タイトル: | 特許公報(B2)_ポリエチレングリコール部分を有するポリマーの実質上単分散である混合物を合成する方法 |
出願番号: | 2001315392 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | C08G 65/08,C07C 41/16,C07C 43/13,C07C 67/31,C07C 69/708 |
ヌノキリ・エヌ・エクウリベ クリストファー・エイチ・プライス アスラム・エム・アンサリ エイミイ・エル・オーデンボウ JP 4463454 特許公報(B2) 20100226 2001315392 20011012 ポリエチレングリコール部分を有するポリマーの実質上単分散である混合物を合成する方法 バイオコン・リミテッド 506292941 奥山 尚一 100099623 有原 幸一 100096769 松島 鉄男 100107319 ヌノキリ・エヌ・エクウリベ クリストファー・エイチ・プライス アスラム・エム・アンサリ エイミイ・エル・オーデンボウ US 09/873731 20010604 20100519 C08G 65/08 20060101AFI20100422BHJP C07C 41/16 20060101ALI20100422BHJP C07C 43/13 20060101ALI20100422BHJP C07C 67/31 20060101ALI20100422BHJP C07C 69/708 20060101ALI20100422BHJP JPC08G65/08C07C41/16C07C43/13C07C67/31C07C69/708 C08G 65/08 C07C 41/16 C07C 43/13 C07C 67/31 C07C 69/708 特開平10−045651(JP,A) 特表2000−513647(JP,A) 特開平10−168178(JP,A) 特表平09−508926(JP,A) 国際公開第97/006202(WO,A1) 22 2003138004 20030514 18 20041012 松岡 弘子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、ポリマー化合物の合成法、特に、ポリエチレングリコール部分を含むポリマー化合物を合成する方法に関する。【0002】【従来の技術】ポリエチレングリコール(PEG)は、可塑剤、柔軟剤、保湿剤、軟膏、艶出し剤、ペーパーコーティング、離型剤、化粧品及び医薬品用のベース、溶剤、結合剤、金属及びゴム加工剤、食品添加物及び動物飼料用添加物を含む多種多様の用途に(これらに限定されないが)使用される。医薬品用途における、PEGの特定の使用は、例えばPEG−薬剤結合物(drug conjugate)の製造、新生児呼吸困難症候群の治療、機能性及び/又は慢性便秘症の治療、小児の大便失禁の治療及び胃腸病の診断及び治療を含む。【0003】PEGは、典型的には、エチレンオキシドを塩基触媒により開環重合させて製造する。反応は、触媒として水酸化カリウムを用いて、エチレングリコールにエチレンオキシドを添加することにより開始される。この工程は、所定の分子量範囲内の分子量を有するポリエチレングリコールポリマーの多分散混合物を生じる。例えば、Sigma-Aldrich of Milwaukee,Wisconsinが販売するPEG製品は、多分散混合物、例えば、PEG400(Mn380〜420);PEG1000(Mn950〜1050);PEG1500(Mn1400〜1600)及びPEG2000(Mn1900〜2200)で提供される。【0004】J.Milton Harris,Laboratory Synthesis of Polyethylene Glycol Derivatives,25(3) Rev.Macromol.Chem.Phys.325〜373(1985)では、PEGのモノメチルエーテル(メチル末端PEG又はmPEGとしても公知である)の合成について論議されている。この参照文は、mPEGが、メトキシ末端基をもたないPEGを重大な量(サイズ排除クロマトグラフィーから、ほぼ25%)で含有することを述べている。このPEG「不純物」は、重合過程に存在する水から生じ得る。塩基性条件下では、水酸化物が生成され、これは、エチレンオキシドモノマーと反応して、PEGを生じる。水酸化物開始PEG鎖は、両端で成長し得るが、他方、メトキシド開始鎖は、一端のみで成長し得るので、生じた混合物は、PEGの場合に比較して、より広い分子量分布を有する。【0005】これらのPEG及び/又はmPEGの多分散混合物は、幾つかの用途に有用であるが、ポリマーの物理的特性は、ポリマーの長さにより変化し得る。従って、多分散混合物は、特定の物理的特性を要するある種の用途には好適とはいえない。更に、市販のPEG及びmPEGの不均質性は、分光学的分析、物理化学的特徴づけ及び薬物動態学分析を複雑にし得る。結果として、PEG及び/又はmPEGの単分散混合物を提供するのが好ましい。【0006】PEG及び/又はmPEGポリマーの単分散混合物は、種々の有機合成ルートにより提供され得る。例えば、Yiyan Chen & Gregory L.Baker,Synthesis and Properties of ABA Amphiphiles,64J.Org.Chem.6870〜6873(1999)では、次の図式が提案されている:【化1】【0007】この合成ルートは、好ましくない反応条件、例えば、PEGポリマーを実際に分解し得る高温の使用に加えて、必要とされる段階の数のために、不都合といえる。更に、出発物質が常に反応混合物中に存在し得るので、生成物を精製するのが困難なこともある。【0008】Gerard Coudert et al,.A Novel,Unequivocal Synthesis of Polyethlene Glycols,Synthetic Communications,16(1):19〜26(1986)では、次の合成ルートが、提案されている:【化2】【0009】この合成ルートは、mPEGをもたらさない好ましくない反応条件のために、不都合といえる。