タイトル: | 特許公報(B2)_染色標本の脱色方法および装置 |
出願番号: | 2001153639 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | G01N 33/48,G01N 1/36,G01N 1/28 |
山本 茂子 永井 豊 JP 3899845 特許公報(B2) 20070112 2001153639 20010523 染色標本の脱色方法および装置 日本光電工業株式会社 000230962 本田 崇 100074147 山本 茂子 永井 豊 20070328 G01N 33/48 20060101AFI20070308BHJP G01N 1/36 20060101ALI20070308BHJP G01N 1/28 20060101ALI20070308BHJP JPG01N33/48 PG01N1/28 ZG01N1/28 J G01N 33/48 G01N 1/28 JSTPlus(JDream2) 特開平07−027682(JP,A) 特開2001−021468(JP,A) 特開平07−333123(JP,A) 特開平04−291157(JP,A) 金井 泉、金井 正編著,臨床検査法提要,金原出版,1998年 9月20日,第31版,第286頁〜289頁 渡辺 明朗,血液細胞はなぜ染め分けられるか,都臨技会誌,1992年 4月25日,Vol. 20、No. 3,p.2-8 8 2002350431 20021204 10 20040123 白形 由美子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、血液塗抹標本などの生体組織染色標本を再染色するために脱色する脱色方法に関する。【0002】【従来の技術】血液塗抹標本の代表的染色は、ロマノフスキー(Romanowsky)染色である。現在広く使われているライト(Wright)染色、ギムザ(Giemsa)染色、Pappenheim二重染色(May-Grunwald-Giemsa染色)などは、ロマノフスキー染色の改良法である。【0003】ロマノフスキー染色法またはその改良法で用いられる色素には、メチレンブルー(塩基性色素)、エオジン(酸性色素)、メチレンブルーエオシネイト(中性色素)、のほか、アズールBなどのメチレンブルーの酸化物(アルカリ性メチレンブルー溶液中で発生する)などがある。【0004】メチレンブルーは、細胞内の酸性物質、例えば細胞内のRNAと結合して青色に染める。【0005】エオジンは、例えば赤血球のヘモグロビン、好酸球の好酸性顆粒(好酸球顆粒)などの塩基性物質と結合して赤に染める。【0006】メチレンブルーエオシネイトは、水溶液中でメチレンブルーとエオジンに解離し、それぞれの色素として機能する他、中性顆粒などの特殊顆粒を赤褐色ないし紫紅色に染める。【0007】アズールBなどのメチレンブルーの酸化物は、核のDNA、細胞質のアズール顆粒と結合し、紫赤色(あずき色)に染める。【0008】このような染色が行われた血液塗抹標本は、その染色が失敗の場合、再染色することはできず、新たに別の標本を染色して観察するようにしていた。【0009】【発明が解決しようとする課題】染色の色合いは、染色液の種類、ロット番号、染色時の気温や湿度などによって変化するので、所望の染色結果が得られない場合がある。また、人為的ミスによっても所望の染色結果が得られないことになる。このような場合、細胞観察が困難になったり、観察不可能となる。【0010】しかし、一度染色した塗抹標本は、染め直すことができなかったので、適切に染色されない場合には、正確な観察ができなくなり、採取が困難な貴重な標本であれば観察の機会が失われていた。【0011】本発明は、このような従来技術に鑑みなされたもので、その目的は、染色した塗抹標本を脱色して、再度、染色ができるようにすることである。【0012】【課題を解決するための手段】 本発明方法は、ロマノフスキー染色法またはその改良法により染色された標本の脱色方法であって、染色された標本をメタノールに浸漬する第1のステップを含む。これにより、例えばアズールBまたはメチレンブルーなどのようにアルコールによく溶ける色素により染色された部分が脱色される。【0013】 さらに、本発明方法は、上記第1のステップの後に、リン酸緩衝液とメタノールの混合液に前記標本を浸漬する第2のステップを含む。これにより例えばエオジンなどのように水溶性の色素により染色された部分が脱色される。さらに、本発明方法は、前記第2のステップの後に、前記標本をメタノールに浸漬するステップを含む。