生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_神経栄養因子受容体
出願番号:2001508330
年次:2011
IPC分類:C12N 15/09,A01K 67/027,C07K 14/705,C07K 16/28,C12N 5/10,C12Q 1/02,C12Q 1/68,G01N 33/50,G01N 33/566


特許情報キャッシュ

マスレ,シユテフアン・レオ・ヨゼフ シク,ミロスラブ ヘフナゲル,エベルト・ウイルヘルムス JP 4810036 特許公報(B2) 20110826 2001508330 20000526 神経栄養因子受容体 ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ 390033008 JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP 特許業務法人小田島特許事務所 110000741 マスレ,シユテフアン・レオ・ヨゼフ シク,ミロスラブ ヘフナゲル,エベルト・ウイルヘルムス GB 9915200.1 19990629 20111109 C12N 15/09 20060101AFI20111024BHJP A01K 67/027 20060101ALI20111024BHJP C07K 14/705 20060101ALI20111024BHJP C07K 16/28 20060101ALI20111024BHJP C12N 5/10 20060101ALI20111024BHJP C12Q 1/02 20060101ALI20111024BHJP C12Q 1/68 20060101ALI20111024BHJP G01N 33/50 20060101ALI20111024BHJP G01N 33/566 20060101ALI20111024BHJP JPC12N15/00 AA01K67/027C07K14/705C07K16/28C12N5/00 102C12Q1/02C12Q1/68 ZG01N33/50 ZG01N33/566 C12N 15/ CA/BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN) GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq UniProt/GeneSeq Database GenBank [online], Accession No.AU035938,1998年10月 8日,URL,<http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sviewer/viewer.fcgi?3718946:EST:1946870> Database GenBank [online], Accession No.AA823200,1998年 2月17日,URL,<http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sviewer/viewer.fcgi?2893068:EST:1545057> Current Biology,1998年 8月31日,Vol.8, No.18,p.1019-1022 Nature,1999年 3月11日,Vol.398,p.152-156 Mol. Cell. Neurosci.,1998年 6月,Vol.11, No.3,p.117-126 J. Biol. Chem.,2000年12月15日,Vol.275, No.50,p.39427-39434 Mol. Cell. Neurosci.,2000年 6月 1日,Vol.15, No.6,p.522-533 14 EP2000004918 20000526 WO2001002557 20010111 2003504017 20030204 42 20070329 長井 啓子 【0001】本発明は、本明細書でGFRα−4と呼称される新規哺乳動物受容体タンパク質のクローニングおよび発現、ならびにとりわけ、単離された核酸、受容体タンパク質またはアゴニストもしくはアンタゴニストを含んで成る製薬学的組成物と一緒に、GFRα−4タンパク質をコードする単離された核酸配列、前記核酸配列を含んで成る発現ベクター、前記ベクターで形質転換もしくはトランスフェクションされた宿主細胞、単離されたGFRα4タンパク質、GFRα−4に関してアゴニストもしくはアンタゴニストとして作用する化合物、および、それらの同定方法に関する。【0002】神経栄養増殖因子は、ニューロンの分化、発生および維持に関与する。これらのタンパク質は、多様な型のニューロン細胞の変性を予防しかつ生存を促進することができ、そして従って神経変性性疾患の潜在的治療薬である。膠細胞系由来神経栄養因子(GDNF)は、ニューロトロフィンと構造的に別個の神経栄養因子の成長する一サブファミリーの最初のメンバーであった。GDNFは、アミノ酸配列内の7個の高度に保存されたシステイン残基の特異的パターンを特徴とする、増殖因子のトランスフォーミング増殖因子β(TGF−β)スーパーファミリーの遠縁に関係する一メンバーである(Kingsley、1994)。GDNFは、元は、インビトロでの胚の腹側中脳のドーパミン作動性ニューロンの生存および機能を維持するその能力に基づくアッセイを使用して精製された(Linら、1993)。中枢(CNS)もしくは末梢神経系(PNS)における他のニューロン細胞型がGDNFの生存効果に応答性であることが示されている(Hendersonら、1994、Buj−Belloら、1995、Mountら、1995、Oppenheimら、1995)。GDNFは不活性なプロ形態(proform)で細胞により産生され、これはRXXR認識部位で特異的に切断されて活性のGDNFを産生する(Linら、1993)。ドーパミン作動性ニューロンに対するその影響のゆえに、臨床試験は、パーキンソン病(脳の黒質中のドーパミン作動性細胞の高パーセンテージ(70%まで)の喪失を特徴とする普遍的な神経変性性障害)の可能な治療薬としてGDNFを評価している。GDNFの外因性の投与は、パーキンソン病の動物モデルにおいて強力な保護効果を有する(Henedersonら、1994、Beckら、1995、Tomacら、1995、Yanら、1995、Gashら、1996、Choi−Lundbergら、1997、Bilang−Bleuelら、1997、Mandelら、1997)。【0003】最近、神経栄養因子のGDNFファミリーの3つの新たなメンバーが発見された。ニュールツリン(Neurturin)(NTN)は、培養物中の交感神経ニューロンの生存を促進する能力に基づくアッセイを使用して、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞からの馴化培地から精製された(Kotzbauerら、1996)。成熟ニュールツリンタンパク質は成熟GDNFに57%類似である。ペルセフィン(Persephin)(PSP)はゲノムDNAを使用する縮重プライマーPCRにより発見された。該成熟タンパク質は、成熟GDNFと同様、培養物中で腹側中脳のドーパミン作動性ニューロンおよび運動ニューロンの生存を促進する(Milbrandtら、1998)。成熟GDNFおよびニュールツリンとの成熟ペルセフィンタンパク質の類似性は約50%である。非常に最近、公的なEMBLデータベース中のゲノムDNA情報を使用して第四のメンバーがクローン化され、そしてエノビン(Enovin)(EVN)(Masureら、1999)もしくはアルテミン(Artemin)(ARTN)(Balohら、1998b)と名づけられた。この因子はNTNおよびPSPに±57%類似であり、そして主として末梢ニューロンに作用する。【0004】全4種のGDNFファミリーのメンバーは、下流の細胞内シグナル伝達を実施するためにヘテロ二量体の受容体複合体を必要とする。GDNFは、GDNFファミリー受容体α1(GFRα−1;GDNFRα、RETL1もしくはTrnR1ともまた命名される;GFRα命名法委員会、1997)サブユニット、すなわちグリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)に固定される膜タンパク質に結合する(Jingら、1996、Treanorら、1996、Sanicolaら、1997)。GDNF/GFRα−1複合体は、その後、cRET癌原遺伝子(膜結合されたチロシンキナーゼ)に結合しかつこれを活性化し(Durbecら、1996、Truppら、1996)、cRET中のチロシン残基のリン酸化および下流のシグナル伝達経路のその後の活性化をもたらす(Worbyら、1996)。GFRα−1に類似であるGFRα−2(RETL2、NTNR−α、GDNFR−βもしくはTrnR2ともまた命名される)が、多数の異なるグループにより同定されている(Balohら、1997、Sanicolaら、1997、Kleinら、1997、Buj−Belloら、1997、Suvantoら、1997)。ヒトGFRα−1およびGFRα−2受容体サブユニットは、タンパク質配列により49%同一かつ63%類似であり、31個のシステイン残基のうち30個が保存されている。双方の受容体は、膜へのGPI固定に関与するそれらのカルボキシ末端の疎水性ドメインを含有する。GFRα−1およびGFRα−2はほとんど全部の組織中で広範に発現され、そして発現は発生的に制御されることができる(Sanicolaら、1997、Widenfalkら、1997)。【0005】GFRα−1はGDNFの好ましい受容体である一方、GFRα−2は優先的にニュールツリンを結合する(Jingら、1996、Treanorら、1996、Kleinら、1997)。しかしながら、GDNFはcRETの存在下でGFRα−2に結合することができ(Sanicolaら、1997)、また、ニュールツリンは低親和性でGFRα−1に結合することができる(Kleinら、1997)ため、これらの増殖因子と受容体との間になんらかの漏話(cross−talk)が存在することもまた明白である。従って、GDNFおよびニュールツリンは神経栄養性のシグナル伝達系の一部であり、それにより異なるリガンド結合サブユニット(GFRα−1およびGFRα−2)が同一のチロシンキナーゼサブユニット(cRET)と相互作用することができる。【0006】最近、補助受容体のGFRαファミリーの第三のメンバー、GFRα−3が記述された(Jingら、1997、Masureら、1998、Worbyら、1998、Naveilhanら、1998、Balohら、1998a)。この受容体のアミノ酸配列はGFRα−1およびGFRα−2双方に35%同一である。GFRα−3は発生中のもしくは成体のCNS中で発現されないが、しかし、PNSの数種の発生中のおよび成体の知覚および交感神経節中で高度に発現される(Widenfalkら、1998、Naveilhanら、1998、Balohら、1998a)。