タイトル: | 特許公報(B2)_酢酸エチルの製造方法及びその方法を実施するための装置 |
出願番号: | 2001530087 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | C07C 67/08,B01D 3/00,C07C 67/54,C07C 69/14,C07B 61/00 |
コレナ、ジリ レデレル、ジャロミル モラヴェク、パヴェル ハニカ、ジリ スメイカル、クイドー スカラ、ダヴィド JP 4724341 特許公報(B2) 20110415 2001530087 20001011 酢酸エチルの製造方法及びその方法を実施するための装置 ズルツァー ヒェムテヒ リミテッド 502130559 浅村 皓 100066692 浅村 肇 100072040 安藤 克則 100107504 池田 幸弘 100102897 コレナ、ジリ レデレル、ジャロミル モラヴェク、パヴェル ハニカ、ジリ スメイカル、クイドー スカラ、ダヴィド CZ PV 1999-3635 19991014 20110713 C07C 67/08 20060101AFI20110627BHJP B01D 3/00 20060101ALI20110627BHJP C07C 67/54 20060101ALI20110627BHJP C07C 69/14 20060101ALI20110627BHJP C07B 61/00 20060101ALN20110627BHJP JPC07C67/08B01D3/00 AC07C67/54C07C69/14C07B61/00 300 C07C 67/08 C07C 67/54 C07C 69/14 C07B 61/00 国際公開第99/048855(WO,A1) 5 CZ2000000075 20001011 WO2001027065 20010419 2003535814 20031202 8 20070516 水島 英一郎 【0001】(技術分野)本発明は、酢酸のエチルアルコールによるエステル化により、又は無水酢酸とエチルアルコールとの反応により酢酸エチルを合成する方法に関し、その方法は塔中で接触蒸留(catalytic distillation)を用い、その接触蒸留中、触媒活性充填物による反応及び反応生成物の精留分離を同時に行う。本発明は、この方法を実施するための装置にも関する。【0002】(背景技術)酢酸エチルは、エチルアルコールと酢酸との反応により製造され、その反応は酢酸エチルの外に水も生ずる。別法として、酢酸エチルは無水酢酸とエチルアルコールとの反応によっても製造することができ、その反応中、酢酸エチルの外に酢酸も生成し、その酢酸が更に別のエチルアルコール部分によりエステル化される。エステル化は平衡反応であり、酸触媒の存在により加速される。この目的から、主に鉱酸、好ましくは硫酸が用いられ、或は進歩したものとして固体酸性触媒が用いられている。そのような酸性触媒は、主に酸性イオン交換剤、又は場合によりゼオライト、又は所謂固体超酸(solid superacid)等である。【0003】従来法によれば、通常反応混合物のほぼ平衡組成が反応器中に得られるように反応を行い、その組成は反応成分の出発モル比に依存する。そのようにして得られた混合物を塔中で精留し、エチルアルコール、酢酸エチル、及び水を含有する三元異種成分共沸物(ternary heterogenic azeotrope)に近い組成を有する混合物を留出する。この反応により生成する水の量は、共沸物の形で留出される水の量より多いので、余分な水は未反応酢酸と一緒に塔ボイラーから取り出す。そのようにして得られた酢酸は、別の蒸留により再生しなければならない。そのようにして得られた三元共沸物の有機相の続く蒸留分離、即ち、先ず最初に未反応エチルアルコールの酢酸エチルからの分離が、勿論非常に労力を要する。なぜなら、それは、エチルアルコールと酢酸エチルとが二成分共沸物を形成する実質的に非理想的な混合物であり、それとは別に、それらが水と最低沸点を有する三元共沸物を形成することが考えられるからである。第一塔の留出物から分離された水相から、別の蒸留塔により溶解酢酸エチル及びエチルアルコールを次に留出し、このアルコールと酢酸エステルとの混合物を次に工程へ戻す。