteraions in pre-mRNA topology of bovine growth hormone polyadenylation region decrease polyA site efficiency. Nucleic Acids Res. 17:6983-6998更に別のポリアデニル化部位は、当該技術分野において知られている方法を用いて同定することができるしまたは構築することができる。最小限のポリアデニル化部位は、AAUAAA、および約30ヌクレオチド下流で見出される、概してG/Uの多い配列である第二認識配列から構成される。配列表において、配列は、発現ベクター中への包含に適したDNAの製造を容易にするように、RNAよりもむしろDNAとして示される。DNAとして示された場合、ポリアデニル化部位は、AATAAAと、例えば、下流のG/Tの多い領域(例えば、配列番号:1のヌクレオチド123〜128および151〜187それぞれを参照されたい)とから構成される。【0029】どちらの配列も、有効なポリアデニル化部位を形成するように存在する必要がある。これら部位の目的は、特異的RNA結合タンパク質をRNAに補充することである。AAUAAAは、切断ポリアデニル化特異性因子(cleavage polyadenylation specificity factor)(CPSF;Murthy K.G., and Manley J.L. (1995), Genes Dev 9:2672-2683)を結合し、そしてG/U配列であることが多い次の部位は、切断刺激因子(Cleavage stimulatory factor)(CstF;Takagi Y. and Manley J.L. (1997) Mol Cell Biol 17:3907-3914)に結合する。CstFは、いくつかのタンパク質から構成されるが、RNA結合の原因となるタンパク質は、タンパク質のリボ核タンパク質ドメインファミリーのメンバーであるCstF−64である(Takagaki et al. (1992) Proc Natl Acad Sci USA 89:1403-1407)。【0030】CstF−64タンパク質の濃度は、B細胞中での異なったポリアデニル化部位の使用を調節する場合に重要であることが分かっている(Takagaki Y, Manley JL (1998) Mol Cell 2:761-771)。したがって、誘導性ポリアデニル化部位は、B細胞中でのポリアデニル化使用のこの天然に存在する調節に基づいて、ポリアデニル化を誘導するのに選択されるmRNAとCstF−64の相互作用を制御することによって構築することができる。例えば、CstF−64は、MS2ファージコートタンパク質のRNA結合ドメインに融合することができるが、これは、G/Uの多い要素とは異なる特異的RNA配列(ACAUGAGGAUUACCCAUGU;配列番号:4)を結合する(Lowary and Uhlenbeck (1987) Nucleic Acids Res. 15:10483+10493)。標的mRNAは、AAUAAA配列およびMS2コートタンパク質RNA認識配列を含有すると考えられる。標準的な誘導発現系(例えば、No et al. (1996) Proc Natl Acad Sci USA 93:3346-3351 によって記載のエクジソン誘導哺乳動物発現系)を転写的に用いてMS2−CstF−64融合タンパク質のレベルを調節することにより、誘導性ポリA部位の使用が制御されうる。【0031】ポリアデニル化は、温度感受性MS2 RNA結合ドメイン突然変異体を生じさせることによって調節することもできる。MS2 RNA結合ドメイン突然変異体は、ランダム突然変異誘発を用いて生じさせることができるし、温度感受性についてスクリーニングすることができる。上記のCstF−64との融合パートナーとして用いた場合、温度感受性MS2コートタンパク質は、37℃で不活性であり、RNAを結合することができないと考えられ、したがって、内部ポリA部位は、この温度では機能しないと考えられる。しかしながら、低温、例えば、32℃では、MS2コートタンパク質は活性であり、RNA配列標的を認識すると考えられるので、メッセージはポリアデニル化されると考えられる。発現培養物の温度を低下させることは、典型的に、タンパク質発現を増加させるのに用いられるので、温度調節は、組換えタンパク質発現に特に有用であると考えられる。【0032】本発明のベクターと一緒に用いることができる更に別の技術は、Lucas et al.(Nucleic Acids Res. 24:1774;1996)によって記載されている。所望のタンパク質の生産を増加させる努力において、Lucas et al. は、mRNAスプライス供与および受容部位を利用して、選択可能マーカーおよび組換えタンパク質両方を生じる安定なクローンを開発した。これら研究者によれば、彼らが製造したベクターは、所望のタンパク質をコードしているmRNAを高比率で、および安定なトランスフェクタントの選択を可能にする選択マーカーを一定の比較的低レベルで転写させた。【0033】宿主細胞トランスフェクションされた宿主細胞とは、異種DNAを用いてトランスフェクションされた(時々、‘形質転換された’と称される)細胞である。