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タイトル:特許公報(B2)_ポリマレイミド粉体の製造方法
出願番号:2001108208
年次:2010
IPC分類:C08J 3/14,C08G 73/10,C07D 207/452


特許情報キャッシュ

吉冨 ゆきこ 和田 勝 長友 昭憲 西村 雄 小林 剛史 JP 4497745 特許公報(B2) 20100423 2001108208 20010406 ポリマレイミド粉体の製造方法 三井化学株式会社 000005887 中島 淳 100079049 加藤 和詳 100084995 西元 勝一 100085279 福田 浩志 100099025 吉冨 ゆきこ 和田 勝 長友 昭憲 西村 雄 小林 剛史 20100707 C08J 3/14 20060101AFI20100617BHJP C08G 73/10 20060101ALI20100617BHJP C07D 207/452 20060101ALI20100617BHJP JPC08J3/14C08G73/10C07D207/452 C08J 3/00 C07D 207/452 C08G 73/10 特開平05−140097(JP,A) 2 2002302553 20021018 11 20070706 繁田 えい子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、ポリマレイミド粉体の製造方法に関する。本発明の方法で得られるポリマレイミド粉体は積層材料、封止材料、電気絶縁材料、導電性ペースト、接着剤および構造材料として有用なものである。【0002】【従来の技術】ポリマレイミドを構造材料として使用する場合は、製品の品質を均一にする面から、他原料と均一に混ぜ合わせることが必要であり、そのためにポリマレイミドを粉体として得ることが必要である。また、ポリマレイミドを原料とした樹脂の商品価値を低下させないためには得られるポリマレイミド化合物中の酸性分の含有量を低下させる必要がある。【0003】従来、酸性分を低減したマレイミド化合物を得る方法としては例えば、特開昭61−236763号公報に記載されている、マレイミド化合物の有機溶媒溶液を濃縮しスラリーとした後、塩基性化合物水溶液中に排出し、析出した固体を水洗する方法が挙げられる。しかしながらこの方法では一旦結晶内に採りこまれた不純物はその後の水洗で除去するのは困難であるという問題点が有る。【0004】そのため、結晶を析出させる前に不純物を除去する方法として、特開平03−48659号公報、特開平03−56463号公報、特開平5−140097号公報に記載されているマレイミド化合物の有機溶媒溶液を水洗する方法、特開平1−216969号公報、特開平1−216970号公報、特開平1−283264号公報に記載されているマレイミド化合物の有機溶媒をアルカリ水洗浄後、水洗または酸性水洗する方法、特開昭61−204166号公報、特開平5−25129号公報に記載されているマレイミド化合物の有機溶媒溶液を酸処理後水洗する、または酸性水で洗浄する方法などが挙げられる。【0005】そして、これらの方法では、反応終了後、若しくは反応溶液を洗浄した後のマレイミド化合物の有機溶媒溶液を大量の水に投入する、または貧溶媒を装入することにより結晶を析出させてマレイミド化合物の粉体を得ている。【0006】【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法において粉体を得ることができるのは比較的結晶性の高いマレイミド化合物のみであり、本発明の一般式(2)【化2】【0007】(式中Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、nは0〜10の整数を示す。)で表され、且つn=0で表される化合物の含有量が50%〜90%であるポリマレイミド粉体は得る事ができなかった。例えば特開平7−61969号公報に記載されている、水洗後のポリマレイミドの有機溶媒溶液から有機溶媒を50〜95重量%留去してアルコールを添加する方法では、ポリマレイミドは一旦ペースト状になって分離した後固化するため、得られるポリマレイミドはフレーク状であり、本発明のような粉体を得ることはできなかった。また操作中はポリマレイミドが粘着性の高い塊となって反応機内に付着し排出困難になるなど、作業性も悪かった。【0008】【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、上記問題点に鑑み鋭意検討した結果、一般式(1)【化3】【0009】(式中Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、nは0〜10の整数を示す。)