生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_トリフルオロメチルハイポフルオライトの製造方法
出願番号:2001276142
年次:2008
IPC分類:C07C 71/00


特許情報キャッシュ

川島 忠幸 毛利 勇 大橋 満也 田村 哲也 JP 4205325 特許公報(B2) 20081024 2001276142 20010912 トリフルオロメチルハイポフルオライトの製造方法 セントラル硝子株式会社 000002200 花田 吉秋 100123401 川島 忠幸 毛利 勇 大橋 満也 田村 哲也 20090107 C07C 71/00 20060101AFI20081211BHJP JPC07C71/00 C07C 71/00 特開昭61−257949(JP,A) 1 2003081919 20030319 5 20040902 木村 敏康 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、有機合成用の試薬、半導体製造用のクリーニングガス、エッチングガス等に有用なトリフルオロメチルハイポフルオライト(以下、CF3OF)の製造法に関するものである。【0002】【従来の技術】CF3OFは、一般に、二フッ化カルボニル(以下、COF2)とフッ素(以下、F2)を金属フッ化物触媒の存在下で反応させることにより合成される。例えば、J.Fluorine Chem.,3,41(1973/74)には、種々の金属フッ化物触媒を充填した密閉容器内にCOF2とF2を導入し、バッチ法にてCF3OFを合成する方法が記載されている。【0003】【発明が解決しようとする課題】しかしながら、量産化を目的として、製造装置を設計する場合、従来のバッチ法は、原料の導入、生成物の抜出し等の余分な工程が必要であり、量産化設備としては、生産効率の面で好ましくない。【0004】【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討の結果、金属フッ化物からなる触媒を充填した反応器に、COF2とF2の混合ガスを流通するという反応方式により、CF3OFの生産効率を向上できる方法を見出し、本発明に至ったものである。【0005】 すなわち、本発明は、フッ化セシウム、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、またはフッ化バリウムからなる触媒を充填した反応器に、該触媒の設定温度を−80〜60℃の範囲として5cm/sec以下の線速で、二フッ化カルボニルとフッ素の混合ガスを流通させることを特徴とするトリフルオロメチルハイポフルオライトの製造方法を提供するものである。【0006】本発明において、COF2とF2の混合ガスを流通させる管の材質には、F2に耐え得るようなステンレス鋼、鉄、アルミニウム、ニッケル、ニッケル合金、銅、白金、銀、フッ素系樹脂を用いる。【0007】 本発明で用いる触媒としては、フッ素と反応しない触媒が好ましく、反応速度、生成物の純度の面で、KF、RbF、CsF、BaF2が好ましい。【0008】 触媒の設定温度は、【0009】KFを触媒として用いる場合、触媒の設定温度範囲は、−80〜60℃、好ましくは、20〜60℃である。20℃未満の温度範囲では、反応速度が若干低下し、60℃以上になるとCF4の副生を伴う。【0010】RbFを触媒として用いる場合、触媒の設定温度範囲は、−80〜60℃、好ましくは、40〜60℃である。40℃未満の温度範囲では、反応速度が低下し、60℃以上になるとCF4の副生を伴う。【0011】 CsFを触媒として用いる場合、触媒の設定温度範囲は、−80〜60℃である。−80℃未満の温度範囲では、原料ガスとしてCOF2を使用する場合、COF2の沸点が−85℃であるため反応器中で液化する懸念があるため好ましくない。60℃以上になるとCF4の副生を伴うため好ましくない。【0012】BaF2を触媒として用いる場合、触媒の設定温度範囲は、−80〜60℃、好ましくは、0〜60℃である。0℃未満の温度範囲では、反応速度が若干低下し、60℃以上になるとCF4の副生を伴う。また、市販の金属フッ化物の中には、フッ化物以外の水分、炭酸塩、硫酸塩等の不純物が混入しているため、あらかじめ反応温度以上の温度でフッ素処理をすることが好ましい。【0013】本発明において、COF2とF2との混合比(F2/COF2のモル比)は、1〜5の範囲が好ましく、さらに好ましくは、1〜2の範囲で適宜選択する。混合比が低い場合、すなわちF2が少ない場合には、未反応のCOF2が多くなり好ましくない。一方、混合比が高い場合には、F2ベースのCF3OFの収率が低下してしまう。【0014】混合ガスの線速は、用いる触媒によって適宜選択すればよいが、5cm/sec以下が好ましい。5cm/sec以上の線速で混合ガスを流通した場合、反応器内での通過速度が速く反応が未完結のまま終了するためCF3OFの生成率が低下してしまう。また、触媒の充填高さは、特に限定されないが、5cm/sec以上の線速を維持したまま生成率を向上させるために触媒の充填高さを高くしすぎるとガス閉塞が生じる恐れがある。また、線速の下限は、特に限定されないが、生産性を考慮すれば0.1cm/sec以上が好ましい。【0015】反応圧力は、反応温度、空塔速度に合わせて適宜選択すればよいが、通常は、取り扱いが容易な大気圧付近を選択するのが好ましい。【0016】【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。【0017】実施例1CsFを50g充填したSUS304製反応器(25A×700mm)に室温(25℃)にて100%F2を107KPa封入し、触媒のF2処理を行った。10Hr後、反応器内を真空He置換を行い、Heを100KPa封入した後、触媒温度を0℃に冷却し、COF2およびF2をマスフローコントローラーにて、それぞれ、200sccm、240sccmの流量(線速:1.4cm/sec)、圧力100KPaで反応器内に導入した。導入30min後、反応器出口ガスを液体N2温度(−195℃)に冷却したSUS304トラップに全量回収した後、トラップ捕集ガス温度を−115℃に昇温し、脱F2処理を行った。脱F2処理を行った後のトラップ捕集ガスをGC−MS(質量分析計)、FT−IR(FT赤外分光光度計)で分析した結果、CF3OFが99.4vol%、COF2が0.1vol%、CO2が0.5vol%であった。【0018】比較例1触媒のF2処理および混合ガス導入時の触媒温度を80℃にする以外は、実施例1と同様の条件で行った。脱F2処理を行った後のトラップ内捕集ガスを分析した結果、CF3OFが88.5vol%、COF2が5.5vol%、CO2が3.0vol%、CF4が3vol%であった。【0019】実施例2〜4、比較例2〜4 実施例1と同様の反応器内に圧力100KPaにて表1、表2に示した触媒、反応条件で混合ガスを導入した。脱F2処理を行った後のトラップ捕集ガスをGC−MS、FT−IRで分析し、その結果を表1、表2に示した。【0020】【表1】【0021】【表2】【0022】【発明の効果】本発明の方法により、触媒を充填した反応器内に特定の線速で原料混合ガスを導入することで、高純度のCF3OFを連続的に製造することが可能となり、バッチ法に比べ生産効率を格段に向上させることができる。 フッ化セシウム、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、またはフッ化バリウムからなる触媒を充填した反応器に、該触媒の設定温度を−80〜60℃の範囲として5cm/sec以下の線速で、二フッ化カルボニルとフッ素の混合ガスを流通させることを特徴とするトリフルオロメチルハイポフルオライトの製造方法。