細胞をトランスフェクションする多数の技法が知られているが、一つのアプローチにおいて、細胞は、組換えDNA技術を用いて構築された、組換えタンパク質をコードしている配列を含有する発現ベクターを用いてトランスフェクションされる。これは、。発現されたタンパク質は、好ましくは、培養物上清中に分泌されるであろうが、発現される具体的なポリペプチドに応じて、細胞膜と結合していてよい。哺乳動物宿主細胞は、本発明に好適である。種々の哺乳動物細胞培養系を用いて、組換えタンパク質を発現させることができる。適当な哺乳動物宿主細胞系の例には、Gluzman(Cell 23:175,1981)によって記載のサル腎細胞のCOS−7系、CV−1/EBMA(ATCC CRL10478)、L細胞、C127、3T3、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)、HeLaおよびBHK細胞系が含まれる。【0034】一般的に用いられる細胞系は、グリシン、チミジンおよびヒポキサンチンについて栄養要求性であるDHFR−CHO細胞系であり、増幅可能な優勢なマーカーとしてDHFR cDNAを用いてDHFR+表現型に形質転換することができる。一つのこのようなDHFR−CHO細胞系DXB11は、Urlaub および Chasin(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216,1980)によって記載された。DHFR−CHO細胞系のもう一つの例は、DG44である(例えば、Kaufman,R.J., Meth.Enzymology 185:537(1988) を参照されたい)。具体的な選択または増幅スキームのために開発された他の細胞系も、本発明に有用であろう。【0035】他の脊椎動物からの細胞および昆虫細胞を含めた多数の他の真核細胞も、本発明において有用であろう。当業者は、彼らの好ましい培養系の要求にしたがって、適当なベクター、調節要素、トランスフェクションおよび培養のスキームを選択することができるであろう。【0036】トランスフェクションされた哺乳動物細胞の製造いくつかのトランスフェクションプロトコールが当該技術分野において知られており、Kaufman,R.J., 上記に概説されている。選択されるトランスフェクションプロトコールは、宿主細胞種類および目的のタンパク質の性状に依るであろうし、常套の実験に基づいて選択することができる。任意のこのようなプロトコールの基本的な必要条件は、第一に、目的のタンパク質をコードしているDNAを適当な宿主細胞中に導入すること、そして次に、安定な発現可能な方法で異種DNAを包含した宿主細胞を同定し、そして単離することである。【0037】異種DNAを導入する一つの一般的に用いられる方法は、例えば、Wigler et al.(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:3567,1980)によって記載のようなリン酸カルシウム沈澱である。この方法によって宿主細胞中に導入されるDNAは、しばしば、転位して、この方法を独立遺伝子の同時トランスフェクションに有用にさせる。【0038】細菌プロトプラストと哺乳動物細胞とのポリエチレンに誘導される融合(Schaffner et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:2163,1980)は、異種DNAを導入するもう一つの有用な方法である。プロトプラスト融合プロトコールは、しばしば、哺乳動物宿主細胞ゲノム中に組み込まれたプラスミドDNAの多重コピーを生じる。この技法は、選択および増幅のマーカーが目的の遺伝子と同じプラスミド上にあることを必要とする。【0039】エレクトロポレーションも、Potter et al.(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:7161,1988)または Shigekawa および Dower(BioTechniques 6:742,1988)によって記載のように、宿主細胞の細胞質中にDNAを直接的に導入するのに用いることができる。プロトプラスト融合とは異なり、エレクトロポレーションは、選択マーカーおよび目的の遺伝子が同じプラスミド上にある必要はない。【0040】より最近になって、哺乳動物細胞中に異種DNAを導入するのに有用ないくつかの試薬が記載されている。これらには、Lipofectin(登録商標)Reagent および Lipofectamine(登録商標)Reagent(Gibco BRL,Gaithersburg, MD)が含まれる。これら試薬は両方とも、培養された細胞に適用された場合に、細胞中への核酸の取込みを容易にする脂質−核酸複合体(またはリポソーム)を形成するのに用いられる商業的に入手可能な試薬である。【0041】異種DNAを用いた細胞のトランスフェクションおよび異種DNAを取り込んでいて且つ選択可能マーカーを発現する細胞についての選択は、トランスフェクションされた細胞のプールを生じる。これらプール中の個々の細胞は、包含されるDNAの量およびトランスフェクションされたDNAの染色体位置が異なるであろう。繰り返し継代後、プールは、しばしば、異種タンパク質を発現する能力を失う。