生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_自己タンパク質分解切断によるタンパク質の製造
出願番号:2001515841
年次:2014
IPC分類:C12N 15/09,C07K 14/54,C07K 14/56,C07K 19/00,C12N 1/21,C12P 21/02


特許情報キャッシュ

リユーメナフ,テイルマン テイール,ハインツ−ユルゲン ビンデイツシユ,エールク クナオゼデル,フランツ JP 5480458 特許公報(B2) 20140221 2001515841 20000807 自己タンパク質分解切断によるタンパク質の製造 サンド・アクチエンゲゼルシヤフト 305008042 特許業務法人川口國際特許事務所 110001173 大崎 勝真 100103920 リユーメナフ,テイルマン テイール,ハインツ−ユルゲン ビンデイツシユ,エールク クナオゼデル,フランツ AT A 1368/99 19990809 20140423 C12N 15/09 20060101AFI20140403BHJP C07K 14/54 20060101ALI20140403BHJP C07K 14/56 20060101ALI20140403BHJP C07K 19/00 20060101ALI20140403BHJP C12N 1/21 20060101ALI20140403BHJP C12P 21/02 20060101ALI20140403BHJP JPC12N15/00 AC07K14/54C07K14/56C07K19/00C12N1/21C12P21/02 FC12P21/02 K C12N15/09-15/90 C12P21/02 BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN) JSTPlus(JDreamII) 国際公開第98/49326(WO,A1) Virology,1999年,Vol.255,p.366−375 Virus Genes,1996年,Vol.13,p.135−142 Journal of Virology,1998年,Vol.72,p.2544−2547 13 EP2000007642 20000807 WO2001011056 20010215 2003506092 20030218 15 20070806 2011008428 20110420 鈴木 恵理子 冨永 みどり 植原 克典 本発明は、明らかに定められた均一なN末端を有する所望の異種ポリペプチドの、細菌宿主細胞内での製造方法であって、ペスチウイルスの自己プロテアーゼ(autoprotease)Nproの自己タンパク質分解活性を有するペプチドと該異種ポリペプチドとを含む初めに発現された融合タンパク質から所望の異種ポリペプチドを該Npro自己タンパク質分解活性により自己タンパク質分解的に切断することを特徴とする製造方法に関する。 異種生物における組換えタンパク質の製造、例えば、細菌細胞内でのヒトまたは他の真核生物のタンパク質の発現においては、100%に可能な限り近く均一な明らかに定められたN末端を得ることは困難な場合が多い。これは、ヒト/動物に天然で存在するアミノ酸配列と多くの場合に同一であるべきアミノ酸配列を有する組換え医薬タンパク質の場合に特に言えることである。 例えばヒトにおける天然発現に際しては、用いられた多数の医薬タンパク質は細胞外腔内に輸送され、この目的のために前駆体タンパク質内に存在するシグナル配列の切断は、明らかに定められたN末端を与える。いくつかの理由により、そのような均一なN末端は、例えば細菌細胞内では常に容易に生成されるわけではない。 原核性または真核性シグナル配列による細菌ペリプラズム内への輸出が適当なのは、稀な場合にすぎない。なぜなら、細菌輸出装置の低い輸送能のため、通常は、この場合には非常に少量の産物だけしか蓄積することができないからである。 しかし、該細菌細胞質は真核生物の細胞外腔とはかなり異なる。一方においては、そこには還元条件が存在し、他方においては、N末端リーダー配列を切断して成熟タンパク質を形成するメカニズムが存在しない。すべての細胞質タンパク質の合成は、適当な開始コドン(ATG=翻訳の開始)により特定されるメチオニンから開始する。このN末端メチオニンは多数のタンパク質内に保持されているが、他のタンパク質においては、それは、細胞質内に存在する該宿主に固有のメチオニンアミノペプチダーゼ(MAP)により切断される。該切断の効率は、以下の2つのパラメーターに実質的に左右される:1.後続のアミノ酸の性質、および2.該タンパク質の三次元構造におけるN末端の位置。N末端メチオニンは、後続のアミノ酸がセリン、アラニン、グリシン、メチオニンまたはバリンである場合、およびN末端が露出している場合(すなわち、該タンパク質内に「隠れて」いない場合)に優先的に欠失する。一方、後続のアミノ酸が、異なるアミノ酸、特に荷電アミノ酸(グルタミン酸、アスパラギン酸、リシン、アルギニン)である場合、またはN末端が該タンパク質の内部に位置する場合には、ほとんどの場合、N末端メチオニンの切断は生じない(Knippers,Rolf(1995)Molekulare Genetik,第6版,Georg Thieme Verlag,Stuttgart,New York.ISBN 3−13−103916−7)。 