タイトル: | 特許公報(B2)_マイクロカプセル−III |
出願番号: | 2001507426 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | B01J 13/04,A61K 8/73,A61K 8/65,A61K 8/11,A61Q 19/00,A61Q 5/02,A61Q 19/10,A61Q 17/04,A23L 1/00,A61K 9/62,A61K 9/64,A61K 9/66,A61K 47/36,A61K 47/42,C11D 17/08 |
ホセップ・ガルセス・ガルセス ホセップ−ルイス・ビラドット・ペティト JP 4771633 特許公報(B2) 20110701 2001507426 20000623 マイクロカプセル−III コグニス・アイピー・マネージメント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 505066718 Cognis IP Management GmbH 田中 光雄 100081422 山田 卓二 100101454 森住 憲一 100104592 柴田 康夫 100083356 落合 康 100156144 ホセップ・ガルセス・ガルセス ホセップ−ルイス・ビラドット・ペティト EP 99112672.3 19990702 20110914 B01J 13/04 20060101AFI20110825BHJP A61K 8/73 20060101ALI20110825BHJP A61K 8/65 20060101ALI20110825BHJP A61K 8/11 20060101ALI20110825BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20110825BHJP A61Q 5/02 20060101ALI20110825BHJP A61Q 19/10 20060101ALI20110825BHJP A61Q 17/04 20060101ALI20110825BHJP A23L 1/00 20060101ALI20110825BHJP A61K 9/62 20060101ALI20110825BHJP A61K 9/64 20060101ALI20110825BHJP A61K 9/66 20060101ALI20110825BHJP A61K 47/36 20060101ALI20110825BHJP A61K 47/42 20060101ALI20110825BHJP C11D 17/08 20060101ALI20110825BHJP JPB01J13/02 AA61K8/73A61K8/65A61K8/11A61Q19/00A61Q5/02A61Q19/10A61Q17/04A23L1/00 CA61K9/62A61K9/64A61K9/66A61K47/36A61K47/42C11D17/08 A61K 8/00〜8/99 A61Q 1/00〜99/00 A61K 9/00〜9/72,47/00〜47/48 JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 特表昭63−501290(JP,A) 特開昭55−161804(JP,A) 特開昭61−189218(JP,A) 特開昭60−175539(JP,A) 特表平11−509167(JP,A) 米国特許第05089272(US,A) 特表平03−500721(JP,A) 16 EP2000005809 20000623 WO2001001928 20010111 2003506323 20030218 32 20070619 馳平 裕美 【0001】(技術分野)本発明は、活性成分のカプセル封入、特に新規マイクロカプセルに関し、また、種々のポリマーおよびキトサンを使用するその製法、並びに例えば界面活性製剤の製造におけるその使用にも関する。【0002】(背景技術)「マイクロカプセル」とは、少なくとも1つの固体または液体コアが少なくとも1つの連続膜で包囲されている、直径約0.1〜5mmの球状集合体であると理解される。より正確には、マイクロカプセルは、微細に分散した液体または固体の相がフィルム形成ポリマーで被覆されたものであり、その製造においては、乳化およびコアセルベーションまたは界面重合してポリマーを封入材料上に付着させる。別の方法においては、液体活性成分をマトリックス(「マイクロスポンジ」)に吸収させ、それを微粒子として、更にフィルム形成ポリマーで被覆し得る。ナノカプセルとしても知られるそのような微細なカプセルは、粉末と同じ様に乾燥することができる。単一のコアを有するマイクロカプセルのほか、コアが複数の集合体もあり(微小球としても知られる)、これは連続膜材料内に2つまたはそれ以上のコアを有する。更に、単一コアまたは複数コアのマイクロカプセルは、更なる第二、第三(など)の膜で被うことができる。【0003】膜は、天然、半合成または合成材料から成り得る。天然膜材料の例は、アラビアガム、寒天、アガロース、マルトデキストリン、アルギン酸およびそれらの塩(例えばアルギン酸ナトリウムまたはカルシウム)、脂肪および脂肪酸、セチルアルコール、コラーゲン、キトサン、レシチン、ゼラチン、アルブミン、シェラック、多糖(例えばデンプンまたはデキストラン)、ポリペプチド、タンパク質加水分解物、スクロース並びにワックスである。半合成膜材料はとりわけ、化学的に修飾したセルロース、特にセルロースエステルおよびエーテル、例えばセルロースアセテート、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース、並びにデンプン誘導体、特にデンプンエーテルおよびエステルである。合成の膜材料の例は、ポリマー、例えばポリアクリレート、ポリアミド、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンである。【0004】既知のマイクロカプセルの例として、下記市販生成物を挙げる(括弧内は膜材料):Hallcrest Microcapsules (ゼラチン、アラビアガム)、Coletica Thalaspheres (海産コラーゲン)、Lipotec Millicapseln (アルギン酸、寒天)、Induchem Unispheres (ラクトース、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、Unicerin C30 (ラクトース、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、Kobo Glycospheres (修飾デンプン、脂肪酸エステル、リン脂質)、Softspheres (修飾寒天) および Kuhs Probiol Nanospheres (リン脂質)。【0005】これに関連して、ドイツ特許出願DE19712978A1(Henkel)も参照されたい。該文献には、キトサンまたはキトサン誘導体を油成分と混合し、その混合物をアルカリ化した界面活性剤溶液に導入することによって得られるキトサン微小球が記載されている。更に、キトサンをトコフェロール封入用材料として使用することが、ドイツ特許出願DE19756452A1(Henkel)により知られている。【0006】通例、マイクロカプセルを含有する製剤の使用中に、機械的、熱的、化学的または酵素的な膜の分解によって、マイクロカプセルから活性成分が放出される。これに関する問題点は、マイクロカプセルの内部からの活性成分の放出が全く調節的ではないか、または充分調節的ではないということと、カプセルは界面活性剤(特にアニオン性界面活性剤)の存在下に安定ではないということである。従って、本発明の課題は、そのような問題点を解消することである。【0007】(発明の開示) 本発明は、(a)アガロース、寒天、ペクチン、キサンタンおよびゼラチンからなる群から選択するゲル形成剤、アニオン性ポリマーおよび活性成分からマトリックスを調製し、(b)該マトリックスを、キトサン水溶液に滴下導入することによって得られる、膜と活性成分少なくとも1種を含有するマトリックスとから成る平均直径0.1〜5mmのマイクロカプセルに関する。【0008】驚くべきことに、(カチオン性の)キトサンの存在下に膜を形成するアニオン性ポリマーと共に熱的にゲル化する天然のヘテロ多糖またはタンパク質を使用すると、界面活性剤に対する安定性の顕著に改善された新規マイクロカプセルを製造できることがわかった。【0009】 本発明は、膜と活性成分少なくとも1種を含有するマトリックスとから成る平均直径0.1〜5mmのマイクロカプセルの製法であって、(a)アガロース、寒天、ペクチン、キサンタンおよびゼラチンからなる群から選択するゲル形成剤、アニオン性ポリマーおよび活性成分からマトリックスを調製し、(b)該マトリックスを、キトサン水溶液に滴下導入する工程を含んで成る方法にも関する。【0010】ゲル形成剤本発明において、好ましいゲル形成剤は、40℃を越える温度で水溶液中でゲルを形成し得る物質である。そのようなゲル形成剤の例は、ヘテロ多糖およびタンパク質である。熱的にゲル化する好ましいヘテロ多糖は、紅藻から得られる寒天の形態で存在し得るアガロースで、非ゲル形成性のアガロペクチンを30重量%まで含有し得る。アガロースの主成分は、D−ガラクトースおよび3,6−アンヒドロ−L−ガラクトースが、交互にβ−1,3−およびβ−1,4−グリコシド結合している線状多糖である。ヘテロ多糖は、分子量が好ましくは110000〜160000であり、無臭無味である。適当な代替品はペクチン、キサンタン(キサンタンガムを包含する)およびそれらの混合物である。他の好ましいタイプは、1重量%水溶液中で、80℃未満で溶融せず40℃を越えると再凝固するゲルをやはり形成するものである。熱的にゲル化するタンパク質群の例は、種々のゼラチンである。【0011】アニオン性ポリマー好ましいアニオン性ポリマーは、アルギン酸の塩である。アルギン酸は、下記の理想モノマー単位を有するカルボキシル含有多糖の混合物である:【化1】【0012】アルギン酸またはアルギネートの平均分子量は、150000〜250000の範囲である。アルギン酸の塩並びにその完全および部分中和生成物は、とりわけ、アルカリ金属塩[好ましくはアルギン酸ナトリウム(「アルギン」)]、並びにアンモニウム塩およびアルカリ土類金属塩であると理解される。混合アルギン酸塩、例えばアルギン酸ナトリウム/マグネシウムまたはアルギン酸ナトリウム/カルシウムが特に好ましい。本発明の別の態様においては、アニオン性キトサン誘導体、例えばカルボキシル化生成物および特にスクシニル化生成物[例えばドイツ特許DE3713099C2(L'Oreal)およびドイツ特許出願DE19604180A1(Henkel)に記載されている]も適当である。【0013】活性成分本発明の新規マイクロカプセルに封入する活性成分の選択は、基本的に重要事項ではない。活性成分は、マイクロカプセルの機械的破壊によって放出されるのみの物質であることが好ましい。そのような場合、マイクロカプセルの機能は、活性成分が周囲の環境と接触することによって化学的な反応および分解が起こるのを防止することである。封入された物質が全く放出されることなく、ただ製剤に美観を与える役割を有する場合もあり得る。これはしばしば、例えば色素に言えることである。それら使用形態を互いに組み合わせ得るということも当然明らかである。とりわけ、例えば、カプセルに特定の外観を与える顔料と共に後で放出される香料を封入することが可能である。