安定な細胞系を生じるために、個々の細胞をプールから単離し、培養することができる(容易でない時間を費やす過程であるクローニングと称される過程)。しかしながら、ある場合には、それらプール自体が安定でありうる(すなわち、異種組換えタンパク質の生産が安定な状態のままである)。細胞のこのような安定なプールを選択し、そして培養する能力は、哺乳動物細胞からの比較的多量の組換えタンパク質の迅速生産を可能にする考えられるので望ましいと考えられる。【0042】目的の遺伝子を増幅する方法は、組換えタンパク質の発現にも望まれ、典型的には、選択マーカーの使用を含む(Kaufman,R.J., 上記に概説される)。細胞障害性薬への耐性は、選択マーカーとして最も頻繁に用いられる特性であり、優性形質(すなわち、宿主細胞種類とは無関係に用いることができる)かまたは劣性形質(すなわち、どんな活性が選択されている場合でも欠損している特定の宿主細胞種類において有用)の結果でありうる。いくつかの増幅可能マーカーは、本発明の発現ベクター中で用いるのに適している(例えば、Maniatis, Molecular Biology: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, NY, 1989; pgs 16.9-16.14 に記載のように)。【0043】薬物耐性哺乳動物細胞における遺伝子増幅に有用な選択可能マーカーは、Kaufman,R.J., 上記の表1に示されており、DHFR−MTX耐性、P糖タンパク質および多剤耐性(MDR)−各種親油性細胞障害性薬(すなわち、アドリアマイシン、コルヒチン、ビンクリスチン)、およびアデノシンデアミナーゼ(ADA)−Xyl−Aまたはアデノシンおよび2’−デオキシコフォルマイシンを含む。選択可能マーカーをコードする遺伝子の具体的な例は、メトトレキセートへの耐性を与えるDHFRタンパク質(Wigler et al., 1980, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:3567; O'Hare et al., 1981, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:1527);ミコフェノール酸への耐性を与えるGPTタンパク質(Mulligan & Berg, 1981, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:2072)、アミノグリコシドG−418への耐性を与えるネオマイシン耐性マーカー(Colberre-Garapin et al., 1981, J.Mol.Biol. 150:1);ハイグロマイシンへの耐性を与える Hygro タンパク質(Santerre et al., 1984, Gene 30:147);および ZeocinTM耐性マーカー(Invitrogen から商業的に入手可能)などの代謝拮抗物質耐性をコードするものである。更に、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(Wigler et al., 1977, Cell 11:223)、ヒポキサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Szybalska & Szybalski, 1962, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 48:2026)、およびアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Lowy et al., 1980, Cell 22:817)の遺伝子は、tk−、hgprt−およびaprt−細胞でそれぞれ用いることができる。【0044】他の優勢な選択可能マーカーには、微生物に由来する抗生物質耐性遺伝子、例えば、ネオマイシン、カナマイシンまたはハイグロマイシン耐性が含まれる。しかしながら、これら選択マーカーは、増幅可能であるとは示されていない(Kaufman,R.J., 上記)。哺乳動物宿主には、いくつか適当な選択系が存在する(Maniatis 上記,pgs 16.9-16.15)。二つの優勢な選択可能マーカーを用いた同時トランスフェクションプロトコールも記載されている(Okayama and Berg, Mol Cell Biol 5:1136,1985)。【0045】特に有用な選択および増幅スキームは、DHFR−MTX耐性を利用する。MTXは、内因性DHFR遺伝子(Alt F.W.,et al., J Biol Chem 253:1357,1978)およびトランスフェクションされたDHFR配列(Wigler M.,et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:3567,1980)の増幅を引き起こすことが分かっているDHFRの阻害剤である。細胞を、ジシストロン発現単位中に目的の遺伝子およびDHFRをコードしているDNAを含むDNAを用いてトランスフェクションする(Kaufman et al., 1991 上記および Kaufman,R.J.,et al., EMBO J 6:187,1987)。