該切断を促進するアミノ酸が2位に存在する場合であっても、該切断はめったに完全ではない。かなりの割合(1〜50%)がMAPにより影響されないままであるのが普通である。 細菌細胞内での組換え医薬タンパク質の製造の初期においては、その方法は、単に、メチオニンコード化ATG開始コドンを成熟(すなわち、シグナル配列も他のN末端伸長も有さない)タンパク質のオープンリーディングフレーム(ORF)の前に配置するだけであった。したがって、発現されるタンパク質は配列H2N−Met−標的タンパク質を有していた。該宿主に固有のMAPによるN末端メチオニンの完全な切断が達成されうるのは、少数の場合にすぎない。したがって、このようにして製造されたタンパク質のほとんどはN末端に関して不均一であるか(Met形態と無Met形態との混合物)、またはそれらのすべてはN末端に追加的な外来アミノ酸(Met)を有する(Met形態のみ)。 しかし、この不均一性または天然配列からの逸脱は、多くの場合には許容されない。なぜなら、これらの産物は、しばしば、異なる免疫学的(例えば、抗体生成の誘導)および薬理学的(半減期、薬物動力学)特性を示すからである。これらの理由により、ほとんどの場合には、天然と同一の産物(N末端において均一であり外来アミノ酸を有さないもの)を製造することが現在必要とされている。細胞質発現の場合には、ここでのほとんどの場合の対処法は、特異的エンドペプチドダーゼ(例えば、因子Xa、エンテロキナーゼ、KEXエンドペプチダーゼ、IgAプロテアーゼ)またはアミノペプチダーゼ(例えば、ジペプチジルアミノペプチダーゼ)の切断配列(リーダー)を標的タンパク質のN末端に融合させることである。しかし、これは、経費および材料の出費を伴う、該産物の更なる後処理(いわゆる下流プロセシング)中の追加的な工程を必要とする。 したがって、複雑な追加的なインビトロ工程(リフォールディング、精製、プロテアーゼ切断、回復精製など)を伴うことなく均一の所望のN末端を有する標的タンパク質が製造されうることを意図した、細菌細胞内での標的タンパク質の製造方法が必要とされている。ペスチウイルス由来のウイルス自己プロテアーゼNproを使用するそのような方法を、本発明の範囲内で開発した。 ペスチウイルスは、世界中でブタおよび反芻動物において深刻な経済的損失を引き起こす一群の病原体を構成する。届出伝染病の病原体として、古典的豚コレラウイルス(CSFV)は特に重要である。牛ウイルス性下痢症ウイルス(BVDV)により引き起こされる損害(特に、胎仔の子宮内感染の定常的発生によるもの)も著しい。 ペスチウイルスは、mRNAとして直接作用する12.3kbのサイズのゲノムを有する、エンベロープを有する小さなウイルスであり、該ウイルス遺伝子産物は細胞質内で該ゲノムから転写される。これは、約4000アミノ酸を含みウイルスプロテアーゼおよび細胞プロテアーゼの両方により約12個の成熟タンパク質に分解される単一のポリタンパク質の形態で生じる。 現在までに、ペスチウイルスにおいては2つのウイルスコード化プロテアーゼ(自己プロテアーゼNproおよびセリンプロテアーゼNS3)が同定されている。N末端プロテアーゼNproはポリタンパク質のN末端に位置し、23kdの見掛け分子量を有する。それは、それ自身のC末端(Cys168)とヌクレオカプシドプロテインCのN末端(Ser169)との間で生じる切断を触媒する(R.Starkら,J.Virol.67(1993),7088−7095)。また、細胞病原性BVDVウイルスにおけるNpro遺伝子の重複が記載されている。これらにおいては、同様に重複したNS3プロテアーゼのN末端にNproの第2のコピーが存在する。この場合にも、該Npro‐NS3タンパク質の自己タンパク質分解切断が観察される(R.Starkら,前記を参照されたい)。 Nproは、168アミノ酸の長さおよび約20,000dの見掛けMr(インビボ)を有する自己プロテアーゼである。それはペスチウイルス(例えば、CSFV、BDV(ボーダー病ウイルス)またはBVDV)のポリタンパク質における最初のタンパク質であり、後続のヌクレオカプシドプロテインCからの自己タンパク質分解切断を受ける(M.Wiskerchenら,J.Virol.65(1991),4508−4514;Starkら,J.Virol.67(1993),7088−7095)。この切断は、Nproの配列内の最後のアミノ酸Cys168の後で生じる。 驚くべきことに、本発明において、ペスチウイルスの自己プロテアーゼNproの自己タンパク質分解機能が細菌発現系において(特に異種タンパク質の発現の際に)保有されることが、本発明の範囲内で見出された。したがって、本発明は、明らかに定められた均一なN末端を有する所望の異種ポリペプチドの、細菌宿主細胞内での製造方法であって、ペスチウイルスの自己プロテアーゼNproの自己タンパク質分解活性を有するペプチドと該異種ポリペプチドとを含む初めに発現された融合タンパク質から所望の異種ポリペプチドを該Npro自己タンパク質分解活性により切断することを特徴とする製造方法に関する。