【0010】結果として、より有効で、また、そのような好ましくない反応条件を必要としない、PEG、mPEG及び/又はPEG部分含有ポリマーを合成するための新規ルートを提供することが望ましい。【0011】【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、より有効で、また、前記のような好ましくない反応条件を必要としない、PEG、mPEG及び/又はPEG部分含有ポリマーを合成するための新規ルートを提供することである。【0012】【課題を解決するための手段】本発明の態様により、ポリエチレングリコール部分を含むポリマーの実質上単分散混合物を合成する方法は、式I:R1(OC2H4)n−O-X+ (I)[式中、R1は、H又は親油基であり、nは、1〜25であり、X+は、陽イオンである]の構造を有する化合物の実質上単分散混合物と、式II:R2(OC2H4)m−OMs (II)[式中、R2は、H又は親油基であり、mは、1〜25である]の構造を有する化合物の実質上単分散混合物とを、ポリエチレングリコール部分を含み、式III:R2(OC2H4)m+n−OR1 (III)の構造を有するポリマーの実質上単分散混合物を生じるのに十分な条件下で、反応させることを含む。【0013】本発明の態様による方法は、PEGの実質上単分散混合物、mPEGの実質上単分散混合物及び/又はPEG部分を含むポリマーの実質上単分散混合物を合成する、より有効なルートを提供することができる。本発明の方法では、PEGポリマーを合成する慣用法に比較して、段階の数及び/又は全合成時間がより少ない。本発明の方法は、慣用法で使用されるよりも穏やかな反応条件を使用することもできる。【0014】本発明を、ここに記載の好ましい態様に関して記載するつもりである。しかしながら、これらの態様は、本発明の説明を目的とし、クレームにより定義された本発明の範囲を限定するものではないことを、認識すべきである。【0015】ここで使用されるように、用語「非多分散」は、Sigma-Aldrich of Milwaukee,Wisconsinにより販売のPEG生成物の多分散混合物、例えば、PEG400(Mn380〜420);PEG1000(Mn950〜1050);PEG1500(Mn1400〜1600)及びPEG2000(Mn1900〜2200)と対照的な分散性を有する化合物の混合物を記述するのに使用される。【0016】ここで使用されるように、用語「実質上単分散」は、混合物中の少なくとも約95%の化合物が、同じ分子量を有する化合物の混合物を記述するのに使用される。【0017】ここで使用されるように、用語「単分散」は、混合物中のほぼ100%の化合物が同じ分子量を有する化合物の混合物を記述するのに使用される。【0018】ここで使用されるように、用語「重量平均分子量」は、混合物中の各分子の分子質量に混合物中の所定の分子の重量フラクション(weight fraction)をかけた積の合計として定義される。「重量平均分子量」は、記号Mwで表される。【0019】ここで使用されるように、用語「数平均分子量」は、混合物の全重量を混合物中の分子の数で割ったものとして定義され、記号Mnで表される。【0020】ここで使用されるように、用語「PEG」は、直鎖又は分枝鎖のポリエチレングリコールポリマーとみなされ、ポリエチレングリコールのモノメチルエーテル(mPEG)を含む。用語「PEGサブユニット」及びポリエチレングリコールサブユニットは、単一ポリエチレングリコール単位、即ち−(CH2CH2O)−を表す。【0021】ここで使用されるように、用語「親油性」は、脂質への溶解性及び/又は浸透性を意味し、生物膜との相互作用及び/又は生物膜を通過することを意味する。用語「親油基」又は「親油」は、親油性である基及び/又は他の化学的要素に結合している場合には、そのような化学的要素の親油度を増加させる基を意味する。親油基の例は、アルキル、脂肪酸、脂肪酸のエステル、コレステリル、アダマンチル等々を含むが、これらに限定されるものではない。【0022】ここで使用されるように、用語「低級アルキル」は、炭素原子1〜5個を有する置換又は非置換アルキル基を表す。【0023】ここで使用されるように、用語「高級アルキル」は、炭素原子6個以上を有する置換又は非置換アルキル基を表す。【0024】本発明の態様により、ポリエチレングリコール部分を含むポリマーの実質上単分散混合物は、反応1:【化3】で図示されるようにして提供される。【0025】R1は、H又は親油基である。R1は、有利に、H、アルキル、アリールアルキル、芳香族基、脂肪酸基、脂肪酸基のエステル、コレステリル又はアダマンチルである。R1は、更に有利に、H、低級アルキル又は芳香族基である。R1は、最も有利に、H、メチル又はベンジルである。【0026】nの値は、1〜25である。有利には、nは1〜6である。【0027】X+は、陽イオンである。有利には、X+は、強塩基のような化合物中の任意の陽イオンであり、これはPEGのヒドロキシル基をイオン化できる。陽イオンの例は、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、セシウムイオン及びタリウムイオンを含むが、これらに限定されるものではない。【0028】R2は、H又は親油基である。R2は、有利に、分枝又は線状アルキル、アリールアルキル、芳香族基、脂肪酸基又は脂肪酸基のエステルである。R2は、更に有利に、低級アルキル、ベンジル、炭素原子1〜24個を有する脂肪酸基又は炭素原子1〜24個を有する脂肪酸基のエステルである。R2は、最も有利に、メチル、炭素原子1〜18個を有する脂肪酸基又は炭素原子1〜18個を有する脂肪酸基のエチルエステルである。【0029】mの値は、1〜25である。有利には、mは1〜6である。【0030】 Msは、メシラート基(即ち、CH3S(O2)−)である。【0031】反応1で説明されるように、式Iの構造を有する化合物の混合物は、式IIの構造を有する化合物の混合物と反応して、ポリエチレングリコール部分を含み、式IIIの構造を有するポリマーの混合物を生じる。