トランスフェクションされた細胞を、逐次的に一層多量のMTXを含有する培地中で成長させて、DHFR遺伝子、更には、目的の遺伝子をより多く発現させる。【0046】前に記載の有用な調節要素は、哺乳動物細胞をトランスフェクションするのに用いられるプラスミドまたは発現ベクター中にも含まれうる。選択されるトランスフェクションプロトコールおよびそこで用いるために選択される要素は、用いられる宿主細胞の種類に依るであろう。当業者は、多数の異なったプロトコールおよび宿主細胞を承知しており、1種類または複数のその選択される細胞培養系の必要条件に基づいて、所望のタンパク質の発現に適した系を選択することができる。【0047】発明の用途本発明のベクターおよび方法は、種々の組換えポリペプチドの発現に用いられるであろう。このようなポリペプチドの例には、インターロイキン1〜18、インターフェロン、RANTES、リンホトキシンβ、Fasリガンド、flt−3リガンド、NF−κBの受容体活性化因子のリガンド(RANKL)、TNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)、CD40リガンド、Ox40リガンド、4−1BBリガンド(およびTNFファミリーの他のメンバー)、胸腺ストロマ由来リンホポエチン、顆粒球コロニー刺激因子、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子、マスト細胞増殖因子、幹細胞増殖因子、上皮増殖因子、成長ホルモン、腫瘍壊死因子、白血病阻害因子、オンコスタチンM、およびエリトロポエチンおよびトロンボポエチンのような造血因子などのサイトカインおよび成長因子が含まれる。【0048】更に含まれるのは、脳由来神経栄養因子、毛様体神経栄養因子、グリア細胞系由来神経栄養因子、および細胞表面分子ElkおよびHekの種々のリガンド(eph関連キナーゼのリガンドまたはLERKSなど)のような神経栄養因子である。本発明の方法によって発現されうるタンパク質の説明は、例えば、Human Cytokines: Handbook for Basic and Clinical Research, Vol.II(Aggarwal and Gutterman, eds. Blackwell Sciences, Cambridge MA, 1998);Growth Factors: A Practical Approach(McKay and Leigh, eds., Oxford University Press Inc., New York, 1993)および The Cytokine Handbook(AW Thompson, ed.; Academic Press, San Diego CA; 1991)で見出されうる。【0049】両方の形の腫瘍壊死因子受容体(p55およびp75と称される)、インターロイキン1受容体(1型および2型)、インターロイキン4受容体、インターロイキン15受容体、インターロイキン17受容体、インターロイキン18受容体、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子受容体、顆粒球コロニー刺激因子受容体、オンコスチタンMおよび白血病阻害因子の受容体、NF−κBの受容体活性化因子(RANK)、TRAILの受容体、およびFasまたはアポトーシス誘導受容体(Apoptosis-Inducing Receptor)(AIR)のような細胞死ドメインを含む受容体を含めた、前述のタンパク質のいずれの受容体も、本発明のベクターおよび方法を用いて発現させることができる。【0050】本発明のベクターおよび方法を用いて発現されうる他のタンパク質には、分化抗原のクラスター(CDタンパク質と称される)、例えば、Leukocyte Typing VI(Proceedings of the VIth International Workshop and Conference; Kishimoto, Kikutani et al.,eds.; Kobe, Japan, 1996)に開示されたもの、またはその後のワークショップで開示されたCD分子が含まれる。このような分子の例には、CD27、CD30、CD39、CD40;およびそれのリガンド(CD27リガンド、CD30リガンドおよびCD40リガンド)が含まれる。これらのいくつかは、41BBおよびOX40も含むTNF受容体ファミリーのメンバーであり;それらリガンドは、しばしば、TNFファミリーのメンバーであり(4−1BBリガンドおよびOX40リガンドと同様に);したがって、TNFおよびTNFRファミリーのメンバーも、本発明を用いて発現されうる。【0051】酵素的に活性であるタンパク質も、本発明によって発現されうる。例には、メタロプロテイナーゼ−ジスインテグリンファミリーメンバー、種々のキナーゼ(ストレプトキナーゼおよび組織プラスミノーゲン活性化因子、更には、Death Associated Kinase Containing Ankyrin Repeats、およびIKR1および2を含めた)、TNFα変換酵素、および多数の他の酵素が含まれる。酵素的に活性なタンパク質のリガンドも、本発明を適用することによって発現することができる。