生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_メタクリル酸アリルの製造方法
出願番号:2001217888
年次:2011
IPC分類:C07C 67/327,C07C 69/007,C07C 69/54


特許情報キャッシュ

久古 陽一 白田 憲男 田中 一夫 JP 4810770 特許公報(B2) 20110902 2001217888 20010718 メタクリル酸アリルの製造方法 三菱瓦斯化学株式会社 000004466 永井 隆 100117891 久古 陽一 白田 憲男 田中 一夫 20111109 C07C 67/327 20060101AFI20111024BHJP C07C 69/007 20060101ALI20111024BHJP C07C 69/54 20060101ALI20111024BHJP JPC07C67/327C07C69/007 CC07C69/54 Z C07B31/00〜C07B63/04 C07C1/00〜C07C409/44 特開昭48−029712(JP,A) 特開平11−222462(JP,A) 特開2000−072719(JP,A) 特開2000−204064(JP,A) 特公昭36−023167(JP,B1) 特開平03−264548(JP,A) 特開平11−255710(JP,A) 特開平03−066644(JP,A) 特公昭45−015724(JP,B1) 特公昭44−020611(JP,B1) 特開昭57−067534(JP,A) 特開昭58−049338(JP,A) 1 2003034666 20030207 5 20080714 安藤 達也 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、2―ヒドロキシイソ酪酸アリルを脱水してメタクリル酸アリルを効率的に製造する方法に関するものである。メタクリル酸アリルはシランカップリング剤、樹脂原料、種々の有機合成における中間体などとして用いられている。【0002】【従来の技術】メタクリル酸アリルは、種々の方法で製造されている。メタクリル酸アリルは、例えば、アリルアルコールとメタクリル酸とのエステル化反応、特公昭43―27849号報に開示されているように、アリルクロライドとメタクリル酸塩とを反応させる方法などにより製造されている。また、西ドイツ特許公開第1933536号公報には、対応する酸のメチルまたはエチルエステルと酢酸アリルエステルとをナトリウムメチラートなどの金属メトキシドの存在下で反応させてアリルエステルを得る製造方法が開示されている。さらに、仏特許第2088971号明細書には、メタクリル酸メチルとアリルアルコールとのエステル交換によりメタクリル酸アリルを製造する方法が開示されている。【0003】【発明が解決しようとする課題】いずれの方法においても、バッチ操作による製造のため生産効率が低いことに加え、大量生産には大型の装置を必要とし投資額が大きくなる問題がある。本発明では、連続的なプロセスににより、効率的に2―ヒドロキシイソ酪酸アリルを工業的に有利に製造する方法を提供する。【0004】【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的に関して工業的技術を確立すべく検討した結果、2―ヒドロキシイソ酪酸とプロピレン及び酸素より2―ヒドロキシイソ酪酸アリルの工業的製法として出願しているが(特願2001−215459)、その2―ヒドロキシイソ酪酸アリルを原料としてメタクリル酸アリルを工業的有利に製造する方法について鋭意検討し、脱水触媒として希土類リン酸触媒が優れていることを見出し本発明を完成した。以下に本発明を更に説明する。【0005】【発明の実施の形態】以下に、本発明のメタクリル酸アリルの製造方法について説明する。本反応には1種以上の希土類リン酸塩からなる触媒が用いられる。希土類リン酸塩は、公知の調製法で得られるものであれば、その状態や濃度にかかわらずいずれも用いることができ、希土類元素から選ばれた1種以上の元素を含有したリン酸塩である。希土類元素としてはLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luがあげられる。【0006】希土類リン酸塩の調製は、例えば、希土類塩類水溶液に、それとほぼ等モルのリン酸を混合し、反応させ、沈殿含有のスラリーを得る。これをそのままか、又はアンモニア水溶液で中和した後、熟成させる。得られる沈殿をデカンテーション法等で水洗し、そのままか又はろ別し、乾燥及び又は焼成し希土類リン酸塩を得る。希土類塩類としては、硝酸塩、塩酸塩、酢酸塩などがあげられるが、特にこれらに限定されるものではない。【0007】沈殿を得る温度は、特に制限はないが、好ましくは一定の温度で行うのが良い。乾燥、焼成温度は特に制限しないが、乾燥は60〜200℃で行うのが良い。焼成で200〜600℃で行うのが良い。【0008】希土類リン酸塩は担体に担持して使用することが出来、シリカなど表面積の比較的大きな担体を用いることにより触媒の活性を上げる事が可能である。