GFRα−3はエノビン/アルテミンの好ましい補助受容体であることが示されており、また、cRETを介してシグナル伝達もまたする(Masureら、1999、Balohら、1998b)。EVN/ARTNとGFRα−1との間の漏話もまた、少なくともインビトロで可能であるようである。【0007】GFRαファミリーの第四のメンバーがニワトリで同定され(Thompsonら、1998)、そしてcRETを介してペルセフィンのシグナル伝達を媒介することが示されている(Enokidoら、1998)。哺乳動物のペルセフィン受容体をコードする機能的な哺乳動物の相同物が、それでもなお発見されなくてはならない。【0008】本発明者らは、驚くべきことに、本明細書でGFRα−4と呼称されるGDNFファミリーのさらなる新規哺乳動物受容体を同定した。該DNA配列をクローン化し、そして、該受容体をコードする多数のスプライス変異体もまた同定した。【0009】従って、本発明により、GFRα−4と呼称される哺乳動物GDNFファミリー受容体α−4をコードする、単離されたもしくは実質的に純粋な形態の核酸が提供される。該核酸分子は好ましくはラット、マウスもしくはヒトからである。好ましくは、前記核酸分子によりコードされる受容体は、配列番号8もしくは9に具体的に説明される、または前記受容体の機能的同等物、誘導体もしくは生物前駆体(bioprecursor)をコードするアミノ酸配列を含んで成る。【0010】とは言え、当初、GFRαの4メンバーのみが既知であったという事実のゆえに、新たな受容体は以前、GFRα−5と呼ばれていた。しかしながら、GFRαファミリーメンバーの現存する命名法に応諾し、そして本発明のGFRα受容体はニワトリGFRα−4受容体の哺乳動物の正規物(orthologue)であることを示すために、それは今やα−4と命名された。【0011】従って、本発明は、哺乳動物のGDNFファミリー受容体α−4(GFRα−4)、またはその免疫学的におよび/もしくは生物学的に活性のフラグメントをコードする核酸分子に関し、それは、(a)配列番号8もしくは9に描かれるアミノ酸配列を含んで成るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(b)配列番号5もしくは6に描かれるようなコーディング配列を含んで成るヌクレオチド配列;(c)(a)もしくは(b)のヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列の1個もしくは数個のアミノ酸の置換、欠失および/もしくは付加によって(a)もしくは(b)のヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドから生じられるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(d)その相補鎖が(a)ないし(c)のいずれか1つのヌクレオチド配列とハイブリダイズするヌクレオチド配列;(e)そのアミノ酸配列が(a)ないし(d)のいずれか1つのヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列に対する30%もしくはそれ以上の同一性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(f)(a)ないし(e)のいずれか1つのヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドのフラグメントもしくはエピトープを担持する部分を含んで成るペルセフィンを結合することが可能なポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(g)(a)ないし(f)のいずれか1つのヌクレオチド配列の最低15の連続するヌクレオチドを含んで成りかつペルセフィンを結合することが可能なポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;ならびに(h)(a)ないし(g)のいずれかのヌクレオチド配列に対する遺伝暗号の結果として縮重されるヌクレオチド配列を含んで成るヌクレオチド配列より成る群から選択されるヌクレオチド配列を含んで成る。【0012】有利には、本発明の核酸分子は、適切な発現ベクターを使用して、例えば宿主細胞などにおける前記GFRα−4タンパク質の発現に使用することができる。好ましくは、該核酸分子は、配列番号5ないし7のいずれかに具体的に説明されるような配列を有するDNA分子、およびなおより好ましくはcDNA分子、もしくはその相補物である。あるいは、該核酸分子は、高ストリンジェンシーの条件下の本発明の配列もしくはその相補物にハイブリダイズすることが可能である。本明細書で使用されるところのハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは、ポリ核酸が安定である条件を指す。ハイブリッドの安定性はハイブリッドの融点(Tm)に反映される。Tmは、式:81.5℃+16.6(log10[Na+]+0.41(%GおよびC)−6001/lにより近似することができ、ここでlはヌクレオチド中のハイブリッドの長さである。Tmは、配列相同性における1%の減少ごとにおよそ1〜1.5℃減少する。【0013】本発明の核酸分子にハイブリダイズすることが可能な核酸は、本発明のヌクレオチド配列に一般に最低70%、好ましくは最低80もしくは90%、そしてより好ましくは最低95%相同であることができる。【0014】有利には、アンチセンス分子は、プローブとして、もしくは医薬として、または製薬学的に許容できる担体、希釈剤もしくは賦形剤と一緒に製薬学的組成物中で使用することができる。【0015】本発明の第二の局面に従えば、本発明のDNA分子を含んで成るDNA発現ベクターが提供される。このベクターは、有利には、宿主細胞を形質転換もしくはトランスフェクションして本発明のGFRα−4の発現を達成するのに使用することができる。好ましくは、該DNAは、宿主細胞のその後のトランスフェクションもしくは形質転換のためプラスミド中に包含される。【0016】本発明の発現ベクターは、前記DNAフラグメントの発現を遂げることが可能である、プロモーター領域のような調節配列に操作可能に連結される本発明の核酸を有するベクターを包含する。「操作可能に連結される」という用語は、記述される成分がそれらの意図された様式でそれらが機能することを可能にする関係にある並置を指す。こうしたベクターを、適する宿主細胞に形質転換して、本発明のポリペプチドの発現を提供することができる。従って、さらなる一局面において、本発明は、本発明の受容体の製造方法を提供し、それは、受容体をコードするコーディング配列のベクターによる発現を提供する条件下で、上述されたような発現ベクターで形質転換もしくはトランスフェクションされた宿主細胞を培養すること、および発現された受容体を回収することを含んで成る。【0017】ベクターは、例えば、複製開始点、場合によっては前記ヌクレオチドの発現のためのプロモーター、および場合によってはプロモーターの調節因子とともに提供されるプラスミド、ウイルスもしくはファージベクターであることができる。該ベクターは例えばアンピシリン耐性のような1種もしくはそれ以上の選択可能なマーカーを含有することができる。【0018】発現に必要とされる調節要素は、RNAポリメラーゼを結合するためのプロモーター配列、およびリボソーム結合のための転写開始配列を包含する。例えば、細菌の発現ベクターは、lacプロモーターのような、およびシャイン・ダルガーノ配列中の転写開始のためのプロモーター、ならびに開始コドンAUGを包含することができる。同様に、真核生物の発現ベクターは、RNAポリメラーゼIIのための異種もしくは同種のプロモーター、下流のポリアデニル酸化シグナル、開始コドンAUGおよびリボソームの分離のための終止コドンを包含することができる。こうしたベクターは、商業的に得ることができるか、もしくは当該技術分野で公知の方法により記述される配列から集成することができる。【0019】本発明の核酸分子は、アンチセンスRNAの産生を提供するために、記述されるベクターにアンチセンスの向きで挿入することができる。アンチセンスRNAもしくは他のアンチセンス核酸は合成手段により製造することができる。【0020】本発明に従えば、定義される核酸は同一の核酸のみならず、しかしとりわけ保存的アミノ酸置換における縮重コドンのため同義コドン(同一のアミノ酸残基を明記する異なるコドン)をもたらす塩基の置換を包含するいずれかのアミノ塩基(amino base)の変動もまた包含する。「核酸配列」という用語は、塩基の変動に関して与えられるいずれかの一本鎖配列に対する相補的配列もまた包含する。【0021】本発明は、本発明の核酸の最低およそ10の連続するヌクレオチド、および好ましくは10から50個までのヌクレオチドの核酸配列もまた有利に提供する。これらの配列は、有利には、複製を開始するプローブもしくはプライマーなどとして使用することができる。こうした核酸配列は、組換えもしくは合成手段によるような当該技術分野で公知の技術に従って製造することができる。それらは、本発明の核酸の存在を検出するための診断キットなどでもまた使用することができる。これらの試験は、一般に、ハイブリダイズする条件下でプローブをサンプルと接触させること、およびプローブとサンプル中のいずれかの核酸との間のいかなる二重鎖もしくは三重鎖の形成の存在についても検出することを含んで成る。【0022】本発明により、これらのプローブを固体支持体に固定することができる。好ましくは、それらは複数のプローブが単一の生物学的サンプルに同時にハイブリダイズすることができるように1個のアレイ上に存在する。プローブは、アレイ上にスポットすることができるか、もしくはアレイ上で現場で合成することができる(Lockhartら、Nature Biotechnology、vol.14、1996年12月“Expression monitoring by hybridisation into high density oligonucleotide arrays”を参照されたい)。単一のアレイは、別個の位置に100、500もしくは1,000以上の異なるプローブさえ含有することができる。【0023】本発明の核酸配列は、例えば、クローン化されることが望ましい遺伝子の一領域に対するおよそ10から50個までのヌクレオチドであることができる一対のプライマーを作成すること、該プライマーをmRNA、cDNAもしくはヒト細胞からのゲノムDNAと接触させること、所望の領域の増幅をもたらす条件下でポリメラーゼ連鎖反応を実施すること、増幅された領域もしくはフラグメントを単離すること、および増幅されたDNAを回収することを一般に必要とするPCRクローン化機構を使用することのような、こうした組換えもしくは合成の手段を使用して、製造することができる。一般に、Sambrookら(Molecular Cloning:a Laboratory Manual、1989)に記述されるような、本明細書で定義されるような技術は、当該技術分野で公知である。