タイトル: | 特許公報(B2)_トリプシン基質及び診断具ならびにその使用方法 |
出願番号: | 2001139608 |
年次: | 2012 |
IPC分類: | C07D 207/36,C07D 209/36,C07D 277/20,C07D 277/34,C07D 311/16,C12M 1/34,C12Q 1/37,G01N 33/493,G01N 33/53 |
ポール・エフ・コーリー スティーブン・ダブリュ・フェルマン ゲーリー・イー・リーム マイケル・ジェー・プジア JP 5016752 特許公報(B2) 20120615 2001139608 20010510 トリプシン基質及び診断具ならびにその使用方法 シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレーテッド 507269175 SIEMENS HEALTHCARE DIAGNOSTICS INC. 津国 肇 100078662 齋藤 房幸 100116919 ポール・エフ・コーリー スティーブン・ダブリュ・フェルマン ゲーリー・イー・リーム マイケル・ジェー・プジア US 60/203999 20000515 20120905 C07D 207/36 20060101AFI20120816BHJP C07D 209/36 20060101ALI20120816BHJP C07D 277/20 20060101ALI20120816BHJP C07D 277/34 20060101ALI20120816BHJP C07D 311/16 20060101ALI20120816BHJP C12M 1/34 20060101ALI20120816BHJP C12Q 1/37 20060101ALI20120816BHJP G01N 33/493 20060101ALI20120816BHJP G01N 33/53 20060101ALI20120816BHJP JPC07D207/36C07D209/36C07D277/34C07D311/16 101C12M1/34 BC12Q1/37G01N33/493 AG01N33/53 V CA/REGISTRY(STN) 特開昭49−041375(JP,A) 特開昭56−138155(JP,A) 特開平05−078391(JP,A) 特開平05−140195(JP,A) 特開平06−228189(JP,A) 特開平07−070178(JP,A) 特表平10−500424(JP,A) Enzyme and Microbial Technology (1983), 5(2), 137-42 International Journal of Peptide & Protein Research (1976), 8(1), 65-77 31 2002069055 20020308 25 20080408 冨永 保 【0001】【従来の技術】尿トリプシンインヒビタ(UTI)は、トリプシン及びαキモトリプシン、ヒアルロニダーゼならびにクレアチンホスホキナーゼの酵素反応性を阻害する糖タンパク質である。UTIは、健康な個人の尿中に微量で存在する。【0002】トリプシンインヒビタ活性は、細菌感染を診断するためのスクリーニング試験における使用を示唆されていた。細菌感染が起こると、白血球が動員され、白血球のエラスターゼ活性が活性化される。急性期反応の間、インターロイキン−1が、エラスターゼ活性によって低分子量トリプシンインヒビタに分解されるインター−α−トリプシンインヒビタの産生を誘発する。これらのトリプシンインヒビタは、炎症部位に作用して抗炎症活性及び抗ショック活性を示したのち、尿中に排出されると考えられる。Pietteら(European J. of Med. 1, 273(1992))は、尿トリプシンインヒビタ活性が、特に原因不明の高熱及び/又は血沈速度の上昇のある患者において有用なマーカとなりうることを報告している。【0003】UTIの量的変化は、感染又は炎症の指標として有用である。Kuwajimaら(Clin. Biochem. 23, 167(1990))は、UTIのアッセイを急性期反応の臨床診断に使用できることを報告している。UTIレベルはまた、他の状況、たとえば悪性腫瘍、腎疾患、心筋梗塞及び術後で上昇する。【0004】感染及び炎症のマーカとしては、血清C反応性タンパク質、シアリン酸及び血沈速度が利用されてきた。しかし、これらのマーカはすべて血清ベースであり、血液試料を要する。血液試料の使用は、分析の前に血液試料の凝固、遠心処理及び分離のための時間を要する。【0005】UTI濃度の計測は、酵素阻害、抗体ステイン、ラテックス凝集法及びラジオイムノアッセイ法をはじめとするいくつかの方法で達成されてきた。酵素阻害は、UTI濃度を計測するために使用され、比色酵素基質が阻害の程度を計測するために使用されてきた。方法は最近、臨床分析装置における自動化計測に適応されるようになった(S. Kuwajimaら、上記引用中)。そのような分析技術は通常、尿試料を、アルギニン又はリシンのいずれかでクロモフォアに付着したトリプシン基質と接触させることを含む。理由は、トリプシンがアルギニン及びリシンを開裂させるからである。UTIは流体試料中のその濃度にしたがってトリプシン活性を阻害するため、尿試料中のUTIの濃度は、クロモフォアの呈色反応の強さに反比例する。【0006】Nα−ベンゾイル−L−アルギニンp−ニトロアニリド(BAPNA)、Nα−ベンゾイル−D,L−アルギニンβ−ナフチルアミド(BANA)及びNα−ベンゾイル−L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリンをはじめとするいくつかの比色及び発蛍光性トリプシン基質が市販されている。【0007】公知の指示トリプシン基質は、Nα保護アルギニンの芳香族アミドである。トリプシンがこれらの公知の基質を加水分解するとき、アミド結合が開裂し、芳香族アミンが遊離する。BAPNAの場合、アミド結合が開裂し、黄色のp−ニトロアニリンが遊離し、分光光度計によって計測される。BANAを用いると、2−アミノナフタレンが生成され、それがジアゾ化及びN−(1−ナフチル)−エチレンジアミンとのカップリングによって検出されてアゾ染料を形成する(Goldbergら、Cancer 11, 283(1958))。7−アミノ−4−メチルクマリンがNα−ベンゾイル−L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリンの加水分解によって遊離し、この蛍光生成物が蛍光計によって計測される。これらの基質は、液相アッセイでトリプシン活性を計測するために使用されるが、通常は目視又は簡単な反射率計器によって読みとられる乾相フォーマット、たとえばディップスティックにおける使用には十分に適さない。【0008】アルギニンの芳香族エステルはトリプシン基質として当業者には知られていない。エステルは、アミドよりも加水分解に対してはるかに不安定であり、しばしば、より高感度で加水分解しやすい類似体を得るためにアミドの代わりにプロテアーゼ基質に組み込まれる。これらはまた、求核物質による非酵素的加水分解を受けやすい。これは、求核性グアニジノ基をその構造の一部として有するアルギニンエステルにとって有意である。