式Iの構造を有する化合物の混合物は、実質上単分散混合物である。有利には、式Iの化合物の混合物中の少なくとも96、97、98又は99%の化合物が同じ分子量を有し、更に有利には、式Iの化合物の混合物は単分散混合物である。式IIの化合物の混合物は、実質上単分散混合物である。有利には、式IIの化合物の混合物中の少なくとも96、97、98又は99%の化合物が同じ分子量を有し、更に有利には、式IIの化合物の混合物は単分散混合物である。式IIIの化合物の混合物は、実質上単分散混合物である。有利には、式IIIの化合物の混合物中の少なくとも96、97、98又は99%の化合物が同じ分子量を有する。更に有利には、式IIIの化合物の混合物は単分散混合物である。【0032】反応1は、有利には、約0℃〜40℃、更に有利には、約15℃〜約35℃で実施され、最も有利には、室温(ほぼ25℃)で実施される。【0033】反応1は、当業者に理解されるように、種々の時間にわたり実施することができる。反応1は、有利には、約0.25、0.5又は0.75時間から約2.4時間又は8時間までの間、実施される。【0034】反応1は、有利には、中性溶媒、例えばN,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、トルエン、ベンゼン、ヘキサン、ペンタン、N−メチルピロリジノン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン又はこれらの混合物中で実施されるが、中性溶媒はこれに限定されない。溶媒は、DMF、DMA又はトルエンであるのが更に有利である。【0035】式Iの化合物の式IIの化合物に対するモル比は、有利には、約1:1より大である。更に有利には、モル比は、少なくとも約2:1である。式Iの化合物を過剰に供給することにより、式IIの化合物は、確実に、実質的に全て反応することができ、このことは、後に記載されるように、式IIIの化合物の回収を促進することができる。【0036】式Iの化合物は有利には反応2:【化4】に示されるようにして製造される。【0037】R1及びX+は、前記のものを表し、式IVの化合物の混合物は、実質上単分散であり、有利には、式IVの化合物の混合物中の少なくとも96、97、98又は99%の化合物が同じ分子量を有し、更に有利には、式IVの化合物の混合物は単分散混合物である。【0038】式IVの化合物のPEG部分のヒドロキシル基をイオン化できる種々の化合物は、当業者に公知であろう。ヒドロキシル基をイオン化できる化合物は、有利には強塩基である。さらに有利には、ヒドロキシル基をイオン化できる化合物は、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシド、ブチルリチウム(BuLi)及びリチウムジイソプロピルアミンからなる群から選択される。ヒドロキシル基をイオン化できる化合物は、更に有利には、水素化ナトリウムである。【0039】式IVの化合物のPEG部分のヒドロキシル基をイオン化し得る化合物の、式IVの化合物に対するモル比は、有利に、少なくとも約1:1、更に有利に少なくとも2:1である。ヒドロキシル基をイオン化し得る化合物を過剰に供給することにより、式IVの化合物の実質的に全てが反応して、確実に、式Iの化合物を生じる。従って、反応生成物の混合物中に式IVの化合物及び式Iの化合物の両方が存在する場合に起こり得る、分離の困難さを回避することができる。【0040】反応2は、有利に約0℃〜約40℃、更に有利に約0℃〜約35℃、最も有利に約0℃〜室温(ほぼ25℃)で実施する。【0041】反応2は、当業者に理解されるように、種々の時間に渡り実施することができる。反応2は、有利には、約0.25、0.5又は0.75時間から約2.4時間又は8時間までの間、実施する。【0042】反応2は、有利には、中性溶媒、例えばN,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、トルエン、ベンゼン、ヘキサン、ペンタン、N−メチルピロリジノン、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン又はこれらの混合物中で実施されるが、中性溶媒はこれに限定されない。溶媒は、DMF、ジクロロメタン又はトルエンであるのが更に有利である。【0043】式IIの化合物は、有利には、反応3:【化5】で図示されるように製造されるのが有利である。【0044】R2及びMsは、前記のものを表し、式Vの化合物は、式Vの化合物の実質上単分散混合物として存在する。有利には、式Vの化合物の混合物中の少なくとも96、97、98又は99%の化合物が同じ分子量を有し、更に有利には、式Vの化合物の混合物は単分散混合物である。【0045】Qは、ハロゲン化物、有利に塩化物又はフッ化物である。【0046】CH3S(O2)Qは、ハロゲン化メタンスルホニルである。ハロゲン化メタンスルホニルは、有利に、メタンスルホニルクロリド又はメタンスルホニルフルオリドである。更に有利には、ハロゲン化メタンスルホニルは、メタンスルホニルクロリドである。【0047】ハロゲン化メタンスルホニルの式Vの化合物に対するモル比は、有利に、約1:1より大きく、更に有利に少なくとも約2:1である。ハロゲン化メタンスルホニルを過剰に供給することにより、式Vの化合物の実質的に全てが反応して、確実に式IIの化合物を生じる。従って、反応生成物の混合物中に式Vの化合物及び式IIの化合物の両方が存在する場合に起こり得る、分離の困難さを回避することができる。【0048】反応3は、有利に約−10℃〜約40℃、更に有利に約0℃〜約35℃、最も有利に約0℃〜室温(ほぼ25℃)で実施する。【0049】反応3は、当業者に理解されるように、種々の時間に渡り実施することができる。反応3は、有利には、約0.25、0.5又は0.75時間から約2.4時間又は8時間までの間にわたり、実施する。