【0052】本発明のベクターおよび方法は、免疫グロブリン分子またはそれらの一部分、およびキメラ抗体(すなわち、ヒト定常領域を有する抗体はネズミ抗原結合領域に結合する)またはそれらのフラグメントを含めた他の種類の組換えタンパク質の発現にも有用である。免疫グロブリン分子をコードしているDNAを操作して、一本鎖抗体、増加した親和性を有する抗体または他の抗体基剤ポリペプチドのような組換えタンパク質をコードすることが可能なDNAを生じることができる多数の技法が知られている(例えば、Larrick et al., Biotechnology 7:934-938,1989; Reichmann et al., Nature 332:323-327,1988; Roberts et al., Nature 328:731-734,1987; Verhoeyen et al., Science 239:1534-1536,1988; Chaudhary et al., Nature 339:394-397,1989)。【0053】種々の融合タンパク質も、本発明の方法およびベクターを用いて発現されうる。このような融合タンパク質の例には、免疫グロブリン分子の一部分との融合として発現されるタンパク質、ジッパー部分との融合タンパク質として発現されるタンパク質、およびサイトカインおよび成長因子(すなわち、GM−CSFおよびIL−3、MGFおよびIL−3)の融合タンパク質のような新規な多機能タンパク質が含まれる。WO93/08207号およびWO96/40918号には、それぞれ、免疫グロブリン融合タンパク質およびジッパー融合タンパク質を含めた、CD40Lと称される分子の種々の可溶性オリゴマー型の製造が記載され、そこに開示される技法は、他のタンパク質に容易に応用できる。【0054】さらなる例として、一つまたはそれ以上の発現される配列標識(EST)に基づくDNAをESTのライブラリーから製造し、本発明のベクター中に挿入し、発現させて、組換えポリペプチドを得ることができる。更に、ESTの使用によって(すなわち、PCR、または他のクローニング技術の応用によって)単離されるDNAも、本発明を適用することによって発現することができる。前述のポリペプチド、更には、多数のその他に関する情報は、GenBank のような電子デーベースを含めた種々の公共供給源から入手することができる。特に有用なサイトは、National Center for Biotechnology Information/National Library of Medicine/National Institutes of Health のウェブサイト(www.ncbi.nlm.nih.gov)である。当業者は、所望のポリペプチドを発現させるのに必要な情報を得、そして本明細書中に記載の技法を常套実験によって適用することができる。【0055】しかしながら、本出願の目的について、目的のタンパク質の定義は、栄養要求性、代謝拮抗物質および/または抗生物質のマーカーのような細胞培養物中で選択可能マーカーとして典型的に用いられるタンパク質をコードしている遺伝子を除外する。それにもかかわらず、本発明は、目的の遺伝子を発現するように遺伝子操作される細胞の選択および/またはクローンの増幅を助けるものとしての選択可能マーカーの使用を含む。好ましくは、選択可能マーカー遺伝子は、目的の遺伝子に隣接して位置して、そのマーカー遺伝子の選択および/または増幅が、隣接する遺伝子を選択および/または増幅するようにする。【0056】本明細書中に引用される全ての参考文献の適切な開示は、具体的に援用される。次の実施例は、具体的な態様を詳しく説明するためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。当業者は、さらなる態様が本発明に包含されるということを容易に理解するであろう。【0057】実施例実施例1この実施例は、sIL−4Rと称されるヒトインターロイキン4受容体の可溶性型の発現のためのいくつかの発現ベクター製造を記載する。ヒトIL−4R cDNAおよびタンパク質は、1998年11月24日発行の米国特許第5,840,869号;1997年2月4日発行の同第5,599,905号および1999年1月5日発行の同第5,856,296号に開示されている。配列番号:5および6は、ヒトIL−4Rのヌクレオチドおよびアミノ酸配列(それぞれ)を示す。アミノ酸−25〜−1は、推定上のリーダーペプチドを含み、切断は、アミノ酸−1と1との間およびアミノ酸−3と−2との間で起こることが判明している。アミノ酸208〜231は、膜貫通領域を形成する。アミノ酸−25〜アミノ酸207のsIL−4RをコードしているDNAを、発現ベクター中で用いた。【0058】最初の発現ベクターpCAVDHFRは、マウスDHFR(Subramani et al., Mol.Cell.Biol. 1:854,1981)のコーディング配列を含有するpCD302(Mosley et al., Cell 89:335-348;1989)の誘導体である。pCDEベクターは、アデノウイルス三部分リーダーとDHFRcDNAコーディング配列との間にクローン化されたネズミ脳心筋炎ウイルスIRES(ヌクレオチド260〜824;Jang and Wimmer, Genes and Dev. 4:1560,1990)を含有するpCAVDHFRの誘導体である。