生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_SO3,NH3同時連続濃度計
出願番号:2001196480
年次:2012
IPC分類:G01N 21/33,G01N 1/22,G01N 21/01


特許情報キャッシュ

倉田 孝男 小林 健 八木 武人 小原 正孝 鈴木 孝平 JP 4899259 特許公報(B2) 20120113 2001196480 20010628 SO3,NH3同時連続濃度計 株式会社IHI 000000099 絹谷 信雄 100068021 倉田 孝男 小林 健 八木 武人 小原 正孝 鈴木 孝平 20120321 G01N 21/33 20060101AFI20120301BHJP G01N 1/22 20060101ALI20120301BHJP G01N 21/01 20060101ALI20120301BHJP JPG01N21/33G01N1/22 DG01N21/01 C G01N 21/00-21/01 G01N 21/17-21/61 G01N 1/00-1/36 G01N 31/00-31/22 G01J 1/00-1/60;11/00 G01J 3/00-4/04 G01J 7/00-9/04 JSTPlus/JST7580(JDreamII) 特開昭62−257045(JP,A) 特開2000−009603(JP,A) 特開平03−113369(JP,A) 特開平11−295293(JP,A) 特開2000−304695(JP,A) 特開昭59−211846(JP,A) RINKE G, HARTIG C,Mehrkomponenten-Prozess-UV-Spektrometer,tm-Tech Mess,ドイツ,1994年 5月,Vol.61 No.5,Page.204-207 2 2003014634 20030115 8 20080424 田嶋 亮介 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、ボイラ、ごみ焼却器等の燃焼設備の煙道中の排ガス中に含まれるSO3 ,NH3 同時連続濃度計に関するものである。【0002】【従来の技術】ボイラやゴミ焼却器などの燃焼設備から排出されるガスには硫黄酸化物や窒素酸化物の有害な成分が含まれているため、排煙処理装置などで除去する必要がある。【0003】この排煙処理装置は、ボイラーから排出された排ガスを脱硝装置で窒素酸化物(NOx )を除去し、ガス−エアーヒータを通して熱回収し、電気集塵機で除塵した後、湿式脱硫装置に導入して排ガス中の硫黄酸化物(SOx )を吸収除去して大気に放出する。【0004】硫黄酸化物には、SO2 、SO3 があり、窒素酸化物には、NO、NO2 がある。【0005】通常ボイラでは、NOを除去するための脱硝装置において、脱硝触媒にNOを通すことによって、NOを還元しているが、その際にアンモニア(NH3 )を注入して、下式のようにNOを還元する。【0006】4NH3 + 4NO + O2 = 4N2 + 6H2 Oしかし、注入したNH3 は全て上式で使われるわけではなく、一部リークして脱硝装置(通常の装置は400℃近辺)を通過する。この量は、脱硝装置内の触媒が劣化するにつれて大きくなる。【0007】また、SO3 は、ボイラでの燃焼によっても発生するが、脱硝触媒の劣化が進むと、下式のように触媒によるSO2 のSO3 への転換率も上昇するため、SO3 濃度が高まる。【0008】2SO2 + O2 = 2SO3このように、ボイラ煙道中(温度350℃以上)では、NH3 とSO3 が同時に存在しており、両者のガス濃度を同時に測定することが必要である。【0009】SO2 とSO3 は、ガス温度が下がると下式のように酸性硫安、硫安に変化し、これは液体または固体であり、煙道壁面や煙道内の機器に付着する。【0010】NH3 + SO3 + H2 O = NH4 HSO42NH3 + SO3 + H2 O = (NH4 )2 HSO4酸性硫安は、エアーヒータのエレメントへの付着による閉塞などを引き起こす。酸性硫安は腐食性物質であり、これが付着すると壁面や機器が腐食してしまう。【0011】またアンモニアは、SO3 の中和用にも使用され、電気集塵機の手前で煙道中に注入される。