Grayら(Enzyme Microb. Technol. 5, 137(1983))は、2−ヒドロキシナフトール及び7−ヒドロキシ−4−メチルクマリンのNα−ベンゾイル−アルギニンエステルを製造する試みが、エステル基の不安定性のため、不成功であったと述べている。【0009】【発明が解決しようとする課題】とりわけ血液試料の必要性をはじめとする従来技術の欠点に対処するトリプシン基質が求められる。【0010】【課題を解決するための手段】本発明は、トリプシン基質であるNα−(αアミノ基)及びNG−(グアニジノ基)ビス保護アルギニンの芳香族エステルを提供する。驚くことに、トリプシンは、グアニジノ基上に保護基を有するアルギニンのエステルを加水分解する。本発明のエステルは、生物学的試料、たとえば尿の中のUTIの量を検出するための乾相分析要素で可視色を出すために使用することができる。【0011】本発明の一つの態様では、式(I)の化合物は、【0012】【化7】【0013】(式中、R1は、Nαの保護基であり、R2は、NGの保護基であり、R3は、アリールである)を含み、式(I)の化合物は、トリプシンがO−C単結合を開裂させてR3−OHを遊離させるようなトリプシン基質である。【0014】本発明のもう一つの態様では、診断具は、キャリヤマトリックス及び式(I)の化合物を含む。【0015】本発明のもう一つの態様では、診断具を製造する方法は、(a)キャリヤマトリックスを緩衝溶液と接触させる工程と、(b)キャリヤマトリックスを乾燥させる工程と、(c)キャリヤマトリックスを、式(I)のトリプシン基質を含む溶液と接触させる工程とを含む。【0016】本発明のさらに別の態様では、生物学的試料中の尿トリプシンインヒビタのレベルを検出する方法は、(a)生物学的試料を、所定量のトリプシン、所定量のジアゾニウム塩及び式(I)(R1は、Nαの保護基であり、R2は、NGの保護基であり、R3は、アリールである)のトリプシン基質を含む診断具と接触させる工程を含み、式(I)の化合物は、トリプシンがO−C単結合を開裂させてR3−OHを遊離させるようなトリプシン基質であり、化合物R3−OHは、ジアゾニウム塩と反応して可視色を生じ、色の強さが増すほど、生物学的試料中の尿トリプシンインヒビタは少なくなる。【0017】本発明のさらに別の態様では、生物学的流体中の尿トリプシンインヒビタの存在を検出するための診断キットは、トリプシン及び式(I)のトリプシン基質を含む。【0018】本発明は、前記及び他の特徴を提供し、本発明の利点は、好ましい実施態様の以下の詳細な説明からさらに明らかになる。詳細な説明は、本発明を例示するに過ぎず、請求の範囲及びその均等物によって定義される本発明の範囲を限定するものではない。【0019】用語の定義本明細書で使用する「アルキル」は、飽和脂肪族基であり、直鎖状アルキル基、分岐鎖状アルキル基及びシクロアルキル基を含む。特に好ましいアルキル置換基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシルなどを含む。炭素数が別段指定されない限り、本明細書で使用する「低級アルキル」は、その主鎖構造中に炭素原子1〜10個、より好ましくは炭素原子1〜6個を有する前記アルキル基をいう。脂肪族環式基は、環あたり炭素原子約1〜12個、好ましくは環あたり炭素原子1〜9個を有する単環式又は多環式基であることができる。【0020】本明細書で使用する「アリール」は、酸素、硫黄及び窒素からなる群より選択されるヘテロ原子0〜4個を含むことができる5〜15員の芳香族単環式又は縮合多環式基を含む。たとえば、ベンゼン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、ナフチレン、ベンゾチアゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、キノリンなど。アリール基は、一つ以上の位置をハロ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、ハロアルキル、シアノ、アミノスルホニル、アリール、スルホニル、アミノカルボニル、カルボキシ、アシルアミノ、アルキルスルホニル、アミノ及び、式(I)の組成物がトリプシンの存在で加水分解する能力を妨げないならば、置換又は非置換の置換基で置換されていることができる。【0021】本明細書で使用する「ヘテロアリール」は、単、二又は三環式の−N−、−O−又は−S−ヘテロアリール置換基、たとえばベンゾフラン、ベンゾチオフェン、フラン、イミダゾール、インドール、イソチアゾール、オキサゾール、ピペラジン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、キノリン、チアゾール及びチオフェンである。【0022】本明細書で使用する「保護基」は、求めない反応から官能基を保護するために使用される基である。使用後、保護基は脱離させることができる。【0023】トリプシン基質本発明のトリプシン基質は、Nα,NG−ビス保護アルギニン及びNα,NG−ビス保護アルギニン誘導体の芳香族エステルを含む。エステルがトリプシンによって加水分解されるとき、芳香族アルコールが遊離して、トリプシンが生物学的試料中に存在するならば、検出しやすいシグナルを生成する。【0024】アルギニンエステルは、式(I)【0025】【化8】【0026】(式中、R1は、Nαの保護基であり、R2は、NGの保護基であり、R3は、アリールである)【0027】の化合物として総称的に記載され、式(I)の化合物は、トリプシンがO−C単結合を開裂させてR3−OHを遊離させるようなトリプシン基質である。一つの実施態様では、R3−OHは、式(I)の化合物とは光学的に異なる。この実施態様では、R3−OHは、好ましくは、式(I)の化合物から視覚的に区別できる(肉眼だけで)。あるいはまた、R3−OHは、分析計器を使用して式(I)の化合物から光学的に区別することができる。【0028】もう一つの実施態様では、R3−OHは、ジアゾニウム塩と反応して可視色を生ずる。【0029】加水分解すると黄色を出すp−ニトロフェノールのエステルは、色を本来ほとんど又は全くもたない試料におけるトリプシン検出に有用である。しかし、色のある生物学的試料、たとえば尿又は血清においては、内因性の有色成分からの干渉は、スペクトルの可視領域、好ましくは>500nmで強い吸収を生じさせる基質を使用することによって最小限になる。この理由のため、好ましい基質は、芳香族ジアゾニウム塩とカップリングしたとき強い色のアゾ染料を容易に形成する芳香族アルコールの誘導体である。【0030】これらのアルギニンエステルは、好ましくは、芳香族アルコールによるNα,NG−保護アルギニンのカルボキシル基のエステル化によって製造される。好ましくは、エステル及びアルコールは、異なる光学的性質又は化学反応性を有する。たとえば、p−ニトロフェノールのエステルは無色であるが、遊離フェノールはpH>7で黄色である。7−ヒドロキシ−4−メチルクマリンのエステルは非蛍光性であるが、遊離ヒドロキシクマリンは蛍光性が高い。