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タイトル:特許公報(B2)_ガラス塊の検査方法および検査装置、ガラス塊の成形方法、光学素子の製造方法、並びにプレス成形用ガラス素材
出願番号:2001349042
年次:2005
IPC分類:7,G01N21/958,C03B11/00,G02B3/00


特許情報キャッシュ

井口 義規 JP 3698424 特許公報(B2) 20050715 2001349042 20011114 ガラス塊の検査方法および検査装置、ガラス塊の成形方法、光学素子の製造方法、並びにプレス成形用ガラス素材 HOYA株式会社 000113263 特許業務法人特許事務所サイクス 110000109 塩澤 寿夫 100092635 今村 正純 100096219 井口 義規 20050921 7 G01N21/958 C03B11/00 G02B3/00 JP G01N21/958 C03B11/00 A G02B3/00 Z 7 G01N 21/84-21/958 G01M 11/00-11/08 特開平04−363648(JP,A) 特開平10−239211(JP,A) 特開平05−045293(JP,A) 特開平02−173544(JP,A) 特開2000−258292(JP,A) 特開2001−281099(JP,A) 11 2003149172 20030521 22 20020927 田邉 英治 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス塊及びガラス成形品の内部品質を検査する方法及び検査装置、検査結果をガラス塊及びガラス成形品の成形条件にフィードバックして良好な成形を行うガラス塊の製造方法及びガラス成形品の製造方法、並びに、ガラス成形品を加工して光学素子を作製する方法に関する。【0002】【従来の技術】レンズなどのガラス光学素子は、高い内部品質が求められている。そのため、ガラス中に脈理などの欠陥がないかを速やかに判別する検査方法が必要である。このような方法に液浸検査と呼ばれている方法がある。この方法はガラスとほぼ同じ屈折率をもつマッチングオイルと呼ばれる液体にガラスを入れて、ガラス表面における反射を低減してガラス内部を光学的に観察する方法である。このような方法は、特開昭53−120587号公報に開示されている。【0003】【発明が解決しようとする課題】ところで、ガラスの脈理は、一方向からのみの観察では見落とされる場合が多い。そのため、ガラスの向きを変えて多方向からの観察が必要になる。多方向からの観察では、サンプルを照明する照明光の方向とサンプルを透過した照明光を観察する方向を連動して変えながら観察する方法と、サンプルの向きをマッチングオイル中で変えて観察を行う方法が考えられる。【0004】前者は光学系を連動して動かさなければならないため、複雑な装置が必要となり、あるいは作業がわずらわしくなるという問題がある。後者は前者のような問題はないが、サンプルの向きを変えるときにマッチングオイルが波立ってしまいマッチングオイル液面を通過する照明光が乱され、液面の波立ちが治まるまで脈理の発見が可能な観察は困難であるという問題がある。【0005】ところで、溶融ガラスからガラス成形品を量産する場合、脈理などの内部欠陥が発生する成形条件で量産を継続すると、成形品の大半が不良品になってしまうという問題がある。この問題を解決するため、量産開始の初期段階、あるいは量産過程の途中で抜き取り検査を行い、もし脈理などの欠陥を発見したら、速やかに良好な成形ができるよう成形条件を調整する必要がある。このような抜き取り検査は迅速かつ確実なものでなくてはならない。しかし、従来の液浸検査で抜き取り検査を行うと、確実に脈理を発見するには上記の理由により時間がかかってしまう。【0006】液浸検査以外にも、ガラス塊に研磨加工を施して対向する一対の平面を形成し、その平面からガラス塊内部を観察する方法も考えられるが、研磨加工に時間がかかり、検査結果に基づき、ガラス塊の成形条件に速やかにフィードバックをかけることは困難である。【0007】そこで、本発明は迅速かつ確実にガラス塊の内部品質を検査できるガラス塊の検査方法及び装置を提供することを第一の目的とする。また、第二の目的は、上記検査方法を用いて、ガラス塊あるいはガラス成形品の製造過程または連続的な成形を開始する時にガラス塊あるいは成形品に内部欠陥がないか迅速かつ確実に検査し、検査結果に基づいて成形条件を設定して連続成形を開始でき、あるいは、検査結果を製造中に成形条件にフィードバックして良品を安定して量産できるガラス塊あるいはガラス成形品を製造する方法を提供することである。さらに、第三の目的は、上記方法で得られたガラス成形品より光学素子を製造する方法を提供することである。【0008】【課題を解決するための手段】以下、上記課題を解決するための手段について説明する。(請求項1)液体中に浸漬したガラス塊に、前記液体の外部から照明光を照射し、前記ガラス塊を透過した照明光を前記液体の外部にて観察することを含むガラス塊の内部品質を検査する方法であって、前記照明光は、液体と接触する透明部材を介して液体に入射し、前記ガラス塊を透過した照明光は、液体と接触する透明部材を介して液体の外部に出射し、かつ前記観察は、前記照明光の進行方向に対するガラス塊の向きを少なくとも1回変えて行うことを特徴とするガラス塊の検査方法。(請求項2)流出パイプより溶融ガラスを流出し、流出した溶融ガラスをガラス塊に成形することを含むガラス塊の製造方法であって、ガラス塊の製造に先立って、内部品質検査用ガラス塊を成形し、成形したガラス塊の内部品質を検査し、得られた検査結果に基づいて、前記溶融ガラスの流出条件及び/又はガラス塊の成形条件を設定すること、並びに前記内部品質の検査は、液体中に浸漬したガラス塊に、前記液体の外部から照明光を照射し、かつ前記ガラス塊を透過した照明光を前記液体の外部にて観察することを含む方法により行われることを特徴とするガラス塊の製造方法。(請求項3)流出パイプより溶融ガラスを流出し、流出した溶融ガラスをガラス塊に成形することを含むガラス塊の製造方法であって、製造されたガラス塊をサンプリングし、サンプリングしたガラス塊の内部品質を検査し、得られた検査結果に基づいて、前記溶融ガラスの流出条件を維持若しくは変更し、及び/又は前記ガラス塊の成形条件を維持若しくは変更すること、並びに前記内部品質の検査は、液体中に浸漬したガラス塊に、前記液体の外部から照明光を照射し、かつ前記ガラス塊を透過した照明光を前記液体の外部にて観察することを含む方法により行われることを特徴とするガラス塊の製造方法。(請求項4)前記内部品質の検査は、前記照明光が、液体と接触する透明部材を介して液体に入射し、前記ガラス塊を透過した照明光が、液体と接触する透明部材を介して液体の外部に出射し、かつ前記観察が、前記照明光の進行方向に対するガラス塊の向きを少なくとも1回変えて行われることを特徴とする請求項2または3に記載の製造方法。(請求項5)請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法により製造されたガラス塊を加熱、軟化し、プレス成形することを特徴とするガラス成形品の製造方法。