本発明は更に、本発明の製造方法において用いるクローニング手段に関する。 ペスチウイルスの自己プロテアーゼNproの自己タンパク質分解活性を有するポリペプチド、またはペスチウイルスの自己プロテアーゼNproの自己タンパク質分解機能を有するポリペプチドは、特に、ペスチウイルスの自己プロテアーゼNpro、または自己タンパク質分解活性を有するその誘導体である。 本発明の範囲内においては、「異種ポリペプチド」は、天然に生じる融合タンパク質またはポリタンパク質からペスチウイルスの自己プロテアーゼNproにより天然では切断されないポリペプチドを意味する。異種ポリペプチドの具体例としては、産業用酵素(プロセス酵素)、または医薬活性、特にヒト用医薬活性を有するポリペプチドである。 ヒト用医薬活性を有する好ましいポリペプチドの具体例としては、サイトカイン、例えばインターロイキン(例えばIL−6)、インターフェロン、例えば白血球インターフェロン、例えばインターフェロンα2B、増殖因子、特に造血系または創傷治癒増殖因子、例えばG−CSF、エリトロポエチンまたはIGF、ホルモン、例えばヒト成長ホルモン(hGH)、抗体またはワクチンが挙げられる。 したがって、1つの態様において、本発明は、ペスチウイルスの自己プロテアーゼNproの自己タンパク質分解機能を有する第1ポリペプチドと該第1ポリペプチドのC末端において該第1ポリペプチドに結合した第2ポリペプチドとを含む融合タンパク質をコードする核酸分子であって、該第2ポリペプチドが該第1ポリペプチドの自己タンパク質分解活性により該融合タンパク質から切断されうること、および該第2ポリペプチドが異種ポリペプチドであることを特徴とする核酸分子に関する。 この目的のためのペスチウイルスは、好ましくは、CSFV、BDVおよびBVDVよりなる群から選ばれ、CSFVが特に好ましい。 本発明の好ましい核酸分子は、該融合タンパク質の第1ポリペプチドがCSFVの自己プロテアーゼNproのアミノ酸配列:または自己タンパク質分解活性を有するその誘導体のアミノ酸配列を含むものである(EMBOデータベースアクセッション番号X87939も参照されたい)(N末端からC末端への方向に読み取った場合にアミノ酸1−168)。 ペスチウイルスの自己プロテアーゼNproの自己タンパク質分解活性を有する誘導体は、突然変異誘発、特にアミノ酸の置換、欠失、付加および/またはアミノ酸の挿入により得られた自己プロテアーゼNproである。ただし、これは、特に、均一のN末端を有する所望のタンパク質の生成に要求される自己タンパク質分解活性が保有されている場合に限られる。そのような誘導体を得るための方法は当業者によく知られている。自己プロテアーゼNproの活性を、例えば、切断される種々の異種タンパク質に関して最適化することは、そのような突然変異により可能である。天然に存在する自己プロテアーゼNproと比較して1以上の突然変異を示す自己プロテアーゼNpro誘導体を所望の異種タンパク質の他に含む融合タンパク質をコードする核酸の製造後、該自己タンパク質分解活性を発現系内で測定することにより、その要求される機能が存在するか否かを確認する。 該自己タンパク質分解活性は、例えば、最初はインビトロ系により検出することができる。この目的には、該DNA構築物をRNAに転写し、インビトロ翻訳キットによりタンパク質に翻訳する。場合によっては、該感度を増加させるために、得られたタンパク質を放射性アミノ酸の取込みにより標識する。得られたNpro‐標的タンパク質融合タンパク質は翻訳時および/または翻訳後自己触媒切断を受け、N末端Npro部分が、その自己タンパク質分解活性により、後続の標的タンパク質から正しく切断される。得られた切断産物は容易に検出することができ、該混合物をインビトロ翻訳反応の完了直後に後処理することができる。ついで該混合物をタンパク質ゲル(例えばLammli SDS−PAGE)上にローディングし、電気泳動に付す。ついで該ゲルを適当な色素で染色し、またはオートラジオグラフィーに付す。後続の免疫染色を伴うウエスタンブロットも可能である。該融合タンパク質の切断効率は、得られたタンパク質のバンドの強度に基づいて評価することができる。 もう1つの工程においては、該融合タンパク質用の核酸断片を細菌発現ベクター内にクローニングし(インビトロ翻訳に関してこれが未だ生じていない場合)、後者を適当な宿主(例えば大腸菌(E.coli))内に形質転換することができる。得られた発現株は、構成的に又は誘導物質の添加後に該融合タンパク質を発現する。後者の場合、十分な力価の該産物を得るために、該誘導物質の添加後に更に1時間以上培養する必要がある。ついで、得られる切断断片が、該Npro自己プロテアーゼ自体、および定められたN末端を有する標的タンパク質となるよう、該Npro自己プロテアーゼが、翻訳時または翻訳後、発現された融合タンパク質から自己を切断する。この切断反応の効率を評価するために、培養または誘導期の終了後、サンプルを採取し、前記のとおりにSDS−PAGEにより分析する。 前記融合タンパク質の好ましい自己Nproプロテアーゼ誘導体は、例えば、アミノ酸2−21の領域内の1以上のアミノ酸が欠失し又は置換されたN末端領域を有する。