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特許公報(B2)_トリフルオロメチルハイポフルオライトの製造方法

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タイトル:特許公報(B2)_トリフルオロメチルハイポフルオライトの製造方法
出願番号:2001276142
年次:2009
IPC分類:C07C 71/00


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川島 忠幸 毛利 勇 大橋 満也 田村 哲也 JP 4205325 特許公報(B2) 20081024 2001276142 20010912 トリフルオロメチルハイポフルオライトの製造方法 セントラル硝子株式会社 000002200 花田 吉秋 100123401 川島 忠幸 毛利 勇 大橋 満也 田村 哲也 20090107 C07C 71/00 20060101AFI20081211BHJP JPC07C71/00 C07C 71/00 特開昭61−257949(JP,A) 1 2003081919 20030319 5 20040902 木村 敏康 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、有機合成用の試薬、半導体製造用のクリーニングガス、エッチングガス等に有用なトリフルオロメチルハイポフルオライト(以下、CF3OF)の製造法に関するものである。【0002】【従来の技術】CF3OFは、一般に、二フッ化カルボニル(以下、COF2)とフッ素(以下、F2)を金属フッ化物触媒の存在下で反応させることにより合成される。例えば、J.Fluorine Chem.,3,41(1973/74)には、種々の金属フッ化物触媒を充填した密閉容器内にCOF2とF2を導入し、バッチ法にてCF3OFを合成する方法が記載されている。【0003】【発明が解決しようとする課題】しかしながら、量産化を目的として、製造装置を設計する場合、従来のバッチ法は、原料の導入、生成物の抜出し等の余分な工程が必要であり、量産化設備としては、生産効率の面で好ましくない。【0004】【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討の結果、金属フッ化物からなる触媒を充填した反応器に、COF2とF2の混合ガスを流通するという反応方式により、CF3OFの生産効率を向上できる方法を見出し、本発明に至ったものである。【0005】 すなわち、本発明は、フッ化セシウム、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、またはフッ化バリウムからなる触媒を充填した反応器に、該触媒の設定温度を−80〜60℃の範囲として5cm/sec以下の線速で、二フッ化カルボニルとフッ素の混合ガスを流通させることを特徴とするトリフルオロメチルハイポフルオライトの製造方法を提供するものである。【0006】本発明において、COF2とF2の混合ガスを流通させる管の材質には、F2に耐え得るようなステンレス鋼、鉄、アルミニウム、ニッケル、ニッケル合金、銅、白金、銀、フッ素系樹脂を用いる。【0007】 本発明で用いる触媒としては、フッ素と反応しない触媒が好ましく、反応速度、生成物の純度の面で、KF、RbF、CsF、BaF2が好ましい。【0008】 触媒の設定温度は、【0009】KFを触媒として用いる場合、触媒の設定温度範囲は、−80〜60℃、好ましくは、20〜60℃である。20℃未満の温度範囲では、反応速度が若干低下し、60℃以上になるとCF4の副生を伴う。【0010】RbFを触媒として用いる場合、触媒の設定温度範囲は、−80〜60℃、好ましくは、40〜60℃である。40℃未満の温度範囲では、反応速度が低下し、60℃以上になるとCF4の副生を伴う。【0011】 CsFを触媒として用いる場合、触媒の設定温度範囲は、−80〜60℃である。−80℃未満の温度範囲では、原料ガスとしてCOF2を使用する場合、COF2の沸点が−85℃であるため反応器中で液化する懸念があるため好ましくない。