で表され、且つn=0で表される化合物を50%〜90%含有するポリアミンと無水マレイン酸とを酸触媒の存在下、水に不溶性または不混和性の溶媒中で脱水閉環反応させてポリマレイミドとし、次いで該反応溶液を水洗し、酸分を低減したポリマレイミド溶液の水に不溶性または不混和性の溶媒の一部または全部を非プロトン性極性溶媒に置換した後、水およびアルコール類より選ばれる1種または2種以上の混合液と接触させることにより、反応機内への付着等の問題無く、酸分が低減されたポリマレイミドを粉体として取出すことができる事を見出し、本発明を完成するに至った。【0010】即ち、本発明は、一般式(1)【化4】【0011】(式中Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、nは0〜10の整数を示す。)で表され、且つn=0で表される化合物の含有量が50%〜90%であるポリアミンと無水マレイン酸とを酸触媒の存在下、水に不溶性または不混和性の溶媒中で脱水閉環反応させてポリマレイミドとし、次いで該反応溶液を水洗し、得られたポリマレイミド溶液中の水に不溶性または不混和性の溶媒の一部または全部を、溶媒置換後の非プロトン性極性溶媒と水に不溶性または不混和性の溶媒の比が、非プロトン性極性溶媒100重量部に対し、水に不溶性または不混和性の溶媒0〜300重量部となるように非プロトン性極性溶媒に置換し、該ポリマレイミド溶液を水およびアルコール類より選ばれる1種または2種以上の混合液と接触させてポリマレイミドを析出させることを特徴とする酸分が低減されたポリマレイミド粉体の製造方法、【0012】ポリアミンがアニリンとホルムアルデヒドとの縮合反応により得られる芳香族ポリアミンであり、且つ4,4’−メチレンジアニリン含有量が50%〜90%である事を特徴とする、酸分が低減されたポリマレイミド粉体の製造方法を提供するものである。【0013】【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳述する。【0014】本発明に用いられるポリアミンは、一般式(1)【化5】【0015】(式中Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、nは0〜10の整数を示す。)で表され、且つn=0で表される化合物を50重量%〜90重量%含有しているポリアミンであって、たとえば、アニリン、トルイジン、アニシジン、アミノフェノール等のアニリン誘導体とホルムアルデヒドとの縮合反応により得られる芳香族ポリアミン(特開昭50−21098号公報参照)が挙げられる。なかでもアニリンとホルムアルデヒドとの縮合反応により得られる芳香族ポリアミンであって、且つ4,4’−メチレンジアニリン含有量が50%〜90%である芳香族ポリアミンが好ましい。【0016】n=0で表される化合物が90重量%を越える場合は従来技術でも特に問題なく対処できるが、90%以下では本発明の方法でなければ「酸分が低減された粉体」が得られない。一方、50重量%を下回っても良いが、場合によっては得られるポリマレイミドを用いた構造材料の耐熱性等の物性が不十分になる為、好ましくは50重量%以上が良い。【0017】本発明の脱水閉環反応においては反応溶媒として、水に不溶性または不混和性の溶媒が望ましい。このような溶媒としては、芳香族炭化水素またはハロゲン化炭化水素が好ましい。芳香族炭化水素溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ブチルベンゼン類、キュメン、メシチレン等が挙げられる。また、ハロゲン化炭化水素溶媒としては、クロロホルム、ジクロロエチン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,2−ジクロルエタン、1,2−ジクロロプロパン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン、トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン等が挙げられる。なかでもモノクロロベンゼンが好ましい。【0018】また、脱水閉環反応を促進する目的で、上記溶媒に非プロトン性極性溶媒を添加して脱水閉環反応を行っても良い。非プロトン性極性溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホロアミド、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン等を使用する。