ただし、これは、得られた誘導体が、自己プロテアーゼNproの自己タンパク質分解機能を望ましい程度で示し続けている場合に限られる。本発明の場合、該融合タンパク質において好ましい自己プロテアーゼNpro誘導体は、例えば、アミノ酸2−16または2−21の欠失を有するCSFVの自己プロテアーゼNproのアミノ酸配列を含む。また、例えば、精製を補助するアミノ酸配列を導入するために、アミノ酸配列を交換または導入することがアミノ酸の置換または付加により可能である(実施例を参照されたい)。 本発明の特に好ましい核酸分子は、該第1ポリペプチドがCSFVの自己プロテアーゼNproのアミノ酸配列Glu22−Cys168または自己タンパク質分解活性を有するその誘導体を含み、該第1ポリペプチドが更にMetをN末端として有し、該異種ポリペプチドがCSFVの自己プロテアーゼNproのアミノ酸Cys168に直接結合しているものである。 本発明の同様に好ましい核酸分子は、該第1ポリペプチドがCSFVの自己プロテアーゼNproのアミノ酸配列Pro17−Cys168または自己タンパク質分解活性を有するその誘導体を含み、該第1ポリペプチドが更にMetをN末端として有し、該異種ポリペプチドがCSFVの自己プロテアーゼNproのアミノ酸Cys168に直接結合しているものである。 本発明の核酸分子は、特に、DNA分子の形態である。 本発明は更に、本発明の核酸分子を含んでなるクローニング要素、特に発現ベクターおよび宿主細胞に関する。したがって、本発明は更に、本発明の核酸分子と少なくとも1つの発現制御配列とを含んでなる、所定の宿主細胞に和合性の発現ベクターに関する。発現制御配列としては、特に、プロモーター(例えば、lac、tac、T3、T7、trp、gac、vhb、ラムダpLまたはphoA)、リボソーム結合部位(例えば、前記プロモーターに属する天然リボソーム結合部位、cro、または合成リボソーム結合部位)、または転写ターミネー夕ー(例えば、rrnB T1T2またはbla)が挙げられる。前記宿主細胞は、好ましくは、エシェリキア(Escherichia)属の細菌細胞、特に大腸菌(E.coli)である。しかし、他の細菌細胞を使用することも可能である(後記を参照されたい)。好ましい実施形態においては、本発明の発現ベクターはプラスミドである。 本発明は更に、本発明の発現ベクターを含んでなる細菌宿主細胞に関する。そのような細菌宿主細胞は、例えば、以下の微生物の群から選ばれうる:グラム陰性菌、例えばエシェリキア(Escherichia)種、例えば大腸菌(E.coli)、または他のグラム陰性菌、例えばシュードモナス(Pseudomonas)種、例えばシュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、またはカウロバクター(Caulobacter)種、例えばカウロバクター・クレセンツス(Caulobacter crescentus)、あるいはグラム陽性菌、例えばバシラス(Bacillus)種、特にバシラス・サチリス(Bacillus subtilis)。宿主細胞としては、大腸菌(E.coli)が特に好ましい。 本発明は更に、所望の異種ポリペプチドの製造方法であって、(i)本発明の核酸分子を含む本発明の発現ベクターを含む本発明の細菌宿主細胞を培養すること、該培養は、該融合タンパク質の発現と、更には該第1ポリペプチドの自己タンパク質分解活性による該宿主細胞内での該融合タンパク質からの該異種ポリペプチドの自己タンパク質分解切断とを引き起こす条件下で行い、(ii)切断された異種ポリペプチドを単離することを含んでなる製造方法に関する。 本発明の方法は、原則として、自体公知の微生物学的慣例に従い、該細菌宿主細胞、すなわち該発現株を最初に培養することにより行う。該株は、一般には、単コロニーから成長させるが、凍結保存細胞懸濁液(細胞バンク)を使用することも可能である。更なる使用のための十分なバイオマスを得るために、一般には、該株を多段階方法で培養する。 小規模の場合には、これを振とうフラスコ内で行い、ほとんどの場合には、複合培地(例えばLBブロス)を使用することが可能である。しかし、規定培地(例えばクエン酸培地)を使用することも可能である。該培養には、該宿主株(単コロニーまたは凍結培養由来の細胞懸濁液で接種したもの)の小容積の予備培養を行う。この培養の温度は、一般には、後続の発現結果に対して決定的なものではなく、通常は、比較的高い温度(例えば30℃または37℃)で実施することが可能である。主培養は、大容積(例えば500ml)で準備し、この場合、良好な通気(内容物の容積と比較して大きな容積のフラスコ、高速の回転)を確保することが特に必要である。発現は可溶性形態で生じると意図されるため、該主培養は、ほとんどの場合、それよりいくらか低い温度(例えば22または28℃)で行うことも可能である。誘導系(例えば、trp、lac、tacまたはphoAプロモーターによるもの)および構成系の両方が、可溶性タンパク質の製造に適している。後期対数期(通常は振とうフラスコ内で0.5〜1.0の光学密度)に達した後、誘導系では誘導物質(例えばインドールアクリル酸、イソプロピルβ‐D‐チオガラクトピラノシド=IPTG)を加え、インキュベーションを1〜5時間継続する。