3−ヒドロキシ−5−フェニルピロールのエステルは、芳香族ジアゾニウム塩、たとえば2−メトキシ−4−モルホリノベンゼンジアゾニウムクロリド(MMBD)に対して非反応性であるが、3−ヒドロキシ−5−フェニルピロールは、MMBDと速やかに反応して明るい色のアゾ染料を生成する。【0031】これらの光学的又は化学的差違のいずれかを利用して、生物学的試料中のUTIを検出することができる。【0032】Nαの保護基R1は、Nαの保護基である。好ましいNα保護基は安定であり、トリプシン基質の製造に伴う反応及びトリプシンがエステル官能基のO−C単結合を開裂させる反応に用いられる条件下でNα官能基を不活性にする。誘導体化されたアミノ基が後続の反応の条件に対して安定であり、トリプシンの存在で組成物が加水分解する能力を妨げない限り、使用するNα保護基の種は重要ではない。【0033】Nαに適した保護基は、カルバメート、アミド及びアリールスルホンアミドを含むが、これらに限定されない。カルバメートは、τ−ブトキシカルボニル(τ−BOC)基、カルボベンジルオキシ(CBZ)基及び当該技術で公知の他の基を含む。アミド保護基は、低級アルキルアミド、たとえばアセチル基及びアリールアミド、たとえばベンゾイル基を含む。適当なアリールスルホンアミド基は、ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル(トシル)基及び当該術で公知である他の基を含む。これら及び他の適当な保護基は、引用例として本明細書に含める、Green及びWutsによる「Protecting Groups in Organic Synthesis」第三版(1999年4月)の「Protection for the Amino Group」と題する章に掲載されている保護基を含むことができる。【0034】NGの保護基R2は、アルギニンのグアニジンNとしても知られるNGの保護基である。NGにおける保護基の存在は、グアニジン基の求核性を下げる。保護基は、非酵素的加水分解からエステルを保護する。さらに、NG保護基は、酵素的加水分解を完全には阻害せず、そのため、これらのアルギニンエステルは安定であり、トリプシン基質として有用である。【0035】好ましいNG保護基は安定であり、トリプシン基質の製造に伴う反応及びトリプシンがエステル官能基のO−C単結合を開裂させる反応に用いられる条件下でNα官能基を不活性にする。【0036】NGに適した保護基は、ニトロ、アレーンスルホニル化合物及びカルボニル誘導体を含むが、これらに限定されない。適当なNG保護基の非限定的リストは、ニトロ、トシル、p−メトキシベンゼンスルホニル、カルボベンジルオキシ、ベンゾイル及び類似構造の保護基を含むことができる。【0037】芳香族アルコールを形成するアリール基R3は、上記で定義したアリールである。トリプシンが基質を加水分解するとき、トリプシンは、式(I)の化合物のエステル基のO−C単結合を開裂させる。これが、化合物R3−OHを形成させる。R3は、式(I)の化合物がトリプシンによって開裂されることなく化合物R3−OHを形成しないよう、安定でなければならない。【0038】一つの実施態様では、R3−OHは、式(I)の化合物とは光学的に異なる。もう一つの実施態様では、R3−OHは、ジアゾニウム塩と反応して可視色、好ましくは生物学的試料の色とは異なる色を形成する。【0039】一般に、R3は、式(I)の化合物を開裂させるトリプシンによって形成される化合物R3−OHが、式(I)の化合物とは光学的に異なるか、ジアゾニウム塩と反応して可視領域の色を形成するようないかなるアリール化合物であることもできる。好ましくは、R3は、複素環式芳香族基を含む。好ましくは、複素環は、縮合環系にあり、ヘテロ原子は、N及びOからなる群より選択される。好ましいR3基は、フェニルピロール及びその誘導体、クマリン及びその誘導体、フェニルチオフェン及びその誘導体、インドール及びその誘導体ならびに2−フェニル−5H−チアゾール及びその誘導体を含むことができるが、これらに限定されない。【0040】ジアゾニウム塩ジアゾニウム塩は、一般に、一般式R4−N2+An-(式中、R4は、先に定義したアリール基であり、An-は、アニオンである)によって示されるジアゾニウム基を有する化合物の有機塩である。Anは、適当なアニオン、たとえばハライド(たとえば塩素、臭素、フッ素及びヨウ素)、テトラフルオロボレート、クロロジンケート、ヘミジンククロリド、ニトレート、パークロレート、p−トルエンスルホネート及び当業者には容易に明らかである他のアニオンを表す。【0041】考えられる他のジアゾニウム塩は、R4中にアニオンを含み、構造【0042】【化9】【0043】(式中、D-は、アニオンであり、好ましいアニオンは、SO3-、CO2-及びPO3=を含み、Gは、独立して、H、C1-6アルキルであるか、二つのG基が一緒になって縮合環系を形成し、Bは、H又はOHである)を有する両性イオンである。【0044】芳香族アルコール(R3−OH)と反応して可視領域の色を形成するいかなるジアゾニウム塩をトリプシン基質とともに使用してもよい。好ましいジアゾニウム塩は、UTIの検出中に他の尿成分と容易には反応しない塩である。非限定的なリストは、2,4−ジメトキシベンゼン−ジアゾニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシナフタレン−1−ジアゾニウムテトラフルオロボレート、2,5−ジメトキシ−4−ジメチルアミノベンゼン−ジアゾニウムテトラフルオロボレート、4−ジメチルアミノベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボレート、2−メトキシ−4−(N−ピロリジノ)−ベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボレート、2−メトキシ−4−(N−ピペリジノ)−ベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボレート、2,6−ジメトキシ−4−(N−モルホリノ)−ベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシ−2−(N−モルホリノ)−ベンゼンジアゾニウムヘミジンククロリド(MMBD)、2−メトキシ−4−〔N−(N′−メチル)ピペラジノ〕−ベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボレート、2−メトキシ−4−(N−チオモルホリノ)−ベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボレートなどを含む。【0045】好ましい両性イオンジアゾニウム塩は、引用例として本明細書に含める米国特許第4,637,979号明細書(Skjoldら)に開示されている1−ジアゾナフタレン−4−スルホネート、1−ジアゾ−2−ナフトール−4−スルホネート、1−ジアゾ−2−ナフトール−4,6−ジスルホネート、1−ジアゾフェニル−3−カーボネートを含む。【0046】本発明で有用である多くのジアゾニウム塩は、多数の販売元から市販されているし、入手しにくいものは、当業者が利用可能な試薬及び周知の手順を使用して製造することができる。【0047】本発明を構成し、使用する読者をさらに支援するため、以下の例を提供する。