【0014】化粧品および医薬品適用のための活性成分化粧品製剤および医薬製剤中に使用する活性成分の例は、界面活性剤、化粧品用油成分、真珠光沢ワックス、安定剤、生体由来物質、ビタミン、防臭剤、制汗剤、フケ防止剤、UV保護剤、抗酸化剤、防腐剤、防虫剤、日焼け剤、チロシン抑制剤(脱色剤)、香油および色素である。【0015】界面活性剤として、アニオン性、ノニオン性、カチオン性および/または両性もしくは双性イオン性界面活性剤を封入し得る。アニオン性界面活性剤の例は、石鹸、アルキルベンゼンスルホネート、アルカンスルホネート、オレフィンスルホネート、アルキルエーテルスルホネート、グリセロールエーテルスルホネート、α−メチルエステルスルホネート、スルホ脂肪酸、アルキルスルフェート、脂肪アルコールエーテルスルフェート、グリセロールエーテルスルフェート、脂肪酸エーテルスルフェート、ヒドロキシ混合エーテルスルフェート、モノグリセリド(エーテル)スルフェート、脂肪酸アミド(エーテル)スルフェート、モノおよびジアルキルスルホスクシネート、モノおよびジアルキルスルホスクシナメート、スルホトリグリセリド、アミド石鹸、エーテルカルボン酸およびその塩、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、N−アシルアミノ酸、例えばアシルラクチレート、アシルタートレート、アシルグルタメートおよびアシルアスパルテート、アルキルオリゴグルコシドスルフェート、タンパク質脂肪酸縮合物(特に、小麦系植物性の生成物)、並びにアルキル(エーテル)ホスフェートである。アニオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を有する場合、通常の同族体分布を有し得るが、狭い同族体分布を有することが好ましい。【0016】ノニオン性界面活性剤の例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪アミンポリグリコールエーテル、アルコキシル化トリグリセリド、混合エーテルおよび混合ホルマール、部分的に酸化されていてもよいアルキル(アルケニル)オリゴグリコシドまたはグルクロン酸誘導体、脂肪酸N−アルキルグルカミド、タンパク質加水分解物(特に、小麦系植物性の生成物)、ポリオール脂肪酸エステル、糖エステル、ソルビタンエステル、ポリソルベート、並びにアミンオキシドである。ノニオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を有する場合、通常の同族体分布を有し得るが、狭い同族体分布を有することが好ましい。【0017】カチオン性界面活性剤の例は、第四級アンモニウム化合物、例えばジメチルジステアリルアンモニウムクロリド、およびエステルクォート(esterquats)、とりわけ第四級化脂肪酸トリアルカノールアミンエステル塩である。両性または双性イオン性界面活性剤の例は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、イミダゾリニウムベタイン、およびスルホベタインである。【0018】上記界面活性剤はいずれも、既知の化合物である。それらの構造および製法に関しては、関連文献、例えば、J.Falbe編、“Surfactants in Consumer Products”、Supringer Verlag、ベルリン、1987、第54〜124頁、または J.Falbe編、“Katalysatoren,Tenside und Mineraloeladditive”、Thieme Verlag、シュトゥットガルト、1978、第123〜217頁に記載されている。【0019】適当な化粧品用油成分の例は、C6-18(好ましくはC8-10)脂肪アルコールから誘導したゲルベアルコール、直鎖C6-22脂肪酸と直鎖C6-22脂肪アルコールとのエステル、分枝状C6-13カルボン酸と直鎖C6-22脂肪アルコールとのエステル、例えばミリスチル ミリステート、ミリスチル パルミテート、ミリスチル ステアレート、ミリスチル イソステアレート、ミリスチル オレエート、ミリスチル ベヘネート、ミリスチル エルケート、セチル ミリステート、セチル パルミテート、セチル ステアレート、セチル イソステアレート、セチル オレエート、セチル ベヘネート、セチル エルケート、 ステアリル ミリステート、ステアリル パルミテート、ステアリル ステアレート、ステアリル イソステアレート、ステアリル オレエート、ステアリル ベヘネート、ステアリル エルケート、イソステアリル ミリステート、イソステアリル パルミテート、イソステアリル ステアレート、イソステアリル イソステアレート、イソステアリル オレエート、イソステアリル ベヘネート、イソステアリル オレエート、オレイル ミリステート、オレイル パルミテート、オレイル ステアレート、オレイル イソステアレート、オレイル オレエート、オレイル ベヘネート、オレイル エルケート、ベヘニル ミリステート、ベヘニル パルミテート、ベヘニル ステアレート、ベヘニル イソステアレート、ベヘニル オレエート、ベヘニル ベヘネート、ベヘニル エルケート、エルシル ミリステート、エルシル パルミテート、エルシル ステアレート、エルシル イソステアレート、エルシル オレエート、エルシル ベヘネート、およびエルシル エルケートである。【0020】他の適当な油成分の例は、直鎖C6-22脂肪酸と分枝状アルコール(とりわけ2−エチルヘキサノール)とのエステル、ヒドロキシカルボン酸と直鎖または分枝状C6-22脂肪アルコールとのエステル(とりわけジオクチルマレート)、直鎖および/または分枝状脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、二量体ジオールまたは三量体トリオール)および/またはゲルベアルコールとのエステル、C6-10脂肪酸トリグリセリド、C6-18脂肪酸の液体モノ−/ジ−/トリグリセリド混合物、C6-22脂肪アルコールおよび/またはゲルベアルコールと芳香族カルボン酸(とりわけ安息香酸)とのエステル、C2-12ジカルボン酸と直鎖もしくは分枝状C1-22アルコールまたはヒドロキシル基数2〜6のC2-10ポリオールとのエステル、植物油、分枝状第一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖および分枝状C6-22脂肪アルコールカーボネート、ゲルベカーボネート、安息香酸と直鎖および/または分枝状C6-22アルコールとのエステル[例えばFinsolv(登録商標)TN]、直鎖もしくは分枝状の対称もしくは非対称ジアルキルエーテル(各アルキル基の炭素原子数6〜22)、エポキシ化脂肪酸エステルのポリオールによる開環生成物、シリコーン油、および/または脂肪族もしくはナフテン族炭化水素(例えばスクアラン、スクアレンまたはジアルキルシクロヘキサン)である。【0021】適当な真珠光沢ワックスの例は、アルキレングリコールエステル、とりわけエチレングリコールジステアレート;脂肪酸アルカノールアミド、とりわけヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、とりわけステアリン酸モノグリセリド;多塩基性の(場合によりヒドロキシ置換した)カルボン酸と、炭素原子数6〜22の脂肪アルコールとのエステル、とりわけ酒石酸の長鎖エステル;脂肪化合物、例えば脂肪アルコール、脂肪ケトン、脂肪アルデヒド、脂肪エーテルおよび脂肪カーボネート(総炭素原子数少なくとも24のもの)、とりわけラウロンおよびジステアリルエーテル;脂肪酸、例えばステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸またはベヘン酸;炭素原子数12〜22のオレフィンエポキシドの、炭素原子数12〜22の脂肪アルコールおよび/または炭素原子数2〜15/ヒドロキシル基数2〜10のポリオールによる開環生成物;並びにそれらの混合物である。【0022】安定剤として、脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸またはリシノール酸のマグネシウム塩、アルミニウム塩および/または亜鉛塩を使用し得る。本発明において、生体由来物質は、例えばトコフェロール、トコフェロールアセテート、トコフェロールパルミテート、アスコルビン酸、デオキシリボ核酸、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、コウジ酸、アミノ酸、セラミド、プソイドセラミド、精油、植物抽出物、およびビタミン複合体である。【0023】化粧品防臭剤は、体臭を消すか、マスクするか、または抑制する。体臭は、アポクリン汗に皮膚細菌が作用して不快臭のある分解産物を形成することによって生じる。従って、防臭剤は、抗菌剤、酵素阻害剤、臭気吸収剤または臭気マスキング剤として作用する活性成分を含有する。【0024】基本的に、適当な抗菌剤はグラム陽性菌に対して作用する任意の物質、例えば4-ヒドロキシ安息香酸並びにその塩およびエステル、N-(4-クロロフェニル)-N'-(3,4-ジクロロフェニル)-尿素、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル (トリクロサン), 4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、2,2'-メチレン-ビス-(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、3-メチル-4-(1-メチルエチル)-フェノール、2-ベンジル-4-クロロフェノール、3-(4-クロロフェノキシ)-プロパン-1,2-ジオール、3-ヨード-2-プロピニル ブチル カルバメート、クロルヘキシジン、3,4,4'-トリクロロカルバニリド (TTC)、抗菌性香料、チモール、サイム油、オイゲノール、丁子油、メントール、ミント油、ファルネソール、フェノキシエタノール、グリセロールモノラウレート(GML)、ジグリセロールモノカプレート (DMC)、サリチル酸-N-アルキルアミド、例えばサリチル酸-n-オクチルアミドまたはサリチル酸-n-デシルアミドである。【0025】適当な酵素阻害剤は、エステラーゼ阻害剤である。エステラーゼ阻害剤は好ましくは、クエン酸トリアルキル、例えばクエン酸トリメチル、クエン酸トリプロピル、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリブチル、およびとりわけクエン酸トリエチル[Hydagen(登録商標)CAT, Henkel KGaA, デュッセルドルフ/ドイツ)である。エステラーゼ阻害剤は、酵素活性を阻害することにより、臭気の生成を抑制する。他のエステラーゼ阻害剤は、ステロールスルフェートまたはホスフェート、例えばラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スチグマステロールおよびシトステロールのスルフェートまたはホスフェート、ジカルボン酸およびそのエステル、例えばグルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸およびマロン酸ジエチルエステル、ヒドロキシカルボン酸およびそのエステル、例えばクエン酸、リンゴ酸、酒石酸または酒石酸ジエチルエステル、およびグリシン酸亜鉛である。【0026】適当な臭気吸収剤は、臭気生成化合物を吸収し、概ね保持することのできる物質である。