この場合、厳密な発現を可能にするために、該誘導物質の濃度は下限に選択される傾向にあるであろう。この時間中に、該Npro−標的タンパク質融合タンパク質のほとんどが生成し、それらの2つの切断部分が該培養の終了後に別々に存在するように該Npro部分の翻訳時または翻訳後切断が生じる。得られた細胞を集め、更に加工することができる。 大規模の場合には、該多段階系は、複数のバイオリアクター(発酵槽)よりなり、この場合には、該方法のプロセス工学制御を改善するために、規定栄養培地を使用することが好ましい。また、特に栄養を計量供給することにより(フェド・バッチ)、著しくバイオマスおよび産物の生成を増加させることが可能である。その他の点では、該方法は該振とうフラスコの場合と同様である。例えば、予備段階の発酵槽および主段階の発酵槽を使用し、該培養温度は該振とうフラスコの場合と同様に選択する。該予備段階の発酵槽には、振とうフラスコ内の凍結培養または単コピーから一般に増殖させたいわゆる接種物を接種する。該発酵槽においては及び特にその主段階においては、良好な通気および十分な誘導物質濃度も確保されなければならない。しかし、いくつかの場合には、該誘導期を、該振とうフラスコの場合より著しく長く行わなければならない。得られた細胞をもう一度、更なる加工に付す。 ついで、該融合タンパク質から切断された異種標的タンパク質を、当業者に公知のタンパク質精製方法により単離することができる(例えば、M.P.Deutscher,Methods in Enzymology:Guide to Protein Purification,Academic Press Inc.,(1990),309−392)を参照されたい)。一連の精製は、一般には、細胞破壊工程、清澄化工程(遠心分離または精密濾過)および種々のクロマトグラフィー工程、濾過および沈殿を含む。 以下の実施例は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。 実施例 実施例1:細菌宿主内でのNpro−C融合タンパク質の発現およびインビボ切断 細菌宿主内でのNpro−C融合タンパク質の発現のために、NPC−pETを構築する。使用する発現ベクターはpET11a(F.W.Studierら,Methods.Enzymol.185(1990),60−89)である。該Npro−C融合タンパク質用の天然構造遺伝子(CSFV RNAゲノム由来のもの)をこの発現ベクター内にクローニングする。この融合タンパク質用の構造遺伝子は、cDNAに転写され(ベクター内にクローニングされ)たウイルスゲノムからPCR増幅により得られる。さらに、該天然Npro−配列の最初の16アミノ酸(MELNHFELLYKTSKQK)を10アミノ酸長のオリゴーヒスチジン精製補助体(MASHHHHHHH)により置換する。得られた構築物はNPC−pETと称される。該NPC−pET上にコードされる該Npro−部分の配列および該Npro−C融合タンパク質の自己タンパク質切断部位は以下の構造を有し、該切断部位は、アミノ酸Cys168とSer(169)との間に位置する: 該配列において、該天然Npro配列のプロリン17(該融合タンパク質の2位)は斜字体で示されており、該C配列の出発部分は太字で示されている。該融合タンパク質は約32kdのMrを有し、該Npro部分が18kdを占め、該C部分が14kdを占める(自己タンパク質切断後)。 該切断部位の最初のアミノ酸C末端の重要性を評価するために、それにおいて天然に存在するセリン169を、標的化突然変異誘発により、19個の他の天然に存在するアミノ酸により置換する。それにより得られた構築物はNPC−pET−Ala、NPC−pET−Glyなどと称される。これらのプラスミドを使用して、該発現株を得る。 大腸菌(Escherichia coli)BL21(DE3)を、該Npro−C融合タンパク質の発現のための大腸菌(Escherichia coli)宿主株として使用する。この株は以下の表現型を有する:大腸菌(E.coli)BF− dcm ompT hsdS(rb−mb−)galλ(DE3)。 該株は、コンピテント細胞の形態でStratageneから商業的に入手可能である。それは、lacUV5プロモーターの制御下でT7 RNAポリメラーゼの遺伝子を含むゲノム内に溶原性ラムダファージを保持する。したがって、該T7 RNAポリメラーゼの産生およびそれに続く該標的タンパク質の産生は、イソプロピルβ−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)の添加により誘導されうる。この2段階の系は、多数の標的タンパク質の、非常に高い特異的で完全な発現レベルの達成を可能にする。 発現株BL21(DE3)[MPC−pET]、BL21(DE3)[MPC−pET−Ala]などは、それぞれの発現プラスミドをBL21(DE3)内に形質転換することにより得る。該形質転換は、該コンピテント細胞の製造業者(StratageneまたはNovagen)の説明書に従い行う。該形質転換混合物を、100mg/L アンピシリンと共にルリア寒天プレート上にプレーティングする。この形質転換は、37℃でのインキュベーション(一晩)後、それぞれの場合に多数のクローンを与える。 