これにより、再染色が容易となる。【0014】 本発明方法において、前記標本は、生体組織染色標本とし、染色された生体細胞核、血球細胞核、白血球核DNA、血小板顆粒またはRNAのうちいずれかが前記第1のステップの処理により脱色されていることを確認するステップ、またはアズールBまたはメチレンブルーにより染色された標本部分が前記第1のステップにより脱色されていることを確認するステップを含む。これにより、前記第1のステップの後の処理を確実に行うことができる。【0015】 また、本発明方法において、前記標本は、生体組織染色標本であり、好酸球顆粒が前記第2のステップの処理により脱色されていることを確認するステップ、または、エオジンにより染色された標本部分が前記第2のステップの処理により脱色されていることを確認するステップを含む。これにより、前記第2のステップの後の処理を確実に行うことができる。【0016】また、本発明方法において、前記混合液は、リン酸緩衝液とメタノールの比が1:3から1:4の範囲とすれば、好適な処理結果が得られる。【0019】 また、本発明装置は、ロマノフスキー染色法またはその改良法により染色された標本の脱色装置であって、メタノールを収容する第1の槽と、リン酸緩衝液とメタノールの混合液を収容する第2の槽と、メタノールを収容する第3の槽と、前記標本を前記第1の槽に浸漬した後、前記第1の槽から取り出し、前記第2の槽に浸漬した後、前記第2の槽から取り出し、前記第3の槽に浸漬した後、前記第3の槽から取り出す標本搬送手段と、この標本搬送手段が前記標本を各槽に浸漬する時間を制御する制御手段とを有する。 この構成によれば、前記標本を第1の槽に浸漬することにより、アズールBまたはメチレンブルーなどアルコールによく溶ける色素により染色された部分が脱色され、前記標本を第2の槽に浸漬することにより、エオジンなど水溶性の色素により染色された部分が脱色される。 また、リン酸緩衝液とメタノールの前記混合液は、リン酸緩衝液とメタノールの比が1:3から1:4の範囲にした。このようにすれば、脱色後、鮮明に染色でき、かつ血液細胞の形態変化を抑えることができる。【0020】【発明の実施の形態】本発明の脱色方法の実施の形態を説明する。ロマノフスキー染色法またはその改良法で染色された血液塗抹標本をメタノールを収容した槽に浸漬し、上下に振動させる。メタノール液に色がついてきたなら新しい液と交換し、これに血液塗抹標本を浸漬し、上下振動させるという同様の処理を繰り返す。ここで例えば、メタノール槽は5分おきにメタノールを交換し、メタノール槽には全部で20分間浸漬する。全部の浸漬時間は、塗抹標本が染色されてからの経過時間によるが、染色直後であれば、全体で10〜15分程度、1ケ月経過であれば全体で30分程度が必要である。この処理により、例えばアズールBまたはメチレンブルーなど、アルコールによく溶ける性質の色素により染色された標本部分が脱色される。なお、上記メタノールは、純度99.9%の特級メタノールが好適である。【0021】メタノールに色がつかなくなったとき、顕微鏡下で、脱色を確認する。ここで確認されるのは、血球細胞核、白血球核DNA、血小板顆粒またはRNAなどの脱色である。一例を挙げると、図1に示すように染色された血液塗抹標本は、この処理により図2に示すようになることが確認される。ここで、図1に示す球体の大部分は赤血球である。赤血球は全体にヘモグロビンの赤色となっている。図1の中央部あたりにある大きめの球体が好酸球(記号Aで示す)である。その好酸球は全体に好酸球顆粒のオレンジ色であり、その中に紫赤色の核(記号aで示す)がある。好酸球を例にとると、このメタノール脱色処理により、図2に示すように、核のみが脱色される。図3はメタノール脱色処理後のリンパ球を含む標本を示したものである。図3の中央部あたりにリンパ球は存在するが、リンパ球の核およびRNAを含む細胞質が脱色され、リンパ球全体は見えない状態となっている。ここでも脱色されずに残っている球体は赤血球である。【0022】次に、血液塗抹標本をリン酸緩衝液とメタノール液が1:3〜1:4の割合で調合された混合液を収容した槽に入れる。混合液をこの割合としたのは、鮮明に染色でき、かつ血液細胞の形態変化を抑えるためである。そして、この槽の中において、血液塗抹標本を上下に振動させる。ここで例えば、混合液槽には5分間浸漬する。この浸漬時間も塗抹標本が染色されてからの経過時間により調節すると効率良く脱色を行うことができる。