したがって、好ましい実施態様を実験的詳細で記載し、結果に関して分析する。実施例は、例を示すだけであり、本明細書に記載し、特許請求する本発明の範囲をいかなるふうにも限定することはない。【0048】この部分では、以下に示す略号を使用する。cm-1=センチメートルの逆数(波数)g=グラムkg=キログラムl=リットルml=ミリリットルM=モルmM=ミリモルN=規定eq=当量mol=グラム分子式(モル)mmol=グラム分子式×10-3(ミリモル)nm=ナノメートルaq=水性h=時min=分tlc=薄層クロマトグラフィーmp=融点dec=分解【0049】別段記載しない限り、赤外線(IR)スペクトルは、ATI-Mattson RS-1フーリエ変換赤外線(FTIR)分光計を使用してKBr中で得た。ポリスチレンフィルムの1602cm-1バンドを外部較正標準として使用した。シグナルは、cm-1として報告する。【0050】蛍光スペクトルは、Perkin-ElmerモデルLS-5蛍光分光光度計を使用して得た。励起波長及び発光波長は、ナノメートル(nm)で報告する。【0051】プロトン磁気共鳴(1H NMR)スペクトルは、General Electric GN300NB分光計を使用して、300.12MHzで得た。別段記載しない限り、スペクトルは、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)溶液中で得た。化学シフトは、内部標準テトラメチルシランからダウンフィールドでppmで報告する。【0052】炭素13磁気共鳴(13C NMR)スペクトルは、General Electric GN300NB分光計をフーリエ変換及び全プロトンブロードバンドノイズ減結合とともに使用して、75.4MHzで得た。別段記載しない限り、スペクトルは、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)溶液中で得た。化学シフトは、内部標準テトラメチルシランからダウンフィールドでppmで報告する。【0053】別段記載しない限り、有機試薬及び無水溶媒は、Sigma-Aldrich Corporationから得、精製せずに使用した。別段記載しない限り、他の溶媒は、Malinckrodt Baker IncorporatedのHPLCグレードであった。無機試薬は、Fisher Scientific Company又は他の主要な販売元のACS試薬グレードであった。ブラインとは、塩化ナトリウム飽和水溶液をいう。【0054】薄層クロマトグラフィー(tlc)は、E. Merckのシリカゲル60F-254プレートを使用して実施した。別段記載しない限り、カラムクロマトグラフィーは、E. Merckシリカゲル60(70〜230メッシュ)又は同等物を使用して実施した。すべての融点及び沸点は未修正である。【0055】本発明のエステルの合成を例示するため、以下の実験を実施した。これらの実験は特定の出発原料及び最終生成物に関するが、手順は、本明細書で開示するエステルの総称的クラスに含まれる広い範囲の種に応用可能であると考えられる。【0056】トリプシン基質の製造一般に、本発明のトリプシン基質は、化合物R3−OHを、Nα及びNGで保護されており、適当な脱離基、たとえばハロ原子で活性化されたカルボン酸基のOH基を有していたアルギニンの誘導体と反応させることによって製造される。反応中、R3−OHからのOが脱離基に取って代わり、式(I)の化合物を与える。【0057】【実施例】実施例1:3−(Nα−トシル−NG−ニトロ−L−アルギニニルオキシ)−5−フェニルピロール(C)【0058】【化10】【0059】不活性ガス雰囲気下に維持した乾燥100ml回収フラスコに無水テトラヒドロフラン(THF、11.5ml)を充填したのち、氷槽中で冷却した。これに、無水ピリジン(0.84ml、10.38mmol)を加え、続いてトリフルオロ酢酸(1.59ml、20.6mmol)を加えた。3−ヒドロキシ−5−フェニルピロール(A)(Coreyら、US4,657,855)(1.39g、8.73mmol)を一度に加えてピンク色の不均質反応混合物を得た。無水THF(15ml)中Nα−トシル−NG−ニトロ−L−アルギニニルクロリドB(Inouyeら、Bull. Chem Soc. Japan 47(1), 202(1974))(4.08g、10.41mmol)の溶液を、反応フラスコの上に載せた滴下漏斗に入れ、約5分かけて滴下した。【0060】添加が完了すると、漏斗を無水THF(2ml)ですすぎ、これを反応に加えた。得られた暗色の溶液を0℃で約1.5時間攪拌したのち、ごく少量のTHFを使用して、0.5Mクエン酸(130ml)及び酢酸エチル(EtOAc、130ml)を含む分液漏斗に移した。漏斗を激しく振って相分離させた。【0061】クエン酸溶液をEtOAc(約20ml)で溶媒相洗浄し、合わせた有機層をブラインで洗浄した。有機層をNaHCO3飽和水溶液(100ml)で抽出した。水性抽出物を酢酸エチル(EtOAc、20ml)で一度に溶媒相洗浄した。合わせた有機層をブラインで洗浄した。分離した有機層を約30分間、MgSO4(23.4g)とDarco(登録商標)G-60(American Norit Co., Inc.)との混合物に載せた。【0062】有機層をCelite(登録商標)521(Johns-Manville Corp.)に通して吸引ろ過し、真空中で乾燥状態まで蒸発させて、褐色を帯びた泡状物を得た。この泡状物を熱い100%エタノール(200プルーフ、EtOH)(22ml)中にとり、冷ました。ひとたび結晶質が分離し始めると、それを氷で冷やし、夜通し冷蔵した。この生成物Cをろ過によって収集し、氷冷100%EtOHで洗浄し、真空乾燥させて、標記化合物を淡いピンク色の固体(3.07g、68%)として得た。生成物Cを沸騰中の2−ブタノンから再結晶させ、100℃で約10時間真空乾燥させて分析試料を得た。【0063】【表1】【0064】実施例2:3−(Nα−トシル−NG−ニトロ−L−アルギニニルオキシ)インドールの合成A.3−ヒドロキシインドール(インドキシル)の合成インドキシル1,3−ジアセテート(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)(10.0g、46.05mmol)を、攪拌しながら、不活性ガス雰囲気下に維持した徹底的に脱酸素化したH2O(200ml)に懸濁させた。NaOH(16g)を一度に加え、反応混合物を約85℃で15分間加熱した。反応物を氷/塩槽中で<5℃まで冷却したのち、反応温度を<5℃に維持する速度で、徹底的に脱酸素化したクエン酸一水和物(30.63g)のH2O(30ml)溶液で滴下処理した。次に、NaCl(30g)を加え、反応物を冷却しながら1時間攪拌した。緑を帯びた黄色の固形物を吸引ろ過によって収集し、ごく少量の脱酸素化した氷冷水性0.5Nクエン酸で洗浄し、真空中で夜通し乾燥させて、3−ヒドロキシインドール(4.94g、80%)を得た。この生成物をさらに精製することなく使用した。【0065】B.3−(Nα−トシル−NG−ニトロ−L−アルギニニルオキシ)インドールの合成不活性ガス雰囲気下に維持した乾燥25mlフラスコに無水THF(5.0ml)及び無水ピリジン(2.3ml)を充填したのち、攪拌しながら氷/塩槽中で冷却した。