明瞭な縁を有する中等度のサイズのコロニーを拾う。それは適当な発現株の基礎となる。該クローンを培養し、凍結アンプル内で−80℃で保存する(マスター細胞バンクMCB)。日常的な使用のために、該株をルリア寒天プレート(アンピシリンを含有するもの)上にストリークする。 寒天プレート上で継代培養した単コロニーからの振とうフラスコ内の予備培養をインキュベートするために、個々の株を使用する。該予備培養のアリコートを使用して、主培養(振とうフラスコ内の10〜200ml)に接種し、該OD600が0.5〜1.0になるまでそれをリンスする。ついで該融合タンパク質の産生を1.0mM IPTG(最終濃度)で誘導する。該培養物を更に2〜4時間培養すると、約1.0〜2.0のOD600に達する。該培養温度は30℃+/−2℃であり、使用する培地はLB培地+2g/L グルコース+100mg/L アンピシリンである。 誘導前および種々の誘導後時点において、サンプルを該培養から採取し、遠心分離し、該ペレットを変性サンプルバッファー中で煮沸し、SDS−PAGEおよびクーマシーブルー染色またはウエスタンブロットにより分析する。該サンプルは標準的条件下で採取し、該培養の密度の相違を、再懸濁に使用するサンプルローディングバッファーの容積により埋め合わせる。 誘導後に出現するバンドは、20kdの少し上(Npro)および約14kd(C)に位置する。各構築物での該融合タンパク質の切断効率を、クーマシー染色ゲル内およびウエスタンブロット内のバンドの強度に基づき評価する。これより、ほとんどのアミノ酸が該切断部位の直ぐC末端(すなわち、該標的タンパク質のN末端)に認められること、すなわち、非常に効率的な自己タンパク質分解切断が生じることが判明している。 これらのデータは、原則として、細菌宿主細胞内での組換え融合タンパク質の特異的切断のために自己プロテアーゼNproの自己タンパク質分解活性を成功裏のうちに用いることが可能であることを示している。 実施例2:Nproとヒトインターロイキン6(hIL6)との融合タンパク質の発現およびインビボ切断による均一な成熟hIL6の製造 Npro−hIL6融合タンパク質の発現のために、プラスミドNP6−pETを構築する。pET11a(F.W.Studierら,Methods.Enzymol.185(1990),60−89)を発現ベクターとして使用する。まず、NproとCSFVヌクレオカプシドタンパク質とよりなる融合タンパク質を、この発現ベクター内にクローニングする(実施例1を参照されたい)。この融合タンパク質の構造遺伝子はPCRにより得られる。これにより、天然Npro配列の最初の16アミノ酸(MELNHFELLYKTSKQK)が10アミノ酸長のオリゴ−ヒスチジン精製補助体(MASHHHHHHH)により置換される。 得られた発現プラスミド内のNproとヌクレオカプシドタンパク質との間の結合部に、標的化突然変異誘発により、SpeI切断部位を導入する。これは、5’末端(該タンパク質のN末端に対応する)におけるSpeIでの及び3’末端(該タンパク質のC末端に対応する)におけるXhoIでの制限酵素処理による該ベクターからの該ヌクレオカプシドタンパク質の構造遺伝子の欠失を可能にする。対応する線状化Npro−pET11aベクターを、分取ゲル電気泳動により該ヌクレオカプシド遺伝子断片から取り出す。ついで、「付着」SpeIおよびXhoI末端を介してhIL6構造遺伝子を導入することが可能である。 このためには以下の予備的研究が必要である。該構造遺伝子を、C10−MJ2細胞から得られうるhIL6 cDNAクローンから高精度PCR(例えば、Roche BiochemicalsのPwo系;手順は該製造業者により記載されているとおり)により増幅する。この目的には、以下のオリゴヌクレオチドを使用する: SpeI切断部位を5’末端に、XhoI切断部位を3’末端に、使用するオリゴヌクレオチドを介して導入する。また、翻訳の効率的な終結のために、二重ochre終結コドン(TAATAA)を該構造遺伝子の3’末端に導入する。前端のSpeI切断部位は、前記のNpro−pET11aベクターとリーディングフレームが合った連結を可能にする。後端のXhoI切断部位は定方向のクローニングを可能にする。 hIL6の構造遺伝子を有するPCR断片(593bp)の配列を以下に示す(N末端からC末端への方向に読まれる)。該制限切断部位は下線で示されており、hIL6の最初のコドン(Ala)および終結コドンは太字で示されている。 Npro−pET11aプラスミドとの連結により得られた構築物はNP6−pETと称される。 NP6−pET上にコードされるNpro−hIL6融合タンパク質(これは347アミノ酸を有し、そのうちの162アミノ酸はNpro部分に、185アミノ酸はhIL6部分に対応する)の配列を以下に示す。該hIL6配列は太字で示されている。 該融合タンパク質は還元状態では39,303.76dのMrを有し、可能な切断の後では、Npro部分(還元型)は18,338.34dのMrを、hIL6部分(還元型)は20,983.63dを有するであろう。Nproは6個のシステインを有し、hIL6は4個のシステインを有する。