(請求項6)流出パイプより溶融ガラスを流出し、流出した溶融ガラスを成形型により受けてプレス成形することを含むガラス成形品の製造方法であって、ガラス成形品の製造に先立って、内部品質検査用ガラス成形品をプレス成形し、成形したガラス成形品の内部品質を検査し、得られた検査結果に基づいて、前記溶融ガラスの流出条件及び/又はガラス成形品のプレス成形条件を設定すること、並びに前記内部品質の検査は、液体中に浸漬したガラス成形品に、前記液体の外部から照明光を照射し、かつ前記ガラス成形品を透過した照明光を前記液体の外部にて観察することを含む方法により行われることを特徴とするガラス成形品の製造方法。(請求項7)流出パイプより溶融ガラスを流出し、流出した溶融ガラスを成形型にてプレス成形することを含むガラス成形品の製造方法であって、製造されたガラス成形品をサンプリングし、サンプリングしたガラス成形品の内部品質を検査し、得られた検査結果に基づいて、前記溶融ガラスの流出条件を維持若しくは変更し、及び/又は前記ガラス成形品のプレス成形条件を維持若しくは変更すること、並びに前記内部品質の検査は、液体中に浸漬したガラス成形品に、前記液体の外部から照明光を照射し、かつ前記ガラス成形品を透過した照明光を前記液体の外部にて観察することを含む方法により行われることを特徴とするガラス成形品の製造方法。(請求項8)前記内部品質の検査は、前記照明光が、液体と接触する透明部材を介して液体に入射し、前記ガラス塊を透過した照明光が、液体と接触する透明部材を介して液体の外部に出射し、かつ前記観察が、前記照明光の進行方向に対するガラス成形品の向きを少なくとも1回変えて行われることを特徴とする請求項6または7に記載の製造方法。(請求項9)請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法により、光学素子ブランクを成形し、前記ブランクを研削、研磨して光学素子を作製する光学素子の製造方法。(請求項10)内部品質を検査する対象であるガラス塊を浸漬するための液体を収容するための容器、前記ガラス塊に照明光を照射するための照明手段、及び液体に浸漬されたガラス塊の、前記照明光の進行方向に対するガラス塊の向きを変えるための手段を含み、かつ前記容器は、前記照明光が入射するための入射窓と、該入射窓から入射した照明光を出射するための出射窓とを、容器に収容される液体と接触し得る位置にそれぞれ有することを特徴とするガラス塊の内部品質検査装置。【0009】【発明の実施の形態】[ガラス塊の検査方法についての好ましい形態](好ましい形態1−1)ガラス塊を浸漬する液体は、ガラス塊と屈折率が近似する請求項1に記載の検査方法。(好ましい形態1−2)ガラス塊を浸漬する液体の屈折率は、ガラス塊の屈折率に対して±0.07以内である請求項1に記載の検査方法。(好ましい形態1−3)照明光の入射及び前記ガラス塊を透過した照明光の出射の方向が、垂直方向または水平方向である請求項1に記載の検査方法。(好ましい形態1−4)ガラス塊を磁石上に載せ状態で液体に浸漬し、外部から磁界を印加してガラス塊を載せた磁石を移動または回転させ、ガラス塊を透過した照明光の観察を行う請求項1に記載の検査方法。(好ましい形態1−5)照明光として平行光を用い、外部に出射した照明光を結像し、結像した像を観察する請求項1に記載の検査方法。(好ましい形態1−6)照射光の入射は、液体の上面と接触する位置にある透明部材から行い、かつ照射光の出射は、液体を保持する容器底面に位置する透明部材から行う、請求項1に記載の検査方法。(好ましい形態1−7)照射光の入射は、液体を保持する容器底面に位置する透明部材から行い、かつ照射光の出射は、液体の上面と接触する位置にある透明部材から行う、請求項1に記載の検査方法。(好ましい形態1−8)照射光の入射は、液体を保持する容器の側面に位置する透明部材から行い、かつ照射光の出射は、液体を保持する容器の側面に位置し、かつ照射光入射用透明部材と対向する位置にある透明部材から行う、請求項1に記載の検査方法。(好ましい形態1−9)検査されるガラス塊が、溶融ガラスを流出して成形されたガラス塊である請求項1に検査方法。(好ましい形態1−10)検査されるガラス塊が、溶融ガラスを流出して成形されたガラス塊をアニール、バレル研磨したバレル研磨後のガラス塊である請求項1に検査方法。(好ましい形態1−11)検査されるガラス塊が、1つの回転対称軸を有し、回転対称軸に直交する径方向の長さに対する回転対称軸方向の長さの割合が、0.7以上、0.97以下のガラス塊である請求項1に記載の検査方法。(好ましい形態1−12)検査されるガラス塊が、1つの回転対称軸、前記回転対称軸方向の厚み、前記回転対称軸に直交する外径を有し、前記外径における断面が非対称面になっている(即ち、外径において分断された2つの塊は相互に表面形状が異なる)ガラス塊である請求項1に記載の検査方法。(好ましい形態1−13)検査されるガラス塊が、溶融ガラスをプレス成形して得られたガラス塊である請求項1に記載のガラス塊の検査方法。好ましい形態1−1〜5、8〜13のうち、任意の形態を組み合わせることもできる。好ましい形態1−1〜3、5〜7、9〜13のうち、任意の形態を組み合わせることもできる。【0010】[ガラス塊の製造方法についての好ましい形態](好ましい形態2−1)流出した溶融ガラスを成形型に受けてガラス塊を成形する請求項2〜4のいずれか1項に記載のガラス塊の製造方法。(好ましい形態2−2)流出した溶融ガラスを液体に投入してガラス塊を成形する請求項2〜4のいずれか1項に記載のガラス塊の製造方法。(好ましい形態2−3)溶融ガラスの流出条件は、少なくとも流出パイプの温度及び溶融ガラス作製用の作業槽の温度であり、前記ガラス塊の成形条件は、少なくともガラス塊成形用成形型の温度並びに成形型が噴出する気体を利用した成形型の場合、気体の噴出量及び温度である請求項2〜4のいずれか1項に記載の製造方法。(好ましい形態2−4)前記検査の結果に基づき、前記流出パイプの温度を決定する請求項2〜4のいずれか1項に記載のガラス塊の製造方法。(好ましい形態2−5)1つの回転対称軸を有し、回転対称軸に直交する径方向の長さに対する回転対称軸方向の長さの割合が、0.7以上、0.97以下のガラス塊を成形する請求項2〜4のいずれか1項に記載のガラス塊の製造方法。(好ましい形態2−6)1つの回転対称軸、前記回転対称軸方向の厚み、前記回転対称軸に直交する外径を有し、前記外径における断面が非対称面になっている(即ち、外径において分断された2つの塊は相互に表面形状が異なる)ガラス塊を成形することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のガラス塊の製造方法。(好ましい形態2−7)成形したガラス塊をアニールする工程、及びバレル研磨する工程を含む請求項2〜4のいずれか1項に記載のガラス塊の製造方法。(好ましい形態2−8)ガラス塊が精密プレス成形用のガラスプリフォームである請求項2〜4のいずれか1項に記載のガラス塊の製造方法。好ましい形態2−1〜2−8のうち、任意の形態を組み合わせることもできる。【0011】[ガラス成形品の製造方法についての好ましい形態](好ましい形態3−1)前記溶融ガラスの流出条件は、少なくとも流出パイプの温度及び溶融ガラス作製用の作業槽の温度であり、前記ガラス成形品のプレス成形条件は、少なくともプレス成形型の温度の経時変化及びプレス圧力の経時変化である請求項6〜8のいずれか1項に記載の製造方法。(好ましい形態3−2)前記検査結果に基づき、流出パイプの温度を決定することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載のガラス成形品の製造方法。