そのような臭気吸収剤は、各成分の分圧を低下し、それにより各成分の拡散率も低下する。これに関して重要な条件は、香料が損なわれず維持されなければならないということである。臭気吸収剤は細菌に対して有効ではない。臭気吸収剤は例えば、リシノール酸の錯亜鉛塩、または当業者に「fixateurs」として知られる、あまり香気のない特殊な香料、例えばラブダナムまたはエゴノキの抽出物、またはある種のアビエチン酸誘導体を、主成分として含有する。【0027】臭気マスキング剤は、臭気をマスクする機能を有すると共に、消臭剤に香気を付与する香料または香油である。適当な香油の例は、天然および合成香料の混合物である。天然香料は、花、茎および葉、果実、果皮、根、木、草、針葉および枝、樹脂およびバルサムの抽出物を包含する。動物性原料、例えばシベットおよびビーバーを使用してもよい。合成香料化合物は通例、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素型の生成物である。エステル型香料化合物の例は、ベンジルアセテート、p−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルメート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネート、およびベンジルサリチレートである。エーテルは例えば、ベンジルエチルエーテルを包含し、アルデヒドは例えば、直鎖C8-18アルカナール、シトラール、シトロネラル、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラル、リリアールおよびブルゲオナールを包含する。適当なケトンは例えば、イオノン類、およびメチルセドリルケトンである。適当なアルコールは、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオルゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコールおよびテルピネオールである。炭化水素は主として、テルペン類、バルサム類を包含する。しかし、共同で快い香を発する種々の香料化合物の混合物を使用することが好ましい。【0028】他の適当な香油は、芳香成分として用いられることの多い比較的揮発性の低い精油である。その例は、セージ油、カモミール油、丁子油、メリッサ油、ミント油、シナモン葉油、ライム花油、ジュニパーベリー油、ベチベル油、乳香油、ガルバヌム油、ラブダヌム油およびラバンジン油である。下記のものを単独で、または混合物として使用することが好ましい:ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α−ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、Boisambrene Forte、Ambroxan、インドール、ヘジオン(Hedione)、サンデリス(Sandelice)、シトラス油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロベルタル(Cyclovertal)、ラバンジン油、クラリー油、β−ダマスコン、ゼラニウム油バーボン、シクロヘキシルサリチレート、Vertofix Coeur、Iso−E−Super、Fixolide NP、エベルニル、イラルデイン(Iraldein)ガンマ、フェニル酢酸、ゲラニルアセテート、ベンジルアセテート、ローズオキシド、ロミレート(Romilat)、イロチル(Irotyl)およびフロラメート(Floramat)。【0029】制汗剤はエクリン汗腺の働きに作用することによって、発汗を抑制して、腋下の湿りおよび体臭を消す。水性または水不含有の制汗製剤は通例、下記成分を含有する:・収斂性成分、・油成分、・ノニオン性乳化剤、・補助乳化剤、・コンシステンシー調節剤、・助剤、例えば増粘剤または錯化剤、および/または・非水性溶媒、例えばエタノール、プロピレングリコールおよび/またはグリセロール。【0030】制汗剤の適当な収斂性成分はとりわけ、アルミニウム、ジルコニウムまたは亜鉛の塩である。この種の適当な制汗剤は、例えば、アルミニウムクロリド、アルミニウムクロロヒドレート、アルミニウムジクロロヒドレート、アルミニウムセスキクロロヒドレート、およびそれらと例えば1,2−プロピレングリコールとの錯化合物、アルミニウムヒドロキシアラントイネート、アルミニウムクロリドタートレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロヒドレート、およびそれらと例えばアミノ酸(例えばグリシン)との錯化合物である。制汗剤中に通例存在する油溶性および水溶性の助剤も、比較的少量存在し得る。そのような油溶性助剤は、例えば、・炎症抑制性、皮膚保護性、または快い香気を有する精油、・合成皮膚保護剤、および/または・油溶性香油を包含する。【0031】通常の水溶性添加剤の例は、保存剤、水溶性香料、pH調節剤、例えば緩衝剤混合物、水溶性増粘剤、例えば水溶性の天然または合成ポリマー(例えばキサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドンまたは高分子量ポリエチレンオキシド)である。適当なフケ防止剤は、Climbazol、Octopirox、ケトコナゾールおよびジンクピリチオンである。【0032】UV保護剤の例は、室温で液状または結晶であり、紫外線を吸収して、その吸収したエネルギーをより長波長の放射線(例えば熱)として放出することのできる有機物質(光フィルター)である。UV−Bフィルターは、油溶性または水溶性であり得る。油溶性物質を以下例示する:【0033】・3−ベンジリデンカンファーまたは3−ベンジリデンノルカンファーおよびそれらの誘導体、例えば3−(4−メチルベンジリデン)−カンファー(EP0693471B1に記載されている);・4−アミノ安息香酸誘導体、好ましくは4−(ジメチルアミノ)−安息香酸−2−エチルヘキシルエステル、4−(ジメチルアミノ)−安息香酸−2−オクチルエステル、および4−(ジメチルアミノ)−安息香酸アミルエステル;・桂皮酸エステル、好ましくは4−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシルエステル、4−メトキシ桂皮酸プロピルエステル、4−メトキシ桂皮酸イソアミルエステル、2−シアノ−3,3−フェニル桂皮酸−2−エチルヘキシルエステル[オクトクリレン(Octocrylene)];・サリチル酸エステル、好ましくはサリチル酸−2−エチルヘキシルエステル、サリチル酸−4−イソプロピルベンジルエステル、サリチル酸ホモメンチルエステル;【0034】・ベンゾフェノン誘導体、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4'−メチルベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;・ベンザルマロン酸エステル、好ましくは4−メトキシベンザルマロン酸ジ−2−エチルヘキシルエステル;・トリアジン誘導体、例えば2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2'−エチル−1'−ヘキシルオキシ)−1,3,5−トリアジン、およびオクチル・トリアゾン(Octyl Triazone)(EP0818450A1に記載されている)、またはジオクチル・ブタミド・トリアジン(Dioctyl Butamido Triazine)[Uvasorb(登録商標)HEB];・プロパン−1,3−ジオン、例えば1−(4−t−ブチルフェニル)−3−(4'−メトキシフェニル)−プロパン−1,3−ジオン;・ケトトリシクロ(5.2.1.0)デカン誘導体(EP0694521B1に記載されている)。【0035】適当な水溶性物質は、次のような物質である:・2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸並びにそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩およびグルカンモニウム塩;・ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびその塩;・3−ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、例えば4−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)−ベンゼンスルホン酸および2−メチル−5−(2−オキソ−3−ボルニリデン)−スルホン酸並びにそれらの塩。【0036】通常のUV−Aフィルターはとりわけ、ベンゾイルメタン誘導体、例えば1−(4'−t−ブチルフェニル)−3−(4'−メトキシフェニル)−プロパン−1,3−ジオン、4−t−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン(Parsol 1789)1−フェニル−3−(4'−イソプロピルフェニル)−プロパン−1,3−ジオン、およびDE19712033A1(BASF)に記載されたエンアミン化合物である。UV−AフィルターとUV−Bフィルターを混合物として使用しても当然よい。上記可溶性物質のほかに、不溶性顔料、すなわち、微分散金属酸化物または塩を、この目的のために使用してもよい。適当な金属酸化物の例は、とりわけ、酸化亜鉛、二酸化チタン、および鉄、ジルコニウム、ケイ素、マンガン、アルミニウムおよびセリウムの酸化物、並びにそれらの混合物である。塩としては、ケイ酸塩(タルク)、硫酸バリウムおよびステアリン酸亜鉛を使用し得る。このような酸化物および塩は、皮膚の手入れおよび保護用エマルジョン並びに装飾的化粧品中に、顔料として使用される。【0037】このような粒子の平均直径は、100nm未満、好ましくは5〜50nm、より好ましくは15〜30nmとすべきである。粒子は球形であり得るが、楕円形粒子または他の非球形粒子を使用してもよい。顔料は、表面処理(すなわち、親水化または疎水化)してもよい。その例は、コーティングした二酸化チタン、例えばTitandioxid T805(Degussa)またはEusolex(登録商標)T2000(Merck)である。適当な疎水性コーティング材料はとりわけ、シリコーンおよび特にトリアルコキシオクチルシランまたはシメチコンである。日焼け止め製剤中には、いわゆるマイクロピグメントまたはナノピグメントを使用することが好ましい。微粉化した酸化亜鉛を使用することが好ましい。他の適当なUVフィルターは、P.Finkel、SOEFW−Jounal、122、543(1996)に記載されている。【0038】上記二群の主な日焼け止め剤のほかに、抗酸化剤タイプの副次的日焼け止め剤(UV線が皮膚に侵入すると開始される光化学反応鎖を断つ)をも使用し得る。