【0024】本発明の核酸もしくはオリゴヌクレオチドは、示す標識を担持することができる。適する標識は32Pもしくは35Sのような放射性同位元素、酵素ラベル、またはビオチンのような他のタンパク質標識、または蛍光マーカーを包含する。こうした標識を本発明の核酸もしくはオリゴヌクレオチドに付加することができ、そしてそれ自体既知の技術を使用して検出することができる。【0025】本発明は、その範囲内に、本発明の核酸分子によりコードされるタンパク質もしくはポリペプチド、またはその機能的同等物、誘導体もしくは生物前駆体もまた含んで成る。好ましくは、該タンパク質は配列番号8および9のアミノ酸配列を含んで成る。【0026】本明細書で定義されるところの「機能的同等物」は、同一の特性を表す受容体を意味するように解釈されるべきであり、また、本発明のGFRα−4受容体と機能的に関連すべきである。「誘導体」は、その中である種のアミノ酸が変えられもしくは欠失されもしくは置き換えられていることができるポリペプチドもしくはタンパク質を意味すると解釈されるべきであり、また、このポリペプチドもしくはタンパク質は、前記GFRα−4受容体の生物学的活性を保持し、そして/もしくは攻撃する抗原として本発明の受容体を使用して生じられる抗体と交差反応することができる。【0027】融合タンパク質およびフラグメントを包含する、ハイブリッドおよび改変された形態の本発明のGFRα−4受容体が本発明の範囲内に包含される。ハイブリッドおよび改変された形態は、例えば、ある種のアミノ酸が例えば点突然変異によるようななんらかの改変もしくは置換にかけられている場合、そしてなお本発明のGFRα−4受容体と同一の受容体特異性を所有するタンパク質をもたらすものを包含する。【0028】この情況において、生物学的活性、受容体特異性および機能的受容体(フラグメント)という用語は、好ましくは特異的にペルセフィンを結合する能力を好ましく包含すること、ならびに本発明のGFRα−4はGDNF、NTNおよび/もしくはEVN/ARTに対し結合活性を有しないかもしくは実質的に有しないことが理解される。本発明のGFRα−4、その変異体、誘導体およびフラグメントの生物学的活性、受容体特異性および/もしくは機能性、例えば結合活性は、好ましくは付属として付けられる実施例に記述されるような、当該技術分野で公知の方法に従って測定することができる。好ましくは、ペルセフィンに対する本発明のGFRα−4のKDは、下述される実施例に従って測定される場合に1ないし10×10-9、とりわけ好ましくは5.9±2.8×10-9であり;表6の記述を参照されたい。【0029】本発明のタンパク質は、本発明の核酸分子によりコードされるポリペプチドを包含しかつ保存的アミノ酸変化を有する、前記分子によりコードされる全部の可能なアミノ酸変異体を包含すると解釈されるべきである。本発明のタンパク質もしくはポリペプチドは、前記タンパク質もしくはポリペプチドに実質的に相同である天然に存在する対立遺伝子変異体を包含する、こうした配列の変異体をさらに包含する。この情況において、実質的相同性は、本発明の核酸分子によりコードされるタンパク質もしくはポリペプチドと最低70%、および好ましくは80もしくは90%のアミノ酸相同性を有する配列とみなされる。【0030】実質的相同性は、本発明のGFRα−4のヌクレオチドおよびアミノ酸配列がある程度の配列の同一性を表すことを意味すると解釈されるべきである。好ましくは、それらは、最低30%、好ましくは40%、より好ましくは50%、なおより好ましくは60%、最も好ましくは70%の同一性を共有し、そして、とりわけ、最低80%、好ましくは90%以上およびなおより好ましくは95%以上の同一性が、それぞれ配列番号5ないし9に描かれるヌクレオチドもしくはアミノ酸配列に関して望ましい。クエリ配列(本発明の配列)と対象配列(包括的配列整列ともまた称される)との間の最良の全体的合致の好ましい一決定方法は、例えばBrutlagら(Comp.App.Biosci.6(1990)、237−245。)のアルゴリズムに基づくFASTDBコンピュータプログラムを使用して決定することができる。配列の整列においては、クエリおよび対象配列は双方がDNA配列である。RNA配列は、UをTに転化することにより比較することができる。前記包括的配列整列の結果はパーセントの同一性である。相同性/同一性を決定するために使用することができるさらなるプログラムを下および実施例に記述する。上述された配列に相同である配列は、例えば、同一の生物学的機能を有する、とりわけ同一のもしくは実質的に同一の受容体特異性、すなわち結合特異性をもつタンパク質をコードする改変を表す前記配列の変異である。それらは、他の哺乳動物からの配列のような天然に存在する変異、もしくは突然変異であることができる。これらの突然変異は天然に生じるか、もしくは突然変異誘発技術により得ることができる。対立遺伝子の変異は、天然に存在する対立遺伝子変異体、ならびに合成で製造されたもしくは遺伝子的に工作された変異体であることができる。好ましい一態様において、配列はマウス、より好ましくはヒトから生じられる。これらの配列は未だ知られていない機能のヌクレオチド配列を用いて現存するデータベースから復活させることもまたできる。例えば、クエリ配列として同定されたラットGFRα−4配列を使用するEMBLデータベースでのBLAST検索は、ラットGFRα−4配列の部分(エキソン2、3および4)とほとんど同一の部分とともに、ゲノムマウス配列(受託番号AF155960)およびゲノムヒト配列(受託番号AC017113;ヒトゲノムDNA由来のコンティグ(contigs.)を含有する)を生じた。これらのヌクレオチド配列もまた本発明に包含される。【0031】本発明のさらなる一局面は、本明細書に記述されるDNA発現ベクターで形質転換された宿主細胞それ自身を含んで成り、この宿主細胞は、好ましくは例えば哺乳動物細胞、昆虫細胞もしくは酵母細胞などであることができる真核生物細胞を含んで成る。一態様において、該細胞はヒト胚腎細胞および好ましくはHEK293細胞系の細胞を含んで成る。あるいは、該細胞はNIH/3T3マウス線維芽細胞もしくはチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞もしくはCOS−7細胞を含むことができる。【0032】本発明のGFRα−4を発現する、または前記受容体の機能的同等物、誘導体もしくは生物前駆体を発現することが可能なトランスジーン(transgene)を含んで成るトランスジェニックの細胞、組織もしくは生物体が、本発明によりさらに提供される。本明細書で使用されるところの「発現が可能なトランスジーン」という用語は、GFRα−4と同一の機能および/もしくは活性を有するヒト受容体の発現につながる適する核酸配列を意味する。トランスジーンは、例えば、ラット細胞から単離されたゲノム核酸、または、ゲノム中にもしくは染色体外状態で組込まれるcDNAを包含する合成核酸を包含することができる。好ましくは、トランスジーンは、本発明のGFRα−4をコードする核酸配列、もしくは前記核酸の機能的フラグメントを含んで成る。前記核酸の機能的フラグメントは、GFRα−4受容体または前記GFRα−4の機能的同等物もしくは生物前駆体をコードする遺伝子もしくはcDNAのフラグメントを意味すると解釈されるべきであり、このフラグメントは機能的受容体タンパク質を産生するよう発現されることが可能である。例えば、該遺伝子は、欠失もしくは突然変異を含むことができるが、しかし機能的受容体をなおコードすることができる。【0033】配列番号2に具体的に説明されるアミノ酸配列を有する単離もしくは精製されたGFRα−4タンパク質、または前記受容体の機能的フラグメントもしくは生物前駆体、あるいは本発明のトランスジェニックの細胞、組織もしくは生物体により発現されるGFRα−4タンパク質が、本発明によりさらに提供される。GFRα−4を発現する細胞からの膜調製物もまた本発明により提供される。【0034】本発明は、アンチセンスの技術の使用によりインビボでGFRα−4を阻害することにさらに向けられる。アンチセンスの技術は、三重ヘリックス形成またはアンチセンスDNAもしくはRNAにより遺伝子発現を制御するのに使用することができ、この方法の双方はDNAもしくはRNAへのポリヌクレオチドの結合に基づく。例えば、本発明のタンパク質をコードする成熟タンパク質配列の5’コーディング部分を使用して、長さが10から40塩基対までのアンチセンスRNAオリゴヌクレオチドを設計する。DNAオリゴヌクレオチドは、転写に関与する遺伝子の一領域に相補性であるように設計し(三重ヘリックス−Leeら Nucl.Acids Res.、6:3073(1979);Cooneyら、Science、241:456(1988);およびDervanら、Science、251:1360(1991)を参照されたい)、それによりGFRα−4の転写および産生を予防する。アンチセンスRNAオリゴヌクレオチドはインビボでmRNAにハイブリダイズし、そしてmRNA分子のGFRα−4受容体への翻訳を封鎖する。【0035】本発明のGFRα−4受容体に対する抗体もまた提供され、これは医薬もしくは製薬学的組成物中で使用することができる。【0036】本発明のGFRα−4に対する抗体は、有利には、当該技術分野で既知である技術により製造することができる。例えば、本発明のポリペプチドもしくはそのエピトープをマウスのような宿主動物に接種すること、および免疫血清を回収することにより、ポリクローナル抗体を製造することができる。モノクローナル抗体は、Kohler R.とMilstein C.、Nature(1975)256、495−497により記述されるような既知技術に従って製造することができる。【0037】本発明の抗体は、該抗体をサンプルと反応させること、およびそれに結合されたいかなるタンパク質も同定することにより、GFRα−4の存在についての検出方法でもまた使用することができる。本発明の抗体、および抗体を前記サンプルと反応させるための手段を含んで成る、前記方法を実施するためのキットもまた提供することができる。【0038】有利には、本発明の抗体は、医薬として、もしくは本発明のGFRα−4の発現に関連する疾患を治療するための医薬の製造においてもまた使用することができる。本発明は、そのための製薬学的に許容できる担体、希釈剤もしくは賦形剤と一緒に前記抗体を含んで成る製薬学的組成物もまたさらに提供する。【0039】本発明のポリペプチドと相互作用するタンパク質は、Chienら(1991)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:9578−9582により最初に提案された二ハイブリッドベクター系を使用してタンパク質−タンパク質相互作用を検討することにより同定することができる。【0040】この技術は、レポーター遺伝子を活性化する転写因子のインビボでの機能の再構成に基づく。