担体及び希土類リン酸塩中の希土類リン酸の濃度は95〜5%の範囲で、好ましくは10〜70%の範囲が好ましい。担体としては、二酸化チタン、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウムなどがあげられ、ゼオライトとしてはY型ゼオライト、アルカリ金属交換Y型ゼオライト、MFI型ゼオライト、アルカリ金属交換MFI型ゼオライト等があげられるが、特にこれらに限定されるものではない。【0009】本発明による反応方式は気相法や液相法のいずれでもよいが、気相の方が好ましく、また、固定床式、流動床方式など、任意の方式で実施できる。本発明の反応温度は通常100〜400℃で、好ましくは150〜300℃である。反応圧力は通常大気圧でよいが、加圧下または減圧下でも差し支えない。【0010】原料の2−ヒドロキシイソ酪酸アリルの供給速度は(LHSV)で通常0.005〜10hr-1の範囲で充分である。【0011】反応原料はヒドロキシイソ酪酸アリル単独でも良いし、希釈剤を用いることができ、好ましくは反応に不活性な溶媒で希釈することにより選択率を上げる事が可能である。希釈剤としては、水、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素などの溶剤や窒素、アルゴン、ヘリウムなどのガスを使用することも出来、任意にこれらの希釈剤を混合して使用しても問題ない。【0012】【実施例】以下に、実施例、及び比較例にて本発明の方法を詳細に説明する。尚。本発明は以下の実施例の範囲に限定されるものではない。各当該実施例にて調製した触媒4gを内径15mmのガラス製反応管に充填し、それぞれの反応条件において行われた。【0013】実施例1リン酸水素ナトリウム (Na2HPO4) 67.37g(0.188mol)を水500mlに溶解した水溶液を60℃)を攪拌しつつ、これに硝酸ランタン (La(NO3)3・6H2O) 37.02g(0.0855mol)を水300mlに溶解した水溶液を滴下すると、白色沈殿が生成する。この後に、1時間加熱を続けて熟成した後、白色沈殿をろ過、水洗した後、リン酸ランタンを得た。【0014】実施例2実施例1で得たリン酸ランタンを100℃で10時間乾燥し400℃で3時間焼成した。この触媒を用いて反応を行った。2−ヒドロキシイソ酪酸アリルを12倍モルのn−ヘキサンにて希釈した溶液を8.17g/hrで供給した。反応温度280℃での2−ヒドロキシイソ酪酸アリルの転化率は72.3%で、メタクリル酸アリルの収率は41.3モル%、メタクリル酸の収率は19.5モル%であった。【0015】実施例3実施例1で得たリン酸ランタン53.8gに、5μのシリカ粉末14gを加え混練し、100℃で10時間乾燥し、400℃で3時間焼成した。この触媒を用いて反応を行った。2−ヒドロキシイソ酪酸アリルを12倍モルのn−ヘキサンにて希釈した溶液を8.17g/hrで供給した。反応温度280℃での2−ヒドロキシイソ酪酸アリルの転化率は97.5%で、メタクリル酸アリルの収率は62.5モル%、メタクリル酸の収率は26.5モル%であった。【0016】実施例4実施例1で得たリン酸ランタン23.0gに、5μのシリカ粉末6gを加え混練し、100℃で10時間乾燥し、400℃で3時間焼成した。この触媒を用いて反応を行った。2−ヒドロキシイソ酪酸アリルを12倍モルのn−ヘキサンにて希釈した溶液を8.17g/hrで供給した。反応温度280℃での2−ヒドロキシイソ酪酸アリルの転化率は84.5%で、メタクリル酸アリルの収率は56.8モル%、メタクリル酸の収率は22.7モル%であった。【0017】実施例5実施例1において硝酸ランタンを硝酸セリウムに代える以外は、全く同様に調製したリン酸セリウムを100℃で10時間乾燥し、400℃で3時間焼成した。この触媒を用いて反応を行った。2−ヒドロキシイソ酪酸アリルを12倍モルのn−ヘキサンにて希釈した溶液を8.17g/hrで供給した。反応温度280℃での2−ヒドロキシイソ酪酸アリルの転化率は70.4%で、メタクリル酸アリルの収率は40.9モル%、メタクリル酸の収率は16.5モル%であった。【0018】実施例6実施例1で得たリン酸ランタン23.0gに、Na−Y型ゼオライト粉末6gを加え混練し、100℃で10時間乾燥し、400℃で3時間焼成した。この触媒を用いて反応を行った。2−ヒドロキシイソ酪酸アリルを12倍モルのn−ヘキサンにて希釈した溶液を8.17g/hrで供給した。反応温度280℃での2−ヒドロキシイソ酪酸アリルの転化率は78.5%で、メタクリル酸アリルの収率は56.8モル%、メタクリル酸の収率は19.1モル%であった。【0019】【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発明によれば脱水触媒として希土類リン酸塩を用いることにより2−ヒドロキシイソ酪酸アリルからメタクリル酸アリルを連続反応を用い効率的に製造することが出来、その工業的意義は大きい。 触媒として希土類リン酸塩を用いて、2―ヒドロキシイソ酪酸アリルを脱水反応させることを特徴とするメタクリル酸アリルの製造方法。


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