非プロトン性極性溶媒の使用量は、混合溶媒中0.1〜80重量%、好ましくは1〜50重量%である。反応溶媒は、ポリアミン1重量部に対し、1〜50重量部、好ましくは2〜20重量部の割合で使用するのが良い。【0019】本発明の方法において、脱水閉環反応で使用される酸触媒としては、硫酸、無水硫酸、リン酸、ポリリン酸、メタリン酸、縮合リン酸等の無機酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等のハロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機スルホン酸等が挙げられる。なかでも取扱い易さからp−トルエンスルホン酸が好ましい。これら酸触媒の使用量は、ポリアミンのアミノ基1当量に対し、好ましくは0.001〜1モル、更には0.001〜0.1モルの範囲が好ましい。【0020】ポリマレイミドは、無水マレイン酸とポリアミンを水に不溶性または不混和性の溶媒中で反応させポリマレアミド酸を形成させた後、非プロトン性極性溶媒及び、酸触又はカルボン酸無水物などの脱水剤の存在下で脱水閉環させる方法、【0021】該ポリマレアミド酸のスラリー液を、水に不溶性または不混和性の溶媒中であり且つ水と共沸する溶媒が還流している中に連続的または間欠的に添加し、反応により生成する脱離水は共沸溶媒とともに還流冷却器に導き水分離装置により反応液から連続的に除去しながら脱水閉環させる方法、【0022】無水マレイン酸、水に不溶性または不混和性の溶媒或いは、水に不溶性または不混和性の溶媒と非プロトン性極性溶媒との混合溶媒、および触媒を予め反応釜に入れておき、水と溶媒との共沸温度以上に加熱し、ついで上記ポリアミンの有機溶媒溶液を徐々に加える。その際、反応により生成する脱離水は共沸溶媒とともに還流冷却器に導き水分離装置により反応液から連続的に除去しながら脱水閉環させる方法等により製造される。【0023】水に不溶性または不混和性の溶媒或いは、水に不溶性または不混和性の溶媒と非プロトン性極性溶媒との混合溶媒、および触媒を予め反応釜に入れておき、水と溶媒との共沸温度以上に加熱し、ついで無水マレイン酸、ポリアミンそれぞれの有機溶媒溶液を同時に徐々に加える。その際、反応により生成する脱離水は共沸溶媒とともに還流冷却器に導き水分離装置により反応液から連続的に除去しながら脱水閉環させる方法等により製造される。【0024】反応終了後は反応液を水または塩基性水溶液で洗浄する。塩基性水溶液としてはアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩または炭酸水素塩の水溶液、若しくはアンモニア水などが使用できるが、好ましくはナトリウムまたはカリウムの水酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩の水溶液である。水または塩基性水溶液の使用量は洗浄後に有機相と水相とが分離する量であれば特に制限はないが、反応混合物液量の10〜100重量%が好ましい。【0025】洗浄は洗浄後のpHが2〜9、好ましくは4〜8の範囲に成るように行うのが良い。【0026】洗浄温度は60〜90℃が良く、好ましくは70〜85℃が良い。洗浄温度が低い場合は、ポリマレイミドが析出したり、有機相と水相の分液性が悪くなりあまり好ましくない。一方洗浄温度が高い場合は目的物であるポリマレイミドが加水分解したり、反応に使用した有機溶媒が分解することがある。【0027】洗浄は、酸分がポリマレイミドに対し1000ppm以下に低減されるまで行う。洗浄は連続で行っても回分で行っても良く、回分で行う場合は通常1〜5回、好ましくは2〜5回行う。また、塩基性水溶液で洗浄した後は水洗浄を行う方が好ましい。【0028】洗浄後は、得られたポリマレイミド溶液に非プロトン性極性溶媒を添加する、またはポリマレイミド溶液から水に不溶性または不混和性の溶媒を留去した後、非プロトン性極性溶媒を添加する、若しくはポリマレイミドの有機溶媒溶液に非プロトン性極性溶媒を添加した後水に不溶性または不混和性の溶媒を留去することにより、洗浄後のポリマレイミド有機溶媒溶液の水に不溶性または不混和性の溶媒の一部または全部を非プロトン性極性溶媒に置換する。【0029】溶媒置換後の非プロトン性極性溶媒と水に不溶性または不混和性の溶媒の比は、非プロトン性極性溶媒100重量部に対し、水に不溶性または不混和性の溶媒0〜300重量部、より好ましくは0〜150重量部、更に好ましくは0〜10重量部とするのが良い。水に不溶性または不混和性の溶媒が多いほど、析出するポリマレイミド中に残存する溶媒量が多くなり、上記範囲よりも更に多いと、析出するポリマレイミドの粘着性が高くなり、所望の粉体を得ることができなくなる恐れがある。