より具体的には、該技術は、DNA結合ドメインおよび活性化ドメインを有する転写因子により調節されるプロモーターの制御下にレポーター遺伝子を含んで成るDNA構築物を適切な宿主細胞に提供すること、本発明の核酸配列の一フラグメントもしくは全部の第一の融合をコードする第一のハイブリッドDNA配列および転写因子の前記DNA結合ドメインもしくは前記活性化ドメインのいずれかを宿主細胞中で発現させること、第一の融合中に組込まれない転写因子のDNA結合もしくは活性化ドメインと一緒に検討されるべき推定の結合タンパク質をコードするライブラリーなどのような最低1種の第二のハイブリッドDNA配列を宿主中で発現させること;宿主細胞中でのいかなるレポーター遺伝子産物の存在についても検出することにより本発明のタンパク質との検討されるべきタンパク質のいかなる結合も検出すること;場合によっては結合タンパク質をコードする第二のハイブリッドDNA配列を単離することを含んで成る。GFRα−4受容体に結合するタンパク質はこの技術を使用して同定することができる。同定されたタンパク質は、これらのタンパク質のアゴニスト/アンタゴニストとして作用する化合物を同定するのにもまた使用することができる。該受容体のアゴニストもしくはアンタゴニストを設計するのに受容体の構造を使用することもまたできる。本発明は、本発明のヒトGFRα−4受容体のアゴニストもしくはアンタゴニストもまた含んで成り、このアゴニストもしくはアンタゴニストは、有利には、医薬として、またはそのための製薬学的に許容できる担体、希釈剤もしくは賦形剤と一緒に製薬学的組成物中で使用することもまたできる。【0041】アゴニストもしくはアンタゴニストは、GFRα−4を発現する細胞を試験されるべき化合物と接触させること、および、例えば、前記細胞中でのリン酸化のレベルをモニターすること、あるいは細胞センサー(cytosensor)、またはcRETもしくはシグナル伝達経路中の類似のタンパク質の存在下でのリガンド結合アッセイによるような、いずれかのGFRα−4に媒介される機能的もしくは生物学的応答の程度をモニターすることにより同定することができる。好ましくは、細胞は、宿主細胞もしくは本明細書で定義されるところの本発明のトランスジェニック細胞であることができる。GFRα−4のアゴニストおよびアンタゴニストは、例えば、cRET、もしくはGFRα−4が一成分であるシグナル伝達経路に関与する他の類似のタンパク質の存在下で、GFRα−4を含んで成る膜調製物を試験されるべき化合物と接触させること、およびcRETもしくは前記類似のタンパク質とのGFRα−4の相互作用をモニターすることによってもまた同定することができる。有利には、GFRα−4に関してアゴニストもしくはアンタゴニストとして同定されるいかなる化合物もしくは分子も、上で定義されるような製薬学的組成物中で、もしくは医薬としてそれら自身を使用することができる。【0042】GFRα−4もしくは機能的同等物が属するシグナル伝達経路に対し作用する分子もしくは化合物もまた本発明により提供される。あるいは、該分子は、cRET、もしくはGFRα−4が一成分であるシグナル伝達経路中の類似のタンパク質とのGFRα−4もしくはその機能的同等物の複合体形成もしくは相互作用を妨害することができる。【0043】さらに、本発明は、上述されたスクリーニング法のいずれか1つ;および付加的に(i)患者に対し治療上有効な量で本発明のGFRα−4のアンタゴニストもしくはアゴニストを提供するのに十分な量で、前記方法で得られたもしくは同定された化合物、またはその生理学的に許容できる類似物もしくは誘導体を合成すること;および/あるいは(ii)前記方法で得られたもしくは同定された化合物またはその類似物もしくは誘導体を製薬学的に許容できる担体」と組み合わせることの段階を含んで成る、前記アンタゴニストもしくはアゴニストの製造方法に関する。【0044】上の方法により単離された化合物は、類似化合物の開発のためのリード化合物としてもまた作用する。類似物は、重要な官能基が、リード化合物と実質的に同一の方法でGFRα−4受容体に提示されることを可能にする安定化された電気的配置および分子コンホメーションを有するべきである。とりわけ、類似化合物は、結合領域に匹敵する空間的電気的特性を有するが、しかし頻繁に約2kDより下、および好ましくは約1kDより下の分子量を有する、リード化合物より小さい分子であることができる。類似化合物の同定は、自己一致領域(self−consistent field)(SCF)分析、配置相互作用(CI)分析、および通常モードの力学的分析のような技術の使用により実施することができる。これらの技術を実施するためのコンピュータプログラムが利用可能であり;例えば、Rein、Computer−Assisted Modeling of Receptor−Ligand Interactions(アラン リス(Alan Liss)、ニューヨーク、1989)。化学的誘導体および類似物の製造方法は当業者に公知であり、そして例えばBeilstein、Handbook of Organic Chemistry、シュプリンガー エディション ニューヨーク インク(Springer edition New York Inc.)、175 Fifth Avenue、New York、N.Y.10010 U.S.A、およびOrganic Synthesis、ワイリー(Wiley)、米国ニューヨークに記述される。さらに、前記誘導体および類似物は当該技術分野で既知の方法に従ってそれらの影響について試験することができ;また上記を参照されたい。さらに、ペプチド模倣物ならびに/もしくは適切な誘導体および類似物のコンピュータに補助される設計を使用することができる。【0045】GFRα−4に関してアゴニストもしくはアンタゴニスト、またはGFRα−4が一部であるシグナル伝達経路を妨害するリガンドもしくは化合物として同定された化合物は、例えば消化器癌のような多様な癌腫に加えて、例えばアルツハイマー病、パーキンソン病、運動ニューロン疾患、末梢性ニューロパシー、脊髄損傷、家族性ヒルシュスプルング病のような神経変性性疾患の治療のための医薬の製造、およびまたGFRα−4の機能不全に関連することができる疾患の治療において有利に使用することができる。アンタゴニストとして同定された化合物は、有利には、癌腫の治療のための医薬の製造もしくは痛みの緩和において使用することができる。【0046】本発明は、本発明のGFRα−4のリガンドの同定方法もまたさらに含んで成り、この方法は、GFRα−4のリガンドとしてのその潜在能力について試験されるべき細胞抽出物あるいは化合物のいずれかと前記受容体を接触させること、およびGFRα−4に結合されたいかなる分子も単離することを含んで成る。【0047】診断キットもまた本発明により提供され、このキットは、試験されるべき生物学的材料を前記核酸プローブと接触させるための手段と一緒に、本発明のGFRα−4タンパク質をコードする核酸分子、高ストリンジェンシーの条件下でそれにハイブリダイズすることが可能な分子、前記核酸のフラグメント、本発明のアンチセンス分子のいずれかを包含するプローブを含んで成る。本発明の診断キットは、GFRα−4に関するアゴニストもしくはアンタゴニスト、またはGFRα−4に対する抗体、好ましくはモノクローナル抗体もまた含むことができる。従って、有利には、該キットは、例えば前記受容体もしくは遺伝子欠損などを発現するもしくはそれを欠く細胞を同定するため、またはある化合物がGFRα−4受容体のアゴニストであるかもしくはアンタゴニストであるかを決定するために適切なように使用することができる。ある化合物がGFRα−4に関してアゴニストであるかもしくはアンタゴニストであるかを決定するためのキットは、本発明の前記受容体を発現する細胞もしくは膜調製物、前記細胞を前記化合物と接触させるための手段、および例えば前記細胞中でのリン酸化のレベルを測定すること、あるいは細胞センサー、またはcRET、もしくはGFRα−4が一成分であるシグナル伝達経路に関与する類似のタンパク質の存在下でのリガンド結合アッセイによりいかなるGFRα−4に媒介される機能的もしくは生物学的応答のレベルもモニターするための手段を含むことができる。PCRのためのオリゴヌクレオチドの合成およびDNA配列決定。【0048】使用された全オリゴヌクレオチドプライマーはユーロゲンテック(Eurogentec)(ベルギー・セライング)から注文した。挿入物特異的な配列決定プライマー(15および16mer)、ならびにPCR反応での使用のためのプライマーは人的に設計した。DNAは、キアゲン(Qiagen)−チップ−20もしくは−100陰イオン交換もしくはキアクイック(Qiaquick)スピンカラム(キアゲン(Qiagen)GmbH、ドイツ・デュッセルドルフ)上で調製し、そしてカラムから30μlのTE緩衝液(10mMトリス.HCl、1mM EDTA(ナトリウム塩)、pH8.0)中に回収した。配列決定反応は、ABI プリズム ビッグダイ ターミネーター循環(ABI prism BigDye Terminator Cycle)配列決定キットを使用して双方の鎖で行い、そしてアプライド バイオシステムズ(Applied Biosystems)377XLシークェンサー(パーキン エルマー(Perkin Elmer)、ABI部門、米国カリフォルニア州フォスターシティ)上で行った。配列の集成および人的エディティングにシークェンチャー[Sequencher](商標)ソフトウエアを使用した(ジーンコーズ(GeneCodes)、米国ミシガン州アナーバー)。GFRαファミリーの新規メンバーをコードするcDNA配列の同定クエリ配列としてヒトGFRα−1、GFRα−2もしくはGFRα−3のDNAもしくはタンパク質配列を使用して、公的EMBLデータベースの毎日の最新情報でBLAST(基本的局所整列検索ツール(Basic Local Alignment Search Tool);Altschulら、1990)検索を実施した。EMBL受託番号AU035938をもつマウスのEST(発現される配列標識(expressed sequence tag))配列は、GFRα−1、GFRα−2およびGFRα−3に対する相同性を示した。BLAST解析により得られた最小総和確率(smallest sum probability)(SSP)を表1に要約する。【0049】【表1】【0050】AU035938(配列1)はマウス脳cDNAライブラリー由来の792bpの配列である。翻訳に際してGFRαファミリーの他のメンバーとの一貫した相同性を得るためには、該DNA配列の位置165近くにフレームシフトが導入されなければならない。これが配列決定の誤りによるのかどうか、もしくは別の説明が存在するのかどうかは明らかでない。このEST配列をクエリ配列として使用して、公的EMBLデータベースに対するBLAST検索を反復した。1個の付加的クローン(受託番号AA823200;配列2)が1e−18の有意のSSPを生じた。マウス乳腺cDNAライブラリー由来であったこの497bpのクローンの検査に際して、最初の61bpのみがAU035938の部分(位置353ないし415)と同一であった。