タイトル: | 特許公報(B2)_多核エポキシアクリレート化合物、これを含有する硬化性樹脂組成物及びその硬化物 |
出願番号: | 2001082057 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | C08G 59/16,C07D 303/30,C08F 2/50,C08F 299/02 |
峰岸 昌司 三由 忠大 森野 博満 小桧山 登 JP 4719369 特許公報(B2) 20110408 2001082057 20010322 多核エポキシアクリレート化合物、これを含有する硬化性樹脂組成物及びその硬化物 太陽ホールディングス株式会社 591021305 ▲吉▼田 繁喜 100097135 峰岸 昌司 三由 忠大 森野 博満 小桧山 登 JP 2000081036 20000322 20110706 C08G 59/16 20060101AFI20110616BHJP C07D 303/30 20060101ALI20110616BHJP C08F 2/50 20060101ALI20110616BHJP C08F 299/02 20060101ALI20110616BHJP JPC08G59/16C07D303/30C08F2/50C08F299/02 C08G59/00,C08L63/00,C08F299/00 特開昭57−179219(JP,A) 特開昭61−047716(JP,A) 特開平05−032745(JP,A) 7 2002128863 20020509 22 20071030 川上 智昭 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、異種の芳香環を規則的に繰り返し含有する線状の新規な多核エポキシアクリレート化合物に関し、さらに詳しくは、その硬化物が耐熱性、電気絶縁性に優れると共に、高い硬度と強靱性を有し、しかも耐水性、耐薬品性に富む新規な多核エポキシアクリレート化合物に関する。さらに本発明は、該多核エポキシアクリレート化合物を含有する硬化性樹脂組成物及びその硬化物に関する。【0002】【従来の技術】高温下における安定性に優れた樹脂としては、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などに代表される種々の耐熱性樹脂がある。しかし、これらの耐熱性樹脂は、高融点であるがために成形に際して高温あるいは高圧を要したり、あるいは硬化にあたって高温・高圧下に長時間保持することが必要であったり、また特殊な高沸点溶剤に樹脂を溶解させて用いる必要があることから、高温下に長時間加圧ないしは減圧して溶剤を除去する工程を要するなど、成形性に大きな問題点を有している。したがって、これらの耐熱性樹脂を用いて大型成形物を製造したり、引抜成形や押出成形などのような連続的に成形物を製造することは極めて困難である。【0003】一方、硬化性、作業性など成形性の優れた樹脂として、ビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂などの多価フェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸から誘導されたエポキシ(メタ)アクリレートあるいは不飽和ポリエステルなどラジカル重合型の樹脂が知られており、通常、これらの樹脂はスチレンなどのようなラジカル重合性架橋剤を配合し、ビニルエステル樹脂あるいは不飽和ポリエステル樹脂として広く用いられている。しかしながら、これらの樹脂は高温下における熱安定性の点で必ずしも満足なレベルに達しておらず、また、硬化時の収縮が大きく、伸びが少なく、強靱性に欠けるため、熱衝撃によるクラックが発生し易いという欠点があった。【0004】これに対し、上記欠点を解消し得る方法として、変性芳香族アミンと、重合性架橋剤と、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を有するブタジエンーアクリロニトリル共重合体からなる樹脂組成物(日本特許第2539873号公報)、変性芳香族ポリアミン及び/又は変性芳香族ジアミンと、エポキシ化合物と、ラジカル重合性架橋剤からなる樹脂組成物(特開平1−297423号公報)などが提案されている。しかし、これらの方法も、耐熱性と強靱性とを共に満足させるまでにはまだまだ不充分である。【0005】【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような問題に鑑みなされたものであり、活性エネルギー線の照射による硬化及び熱硬化のいずれも可能であり、バランスのとれた耐熱性と強靱性に加え、密着性、耐水性、耐薬品性、電気絶縁性等に優れた硬化物が得られ、かつ良好な成形性を持つ多核エポキシアクリレート化合物、これを含有する硬化性樹脂組成物及びその硬化物を提供することを目的とするものである。【0006】【課題を解決するための手段】 前記目的を達成するために、本発明によれば、下記一般式(1)で示される多核エポキシアクリレート化合物が提供される。