発現増強配列要素(EASE)は、CMVリーダーの上流に含まれた。EASEは、2000年2月22日発行の米国特許第6,027,915号および1999年11月5日出願の、現在許可されたUSSN09/435,377号に記載されている。【0059】ジシストロンメッセージのポリアデニル化を可能にするために、ウシ成長ホルモンポリアデニル化部位を、DHFR遺伝子の3’に配置した。プラスミドpBGHは、標準的なジシストロンベクターであり、対照として役立つ。本発明の代わりのポリアデニル化ベクターは、種々のポリアデニル化部位をIL−4RとIRESとの間に挿入することによって構築した。プラスミドpSPA4、pSPA6およびpMLPAは、後期SV40ポリA部位、初期SV40ポリA部位、および後期SV40ポリA部位の欠失突然変異体をそれぞれ挿入することによって構築した。欠失突然変異後期SV40ポリA部位を、PCRを用いて構築して、後期SV40ポリAのフラグメント、配列番号:1のヌクレオチド80〜222を単離した。種々の構築物の略図を図1に示し、種々のポリA部位のヌクレオチド配列を配列表に示す(SV40後期:配列番号:1;BGH:配列番号:2;SV40初期:配列番号:3)。【0060】これらプラスミドを標準的なトランスフェクションで用いて、IL−4Rを発現するトランスフェクションされた細胞を製造した。ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)欠損チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞DXB11(Chasin and Urlaub, 上記)細胞を、2mM L−グルタミン、90mMチミジン、90mMヒポキサンチン、120mMグリシン、5% Hyダイズペプトンおよび100mg/Lインスリン様成長因子1を補足したDMEM:F12基剤血清不含培地に適応させた(Rassmussen et al., Cytotechnology 28:31-42,1998)。DHFR選択およびメトトレキセート増幅には、チミジン、ヒポキサンチンおよびグリシンを欠いた同様の培地中で細胞を培養した。メトトレキセート選択には、メトトレキセート(MTX;Lederle Laboratories, Pearl River, NY)を適当な濃度で選択培地に加える。ネオマイシン選択を用いる場合、400μg/mlのG418(Gibco, Grand Island, NY)が培地中に含まれる。細胞は、リン酸カルシウムトランスフェクション(Wigler et al. 上記)または Lipofectamine(登録商標)トランスフェクションを供給者(Gibco BRL,Gaithersburg, MD)によって提示されるように用いてトランスフェクションする。Lipofectamine(登録商標)Reagent は、培養された細胞に適用された場合に、細胞中への核酸の取込みを容易にする脂質−核酸複合体(またはリポソーム)を形成するのに用いられる商業的に入手可能な試薬である。【0061】実施例2この実施例は、上記のプラスミドによってコードされるIL−4RおよびDHFRのメッセージが作成されることを確実にし、そして種々のRNAの相対レベルについての情報を提供するのに用いられた半定量的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を記載する。細胞を、記載のようにトランスフェクションし且つ培養し、そしてmRNAを、RNeasy全RNA単離キット(Quiagen, Chatsworth, CA)を用いて得、RNAse不含DNAseを用いて処理して、DNA混入を減少させた。オリゴdTプライマーを用いて、第一鎖cDNAを製造し、アクチンの対照プライマーを包含させて、定量を容易にした。【0062】第一鎖を増幅させ、導入RNAの量を、PE Biosystems(Foster City, CA)製の GeneAmp 5700を用いて決定した。30サイクルのPCRを行い、そして二本鎖DNA結合染料SYBR Green I(PE Biosystems, Foster City, CA)を用いて、PCR産物の同時定量を行った。標準曲線を、既知量のアクチンcDNA、IL−4R cDNAおよびDHFR cDNAを用いて作成した。各試料中のcDNAの量を、アクチンcDNAの量を用いて規格化した。各試料中のIL−4RおよびDHFRの相対量を表2に示す。【0063】【表2】表2構築物 IL−4R/アクチン DHFR/アクチンpBGH 4.2 7.4pMPLA 32.5 2.0 これらデータは、代わりのポリアデニル化ベクターを用いてトランスフェクションされた細胞が、対照の約8倍多いIL−4R特異的メッセージを有し、DHFRの量は、対照と相対して3.5倍減少するということを示している。この技術を用いて、本発明の発現ベクター中で用いるための追加のポリアデニル化シグナルを評価することができる。【0064】実施例3この実施例は、組換えタンパク質の生産を監視するのに用いることができる固相酵素免疫検定法(ELISA)を記載する。このELISAは、当該技術分野において周知であり、Engvall et al., Immunochem. 