そのためアンモニア量の制御のためにも、アンモニア量とSO3 量の把握が必要であった。【0012】このように、NH3 とSO3 は同時に計測する必要がある。【0013】しかし、SO3 濃度計測は、凝縮法など手分析の方法が一般的であり、信頼できる連続計測計は存在しない。また、NH3 濃度計も紫外線吸収法、赤外線吸収法、溶液導電率分析計等があるが、信頼できる連続計測計はなく、またSO3 とNH3 を同時に計測できる計測装置は存在しない。【0014】一般に、紫外線吸収分析でのガス中の濃度の検出は、既知濃度の紫外線吸収スペクトルをとり、吸光度を濃度毎にプロットした検量線を作成した後で、未知濃度の吸光度と対比することで、ガスの濃度を求めている。【0015】検量線による濃度の測定は、ランベルトベールの法則により作成した検量線が、直線になるので、その直線の式を求めれば、吸光度の代入で濃度が求められるという原理による。【0016】この検量線に基づくボイラの排煙中のSO2 とSO3 のガス濃度を紫外線吸収分析により測定する場合、煙道中の排ガスをポンプの吸引力でガスセル内に導入し、そのガスセルに紫外線を透過して吸収スペクトルを求めて計測することが行われている。【0017】この際、SO2 とSO3 の吸収スペクトル帯が同じために、これらを個々に計測することが困難であったが、本出願人が先に出願した特願平11−374106号(発明の名称:煙道中のSO3 ガスの濃度算出方法)により、SO2 とSO3 の濃度を検出することが可能となった。この濃度算出方法は、SO3 の濃度を検出する際に妨害ガスとなるSO2 を混入したガスで、SO3 の組成比を変えながら吸光度スペクトルをとり、その吸光度スペクトルデータを基に、PLS(Partial Least Squares)等による多変量解析により、SO2 とSO3 検量線を作成し、その検量線を基に、煙道中の排ガスを紫外線吸収分析して排ガス中の、未知濃度のSO2 とSO3 を計測できるようにしたものであり、同様にNH3 もそのの組成比を変えながら吸光度スペクトルをとることで、多変量解析にて、SO3 とNH3 を同時に計測できる。【0018】【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のようにボイラでは、脱硝装置の入り口で、アンモニアを注入してNOを還元しており、また、電気集塵機の入口側では、SO3 を硫安として回収するためにアンモニアを注入しているため、アンモニアとSO3 量の把握が必要である。【0019】しかしながら、脱硝装置の出口側での煙道ガス温度は400℃であるものの、アンモニアとSO3 が同時に存在しているため、この状態で排ガスをガスセル内にサンプリングして計測する場合、ガスセルに至る配管温度が管理されていないため、アンモニアとSO3 が結合して酸性硫安または硫安に変化して正確なアンモニア濃度とSO3 濃度が計測できない問題がある。【0020】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、排ガス中のアンモニアとSO3 を紫外線吸収分析法にて確実に連続計測できるSO3 ,NH3 同時連続濃度計を提供することにある。【0021】【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために、請求項1の発明は、煙道中の排ガスをガスセル内に導入し、そのガスセルに導入した排ガス中のSO3とNH3を紫外線吸収分析で同時に連続的に計測する濃度計において、煙道から排ガスをガスセルに導入する配管を接続すると共に、ガスセルにゼロ測定用の校正用ガス及び参照用の標準ガスを導入する配管を接続し、これら配管の温度を350〜450℃に保って濃度を測定するようにしたSO3,NH3同時連続濃度計である。【0022】 請求項2の発明は、上記配管と上記ガスセルの温度を350〜450℃に保って濃度を測定する請求項1記載のSO3,NH3同時連続濃度計である。【0023】【発明の実施の形態】以下、本発明の好適一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。【0024】図1により、本発明におけるSO3 ,NH3 同時連続濃度計を説明する。