【0012】[光学素子の製造方法についての好ましい形態](好ましい形態4−1)光学素子ブランクをアニールした後に研削、研磨することを特徴とする請求項9に記載の光学素子の製造方法。(好ましい形態4−2)レンズブランクを成形し、研削、研磨してレンズを作製する請求項9に記載の光学素子の製造方法。(好ましい形態4−3)レンズブランクを成形し、アニールした後に研削、研磨してレンズを作製する請求項9に記載の光学素子の製造方法。【0013】[ガラス塊の内部品質検査装置についての好ましい形態](好ましい形態5−1)ガラス塊の向きを変えるための手段が、ガラス塊を回転させるためのガラス塊回転手段である請求項12に記載の検査装置。(好ましい形態5−2)出射窓から出射した照明光を捕捉するためのCCDカメラをさらに含む請求項12または13に記載の検査装置。【0014】次に発明の実施の形態についてさらに具体的に説明する。[ガラス塊の検査方法]本発明のガラス塊の検査方法は、液体中に浸漬したガラス塊に、前記液体の外部から照明光を照射し、前記ガラス塊を透過した照明光を前記液体の外部にて観察することを含むガラス塊の内部品質を検査する方法である。ガラス塊を浸漬するための液体は、ガラス塊と近似した屈折率を持ち、可視域において透明であるものであれば、特に制限はない。ガラス塊と近似した屈折率を持ち、かつ可視域において透明である液体としては、例えば、マッチングオイル(マッチング液)として市販されている液体を用いることができる。マッチングオイルは、可視域における透明性に優れ、ガラス塊に合わせた種々の屈折率を有するものが市販されている。ガラス塊の屈折率とマッチングオイルの屈折率との差は、ガラス塊の内部の所望の範囲を所定方向から観察可能なように設定すれば良いが、観察を良好に行うという観点から、±0.07以内とすることが好ましく、±0.03以内とすることがより好ましく、±0.01以内とすることがさらに好ましい。なお、屈折率としては、可視域内の波長に対する値を用いればよいが、光学ガラスからなるガラス塊を検査する場合、光学ガラスの特性として重要な波長587.56nmにおける屈折率ndを用いることができる。前記液体(マッチング液)の比重は、1〜4の範囲にあるものが好ましく、ガラス塊を構成するガラスの比重よりも小さいことが好ましい。このようにすることにより、液体中でガラス塊が浮上したり、浮遊して、検査効率が低下するのを防ぐことができる。また、ガラスの比重としては、3〜6の範囲であることが好ましい。【0015】検査されるガラス塊の内部品質とは、例えば、脈理や未溶解物などの内部欠陥等である。ガラス塊の内部品質の検査は、液体の外部から、液体と接触する透明部材を介して液体に入射させた照明光をガラス塊に照射し、かつガラス塊を透過した照明光を、液体と接触する透明部材を介して液体の外部に出射し、観察することで行う。本発明の検査方法においては、ガラス塊に照射される照明光の入射及び出射が、いずれも液体と接触する透明部材を介して行われるために、例えば、ガラス塊の液体中での位置や姿勢を変更するために液体中に接触する必要があり、その結果、液体表面が乱れてしまう場合であっても、液体表面の乱れが観察の妨げにならないという利点がある。【0016】さらに本発明の検査方法においては、ガラス塊の観察は、照明光の進行方向に対するガラス塊の向きを少なくとも1回変えて行う。これにより、一面的な観察では見逃されることがあるガラス塊の欠陥等を確実に検出することができる、という利点がある。特に本発明の検査方法では、上記のように、液体表面の乱れが観察の妨げにならないため、ガラス塊の向きを変えても、ガラス塊の検査をスムーズに行うことができるという利点もある。【0017】本発明の検査方法は、例えば、本発明のガラス塊の内部品質検査装置を用いて実施することができる。本発明の検査方法の一実施態様を、本発明のガラス塊の内部品質検査装置である図1に示す装置を用いた場合を例に、以下に説明する。図1は、ガラス塊の内部品質検査装置の側面から見た概略図である。この装置は、内部品質を検査する対象であるガラス塊を浸漬するための液体を収容するための容器10、ガラス塊に照明光を照射するための照明手段(図示せず)、及び液体に浸漬されたガラス塊の、前記照明光の進行方向に対するガラス塊の向きを変えるための手段(図示せず)を含み、かつ容器10は、前記照明光が入射するための入射窓11と、該入射窓から入射した照明光を出射するための出射窓12とを、容器に収容される液体と接触し得る位置にそれぞれ有する。【0018】より具体的には、容器10は、入射窓11を含む平板状の底部13と側板14とからなり、さらに、出射窓12を含む窓材(透明部材)15が設けられており、窓材12の下面全面がマッチングオイル20に浸かるよう、液面の高さを調整する。窓材15は平板状のものが好ましく、他方の透明部材を構成する容器底部13と平行に配置される。容器10は、窓材15も含めて、例えば、シリカ系透明硬質ガラス製であることができる。【0019】(検査方法1)上記容器10を用いた本発明の検査方法の一態様を説明する。容器10は、図示されていないが、実体顕微鏡の試料台上に水平に置かれ、試料台の下には透過照明光源が配されている。照明光源から出射した照明光(透過光ともいう。)は容器底部13の入射窓11からマッチングオイル20へと入射し、ガラス塊(以下、サンプルという。)30を透過して、再びマッチングオイル20を通り、窓材15を通って検査光として出射する。検査光は顕微鏡(図示せず)の光学系へ入射し、拡大観察され、サンプル中の脈理などの欠陥検査が行われる。【0020】サンプル中の脈理などは一方向からの観察のみでは見落とされるおそれがあるので、本発明の方法では、窓材下方にてサンプルを転がすなどして多方向からサンプル内部の観察を行う。最も簡便な方法としては開口部18からピンセットなどを挿入してサンプルを転がす方法があるが、このような作業を行うとマッチングオイルの液面が波立つ。しかし、検査光はマッチングオイルと窓材の接触面を通るので液面の波立ちによる影響を受けずに検査を行うことができる。窓材がないと、液面で検査光の乱反射がおこり、液面の波立ちがしずまるまで検査するのが困難になる。【0021】脈理などの内部欠陥の有無の確認は、(1)実体顕微鏡で拡大された拡大像を肉眼で観察する、(2)拡大像をビデオカメラで撮影し、その画像を肉眼で検査する、あるいは(3)画像を電気的に処理するなどして行われる。【0022】照明は単色光あるいは白色光が好ましく、サンプル、マッチングオイル、容器、窓材を透過し、顕微鏡観察が可能なものであれば、特に制限はない。【0023】検査にあたっては、窓材15の下面に気泡が閉じ込められないようにして、マッチングオイルと窓材15の下面全面が接触するようにすること、窓材上面がマッチングオイルによって濡れ、観察しにくくならないようにすることなどに注意を払うことが望ましい。【0024】(検査方法2)本発明の検査方法は、本発明のガラス塊の内部品質検査装置である図2に示す装置を用いて実施することもできる。図2に示す装置は、内部品質を検査する対象であるガラス塊を浸漬するための液体を収容するための容器10、ガラス塊に照明光を照射するための照明手段である照明40、及び液体に浸漬されたガラス塊の、前記照明光の進行方向に対するガラス塊の向きを変えるための手段(図示せず)を含み、かつ容器10は、照明光が入射するための入射窓16と、入射窓16から入射した照明光を出射するための出射窓17とを、容器に収容される液体と接触し得る位置にそれぞれ有する。