適当な抗酸化剤の例を次に挙げる:アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)およびその誘導体、ペプチド、例えばD,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよびそれらの誘導体(例えばアンセリン)、カロチノイド、カロテン(例えばα−カロテン、β−カロテン、リコペン)およびその誘導体、クロロゲン酸およびその誘導体、リポン酸およびその誘導体(例えばジヒドロリポン酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、それらのグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、ラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)およびそれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)、スルホキシミン化合物(例えばブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−およびヘプタ−チオニンスルホキシミン)(例えばピコモルないしマイクロモル/kg程度の極く少ない適合量で)、【0039】(金属)キレート剤(例えばα−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびそれらの誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体(例えばγ−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ユビキノン、ユビキノールおよびそれらの誘導体、ビタミンCおよびその誘導体(例えばアスコルビルパルミテート、Mgアスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート)、トコフェロールおよび誘導体(例えばビタミンEアセテート)、ビタミンAおよび誘導体(ビタミンAパルミテート)、ベンゾイン樹脂のコニフェリルベンゾエート、ルチン酸およびその誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤク樹脂酸、ノルジヒドログアヤレト酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、スーパーオキシド−ジスムターゼ、亜鉛およびその誘導体(例えばZnO、ZnSO4)、セレンおよびその誘導体(例えばメチオニンセレン)、スチルベンおよびその誘導体(例えば酸化スチルベン、酸化トランススチルベン)、並びに本発明の目的に適当な上記活性物質の誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)。【0040】適当な保存剤は、例えば、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン、ペンタンジオールまたはソルビン酸、並びにKosmetikverordnung の補遺6、パートAおよびBに挙げられた種類の化合物である。適当な防虫剤は、N,N−ジエチル−m−トルアミド、ペンタン−1,2−ジオールまたはエチルブチルアセチルアミノプロピオネートである。適当な日焼け剤はジヒドロキシアセトンである。メラニンの生成を抑制し、脱色製剤中に用いられるチロシン抑制剤の例は、アルブチン、コウジ酸、クマリン酸およびアスコルビン酸(ビタミンC)である。【0041】適当な香油は、天然および合成香料の混合物である。天然香料は、下記植物の抽出物を包含する:花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イラン−イラン)、茎および葉(ゼラニウム、パチョリ、プチグレン)、果実(アニス、コリアンダー、キャラウェー、ビャクシン)、果皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(ナツメグ、アンゼリカ、セロリ、カルダモン、コスタス、アヤメ、ショウブ)、木(マツ、ビャクダン、グアヤク、シーダー、シタン)、草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針葉および枝(トウヒ、モミ、マツ、低木マツ)、樹脂およびバルサム(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、乳香、オポパナクス)。動物性原料、例えばシベットおよびビーバーを使用してもよい。【0042】合成香料化合物は通例、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素型の生成物である。エステル型香料化合物の例は、ベンジルアセテート、フェノキシエチルイソブチレート、p−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルメート、エチルメチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネート、ベンジルサリチレートである。エーテルは例えば、ベンジルエチルエーテルを包含し、アルデヒドは例えば、炭素数8〜18の直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラル、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラル、リリアールおよびブルゲオナールを包含する。適当なケトンは例えば、イオノン類、α−イソメチルイオノンおよびメチルセドリルケトンである。適当なアルコールは、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオルゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコールおよびテルピネオールである。炭化水素は主として、テルペン類、バルサム類を包含する。しかし、共同で快い香を発する種々の香料化合物の混合物を使用することが好ましい。【0043】他の適当な香油は、芳香成分として用いられることの多い比較的揮発性の低い精油である。その例は、セージ油、カモミール油、丁子油、メリッサ油、ミント油、シナモン葉油、ライム花油、ジュニパーベリー油、ベチベル油、乳香油、ガルバヌム油、ラブダヌム油およびラバンジン油である。下記のものを単独で、または混合物として使用することが好ましい:ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α−ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、Boisambrene Forte、Ambroxan、インドール、ヘジオン(Hedione)、サンデリス(Sandelice)、シトラス油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロベルタル(Cyclovertal)、ラバンジン油、クラリー油、β−ダマスコン、ゼラニウム油バーボン、シクロヘキシルサリチレート、Vertofix Coeur、Iso−E−Super、Fixolide NP、エベルニル、イラルデイン(Iraldein)ガンマ、フェニル酢酸、ゲラニルアセテート、ベンジルアセテート、ローズオキシド、ロミレート(Romilat)、イロチル(Irotyl)およびフロラメート(Floramat)。【0044】適当な色素は、例えば“Kosmetische Faerbemittel”、Farbstoffkommission der Deutschen Forschungsgemeinschaft、Verlag Chemie、Weinheim、1984、第81〜106頁に挙げられているような、化粧品に適当で承認された物質である。このような活性成分は、審美的理由のためだけに、すなわち調節的放出を意図しないで、カプセル中に存在してもよい。【0045】洗剤適用のための活性成分洗剤、特に洗濯洗剤の分野でマイクロカプセルを使用する場合も、種々の成分が互いに接触するのを防ぐことが望ましい。すなわち、化学的に感受性の物質、例えば香油または蛍光増白剤を、その活性を例えば塩素または過酸化物漂白液中で長期間貯蔵する場合にも保護するために封入するのが好適である。また、繊維製品の漂白は通例、洗濯の開始時よりもむしろ洗濯中に行うので、漂白剤が適時に充分な効果を発揮するようにマイクロカプセルに対する機械的作用によって放出を遅延するという使い方もある。従って、洗剤適用のために封入する活性成分はとりわけ、漂白剤、漂白活性剤、酵素、再汚染防止剤、蛍光増白剤および(塩素および過酸化物に対して安定な)香料および色素を包含する。【0046】漂白剤として使用する、水中で過酸化水素を生成する化合物の中では、過ホウ酸ナトリウム四水和物および過ホウ酸ナトリウム一水和物が特に重要である。他の適当な漂白剤の例は、パーオキシカーボネート、シトレート過水和物および過酸塩、例えばパーベンゾエート、パーオキシフタレートまたは二パーオキシドデカン二酸である。それらは通例、8〜25重量%の量で使用する。過ホウ酸ナトリウム一水和物が好ましく、これを10〜20重量%、好ましくは10〜15重量%の量で使用する。これは遊離水を結合して四水和物を形成し得る故に、洗剤の安定性向上に寄与する。【0047】適当な漂白活性剤の例は、過酸化水素と共に有機過酸を生成するN−アシルおよびO−アシル化合物、好ましくはN,N'−テトラアシル化ジアミン、並びに無水カルボン酸およびポリオールエステル、例えばグルコースペンタアセテートである。漂白剤含有組成物の漂白活性剤含量は、通常の範囲、すなわち好ましくは1〜10重量%、より好ましくは3〜8重量%である。特に好ましい漂白活性剤は、N,N,N',N'−テトラアセチルエチレンジアミンおよび1,5−ジアセチル−2,4−ジオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジンである。【0048】適当な酵素は、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼおよびそれらの混合物の群から選択する酵素である。細菌株または真菌、例えばBacillus subtilis、Bacillus licheniformis およびStreptomyces griseus から得られる酵素が特に適当である。ズブチリシンタイプのプロテアーゼが好ましく、Bacillus lentus 由来のプロテアーゼが特に好ましい。酵素は約0.2〜2重量%の量で使用し得る。酵素は、担体に吸着させ、および/または膜材料中に封入して、早期の分解から保護し得る。組成物は、一価および多価アルコール並びにホスホネートに加えて、他の酵素安定剤も含有し得る。例えばギ酸ナトリウム0.5〜1重量%を使用し得る。可溶性カルシウム塩で安定化し、カルシウム含量が酵素に対して好ましくは約1.2重量%であるプロテアーゼを使用することもできる。しかし、ホウ素化合物、例えばホウ酸、酸化ホウ素、ホウ砂および他のアルカリ金属ホウ酸塩(例えばオルトホウ酸(H3BO3)、メタホウ酸(HBO2)およびピロホウ酸(テトラホウ酸H2B4O7)の塩)を使用することが特に有利である。【0049】適当な再沈着防止剤は、水溶性で通例有機のコロイド、例えば水溶性のポリマーカルボン酸塩、糊、ゼラチン、セルロースもしくはデンプンのエーテルカルボン酸もしくはエーテルスルホン酸の塩、またはセルロースもしくはデンプンの酸性硫酸エステルの塩である。酸基を有する水溶性ポリアミドも適当である。可溶性デンプン製剤、および上記以外のデンプン生成物、例えばデンプン分解物、アルデヒドデンプンなどを使用してもよい。ポリビニルピロリドンも適当である。