【0050】反応3は、有利には脂肪族アミンの存在下に実施し、脂肪族アミンは、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノ−n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、モノシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン又はこれらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。更に有利には、脂肪族アミンは、第三アミン、例えばトリエチルアミンである。【0051】当業者に理解されるように、式Vの化合物の種々の実質上単分散混合物が市販されている。例えば、R2がH又はメチルである場合、式Vの化合物は、PEG又はmPEGであり、これらは、それぞれ、Aldrich of Milwaukee,Wisconsin;Fluka of Switzerland,and/or TCl America of Portland,Oregonから市販されている。【0052】R2が親油基、例えば高級アルキル、脂肪酸、脂肪酸のエステル、コレステリル又はアダマンチルである場合、式Vの化合物は、当業者に理解される種々の方法により製造することができる。式Vの化合物は、有利に、以下のようにして製造される:【化6】【化7】【0053】R2は親油基、有利に高級アルキル、脂肪酸エステル、コレステリル又はアダマンチル、更に有利に脂肪酸の低級アルキルエステル、最も有利に炭素原子1〜18個を有する脂肪酸のエチルエステルである。【0054】R3はH、ベンジル、トリチル、テトラヒドロピラン又は当業者に理解される他のアルコール保護基である。【0055】X2+は、X+について前記した陽イオンである。【0056】mの値は、前記のものを表す。【0057】反応4に関しては、式VIの化合物の混合物は、反応1について前記したものと同様の反応条件下で、式VIIの化合物の混合物と反応する。式VIの化合物の混合物は、実質上単分散混合物である。有利には、式VIの化合物の混合物中の少なくとも96、97、98又は99%の化合物が同じ分子量を有する。更に有利には、式VIの化合物の混合物は単分散混合物である。式VIIの化合物の混合物は、実質上単分散混合物である。有利には、式VIIの化合物の混合物中の少なくとも96、97、98又は99%の化合物が同じ分子量を有する。更に有利には、式VIIの化合物の混合物は、単分散混合物である。【0058】反応5に関しては、当業者に公知の種々の方法により、式VIIIの化合物は、加水分解されて、R3基をアルコールに変換することができる。R3がベンジル又はトリチルの場合は、当業者に公知のパラジウム−木炭触媒の存在下にH2を利用して、加水分解が有利に実施される。R3がHの場合は、当然、反応5は不必要である。【0059】式VIの化合物は、市販されているか又は反応3に関して前記したようにして製造することができる。式VIIの化合物は、反応2に関して前記したようにして製造することができる。【0060】PEG部分を含み、前記式IIIの構造を有するポリマーの実質上単分散混合物は、更に、PEG部分を含む他の実質上単分散ポリマーと反応し、PEG鎖を伸ばすことができる。例えば、次の図式:【化8】【化9】を使用することができる。【0061】Ms、m及びnは、反応1に関して記載のものである。pは、n及びmと同様のものを表し、X2+は、反応1に関して記載したX+と同様のものを表す。Qは、反応3に関して記載のものを表す。R2は、反応1に関し記載したものであり、有利に低級アルキルである。R1は、Hである。反応6は、有利には、反応3に関する前記の方法と同様の方法で実施する。反応7は、有利に、反応1に関して記載したものと同様の方法で実施する。有利には、式IIIの化合物の混合物中の少なくとも96、97、98又は99%の化合物が同じ分子量を有する。更に有利には、式IIIの化合物の混合物は単分散混合物である。式Xの化合物の混合物は、実質上単分散混合物である。有利には、式Xの化合物の混合物中の少なくとも96、97、98又は99%の化合物が同じ分子量を有する。更に有利には、式Xの化合物の混合物は、単分散混合物である。【0062】本発明の態様は、図1の図式により示され、今から説明する。ポリエチレングリコール含有オリゴマーの実質上単分散混合物の合成は、ポリエチレングリコールの実質上単分散混合物のモノベンジルエーテル(XII)の製造により開始される。Cloudert et al(Synthetic Communications,16(1):19〜26(1986))により記載されるように、市販のポリエチレングリコールの実質上単分散混合物の過剰量を、水酸化ナトリウムの存在下に塩化ベンジルと反応させる。次いで、NaHを添加して、XIIのナトリウム塩を製造し、このナトリウム塩は、ヒドロキシアルカン酸のエステルから合成されたメシラート(XIII)と反応させることができる。メシラートの置換生成物(XIV)は、接触水素添加により脱ベンジル化して、アルコール(XV)を生じる。このアルコールのメシラート(XVI)は、メタンスルホニルクロリドの添加により製造でき、ポリエチレングリコール誘導体の実質上単分散混合物のモノメチルエーテルのナトリウム塩との反応における求電子剤として使用され、この反応により、オリゴマーのポリエチレングリコールの部分が所望の長さにまで伸ばされて、延伸エステル(XVII)が得られる。エステルは、加水分解されて水性塩基中で酸(XVIII)になり、カルボジイミド及びN−ヒドロキシスクシンイミドとの反応により活性化エステル(XIX)に変換される。図1に図示されるオリゴマーは、N−ヒドロキシスクシンイミドを使用して活性化されるが、本発明のオリゴマーを活性化するために、種々の他の試薬を使用できることは、推察可能である。これらの試薬は、活性クロロギ酸フェニル、例えばパラ−ニトロフェニルクロロホルメート、クロロギ酸フェニル、3,4−フェニルジクロロホルメート及び3,4−フェニルジクロロホルメートを含むが、これらに限定されるものではない。トレシル化剤(tresylation)及びアセタール形成剤も含む。【0063】なお、図1に関して、qは、1〜24である。有利には、qは、1〜18、更に有利に、4〜16である。