【0025】この本発明のガラス塊の内部品質検査装置では、対向する側面が平行な平板(入射窓16及び出射窓17)を有する容器10(例えば、シリカ系透明硬質ガラス製)にマッチングオイル20を入れ、そのマッチングオイル中に完全に浸るようにサンプル30を入れる。照明光の光源40を点光源化するため、光源から出た光はピンホール41を通り抜け、コリメーターレンズ42により平行光にされる。平行光にされた照明光(透過光という)は容器10の前記平板状の側面にある入射窓16に対して垂直に容器10へ入射され、マッチングオイル20、サンプル30、マッチングオイル20、透過光が入射した容器側面に対向する側面にある出射窓17を通って容器10外へと出射する。出射した検査光はコリメーターレンズ51によってCCDカメラ50へと導かれ、サンプル30内部の様子が撮影される。得られた画像から脈理などの内部欠陥の有無が観察される。なお、画像を電気的に処理して欠陥の有無を自動的に判別するようにしてもよい。【0026】この方法でも、容器10内のサンプル30をピンセットなどで転がすなどして、多方向から内部欠陥の有無を観察する。なお、マグネットスターラーのような棒状の磁石の中心部の上に、サンプル30を置き、容器外から磁界を印加してスターラーをゆっくりと回転させることで、サンプルを回転させて多方向から観察することもできる。【0027】図2に示す装置を用いる場合、マッチングオイルと容器の対向する平板状の側面との接触面と通して透過光の入射と検査光の出射を行っているので、サンプルを転がすあるいは回転させても液面の波立ちの影響により観察が妨げられることはない。【0028】図1に示す装置を用いる検査方法及び図2に示す装置を用いる検査方法のいずれの検査方法も、高い内部品質が要求される光学ガラスよりなるガラス塊の検査に好適である。【0029】(ガラス塊の製造方法)次にガラス塊の製造方法について一例を示して説明する。図3は、本製造方法で使用する装置の平面図、図4は同装置の側面図である。本装置の上方にはガラスの溶解設備104があり、そこで溶解された溶融ガラスは、白金合金製の流出パイプ104aを通って連続的に流下する。流出パイプの温度は、溶融ガラスの粘度(あるいは温度)を調整するために調温器により調温されている。この溶融ガラスからは光学ガラスが得られる。【0030】流出パイプの下には溶融ガラスを受けてガラス塊に成形するための複数の成形型102がターンテーブル116上に等間隔に配置され、各成形型102はターンテーブル116をインデックス回転させることにより、流出パイプ104aの下方に順次搬送される。流出パイプ104aの下方(キャスト位置という。)に搬送された成形型102は、流下する溶融ガラスを一定量受け取った後、キャスト位置から搬出され、受け取った溶融ガラスをガラス塊に成形する。一定量の溶融ガラスの受け取りは、流出パイプ104aから流下する溶融ガラス流の先端部を流出パイプに近づけられた成形型102で受けた後、溶融ガラス流の流下スピードよりも早いスピードで成形型を降下させて、溶融ガラス流を分離する方法、あるいは流出パイプから溶融ガラス滴として滴下する方法、またはシアと呼ばれる切断刃により切断する方法などがある。【0031】成形型102の溶融ガラスを受ける凹部には、ガス噴出口が設けられており、この噴出口から上方に向けて噴出するガスによって溶融ガラスは略浮上した状態でガラス塊に成形される。成形されたガラス塊は取出し位置Bで吸着手段120などにより成形型から取出される。取出されたガラス塊はアニールされる。ここで、アニール前のガラス塊をホットサンプル、アニール後のガラス塊をエンドサンプルと呼ぶことにする。【0032】ガラス塊の製造条件としては、流出パイプの温度、溶融ガラスを攪拌、均質化して流出パイプへと流す作業槽の温度等の溶融ガラスの流出条件、成形型の温度、成形型より噴出するガスの量や温度などの成形条件があげられる。特に、上記条件の中でガラス塊の品質の良否は、流出パイプの温度と作業槽の温度に対して最も敏感である。流出パイプや作業槽の温度が低いとガラス塊が失透してしまい、光学的性能が大きく損なわれる。また、流出パイプや作業槽の温度が高いとガラス塊中に脈理が発生してしまい、光学的性能が大きく損なわれる。流出パイプの温度の適正な温度範囲は、ガラスやその他条件によって変わるものの、通常、数十℃の範囲になっている。作業槽についても、適正な温度範囲は、通常、数十℃の範囲になっている。溶融ガラスの流出では、溶融ガラスの温度は概ね1000〜1200℃付近である。1000℃に対して数十℃以内で溶融ガラスの温度を適正値にしないと、失透、脈理のないガラス塊を安定して得ることは難しい。そこで、本発明の製造方法では、ガラス塊の内部検査結果を流出パイプの温度、作業槽の温度、あるいは流出パイプおよび作業槽の温度にフィードバックすることにより、失透、脈理のない良質のガラス塊を安定して生産することができる。【0033】なお、本発明の製造方法において、ガラス塊の成形は成形型を使用したものに限られず、有機溶媒や水、その他の液体に所定量の溶融ガラスを投入して成形する方法も採用することができる。例えば、ノズルから溶融ガラスを液体中に滴下してガラス塊を成形する方法である。【0034】成形開始時の成形条件の設定は、過去の成形条件を参考にして決められるが、そのような条件設定を行っても、ガラス塊の失透や脈理の発生などがおこる可能性はゼロではない。失透や脈理などの欠陥発生がおこると、最悪の場合、ロット全部が不良品になってしまう場合もある。【0035】そこで、本発明のガラス塊の製造方法の第1の態様(請求項2)では、ガラス塊の製造に先立って、連続的に成形を開始する前に内部品質検査用として、例えば過去の成形条件を成形条件としてガラス塊を成形し、この内部品質検査用ガラス塊を液体中に浸漬し、液体中に浸漬したガラス塊に、液体の外部から照明光を照射し、かつガラス塊を透過した照明光を前記液体の外部にて観察することを含む方法により検査用ガラス塊の内部品質を行う。また、本発明のガラス塊の製造方法の第2の態様(請求項3)では、実際に製造されているガラス塊(ホットサンプル)をサンプリングし、このサンプルガラス塊を液体中に浸漬し、液体中に浸漬したガラス塊に、液体の外部から照明光を照射し、かつガラス塊を透過した照明光を前記液体の外部にて観察することを含む方法により検査用ガラス塊の内部品質を行う。このガラス塊の内部品質の検査は、好ましくは上述した本発明の検査方法により行う。本発明の検査方法としては検査方法1及び2のいずれかであっても、他の形態であってもよい。【0036】ガラス塊の製造に先立って内部品質の検査を行う上記第1の態様では、内部品質検査用ガラス塊に、脈理等が発見された場合、流出条件及び成形条件のいずれか一方又は両方を調整した後に成形を開始するか、あるいは、再度、調整後の条件で内部品質検査用ガラス塊を製造し、内部品質を検査した後に成形を開始する。再度の検査により、依然として脈理等が発見された場合、流出条件及び成形条件のいずれか一方又は両方をさらに調整した後に成形を開始する。実際に製造されているガラス塊(ホットサンプル)をサンプリングして内部品質の検査を行う上記第2の態様では、ホットサンプルに脈理が発見された場合は、流出条件及び成形条件のいずれか一方又は両方にフィードバックをかけ、脈理発生源を解消する。【0037】上記のように流出パイプの温度を調整、制御することにより、失透発生を防止しつつ、脈理の発生も防止することができる。あるいは、上述したその他の成形条件を調整して脈理の発生を解消する。ガラス塊の内部検査は定期的に行うことが好ましい。上記検査はエンドサンプルをサンプリングして行ってもよい。