エステル化反応成分を分離する方法が複雑なことは、言及した従来法の主な欠点である。触媒として鉱酸を用いた方法の場合、無視できない環境及び腐食問題も観察されている。【0004】原理的には、触媒を存在させずに〔Chem. Eng. Technol., 20, 182, (1997)〕、又は反応成分の一つと一緒に均質触媒、即ち鉱酸を供給して〔Chemia Stosowana, 33, 509, (1989)〕、蒸留塔中でエチルアルコールによる酢酸のエステル化を行うことも知られている。また、バッチ式塔を使用することも報告されており、その塔には酸性イオン交換剤の粒子が満たされており、それによりそのような粒子は触媒及び塔パッキングとしての両方の働きをする〔Separation Science and Technology, 27, 613, (1992)〕。勿論、触媒を用いないエステル化の速度は低過ぎて工業的に使用することができない。均質触媒供給物を用いた反応蒸留は、上述の腐食問題及び環境的欠点をもたらす。酸性触媒の自由粒子(free particle)を充填した蒸留塔は、流体力学的抵抗が高く、分離効率が悪いため、工業的方法としては適用できない。【0005】従って、本発明の目的は、従来法の欠点を除くことにある。【0006】(発明の開示)本発明による、エチルアルコールと酢酸及び(又は)無水酢酸との反応により酢酸エチルを製造する方法は、固体酸性触媒の存在下で、同時に反応成分を蒸留分離しながら、酢酸又は無水酢酸又はそれらの混合物とエチルアルコールとを、2:1〜1:2.5のモル比で、触媒単位体積に基づき導入成分の全流量として表して0.1〜10時-1の量で別々に系に導入し、前記系中で反応及び蒸留分離を三つの領域で行い、その中の反応領域では反応を行なうと同時に、異なった沸点を有する成分の蒸留分離を行い、二つの分離領域では成分の蒸留分離のみを行い、それにより酢酸エチルと低沸点共沸混合物を形成する反応副生成物として生じた水を系から完全に又は部分的に蒸留除去する。然る後、留出物を5〜70℃に冷却し、次に水を酢酸エチル及び留出物の他の有機成分から分離し、系から取り出し、一方、主に粗酢酸エチル(raw ethyl acetate)を含有する留出物の有機成分を還流として部分的に元に戻し、それにより酢酸及び(又は)無水酢酸供給物流及びエチルアルコール供給物を系に導入し、酢酸及び(又は)無水酢酸供給物を反応領域中、又はその領域より上で、エチルアルコール供給物の場所より上に位置する場所へ導入し、エチルアルコール供給物を反応領域中、又はその領域より下へ導入し、それにより塔への出発成分の供給物と、塔頂部へ還流した有機相との比が1:1〜1:20になるようにし、化学反応により生じ、留出物の形で分離されなかった水の一部分を含有することがある残留未反応酢酸を沸点の一層高い塔底成分として分離する。触媒として酸性イオン交換剤、例えば、1〜25重量%のジビニルベンゼンを含有し、1〜10meq(H+)/gの酸性度を有するスルホン化スチレン・ジビニルベンゼン共重合体を用いることができる。しかし、どのような他の酸性イオン交換樹脂でも、例えば、酸性ゼオライト及び他の既知の酸性触媒を用いてもよい。【0007】本方法の好ましい態様は、次の特徴を維持して操作される:酢酸対エチルアルコールのモル比、1:1〜1:0.45、又は無水酢酸対エチルアルコールのモル比、1:2〜1:1.5;触媒単位体積に基づき導入成分の供給物流量、0.5〜5時-1;反応へ供給された導入成分対還流有機相の比、1:1〜1:20。純粋酢酸又は無水酢酸供給物又はそれらの混合物の代わりに、酢酸又は無水酢酸及びエチルアルコールの部分的に反応した混合物を用いることができ、そのため、酢酸含有供給物流が酢酸エチル及び(又は)水及び(又は)未反応エチルアルコールを含有することがある。