60℃以上になるとCF4の副生を伴うため好ましくない。【0012】BaF2を触媒として用いる場合、触媒の設定温度範囲は、−80〜60℃、好ましくは、0〜60℃である。0℃未満の温度範囲では、反応速度が若干低下し、60℃以上になるとCF4の副生を伴う。また、市販の金属フッ化物の中には、フッ化物以外の水分、炭酸塩、硫酸塩等の不純物が混入しているため、あらかじめ反応温度以上の温度でフッ素処理をすることが好ましい。【0013】本発明において、COF2とF2との混合比(F2/COF2のモル比)は、1〜5の範囲が好ましく、さらに好ましくは、1〜2の範囲で適宜選択する。混合比が低い場合、すなわちF2が少ない場合には、未反応のCOF2が多くなり好ましくない。一方、混合比が高い場合には、F2ベースのCF3OFの収率が低下してしまう。【0014】混合ガスの線速は、用いる触媒によって適宜選択すればよいが、5cm/sec以下が好ましい。5cm/sec以上の線速で混合ガスを流通した場合、反応器内での通過速度が速く反応が未完結のまま終了するためCF3OFの生成率が低下してしまう。また、触媒の充填高さは、特に限定されないが、5cm/sec以上の線速を維持したまま生成率を向上させるために触媒の充填高さを高くしすぎるとガス閉塞が生じる恐れがある。また、線速の下限は、特に限定されないが、生産性を考慮すれば0.1cm/sec以上が好ましい。【0015】反応圧力は、反応温度、空塔速度に合わせて適宜選択すればよいが、通常は、取り扱いが容易な大気圧付近を選択するのが好ましい。【0016】【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。【0017】実施例1CsFを50g充填したSUS304製反応器(25A×700mm)に室温(25℃)にて100%F2を107KPa封入し、触媒のF2処理を行った。10Hr後、反応器内を真空He置換を行い、Heを100KPa封入した後、触媒温度を0℃に冷却し、COF2およびF2をマスフローコントローラーにて、それぞれ、200sccm、240sccmの流量(線速:1.4cm/sec)、圧力100KPaで反応器内に導入した。導入30min後、反応器出口ガスを液体N2温度(−195℃)に冷却したSUS304トラップに全量回収した後、トラップ捕集ガス温度を−115℃に昇温し、脱F2処理を行った。脱F2処理を行った後のトラップ捕集ガスをGC−MS(質量分析計)、FT−IR(FT赤外分光光度計)で分析した結果、CF3OFが99.4vol%、COF2が0.1vol%、CO2が0.5vol%であった。【0018】比較例1触媒のF2処理および混合ガス導入時の触媒温度を80℃にする以外は、実施例1と同様の条件で行った。脱F2処理を行った後のトラップ内捕集ガスを分析した結果、CF3OFが88.5vol%、COF2が5.5vol%、CO2が3.0vol%、CF4が3vol%であった。【0019】実施例2〜4、比較例2〜4 実施例1と同様の反応器内に圧力100KPaにて表1、表2に示した触媒、反応条件で混合ガスを導入した。脱F2処理を行った後のトラップ捕集ガスをGC−MS、FT−IRで分析し、その結果を表1、表2に示した。【0020】【表1】【0021】【表2】【0022】【発明の効果】本発明の方法により、触媒を充填した反応器内に特定の線速で原料混合ガスを導入することで、高純度のCF3OFを連続的に製造することが可能となり、バッチ法に比べ生産効率を格段に向上させることができる。 フッ化セシウム、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、またはフッ化バリウムからなる触媒を充填した反応器に、該触媒の設定温度を−80〜60℃の範囲として5cm/sec以下の線速で、二フッ化カルボニルとフッ素の混合ガスを流通させることを特徴とするトリフルオロメチルハイポフルオライトの製造方法。


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