ただし、内部検査結果を迅速に成形条件へフィードバックするには、ホットサンプルの検査結果をフィードバックすることが好ましい。【0038】また、連続的に成形を開始する前に検査用ガラス塊を成形して内部品質検査を行い、その検査結果に基づき成形条件を設定して連続成形を開始し、その後、成形されたガラス塊をサンプリングして内部検査を行い、その結果をフィードバックして成形条件の調整を行ってもよい。なお、検査用ガラス塊は、内部品質を別にして量産されるガラス塊と同じにすることが好ましい。【0039】本発明の製造方法により製造されるガラス塊の外径は、成形型の凹部の内径によって規制され、重量は溶融ガラスの流出スピード(引き上げ量という。)と溶融ガラス流を分離する周期(単位時間あたりのガラス塊の生産量であり、カッティングタイムという)によって決まる。ガラス塊の形状は、平面視形状を円とし、平坦な中央に位置する底部から周囲に行くにつれて勾配が連続して増加する凹部を備えた成形型を用いることにより、垂直方向に1つの回転対称軸を有する形状となる。前記回転対称軸を含む断面でこのガラス塊を見たとき、ガラス塊の輪郭を構成する各点における接線は次のようになる。回転対称軸と交わるガラス塊の両極では前記接線は回転対称軸に対して垂直となっている。両極から離れて行くにつれて、接線と回転対称軸のなす角度(内角の角度)は単調に減少し、ガラス塊の外径を構成する部分においては、接線は回転対称軸に平行となる。ここで、ガラス塊の回転対称軸方向に垂直な径方向の長さ(外径)に対する回転対称軸方向の長さ(厚み)の割合を0.7〜0.97とすることが望ましく、0.7〜0.95とすることがより望ましく、0.8〜0.9とすることがさらに望ましい。あるいは、厚み/外径の割合が上記範囲内にあっても、範囲外であっても、ガラス塊が外径を含み、前記回転対称軸に垂直な断面が非対称面である(前記断面に対してガラス塊が面対称になっていない)ことが望ましい。このようなガラス塊が望ましい理由は次のとおりである。【0040】(1)一般に、ガラス塊をプレス成形用素材に用いるときに、特にレンズブランクまたはレンズのプレス成形に用いるときに、上記のような形状のガラス塊が好ましい。プレス成形用素材の形状と成形品(レンズブランクまたはレンズなど)の形状を一対一に対応させるのではなく、外径と重量が異なる幾種類かのガラス塊を備えておく。そして、レンズブランクやレンズの需要があった時点で、複数種のガラス塊から必要な成形品を得るために適した種類のガラス塊を選択し、プレス成形用素材として用いる。ガラス塊を上記形状にしておけば、様々なレンズブランクやレンズのプレス成形に対処することができる。なお、ガラス塊と、作ろうとするプレス成形品の間に重量差があるときは、プレス成形品の重量よりも重く、プレス成形品の重量に一番近いガラス塊を選択してバレル研磨などの表面研磨を施し、重量を調整(成形品の重量に合わせる)することができる。ガラス塊をこのような形状とし、予め幾種類かのロットを生産、在庫していくことにより、レンズブランクやレンズの受注に対し迅速に対応することができる。なお、光学恒数(屈折率nd、アッベ数νd)が異なる幾種類かの硝種について、外径や重量の異なるガラス塊を揃えておき、成形品の受注に備えておくことが好ましい。【0041】(2)上記割合が0.7よりも小さいと、脈理を観察しにくい方向ができてしまう。上記割合を0.7以上にすることにより、各方向からの内部観察を容易に行うことができる。【0042】(3)内部検査を行う場合、ガラス塊はマッチングオイル中に入れられる。このとき、ガラス塊が球状であるとマッチングオイル中での座りが悪く、安定しない。但し、球状であっても、適当な治具を用いることで、座りを改善することはできる。また、一見してガラス塊の方位を見分けるのが困難なので、どの方向からの観察が終わったのか、どの方向から観察して脈理が認められたのかを判別することが困難になってしまう場合がある。したがって、回転対称軸を含む断面の真円度を低下させておくことがガラス塊の座りを良くし、観察時の扱いを容易にする上で好都合である。逆に上記割合が0.7より小さいとガラス塊の座りは良くなるものの、ピンセットなどによりガラス塊の方向を変えるときにガラス塊を転がしにくくなり、多方向からの観察作業の作業性が低下する傾向がある。【0043】(4)上述したスターラーを使用し、回転対称軸の周りにガラス塊を回転させることにより、死角ができにくくなり、脈理発見を容易に行うことが可能になる。また、このような回転を安定して行うこともできる。但し、上記点を除けば、球状のガラス塊でも問題なく本発明の方法に適用できる。【0044】本発明の製造方法及び検査方法では、回転対称軸に垂直な軸のまわりにガラス塊を回転しながら観察を行う検査を行ってもよし、ガラス塊を回転対称軸方向から観察する検査を加えてもよい。【0045】さらにガラス塊の形状に関する条件としては、上記条件に加え、回転対称軸に垂直でガラス塊の外径を決める部分の断面がガラス塊の非対称面であることが望ましい。即ち、外径において分断された2つの塊は相互に表面形状が異なることが望ましい。上記のように断面がガラス塊の非対称面であることで、ガラス塊を回転しながら観察を行う際に、上記(2)〜(4)に記載のような利点がある。【0046】ガラス塊が上記形状の場合、マッチングオイルとガラス塊の屈折率差が大きいと、観察方向を向いた部分のガラス塊表面を通してガラス塊内部を観察することはできるが、ガラス塊表面の法線方向と観察方向のなす角が所定角度よりも大きくなると、ガラス塊表面で全反射がおき、ガラス塊内部を観察することができなくなる。この所定角度は、ガラス塊とマッチングオイルの屈折率によって決まる。特にガラス塊とマッチングオイルとの屈折率差が±0.07を超えると、全反射によってガラス塊の観察可能領域が狭くなってしまい、迅速な内部検査が難しい。観察可能領域を広くし、検査効率をアップして成形条件への迅速なフィードバックを行うためにも、前記屈折率差を±0.07以内とすることが好ましく、±0.03以内とすることがより好ましく、±0.01以内とすることがさらに好ましい。このように屈折率差を小さくすることによって、ガラス塊中央部だけでなく、周辺部の観察も迅速に行うことができる。また、マッチングオイルの比重、ガラス塊とマッチングオイルの比重の関係、及びガラス塊の比重については、前述と同様である。【0047】このようにして製造されたガラス塊の表面は自由表面になっており、内部を光学的に観察することが可能である。上記好ましい形状のほか、球状、あるいは上記割合[回転対称軸方向に垂直な径方向の長さ(外径)に対する回転対称軸方向の長さ(厚み)の割合]が0.7以上のマーブル状のガラス塊を成形し、内部検査の結果を成形条件にフィードバックして、失透や脈理のないガラス塊を成形することができる。検査結果は流出条件及び/又は成形条件にフィードバックされるため、検査はガラス塊の成形と並行して行い、1ロットの成形の初期に検査を行い、成形条件の改善を初期に行うことが好ましい。【0048】(プレス成形用ガラス素材の製造方法)上記本発明の製造方法で得られたガラス塊は、そのままプレス成形用ガラス素材とすることができる。即ち、上記本発明の製造方法により製造されたガラス塊を加熱、軟化し、プレス成形して、ガラス成形品を製造することができる(請求項5)。ガラス塊を加熱軟化し、プレス成形する方法は、公知の方法をそのまま利用することができる。上記プレス成形のための加熱軟化は、アニールを施さず、成形したままのガラス塊(ホットサンプルと呼ぶことがある)に対して行うことも、アニールによって歪みを低減したガラス塊(エンドサンプルと呼ぶことがある)に対して行うこともできる。