【0030】溶媒置換後のポリマレイミドの溶液の濃度は、溶液の流動性を保つことができる濃度で有れば良く、10〜90重量%が好ましい。より好ましくは30〜85重量%、更に好ましくは50〜80重量%が良い。【0031】洗浄後のポリマレイミド溶液中の、水に不溶性または不混和性の溶媒の一部または全部を非プロトン性極性溶媒に置換する際は50〜100℃、好ましくは70〜90℃、減圧下で行うのが良い。【0032】次ぎに、このようにして得られたポリマレイミド溶液を、水およびアルコール類から選ばれた少なくとも1種または2種以上の混合液と接触させ、ポリマレイミドのスラリー液とする。アルコール類としてはメタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール等が挙げられる。これらの中でも炭素数4以下の低級アルコールが、特にメタノールが好ましい。【0033】また、水のみを使用した場合は析出したポリマレイミドの粘着性が低くなるという利点がある一方で、非プロトン性極性溶媒の濾液からの回収が困難になるという欠点がある。一方メタノールのみを使用した場合は非プロトン性極性溶媒の濾液からの回収は容易になるものの、析出するポリマレイミドの粘着性が高くなるという欠点がある。その為、含水メタノールが更に好ましい。【0034】このときの接触温度は、接触させる液が水の場合は40℃以下が好ましい。接触させる液がアルコール類または含水アルコール類の場合はアルコール類の含有率によって適当な温度を選択するのが良い。アルコール類の含有率が高いほど接触温度は低い方が好ましく、例えば含水アルコール中のアルコール含有率が80重量%以上の場合は、10℃以下が好ましい。接触温度がこれらの温度を上回ると、ポリマレイミドが粘着性の高いものとなり、反応機や攪拌器に付着し、所望の粉体が得られなくなることがある。【0035】ポリマレイミド溶液と水およびアルコール類から選ばれた少なくとも1種または2種以上の混合液とを接触させる方法としては例えば、ポリマレイミド溶液に、攪拌下、水およびアルコール類から選ばれた少なくとも1種または2種以上の混合液を滴下装入する方法、あるいは、水およびアルコール類から選ばれた少なくとも1種または2種以上の混合液に攪拌下、ポリマレイミド溶液を滴下装入する方法のいずれの方法を採っても良く、またこれらに限定されるものではないが、好ましくは水およびアルコール類から選ばれた少なくとも1種または2種以上の混合液に攪拌下、ポリマレイミド溶液を滴下装入する方法が良い。【0036】ポリマレイミド溶液と水およびアルコール類から選ばれた少なくとも1種または2種以上の混合液との接触時間は特に限定されないが、析出したポリマレイミド粉体が反応機や攪拌機に付着しない程度まで粘着性が低下するのに十分な時間があれば良い。接触時間が短すぎる場合は、その後の取り出し作業時や乾燥時に再凝集し、所望のポリマレイミド粉体が得られなくなる恐れがある。【0037】好ましくは更にスラリー液を熟成するのが良い。熟成は接触温度以下で行うのが好ましいが、これに限定されることはなく、一旦析出したポリマレイミドが軟化しない温度であれば良い。【0038】水およびアルコール類から選ばれた少なくとも1種または2種以上の混合液の使用量は、ポリマレイミド溶液1重量部に対し、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは2〜15重量部、更に好ましくは3〜10重量部が良い。【0039】このようにして得られたポリマレイミド粉体のスラリー液より、遠心分離、デカント、濾過等の分離操作の後、乾燥することにより酸分が1000ppm以下に低減されたポリマレイミドの粉体を得ることができる。【0040】【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。【0041】実施例1攪拌機、温度計、ディーンスタックおよび冷却器を備えた1Lの4つ口フラスコ内に、無水マレイン酸116.7g(1.19mol)、パラトルエンスルホン酸一水和物16.2g(0.085mol))N,N−ジメチルホルムアミド21.6gおよびモノクロロベンゼン222.5gを仕込み、54.5kPaで還流温度まで昇温した。また一方でアニリンとホルムアルデヒドの縮合により得られる4,4’−メチレンジアニリンの含有量が75.0重量%のポリメリックメチレンジアニリン100g(NH2基1.0mol)を、N,N−ジメチルホルムアミド21.6gおよびモノクロロベンゼン222.5gに50℃で加熱溶解させ、上記反応器内に10時間かけて滴下した後、引き続き還流下で2時間熟成した。