これに、トリフルオロ酢酸(0.415ml)を加えたのち、インドキシル(0.514g、3.86mmol)を加えた。無水THF(6.0ml)中Nα−p−トルエンスルホニル−NG−ニトロ−L−アルギニニルクロリド(Inouyeら、Bull. Chem Soc. Japan 47(1), 202(1974))(2.0g、5.1mmol)の溶液を6分かけて滴下し、反応物を氷/塩槽中で0.5時間攪拌した。【0066】冷却槽を氷水槽と取り替え、攪拌を0.75時間継続したのち、周囲温度で0.5時間攪拌した。反応混合物を、水性0.5Mクエン酸(100ml)とEtOAc(50ml)との混合物に配合し、相を分離させた。水性層をEtOAcで洗浄し(3×25ml)、合わせた有機層を、ブライン(25ml)、NaHCO3飽和水溶液(25ml)及び再びブライン(25ml)で順に洗浄した。有機層をMgSO4及びDarco(登録商標)G-60上で乾燥させ、Celite(登録商標)521に通して吸引ろ過し、真空中で乾燥状態まで蒸発させて、淡い緑色の泡状物(1.4g)を得た。【0067】これを、シリカゲル(60Å、200〜400メッシュ)上、メタノール/クロロホルム(MeOH/CHCl3、容量比9:91)溶媒を使用してクロマトグラフィーに付した。主要な生成物バンド〔tlc Rf=0.26 MeOH/CHCl3(容量比9:91)〕を収集し、真空中で溶媒を除いて、3−(Nα−トシル−NG−ニトロ−L−アルギニニルオキシ)インドール(0.88g、47%)を薄緑色の泡状物として得た。2−ブタノン/イソプロパノール(1:10)から結晶化させて、生成物を結晶形態で得た。mp=188〜191℃(分解)【0068】【表2】【0069】実施例3:4−(Nα−トシル−NG−ニトロ−L−アルギニニルオキシ)−2−フェニル−5H−チアゾールの合成無水THF(8.0ml)中2−フェニル−4(5H)−チアゾロン(Jensen and Crossland, Acta Chem. Scand. 17, 144(1963))(0.738g、4.16mmol)及び4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.615g、5.03mmol)の溶液を0℃に冷却し、不活性ガス雰囲気下に維持した。これを、無水THF(14ml)中Nα−p−トルエンスルホニル−NG−ニトロ−L−アルギニニルクロリド(1.96g、5mmol、1.2当量)の溶液で12分かけて滴下処理した。2時間攪拌したのち、反応物を、EtOAc(100ml)と0.5M水性クエン酸(100ml)との混合物に徹底的に配合し、相を分離させた。【0070】有機層を各25mlのブライン、NaHCO3飽和水溶液及びブラインで順に洗浄したのち、MgSO4及びDarco(登録商標)G-60上で乾燥させ、ろ過し、真空中で乾燥状態まで蒸発させて、黄色の泡状物(1.9g)を得た。これを、シリカゲル(60Å、200〜400メッシュ、190g)上、アセトン/ヘキサン(容量比1:1)溶媒を使用してクロマトグラフィーに付した。主要な生成物(Rf=0.22)を含む画分を合わせ、真空中で乾燥状態まで蒸発させて、薄黄色の泡状物(1.05g)を得た。この粗生成物を暖温なCHCl3(7ml)中にとると、自発的に結晶化した。生成物をろ過によって収集し、冷温なCHCl3で洗浄し、減圧下で乾燥させて、標記化合物(0.77g)を小さな薄黄色の針状物として得た。mp=134〜5℃(分解)【0071】【表3】【0072】実施例4:3−(Nα−トシル−NG−トシル−L−アルギニニルオキシ)−5−フェニルピロールの合成A.Nα−トシル−NG−トシル−L−アルギニンの合成500mlの一つ口丸底フラスコに2N水性NaOH(130ml、260mmol)を充填した。炭酸ナトリウム(4.2g、39.66mmol)を少量ずつ加えた。固形分が溶解したのち(10分後)、NG−トシル−L−アルギニン(Advanced ChemTech, Louisville, KY)(13g、39.66mmol)を加えた。固形分が溶解し(15分)、明澄な黄色の溶液になるまで混合物を攪拌した。アセトン(50ml)中p−トルエンスルホニルクロリド(11.33g、59.45mmol)の溶液を、氷/水槽中で攪拌される反応溶液に滴下漏斗から滴下した。【0073】添加後(15分後)、得られた混合物を氷/水槽中で3時間攪拌した。3時間後、初期の白色固形物がゆっくりと溶解して微細な懸濁液を得た。反応混合物をCelite(登録商標)521パッドに通して吸引ろ過した。パッドを水で洗浄し(2×20ml)、得られたろ液を真空中で濃縮してアセトンを除いた。得られた淡い黄色の曇った残渣を攪拌し、氷/水槽中で冷却した。次に、6N水性HClをpH2まで滴下した。得られた白色のゴム状沈殿物に酢酸エチル(100ml)を加えた。【0074】混合物をフラスコに入れて振り、得られたエマルションをCelite(登録商標)521パッドに通して吸引ろ過した。層を分離させ、有機層を酢酸エチルで抽出した(3×100ml)。合わせた有機層を0.1N水性HCl(2×100ml)及びNaCl飽和水溶液(100ml)で洗浄した。そして、硫酸マグネシウム(25g)上で溶液を30分間攪拌した。混合物を吸引ろ過し、ろ液を真空下で濃縮して黄色の粘ちょうな油状物を得た。この油状物を真空下で夜通し乾燥させて、非晶質の黄色の固体(4.6g、24%)を得た。この生成物をさらに精製することなく使用した。【0075】【表4】【0076】B.3−(Nα−トシル−NG−トシル−L−アルギニニルクロリドの合成乾燥した250mlの一つ口丸底フラスコに無水THF(18ml)を充填した。Nα−トシル−NG−L−アルギニン(1.5g、3.1mmol)を溶媒に加えたのち、溶液を氷/水槽中で冷却した。五塩化リン(PCl5、1.14g、5.6mmol)を少量ずつ加え、得られた混合物を、固形分が溶解する(30分)まで攪拌した。溶液を室温まで暖め、30分間攪拌した。さらなるPCl5(0.5g)を加え、混合物をさらに1時間攪拌した。溶液を氷/水槽中で冷却し、ヘキサン(90ml)を加えた。白色の塊が溶液から析出した。溶液を氷/水槽に15分間入れたのち、混合物をアセトン/ドライアイス槽中で15分間冷却した。ヘキサンをデカントして除き、残渣をヘキサン(2×10ml)で洗浄した。得られた塊を真空下で夜通し乾燥させると、白色の非晶質固体(1.31g、84%)になった。この生成物をさらに精製することなく使用した。【0077】C.3−(Nα−トシル−NG−トシル−L−アルギニニルオキシ)−5−フェニルピロールの合成不活性ガス雰囲気下に維持された25ml一つ口丸底フラスコに無水THF(3ml)及びトリフルオロ酢酸(0.41ml)を充填した。溶液を氷/水槽で冷却したのち、無水ピリジン(0.22ml)を滴下した。溶液を10分間攪拌したのち、3−ヒドロキシ−5−フェニルピロール(332mg、2.09mmol)を少量ずつ加えた。溶液は栗色の混合物になり、これを10分間攪拌した。【0078】次に、無水THF(3ml)中3−(Nα−トシル−NG−トシル−L−アルギニニルクロリド(1.31g、2.61mmol)の溶液をスポイトによって滴下した。