R4は、加水分解を受け、カルボン酸を生じ得る基である。R4は、有利には低級アルキル、更に有利にはエチルである。変数n及びmは、反応1に関する前記のものを表す。【0064】本明細書に記載の方法に使用されるすべての出発物質は、市販のものであるか又は市販の出発物質を使用して公知の方法により製造することができる。【0065】本発明を、以下の実施例に基づき説明する。これらの例は、本発明の態様を説明する目的のためのものであるが、クレームにより定義された本発明の範囲を限定するものではない。【0066】【発明の実施の形態】例1〜例6は、図2に示された図式に関する。【0067】例1ヘキサエチレングリコールモノベンジルエーテル(XX)水4ml中にNaOH3.99g(100mmol)を溶解させて製造した水酸化ナトリウム水溶液を非多分散ヘキサエチレングリコール(28.175g、25ml、100mmol)にゆっくりと添加した。塩化ベンジル(3.9g、30.8mmol、3.54ml)を添加し、反応混合物を撹拌しながら100℃で18時間加熱した。次いで、反応混合物を冷却し、ブライン(250ml)で稀釈し、塩化メチレンで抽出した(200ml×2)。有機層を集めてブラインで1回洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、暗褐色油状物が得られた。粗生成物混合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離剤勾配:酢酸エチル対9/1酢酸エチル/メタノール)により精製し、非多分散XX8.099g(70%)が黄色油状物として得られた。【0068】例2エチル6−メチルスルホニルオキシヘキサノエート(XXI)ドライジクロロメタン(75ml)中のエチル6−ヒドロキシヘキサノエート(50.76ml、50.41g、227mmol)の非多分散溶液を氷浴で冷却し、窒素雰囲気下に置いた。トリエチルアミン(34.43ml、24.99g、247mmol)を添加した。ドライジクロロメタン(75ml)中のメタンスルホニルクロリド(19.15ml、28.3g、247mmol)溶液を添加漏斗から滴加した。混合物を3時間半撹拌し、氷浴が溶けるにつれ、室温にゆっくりとなるようにした。混合物をシリカゲルで濾過し、濾液は、水、飽和NaHCO3、水及びブラインで連続して洗浄した。有機物をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、淡黄色油状物が得られた。粗生成物の最終精製は、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、1/1ヘキサン/酢酸エチル)で行い、非多分散生成物(46.13g、85%)が無色透明油状物として得られた。FAB MS:m/e239(M+H)、193(M−C2H5O)【0069】例36−[2−[2−(2−[2−[2−(2−ベンジルオキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ]−ヘキサン酸エチルエステル(XXII)水素化ナトリウム(3.225g又は60%油分散液、80.6mmol)を無水トルエン80ml中に懸濁させ、窒素雰囲気下におき、氷浴中で冷却した。無水トルエン80ml中の非多分散アルコールXX(27.3g、73.3mmol)の溶液をNaH懸濁液に添加した。混合物を0℃で30分間撹拌し、室温になるようにし、更に5時間撹拌し、その間、混合物は透明褐色溶液となった。無水トルエン80ml中の非多分散メシラートXXI(19.21g、80.6mmol)をこのNaH/アルコール混合物に添加し、一緒にした溶液を室温で3日間撹拌した。反応混合物をメタノール50mlで急冷し、塩基性アルミナで濾過した。濾液を真空中で濃縮して、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離剤勾配:3/1酢酸エチル/ヘキサン対酢酸エチル)により精製し、非多分散生成物が淡黄色油状物として得られた(16.52g、44%)。FAB MS:m/e515(M+H)【0070】例36−[2−[2−(2−[2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ]−ヘキサン酸エチルエステル(XXIII)非多分散ベンジルエーテルXXII(1.03g、2.0mmol)をエタノール25ml中に溶解させた。この溶液に270mgの10%Pd/Cを添加し、混合物を水素雰囲気下におき、4時間撹拌し、その時、TLCは出発物質の完全な消滅を示した。反応混合物をセライト(Celite)545で濾過し、触媒を除去し、濾液を真空中で濃縮して、非多分散の表題化合物が、透明油状物として得られた(0.67g、79%)。FAB MS:m/e425(M+H)、447(M+Na)【0071】例46−[2−[2−(2−[2−[2−(2−メチルスルホニルエトキシ)エトキシ]エトキシ]−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ]−ヘキサン酸エチルエステル(XXIV)非多分散アルコールXXIII(0.835g、1.97mmol)をドライジクロロメタン3.5ml中に溶解させ、窒素雰囲気下においた。トリエチルアミン(0.301ml、0.219g、2.16mmol)を添加し、混合物を氷浴中で冷却した。2分後、メタンスルホニルクロリド(0.16ml、0.248g、2.16mmol)を添加した。混合物を、0℃で15分間撹拌し、次いで、室温で2時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルで濾過し、トリエチルアンモニウムクロリドを除去し、濾液は、水、飽和NaHCO3、水及びブラインで連続して洗浄した。有機物をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残分をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、9/1酢酸エチル/メタノール)により精製し、非多分散XXIVが、透明油状物として得られた(0.819g、83%)。