【0008】本発明による方法は、三つの領域からなる塔を有し、それにより前記塔の中間部分に配置された反応領域が、固体酸性触媒を含有し、その触媒は蒸留トレイに固定されるか、好ましい態様として、内部チャンネル構造(channel structure)を有する既知の型の配向パッキング(oriented packing)中に固定されており、この場合、そのパッキングの構造を形成する不活性多孔質材料の二つの層の間に触媒が固定されており、底部分離領域及び頂部分離領域が不活性注入パッキング(inert poured packing)を有し、それらは既知の設計の組織化された配向パッキング又は蒸留内蔵部品(built-in part)であり、酢酸及び(又は)無水酢酸供給パイプラインが反応領域の上方部分又はその領域より上に接続されており、エチルアルコール供給パイプラインが反応領域の底部中か、又はその領域より下に導入されており、前記塔の底部にボイラーが配備されており、未反応酢酸の取り出し部材(draw-off)が前記塔ボイラーか又は前記塔底部に配備されており、前記塔の上方部分は頂部で終わっており、前記頂部には凝縮器へ入る留出物蒸気の取り出し部材(withdrawal)が配備されており、それにより、凝縮留出物を分離器へ移す凝縮留出物パイプラインが配備されており、それにより、前記分離器には底部で留出物水相を取り出すための取り出しパイプラインが配備されており、還流を留出させるための出口パイプライン及び留出物有機相を取り出すための出口パイプラインが配備されている装置を用いて行われる。【0009】本発明による方法は、出発成分の酢酸エチル及び水への平衡よりも高い、殆ど100%の転化を得ることを可能にすることが、本発明の上記特定の要約から明らかになる。特に、エチルアルコールを化学量論的に僅かな不足で系に供給した場合、エチルアルコールは殆ど完全に酢酸エチルに転化され、その場合、酢酸エチルは容易に分離できる水との混合物の形で得られる。分離領域は、反応生成物、即ち酢酸エチルと水とを出発成分、即ち、酢酸とエチルアルコールから分離し、前記出発成分を反応領域へ戻す機能を果たし、それにより酢酸エチルは水と一緒に留出物として連続的に分離され、この留出物の有機相から分離した後、主に酢酸エチルを含有する水相を系から分離し、留出物の有機部分は部分的に塔へ還流物として戻し、部分的に取り出される。【0010】導入成分、即ち、酢酸又は無水酢酸及びエチルアルコールを、反応領域中へ、エチルアルコールを殆ど全て転化するように、化学量論比又は酢酸及び(又は)無水酢酸のモル数を過剰にして導入することができる。本発明による方法を大気圧で行う場合、塔の温度状態を、塔頂部の温度が70〜74℃に到達するようにして安定化する。塔への出発成分の供給は、酢酸及び(又は)無水酢酸供給物の位置よりも低い塔の位置へエチルアルコールを導入するようにして実現する。本方法の通常の実施態様として、エチルアルコールを触媒領域の下、又はその下方部分中へ供給する。一方、酢酸又は無水酢酸を含有する供給物は、この領域よりも上、又はその上方部分へ供給する。【0011】塔頂部から出た蒸気は凝縮して混合物を生じ、その混合物を70〜5℃へ冷却し、次に水と有機相へ分離するが、それにより主に酢酸エチルを含有する有機相の一部分を還流として塔頂部へ戻し、その一部分を取り出す。本発明による方法の特別な特徴は、留出物中のエチルアルコール含有量が低いことであり、その含有量は酢酸エチル・エタノール・水三元共沸物中の濃度に相当するものよりも低い。この事実は、後の蒸留がそれ程労力を要しないことにより、留出生成物の商業的純度への最終的精製を著しくし易くしている。或る量の溶解酢酸エチル及び最終的にエチルアルコールを含有する水相を取り出す。この相から溶解エステル及びアルコールをストリップ除去することができ、両方の成分を工程へ戻すことができる。塔ボイラーから過剰の酢酸を連続的に取り出すことができる。本発明の方法により、留出物の形で化学反応によって生成した全ての水を分離すること、或は未反応残留酢酸と一緒になった塔底生成物として系からこの水の一部分を取り出すことが可能になる。【0012】(本発明の詳細な記述)図1による装置は、三つの領域からなる塔1を有し、それにより前記塔1の中間部分に配置された反応領域2には固体触媒が入っており、底部分離領域3及び上方分離領域4には配向パッキング、不活性注入パッキング、又は蒸留内蔵部品が入っている。酢酸及び(又は)無水酢酸供給パイプライン5は反応領域2の上方部分又はその領域より上に位置し、エチルアルコール供給パイプライン6は反応領域2の底部中か又はその領域より下に配置されている。塔1の底部は塔底部7で終わっており、その塔底部7にボイラー8が配備されている。未反応酢酸取り出しパイプライン9が、このボイラー8に接続されている。この塔1の上方部分は塔頂部10で終わっている。