その間、モノクロロベンゼンとともに共沸して留出してくる縮合水はディーンスタックで分液した後抜き出し、残ったモノクロロベンゼンは反応系内に循環させた。このようにして得られた反応マスを70℃まで冷却した後、70℃の温水100g中に攪拌しながら滴下装入し、70〜75℃で30分間攪拌した。静置分液後水相を廃棄し、更に同様の操作により70℃の温水で2回洗浄を繰り返した。このようにして得られた水洗マスにN,N−ジメチルホルムアミド115.2gを装入後、減圧下70℃〜75℃でポリマレイミドの濃度が60重量%になるまで溶媒を留去した。溶媒留去後の溶液のN,N−ジメチルホルムアミドとモノクロロベンゼンの重量比は100:7.5だった。引き続き該ポリマレイミド溶液を5℃の80%メタノール水906.4g中に攪拌しながら1時間かけて滴下し、0〜10℃で12時間熟成した。得られたスラリー液を濾過後、濾塊を5℃の80%メタノール水で洗浄した後、65℃で乾燥し、黄色いポリマレイミド粉体171.3gを得た。【0042】実施例2攪拌機、温度計、ディーンスタックおよび冷却器を備えた1Lの4つ口フラスコ内に、無水マレイン酸4.87g(0.05mol)、パラトルエンスルホン酸一水和物16.2g(0.085mol))N,N−ジメチルホルムアミド15.6gおよびモノクロロベンゼン155.8gを仕込み、54.5kPaで還流温度まで昇温した。滴下ロートに4,4’−メチレンジアニリンの含有量が75.0重量%のポリメリックメチレンジアニリン100g(NH2基1.0mol)をN,N−ジメチルホルムアミド21.6gおよびモノクロロベンゼン155.8gの混合溶媒に溶解させた溶液、無水マレイン酸111.9g(1.14mol)をN,N−ジメチルホルムアミド6.0gおよびモノクロロベンゼン133.6gの混合溶媒に溶解させた溶液をそれぞれ仕込み、それぞれを10時間かけて同時に滴下した後、引き続き還流下で2時間熟成した。その間、モノクロロベンゼンとともに共沸して留出してくる縮合水はディーンスタックで分液した後抜き出し、残ったモノクロロベンゼンは反応系内に循環させた。その後の処理は実施例1と同様の操作を行った。尚、溶媒留去後の溶液のN,N−ジメチルホルムアミドとモノクロロベンゼンの重量比は100:7.5だった。結果を表1に示す。【0043】実施例3攪拌機、温度計、および冷却器を備えた1Lの4つ口フラスコ内に、無水マレイン酸116.7g(1.19mol)、およびモノクロロベンゼン222.5gを仕込み、50℃に昇温し溶解させた。滴下ロートに4,4’−メチレンジアニリンの含有量が75.0重量%のポリメリックメチレンジアニリン100g(NH2基1.0mol)をモノクロロベンゼン222.5gに溶解させた溶液を仕込み、上記4つ口フラスコに50〜70℃で1時間かけて滴下し、引き続き同温度で1時間攪拌してポリマレアミド酸のスラリー液を得た。 続いて該ポリマレアミド酸スラリー液を、別に攪拌機、温度計、ディーンスタックおよび冷却器を備えた1Lの4つ口フラスコ内に、モノクロロベンゼン222.5g、パラトルエンスルホン酸一水和物16.2g(0.085mol))を仕込み、54.5kPaで還流温度まで昇温した中に10時間かけて、ポリマレアミド酸スラリーが系内に滞留しない速度で連続的に添加した後、同温度で2時間熟成した。その間、モノクロロベンゼンとともに共沸して留出してくる縮合水はディーンスタックで分液した後抜き出し、残ったモノクロロベンゼンは反応系内に循環させた。このようにして得られた反応マスを70℃まで冷却した後、70℃の10重量%重曹水150gを攪拌しながら滴下装入し、70〜75℃で30分間攪拌した。静置分液後水相を廃棄し、更に同様の操作により70℃の温水で2回洗浄を繰り返した。このようにして得られた水洗マスから減圧下70℃〜75℃でモノクロロベンゼン222.5gを留去後、N,N−ジメチルホルムアミド115.2gを装入し、更に減圧下70℃〜75℃でポリマレイミドの濃度が60重量%になるまで溶媒を留去した。溶媒留去後の溶液のN,N−ジメチルホルムアミドとモノクロロベンゼンの重量比は100:7.5だった。その後の処理は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。【0044】実施例4仕込みのポリメリックメチレンジアニリンに、4,4’‐メチレンジアニリンの含有量が83.4重量%のポリメリックメチレンジアニリンを用いた他は実施例1と同様の操作を行った。尚、溶媒留去後の溶液のN,N-ジメチルホルムアミドとモノクロロベンゼンの重量比は100:2.0だった。結果を表1に示す。