FAB MS:m/e503(M+H)。【0072】例58−[2−(2−[2−[2−(2−[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]−エトキシ]−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ]−エトキシ)−エトキシ]−ヘキサン酸エチルエステル(XXV)NaH(60%油中分散液88mg、2.2mmol)を、N2下で、無水トルエン(3ml)中に懸濁させ、0℃に冷却した。トルエンとの共沸蒸留により乾燥させた非多分散ジエチレングリコールモノメチルエーテル(0.26ml、0.26g、2.2mmol)を添加した。反応混合物を室温まで加温し、4時間撹拌し、その間、濁った灰色懸濁液は透明、黄色、次いで褐色に変わった。無水トルエン2.5ml中の非多分散メシラートXXIV(0.50g、1.0mmol)を添加した。室温で1晩撹拌後、反応をメタノール2mlの添加により急冷し、生じた溶液をシリカゲルで濾過した。濾液を真空中で濃縮した。FAB MS:m/e499(M+H)、521(M+Na)。更に、分取クロマトグラフィー(シリカゲル、19/3クロロホルム/メタノール)により精製し、非多分散生成物が透明黄色油状物として得られた(0.302g、57%)。FAB MS:m/e527(M+H)、549(M+Na)。【0073】例68−[2−(2−[2−[2−(2−[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]−エトキシ]−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ]−エトキシ)−エトキシ]−ヘキサン酸(XXVI)非多分散エステルXXV(0.25g、0.46mmol)を1NのNaOH0.71ml中で18時間撹拌した。18時間後、混合物を真空中で濃縮し、アルコールを除去して、残分を、更に水10mlに溶解させた。水溶液は、2NのHClでpH2の酸性にし、生成物をジクロルメタン中へ抽出した(30ml×2)。次いで、有機層を集めて、ブラインで洗浄し(25ml×2)、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、非多分散の表題化合物が、黄色油状物として得られた(0.147g、62%)。FAB MS:m/e499(M+H)、521(M+Na)。【0074】例78−[2−(2−[2−[2−(2−[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]−エトキシ]−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ]−エトキシ)−エトキシ]−ヘキサン酸2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イルエステル(XXVII)非多分散酸XXVI(0.209g、0.42mmol)をドライジクロロメタン4ml中に溶解させ、既にNHS(N−ヒドロキシスクシンイミド)(57.8mg、0.502mmol)及びEDC(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド)(98.0mg、0.502mmol)が装入されているドライフラスコに、N2雰囲気下に添加した。溶液を室温で1晩撹拌し、シリカゲルで濾過し、過剰の試薬及びEDCから生じた尿素を除去した。濾液は、真空中で濃縮して、非多分散生成物が、暗黄色油状物として得られた(0.235g、94%)。FAB MS:m/e596(M+H)、618(M+Na)。【0075】例8〜17明細書にその他の記載が無い場合は、例8〜17の反応は、窒素下に、電磁撹拌しながら実施する。「仕上作業(Work-up)」は、有機溶剤で抽出、NaCl飽和溶液で有機相を洗浄、乾燥(MgSO4)及び蒸発(回転蒸発器)を意味する。薄層クロマトグラフィーは、シリカゲル60°F−254で前コーティングされたメルック(Merck)のガラスプレートを用いて行い、スポットは、ヨウ素蒸気により目に見えるようにした。全ての質量スペクトルは、Macromolecular Resources Colorado State University,COにより決定され、m/z(相対強度)オーダーで報告されている。元素分析と融点はGalbraith Laboratories,Inc.,Knoxville,TNにより実施された。例8〜17は、図3で示された図式に関する。【0076】例88−メトキシ−1−(メチルスルホニル)オキシ−3,6−ジオキサオクタン(XXXI)ドライジクロロメタン(50ml)中の非多分散トリエチレングリコールモノメチルエーテル分子(4.00ml、4.19g、25.5mmol)及びトリエチルアミン(4.26ml、3.09g、30.6mmol)の溶液を氷浴で冷却し、窒素雰囲気下に置いた。ドライジクロロメタン(20ml)中のメタンスルホニルクロリド(2.37ml、3.51g、30.6mmol)の溶液を添加漏斗から滴加した。塩化物の添加終了10分後に、反応混合物を氷浴から取り出し、室温になるようにした。混合物を更に1時間撹拌し、その時、TLC(溶出液として、15%MeOHを有するCHCl3)は、トリエチレングリコールモノメチルエーテルが残留していないことを示した。【0077】反応混合物は、更に、ジクロロメタン75mlで稀釈し、飽和NaHCO3、水及びブラインで連続して洗浄した。有機物をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、非多分散化合物XXXIが透明油状物として得られた(5.31g、86%)。【0078】例9エチレングリコールモノメチルエーテル(XXXII)(m=4、5、6)ドライDMF(25.7ml)中の非多分散化合物XXVIII(35.7mmol)の撹拌溶液に、N2下に、鉱油中のNaHの60%分散液を少量宛添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。