この塔頂部10には、凝縮器12へ前記蒸気を送る留出物蒸気取り出しパイプライン11が配備されている。凝縮留出物取り出しパイプライン13は、凝縮器12と分離器14とを接続している。この分離器14の底部には留出物水相取り出しパイプライン15が配備されており、分離器14の上方部分には還流パイプライン16及び非還流留出物(non-refluxed distillate)有機相、即ち、酢酸エチル取り出しパイプライン17が配備されている。【0013】本発明による方法は、上に記載した装置で実施し、酢酸及び(又は)無水酢酸又はそれらの混合物と、酢酸エチル及び(又は)水及び(又は)エチルアルコールとの供給物を、パイプライン5を通って上方分離領域4の底部又は反応領域2の上方部分へ導入し、同時にエチルアルコール供給物をパイプライン6を通って底部分離領域3の上方部分又は反応領域2の底部中へ導入し、それにより水、酢酸エチル、及び残留未反応エチルアルコールを含有する留出物蒸気を塔頂部10から取り出し、凝縮器12中へ送り、それらを次に凝縮留出物の形でこの凝縮器12から更に分離器14へ移し、そこで留出物水相を留出物有機成分から分離するようにする。次にそれら有機成分を分離器14から塔1へ戻す。【0014】本発明の実施態様の例例1図1は、本発明による装置の模式的図を示す。大気圧で連続的に操作される接触蒸留塔1は三つの領域に分割されている。塔1の中間部分は反応領域2を形成する。反応領域2の下には、底部分離領域3があり、反応領域2の上には上方分離領域4が存在する。ボイラー8は塔底部7に接続されている。凝縮器12は塔頂部10に接続されている。分離器14は凝縮器12に接続されている。【0015】反応領域2には、33gの酸性イオン交換剤を含有する触媒活性パッキング(catalytically active packing)が充填されている。底部分離領域3及び上方分離領域4〔直径4mmのバールサドル(Berl saddle)〕の両方の中に注入充填剤が入れてある。分離領域3及び4の長さは0.5mであった。【0016】製造方法は次のようにして行う。エチルアルコール供給物をパイプライン6により底部分離領域3中へ導入し、酢酸供給物をパイプライン5により上方分離領域4中へ導入する。上記両方の出発材料の流量は0.25モル/時であった。塔頂部10からパイプライン11により留出物蒸気を取り出し、凝縮器12中へ移す。凝縮された留出物は凝縮器12からパイプライン13により分離器14中へ送る。生成した反応水は、分離器14からパイプライン15により運ばれる留出物水相の形で4.2g/時の流量で取り出し、蒸留共沸物の有機相は、粗酢酸エチルとして21g/時の流量で取り出し、この有機相の大部分をパイプライン16により塔1へ還流として戻す。未反応酢酸をボイラー8から、取り出しパイプライン9により1.2g/時の流量で取り出し、このボイラー8中に一定の液面を維持するようにした。この構成での反応転化率は92%であった。【0017】例2例1の場合と同様な条件を用いて酢酸エチル合成を行なった。但し出発成分を酢酸の代わりに無水酢酸にし、その無水酢酸をエチルアルコールと等モル比で前反応器(pre-reactor)で反応させ、酢酸と酢酸エチルとを生成させた。次に反応混合物を酢酸の代わりに塔1へ供給した。エチルアルコール対無水酢酸の全モル比は1.52に選択した。1:6の還流比を用い、装置の産出量は、91.4重量%の純度を有する粗酢酸エチル0.46モル/時であった。酢酸エチルを別として、その生成物は僅か5.2重量%の水及び3.4重量%のエチルアルコールしか含んでいなかった。分離器14で分離された水相の産出流量は、3.9ml/時であった。【0018】例3体積50リットルのボイラー8、凝縮器12及び分離器14を配備した塔1を具えた装置を用いて、酢酸によるエチルアルコールのエステル化を行なった。接触蒸留塔1は、H+型の酸性イオン交換剤を1.07kg含有する触媒活性パッキング、カタパク(KATAPAK)(登録商標名)Sを充填した反応領域2からなっていた。底部分離領域3及び上方分離領域4は、効率12の配向パッキング(底部分離領域)、即ち20の理論的プレート(theoretical plate)で充填されていた。酢酸を0.73kg/時の量でパイプライン5を通り反応領域2中へ供給し、エチルアルコールを0.41kg/時の量でパイプライン6を通り底部分離領域3の上方境界へ供給した。