【0045】実施例5水洗、濃縮後得られたポリマレイミドのN,N−ジメチルホルムアミド溶液を25℃で水中に排出した他は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。【0046】実施例6水洗、濃縮後得られたポリマレイミドのN,N−ジメチルホルムアミド溶液を5℃でメタノール中に排出した他は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。【0047】実施例7実施例1と同様にして得られた水洗後のポリマレイミド有機溶媒溶液に、N,N−ジメチルホルムアミド50gを装入後溶液を減圧下70℃〜75℃でポリマレイミドの濃度が60重量%になるまで濃縮した。濃縮後の溶液のN,N−ジメチルホルムアミドとモノクロロベンゼンの重量比は100:135だった。その後5℃でメタノール2000gに排出した他は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。【0048】比較例1実施例1と同様にして得られた水洗後のポリマレイミド有機溶媒溶液を、N,N−ジメチルホルムアミドを装入せずに、減圧下70℃〜75℃でポリマレイミドの濃度が50重量%になるまで濃縮した。得られた濃縮溶液を5℃で100%メタノール906.4gに排出し、0〜10℃で熟成した。ポリマレイミドは粘度の高いペースト状になって析出し、フラスコ壁に付着し途中で攪拌が困難となり、粉体を得ることはできなかった。【0049】比較例2実施例1と同様にして得られた反応マスを水洗することなく、引き続き減圧下70〜75℃でポリマレイミドの濃度が60重量%になるまで溶媒を留去した。溶媒留去後の溶液のN,N−ジメチルホルムアミドとモノクロロベンゼンの重量比は100:2.2だった。引き続き該ポリマレイミド溶液を、20℃の3.1重量%炭酸水素ナトリウム水溶液中1500g(炭酸水素ナトリウム量は過剰の無水マレイン酸とp−トルエンスルホン酸とを合計した当量の1.2倍相当)に攪拌下1時間かけて滴下し、20℃で12時間熟成した。得られたスラリー液を濾過し、濾塊をさらに1500gの水でスラッジ後、濾過、乾燥した。結果を表1に示す。【0050】比較例3実施例1と同様にして得られた反応マスを水洗することなく、引き続き減圧下70〜75℃でポリマレイミドの濃度が60重量%になるまで溶媒を留去した。溶媒留去後の溶液のN,N−ジメチルホルムアミドとモノクロロベンゼンの重量比は100:2.2だった。引き続き該ポリマレイミド溶液を、20℃の水1500gに攪拌下1時間かけて滴下し、20℃で12時間熟成した。得られたスラリー液を濾過し、濾塊をさらに1500gの水でスラッジ後、濾過、乾燥した。結果を表1に示す。【0051】【表1】【0052】表中PTSはHPLC測定により定量した。測定条件は以下の通りである。前処理:試料0.2gを100mlのクロロホルムに溶解する。この溶液から45mlの水で2回抽出操作を行いPTS水溶液を得る。さらにこの水溶液をクロロホルムで洗浄した後、水層を100mlにメスアップする。【0053】HPLC条件:カラム YMC A312(ODS)15cm×6mm検出波長 UV 222nm溶離液 KH2PO4の0.5M水溶液:アセトニトリル=90:10カラム温度 40℃【0054】【発明の効果】本発明の方法で構造材料として有用な酸分が低減されたポリマレイミドを粉体として得ることができた。 一般式(1)(式中Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、nは0〜10の整数を示す。)で表され、且つn=0で表される化合物の含有量が50%〜90%であるポリアミンと無水マレイン酸とを酸触媒の存在下、水に不溶性または不混和性の溶媒中で脱水閉環反応させてポリマレイミドとし、次いで該反応溶液を水洗し、得られたポリマレイミド溶液中の水に不溶性または不混和性の溶媒の一部または全部を、溶媒置換後の非プロトン性極性溶媒と水に不溶性または不混和性の溶媒の比が、非プロトン性極性溶媒100重量部に対し、水に不溶性または不混和性の溶媒0〜300重量部となるように非プロトン性極性溶媒に置換し、該ポリマレイミド溶液を水およびアルコール類より選ばれる1種または2種以上の混合液と接触させてポリマレイミドを析出させることを特徴とする酸分が低減されたポリマレイミド粉体の製造方法。 ポリアミンが、アニリンとホルムアルデヒドとの縮合反応により得られる芳香族ポリアミンであり、且つ4,4’−メチレンジアニリン含有量が50%〜90%である事を特徴とする、請求項1記載の酸分が低減されたポリマレイミド粉体の製造方法。


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