この塩XXIXに、ドライDMF(4ml)中の非多分散メシラートXXXI(23.36)の溶液を1回で添加し、混合物を室温で3.5時間撹拌した。反応の進行は、TLC(12%CH3OH−CHCl3)によりモニターした。反応混合物を同量の1N HCLで稀釈し、酢酸エチル(2×20ml)で抽出し、廃棄した。水溶液の抽出及び仕上作業により、非多分散ポリマーXXXIIが得られた(収率:82〜84%)。【0079】例103,6,9,12,15,18,21−ヘプタオキサドコサノール(XXXII)(m=4)油状物;Rf0.46(メタノール:クロロホルム=3:22);C15H32O8についてのMSm/zの計算値:340.21(M++1)、測定値:341.2【0080】例113,6,9,12,15,18,21,24−オクタオキサペンタコサノール(XXXII)(m=5)油状物;Rf0.43(メタノール:クロロホルム=6:10);C17H36O9についてのMSm/zの計算値:384.24(M++1)、測定値:385.3【0081】例123,6,9,12,15,18,21,24,27−ノナオキサオクタコサノール(XXXII)(m=6)油状物;Rf0.42(メタノール:クロロホルム=6:10);C19H40O10についてのMSm/zの計算値:428.26(M++1)、測定値:429.3【0082】例1320−メトキシ−1−(メチルスルホニル)オキシ−3,6,9,12,15,18−ヘキサオキサエイコサン(XXXIII)アルコールXXXII(m=4)及びメタンスルホニルクロリドから、XXXIについて記載のようにして、非多分散化合物XXXIIIが、定量的収率で、油状物として得られた;Rf0.4(酢酸エチル:アセトニトリル=1:5);C17H37O10についてのMSm/zの計算値:433.21(M++1)、測定値:433.469【0083】例14エチレングリコールモノメチルエーテル(XXXIV)(m=3、4、5)非多分散化合物XXXIVを、ジオールから、化合物XXXIIについて記載の手順を使用して製造した。【0084】例153,6,9,12,15,18,21,24,27,30−デカオキサヘンエイコサノール(XXXIV)(m=3)油状物;Rf0.41(メタノール:クロロホルム=6:10);C21H44O11についてのMSm/zの計算値:472.29(M++1)、測定値:472.29【0085】例163,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33−ウンカオキサテトラトリコサノール(XXXIV)(m=4)油状物;Rf0.41(メタノール:クロロホルム=6:10);C23H48O12についてのMSm/zの計算値:516.31(M++1)、測定値:516.31【0086】例173,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33,36−ドデカオキサヘプタトリコサノール(XXXIV)(m=5)油状物;Rf0.41(メタノール:クロロホルム=6:10);C25H52O13についてのMSm/zの計算値:560.67(M++1)、測定値:560.67【0087】本明細書において、本発明の典型的な好ましい態様を記載している。特殊な用語を使用しているが、これらは総称的に、また、記述的な意味でのみ使用されるのであって、前記クレームにより記載される本発明の範囲を限定するものではない。【0088】【発明の効果】本発明の態様は、ポリエチレングリコール部分を含むポリマーの実質上単分散混合物を合成する改良された方法を提供する。本発明の態様による方法は、前記慣用法により要求されたものより穏やかな反応条件を利用することができる。例えば、本発明の態様による方法の全てではないが、多くの段階は、大気圧及び/又は室温で実施することができる。これらの段階を大気圧及び/又は室温で実施できるので、所望でない副産物の生成を減ずるか又は防止することができる。更に、本発明の態様による方法は、前記慣用法より、より有効である。例えば、本発明の態様による方法は、前記慣用法より少ない段階及び/又は短い時間を要する。本発明の態様による方法は、ポリエチレングリコール部分を含む生成物から、PEG出発材料を除去して、ポリエチレングリコール部分を含むポリマーの実質上単分散混合物を提供することができる。【図面の簡単な説明】【図1】ポリエチレングリコール部分及び脂肪酸部分を含む活性化ポリマーの混合物を、本発明の態様により合成する一般的図式を示す。【図2】活性化されたmPEG−ヘキシルオリゴマーの混合物を、本発明の態様により、合成するための図式を示す。【図3】mPEGの混合物を、本発明の態様により、合成するための図式を示す。 ポリエチレングリコール部分を含むポリマーの混合物であって、混合物中の少なくとも95%の化合物が同じ分子量を有する化合物の混合物を合成する方法であって、該方法は、式V: R2(OC2H4)m−OH (V)の構造を有する化合物の混合物であって、混合物中の少なくとも95%の化合物が同じ分子量を有する化合物の混合物とハロゲン化メタンスルホニルとを、式II: R2(OC2H4)m−OMs (II)[式中、R2は、H、又は分枝又は線状アルキル、アリールアルキル、芳香族基、脂肪酸基、及び脂肪酸基のエステルから選択される親油基であり、Msはメシラート基であり、mは、1〜25である]の構造を有する化合物の混合物であって、混合物中の少なくとも95%の化合物が同じ分子量を有する化合物の混合物を生じる条件である、−10℃〜40℃で、0.25〜8時間にわたり、脂肪族アミンの存在下で、ハロゲン化メタンスルホニルが式Vの化合物に対して1:1より大きいモル比で反応させることと、式I: R1(OC2H4)n−O-X+ (I)[式中、R1は、H、又はアルキル、アリールアルキル、芳香族基、脂肪酸基、脂肪酸基のエステル、コレステリル、及びアマンダンチルから選択される親油基であり、nは、1〜25であり、X+は、陽イオンである]の構造を有する化合物の混合物であって、混合物中の少なくとも95%の化合物が同じ分子量を有する化合物の混合物と、式IIの化合物の混合物とを、ポリエチレングリコール部分を含み、式III: R2(OC2H4)m+n−OR1 (III)の構造を有するポリマーの混合物であって、混合物中の少なくとも95%の化合物が同じ分子量を有する化合物の混合物を生じる条件である、0℃〜40℃で、0.25〜8時間にわたり、中性溶媒中で、式Iの化合物が式IIの化合物に対して1:1より大きいモル比で反応させることを含む合成法。 