さらに、アニールによって歪みを低減した後に、さらに表面を研磨し、重量調整を行った後に、上記プレス成形のための加熱軟化を行う(即ち、プレス成形用ガラス素材とする)こともできる。【0049】一般に、モールドオプティクス成形のように非球面レンズなどの光学素子をプレス成形により直接成形できる精密プレス成形用のガラス塊(プリフォーム)の表面は滑らかで欠陥がなく、プレス成形後に、研削、研磨を施されることはない。この場合、ガラス塊の重量は実際に精密プレス成形により得られるガラス成形品の重量と厳密に等しくなるように設定される。さらに、この場合のガラス塊(プリフォーム)は、溶融ガラスから成形された後に研磨加工を施されることなくプレス成形用のプリフォームとして、加熱軟化される。【0050】それに対して、アニールによって歪みを低減した後に、さらに表面を研磨し、重量調整を行う場合、表面の研磨は、バレル研磨などによって行うことができる。表面研磨によって、ガラス塊の重量は目的とするプレス成形品の重量に合わされ、表面が粗面化される。このようにして得られたプレス成形用ガラス素材は、加熱軟化されてプレス成形型によりプレス成形される。さらにプレス成形されて得られた成形品は、プレス後、研削研磨により光学素子に仕上げられる。【0051】なおプレス成形用ガラス素材を作製するために用いられるガラス塊の寸法は、プレス成形型にセットできる外径を有するガラス塊から選定すればよい。【0052】表面研磨によって粗面化されたプレス成形用ガラス素材の内部をそのまま観察することは困難であるが、上記のようにマッチングオイル中に浸漬することにより、観察は可能である。ただし、表面研磨前の自由表面を有するガラス塊の観察と比べれば、検査精度が低下するので、成形条件へのフィードバックを目的とした内部検査は勿論のこと、品質保証を目的とした内部検査も表面研磨前に行うことが好ましい。【0053】プレス成形用ガラス素材は、回転対称軸を含む任意の断面の輪郭を構成する各点における接線について、回転対称軸と交わるガラス塊の両極では前記接線が回転対称軸に対して垂直であり、両極から離れて行くにつれて、前記接線と回転対称軸のなす角度(内角の角度)が単調に減少し、ガラス塊の外径を構成する部分においては前記接線が回転対称軸と平行になるプレス成形用ガラス素材であることが好ましい。さらにプレス成形用ガラス素材は、自由表面を有するプレス成形用ガラス素材、光学ガラスからなるプレス成形用ガラス素材、表面研磨が粗面化研磨であるプレス成形用ガラス素材、表面研磨がバレル研磨されたプレス成形用ガラス素材が好ましい。【0054】(プレス成形用ガラス素材のプレス成形、光学素子の製造方法)前記のようにして得られたプレス成形用ガラス素材(ガラス塊を研磨してかられた素材)は、加熱、軟化してレンズブランクやレンズなどにプレス成形することができる。モールドオプティクス成形などの精密プレス成形の場合、プレス成形型の酸化防止などのため、窒素ガスなどの非酸化性雰囲気中でプレス成形を行う。また、レンズブランクのようにプレス成形後、成形品を研削、研磨する場合は、加熱、軟化、プレス成形を大気中で行うことができる。【0055】本発明のガラス成形品の製造方法として好ましい形態には、ノズルから供給される溶融ガラスを、成形型で受けて成形し且つ徐冷してガラス塊を製造するガラス塊形成工程と、大気雰囲気下でこのガラス塊を104〜106ポアズの粘性に再加熱し、成形型でプレス成形するプレス工程とを含む。【0056】このような形態であって、次のような形態がさらに好ましい。(1)ガラス塊形成工程の溶融ガラスは30〜2ポアズの粘性とする形態、(2)ガラス転移点Tgが580℃以上のガラスを用いる形態、(3)ガラス塊に粗面研磨加工を施し、該ガラス塊表面に粉末状の離型剤を形成してプレス成形を行う形態、(4)溶融ガラスは、その粘性と降下切断の降下条件とによって重量管理がされている形態、(5)ガラス塊製造工程は、連続して供給される溶融ガラスを、順次、所定温度に加熱され且つ連続して供給される成形型で受け取り、成形してガラス塊を形成する形態、(6)溶融ガラスは、成形型上で浮上又は略浮上された状態でガラス塊に成形される形態、(7)溶融ガラスの切断時間は1.0秒以下である形態とその任意の組合わせの形態がある。【0057】精密プレス成形では、研磨加工をしなくても非球面レンズなどの光学素子をプレス成形により作製することが可能である。レンズブランクなどのプレス成形品は研削、研磨加工によってレンズなどに仕上げられる。【0058】本発明の検査方法による内部品質の検査を、プレス成形によって得られたプレス成形品や、プレス成形品を研削、研磨して得られる光学素子を対象に行うこともできる。得られたレンズなどの表面には反射防止膜のような光学薄膜を形成することもできる。【0059】(ダイレクトプレス成形)これまでの成形方法は、溶融ガラスからガラス塊を成形し、そのガラス塊からプレス成形用素材を作製し、その素材を再度、加熱、軟化してからプレス成形するというものであった。溶融ガラスが軟化状態にある間に、プレス成形型でプレス成形してレンズブランクのような成形品を作製するダイレクトプレス成形と呼ばれる方法もある。【0060】即ち、本発明は、流出パイプより溶融ガラスを流出し、流出した溶融ガラスを成形型により受けてプレス成形することを含むガラス成形品の製造方法を包含する(請求項6及び7)。本発明のガラス成形品の製造方法の第1の態様では、ガラス成形品の製造に先立って、内部品質検査用ガラス成形品をプレス成形し、成形したガラス成形品の内部品質を検査し、得られた検査結果に基づいて、前記溶融ガラスの流出条件及び/又はガラス成形品のプレス成形条件を設定する。また、本発明のガラス成形品の製造方法の第2の態様では、製造されたガラス成形品をサンプリングし、サンプリングしたガラス成形品の内部品質を検査し、得られた検査結果に基づいて、前記溶融ガラスの流出条件を維持若しくは変更し、及び/又は前記ガラス成形品のプレス成形条件を維持若しくは変更する。いずれの態様においても、内部品質の検査は、液体中に浸漬したガラス成形品に、前記液体の外部から照明光を照射し、かつ前記ガラス成形品を透過した照明光を前記液体の外部にて観察することを含む方法により行われる。さらに、前記内部品質の検査は、前記照明光が、液体と接触する透明部材を介して液体に入射し、前記ガラス塊を透過した照明光が、液体と接触する透明部材を介して液体の外部に出射し、かつ前記観察が、前記照明光の進行方向に対するガラス成形品の向きを少なくとも1回変えて行われることが、好ましい。即ち、前記内部品質の検査を、本発明の検査方法で行うことが好ましい。上記ガラス成形品の製造方法により、光学素子ブランクを成形し、得られたブランクを研削、研磨して光学素子を作製することもできる。【0061】ダイレクトプレス成形では、溶融ガラスを下型で直接受けたり、溶融ガラスを受け型で受けてから、下型に移して、下型上の軟化ガラスを対向する上型を含むプレス成形型でプレス成形する。ダイレクトプレス成形でも、アニール前の成形品をホットサンプル、アニールされた成形品をホットサンプルと呼ぶ。ホットサンプル、エンドサンプルの少なくとも一方をサンプリングして上記の内部検査により脈理などの内部欠陥の有無を確認する。脈理などが見られた場合は、ガラス塊の成形で説明したように、溶融ガラスを供給する流出パイプの温度などの成形条件を調整して脈理の発生を抑えるフィードバックをかける。このようにして脈理や失透などの欠陥のないプレス成形品を作る。