これらのシステインの大部分は細菌細胞質内では還元型であると考えられる。後続のプロセシング中に、おそらく、ジスルフィド架橋の少なくとも部分的な形成が生じるのであろう。該融合タンパク質内(またはNpro部分内)のN末端メチオニンは、主として、該宿主に固有のメチオニンアミノペプチダーゼ(MAP)により切断され、それは各場合においてMrを約131減少させて39,172.76d(融合タンパク質)および18,207.13d(Npro)にすると予想されるに違いない。 Npro−hIL6融合タンパク質を発現させるための大腸菌(Eschericia coli)宿主株は、大腸菌(Eschericia coli)BL21(DE3)である(実施例1を参照されたい)。 発現株BL21(DE3)[MP6−ET]は、実施例1に記載のとおりに、前記の発現プラスミドMP6−pETをBL21(DE3)内に形質転換することにより得る。 株BL21(DE3)[MP6−pET]を寒天プレート上の単コロニーから継代培養し、ついでこれを使用してルリアブロス+100mg/L アンピシリン(1Lのバッフルフラスコ内の200ml)内の予備培養に接種する。該予備培養を250rpm、30℃で14時間振とうすると、この間に約1.0のOD600に達する。ついで予備培養の10ml部分を使用して該主培養(それぞれ1Lのバッフルフラスコ内の330mlのルリアブロス)(3% 接種物)に接種する。該OD600が0.8に増加するまで該主培養を30℃(250rpm)で行い、ついで核融合タンパク質の産生を0.5または1.0mM IPTG(最終濃度)で誘導する。該培養物を更に、30℃、250rpmで3時間培養すると、該OD600は約1.0〜2.0に達する。 該培養物を無菌500ml遠心ボトルに移し、10,000gで30分間遠心分離する。該遠心分離上清を完全に廃棄し、該ペレットを更なる加工まで−80℃で凍結する。 その完全なライセートにおける新たなタンパク質バンドの出現は、SDS−PAGE後のクーマシー染色により容易に検出することができる。約19kd、21kdおよび40kdの見掛け分子量を有するバンドが、BL21(DE3)[MP6−pET]のライセートにおいて出現する。特異的抗hIL6抗体を使用するこの発現の分析は、クーマシー染色後に得られた結果を実質的に証明している。 該Npro−hIL6切断を最適化するために、誘導を種々の温度およびIPTG濃度で行い、染色ゲルおよびウエスタンブロットの両方において再分析する。Npro−hIL6のほぼ完全な切断は、22℃の培養温度で認められる。 この実験は、異種タンパク質も細菌発現系内でNproのC末端に融合されうること、および非常に効率的な切断が生じることを示している。また、後続のタンパク質のN末端アミノ酸の変化(セリンの代わりにアラニン)は悪影響を及ぼさない。したがって、この系は、本発明において、更なる加工工程を伴わない均一な真正なN末端を有する組換えタンパク質の製造(特に、細菌発現系などの異種発現系におけるもの)に適している。 実施例3:Nproとヒトインターフェロンα2B(IFNα2B)とから構成される融合タンパク質の発現およびインビボ切断による均一な成熟IFNα2Bの製造 ベクターNPI−pETを得るためのIFNα2Bのクローニング方法は、実施例2にhIL6に関して記載されている方法に対応している。該構造遺伝子を、高精度PCR(例えば、Roche BiochemicalsのPwo系;手順は該製造業者により記載されているとおり)により増幅する。使用する鋳型は、当業者に公知の標準的な方法によりヒト白血球から得たIFNα2B−cDNAクローンである。また、もう1つの可能性は、該遺伝子の完全な合成を行うことである。該構造遺伝子の配列は、Genbankデータベースを介してアクセッション番号V00548で電子形態で入手可能である。以下のオリゴヌクレオチドを該増幅に使用する: IFNα2Bの構造遺伝子を有するPCR断片(533bp)の配列を以下に示す。制限切断部位は下線で示されており、IFNα2Bの最初のコドン(Cys)および終結コドンは太字で示されている。 Npro−pET11aプラスミドへの連結により得られる構築物はNPI−pETと称される。 NPI−pET上にコードされるNpro−IFNα2B融合タンパク質(これは327アミノ酸を有し、そのうちの162アミノ酸はNproに対応し、165アミノ酸はIFNα2Bに対応する)の配列を以下に示す(N末端からC末端への方向に示されている)。IFNα2B配列は太字で示されている。 核融合タンパク質は還元状態では37,591.44dのMrを有し、可能な切断の後では、Npro部分(還元型)は18,338.34dのMrを、IFNα2B部分(還元型)は19,271.09dを有するであろう。Nproは6個のシステインを有し、IFNα2Bは4個のシステインを有する。これらのシステインの大部分は細菌細胞質内では還元型であると考えられる。後続のプロセシング中に、おそらく、ジスルフィド架橋の少なくとも部分的な形成が生じるのであろう。該融合タンパク質内(またはNpro部分内)のN末端メチオニンは、主として、該宿主に固有のメチオニンアミノペプチダーゼ(MAP)により切断され、それは各場合においてMrを約131減少させて37,460.23d(融合タンパク質)および18,207.13d(Npro)にすると予想されるに違いない。 