AA823200の配列の残りはAU035938と異なったが、しかし、その翻訳されたアミノ酸配列が他のGFRαと相同性を示した部分を含有した。従って、AU035938およびAA823200が同一の受容体の2種の変異体の形態を表す可能性があったと仮定し、これをGFRα−4と呼んだ。マウスGFRα−4 cDNAのクローニングわれわれは、最初に、マウス脳およびマウス胚由来のマラソン レディ[Marathon Ready](商標)cDNA(クロンテック ラボラトリーズ(Clontech Laboratories)、米国カリフォルニア州パロアルト)でマウスGFRα−4 cDNAのフラグメントを増幅することを試みた。プライマーは、マウスGFRα−4の274bpのフラグメントを増幅するように、EST配列(EMBL受託番号AU035938およびAA823200)を使用して設計した。マウスGFRα−4の増幅に使用されたプライマーを下の表に示す。【0051】【表2】【0052】Taqポリメラーゼ系(ベーリンガー マンハイム(Boehringer Mannheim)、ドイツ・マンハイム)を使用してPCR反応を行った。PCR反応は、1×Taq PCR反応緩衝液、0.25mM dNTP、0.5μMのプライマーMOUSE−GFRα4−sp2およびMOUSE−GFRα4−ap2、1μlのTaqポリメラーゼ、ならびに2μlのマウス胚もしくはマウス脳マラソン レディ[Marathon Ready](商標)cDNAを含有する50μlの総容積中で実施した。サンプルを95℃に5分間加熱し、そして、循環を、72℃で7分の最終段階を伴い94℃で30秒、60℃で1分および72℃で45秒で35周期の間行った。その後、プライマーMOUSE−GFRα4−sp3およびMOUSE−GFRα4−ap2を用いて、1μlの一次PCR反応で半ネステッドPCR(semi−nested)PCRを実施した。PCR反応は、1×Taq PCR反応緩衝液、0.25mM dNTP、0.5μMのプライマーMOUSE−GFRα4−sp3およびMOUSE−GFRα4−ap2、1μlのTaqポリメラーゼならびに1μlの一次PCR産物を含有する50μlの総容積中で実施した。サンプルを95℃に5分間加熱し、そして、循環を、72℃で7分の最終段階を伴い94℃で30秒、60℃で1分および72℃で45秒で35周期の間行った。PCR産物は1×TAE緩衝液(40mMトリス−酢酸、1mM EDTA(ナトリウム塩)、pH8.3)中、1%(w/v)アガロースゲル上で分析した。期待された大きさ(270bp)のPCRフラグメントをゲルから切り出し、そしてキアクイック(Qiaquick)ゲル抽出キット(キアゲン(Qiagen)Gmbh、ドイツ・ヒルデン)を用いて精製した。PCRフラグメントを配列決定してそれらの同一性を確認した。得られた配列はESTデータベースの配列に対応した。マウスGFRα−4の上流および下流のコーディング配列を決定するため、5’および3’RACE実験を実施した。これらの実験は期待されたように役に立たなかったため、また、翻訳後に他のGFRαと一致した相同性を生じるにはマウスGFRα−4配列中のいくつかの点でフレームシフトが導入されなければならなかったため、われわれは、マウスGFRα−4のラット相同物のクローニングに移行することを決定した。ラットGFRα−4 cDNA配列の同定およびクローニング上述された、受託番号AU035938およびAA823200をもつcDNA配列を、専売のライフシーク(LifeSeq)およびズーシーク(ZooSeq)データベース(インサイト ファーマシューティカルズ(Incyte Pharmaceuticals)、米国カリフォルニア州パロアルト)でのBLAST検索におけるクエリ配列として使用した。マウスGFRα−4配列に対する高い相同性をもつ2個のラットクローン、すなわち番号701290919H1(270bp;AU035938(SSP=1.1e−32)およびAA823200(SSP=1.3e−21)でヒットされた)、ならびに番号701291473H1(250bp;AA823200(SSP=4.3e−42)でのみヒットされた)を同定した。クローン701291473H1および701290919H1由来の翻訳されたタンパク質配列を既知のGFRαタンパク質配列と比較することから、配列701290919H1はおそらく配列701291473H1の5’に配置されたこと、および、これらの配列は完全なGFRα−4 cDNA配列中で相互にほぼ隣接したことを推定することができた。従って、2種の順プライマー(RAT−GFRα4−sp1およびRAT−GFRα4−sp2)を配列701290919H1の5’領域中で、また、2種の逆プライマー(RAT−GFRα4−ap1およびRAT−GFRα4−ap2)を配列701291473H1の3’領域で設計した。PCR実験で使用された全プライマー配列を表3に要約する。【0053】【表3】【0054】その後、ラット脳クイッククローン(Quickclone)cDNA(クロンテック ラボラトリーズ(Clontech Laboratories)、米国カリフォルニア州パロアルト)で、プライマーRAT―GFRα4−sp1およびRAT−GFRα4−ap1を使用してPCRを実施して、脳由来のcDNA中でのラットGFRα−4の存在を確認した。ラットGFRα−4配列をコードするDNA配列はこの領域中で高いG+C含量を有するため、アドバンテージ(Advantage)−GC PCRキット(クロンテック(Clontech))を使用してPCR反応を行った。PCR反応は、1×GC cDNA PCR反応緩衝液、0.2mM dNTP、1M GC−MELTae、200nMのプライマーRAT−GFRα4−sp1およびRAT−GFRα4−ap1、1μlのアドバンテージ クレンタック(Advantage KlenTaq)ポリメラーゼ混合物ならびに1μlのラット脳クイッククローン(Quickclone)cDNAを含有する、50μlの総容積中で実施した。サンプルを95℃に1分間加熱し、そして、循環を、72℃で7分の最終段階を伴い95℃で1分、56℃で1分および72℃で1分で30周期の間行った。その後、プライマーRAT−GFRα4−sp2およびRAT−GFRα2−ap2を用いて、1μlの一次PCR反応でネステッド(nested)PCRを実施した。PCR反応は、1×GC cDNA PCR反応緩衝液、0.2mM dNTP、1M GC−MELTae、200nMのプライマーRAT−GFRα4−sp2およびRAT−GFRα4−ap2、1μlのアドバンテージ クレンタック(Advantage KlenTaq)ポリメラーゼ混合物、ならびに1μlの一次PCR産物を含有する50μlの総容積中で実施した。サンプルを95℃に1分間加熱し、そして、循環を、72℃で7分の最終段階を伴い、95℃で30秒、56℃で1分および72℃で1分で25周期の間行った。PCR産物は、1×TAE緩衝液(40mMトリス−酢酸、1mM EDTA(ナトリウム塩)、pH8.3)中、1%(w/v)アガロースゲル上で分析した。それぞれおよそ1100および200bpの2種のPCRフラグメントをゲルから切り出し、そしてキアクイック(Qiaquick)ゲル抽出キット(キアゲン(Qiagen)Gmbh、ドイツ・ヒルデン)で精製した。PCRフラグメントを配列決定してそれらの同一性を確認した。最小のフラグメントは、結合された配列701290919H1および701291473H1に対応する211bpの配列を生じた。より大きいフラグメントは1049bpの配列を生じ、その5’端の18bp、3’端の59bpおよび92bpの内部伸長が211bpのフラグメントの配列に対応したが、しかし、間に付加的配列の伸長を有した。このフラグメントはラットGFRα−4の変異体を表した。【0055】クローン701291919H1および701291473H1の双方をインサイト ファーマシューティカルズ(Incyte Pharmaceuticals)から得、そして挿入物を完全に配列決定した。該配列を本出願に包含する(配列3=701290919H1および配列4=701291473H1)。双方のクローンは同一の7日齢のラット脳皮質のcDNAライブラリー由来であった。双方のクローンはそれらの5’端(701291473H1中の最初の134bpおよび701290919H1中の最初の227bp)で異なるが、しかしその後は同一である。双方は終止コドン(701291473H1中の位置184−186および701290919H1中の277−279)までのGFRα−4のコーディング配列の部分を含有する。549bpの3’非翻訳領域、次いでポリ(A)尾がその後双方のクローンに存在する。われわれは、双方のクローンがラットGFRα−4遺伝子の異なる変異体であると仮定した。ラットGFRα−4 cDNAの5’端を決定するために、双方の変異体に共通な配列の一部分でプライマー(RAT−GFRα4−ap3およびRAT−GFRα4−ap4)を設計して、5’RACE実験を実施した。最初に、ラット脳マラソン レディ[Marathon Ready](商標)cDNA(クロンテック(Clontech))で5’ RACE PCRを実施した。PCR反応は、1×GC cDNA PCR反応緩衝液、0.2mM dNTP、1Mもしくは1.5M GC−MELTae、200nMのプライマーRAT−GFRα4−ap3およびRACE−ap1、1μlのアドバンテージ クレンタック(Advantage KlenTaq)ポリメラーゼ混合物、ならびに5μlのラット脳マラソン レディ[Marathon Ready](商標)cDNAを含有する50μlの総容積中で実施した。サンプルを95℃に30秒間加熱し、そして、循環を、68℃で7分の最終段階を伴い、95℃で30秒、72℃で4分を5周期、その後95℃で30秒、70℃で4分を5周期、その後95℃で30秒、68℃で4分を25周期の間行った。その後、プライマーRAT−GFRα4−ap4およびRACE−ap2を用いて、1μlの一次PCR反応でネステッドPCRを実施した。PCR反応は、1×GC cDNA PCR反応緩衝液、0.2mM dNTP、1Mもしくは1.5M GC−MELTae、200nMのプライマーRAT−GFRα4−ap4およびRACE−ap2、1μlのアドバンテージ クレンタック(Advantage KlenTaq)ポリメラーゼ混合物、ならびに1μlの一次PCR産物を含有する50μlの総容積中で実施した。循環は、一次PCRと正確に同一のパラメータを使用して行った。PCR産物は、1×TAE緩衝液(40mMトリス−酢酸、1mM EDTA(ナトリウム塩)、pH8.3)中、1%(w/v)アガロースゲル上で分析した。およそ350bpのフラグメントをゲルから切り出し、そして、製造元の説明書(インヴィトロジェン(Invitrogen)BV、オランダ・リーク)に従ってTOPO TAクローニングキットを使用して、プラスミドベクターpCR2.1−TOPOにクローン化した。生じるクローンの1つが、5’の方向にラットGFRα−4配列を伸長した387bpの挿入物配列を生じた。