スポイトをTHF(2×0.5ml)で洗浄し、洗浄物を反応に加えた。得られた暗色の反応物を氷/水槽中で2時間攪拌した。次に、反応物をEtOAc(30ml)及び1M水性クエン酸(30ml)に配合した。層を混合し、分離させた。有機層を再び1Mクエン酸(20ml)で洗浄した。合わせたクエン酸層を酢酸エチル(20ml)で抽出した。合わせた有機層を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄した(2×20ml)。合わせた炭酸水素ナトリウム層を酢酸エチルで抽出した(2×20ml)。合わせた酢酸エチル相を塩化ナトリウム飽和水溶液で抽出した(2×20ml)。【0079】次に、この溶液を硫酸マグネシウム(5g)及びNorit(登録商標)A(American Norit Co., Inc.)(1g)上で30分間攪拌した。混合物をCelite(登録商標)545に通して吸引ろ過した。ろ液を再びNorit(登録商標)Aで処理し、Celite(登録商標)545に通して吸引ろ過し、減圧下で濃縮して、褐色の粘ちょうな油状物(1.01g)を得た。褐色の粘ちょうな油状物をシリカゲルクロマトグラフィー(40g、溶媒:酢酸エチル:ヘキサン、容量比2.5:1)によって精製した。生成物(Rf=0.3)を含む画分を収集し、減圧中で濃縮して、黄褐色の粘ちょうな油状物を得た。油状物を真空下に夜通し乾燥させて、標記生成物を黄褐色の非晶質固体として得た(0.56g、43%)。【0080】【表5】【0081】実施例5:7−(Nα−トシル−NG−ニトロ−L−アルギニニルオキシ)−4−メチルクマリンの合成7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン(0.7047g、4mmol)を、暖めながら、不活性ガス雰囲気下に維持した無水THF(10.0ml)と無水ピリジン(0.65ml)との混合物に溶解した。攪拌した溶液を−66〜−68度に冷却したのち、約6分かけて、無水THF(13ml)中Nα−p−トルエンスルホニル−NG−ニトロ−L−アルギニニルクロリド(2.00g、5.1mmol)の溶液で滴下処理した。混合物を−57℃未満で約45分間維持したのち、0℃まで暖め、さらに45分間攪拌した。反応混合物を、ごく少量のMeOHを使用して、EtOAc(80ml)及び0.5M水性クエン酸(50ml)を含む分液漏斗に移して、分離したタール状の生成物を除いた。混合物を激しく振り、相を分離させた。【0082】有機層をさらに1部の0.5Mクエン酸(50ml)で抽出したのち、合わせたクエン酸層をEtOAc(50ml)で洗浄した。合わせた有機層をブライン(30ml)、NaHCO3飽和水溶液(2×40ml)及びブライン(40ml)で順に洗浄したのち、MgSO4とDarco(登録商標)G-60との混合物上で乾燥させた。混合物をCelite(登録商標)521に通してろ過し、真空中で乾燥状態まで蒸発させて、淡い黄色の泡状物(1.88g)を得た。この泡状物を、シリカゲル(190g)上で、アセトン/EtOAc(容量比4:96)溶媒を使用してクロマトグラフィーに付した。主要な生成物バンド(Rf=0.25)を含む画分を合わせ、30℃の浴から真空中で濃縮した。この濃縮の終わり近くに(残り約35ml)、生成物が油と固体との混合物として分離し始めた。濃縮を停止し、混合物を、まず周囲温度で、次に0℃で攪拌すると、油状物が固体になった。約1時間後、固体をろ過し、冷温のEtOAc、次にヘキサンで洗浄し、真空乾燥させて、標記化合物(0.72g)を白い微粉末として得た。【0083】【表6】【0084】診断具本発明のもう一つの態様は、キャリヤマトリックス及び式(I)の化合物を含む診断具を含む。【0085】そのようなキャリヤマトリックスの材料の性質は、本発明のトリプシン基質及び本発明のジアゾニウム塩とで使用することができるいかなる物質であることもできる。好ましくは、キャリヤマトリックスは、吸収性材料、たとえばろ紙を含む。他の好ましい材料は、フェルト、多孔質セラミック片及び織りもしくはつや消しガラス繊維を記載する米国特許第3,846,247号明細書に開示されている材料を含むことができる。紙の代わりとして、米国特許第3,552,928号明細書は、木の棒、布、スポンジ材料及び粘土質の使用を記載している。【0086】紙に代わる合成樹脂フリース及びガラス繊維フェルトの使用が英国特許第1,369,139号明細書で提案されており、英国特許第1,349,623号明細書は、下にある紙基材のカバーとして光透過性の薄フィラメントのメッシュワークの使用を教示している。これらの引用例はまた、紙を試薬系の一部で含浸させ、メッシュワークを他の潜在的に非相溶性の試薬で含浸させることを教示している。フランス国特許第2,170,397号明細書は、ポリアミド繊維を50%超含むキャリヤマトリックスの使用を記載している。【0087】キャリヤマトリックスへのもう一つの手法が、試薬を適当なキャリヤマトリックス上にプリントする概念を用いる米国特許第4,046,513号明細書に記載されている。米国特許第4,046,514号明細書は、反応体系中に試薬を有するフィラメントの撚り合わせ又は編み合わせを記載している。このようなキャリヤマトリックス概念のすべてを他のものと同様に本発明に利用することができる。キャリヤマトリックスはまた、アッセイ試薬を物理的に捕らえる系、たとえばポリマーマイクロカプセルを含むことができる。このマイクロカプセルは、試料と接触するとただちに破裂する。これは、アッセイ試薬が流体又は半流体状態のキャリヤマトリックスと均一に合わされている系を含むことができる。このキャリヤマトリックスが、後で硬化し、それにより、アッセイ試薬を捕らえる。【0088】そのような診断具を製造する可能な方法が数多くある。一つの好ましい方法は、キャリヤマトリックスを緩衝溶液と接触させ、キャリヤマトリックスを乾燥させ、キャリヤマトリックスを、式(I)のトリプシン基質を含む溶液と接触させる方法である。好ましくは、その後、キャリヤマトリックスを乾燥させる。トリプシン基質を含む溶液は、好ましくはジアゾニウム塩をも含む。【0089】一つの診断具は、生物学的試料中の尿トリプシンインヒビタの存在を測定するための診断キットであって、トリプシンと、式(I)のトリプシン基質とを含む診断キットである。一つの好ましい実施態様では、診断キットはまた、尿トリプシンインヒビタの存在を測定するために使用することができる、色の強さが増すほど、生物学的試料中の尿トリプシンインヒビタが少なくなるような試薬を含む。この実施態様では、この試薬は好ましくはジアゾニウム塩である。もう一つの好ましい実施態様では、R3−OHが生物学的試料とは異なる色であり、二つの色を肉眼で区別することができる。この実施態様では、色の強さが増すほど、生物学的試料中の尿トリプシンインヒビタは少なくなる。【0090】UTIの存在の試験生物学的試料(好ましくは尿試料)中の尿トリプシンインヒビタのレベルを検出する好ましい方法は、生物学的試料を、所定量のトリプシン、所定量のジアゾニウム塩及び式(I)のトリプシン基質と接触させることを含む。トリプシン基質は、場合によっては、先に定義した診断具の上又は中にあってもよい。本実施態様の一つの利点は、血液試料が必要ないことである。