セルロースエーテル、例えばカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、混合エーテル(例えばメチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース)、およびそれらの混合物、並びにポリビニルピロリドンを組成物に対して、例えば0.1〜99重量%(好ましくは1〜5重量%)の量で使用することが好ましい。【0050】蛍光増白剤として、ジアミノスチルベンジスルホン酸の誘導体またはそのアルカリ金属塩を使用し得る。適当な蛍光増白剤は、例えば、4,4'−ビス−(2−アニリノ−4−モルホリノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ)−スチルベン−2,2'−ジスルホン酸の塩、または同様の構造で、モルホリノ基の代わりにジエタノールアミノ基、メチルアミノ基、アニリノ基または2−メトキシエチルアミノ基を有する化合物である。置換ジフェニルスチリル型の増白剤、例えば4,4'−ビス−(2−スルホスチリル)−ジフェニル、4,4'−ビス−(4−クロロ−3−スルホスチリル)−ジフェニルまたは4−(4−クロロスチリル)−4'−(2−スルホスチリル)−ジフェニルのアルカリ金属塩を使用してもよい。上記増白剤の混合物を使用してもよい。特に好ましい色素は、Tinolux(登録商標)(Ciba−Geigyの生成物)である。【0051】活性塩素に対して安定な香料を以下例示する: シトロネロール (3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール)、ジメチルオクタノール (3,7-ジメチル-1-オクタノール)、ヒドロキシシトロネロール (3,7-ジメチルオクタン-1,7-ジオール)、ムゴール (3,7-ジメチル-4,6-オクタトリエン-3-オール)、ミルセノール (2-メチル-6-メチレン-7-オクテン-2-オール)、テルピノレン (p-メント-1,4-(8)-ジエン)、エチル-2-メチルブチレート、フェニルプロピルアルコール、ガラクソリド (1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-4,6,6,7,8,8-ヘキサメチルシクロペンタール-2-ベンゾピラン)、トナリド (7-アセチル-1,1,3,4,4,6-ヘキサメチルテトラヒドロナフタレン)、ローズオキシド、リナロールオキシド、2,6-ジメチル-3-オクタノール、テトラヒドロエチルリナロール、テトラヒドロエチルリナリルアセテート、o-sec.-ブチルシクロヘキシルアセテート、およびイソロンジホレンエポキシド、並びにイソボルネアル、ジヒドロテルピネオール、イソボルニルアセテート、ジヒドロテルペニルアセテート。他の適当な香料は、ヨーロッパ特許出願EP 0622451 A1 (Procter & Gamble)の第3欄および第4欄に記載されている物質である。【0052】適当な顔料は、無機物(例えば鉄またはビスマスの酸化物)のほか、とりわけ、緑色のクロロフタロシアニン (Pigmosol(登録商標)Gruen、Hostaphine(登録商標)Gruen)、黄色のSolar Yellow BG 300 (Sandoz)、青色のクロロフタロシアニン (Hostaphine(登録商標)Blau) または Cosmenyl(登録商標)Blau である。【0053】キトサン負に荷電したキトサンの役割は、アニオン性ポリマーと共に膜を形成することである。キトサンは、ヒドロコロイドの群に属するバイオポリマーである。これは化学的には種々の分子量の、部分的に脱アセチル化されたキチンであって、次のような(理想)モノマー単位を有する:【化2】【0054】多くのヒドロコロイドが生体pHでは負に帯電するのとは対照的に、キトサンはそのような条件下にはカチオン性のバイオポリマーである。正に帯電したキトサンは、負に帯電した表面と相互作用することができ、それ故、ヘアケアおよびボディケア化粧品中に使用し、医薬品中にも使用する(Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemisty、第5版、第A6巻、Weinheim、Verlag Chemie、1986、第231〜332頁参照)。これに関する概要は、例えば、B.Gessleinら、HAPPI 27、57(1990)、O.Skaugrud、Drug Cosm.Ind.148、24(1991)および E.Onsoyenら、Seifen‐Oele‐Fette‐Wachse 117、633(1991)にも記載されている。【0055】キトサンは、キチンから、好ましくは安価な原料として大量に入手し得る甲殻類の殻から製造する。Hackmannらが初めて発表した方法により、通例、キチンをまず塩基の添加によって除タンパクし、鉱酸の添加によって脱灰し、最後に強塩基の添加によって脱アセチル化する。分子量は、広い範囲にわたる。そのような製法は、例えば、Makromol.Chem.、177、3589(1976)またはフランス特許出願FR−A2701266により知られている。【0056】好ましいタイプのものはドイツ特許出願DE−A14442987およびDE−A119537001(Henkel)に記載されており、平均分子量が10000〜500000ダルトンまたは800000〜1200000ダルトン、および/またはブルックフィールド粘度(グリコール酸中、1重量%)が5000mPas未満、脱アセチル化度が80〜88%、灰分が0.3重量%未満である。良好な水溶性のために、キトサンは通例、塩(好ましくはグリコール酸塩)の形態で使用する。【0057】製法本発明の新規マイクロカプセルを製造するには、ゲル形成剤(好ましくは寒天)の1〜10重量%(好ましくは2〜5重量%)水溶液を通例調製し、加熱還流する。アニオン性ポリマー0.1〜2重量%(好ましくは0.25〜0.5重量%)および活性成分0.1〜25重量%(好ましくは0.25〜10重量%)を含有する別の水溶液を、沸騰温度(好ましくは80〜100℃)で加える。その混合物をマトリックスと呼ぶ。すなわち、マイクロカプセルの活性成分充填量も、カプセル重量に対して0.1〜25重量%であり得る。要すれば、水不溶性成分(例えば無機顔料)をこの段階で加えて(通例、水性または水/アルコール性分散液として)、粘度を調節してもよい。更に、活性成分の乳化または分散のために、乳化剤および/または可溶化剤をマトリックスに加えることが有利であり得る。【0058】適当な乳化剤の例は、下記群の少なくとも一つから選択するノニオン性界面活性剤である:・直鎖C8-22脂肪アルコール、C12-22脂肪酸、アルキル基の炭素原子数8〜15のアルキルフェノール、およびアルキル基の炭素原子数8〜22のアルキルアミンの、エチレンオキシド2〜30モルおよび/またはプロピレンオキシド0〜5モル付加物;・アルキル(アルケニル)基の炭素原子数8〜22のアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシド、並びにそれらのエトキシル化類似体;・ヒマシ油および/または水素化ヒマシ油のエチレンオキシド1〜15モル付加物;・ヒマシ油および/または水素化ヒマシ油のエチレンオキシド15〜60モル付加物;・不飽和直鎖または飽和分枝状C12-22脂肪酸および/またはC3-18ヒドロキシカルボン酸の、グリセロール部分エステルおよび/またはソルビタン部分エステル、並びにそれらのエチレンオキシド1〜30モル付加物;【0059】・ポリグリセロール(平均自己縮合度2〜8)、ポリエチレングリコール(分子量400〜5000)、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、糖アルコール(例えばソルビトール)、アルキルグルコシド(例えばメチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)およびポリグルコシド(例えばセルロース)と、飽和および/または不飽和の直鎖または分枝状C12-22脂肪酸、および/またはC3-18ヒドロキシカルボン酸との部分エステル、並びにそれらのエチレンオキシド1〜30モル付加物;・DE−PS1165574による、ペンタエリスリトール、脂肪酸、クエン酸および脂肪アルコールの混合エステル、および/またはC6-22脂肪酸、メチルグルコースおよびポリオール(好ましくはグリセロールまたはポリグリセロール)の混合エステル;・モノ−、ジ−およびトリアルキルホスフェート、およびモノ−、ジ−および/またはトリ−PEG−アルキルホスフェート、並びにそれらの塩;・羊毛ワックスアルコール;・ポリシロキサン/ポリアルキル−ポリエーテルコポリマーおよび対応する誘導体;・ポリアルキレングリコール;および・グリセロールカーボネート。【0060】脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、またはヒマシ油の、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド付加物は、既知の市販生成物である。それらは同族体混合物であって、その平均アルコキシル化度は、付加反応を行う基質化合物とエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドとの量比に対応する。グリセロールのエチレンオキシド付加物のC12/18脂肪酸モノエステルおよびジエステルは、DE−PS2024051により、化粧品製剤用の再脂肪化剤として知られている。【0061】アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシド、その製法並びにその使用は、従来知られている。そのようなグリコシドは、とりわけ、グルコースまたはオリゴ糖と、第一級C8-18アルコールとの反応によって製造する。グリコシド単位に関しては、環状糖単位1個が脂肪アルコールにグリコシド結合によって結合したモノグリコシド、およびオリゴマー化度が好ましくは約8までのオリゴグリコシドのいずれも適当である。オリゴマー化度は、そのような工業用生成物の同族体分布の統計学的平均値である。【0062】適当な部分グリセリドの例は、ヒドロキシステアリン酸モノグリセリド、ヒドロキシステアリン酸ジグリセリド、イソステアリン酸モノグリセリド、イソステアリン酸ジグリセリド、オレイン酸モノグリセリド、オレイン酸ジグリセリド、リシノール酸モノグリセリド、リシノール酸ジグリセリド、リノール酸モノグリセリド、リノール酸ジグリセリド、リノレン酸モノグリセリド、リノレン酸ジグリセリド、エルカ酸モノグリセリド、エルカ酸ジグリセリド、酒石酸モノグリセリド、酒石酸ジグリセリド、クエン酸モノグリセリド、クエン酸ジグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド、リンゴ酸ジグリセリド、およびそれらの工業用混合物であって、その製法に由来して少量のトリグリセリドを含有していてもよい。上記部分グリセリドのエチレンオキシド1〜30モル(好ましくは5〜10モル)付加物も適当である。