【0025】図1において、10は、ボイラからの排ガスが流れる煙道で、その煙道10の排ガス流れ方向に沿って、それぞれフランジ11,11を介して入口プローブ12と出口プローブ13と煙道10内に、排ガス流と直交して突出するように設けられ、その出入口プローブ12,13がバイパス配管14で接続され、そのバイパス配管14にフィルタ15とブロア16が接続される。【0026】フィルタ15には、除塵後の排ガスをガスセル17に導入する導入配管18が接続され、ガスセル17の出口側には、排気手段としての排気管19が接続され、その排気管19にトラップ20、圧力モニター21、制御弁22、ポンプ23、フローメータ24が順次接続されて排気手段が構成される。【0027】導入配管18には、校正用ガス及び参照用の標準ガスを供給するガス供給配管25が接続され、そのガス供給配管25に、開閉弁26を介してゼロ測定用の窒素ガス供給ボンベ27が接続されると共に、開閉弁28を介して参照用の標準ガス供給ボンベ29が接続される。またボンベ27,29には、供給ガス圧を調整するレギュレータ30,31が設けられている。【0028】導入配管18とガス供給配管25には、それぞれ切換弁32,33が接続される。また導入配管18には、排気弁34が接続される。【0029】窒素ガス供給ボンベ27は、窒素ガスの他に空気でもよい。標準ガスは、SO3 、アンモニア、その他、安定なSO2 ガスでもよい。【0030】バイパス配管14、導入配管18、ガス供給配管25には、ガスセル17に導入するガスを350〜450℃に保つための加熱ヒータ35,36,37が設けられている。またガスセル17にも加熱ヒータ38が設けられる。【0031】ガスセル17の一方には、Xeランプ、重水素ランプ、Xeフラッシュランプなど紫外線を照射する光源40が設けられると共に受光部41が設けられ、そのガスセル17の両側に全反射ミラー42,43,44が設けられる。【0032】この全反射ミラー42,43,44は、図示のようにガスセル17の光源40と受光部41に位置して2枚の全反射ミラー42,43が、他方側に1枚の全反射ミラー44が配置され、光源40からの紫外線UVが、全反射ミラー42より反射されてガスセル17を透過し、他方のガスセル17側に配置した全反射ミラー44で、反射されてガスセル17を透過し、一方の全反射ミラー43より受光部41に入射するようにされる。【0033】このように、ガスセル17内でマルチパスを形成することで紫外線の吸光路長が長くすることができ測定精度を向上できる。【0034】受光部41に入射された紫外線UVは、光ファイバ45を介して分光器46で分光されると共にその光強度が検出される。【0035】分光器46は、紫外線(領域0〜400nm)中の200〜350nmの範囲の波長を分光し、それを光検出素子で検出し、その吸光度データが演算装置47に入力されて演算される。【0036】次に本発明の作用を説明する。【0037】先ず、ブロア16により、煙道10内の排ガスを入口プローブ12よりバイパス配管14に導入し、その排ガスを出口プローブ13により戻す。この際、入口プローブ12は、煙道10内に、排ガスと直交するよう突出して設けられることで、バイパス配管14内へのダストの侵入を極力少なくする。【0038】次に、ガスセル17の下流側のポンプ23にて、バイパス配管14内をバイパスする排ガスの一部をフィルター15を介し導入配管18を介してガスセル17に導入する。【0039】このガスセル17に排ガスを導入する際、バイパス配管14は、加熱ヒータ35で、煙道10の温度(約400℃)と同じ温度に保ち、排ガス中のフライアッシュ、ダストに付着している化合物から、SO3 やアンモニアが再生されないようにする。【0040】また、フィルター15を介してガスセル17に導入する排ガス量は、僅かでよいが、煙道10から直接排ガスを導入すると、排ガス量が少ないため、その排ガス温度制御が困難であると共にフィルター15へ付着するダスト量も多くなる。そこで、バイパス配管14にて煙道10から排ガスを導入して煙道10の下流に流し、バイパス配管14に接続したフィルター15を介して、そのバイパス配管14中の排ガスの一部を吸引することで、フィルター15へのダスト付着量も少なく、また、ダストを除去した排ガスの必要量を導入配管18を介してガスセル17に導入することで排ガスの温度制御が容易にできる。【0041】この際、煙道10からガスセル17に至る配管、すなわちバイパス配管14と導入配管18を、加熱ヒータ35,36にて、排ガス温度が350〜450℃に保ち、ガスセル17内を、加熱ヒータ38で、350〜450℃に保つようにする。