尿試料は、簡単に収集することができ(特に小児科治療で)、前処理を要しないため、好都合である。【0091】トリプシンは、式(I)のトリプシン基質のエステル結合を開裂させる。すると、R3−OHが遊離する。一つの実施態様では、R3−OHは、そのものが式(I)の化合物から光学的に区別することができる(肉眼又は分析機器のいずれでも)。もう一つの実施態様では、R3−OHは、ジアゾニウム塩と反応して可視色を生ずる。色の強さが増すほど、生物学的試料中のUTIは少なくなる。【0092】例6は、生物学的試料中のUTIのレベルを検出するための式(I)のトリプシン基質の有効性を実証する。【0093】実施例6:UTI計測のための乾相分析要素以下の手順にしたがって試薬試験片を製造した。ろ紙(Ahlstrom Inc.の240Cグレード)を第一の浸漬溶液で飽和させ、80℃で2分間、60℃で4分間乾燥させた。次に、得られた紙を第二の浸漬溶液で飽和させ、50℃で6分間乾燥させて、試薬紙を完成させた。接着剤(3M Inc.のY9494)を試薬紙に塗布し、それを、0.51cm(0.20インチ)平方のパッドの形のポリスチレン取っ手に固定した。【0094】A.第一の浸漬溶液の組成a.水b.Bicine緩衝剤(600mM)c.エチレングリコールビス(β−アミノエチルエーテル)N,N,N′,N′−四酢酸(EGTA)(5.1mM)d.Plasdone(Sigma-AldrichのPVP K30)(1.75重量%)e.MgSO4(660mM)f.ウシ膵臓トリプシン(Calbiochemカタログ番号6502)(272単位/ml)g.1N NaOHでpH8.00±0.02に調節【0095】B.第二の浸漬溶液の組成a.アセトンb.トリプシン基質(実施例1、2又は4生成物)(1.25mM)c.2−メトキシ−4−モルホリノベンゼンジアゾニウムクロリド、塩化亜鉛複塩(MMBD)(ジアゾニウムカップリング剤)(2.0mM)d.KOK-101071ポリマー(Bayer Corporation)(0.1重量%)【0096】試験片を表1に掲載する試料に浸漬し、Bayer DiagnosticsのClinitek(商標)50分光計に配置して浸漬後15及び60秒のデータを収集することによってデータを得た。デコード値は、以下の式を使用して計算した。【0097】デコード={〔(B15+G15)−(B60+G60)〕/(B15+G15)}*1000式中、B15は、15秒での青波長の反射率であり、B60は、60秒での青波長の反射率であり、G15は、15秒での緑波長の反射率であり、G60は、60秒での緑波長の反射率である。【0098】この実験の結果を表1に示す。【0099】【表7】【0100】陰性試料=水陽性試料=尿トリプシンインヒビタ(ulinastatin、Miraclid(商標)、Mochida Pharmaceutical Co., Ltd. 東京四谷)200IU/mlを含む水実施例1=3−(Nα−トシル−NG−ニトロ−L−アルギニニルオキシ)−5−フェニルピロール実施例2=3−(Nα−トシル−NG−ニトロ−L−アルギニニルオキシ)インドール実施例4=3−(Nα−トシル−NG−ニトロ−L−アルギニニルオキシ)−5−フェニルピロール【0101】これらの合成トリプシン基質それぞれは、トリプシン酵素とで活性であり、トリプシンがトリプシンインヒビタによって実質的に阻害されたとき、デコードシグナルにおいて50%を超える変化を許した。【0102】実施例7:実施例3の基質を使用するトリプシン検出の乾相分析要素以下の手順にしたがって試薬試験片を製造した。ろ紙(Ahlstrom Inc.の240Cグレード)を第一の浸漬溶液で飽和させ、周囲温度で2時間、110℃で5分間乾燥させた。得られた紙を第二の浸漬溶液で飽和させ、60℃で約1分間乾燥させて、白い試薬紙を完成させた。そして、この試薬紙を、0.64cm(0.25インチ)平方のパッドに裁断した。【0103】A.第一の浸漬溶液の組成a.水(25.0ml)b.エチレングリコールビス(β−アミノエチルエーテル)N,N,N′,N′−四酢酸(EGTA)(0.06g)c.Plasdone(Sigma-AldrichのPVP K30)(0.438g)e.MgSO4(1.08g)【0104】B.第二の浸漬溶液の組成a.アセトン(7.75ml)b.実施例3のトリプシン基質(4−(Nα−トシル−NG−ニトロ−L−アルギニニルオキシ)−2−フェニル−5H−チアゾール、3.1mg)c.2−メトキシ−4−モルホリノベンゼンジアゾニウムクロリド、塩化亜鉛複塩(MMBD)(ジアゾニウムカップリング剤)(2.5mg)【0105】同一のパッドを2種類の試験溶液25μl部で別々に濡らした。一方の試験溶液は、50mM pH=8リン酸緩衝液(対照溶液)であり、第二の試験溶液は、ウシ膵臓トリプシン10,000U/mlを含有する50mM pH=8リン酸緩衝液(試験溶液)であった。1分以内に、試験溶液で処理したパッドは青に変色し、対照溶液で処理したパッドは白いままだった。【0106】実施例8:実施例5の基質を使用するトリプシン検出の乾相分析要素以下の手順にしたがって試薬試験片を製造した。ろ紙(Ahlstrom Inc.の240Cグレード)を第一の浸漬溶液で飽和させ、周囲温度で2時間、110℃で5分間乾燥させた。得られた紙を第二の浸漬溶液で飽和させ、60℃で約1分間乾燥させて、白い試薬紙を完成させた。そして、この試薬紙を、0.64cm(0.25インチ)平方のパッドに裁断した。【0107】A.第一の浸漬溶液の組成a.水(24.55ml)b.エチレングリコールビス(β−アミノエチルエーテル)N,N,N′,N′−四酢酸(EGTA)(0.06g)c.Plasdone(Sigma-AldrichのPVP K30)(0.876g)e.MgSO4(1.08g)【0108】B.第二の浸漬溶液の組成a.アセトン(9.3ml)b.酢酸(0.108ml)c.実施例5のトリプシン基質(7−(Nα−トシル−NG−ニトロ−L−アルギニニルオキシ)−4−メチルクマリン、5.0mg)【0109】同一のパッドを2種類の試験溶液25μl部で別々に濡らし、長波長(365nm)の紫外線照射の下で観測した。一方の試験溶液は、50mM pH=7リン酸緩衝液(対照溶液)であり、第二のの試験溶液は、ウシ膵臓トリプシン10,000U/mlを含有する50mM pH=7リン酸緩衝液(試験溶液)であった。1分以内に、試験溶液で処理したパッドは明るく蛍光を発し、対照溶液で処理したパッドは鈍く非蛍光性のままであった。【0110】変形した液アッセイで、トリプシン濃度を試薬パッドで計器的に測定した。三つの試薬パッドを、トリプシン0〜20u/mlを含む50mM pH=7緩衝液2.0mlで抽出した。385nmの蛍光発光を、Perkin-Elmer モデルLS-5蛍光分光光度計で335nmの励起を使用して計測し、ルミネセンス単位(LU)で報告した。計器によって出力されたLU対時間のプロットから、385nmでの発光の増加率をグラフで決定した。四つのトリプシン濃度で増加率を得た。それを表2に示す。【0111】【表8】【0112】表2のデータの線形回帰分析は、以下の式を戻した。U/ml=(LU/min−0.451)/0.167【0113】385nmで蛍光発光が増大する速度は、存在する酵素の量に正比例する。