【0063】適当なソルビタンエステルは、ソルビタン モノイソステアレート、ソルビタン セスキイソステアレート、ソルビタン ジイソステアレート、ソルビタン トリイソステアレート、ソルビタン モノオレエート、ソルビタン セスキオレエート、ソルビタン ジオレエート、ソルビタン トリオレエート、ソルビタン モノエルケート、ソルビタン セスキエルケート、ソルビタン ジエルケート、ソルビタン トリエルケート、ソルビタン モノリシノレート、ソルビタン セスキリシノレート、ソルビタン ジリシノレート、ソルビタン トリリシノレート、ソルビタン モノヒドロキシステアレート、ソルビタン セスキヒドロキシステアレート、ソルビタン ジヒドロキシステアレート、ソルビタン トリヒドロキシステアレート、ソルビタン モノタートレート、ソルビタン セスキタートレート、ソルビタン ジタートレート、ソルビタン トリタートレート、ソルビタン モノシトレート、ソルビタン セスキシトレート、ソルビタン ジシトレート、ソルビタン トリシトレート、ソルビタン モノマレエート、ソルビタン セスキマレエート、ソルビタン ジマレエート、ソルビタン トリマレエート、およびそれらの工業用混合物である。上記ソルビタンエステルのエチレンオキシド1〜30モル(好ましくは5〜10モル)付加物も適当である。【0064】適当なポリグリセロールエステルの例は、ポリグリセリル-2 ジポリヒドロキシステアレート (Dehymuls(登録商標) PGPH)、ポリグリセリン-3-ジイソステアレート (Lameform(登録商標) TGI)、ポリグリセリル-4 イソステアレート (Isolan(登録商標) GI 34)、ポリグリセリル-3 オレエート、ジイソステアロイル ポリグリセリル-3 ジイソステアレート (Isolan(登録商標) PDI)、ポリグリセリル-3 メチルグルコース ジステアレート (Tego Care(登録商標) 450)、ポリグリセリル-3 蜜蝋 (Cera Bellina(登録商標))、ポリグリセリル-4 カプレート (Polyglycerol Caprate T2010/90)、ポリグリセリル-3 セチルエーテル(Chimexane(登録商標) NL)、ポリグリセリル-3 ジステアレート (Cremophor(登録商標) GS 32) およびポリグリセリル ポリリシノレート (Admul(登録商標) WOL 1403)、ポリグリセリル ダイメレート イソステアレート、並びにそれらの混合物である。【0065】他の適当なポリオールエステルの例は、トリメチロールプロパンまたはペンタエリスリトールと、ラウリン酸、ヤシ油脂肪酸、獣脂脂肪酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸などとのモノ、ジおよびトリエステルであって、場合によりエチレンオキシド1〜30モルと反応したものである。【0066】他の適当な乳化剤は、双性イオン性界面活性剤である。双性イオン性界面活性剤は、分子中に少なくとも1個の第四級アンモニウム基および少なくとも1個のカルボキシレートおよびスルホネート基を有する界面活性化合物である。特に適当な双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えば、アルキルまたはアシル基の炭素原子数8〜18の、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート(例えばヤシ油アルキルジメチルアンモニウムグリシネート)、N−アシルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート(例えばヤシ油アシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート)、および2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリン、並びにヤシ油アシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。CTFA名コカミドプロピルベタイン(Cocamidopropyl Betaine)として既知の脂肪酸アミド誘導体が、特に好ましい。【0067】両性界面活性剤も、適当な乳化剤である。両性界面活性剤は、分子中に、C8/18アルキルまたはアシル基に加えて、少なくとも1個の遊離アミノ基および少なくとも1個の−COOHまたは−SO3H基を有する界面活性化合物で、分子内塩を形成し得る。適当な両性界面活性剤の例は、アルキル基の炭素原子数約8〜18の、N−アルキルグリシン、N−アルキルプロピオン酸、N−アルキルアミノ酪酸、N−アルキルイミノジプロピオン酸、N−ヒドロキシエチル−N−アルキルアミドプロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン、2−アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸である。特に好ましい両性界面活性剤は、N−ヤシ油アルキルアミノプロピオネート、ヤシ油アシルアミノエチルアミノプロピオネート、およびC12/18アシルサルコシンである。他の適当な乳化剤はカチオン性乳化剤であり、エステルクォート(esterquat)型のもの(好ましくはメチル第四級化ジ脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩)が特に好ましい。【0068】適当な可溶化剤またはヒドロトロープは、例えばエタノール、イソプロピルアルコール、またはポリオールである。適当なポリオールは、好ましくは炭素原子数2〜15で、少なくとも2個のヒドロキシル基を有する。ポリオールは、他の官能基(とりわけアミノ基)を有し得るか、または窒素で修飾されていてもよい。ポリオールの例は、・グリセロール;・アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、および平均分子量100〜1000ダルトンのポリエチレングリコール;・自己縮合度1.5〜10の工業用オリゴグリセロール混合物、例えばジグリセロール含量40〜50重量%の工業用ジグリセロール混合物;・メチロール化合物、例えばとりわけ、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトールおよびジペンタエリスリトール;・低級アルキルグルコシド(特に、アルキル基の炭素原子数1〜8のもの)、例えばメチルおよびブチルグルコシド;・炭素原子数5〜12の糖アルコール、例えばソルビトールまたはマンニトール;・炭素原子数5〜12の糖、例えばグルコースまたはスクロース;・アミノ糖、例えばグルカミド・ジアルコールアミン、例えばジエタノールアミンまたは2−アミノプロパン−1,3−ジオールである。【0069】乳化剤の濃度は、活性成分に対して1〜20重量%であり得、好ましくは5〜10重量%である。可溶化剤の量は、活性成分の水溶性または水分散性によってのみ決定する。【0070】ゲル形成剤、アニオン性ポリマーおよび活性成分からマトリックスを調製した後で、実際の封入、すなわち、(カチオン性)キトサンとの接触による膜形成を行う。この目的のために、まず前記溶液を、キトサン(好ましくはキトサングリコレート)の約0.1〜3重量%(好ましくは0.25〜0.5重量%)水溶液に、40〜100℃(好ましくは50〜60℃)の温度で激しく撹拌しながら滴下すればよい。濾過すると、平均直径3〜5mmのマイクロカプセルが得られる。サイズ分布を均一にするためにカプセルを篩過することが望ましい。このようにして得られるマイクロカプセルは、製法に応じてどのような形状でもよいが、実質的に球形であることが好ましい。【0071】化粧品製剤および/または医薬製剤本発明のマイクロカプセルは、界面活性組成物の製造に使用することが意図され、第一の態様においては特に、化粧品製剤および/または医薬製剤、例えばヘアシャンプー、ヘアローション、発泡浴剤、シャワー浴剤、クリーム、ゲル、ローション、アルコール溶液、水/アルコール溶液、エマルジョン、ワックス/脂肪配合物、スティック製剤、パウダーまたは軟膏を製造するために使用することが意図される。そのような製剤は、更なる助剤および添加剤として、穏やかな界面活性剤、油成分、乳化剤、過脂肪剤、真珠光沢ワックス、コンシステンシー調節剤、増粘剤、ポリマー、シリコーン化合物、脂肪、ワックス、安定剤、生体由来物質、防臭剤、制汗剤、フケ防止剤、フィルム形成剤、膨潤剤、UV保護剤、抗酸化剤、ヒドロトロープ、防腐剤、防虫剤、日焼け剤、可溶化剤、香油、色素等をも含有し得る。このような助剤の多くについては先に詳しく述べたので、ここでは説明しない。【0072】適当な穏やかな(すなわち特に皮膚科学的に適合性の)界面活性剤の例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、モノ−および/またはジアルキルスルホスクシネート、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタメート、α−オレフィンスルホネート、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグルコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン、および/またはタンパク質脂肪酸縮合物(好ましくは小麦タンパク質由来のもの)である。【0073】過脂肪剤は、例えば、ラノリン、レシチン、ポリエトキシル化もしくはアシル化ラノリンおよびレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリド、および脂肪酸アルカノールアミドのような物質から選択し得る。脂肪酸アルカノールアミドは、泡安定剤としても機能する。【0074】主要なコンシステンシー調節剤は、炭素原子数12〜22(好ましくは16〜18)の脂肪アルコールもしくはヒドロキシ脂肪アルコール、および部分グリセリド、脂肪酸もしくはヒドロキシ脂肪酸である。このような物質は、同鎖長のアルキルオリゴグルコシドおよび/または脂肪酸N−メチルグルカミド、および/またはポリグリセロールポリ−12−ヒドロキシステアレートと組み合せて使用することが好ましい。適当な増粘剤の例は、Aerosil (登録商標)種(親水性シリカ)、多糖、とりわけキサンタンガム、グアー、寒天、アルギネート、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース、比較的高分子量の脂肪酸ポリエチレングリコールモノ−およびジエステル、ポリアクリレート(例えばCarbopols(登録商標)[Goodrich]またはSynthalens(登録商標)[Sigma])、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン、界面活性剤、例えばエトキシル化脂肪酸グリセリド、脂肪酸とポリオール(例えばペンタエリスリトールまたはトリメチロールプロパン)とのエステル、狭範囲脂肪アルコールエトキシレートまたはアルキルオリゴグルコシド、並びに電解質、例えば塩化ナトリウムおよび塩化アンモニウムである。