成形条件へのフィードバック用としては、成形品の内部を速やかに検査し、その結果を成形条件に迅速にフィードバックするためにホットサンプルをサンプリングして検査することが望ましい。この場合も成形開始時の成形条件を設定するため、まず検査用ガラス成形品をプレス成形し、その成形品の内部品質を上記のように検査して、その結果に基づいて成形条件を設定するようにしてもよい。【0062】成形品はアニールされた後に、研削、研磨加工されたレンズなどの光学素子に仕上げられる。得られた光学素子に対しても上記内部検査を適用できる。得られた光学素子の表面には必要に応じて反射防止膜などの光学薄膜を設けることもできる。以上のように、各段階においてガラスの内部検査を迅速に実行できるので、光学ガラス製品の内部品質保証だけでなく、内部検査結果を成形条件に速やかにフィードバックして歩留まりを上げることができる。尚、プレス成形用ガラス素材、プレス成形品の検査では、量産された前記素材や成形品から、適宜、検査用サンプルを取り出して、本発明の方法で検査し、量産品(ロット)全体の品質保証を行うこともできる。そのため、このような検査方法は、前記素材や成形品の製造方法であると考えることもできる。【0063】【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。(実施例1〜3)SiO2−TiO2系光学ガラスが得られる溶融ガラスを連続流出し、図3、4に示す装置を用いて1つの回転対称軸を有するガラス塊に成形した。成形開始とともにアニール炉へと移送される前のガラス塊を抜き取り、図1に示した装置を用い、ガラス塊をピンセットで転がしながらその内部を観察、脈理の有無を確認した。マッチングオイルには、カーギール(CARGILLE)製標準屈折液を使用し、照明光源には白色ランプを使用した。尚、上記ガラスの比重は3〜6の範囲であり、マッチングオイルの比重は1〜4の範囲である。このとき、ガラスの比重をマッチングオイルの比重より大きくなるように組み合わせた。このようにすることにより、ガラス塊が浮上、浮遊し、検査効率を低下させてしまうのを防ぐことができる。【0064】脈理が発見されず、ガラスの失透も見られない場合は、成形条件を初期の設定に保つ。脈理が観察された場合、成形条件を変更し、成形が安定した時点で上記のようにホットサンプルを抜き取り、内部検査を行い、脈理が解消したのを確認して内部品質の優れたガラス塊を量産した。表1には、ガラス塊の重量、外径(回転対称軸と直交する径方向の寸法)、ガラス塊の縦横比(回転対称軸方向の寸法/外径)、ガラスの屈折率とマッチングオイルの屈折率、最初の内部検査結果、検査結果のフィードバックにより調整した成形条件とその調整内容、調整後のガラス塊の内部品質を示す。なお、ガラスの屈折率、マッチングオイルの屈折率とも波長587.56nmにおける値である。参考までに観察される代表的な脈理の概観を模式的に描いたものを図5として示す。【0065】【表1】【0066】このようにいずれの場合も、ガラス塊の内部検査結果より成形条件へフィードバックをかけることにより、内部品質の優れたガラス塊を確実に製造できる。なお、成形開始時にまず検査用ガラス塊を成形し、その検査用ガラス塊の内部品質を上記のように検査してその結果に基づき成形条件を設定し、成形を開始してもよい。成形条件の設定は上記成形条件へのフィードバックと同様の方法を適用できる。【0067】成形されたガラス塊はアニール炉へと移送され、アニールされた後に、重量、外径、硝種の組み合わせによって分類された品名ごとにストックされる。そして、レンズブランクの需要が生じたときに、そのブランクの成形に適した品名のガラス塊が必要数、バレル研磨によって重量調整され、プレス成形用ガラス素材となる。【0068】プレス成形用ガラス素材は大気中で再度、加熱、軟化され、上型および下型を備えたプレス成形型でプレス成形され、レンズブランクになる。レンズブランクはアニールされた後、研削、研磨加工が施されてレンズに仕上げられる。レンズ表面には必要に応じて反射防止膜などの光学薄膜を設けてもよい。なお、ガラスの内部品質検査は、品質保証等を目的として、ガラス塊のエンドサンプル、プレス成形用ガラス素材、プレス成形品、最終製品である光学素子の各段階で行うことができる。【0069】同様の方法は精密プレス成形用ガラス素材(プリフォーム)の成形およびそのプリフォームを用いた精密プレス成形にも適用できる。その場合、ガラス塊にバレル研磨などの研磨加工を施さず、実際に精密プレス成形されるガラスの重量と等しい重量のガラス塊を成形し、プリフォームとする。なお、内部品質検査方法や内部品質検査のためのガラス塊や検査用ガラス塊のサンプリング、内部品質検査結果の成形条件へのフィードバック(成形開始時の成形条件の設定も含む)は上述の方法と同じである。尚、同様にして、球状のプリフォームも製造することができる。【0070】(実施例4〜6)実施例1〜3に対応する成形を行い、図2に示す装置を用いてホットサンプルの内部検査を行い、成形条件に実施例1〜3と同様のフィードバックをかけて内部品質の優れたガラス塊を量産した。ガラス塊の内部検査では、マグネットスターラー上にガラス塊を置き、容器外部から磁界を印加して、回転対称軸のまわりにガラス塊を回転して、多方向から脈理の有無を見た。得られたガラス塊を実施例1〜3と同様にプレス成形用ガラス素材に加工し、加熱、軟化、プレス成形してレンズブランクを作り、アニール後、研削、研磨を施してレンズに仕上げた。【0071】ガラスの内部品質検査は、品質保証等を目的として、図1または図2に示す装置をガラス塊のエンドサンプル、プレス成形用ガラス素材、プレス成形品、最終製品である光学素子の各段階で行うことができる。また、成形開始時にまず検査用ガラス塊を成形し、その内部品質を上記のように検査してその結果に基づき成形条件を設定して成形を開始してもよく、成形条件の設定は成形条件へのフィードバックを同じ方法を適用することができる。【0072】(実施例7〜9)次に、SiO2−TiO2系光学ガラスが得られる溶融ガラスを連続流出し、ダイレクトプレス成形によりレンズブランクを作製した。成形開始後、ホットサンプルを抜き取り、図1に示す装置を用い、プレス成形品の内部を多方向から観察した。なお、実施例7においては、下型上のガラスゴブを上方から金型で押圧して、ガラスゴブ上部の熱を奪ってゴブの総熱量を減少させた後、下型と上型でプレス成形を行った。プレス成形前に上方から金型で押圧することを本実施例では仮押しと呼ぶ。【0073】検査により、脈理が発見されず、ガラスの失透も見られない場合は、成形条件を初期の設定に保つ。脈理が観察された場合、成形条件を変更し、成形が安定した時点で上記のようにホットサンプルを抜き取り、内部検査を行い、脈理が解消したのを確認して内部品質の優れたガラス塊を量産した。表2には、ガラスの屈折率とマッチングオイルの屈折率、最初の内部検査結果、検査結果のフィードバックにより調整した成形条件とその調整内容、調整後のプレス成形品の内部品質を示す。尚、実施例7〜9についても、ガラスの比重よりも大きな比重のマッチングオイルを使用した。【0074】このようにいずれの場合も、プレス成形品の内部検査結果より成形条件へフィードバックをかけることにより、内部品質の優れたレンズブランクなどのプレス成形品を確実に製造できる。また、成形開始時にまず検査用ガラス成形品を成形し、その内部品質を上記のように検査してその結果に基づき成形条件を設定して成形を開始してもよく、成形条件の設定は成形条件へのフィードバックを同じ方法を適用することができる。