Npro−IFNα2B融合タンパク質を発現させるための大腸菌(Eschericia coli)宿主株は、大腸菌(Eschericia coli)BL21(DE3)である(実施例1を参照されたい)。 発現株BL21(DE3)[NPI−pET]は、実施例1に記載のとおりに、前記の発現プラスミドNPI−pETをBL21(DE3)内に形質転換することにより得る。 株BL21(DE3)[NPI−pET]を寒天プレート上の単コロニーから継代培養し、これを使用してルリアブロス+100mg/L アンピシリン(1Lのバッフルフラスコ内の200ml)内の予備培養に接種する。該予備培養を250rpm、30℃で14時間振とうすると、この間に約1.0のOD600に達する。ついで予備培養の10ml部分を使用して該主培養(それぞれ1Lのバッフルフラスコ内の330mlのルリアブロス)(3% 接種物)に接種する。該OD600が0.8に増加するまで該主培養を30℃(250rpm)で行い、ついで該融合タンパク質の産生を0.5または1.0mM IPTG(最終濃度)で誘導する。該培養物を更に、30℃、250rpmで3時間培養すると、その間に該OD600は約1.0〜2.0に達する。 該培養物を無菌500ml遠心ボトルに移し、10,000gで30分間遠心分離する。該遠心分離上清を完全に廃棄し、該ペレットを更なる加工まで−80℃で凍結する。 その完全なライセートにおける新たなタンパク質バンドの出現は、SDS−PAGE後のクーマシー染色により容易に検出することができる。約38kdおよび約19kdの分子量が、BL21(DE3)[MP6−pET]のライセートにおいて出現する。該IFNα2Bバンドは、SDS−PAGEでは該Nproバンドから分離することができない。 特異的抗IFNα2B抗体を使用するこれらのサンプルの分析は、切断されたIFNα2Bのバンドの存在を証明している。 この場合においても、該Npro−IFNα2B切断を最適化するために、誘導を種々の温度およびIPTG濃度で行い、染色ゲルおよびウエスタンブロットの両方において再分析する。この場合においても、低下した温度(22〜30℃)で、最適な切断が生じることが判明している。 ペスチウイルスの自己プロテアーゼNproの自己タンパク質分解機能を有する第1ポリペプチドと該第1ポリペプチドのC末端において該第1ポリペプチドに結合した第2ポリペプチドとを含む融合タンパク質をコードする核酸分子であって、該第2ポリペプチドは異種ポリペプチドであり、細菌宿主細胞内において該第1ポリペプチドの自己タンパク質分解活性により、該融合タンパク質から切断されて均一なN末端を有することを特徴とする該核酸分子。 該ペスチウイルスが、CSFV、BDVおよびBVDVよりなる群から選ばれる請求項1記載の核酸分子。 該ペスチウイルスがCSFVである請求項2記載の核酸分子。 該第1ポリペプチドがアミノ酸配列: 【化1】または自己タンパク質分解活性を有し且つアミノ酸2−21の領域内の1以上のアミノ酸が欠失し又は置換されたN末端領域を有する誘導体のアミノ酸配列を含む請求項3記載の核酸分子。 該第1ポリペプチドがCSFVの自己プロテアーゼNproのアミノ酸配列Glu22−Cys168または自己タンパク質分解活性を有し且つアミノ酸2−21の領域内の1以上のアミノ酸が欠失し又は置換されたN末端領域を有する誘導体を含み、該第1ポリペプチドが更にMetをN末端として有し、該異種ポリペプチドがCSFVの自己プロテアーゼNproのアミノ酸Cys168に直接結合している請求項3記載の核酸分子。 該第1ポリペプチドがCSFVの自己プロテアーゼNproのアミノ酸配列Pro17−Cys168または自己タンパク質分解活性を有し且つアミノ酸2−21の領域内の1以上のアミノ酸が欠失し又は置換されたN末端領域を有する誘導体を含み、該第1ポリペプチドが更にMetをN末端として有し、該異種ポリペプチドがCSFVの自己プロテアーゼNproのアミノ酸Cys168に直接結合している、請求項3記載の核酸分子。 該核酸分子がDNA分子である、請求項1〜6のいずれか1項記載の核酸分子。 請求項1〜7のいずれか1項記載の核酸分子と少なくとも1つの発現制御配列とを含んでなる、所定の細菌宿主細胞に和合性の発現ベクター。 該細菌宿主細胞が大腸菌(E.coli)細胞である請求項8記載の発現ベクター。 該発現ベクターがプラスミドである請求項8または9記載の発現ベクター。 請求項8〜10のいずれか1項記載のベクターを含んでなる細菌宿主細胞。 該宿主細胞が大腸菌(E.coli)細胞である請求項11記載の細菌宿主細胞。 (i)請求項11または12記載の細菌宿主細胞を培養すること、該培養は、該融合タンパク質の発現と、該第1ポリペプチドの自己タンパク質分解活性による該宿主細胞内での該融合タンパク質からの該異種ポリペプチドの自己タンパク質分解切断とを引き起こす条件下で行い、(ii)切断された異種ポリペプチドを単離すること、を含んでなる所望の異種ポリペプチドの製造方法。


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