8:871,1971 および米国特許第4,703,004号に開示された技術の適応は、種々の組換えタンパク質の生産を監視するのに用いられている。この検定では、目的のタンパク質に特異的な第一抗体(通常は、モノクローナル抗体)を、支持体(たいていの場合、96ウェル微量滴定プレート)上に固定後、タンパク質含有試料を加え、インキュベートする。既知の濃度のタンパク質の一連の希釈液も加え、そしてインキュベートして、標準曲線を生じる。非結合タンパク質および他の物質を除去する洗浄工程後、タンパク質への第二抗体を加える。この第二抗体は、タンパク質の異なったエピトープに対して向けられ、モノクローナル抗体かまたはポリクローナル抗体であってよい。【0065】西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)のような酵素に複合した第二抗体に結合する抗体を含む複合体試薬を、非結合タンパク質を除去する次の洗浄工程後にかまたは第二抗体を加えるのと同時に加える。適当なインキュベーション時間後、非結合複合体試薬を洗浄によって除去し、そして酵素複合体の基質を含有する展開用溶液をプレートに加え、発色させる。正しい波長での光学濃度読みは、各ウェルについての数値を与える。試料の値を標準曲線の値と比較して、所望のタンパク質のレベルを定量することができる。【0066】sIL−4Rを定量するために、IL−4Rの異なったエピトープに向けられる二つのモノクローナル抗体(MAb)を用いたELISAを開発した。第一MAb(M10と称される)をプレート上に一晩吸着させ、そして洗浄工程後に、第二抗体に複合したペルオキシダーゼ(HRP)(HRP−M8と称される)を加えた。【0067】実施例4この実施例は、種々の構築物を用いたCHO細胞のトランスフェクションを記載し、トランスフェクションされた細胞のプールによるsIL−4Rの生産を比較する。種々のsIL−4R発現プラスミドを、Lipofectamine(登録商標)を用いてCHO細胞中にトランスフェクションした。細胞を、最初に、DHFR+表現型について選択した後、プールし、いろいろなMTX濃度で選択した。細胞のプールを2〜3日間成長させた後、上清を採取し、実施例3に記載のようにELISAによって分析し、比生産性(106個細胞によって生産されるμg/日のタンパク質として定義される)を決定した。代表的な実験結果を下の表3に示す。【0068】【表3】これら結果は、所望の組換えタンパク質をコードしているDNAと、選択可能マーカーをコードしているDNAとの間の内部ポリA部位に挿入が、トランスフェクションされた細胞のプールからの所望の組換えタンパク質の発現を増加させることができるということを示した。【0069】実施例5この実施例は、トランスフェクションされたCHO細胞のプールによるsIL−4Rの経時生産を詳しく説明する。高レベルの発現は、多数の継代にわたって安定であった。MLPAプラスミドを用いた四つの独立したトランスフェクションを、前に記載されたのと実質的に同様に行い、20世代にわたって継代した。発現は、それぞれの培養物から別々に監視し、比生産性結果を平均したが、その平均値を表4に示す。【0070】【表4】表4のデータで理解されうるように、発現は20回にわたる継代で安定なままであった。次に、これらプールの内の二の継代20からの細胞を、5nmメトトレキセート中で増幅させ、IL−4R発現について監視した。結果を表5に示す。増幅されたプールは、未増幅のプールと比較したところ、増加した発現を示した。【0071】【表5】実施例6この実施例は、トランスフェクションされたプールに由来する細胞のクローンへの内部ポリA部位の作用を詳しく説明する。BGH、SPA4およびSPA6細胞を、MTXの存在下での限界希釈によってクローン化した。いくつかのコロニーを取り、プールについて記載のようにsIL−4Rの比生産性についてスクリーニングした。結果を表6に示す。【0072】【表6】これら結果は、内部ポリA部位を含む発現ベクターを用いてトランスフェクションされたプールから得られたクローンが、高レベルの所望の組換えタンパク質を発現することができるということを示す。薬剤として用いるための多量の組換えタンパク質を生産する目的には、クローンを、しばしば、メトトレキセート中で再増幅させる。再増幅過程への内部ポリA部位の作用を評価するために、SPA4プールからのクローン2を、増加濃度のメトトレキセート中での数回の継代のために細胞を培養することによって再増幅させた。細胞が、約90%の生存率でメトトレキセート増幅からいったん回収されたら、それら細胞を2〜3日間培養し、上清を採取し、その上澄み液のIL−4RについてELISAによって検定することにより、比生産性を決定した。結果を表7に示す。【0073】【表7】これら結果は、内部ポリA部位を含む発現ベクターを用いてトランスフェクションされた細胞のクローンを再増幅することができるので、より高い比生産性を示すと期待されるであろうということを示している。【0074】実施例7この実施例は、組換えタンパク質の発現のためのいくつかの発現ベクターの製造を記載する。マーカータンパク質(分泌アルカリ性ホスファターゼまたはSEAP;Berger et al., Gene 66:1,1988)をコードしている発現ベクターを、前に記載されたのと実質的に同様に、MLPAポリA部位を内部に用いて製造するが、BGH以外のポリA部位は、末端ポリA部位として用いることができる。