この反応により生成した水は、パイプライン15により分離器14から流出させ、有機相をパイプライン16により塔1中へ還流し、有機相の一部分(0.86kg/時)を、パイプライン17を通り粗酢酸エチルとして取り出した。未反応酢酸をパイプライン9を通って取り出すことにより、ボイラー8中に一定の保持量を維持した。酢酸エチルを別として、生成物は、0.003重量%の酢酸、1.4重量%のエチルアルコール、及び1.43重量%の水を含んでいた。【0019】例4装置及び方法は例3の場合と同じであった。但し供給物流5が、66.6重量%の酢酸、0.8重量%のエチルアルコール、25.4重量%の酢酸エチル、及び7.2重量%の水を含有していた点が異なる。供給速度は0.843kg/時であった。この組成の供給物は、酸性イオン交換剤を充填した慣用的設計の反応器を通過させることにより、酸性及びエチルアルコール混合物を予め部分的に反応させることにより得られた。次に、酢酸エチルは分離器14から0.84kg/時の流量で取り出した。純度96.1重量%の酢酸エチルは、2.6重量%の水及び0.5重量%のエチルアルコールを含んでいた。ガスクロマトグラフィー法により、生成物の中には酢酸は存在しないことが判明した。【0020】工業的用途本発明は、化学工業で利用されるであろう。得られる生成物は主に被覆材料の製造及び使用する際の溶媒として適切であり、医薬及びバイオテクノロジーで抽出剤として適している。【図面の簡単な説明】【図1】 本発明による方法を実施するための装置の模式的図である。 エチルアルコールと酢酸及び(又は)無水酢酸とを、固体酸性触媒の存在下で、同時に反応成分を蒸留分離しながら反応させることにより酢酸エチルを製造する方法において、酢酸又は無水酢酸又はそれらの混合物とエチルアルコールとを、別々に2:1〜1:2.5のモル比で、触媒単位体積に基づき導入成分の全流量として表して0.1〜10時-1の量で系(1)に導入し、前記系中で反応及び蒸留分離を三つの領域(2,3,4)で行い、その中の上方分離領域(4)及び底部分離領域(3)の中間に位置する反応領域(2)では反応を行なうと同時に、異なった沸点を有する成分の蒸留分離を行い、一方、前記上方分離領域及び前記底部分離領域では成分の分離を行い、それにより、上方分離領域において、酢酸エチルと低沸点共沸混合物を形成する反応副生成物として生じた水を系から完全に又は部分的に蒸留除去し、この水の蒸留除去により得られた留出物を5〜70℃に冷却し、次に水を酢酸エチル及び留出物の他の有機成分から分離し、系から取り出し、一方主に粗酢酸エチルを含有する留出物の有機成分を還流として部分的に元に戻し、部分的に取り出し、そして前記酢酸又は無水酢酸又はそれらの混合物の供給物と前記エチルアルコールの供給物とを系(1)に導入する際、酢酸供給物及び(又は)無水酢酸供給物及び(又は)それらの混合物供給物を前記反応領域中、又はその領域より上で、エチルアルコール供給物の場所より上に位置する場所に、供給パイプライン(5)を通じて導入し、エチルアルコール供給物を前記反応領域中、又はその領域より下へ、供給パイプライン(6)を通じて導入し、それにより塔への出発成分の供給物と、反応領域へ還流して戻す有機相との比が1:1〜1:20であり、未反応酢酸を沸点の一層高い塔底成分として、取り出しパイプライン(9)を通じて分離することを特徴とする、酢酸エチル製造方法。 酢酸又は無水酢酸又はそれらの混合物を、エチルアルコールに対し1:1〜1:0.45のモル比で系中に導入することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 触媒単位体積に基づき導入出発成分の全流量が、0.5〜5時-1であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。 反応への導入成分の供給物と、反応へ還流して戻す有機相の単位時間あたりの重量比が、1:1〜1:20であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。 高沸点塔底成分として系から分離した未反応酢酸が、化学反応により生じた水の一部分を含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。