プレス成形品はアニール炉へと移送され、アニールされた後に、研削、研磨加工が施されてレンズに仕上げられる。レンズ表面には必要に応じて反射防止膜などの光学薄膜を設けてもよい。なお、ガラスの内部品質検査は、品質保証等を目的として、プレス成形品のエンドサンプル、最終製品である光学素子の各段階で行うことができる。【0075】【表2】【0076】【発明の効果】本発明のガラス塊の検査方法によれば、迅速かつ確実にガラス塊の内部品質を検査できる。また、本発明のガラス塊の製造方法、ガラス成形品の製造方法によれば、上記検査方法を用いて、ガラス塊あるいはガラス成形品の製造過程で成形品に内部欠陥がないか迅速かつ確実に検査し、この検査結果に基づき成形条件を設定してガラス塊やガラス成形品の成形を開始したり、検査結果を成形条件にフィードバックすることにより、良品を安定して量産できるガラス塊あるいはガラス成形品を製造することができる。さらに、本発明の光学素子の製造方法によれば、上記方法で得られたガラス成形品より優れた内部品質を有する光学素子を安定して製造することができる。加えて、本発明のプレス成形用ガラス素材によれば、容易に内部品質検査ができるとともに、プレス成形素材として好適なプレス成形用ガラス素材を提供することができる。【図面の簡単な説明】【図1】ガラス塊の内部品質検査装置【図2】ガラス塊の内部品質検査装置【図3】本発明の製造方法で使用する成形装置の平面図。【図4】本発明の製造方法で使用する成形装置の側面図。【図5】観察される代表的な脈理の概観を模式的に描いた図。 流出パイプより溶融ガラスを連続的に流出し、流出した溶融ガラスを連続的にガラス塊に成形することを含むガラス塊の製造方法であって、 前記ガラス塊は、光学ガラスからなるプレス成形用ガラス素材であり、 前記ガラス塊の連続的な成形を開始する前に、内部品質検査用ガラス塊を成形し、成形したガラス塊の内部品質を検査し、得られた検査結果に基づいて、前記溶融ガラスの流出条件及び/又はガラス塊の成形条件を設定すること、並びに 前記内部品質の検査は、液体中に浸漬したガラス塊に、前記液体の外部から照明光を照射し、かつ前記ガラス塊を透過した照明光を前記液体の外部にて観察することを含む方法により行われ、かつ、 前記観察は、前記照明光の進行方向に対するガラス塊の向きを少なくとも1回変えて多方向から行われることを特徴とするガラス塊の製造方法。 流出パイプより溶融ガラスを連続的に流出し、流出した溶融ガラスを連続的にガラス塊に成形することを含むガラス塊の製造方法であって、 前記ガラス塊は、光学ガラスからなるプレス成形用ガラス素材であり、 製造されたガラス塊をサンプリングし、サンプリングしたガラス塊の内部品質を検査し、得られた検査結果に基づいて、前記溶融ガラスの流出条件を維持若しくは変更し、及び/又は前記ガラス塊の成形条件を維持若しくは変更するフィードバックを行うこと、並びに 前記内部品質の検査は、液体中に浸漬したガラス塊に、前記液体の外部から照明光を照射し、かつ前記ガラス塊を透過した照明光を前記液体の外部にて観察することを含む方法により行われ、かつ、 前記観察は、前記照明光の進行方向に対するガラス塊の向きを少なくとも1回変えて多方向から行われることを特徴とするガラス塊の製造方法。 前記ガラス塊が球状であることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス塊の製造方法。 前記ガラス塊が、1つの回転対称軸を有し、回転対称軸に直交する径方向の長さに対する回転対称軸方向の長さの割合が0.7以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス塊の製造方法。 前記内部品質の検査は、前記照明光が、液体と接触する透明部材を介して液体に入射し、前記ガラス塊を透過した照明光が、液体と接触する透明部材を介して液体の外部に出射し、かつ前記観察が、前記照明光の進行方向に対するガラス塊の向きを少なくとも1回変えて行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス塊の製造方法。 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法により製造されたガラス塊を加熱、軟化し、プレス成形することを特徴とするガラス成形品の製造方法。 流出パイプより溶融ガラスを連続的に流出し、流出した溶融ガラスを成形型により受けてプレス成形することを含むガラス成形品の製造方法であって、 前記ガラス成形品は、光学素子ブランクであり、 ガラス成形品の製造に先立って、内部品質検査用ガラス成形品をプレス成形し、成形したガラス成形品の内部品質を検査し、得られた検査結果に基づいて、前記溶融ガラスの流出条件及び/又はガラス成形品のプレス成形条件を設定すること、並びに 前記内部品質の検査は、液体中に浸漬したガラス成形品に、前記液体の外部から照明光を照射し、かつ前記ガラス成形品を透過した照明光を前記液体の外部にて観察することを含む方法により行われ、かつ、 前記観察は、前記照明光の進行方向に対するガラス塊の向きを少なくとも1回変えて多方向から行われることを特徴とするガラス成形品の製造方法。 流出パイプより溶融ガラスを連続的に流出し、流出した溶融ガラスを成形型にてプレス成形することを含むガラス成形品の製造方法であって、 前記ガラス成形品は、光学素子ブランクであり、 製造されたガラス成形品をサンプリングし、サンプリングしたガラス成形品の内部品質を検査し、得られた検査結果に基づいて、前記溶融ガラスの流出条件を維持若しくは変更し、及び/又は前記ガラス成形品のプレス成形条件を維持若しくは変更するフィードバックを行うこと、並びに 前記内部品質の検査は、液体中に浸漬したガラス成形品に、前記液体の外部から照明光を照射し、かつ前記ガラス成形品を透過した照明光を前記液体の外部にて観察することを含む方法により行われ、かつ、 前記観察は、前記照明光の進行方向に対するガラス塊の向きを少なくとも1回変えて多方向から行われることを特徴とするガラス成形品の製造方法。 前記内部品質の検査は、前記照明光が、液体と接触する透明部材を介して液体に入射し、前記ガラス塊を透過した照明光が、液体と接触する透明部材を介して液体の外部に出射し、かつ前記観察が、前記照明光の進行方向に対するガラス成形品の向きを少なくとも1回変えて行われることを特徴とする請求項7または8に記載の製造方法。 請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法により、光学素子ブランクを成形し、前記ブランクを研削、研磨して光学素子を作製する光学素子の製造方法。 内部品質を検査する対象であるガラス塊を浸漬するための液体を収容するための容器、 前記ガラス塊に照明光を照射するための照明手段、及び 液体に浸漬されたガラス塊の、前記照明光の進行方向に対するガラス塊の向きを変えるための手段を含み、かつ 前記容器は、前記照明光が入射するための入射窓と、該入射窓から入射した照明光を出射するための出射窓とを、容器に収容される液体と接触し得る位置にそれぞれ有し、かつ、 前記照明光の進行方向に対するガラス塊の向きを少なくとも1回変えて、ガラス塊を透過した照明光の観察を多方向から行うために用いられることを特徴とする、請求項1〜5、7〜9のいずれか1項に記載の製造方法に使用されるガラス塊の内部品質検査装置。


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