【0114】当然、上記本発明の実施態様に対して多様な変更及び改良を加えうることが理解されるべきである。したがって、前記記載は、本発明を限定するものではなく例を示すものであり、本発明を定義するものは、すべての等価物を含む請求の範囲である。 式(I)(式中、R1は、Nαの保護基であり、 R2は、NGの保護基であり、 R3は、1−ナフチル、フェニルピロリル、フェニルチオフェニル、インドリル及び2−フェニル−5H−チアゾリルからなる群より選択される)の化合物であって、トリプシンがO−C単結合を開裂させてR3−OHを遊離させるようなトリプシン基質である化合物。 R1が、アシル、アレーンスルホニル及びカルバモイルからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。 R1が、tert−ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、ベンゾイル及びベンゼンスルホニルからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。 R2が、ニトロ、アレーンスルホニル、カルバモイル及びアシルからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。 R2が、ニトロ、ベンゼンスルホニル、トシル、カルボベンジルオキシ及びベンゾイルからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。 R3−OHが式(I)の該化合物とは光学的に異なる、請求項1記載の化合物。 キャリヤマトリックスと、 式(I)(式中、R1は、Nαの保護基であり、 R2は、NGの保護基であり、 R3は、1−ナフチル、フェニルピロリル、メチルクマリニル、フェニルチオフェニル、インドリル及び2−フェニル−5H−チアゾリルからなる群より選択される)の化合物とを含み、式(I)の該化合物が、トリプシンがO−C単結合を開裂させてR3−OHを遊離させるようなトリプシン基質である、生物学的試料中の尿トリプシンインヒビタの存在を測定するための診断具。 R1が、アシル、アレーンスルホニル及びカルバモイルからなる群より選択される、請求項7記載の診断具。 R1が、tert−ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、ベンゾイル及びベンゼンスルホニルからなる群より選択される、請求項7記載の診断具。 R2が、ニトロ、アレーンスルホニル、カルバモイル及びアシルからなる群より選択される、請求項7記載の診断具。 R2が、ニトロ、ベンゼンスルホニル、トシル、カルボベンジルオキシ及びベンゾイルからなる群より選択される、請求項7記載の診断具。 該キャリヤマトリックスがろ紙である、請求項7記載の診断具。 該キャリヤマトリックスがジアゾニウム塩を含む、請求項7記載の診断具。 R3−OH(ここで、R3は、フェニルピロリル、メチルクマリニル、フェニルチオフェニル、インドリル及び2−フェニル−5H−チアゾリルからなる群より選択される)がジアゾニウム塩と反応して可視色を生ずる、請求項13記載の診断具。 ジアゾニウム塩が、構造 R4−N2+An-(式中、R4は、酸素、硫黄及び窒素からなる群より選択される、ヘテロ原子0〜4個を含むことができる5〜15員の芳香族単環式又は縮合多環式基であり、 An-は、アニオンである)を有する、請求項13記載の診断具。 R4が、モルホリノベンゼンである、請求項15記載の診断具。 該ジアゾニウム塩が、構造(式中、D-は、アニオンであり、 Gは、独立して、H、C1-6アルキルであるか、二つのG基が一緒になって縮合環系を形成し、 Bは、H又はOHである)を有する両性イオンである、請求項13記載の診断具。 R3−OHが式(I)の該化合物とは光学的に異なる、請求項7記載の診断具。 キャリヤマトリックスと、 式(I)(式中、R1は、Nαの保護基であり、 R2は、NGの保護基であり、 R3は、1−ナフチル、フェニルピロリル、メチルクマリニル、フェニルチオフェニル、インドリル及び2−フェニル−5H−チアゾリルからなる群より選択される)の化合物とを含み、式(I)の該化合物が、トリプシンがO−C単結合を開裂させてR3−OHを遊離させるようなトリプシン基質である、生物学的試料中の尿トリプシンインヒビタの存在を測定するための診断具を製造する方法であって、 (a)該キャリヤマトリックスを緩衝溶液と接触させる工程と、 (b)該キャリヤマトリックスを乾燥させる工程と、 (c)該キャリヤマトリックスを、式(I)の該トリプシン基質を含む溶液と接触させる工程とを含む方法。 (d)該キャリヤマトリックスを乾燥させる工程をさらに含む、請求項19記載の方法。 該キャリヤマトリックスがろ紙である、請求項19記載の方法。 該キャリヤマトリックスがジアゾニウム塩を含む、請求項19記載の方法。 R3−OH(ここで、R3は、フェニルピロリル、メチルクマリニル、フェニルチオフェニル、インドリル及び2−フェニル−5H−チアゾリルからなる群より選択される)がジアゾニウム塩と反応して可視色を生ずる、請求項22記載の方法。 式(I)の該トリプシン基質を含む溶液がジアゾニウム塩をさらに含む、請求項19記載の方法。 R3−OH(ここで、R3は、フェニルピロリル、メチルクマリニル、フェニルチオフェニル、インドリル及び2−フェニル−5H−チアゾリルからなる群より選択される)がジアゾニウム塩と反応して可視色を生ずる、請求項19記載の方法。 R3−OHが式(I)の化合物とは光学的に異なる、請求項19記載の方法。 生物学的試料中の尿トリプシンインヒビタのレベルを検出する方法であって、 生物学的試料を、所定量のトリプシン、所定量のジアゾニウム塩及び式(I)(式中、R1は、Nαの保護基であり、 R2は、NGの保護基であり、 R3は、1−ナフチル、フェニルピロリル、メチルクマリニル、フェニルチオフェニル、インドリル及び2−フェニル−5H−チアゾリルからなる群より選択され、そして 式(I)の該化合物は、トリプシンがO−C単結合を開裂させてR3−OHを遊離させるようなトリプシン基質であり、 該化合物R3−OHは、ジアゾニウム塩と反応して可視色を生じ、色の強さが増すほど、生物学的試料中の尿トリプシンインヒビタが少ないことを示す)で示される化合物を含む診断具と接触させる工程を含む方法。 生物学的流体中の尿トリプシンインヒビタの存在を測定するための診断キットであって、 (a)トリプシンと、 (b)式(I)(式中、R1は、Nαの保護基であり、 R2は、NGの保護基であり、 R3は、1−ナフチル、フェニルピロリル、メチルクマリニル、フェニルチオフェニル、インドリル及び2−フェニル−5H−チアゾリルからなる群より選択される)の化合物とを含み、 式(I)の該化合物が、トリプシンがO−C単結合を開裂させてR3−OHを遊離させるようなトリプシン基質である診断キット。 R3−OHが該トリプシン基質とは光学的に異なる、請求項28記載の診断キット。 (c)尿トリプシンインヒビタの存在を測定するために使用することができる少なくとも一つの試薬をさらに含む、請求項28記載の診断キット。 該試薬がジアゾニウム塩である、請求項30記載の診断キット。