翻訳に際し、この付加的cDNA配列は、いかなる内的終止コドンも伴わず、かつ、他の既知のGFRα配列に対する実質的相同性をもつタンパク質配列を生じた。この付加的配列内には推定のATG開始コドンを検出することができなかったため、新規プライマー(RAT−GFRα4−ap5およびRAT−GFRα4−ap6)をこの配列の5’端で設計して、付加的な5’RACE実験を実施した。最初に、5’RACE PCRをラット心マラソン レディ[Marathon Ready](商標)cDNA(クロンテック(Clontech))で実施した。PCR反応は、1×GC cDNA PCR反応緩衝液、0.2mM dNTP、1M GC−MELTae、200nMのプライマーRAT−GFRα4−ap5およびRACE−ap1、1μlのアドバンテージ クレンタック(Advantage KlenTaq)ポリメラーゼ混合物、ならびに5μlのラット心マラソン レディ[Marathon Ready](商標)cDNAを含有する50μlの総容積中で実施した。サンプルを95℃に30秒間加熱し、そして、循環を、68℃で7分の最終段階を伴い、95℃で30秒、72℃で4分を5周期、その後95℃で30秒、70℃で4分を5周期、その後95℃で30秒、68℃で4分を25周期の間行った。その後、プライマーRAT−GFRα4−ap6およびRACE−ap2を用いて、1μlの一次PCR反応でネステッドPCRを実施した。PCR反応は、1×GC cDNA PCR反応緩衝液、0.2mM dNTP、1M GC−MELTae、200nMのプライマーRAT−GFRα4−ap6およびRACE−ap2、1μlのアドバンテージ クレンタック(Advantage KlenTaq)ポリメラーゼ混合物、ならびに1μlの一次PCR産物を含有する50μlの総容積中で実施した。循環は、一次PCRと正確に同一のパラメータを使用して行った。PCR産物を1%アガロースゲル上で分析した。およそ200bpのフラグメントをゲルから切り出し、そして上述されたとおりTOPO TAクローニングキットを使用して、プラスミドベクターpCR2.1−TOPOにクローン化した。2個の生じるクローンの配列決定は、5’の方向に別の128bpを伴うラットGFRα−4配列を伸長した。この配列に基づき、別のプライマーの組(RAT−GFRα4−ap7およびRAT−GFRα4−ap8)を設計して、付加的な5’RACE実験を実施した。RACE PCRはラット脳、心および腎のマラソン レディ[Marathon Ready](商標)cDNAで実施した。PCR反応は、1×GC cDNA PCR反応緩衝液、0.2mM dNTP、1M GC−MELTae、200nMのプライマーRAT−GFRα4−ap7bおよびRACE−ap1、1μlのアドバンテージ クレンタック(Advantage KlenTaq)ポリメラーゼ混合物、ならびに5μlのラット心、脳もしくは腎のマラソン レディ[Marathon Ready](商標)cDNAを含有する50μlの総容積中で実施した。サンプルを95℃に30秒間加熱し、そして、循環を、68℃で7分の最終段階を伴い、95℃で30秒、72℃で4分を5周期、その後95℃で30秒、70℃で4分を5周期、その後95℃で30秒、68℃で4分を25周期の間行った。その後、プライマーRAT−GFRα4−ap8およびRACE−ap2を用いて、1μlの一次PCR反応でネステッドPCRを実施した。PCR反応は、1×GC cDNA PCR反応緩衝液、0.2mM dNTP、1M GC−MELTae、200nMのプライマーRAT−GFRα4−ap8およびRACE−ap2、1μlのアドバンテージ クレンタック(Advantage KlenTaq)ポリメラーゼ混合物、ならびに1μlの一次PCR産物を含有する50μlの総容積中で実施した。循環は、一次PCRと正確に同一のパラメータを使用して行った。PCR産物を1%アガロースゲル上で分析した。大きさがおよそ200bpから1200bpまでの範囲にわたる数個のフラグメントがゲル上で見え、そして切り出しかつTOPO−TAクローニングを使用してベクターpCR2.1−TOPOにクローン化した。数個のクローンの挿入物を配列決定した。これらのクローンから、ラットGFRα−4の配列を5’の方向に伸長することができた。2個の異なる配列を同定した。1個の配列は、5’の方向に215bpを伴いラットGFRα−4配列を伸長し、そして同じ読み枠の上流の終止コドンにより先行される同じ読み枠の開始コドンを包含した。生じる予測されるタンパク質配列(52の付加的アミノ酸残基)は、29アミノ酸残基の予測されるシグナルペプチドを包含する(ウィスコンシン(Wisconsin)パッケージ バージョン10.0、ジェネティックス コンピュータ グループ(Genetics Computer Group)(GCG)、米国ウィスコンシン州マディソン、中に包含されるSPScanプログラムにより決定されるとおり;スコア7.0、確率1.171e−02)。これらの5’RACE実験により決定された他の配列は、5’の方向に552bpを伴いラットGFRα−4配列を伸長し、そしてまた同じ読み枠の上流の終止コドンにより先行される同じ読み枠の開始コドンを包含した。この新規配列の大部分の3’の79塩基対は215bpの配列の3’の79塩基対に同一であったが、しかし該配列の残りは異なった。しかしながら、生じる予測されるタンパク質配列(113の付加的アミノ酸残基)は予測されるシグナルペプチド配列をNH2−末端に有しなかった(SPScan、GCGパッケージ)。インサイト(Incyte)データベースからの配列と一緒のその後の5’RACE実験から生じる多様な部分的cDNA配列を比較し、そして数個の可能なラットGFRα−4変異体に合流させた。同定された変異体のどれが真であるかを同定するために、翻訳開始コドンの5’(552bpのRACEフラグメントから生じる「長い」5’変異体のためのプライマーRAT−GFRα4−sp4およびRAT−GFRα4−sp5、ならびに215bpのRACEフラグメントから生じる「短い」5’変異体のためのRAT−GFRα4−sp6)、ならびに翻訳終止コドンの3’(RAT−GFRα4−ap9およびRAT−GFRα4−ap10)プライマーを設計した。その後、多様なラット組織由来のcDNAを使用して完全なGFRα−4コーディング配列を増幅するのにこれらのプライマーを使用した。【0056】最初に、「長い」5’変異体をコードする配列をPCRにより増幅した。PCR反応は、1×GC cDNA PCR反応緩衝液、0.2mM dNTP、1M GC−MELTae、200nMのプライマーRAT−GFRα4−sp4およびRAT−GFRα4−ap9、1μlのアドバンテージ クレンタック(Advantage KlenTaq)ポリメラーゼ混合物、ならびに5μlのラット心、脳もしくは腎のマラソン レディ[Marathon Ready](商標)cDNAを含有する50μlの総容積中で実施した。サンプルを95℃に1分間加熱し、そして、循環を、72℃で7分の最終段階を伴い、95℃で45秒、57℃で1分および72℃で1分の35周期の間、行った。その後、プライマーRAT−GFRα4−sp5およびRAT−GFRα4−ap10を用いて、一次PCR反応でネステッドPCRを実施した。PCR反応は、1×GC cDNA PCR反応緩衝液、0.2mM dNTP、1M GC−MELTae、200nMのプライマーRAT−GFRα4−sp5およびRAT−GFRα4−ap10、1μlのアドバンテージ クレンタック(Advantage KlenTaq)ポリメラーゼ混合物、ならびに1μlの一次PCR産物を含有する50μlの総容積中で実施した。循環は、35の代わりに30のPCR周期を行ったことを除き、一次PCRと正確に同一のパラメータを使用して行った。PCR産物を1%アガロースゲル上で分析した。大きさがおよそ1000から1250bpまでの範囲にわたる数個のフラグメントをゲルから切り出し、そしてTOPO−TAクローニングを使用してベクターpCR2.1−TOPOにクローン化した。数個のクローンの挿入物を配列決定した。次に、「短い」5’変異体をコードする配列をPCRにより増幅した。PCR反応は、1×GC cDNA PCR反応緩衝液、0.2mM dNTP、1M GC−MELTae、200nMのプライマーRAT−GFRα4−sp6およびRAT−GFRα4−ap9、1μlのアドバンテージ クレンタック(Advantage KlenTaq)ポリメラーゼ混合物ならびに5μlのラット心マラソン レディ[Marathon Ready](商標)cDNAを含有する50μlの総容積中で実施した。サンプルを95℃に5分間加熱し、そして、循環を、72℃で7分の最終段階を伴い、94℃で30秒、57℃で1分および72℃で2分30秒の35周期の間行った。PCR産物を1%アガロースゲル上で分析した。大きさがおよそ1500から2200bpまでの範囲にわたる数個のフラグメントをゲルから切り出し、そしてTOPO−TAクローニングを使用してベクターpCR2.1−TOPOにクローン化した。数個のクローンの挿入物を配列決定した。全部の得られた配列の分析(16個の生じるクローンを完全に配列決定した)は、ラットGFRα−4のDNA配列が、全部の同定された変異体に共通の6個の配列の伸長に分割されることを可能にし、変異体に依存して5個の介在配列の伸長が存在もしくは非存在であった。全5種の介在配列は、5’および3’のスプライス部位のコンセンサス部位(イントロン配列の5’端のGTおよび3’端のAG)(Senapathyら、1990)を含有し(下の表4を参照されたい)、そして従ってスプライスされないイントロンを潜在的に表す可能性がある。【0057】同定された変異体がある種のmRNA転写物中のスプライスされないイントロンの保存から生じることができたという仮定を強くするため、ラットGFRα−4配列をヒトGFRα−1のゲノム配列(Angristら、1998)と比較した。この分析から、全転写物に共通のGFRα−4配列はGFRα−1中のエキソンと一致した(下の表4を参照されたい)ことが明らかであった。いくつかの転写物中に存在しない介在配列はヒトGFRα−1中のイントロン配列と一致した。従って、われわれは、全部の介在配列をスプライスされないイントロンとみなした。エキソン5とエキソン6との間に存在するイントロンは2つの異なる方法でスプライスされる可能性があり、そして、われわれが変異体Aおよび変異体Bと呼んだラットGFRα−4の2種の異なるスプライス変異体の存在をもたらす。【0058】配列5は、イントロン配列を包含するラットGFRα−4のコンセンサス配列を示す(イントロン1:bp125ないし684;イントロン2:bp1040ないし1088;イントロン3:bp1199ないし1278;イントロン4:bp1414ないし2154;イントロン5A:bp2247ないし2385、およびイントロン5B:bp2231ないし2314)。配列5の位置2244で多形が検出され、配列決定されたクローンの50%でTが、および他の50%でCが見出された。