この浸漬処理により、例えばエオジンなどの水溶性の色素により染色された標本部分が脱色される。この処理の後、顕微鏡下で、脱色を確認する。ここで確認されるのは、赤血球のヘモグロビン、好酸球顆粒などの脱色である。上記の図2の例で言えば、赤血球全体および好酸球全体が脱色され、すべての血液構成要素が脱色されていることが確認される。また上記の図3の例で言えば、残っていた赤血球が脱色され、すべての血液構成要素が脱色されていることが確認される。【0023】次にメタノールに塗抹標本を1分程度浸漬する。この処理により、塗抹標本は固定される。ここで、メタノールは、脱色に用いたと同様の純度99.9%の特級メタノールが好適である。【0024】次に、脱色した塗抹標本に対し染色を再度行う。この染色は、通常行われている従来の染色、すなわちロマノフスキー染色法またはその改良法による染色で良いので、説明を省略する。【0025】次に、本発明による脱色装置について説明する。図4にその全体構成を示す。この図に示すように、標本収容部1には、血液塗抹標本2が複数枚収容されている。血液塗抹標本2は、スライドガラスに塗抹された血液にロマノフスキー染色法またはその改良法による染色がなされたものである。【0026】標本収容部1に隣接してメタノール槽3が設けられている。メタノール槽3は4つの槽から成り、それぞれの槽3a〜3dにメタノールが収容されている。ここでメタノールは、上記方法の説明で用いたメタノールと同様のものである。【0027】メタノール槽3に隣接して混合液槽4が設けられている。混合液槽4は、リン酸緩衝液とメタノール液の混合液を収容した槽である。この混合液は、上記方法の説明で用いた混合液と同様のものである。【0028】混合液槽4に隣接してメタノール槽5が設けられている。このメタノール槽5に収容されるメタノールは、上記メタノール槽3に収容されるものと同様のものである。【0029】さらに、本装置は、標本収容部1、メタノール槽3、混合液槽4およびメタノール槽5の上部を移動可能に保持されたアーム6aを備えた搬送部6を備えている。搬送部6は、制御部7により制御され、アーム6aを水平移動、垂直移動させることにより、血液塗抹標本2を、標本収容部1から取り出し、以後、メタノール槽3a〜3d、混合液槽4、メタノール槽5の順に浸漬、取り出しを行うものである。【0030】本装置において、メタノール槽3が第1の槽であり、混合液槽4が第2の槽であり、搬送部6が第1の標本搬送手段であり、制御部7が第1の制御手段である。【0031】このように、構成された装置の動作を説明する。制御部7により制御される搬送部6は、アーム6aを移動させて、まず標本収容部1から複数の血液塗抹標本2を取り出し、これらをメタノール槽3a〜3dに対し順次、浸漬、取り出しを行う。ここでメタノール槽3a〜3dに浸漬される時間はそれぞれ5分間であり、全体で20分間となっている。この処理により、アズールBまたはメチレンブルーなどにより染色された標本部分が脱色される。すなわち、血球細胞核、白血球核DNA、血小板顆粒またはRNAなどが脱色される。【0032】次に搬送部6は、アーム6aを移動させて、血液塗抹標本2を混合液槽4に5分間浸漬して取り出す。この処理によりエオジンなどにより染色された部分が脱色される。すなわち、赤血球のヘモグロビン、好酸球顆粒などが脱色される。【0033】次に搬送部6は、アーム6aを移動させて、血液塗抹標本2をメタノール槽5に所定時間(例えば1分程度)浸漬して取り出す。この処理により血液塗抹標本2の血液構成要素は固定され、以後の染色に備えられる。【0034】なお、上記の動作において、血液塗抹標本2が各槽に浸漬されている間、アーム6aを上下振動させる機能を搬送部6に備えるならば、脱色がより効果的に行われる。【0035】また、連続して次の血液塗抹標本2を脱色する場合には、その脱色処理の前に、前回使用した各槽のメタノールや混合液を新しいものに取り替える必要がある。この取り替えのために、各槽に液体を排出する排出手段と、該当する液体を各槽にそれぞれ供給する供給手段を設け、全脱色処理が1回終る毎に、各槽の液体排出、供給を行わせるよう制御すれば、自動的に液体の取り替えを行うことができる。【0036】このような、排出手段と、供給手段と、これらを制御する制御手段を備えた場合、メタノール脱色処理のためのメタノール槽は1つで良い。【0037】このような装置の例を図5に示す。この図において、標本収容部11には、血液塗抹標本2が複数枚収容されている。標本収容部11に隣接してメタノール槽13が設けられている。