【0075】適当なカチオン性ポリマーの例は、カチオン性セルロース誘導体、例えば第四級化ヒドロキシエチルセルロース[Polymer JR 400(登録商標);Amerchol]、カチオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩およびアクリルアミドのコポリマー、第四級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えば Luviquat(登録商標)(BASF)、ポリグリコールおよびアミンの縮合生成物、第四級化コラーゲンポリペプチド、例えばラウリルジモニウム・ヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lauryldimonium Hydroxypropyl Hydrolyzed Collagen)[Lamequat(登録商標)L;Gruenau]、第四級化小麦ポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、例えばアミドメチコン(Amidomethicone)、アジピン酸およびジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンのコポリマー[Cartaretine(登録商標); Sandoz]、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー[Merquat(登録商標)550; Chemviron]、ポリアミノポリアミド、例えばFR2252840A1に記載のもの、およびその架橋水溶性ポリマー、カチオン性キチン誘導体、例えば第四級化キトサン(場合により、微結晶分布したもの)、ジハロアルキル(例えばジブロモブタン)とビス−ジアルキルアミン(例えばビス−ジメチルアミノ−1,3−プロパン)との縮合生成物、カチオン性グアーガム、例えば Jaguar(登録商標)CBS、Jaguar(登録商標)C−17、Jaguar(登録商標)C−16(Celanese)、並びに第四級化アンモニウム塩ポリマー、例えば Mirapol(登録商標)A−15、Mirapol(登録商標)AD−1、Mirapol(登録商標)AZ−1(Miranol)である。【0076】適当なアニオン性、双性イオン性、両性およびノニオン性ポリマーは、例えば酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/アクリル酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル/マレイン酸ブチル/アクリル酸イソボルニルコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーおよびそのエステル、未架橋およびポリオール架橋ポリアクリル酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/メタクリル酸メチル/メタクリル酸t−ブチルアミノエチル/メタクリル酸2−ヒドロキシプロピルコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/メタクリル酸ジメチルアミノエチル/ビニルカプロラクタムターポリマー、並びに場合により誘導体化したセルロースエーテル、およびシリコーンである。【0077】適当なシリコーン化合物は、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン、並びにアミノ−、脂肪酸−、アルコール−、ポリエーテル−、エポキシ−、フッ素−、グリコシド−および/またはアルキル−修飾シリコーン化合物(室温で液状および樹脂様であり得るもの)である。他の適当なシリコーン化合物は、ジメチルシロキサン単位数200〜300の平均鎖長を有するジメチコンと水素化シリケートとの混合物であるシメチコンである。適当な揮発性シリコーンに関しては、Toddら、Cosm. Toil. 91、27(1976)に詳細に記載されている。【0078】脂肪の例はグリセリドである。適当なワックスはとりわけ、天然ワックス、例えばカンデリラ蝋、カルナウバ蝋、木蝋、エスパルト蝋、コルク蝋、グアルマ蝋(Guarumawachs)、米糠蝋、サトウキビ蝋、オーリキュリ蝋(Ouricurywachs)、モンタン蝋、蜜蝋、シェラック蝋、鯨蝋、ラノリン(羊毛蝋)、尾脂(Buerzelfett)、セレシン、オゾケライト(地蝋)、ワセリン、パラフィン蝋およびマイクロワックス;化学修飾ワックス(硬蝋)、例えばモンタンエステル蝋、サソール蝋、水素化ホホバ蝋、並びに合成ワックス、例えばポリアルキレンワックスおよびポリエチレングリコールワックスである。助剤および添加剤の総量は、製剤に対して1〜50重量%であり得、好ましくは5〜40重量%である。製剤の製造は、通常の高温または低温法で、好ましくは転相温度法で行い得る。【0079】洗剤製剤本発明の別の態様においては、本発明のマイクロカプセルを、洗剤、特に洗濯洗剤、食器洗剤、清浄組成物および繊維製品柔軟剤の製造に使用する。本発明のマイクロカプセルは、そのような製剤中に、製剤に対して0.1〜99重量%、好ましくは1〜5重量%の量で存在し得る。【0080】洗剤は好ましくは水性または水/アルコール性製剤である。そのような液体洗剤は、非水性成分を5〜50重量%、好ましくは15〜35重量%含有し得る。洗剤は、最も単純な場合、前記界面活性剤混合物の水溶液である。しかし、液体洗剤は実質的に水不含有の組成物であってもよい。本発明において「実質的に水不含有」とは、結晶水または同等の形態で付随する以外の遊離水を組成物が好ましくは含有しないことを意味する。場合によっては、少量、特に5重量%までの量の遊離水を許容し得る。洗剤分野で使用する組成物は、他の通常の成分、例えば溶媒、ヒドロトロープ、漂白剤、ビルダー、粘度調整剤、酵素、酵素安定剤、蛍光増白剤、防汚剤、抑泡剤、無機塩、香料および色素を、それら添加剤が水性媒体中で充分に貯蔵安定性であれば含有し得る。このような助剤の多くについては先に述べたので、ここでは説明しない。【0081】適当な有機溶媒の例は、炭素原子数1〜6、好ましくは1〜4の一価および/または多価アルコールである。好ましいアルコールは、エタノール、プロパン−1,2−ジオール、グリセロールおよびそれらの混合物である。洗剤は好ましくは、エタノール、またはエタノールとプロパン−1,2−ジオールとの混合物、またはとりわけエタノールとグリセロールとの混合物を、2〜20重量%、とりわけ5〜15重量%含有する。他の一態様においては、製剤は、相対分子量が200〜2000(好ましくは600まで)のポリエチレングリコール2〜17重量%を含有し、これは炭素原子数1〜6の一価および/または多価アルコールと共に使用しても単独で使用してもよい。適当なヒドロトロープは例えば、トルエンスルホネート、キシレンスルホネート、クメンスルホネートまたはそれらの混合物である。【0082】適当なビルダーは、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、クエン酸および無機ホスホン酸、例えば1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホネートの中性反応性ナトリウム塩であり、0.5〜5重量%、好ましくは1〜2重量%の量で存在し得る。【0083】適当な粘度調整剤の例は、水素化ヒマシ油、長鎖脂肪酸塩(好ましくは0〜5重量%、より好ましくは0.5〜2重量%の量で使用する)、例えばステアリン酸のナトリウム、カリウム、アルミニウム、マグネシウムおよびチタン塩、またはベヘン酸のナトリウムおよび/またはカリウム塩、並びに他のポリマー化合物である。好ましくは他のポリマー化合物は、ポリビニルピロリドン、ウレタン、および塩の形態のポリカルボキシレートポリマー、例えばホモポリマーまたはコポリマーとしてのポリアクリレート、ポリメタクリレートおよび特にアクリル酸/マレイン酸コポリマー(好ましくはマレイン酸の割合が50〜10%)を包含する。ホモポリマーの相対分子量は通例1000〜100000であり、コポリマーの相対分子量は2000〜200000、好ましくは50000〜120000である(遊離酸換算)。例えばスクロースのポリアリルエーテル約1%で架橋した、相対分子量が1000000を越える水溶性ポリアクリレートも特に適当である。Carbopol(登録商標)940および941の名称で入手し得る増粘作用を有するポリマーも例に含まれる。架橋ポリアクリレートは、好ましくは1重量%以下の量、より好ましくは0.2〜0.7重量%の量で使用する。【0084】洗剤は更に、欧州特許出願EP0367049Aに記載されている種類の部分エステル化コポリマー約5〜20重量%を含有し得る。そのような部分エステル化ポリマーは、(a)少なくとも1種のC4−28オレフィン、または少なくとも1種のC4−28オレフィンおよび20モル%までのC1−28アルキルビニルエーテルの混合物と、(b)炭素原子数4〜8のエチレン性不飽和ジカルボン酸無水物とを1:1のモル比で共重合して、K値6〜100のコポリマーを生成し、次いでコポリマーを反応物、例えばC1−13アルコール、C8−22脂肪酸、C1−12アルキルフェノール、第二級C2−30アミンもしくはそれらの混合物、少なくとも1種のC2−4アルキレンオキシドまたはテトラヒドロフランによって部分的にエステル化し、コポリマーの無水物基をカルボキシル基に加水分解することによって得られる。コポリマーの上記部分エステル化は、コポリマーのカルボキシル基の5〜50%がエステル化されるまで行う。好ましいコポリマーは、エチレン性不飽和ジカルボン酸無水物として無水マレイン酸を含有する。部分エステル化したコポリマーは、遊離酸の形態で、または好ましくは部分的もしくは完全に中和した形態で存在し得る。コポリマーは、水溶液、とりわけ40〜50重量%溶液として使用することが有利である。このようなコポリマーは、液体洗剤の単一洗浄サイクルおよび複数洗浄サイクル性能に寄与するだけでなく、濃厚な液体洗剤の所望の粘度低下をも促進する。そのような部分エステル化コポリマーを使用することにより、重量の作用のみで(すなわち更なる剪断力を必要とすることなく)流動する高濃度水性液体洗剤の製造が可能となる。好ましい態様においては、高濃度水性液体洗剤は、部分エステル化コポリマーを5〜15重量%、とりわけ8〜12重量%の量で含有する。【0085】適当な防汚剤は、好ましくはエチレンテレフタレートおよび/またはポリエチレングリコールテレフタレート基を、エチレンテレフタレートとポリエチレングリコールテレフタレートとのモル比50:50ないし90:10で含有するポリマーである。結合ポリエチレングリコール単位の分子量はとりわけ750〜5000であり、すなわちポリエチレングリコール基含有ポリマーのエトキシル化度は約15〜100であり得る。このようなポリマーは、約5000〜200000の平均分子量によって特徴付けられ、ブロック構造を有し得るが、好ましくはランダム構造を有する。好ましいポリマーは、エチレンテレフタレート:ポリエチレングリコールテレフタレートのモル比が約65:35ないし90:10、好ましくは約70:30ないし80:20のものである。他の好ましいポリマーは、分子量750〜5000(好ましくは1000〜約3000)の結合ポリエチレングリコール単位を有し、ポリマー分子量が約10000〜50000のものである。市販ポリマーの例は、Milease(登録商標)T(ICI)またはRepelotex(登録商標)SRP3(Rhone−Poulenc)である。【0086】洗濯機で使用する洗剤の場合は、通常の抑泡剤を加えることが有利であり得る。適当な抑泡剤の例は、C18−24脂肪酸含量の高い天然または合成物由来の石鹸である。適当な非界面活性抑泡剤は、例えばオルガノポリシロキサンおよびそれと、微細な、場合によりシラン化したシリカとの混合物、並びにパラフィン、ワックス、微結晶ワックスおよびそれらとシラン化シリカまたはビス−ステアリルエチレンジアミンとの混合物である。種々の抑泡剤の混合物、例えばシリコーン、パラフィンまたはワックスの混合物を使用することも有利であり得る。抑泡剤、とりわけシリコーンまたはパラフィンを含有する抑泡剤は、顆粒状の水溶性または水分散性担体/支持体に固定することが好ましい。パラフィンとビスステアリルエチレンジアミンの混合物が、特に好ましい。