発現ベクター中のIRES配列にいくつかの変更を行う。Davies および Kaufman(J.Virology 66:1924;1992)に考察されるように、次の遺伝子の翻訳効率は、この場合はDHFRである第二遺伝子とIRESの結合部でまたはその付近でIRESの配列を変化させることによって操作することができる。表8に、IRESに加えられるヌクレオチド配列を示すが、表に示される最初の塩基は、EMCV IRES(配列番号:7)のヌクレオチド566の直後である。翻訳出発部位(ATG)を下線で示し、3’ATGはmuDHFRの最初のATGである。【0075】【表8】IRESへのヌクレオチド配列の付加は、所望の組換えタンパク質のレベルを有意に減少させることなく、トランスフェクションされた細胞の百分率を増加させるように充分にDHFRの発現を調節するであろう。これらベクター(対照ベクターを含めた)を、標準的なトランスフェクションで用いて、本明細書中に記載されたのと実質的に同様に、SEAPを発現するトランスフェクションされた細胞を製造する。マーカータンパク質SEAPの発現レベルは、CLONTECH Laboratories(Palo Alto, CA,USA;Yang et al., Biotechniques 2:1110,1997)から入手可能なものなどの定量的検定を用いて決定する。【図面の簡単な説明】【図1】 図1は、実施例1で製造される構築物の略図である。SV40初期ポリアデニル化シグナルが含まれた構築物をSPA6と称し、後期ポリアデニル化シグナルが含まれたものをSPA4と称した。対照構築物をBGHと称した。【配列表】 発現ベクターであって、プロモーター配列、第一コーディング配列、ポリアデニル化部位および第二コーディング配列をこの順序で含み、ここにおいて、内部ポリアデニル化部位と第二コーディング配列との間にプロモーター配列が存在せず、そして、ここにおいて、内部ポリアデニル化部位と第二コーディング配列との間に、内部リボソームエントリー部位(IRES)が第二コーディング配列に機能的に結合するように挿入されている、前記発現ベクター。 第二コーディング配列が選択可能マーカーをコードする請求項1に記載の発現ベクター。 選択可能マーカーがジヒドロ葉酸レダクターゼである請求項2に記載の発現ベクター。 内部ポリアデニル化部位が、SV40後期ポリアデニル化部位(配列番号:1)、SV40初期ポリアデニル化部位(配列番号:3)、および配列番号:1のヌクレオチド80〜222から本質的に成る突然変異SV40後期ポリアデニル化部位から成る群より選択される請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発現ベクター。 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の発現ベクターを用いてトランスフェクションされた細胞の安定なプール。 請求項5に記載のプールからクローン化された細胞系。 組換えタンパク質を入手する方法であって、以下: 請求項5に記載の細胞の安定なプールを培養し; 細胞においてタンパク質を発現させ;そして タンパク質を回収する;ことを含む、前記方法。 組換えタンパク質を入手する方法であって、以下: 請求項6に記載の細胞系を培養し; 細胞においてタンパク質を発現させ;そして タンパク質を回収する;ことを含む、前記方法。 第二コーディング配列の後に、そしてそれに機能的に結合した第二ポリアデニル化部位を更に含む請求項1ないし4のいずれか1項に記載の発現ベクター。 発現ベクターであって、プロモーター配列、第一コーディング配列、配列番号:1のヌクレオチド80〜222から本質的に成るポリアデニル化部位、および第二コーディング配列をこの順序で含み、ここにおいて、内部ポリアデニル化部位と第二コーディング配列との間にプロモーター配列が存在せず、そして、ここにおいて、内部ポリアデニル化部位と第二コーディング配列との間に、内部リボソームエントリー部位(IRES)が第二コーディング配列に機能的に結合するように挿入されている、前記発現ベクター。 請求項10に記載の発現ベクターを用いてトランスフェクションされた哺乳動物細胞の安定なプール。 請求項11に記載のプールからクローン化された細胞系。 組換えタンパク質を入手する方法であって、以下: 請求項11に記載の細胞の安定なプールを培養し; 細胞においてタンパク質を発現させ;そして タンパク質を回収する;ことを含む、前記方法。 組換えタンパク質を入手する方法であって、以下: 請求項12に記載の細胞系を培養し; 細胞においてタンパク質を発現させ;そして タンパク質を回収する;ことを含む、前記方法。 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の発現ベクターを含有する哺乳動物宿主細胞。 請求項9に記載の発現ベクターを含有する哺乳動物宿主細胞。 請求項10に記載の発現ベクターを含有する哺乳動物宿主細胞。 第二コーディング配列の後に、そしてそれに機能的に結合した第二ポリアデニル化部位を更に含む請求項10に記載の発現ベクター。 請求項18に記載の発現ベクターを含有する哺乳動物宿主細胞。