【0042】すなわち、排ガス温度が350℃以下となると、排ガス中のアンモニアとSOx が反応して酸性硫安や硫安となり、また排ガス温度が450℃以上となると、SO2 がSO3 に転換し、正確なアンモニアとSO3 の測定が行えなくなるが、上記の温度範囲に保つことで、煙道10の排ガス成分を、そのままの状態にして正確に測定することができる。【0043】また、測定後は、排気管19よりトラップ20にて排ガスを冷却して排ガス中のSO3 等の腐食性ガス分を除去し、圧力モニター21で測定圧力をモニターした後、ポンプ23よりフローメータ24を介して系外に排気する。【0044】この際、計測後の排ガスを排気管19よりトラップ20で100℃以下に冷却することで、SO3 等の腐食性ガスが除去される。従って、圧力モニター21は、腐食環境から保護され、通常の半導体圧力計などが使用できる。【0045】また、SO3 ,NH3 などの検量線を作成する際には、窒素ガス供給ボンベ27から窒素ガスを校正ガス供給配管25を介してガスセル17内に供給してセル内の透過率のゼロ測定を行い、標準ガス供給ボンベ29より、SO3 ,NH3 ,SO2 等の参照用の標準ガスをガスセル17内に供給すると共にこれらガスを加熱ヒータ37で、測定時の温度350〜450℃に保って計測を行う、この場合、ガスセル17内の圧力が変化すると吸光度も変化するため、圧力モニター21にて、測定圧力が一定となるように排気手段の制御弁22を制御する。【0046】また、圧力と吸光度は一定の比例関係にあるため、圧力モニター21で検出した測定時の圧力に応じて吸光度データを補正するようにしてもよい。【0047】次に計測方法の概略を説明する。【0048】紫外線吸収法によって、NH3 ,SO3 の濃度を同時に求めるが、煙道10中の排ガスには、NH3 ,SO3 だけでなく、SO2 ,NO等のガスが多く含まれている。【0049】SO3 の吸収がある200nmから260nmまでの範囲には、NH3 の吸収があり、また、SO2 ,NOの吸収がある。【0050】そこで、NH3 ,SO3 の組成比を種々変えたサンプルガスを標準ガス供給ボンベ29、校正ガス供給配管25を介してガスセル17内に流してこれらの吸光度スペクトルをとり、これを基に多変量解析にてNH3 ,SO3 の検量線を作成し、これをデータとし、これを基にガスセル17に導入した排ガスの吸光度スペクトルを測定し、この吸光度スペクトルから多変量解析にてNH3 ,SO3 の濃度を測定する。【0051】なお、この検量線のデータを予め、演算装置47に記憶させておき、サンプルガスとして、標準ガス供給ボンベ29からSO2 と窒素ガス供給ボンベ27から窒素ガスを校正ガス供給配管25を介してガスセルに供給することで、汚れ等による吸光度変化を補正するようにしてもよい。【0052】【発明の効果】 以上要するに本発明によれば、SO3とNH3の濃度が同時に求められるため、酸性硫安、硫安の生成する温度が予測でき、煙道の温度管理を行うことができ、又生成する酸性硫安、硫安の量が予測できる。また、脱硝装置の管理において、触媒劣化によって増大するリークアンモニア量の監視やSO3量の監視が同時にできる。さらに、校正用ガス及び標準ガスを配管を介してガスセルに導入して検量線の作成を行うことができると共に、ガスセルの汚れなどによる吸光度の変化を補正することができる。【図面の簡単な説明】【図1】本発明の一実施の形態を示す図である。【符号の説明】10 煙道14 バイパス配管(配管)17 セル18 導入配管(配管)40 光源(Xeランプ)46 分光器47 演算装置 煙道中の排ガスをガスセル内に導入し、そのガスセルに導入した排ガス中のSO3とNH3を紫外線吸収分析で同時に連続的に計測する濃度計において、煙道から排ガスをガスセルに導入する配管を接続すると共に、ガスセルにゼロ測定用の校正用ガス及び参照用の標準ガスを導入する配管を接続し、これら配管の温度を350〜450℃に保って濃度を測定することを特徴とするSO3,NH3同時連続濃度計。 上記配管と上記ガスセルの温度を350〜450℃に保って濃度を測定する請求項1記載のSO3,NH3同時連続濃度計。


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