この多形は、GPI固定に関与する疎水性領域中のタンパク質(変異体A)におけるWからRへのアミノ酸変化につながる。図1は、イントロン配列のスプライシング後のスプライス変異体AおよびBの派生されるcDNA、ならびにそれらの特徴を伴う変異体AおよびBの翻訳されたタンパク質配列と一緒の、ラットGFRα−4遺伝子の構造を図で示す。表4は、同定されたイントロンおよびエキソンの大きさと一緒のイントロン−エキソンの境界のDNA配列を示す。右の欄はヒトGFRα−1のゲノム配列中の対応するエキソンの大きさを示す(Angristら、1998から)。【0059】【表4】【0060】イントロン1ないし4およびイントロン5Aを除去することにより得られるコンセンサス配列(配列6;変異体A)は、29.7kDaの計算される分子量および8.92の等電点をもつ273アミノ酸残基のタンパク質に翻訳される(配列8)。イントロン1ないし4およびイントロン5Bを除去することにより得られるコンセンサス配列(配列7;変異体B)は、28.0kDaの計算される分子量および8.91の等電点をもつ258アミノ酸残基のタンパク質に翻訳される(配列9)。図2はラットGFRα−4の変異体AおよびBの整列を示す。これらのタンパク質配列は、双方とも既知のGFRα配列に類似であり、そして、カルボキシ末端の小さなアミノ酸伸長において相互と異なるのみである。これら2種の配列は、おそらく、生物学的に活性なGFRα−4変異体を代表する。配列決定された全部の他の変異体は1個もしくはそれ以上のイントロン配列を含有するため、それらはおそらくRNAプロセシングの中間体である。全部のこれらの中間体がなぜ精製されたmRNA由来のcDNA中に存在するのか、および、完全にスプライスされたmRNA転写物由来のcDNA配列を増幅することがなぜそれほど困難であるのかは明らかでない。GFRα−1ないし−4は、Asp、Cys、Ala、Ser、GlyもしくはAsnのような3種の小型のアミノ酸の伸長を含有する親水性配列により先行される17〜31アミノ酸残基の疎水性領域より成る、グリコシル−ホスファチジルイノシトール(GPI)に固定されるタンパク質に典型的なCOOH末端配列を特徴とする(Gerberら、1992)。ラットGFRα−4変異体Aのタンパク質配列は、2個の可能なGPI切断部位(位置234ないし236のDSSもしくは位置250−252のNAG)により先行される21アミノ酸残基(位置253ないし273)の疎水性のカルボキシ末端を有する。変異体Bはより短い親水性のカルボキシ末端を有し、この変異体についてはGPI固定が可能でないことを意味する。これは、変異体BがラットGFRα−4受容体の可溶性の形態であることを意味する可能性がある。29アミノ酸の予測されるシグナルペプチドが双方の変異体に存在する(GCGパッケージに包含されるSPScanプログラムにより決定されるとおり;スコア7.0、確率1.171e−02)。加えて、Nに連結されるグリコシル化のための1個の可能な部位(該タンパク質中の位置192ないし194のNVS)が存在する。【0061】最近、マウスGFRα−1ないし−3およびニワトリGFRα−4の配列の比較に基づくGFRαのドメイン構造のモデルが提案された(Airaksinenら、1999)。該モデルは、より少なく保存されるアダプター配列により一緒に結合される3個の保存されたシステイン豊富なドメインを包含する。該分子はGPIアンカーにより膜に固定される。ラットGFRα−4はこのモデルに部分的に一致する。なぜなら、それは第二および第三のシステイン豊富な領域ならびに1個の可能なGPIアンカーもまた含有するからである(少なくとも変異体Aについて)。しかしながら、それは、第一のシステイン豊富な領域が存在しないため、他のGFRαと有意に異なる。図3はラットGFRα−1(EMBL受託番号U59486)、ラットGFRα−2(EMBL受託番号AF003825)、マウスGFRα−3(EMBL受託番号AB008833)およびニワトリGFRα−4(EMBL受託番号AF045162)とのラットGFRα−4の変異体AおよびBの整列を示す。この整列は、ClustalW整列プログラム(EMBL、ドイツ・ハイデルベルク)を使用して行った。GeneDocソフトウェアツール(バージョン2.5.000)を使用する配列の対にした比較により、GFRαファミリーのメンバー間の同一性のパーセンテージおよび類似性のパーセンテージを計算し、そして結果を下の表5に提示する。【0062】【表5】【0063】神経栄養因子のGDNFファミリーの4メンバーがこれまでに同定されている(GDNF、NTN、PSP、EVN/ARTN)。全4種は、普遍的な膜貫通チロシンキナーゼcRETとともに、特異的なGPIに連結されるGFRα受容体(GDNFについてGFRα−1、NTNについてGFRα−2、EVN/ARTNについてGFRα−3、およびPSPについて(ニワトリ)GFRα−4)への結合によりシグナル伝達する。PSPの補助受容体GFRα−4はニワトリでのみ同定されており、そして、哺乳動物の対照物は未だ見出されていない。【0064】本出願に記述されるラットGFRα−4とニワトリGFRα−4との間の類似性は37%(27%の同一性)であり、ラットGFRα−4がGFRαファミリーの新規メンバーであることを示唆する。GFRα−4は哺乳動物のペルセフィン受容体である可能性があるか、あるいは、同定されないGDNFファミリーメンバーの受容体である可能性がある。GFRα−4へのペルセフィンの特異的結合。【0065】可溶性のGFRα−IgG−Fc融合タンパク質の発現のための構築物を以下のとおり作成した。シグナルペプチドおよびGPI固定に関与するCOOH末端の疎水性領域をコードする配列を除外する、ヒトGFRα−1、GFRα−2およびGFRα−3、ニワトリGFRα−4ならびにラットGFRα−4変異体A(それぞれ、アミノ酸残基27ないし427、20ないし431、28ないし371、20ないし399および29ないし252をコードする)のcDNA領域を、発現ベクターシグナルpIgプラス(Signal pIg plus)(R&D システムズ ヨーロッパ リミテッド(R&D Systems Europe Ltd)、英国アビンドン)中に同じ読み枠でクローン化した。全部の構築物の挿入物は完全なDNA配列分析により確認した。これらの構築物から発現される生じるタンパク質は、17アミノ酸残基のNH2−末端CD33シグナルペプチド、それぞれのGFRαタンパク質領域、および243アミノ酸残基のCOOH末端ヒトIgG1−Fc融合ドメインを含有する。融合タンパク質を記述されたとおりCHO細胞中で発現させかつ精製した。チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を、10%熱不活性化ウシ胎児血清を補充されたDMEM/F12培地中で慣例に培養した。至適化されたリポフェクタミン プラス(Lipofectamine Plus)法を使用して、細胞をGFRα−IgGFc融合構築物でトランスフェクションした。このために、総量で6.5μgのDNAを、750μlの血清を含まない培地中で17.5μlのプラス(PLUS)試薬とともに室温で15分間インキュベートした。リポフェクタミンは血清を含まない培地で50倍希釈し、この混合物750μlをDNA溶液に添加した。室温で15分のインキュベーション後に、3.5mlの血清を含まない培地を添加し、そして混合物を細胞上にもたらした(100mmペトリ皿中)。細胞を5% CO2中37℃で3時間インキュベートし、その後20%熱不活性化ウシ胎児血清を含有する5mlの培地を添加した。24時間後に培地を通常の培地に変更した。これらの至適化された条件を使用するトランスフェクションの効率は、典型的に50〜60%であった。永続的トランスフェクションのためには、選択培地は800μgのG418もしくは800μgのG418および800μgのヒグロマイシンのいずれかを含有した。抗生物質耐性のクローンを拡張し、そして特異的抗体を使用して発現についてアッセイした。GFRα−IgGFc融合タンパク質を、プロテインAクロマトグラフィーにより、永続的にもしくは一過性にトランスフェクションされたCHO細胞の培地から精製した。結合されたタンパク質を0.1Mクエン酸ナトリウム、pH3.0で溶出し、そして1Mトリス緩衝液、pH8.4中に収集した(希釈比1:6)。1.5の吸光度係数を使用して、280nmでの吸光度によりタンパク質濃度を推定した。表面プラスモン共鳴(SPR)実験を、バイアコア(BIACORE)3000装置(バイアコア AB(Biacore AB)、スウェーデン・ウプサラ)を使用して25℃で実施した。使用されたセンサーチップCM5、アミンカップリングキットおよび緩衝液もまたバイアコア AB(Biacore AB)から得た。組換えPSP、NTN、EVN/ARTおよびGDNFは固定されたリガンドとして使用した。組換えヒトGDNFはR&D システムズ ヨーロッパ リミテッド(R&D Systems Europe Ltd)(英国・アビンドン)から得た。NH2末端で6個のHis標識された組換えヒトNTN、ラットPSPおよびヒトEVN/ARTは、既に記述された(Creedonら、1997)とおり大腸菌(E.coli)中で産生させた。CM5センサーチップのカルボキシル化されたマトリックスを、最初に、400mM N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドおよび100mM N−ヒドロキシスクシンイミドの1:1混合物を用いて10分間活性化した。組換え神経栄養因子を、10mM酢酸ナトリウム緩衝液、pH4.5中、5μl/分の流速で、活性化された表面上に適用した。反応されないカルボキシル基を1Mエタノールアミン−HClで封鎖した。結合実験のためには、kinjectプログラムを使用して、可溶性のGFRα−IgGFc融合タンパク質を30μl/分で注いだ。動力学実験で使用されたGFRα−IgGFcの濃度は、Hepes緩衝生理的食塩水(150mM NaCl、3.5mM EDTAナトリウム塩、0.005%ポリソルベート20、10mM Hepes、pH7.4)中、1と100nMとの間であった。固定されたリガンドへのGFRα受容体の会合を3分間、および解離を1分間モニターし、次いで10mMグリシン緩衝液で再生した。Hepes緩衝生理的食塩水を注ぐこと(superfusion)により解離を開始した。センサーのデータの質を向上させるため、二重参照(double referencing)を使用した(Myszka、1999)。データは、バイアコア(BIACORE)評価ソフトウェア(バージョン3.0.1)とともに包括解析を使用して分析した。包括解析は、会合速度(ka)および解離速度(kd)を同時に計算し、そしてその後見かけの平衡解離定数(KD)をkd/kaとして計算する。単純1:1ラングミュアーモデルを使用してデータを適合させた。PSPへの特異的結合はラットおよびニワトリ双方のGFRα−4−IgGFc融合タンパク質で検出することができた。