【0087】洗剤のpH値は通例、7〜10.5、好ましくは7〜9.5、より好ましくは7〜8.5である。より高いpH値(例えば9を越えるpH値)には、少量の水酸化ナトリウムまたはアルカリ性塩(例えば炭酸ナトリウムまたはケイ酸ナトリウム)で調節し得る。液体洗剤の粘度は通例、150〜10000mPasである(ブルックフィールド粘度計、スピンドル1、20rpm、20℃)。実質的に水不含有の洗剤の粘度は、好ましくは150〜5000mPasである。水性洗剤の粘度は、好ましくは2000mPas未満、とりわけ150〜1000mPasである。【0088】他の態様においては、例えば香味剤を充填したマイクロカプセルが、食品の製造に適している。【0089】実施例実施例1撹拌機および還流冷却器を取りつけた500ml三口フラスコ中で、寒天3gを沸騰温度の水200mlに溶解した。まず水中のグリセロール10gおよびタルク2gの均一な分散液(全量100g)、次いで水中のアルギン酸ナトリウム0.5g、パラフィン油10g、Phenonip(登録商標)(フェノキシエタノールおよびパラベンを含有する防腐剤混合物)0.5gおよびポリソルベート−20(Tween(登録商標)20、ICI)0.5gの製剤(全量100g)を、約30分間にわたって激しく撹拌しながら前記混合物に加えた。得られたマトリックスを濾過し、60℃に加熱し、0.5重量%キトサン溶液(Hydagen(登録商標)DCMF、ドイツ/デュッセルドルフのHenkel KGaA)に滴下した。同じ直径のマイクロカプセルを得るために、次いで製剤を篩過した。このマイクロカプセルは、界面活性剤の存在下、40℃で4週間の貯蔵中に安定であることがわかった。【0090】実施例2撹拌機および還流冷却器を取りつけた500ml三口フラスコ中で、寒天3gを沸騰温度の水200mlに溶解した。まず水中のグリセロール10gおよびタルク2gの均一な分散液(全量100g)、次いで水中のアルギン酸ナトリウム0.5g、スクワラン10g、Phenonip(登録商標)0.5gおよびセテアレト−20(0.5g)の製剤(全量100g)を、約30分間にわたって激しく撹拌しながら前記混合物に加えた。得られたマトリックスを濾過し、60℃に加熱し、0.5重量%キトサン溶液(Hydagen(登録商標)DCMF、ドイツ/デュッセルドルフのHenkel KGaA)に滴下した。同じ直径のマイクロカプセルを得るために、次いで製剤を篩過した。このマイクロカプセルは、界面活性剤の存在下、40℃で4週間の貯蔵中に安定であることがわかった。【0091】実施例3撹拌機および還流冷却器を取りつけた500ml三口フラスコ中で、寒天3gを沸騰温度の水200mlに溶解した。まず水中のグリセロール10gおよび酸化鉄(II)2gの均一な分散液(全量100g)、次いで水中のアルギン酸ナトリウム0.5g、パンテノール10gおよびPhenonip(登録商標)0.5gの製剤(全量100g)を、約30分間にわたって激しく撹拌しながら前記混合物に加えた。得られたマトリックスを濾過し、60℃に加熱し、0.5重量%キトサン溶液(Hydagen(登録商標)DCMF、ドイツ/デュッセルドルフのHenkel KGaA)に滴下した。同じ直径のマイクロカプセルを得るために、次いで製剤を篩過した。このマイクロカプセルは、界面活性剤の存在下、40℃で4週間の貯蔵中に安定であることがわかった。【0092】実施例4撹拌機および還流冷却器を取りつけた500ml三口フラスコ中で、寒天3gを沸騰温度の水200mlに溶解した。まず水中のグリセロール10gおよびタルク2gの均一な分散液(全量100g)、次いで水中のアルギン酸ナトリウム0.5g、β−カロテン10gおよびPhenonip(登録商標)0.5gの製剤(全量100g)を、約30分間にわたって激しく撹拌しながら前記混合物に加えた。得られたマトリックスを濾過し、60℃に加熱し、0.5重量%キトサン溶液(Hydagen(登録商標)DCMF、ドイツ/デュッセルドルフのHenkel KGaA)に滴下した。同じ直径のマイクロカプセルを得るために、次いで製剤を篩過した。このマイクロカプセルは、界面活性剤の存在下、40℃で4週間の貯蔵中に安定であることがわかった。【0093】実施例5撹拌機および還流冷却器を取りつけた500ml三口フラスコ中で、寒天3gを沸騰温度の水200mlに溶解した。まず水中のグリセロール10gおよび酸化鉄(II)2gの均一な分散液(全量100g)、次いで水中のアルギン酸ナトリウム0.5g、トコフェロールアセテート10gおよびPhenonip(登録商標)0.5gの製剤(全量100g)を、約30分間にわたって激しく撹拌しながら前記混合物に加えた。得られたマトリックスを濾過し、60℃に加熱し、0.5重量%キトサン溶液(Hydagen(登録商標)DCMF、ドイツ/デュッセルドルフのHenkel KGaA)に滴下した。同じ直径のマイクロカプセルを得るために、次いで製剤を篩過した。このマイクロカプセルは、界面活性剤の存在下、40℃で4週間の貯蔵中に安定であることがわかった。【0094】実施例6撹拌機および還流冷却器を取りつけた500ml三口フラスコ中で、寒天3gを沸騰温度の水200mlに溶解した。まず水中のグリセロール10gおよび酸化鉄(II)2gの均一な分散液(全量100g)、次いで水中のアルギン酸ナトリウム0.5g、アスコルビン酸10gおよびPhenonip(登録商標)0.5gの製剤(全量100g)を、約30分間にわたって激しく撹拌しながら前記混合物に加えた。得られたマトリックスを濾過し、60℃に加熱し、0.5重量%キトサン溶液(Hydagen(登録商標)DCMF、ドイツ/デュッセルドルフのHenkel KGaA)に滴下した。同じ直径のマイクロカプセルを得るために、次いで製剤を篩過した。このマイクロカプセルは、界面活性剤の存在下、40℃で4週間の貯蔵中に安定であることがわかった。【0095】実施例7撹拌機および還流冷却器を取りつけた500ml三口フラスコ中で、寒天3gを沸騰温度の水200mlに溶解した。まず水中のグリセロール10gおよび酸化鉄(II)2gの均一な分散液(全量100g)、次いで水中のアルギン酸ナトリウム0.5g、コウジ酸10gおよびPhenonip(登録商標)0.5gの製剤(全量100g)を、約30分間にわたって激しく撹拌しながら前記混合物に加えた。得られたマトリックスを濾過し、60℃に加熱し、0.5重量%キトサン溶液(Hydagen(登録商標)DCMF、ドイツ/デュッセルドルフのHenkel KGaA)に滴下した。同じ直径のマイクロカプセルを得るために、次いで製剤を篩過した。このマイクロカプセルは、界面活性剤の存在下、40℃で4週間の貯蔵中に安定であることがわかった。【0096】実施例8撹拌機および還流冷却器を取りつけた500ml三口フラスコ中で、寒天3gを沸騰温度の水200mlに溶解した。まず水中のグリセロール10gおよび酸化鉄(II)2gの均一な分散液(全量100g)、次いで水中のアルギン酸ナトリウム0.5g、Dehyquart F(登録商標)75(ジステアロイルエチル ヒドロキシエチルモニウム メトスルフェート および セテアリルアルコール、Henkel KGaA)10gおよびPhenonip(登録商標)0.5gの製剤(全量100g)を、約30分間にわたって激しく撹拌しながら前記混合物に加えた。得られたマトリックスを濾過し、60℃に加熱し、0.5重量%キトサン溶液(Hydagen(登録商標)DCMF、ドイツ/デュッセルドルフのHenkel KGaA)に滴下した。同じ直径のマイクロカプセルを得るために、次いで製剤を篩過した。このマイクロカプセルは、界面活性剤の存在下、40℃で4週間の貯蔵中に安定であることがわかった。【0097】実施例9撹拌機および還流冷却器を取りつけた500ml三口フラスコ中で、ゼラチン3gを沸騰温度の水200mlに溶解した。まず水中のグリセロール10gおよび酸化鉄(II)2gの均一な分散液(全量100g)、次いで水中のHydagen(登録商標)SCD(スクシニル化キトサン、Henkel KGaA)0.5g、Dehyquart F(登録商標)75(ジステアロイルエチル ヒドロキシエチルモニウム メトスルフェート および セテアリルアルコール、Henkel KGaA)10gおよびPhenonip(登録商標)0.5gの製剤(全量100g)を、約30分間にわたって激しく撹拌しながら前記混合物に加えた。得られたマトリックスを濾過し、60℃に加熱し、0.5重量%キトサン溶液(Hydagen(登録商標)DCMF、ドイツ/デュッセルドルフのHenkel KGaA)に滴下した。同じ直径のマイクロカプセルを得るために、次いで製剤を篩過した。このマイクロカプセルは、界面活性剤の存在下、40℃で4週間の貯蔵中に安定であることがわかった。【0098】製剤例を次表に挙げる。【表1】【0099】【表2】【0100】【表3】【0101】【表4】【0102】【表5】【0103】【表6】【0104】【表7】【0105】【表8】 (a)アガロース、寒天、ペクチン、キサンタンおよびゼラチンからなる群から選択するゲル形成剤、アニオン性ポリマーおよび活性成分からマトリックスを調製し、(b)該マトリックスを、キトサン水溶液に滴下導入することによって得られる、膜と活性成分少なくとも1種を含有するマトリックスとから成る平均直径0.1〜5mmのマイクロカプセル。 膜と活性成分少なくとも1種を含有するマトリックスとから成る平均直径0.1〜5mmのマイクロカプセルの製法であって、(a)アガロース、寒天、ペクチン、キサンタンおよびゼラチンからなる群から選択するゲル形成剤、アニオン性ポリマーおよび活性成分からマトリックスを調製し、(b)該マトリックスを、キトサン水溶液に滴下導入する工程を含んで成る方法。 アニオン性ポリマーとして、アルギン酸塩またはアニオン性キトサン誘導体を使用する請求項2に記載の方法。 界面活性剤、化粧品用油成分、真珠光沢ワックス、安定剤、生体由来物質、防臭剤、制汗剤、フケ防止剤、UV保護剤、抗酸化剤、防腐剤、防虫剤、日焼け剤、香油、香味剤、漂白剤、漂白活性剤、酵素、再汚染防止剤、蛍光増白剤および色素から成る群から選択する活性成分を使用する請求項2または3に記載の方法。 平均分子量10000〜500000ダルトンまたは800000〜1200000ダルトンのキトサンを使用する請求項2〜4のいずれかに記載の方法。 マイクロカプセルに、マイクロカプセル重量に対して0.1〜25重量%の活性成分を充填する請求項2〜5のいずれかに記載の方法。 マトリックスの調製において、乳化剤および/または粘度調整剤を使用する請求項2〜6のいずれかに記載の方法。 40〜100℃の温度でマトリックスを調製する請求項2〜7のいずれかに記載の方法。 マトリックスを、キトサンの0.1〜3重量%水溶液に滴下する請求項2〜8のいずれかに記載の方法。 マトリックスを、40〜100℃の温度でキトサン水溶液に滴下する請求項2〜9のいずれかに記載の方法。 マトリックスを、マイクロカプセルが最終的に製剤の1〜10重量%を構成するような量のキトサンに滴下する請求項2〜10のいずれかに記載の方法。 製剤を連続的に撹拌する請求項2〜11のいずれかに記載の方法。 化粧品製剤および/または医薬製剤を製造するための請求項1に記載のマイクロカプセルの使用。 洗濯洗剤、食器洗剤、清浄製剤および柔軟剤を製造するための請求項1に記載のマイクロカプセルの使用。 食品を製造するための請求項1に記載のマイクロカプセルの使用。 マイクロカプセルを製剤に対して0.1〜99重量%の量で使用する請求項13〜15のいずれかに記載の使用。