【0038】メタノール槽13に隣接して混合液槽14が設けられている。混合液槽14に隣接してメタノール槽15が設けられている。【0039】さらに、本装置は、標本収容部11、メタノール槽13、混合液槽14およびメタノール槽15の上部を移動可能に保持されたアーム20aを備えた搬送部20を備えている。搬送部20は、制御部21により制御され、アーム20aを水平、垂直移動させることにより、血液塗抹標本2を、標本収容部11から取り出し、以後、メタノール槽13、混合液槽14、メタノール槽15の順に収納、取り出しを行うものである。【0040】さらに、本装置は、メタノール槽13にメタノールを供給するメタノール供給手段16と、混合液槽14に混合液を供給する混合液供給手段17と、メタノール槽15にメタノールを供給するメタノール供給手段18と、各槽に収容された液体を選択的に排出させる排出手段19を備えている。制御部21は、搬送部20を制御する他、メタノール供給手段16、混合液供給手段17、メタノール供給手段18および排出手段19を制御する。【0041】本装置において、メタノール槽13が第1の槽であり、混合液槽14が第2の槽であり、搬送部20が第2の標本搬送手段であり、制御部21が第2の制御手段である。【0042】次に、このように構成された装置の動作を説明する。まず、制御部21は、メタノール供給手段16、混合液供給手段17、メタノール供給手段18を制御して、メタノール槽13にメタノールを、混合液槽14に混合液を、メタノール槽15にメタノールをそれぞれ供給する。ここでメタノールおよび混合液は図4に示した装置で用いたものと同様である。【0043】次に搬送部20は、アーム20aを移動させて、血液塗抹標本2を標本収容部11から取り出し、メタノール槽13に所定時間浸漬する。そして制御部21は、排出手段19を制御してメタノール槽13に収容された使用済みのメタノールを排出させ、次にメタノール供給手段16を制御して、メタノール槽13に新たなメタノールを供給する。このため血液塗抹標本2は再度、メタノールに浸漬される。制御部21は、この浸漬を所定時間(例えば5分間)行わせた後、排出手段19を制御して使用済みのメタノールをメタノール槽13から排出させ、次にメタノール供給手段16を制御して、メタノール槽13に新たなメタノールを供給する。このように、制御部21は、血液塗抹標本2をメタノール槽13に浸漬し、その使用済みのメタノールを排出させることを所定回数(例えば4回)行わせる。この処理により、アズールBまたはメチレンブルーなどにより染色された標本部分が脱色される。【0044】次に制御部21は、搬送部20のアーム20aを移動させて、血液塗抹標本2をメタノール槽13から取り出し、血液塗抹標本2を混合液槽14に所定時間(例えば5分間)浸漬し、その後取り出す。この処理によりエオジンなどにより染色された標本部分が脱色される。【0045】次に制御部21は、搬送部20のアーム20aを移動させて、血液塗抹標本2をメタノール槽15に所定時間(例えば1分間程度)浸漬して取り出す。この処理により血液塗抹標本2の血液構成要素は固定され、以後の染色に備えられる。そして制御部21は、搬送部20のアーム20aを移動させて脱色済みの血液塗抹標本2を図示せぬ脱色済み標本収容部に収容する。【0046】次に、制御部21は、排出手段19を制御して各槽に収容された使用済みの液体を排出させると共に、搬送部20のアーム20aを標本収容部11の上部まで移動させて、停止させる。そして制御部21は、各槽に該当する液体をそれぞれ供給するという最初の処理に戻り、各部に以上の動作を繰り返し行なわせる。この動作は、標本収容部11に血液塗抹標本2がなくなるまで行わせる。【0047】なお、上記の動作において、血液塗抹標本2が各槽に浸漬されている間、アーム20aを上下振動させる機能を搬送部20が備えるならば、脱色がより効果的に行われる。【0048】このように、メタノール脱色処理に用いるメタノール槽を1つとすれば、装置の小型化を図ることができる。【0049】なお、以上は、メタノール脱色処理と、混合液脱色処理と、脱色した標本を固定するための固定処理とを全て行う場合に用いる装置の例である。【0050】これに対し、メタノール脱色処理のみで良い場合には、その装置としては、例えば図4の装置において、制御部7の制御により、メタノール槽3を用いたメタノール脱色処理を行わせた後の処理、すなわち混合液脱色処理およびメタノール固定処理が省略されるような構成としても良い。