GFRα4−IgGFcの観察された結合は、GDNF、NTNもしくはEVN/ARTへの結合が存在しなかったため、特異的であった。対照実験は、GDNFへのGFR−1、NTNへのGFRα−2およびEVN/ARTへのGFRα−3の結合を確認した。異なる濃度のラットおよびニワトリのGFRα4−IgGFcでの3回の測定を使用して得られた結合曲線から、結合定数ka(会合速度)およびkd(解離速度)を生じさせた(表6)。表6:ニワトリGFRα−4およびラットGFRα−4へのペルセフィンの結合。SPRにより測定されるような、固定されたペルセフィンへのニワトリGFRα−4−IgGFcおよびラットGFRα−4−IgGFc結合の結合定数。異なる濃度のそれぞれの可溶性受容体での3回の測定を使用して得られた結合曲線から、平均の会合速度(ka)、解離速度(kd)および見かけの平衡解離定数(KD)±標準誤差を生じさせた。【0066】【表6】【0067】見かけのKD値は双方の融合タンパク質について非常に類似であったが、RMAX値は有意に異なった。約1000相対単位(RU)の結合レベルがニワトリGFRα−4−IgGFcを用いて慣例に得られた一方、ラットGFRα4−IgGFcの結合レベルはおよそ20倍より低かった(約50〜60RU)。これは、活性のニワトリGFR−4−IgGFcおよびラットGFRα−4−IgGFc融合タンパク質の濃度の差異による可能性があった。5.9±2.8nM(n=3)の計算された平衡解離定数KDは、ラットGFRα−4がペルセフィンに特異的な受容体であることを示唆する。ノーザンブロット分析。【0068】多様なげっ歯類組織由来のポリ(A)豊富なRNA2μgを含有するノーザンブロット(マウスMTN(商標)ブロット、マウス胚MTN(商標)ブロットおよびラットMTN(商標)ブロット;クロンテック ラボラトリーズ(Clontech Laboratories))を、製造元の説明書に従い、ラットGFRα−4コーディング配列(配列番号6におけるような)由来のα−[32P]−dCTPランダムプライミング標識された(ハイプライム(HighPrime)キット、ロシュ ディアグノスティックス(Roche Diagnostics))948bpのフラグメントとハイブリダイズさせた。ストリンジェンシーの洗浄を0.1×SSC/0.1%SDS中、50℃(2種のマウスブロット)もしくは55℃(ラットブロット)で実施した。結果を図4に示す。ラットにおいては、心、脳、肝および精巣で約2.3kbの非常に弱いシグナルを検出することができた。なおより弱い第二の転写物が同一組織中で約1.4kbに存在した。マウスでは、1.35kbの転写物が脳および精巣で最も強く、ずっとより弱いシグナルが約2kbに存在した。15日および17日のマウス胚中には1.35kbの転写物の非常に低いmRNA発現もまた存在した。より小さい転写物の大きさは、GFRα−4コーディング配列の予測された大きさと一致する(±880bp+570bpの3’非翻訳領域)。ラット、マウスおよびヒトGFRα−4の染色体位置推定。【0069】0.95kbのラットGFRα−4 cDNAフラグメント(変異体Aの完全なラットGFRα−4コーディング配列を含有する)、およびラットGFRα−4のゲノム配列に対応する2.3kbのフラグメント(配列番号5を参照されたい)を、ラット染色体での蛍光インシトゥハイブリダイゼーション(FISH)分析でプローブとして使用した。これらのプローブは部分的に重なり合っていた。2種のプローブの混合物(1μgの全DNA)をニックトランスレーション(ライフ テクノロジーズ(Life Technologies))によりジゴキシゲニン−11−dUTP(ロシュ ディアグノスティックス(Roche Diagnostics)、ドイツ・マンハイム)で標識して、200〜400bpの最終のプローブフラグメントの大きさを生じさせた。標識されたプローブをハイブリダイゼーション緩衝液(50%ホルムアミド、2×SSC、10%デキストラン硫酸)と混合した。変性後、70%ホルムアミド、2×SSC中72℃で2分間変性された分裂中期ラット染色体スライド(IslamとLevan、1987、Helouら、1998)上に混合物を置いた。37℃で48時間のハイブリダイゼーション後に、調製物を50%ホルムアミド、2×SSC中で15分間洗浄した。標準的FITC抗ジゴキシゲニンにより、標識された染色体の検出を行った。染色体スプレッドを4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)で対染色した。結果は100個の異なる細胞の顕微鏡写真から生じさせた。プローブの小さな大きさにより、かなりのバックグラウンドが存在した。しかしながら、大部分の研究された細胞は位置RNO3q36に標識を示した(図5)。分裂中期の研究の約35%がRNO3の双方の相同物で「二重スポット」標識を示した一方、約50%が相同物の一方のみでの二重のスポット、もしくは双方の相同物に「単一スポット」標識を有した。他の染色体部位はいくつかの細胞において標識を示さなかった。比較マッピングに基づき、対応するマウス遺伝子座はMMU2(バンドF)に位置すると期待することができる一方、該遺伝子の可能なヒトの位置はHSA2、HSA15もしくはHSA20であるとみられる。これと一致して、EMBLデータベースで同定されたゲノムのマウスおよびヒトのGFRα−4配列(マウスについて受託番号AF155960およびヒトについてAC017113)は、それぞれ、マウス第2染色体(BACクローン389B9)およびヒト第2染色体(EMBL受託番号AC013324;BAC388_K_24map2)由来である。【0070】【表7】【0071】【表8】【0072】【表9】【0073】【表10】【0074】【表11】【0075】【表12】【0076】【表13】【0077】【表14】【0078】【表15】【0079】【表16】【図面の簡単な説明】本発明は付随する図面に関して以下の例示的態様からより明瞭に理解することができる。【図1】 発明にかかる、ラットGFRα−4遺伝子の構造の具体的説明である。上の線はbpでの尺度を示す。下の線はラットGFRα−4遺伝子のゲノム構造を示す。エキソンは箱により表しかつ番号付けし、イントロン配列は線として描く。イントロンおよびエキソンの大きさ(bpで)を図の上に示す。翻訳開始コドンは矢印により、また、終止コドンは*印により示す。イントロン配列からのスプライシングにより得られる変異体AおよびBのcDNA配列をゲノム配列の下に示す。イントロン5の選択的スプライシングはスプライス変異体B中のより早い終止コドンをもたらす。変異体AおよびBの予測されるタンパク質配列を最も下に示す。予測されるシグナルペプチド、推定のN−グリコシル化部位、およびGPI切断のための1もしくは2個の可能な部位により先行される疎水性のCOOH末端領域(変異体A中のみ)を図上に示す。【図2】 発明にかかる、ラットGFRα−4のスプライス変異体AおよびBの予測されるタンパク質配列の整列である。ラットGFRα−4のスプライス変異体AおよびBの配列を、ClustalW整列プログラム(EMBL、ドイツ・ハイデルベルク)を使用して整列した。2種の変異体の間で保存されるアミノ酸残基を黒色領域中に包含する。アミノ酸残基は右に番号付けする。ダッシュは整列を至適化するために配列中に導入されたギャップを示す。【図3】 発明にかかる、GFRαファミリーメンバーの予測されるタンパク質配列の整列である。ラットGFRα−4の変異体AおよびB、ラットGFRα−1(EMBL受託番号U59486)、ラットGFRα−2(EMBL受託番号AF003825)、マウスGFRα−3(EMBL受託番号AB008833)ならびにニワトリGFRα−4(EMBL受託番号AF045162)の配列を、ClustalW整列プログラム(EMBL、ドイツ・ハイデルベルク)を使用して整列した。全6種のタンパク質の間で保存されるアミノ酸残基を黒色領域中に包含する。配列の4もしくは5種の間で保存される残基は灰色に影を付ける。全6種のGFRαの間で保存されるシステイン残基は、配列の上に*印で示す。アミノ酸残基は右に番号付けする。ダッシュは整列を至適化するために配列中に導入されたギャップを示す。【図4】 発明にかかる、げっ歯類のGFRα−4のmRNA発現のノーザンブロット分析。多様な組織中でのラットおよびマウスのGFRα−4のmRNAの発現を、ラットGFRα−4のコーディング配列に対応するプローブを使用して評価して、ポリ(A)豊富なRNAのブロットを分析した。(A)ラット多組織ノーザン(MTN)ブロット;(B)マウスMTNブロット、および(C)マウス胚MTNブロット。見かけの大きさは各図の左への水平線により(キロ塩基対で)示す。【図5】 発明にかかる、ラットGFRα−4遺伝子は染色体3q36に位置する。2種のラットGFRα−4プローブの混合物をFISH分析に使用した。(A)ラット第3染色体の中遠位部分上の二重スポットのFISHシグナル(矢印)。(B)ラット染色体3q36上のGFRα−4遺伝子の遺伝子座の位置。【配列表】 哺乳動物のGDNFファミリー受容体α−4(GFRα−4)をコードする、単離されたもしくは実質的に純粋な形態の核酸分子であって、配列番号5、6もしくは7に記載される配列を有するか、または前記配列に90%以上の配列同一性を有する、前記核酸分子。 配列番号8もしくは9に記載されるアミノ酸配列を有する哺乳動物のGDNFファミリー受容体α−4(GFRα−4)をコードする、請求項1に記載の核酸分子。 DNA分子である、請求項1または2のいずれかに記載の核酸分子。 前記DNA分子がcDNA分子である、請求項3に記載の核酸分子。 請求項1ないし4のいずれかに記載の核酸分子によりコードされる単離されたGFRα−4受容体。 請求項1ないし4のいずれかに記載の核酸分子を含んで成るDNA発現ベクター。 請求項6に記載のベクターで形質転換もしくはトランスフェクションされた宿主細胞。 細胞が真核生物細胞である、請求項7に記載の宿主細胞。 前記細胞が哺乳動物細胞である、請求項7もしくは8に記載の宿主細胞。 細胞が、ヒト胚腎細胞HEK293もしくはCos−7細胞である、請求項9に記載の宿主細胞。 GFRα−4受容体タンパク質を発現することが可能なトランスジーンを含んで成り、前記トランスジーンが請求項1から4のいずれかに記載の核酸分子を含んで成る、非ヒトトランスジェニック細胞、組織もしくは生物体。 配列番号8もしくは9のいずれかに記載されるアミノ酸配列を有するか、または配列番号8もしくは9に記載される配列と少なくとも90%のアミノ酸相同性を有するアミノ酸配列を有する、単離された哺乳動物のGFRα−4受容体。 配列番号8もしくは9に記載されるアミノ酸配列を有するGFRα−4受容体タンパク質に特異的な抗体。 請求項5もしくは12に記載の受容体を、試験されるべき細胞抽出物もしくは化合物と接触させること、および前記受容体に結合されるいかなる分子も単離することを含んで成る、GFRα−4受容体タンパク質のリガンドの同定方法。


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