式Iの化合物の式IIの化合物に対するモル比は、少なくとも2:1である、請求項1記載の方法。 R2は、炭素原子1〜5個を有するアルキル、ベンジル、炭素原子1〜24個を有する脂肪酸基、及び炭素原子1〜24を有する脂肪酸基のエステルから選択される親油基である、請求項1記載の方法。 R2は、脂肪酸基又は脂肪酸基のエステルである、請求項1記載の方法。 式Iの化合物の式IIの化合物に対するモル比は、1:1より大であるので、式Iの化合物と式IIの化合物との反応により式IIIのポリマー及び過剰の式Iの化合物を含む混合物が得られ、該方法は、更に、式IIIのポリマーから過剰の式Iの化合物を分離することを含む、請求項1記載の方法。 分離段階は、式Iの過剰化合物及び式IIIのポリマーの混合物を、水性媒体に接触させ、式IIIのポリマーを集めることを含む、請求項5記載の方法。 分離段階は、過剰な式Iの化合物及び式IIIのポリマーの混合物を、有機媒体に接触させ、有機媒体から過剰な式Iの化合物を除去し、かつ有機媒体から式IIIのポリマーを回収することを含む、請求項5記載の方法。 ハロゲン化メタンスルホニルは、メタンスルホニルクロリドである、請求項1記載の方法。 ハロゲン化メタンスルホニルの式Vの化合物に対するモル比は、少なくとも2:1である、請求項1記載の方法。 式Vの構造を有する化合物の混合物であって、混合物中の少なくとも95%の化合物が同じ分子量を有する化合物の混合物とハロゲン化メタンスルホニルとを反応させて、式IIの化合物の混合物であって、混合物中の少なくとも95%の化合物が同じ分子量を有する化合物の混合物を生じる反応は、温度0℃〜40℃で実施する、請求項1記載の方法。 式Vの化合物の混合物であって、混合物中の少なくとも95%の化合物が同じ分子量を有する化合物の混合物とハロゲン化メタンスルホニルとを反応させて、式IIの化合物の混合物であって、混合物中の少なくとも95%の化合物が同じ分子量を有する化合物の混合物を生じる反応は、温度15℃〜35℃で実施する、請求項1記載の方法。 式Vの化合物の混合物であって、混合物中の少なくとも95%の化合物が同じ分子量を有する化合物の混合物とハロゲン化メタンスルホニルとを反応させて、式IIの化合物の混合物であって、混合物中の少なくとも95%の化合物が同じ分子量を有する化合物の混合物を生じる反応は、0.25時間〜2時間の間実施する、請求項1記載の方法。 式VI: R2−OMs (VI)[式中、R2は、分枝又は線状アルキル、アリールアルキル、芳香族基、脂肪酸基、及び脂肪酸基のエステルから選択される親油基である]の構造を有する化合物の混合物であって、混合物中の少なくとも95%の化合物が同じ分子量を有する化合物の混合物と、式VII: R3(OC2H4)m−O-X2+ (VII)[式中、R3は、ベンジル、トリチル又はトリメチルシリルであり、mは、1〜25であり、X2+は、陽イオンである]の構造を有する化合物の混合物であって、混合物中の少なくとも95%の化合物が同じ分子量を有する化合物の混合物とを、式VIII: R3(OC2H4)m−OR2 (VIII)の構造を有する化合物の混合物であって、混合物中の少なくとも95%の化合物が同じ分子量を有する化合物の混合物を生じる条件である、0℃〜40℃で、0.25〜8時間にわたり、中性溶媒中で反応させ、かつ式VIIIの構造を有する化合物の混合物であって、混合物中の少なくとも95%の化合物が同じ分子量を有する化合物の混合物を、式V: R2(OC2H4)m−OH (V)の構造を有する化合物の混合物であって、混合物中の少なくとも95%の化合物が同じ分子量を有する化合物の混合物を生じる条件である、式VIIIの化合物が加水分解される条件下で反応させることを更に含む、請求項1記載の方法。 R3は、ベンジルである、請求項13記載の方法 式IV: R1(OC2H4)n−OH (IV)[式中、R1は、H、又はアルキル、アリールアルキル、芳香族基、脂肪酸基、脂肪酸基のエステル、コレステリル、及びアマンダンチルから選択される親油基であり、nは、1〜25である]の構造を有する化合物の混合物であって、混合物中の少なくとも95%の化合物が同じ分子量を有する化合物の混合物を、式IVの化合物のヒドロキシル基をイオン化しうる強塩基化合物と、式I: R1(OC2H4)n−O-X+ (I)の構造を有する化合物の混合物であって、混合物中の少なくとも95%の化合物が同じ分子量を有する化合物の混合物を生じる条件である、0℃〜40℃で、0.25〜8時間にわたり、中性溶媒中で、式IVの化合物のヒドロキシル基をイオン化し得る化合物が式IVの化合物に対して少なくとも1:1のモル比で反応させることを更に含む、請求項1記載の方法。 式IVの化合物のヒドロキシル基をイオン化しうる化合物の式IVの化合物に対するモル比は、少なくとも2:1である、請求項15記載の方法。 式IVの化合物のヒドロキシル基をイオン化しうる化合物は、強塩基である、請求項15記載の方法。 強塩基は水素化ナトリウムである、請求項17記載の方法。 式IVの化合物の混合物であって、混合物中の少なくとも95%の化合物が同じ分子量を有する化合物の混合物を、温度15℃〜35℃で反応させる、請求項17記載の方法。 式IVの化合物の混合物であって、混合物中の少なくとも95%の化合物が同じ分子量を有する化合物の混合物を、0.25時間〜4時間の間反応させる、請求項17記載の方法。 式IIIのポリマーの混合物中、少なくとも96%の化合物が同じ分子量を有する、請求項1記載の方法。 式IIIのポリマーの混合物は、混合物中の100%の化合物が同じ分子量を有する化合物の混合物である、請求項1記載の方法。