また、例えば図5の装置において、制御部21により、メタノール槽13を用いたメタノール脱色処理を行わせた後の処理、すなわち混合液脱色処理およびメタノール固定処理が省略されるような構成としても良い。【0051】また、このようなメタノール脱色処理のみで良い場合には、専用の装置を用いても良い。その専用装置としては、例えば、図4の装置において、混合液槽4とメタノール槽5を設けず、搬送部6が血液塗抹2を標本収容部1からメタノール槽3まで搬送し、メタノール槽3で浸漬処理するまでを行うもので良い。【0052】なお、図4および図5に示した装置において、血液塗抹標本の染色の濃度を検出する検出手段を設け、その濃度によって、脱色処理(メタノール脱色処理および/または混合液脱色処理)における浸漬時間を決定する。すなわち、濃い場合には長い時間に、薄い場合には短い時間に決定する。そして、その決定した時間、血液塗抹標本を浸漬するようにしても良い。【0053】以上は、標本を血液塗抹標本としたが、ロマノフスキー染色法またはその改良法で染色された塗抹標本であれば良く、血液標本に限定されない。例えば、一般の生体細胞核を含むような標本でも良い。生体細胞核はメタノール脱色処理で脱色される。【0054】【発明の効果】本発明によれば、染色に失敗した塗抹標本の再染色が可能になる。このため採取が困難な貴重な標本であっても1つで何度も観察の機会が得られるという効果がある。また、検査によっては、複数の塗抹標本をそれぞれ異なる染色方法で染めて観察する場合がある。このような場合、本発明によれば、1枚の塗抹標本を繰り返し使用できるようになるため、患者から採取する検体量を軽減させることができる。【図面の簡単な説明】【図1】染色された血液塗抹標本の一例を示す図。【図2】本発明方法のメタノール脱色処理によって、好酸球の核が脱色されたことを示す図。【図3】本発明方法のメタノール脱色処理によって、リンパ球全体が脱色されたことを示す図。【図4】本発明装置の一例を示す構成図。【図5】本発明装置の他の例を示す構成図。【符号の説明】1、11 標本収容部3、5、13、15 メタノール槽4、414混合液槽6、20 搬送部7、21 制御部 ロマノフスキー染色法またはその改良法により染色された標本の脱色方法であって、 染色された標本をメタノールに浸漬する第1のステップと、 この第1のステップの後に、リン酸緩衝液とメタノールの混合液に前記標本を浸漬する第2のステップと、 この第2のステップの後に、前記標本をメタノールに浸漬する第3のステップを含むことを特徴とする染色標本の脱色方法。 リン酸緩衝液とメタノールの前記混合液は、リン酸緩衝液とメタノールの比が1:3から1:4の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の染色標本の脱色方法。 請求項1または2に記載の染色標本の脱色方法であって、 前記標本は、生体組織染色標本であり、 染色された生体細胞核、血球細胞核、白血球核DNA、血小板顆粒またはRNAのうちいずれかが前記第1のステップの処理により脱色されていることを確認するステップを含むことを特徴とする染色標本の脱色方法。 請求項1または2に記載の染色標本の脱色方法であって、 アズールBまたはメチレンブルーにより染色された標本部分が前記第1のステップにより脱色されていることを確認するステップを含むことを特徴とする染色標本の脱色方法。 請求項1または2に記載の染色標本の脱色方法であって、 前記標本は、生体組織染色標本であり、 好酸球顆粒が前記第2のステップの処理により脱色されていることを確認するステップを含むことを特徴とする染色標本の脱色方法。 請求項1または2に記載の染色標本の脱色方法であって、 エオジンにより染色された標本部分が前記第2のステップの処理により脱色されていることを確認するステップを含むことを特徴とする染色標本の脱色方法。 ロマノフスキー染色法またはその改良法により染色された標本の脱色装置であって、 メタノールを収容する第1の槽と、 リン酸緩衝液とメタノールの混合液を収容する第2の槽と、 メタノールを収容する第3の槽と、 前記標本を前記第1の槽に浸漬した後、前記第1の槽から取り出し、前記第2の槽に浸漬した後、前記第2の槽から取り出し、前記第3の槽に浸漬した後、前記第3の槽から取り出す標本搬送手段と、 この標本搬送手段が前記標本を各槽に浸漬する時間を制御する制御手段とを有することを特徴とする染色標本の脱色装置。 リン酸緩衝液とメタノールの前記混合液は、リン酸緩衝液とメタノールの比が1:3から1:4の範囲であることを特徴とする請求項7に記載の染色標本の脱色装置。