【化5】 (式中、XとYは異なる芳香環を表わし、Xはビフェノール型ジグリシジルエーテル、ビキシレノール型ジグリシジルエーテル、ビスフェノール型ジグリシジルエーテル及びナフタレン型ジグリシジルエーテルよりなる群から選ばれた少なくとも1種の1分子中に2個のグリシジル基を有する芳香族エポキシ化合物の芳香環残基を表わし、Yはジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、ビキシレノール、ビスフェノール、及びハイドロキノンよりなる群から選ばれた少なくとも1種の1分子中に2個のフェノール性水酸基を有する芳香族アルコールの芳香環残基を表わし、Zは互いに無関係に、下記一般式(2)もしくは(3)で示される基又は水素原子を表わし、かつZの少なくとも1個は一般式(2)で示される基であり、Z’は互いに無関係に、下記一般式(2’)もしくは(3’)で示される基を表わし、nは1〜20の整数を表わす。)【0007】【化6】(式中、R1は水素原子又はメチル基を表わし、R2は不飽和モノカルボン酸残基を表わす。)【0008】本発明のより具体的な好適な態様によれば、下記一般式(4a)又は(4b)で示される多核エポキシアクリレート化合物が提供される。【化7】(式中、R3、R4、R5、R6は同一の又は互いに異なる、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、R7、R8、R9、R10は同一の又は互いに異なる、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を表わし、R11、R12は同一の又は互いに異なる、水素原子、メチル基又はハロゲン化メチル基を表わし、Z、Z’及びnは前記と同じ意味を有する。)【0009】好適な態様においては、R3〜R6又はR7〜R10が全て水素原子であるか、あるいはまた、R3〜R6又はR11、R12が全てメチル基であり、一方、二価のナフタレン環残基が1,5−、1,6−、2,6−又は2,7−置換体である。特に好適な態様においては、前記R3〜R6は全てメチル基であり、かつ前記二価のナフタレン環残基は1,5−、1,6−、又は2,6−置換体である。【0010】さらに本発明によれば、前記したような多核エポキシアクリレート化合物と、光重合開始剤及び/又は硬化剤を必須成分として含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物が提供される。さらにまた、本発明によれば、上記硬化性樹脂組成物を活性エネルギー線照射及び/又は加熱により硬化させて得られる硬化物が提供される。【0011】【発明の実施の形態】本発明者らは、前記の課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、前記X及びYで表わされる異種の芳香環を規則的に繰り返し含有する線状エポキシ化合物、特に軟化点の高いビフェニル骨格とナフタレン骨格、あるいはビスフェノール骨格とナフタレン骨格とが交互に共重合された交互共重合型の線状エポキシ化合物における側鎖のアルコール性水酸基にエピハロヒドリンを反応させて得られた多核エポキシ化合物に、不飽和基含有モノカルボン酸を反応させて得られた多核エポキシアクリレート化合物が、光硬化及び熱硬化のいずれも可能であり、しかもこのような硬化処理によって優れた耐熱性と強靱性を併せ持つ硬化物を与えることを見出し、本発明を完成させるに至ったものである。すなわち、本発明の多核エポキシアクリレート化合物は、前記一般式(1)で表わされるように異種の芳香環を規則的に繰り返し含有するため、機械的強度の高い硬化物が得られ、また線状構造としたことによって、また多核エポキシ化合物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させたことによって、耐熱性の高い硬化物が得られると共に、基材に対する密着性、耐水性、耐薬品性、電気絶縁性、成形性に優れた硬化物が得られるものである。【0012】以下、本発明の多核エポキシアクリレート化合物について詳細に説明する。前記一般式(1)で示される本発明の多核エポキシアクリレート化合物の製造に際しては、まず、1分子中に2個のグリシジル基を有する芳香族エポキシ化合物(以下、二官能芳香族エポキシ化合物という)と、1分子中に2個のフェノール性水酸基を有する芳香族アルコール(以下、二官能芳香族アルコールという)とを原料として、後述するような公知のエーテル化触媒を用い、溶媒中又は無溶媒下、交互に重合させ、得られたアルコール性の二級の水酸基にエピハロヒドリンを、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等の公知の溶媒中、苛性ソーダ等のアルカリ金属水酸化物の存在下、反応させ、下記一般式(5)で示される多核エポキシ化合物を得る。【化8】(式中、X及びYは前記した意味と同じであり、Mは互いに無関係に水素原子又は前記一般式(3)で示される基である。)【0013】次に、前記一般式(5)で示される多核エポキシ化合物に不飽和基含有モノカルボン酸を、後述する有機溶剤の存在下あるいは非存在下で、ハイドロキノンや酸素などの重合禁止剤、及びトリエチルアミン等の三級アミン、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、トリフェニルホスフィン等のリン化合物などの反応触媒の共存下、通常約80〜130℃で反応させ、前記一般式(1)で示される多核エポキシアクリレート化合物を得ることができる。【0014】前記二官能芳香族エポキシ化合物としては、下記(A)〜(D)で示されるような芳香環を有するビフェノール型ジグリシジルエーテル、ビキシレノール型ジグリシジルエーテル、ビスフェノール型ジグリシジルエーテル及びナフタレン型ジグリシジルエーテルよりなる群から選ばれた少なくとも1種の二官能芳香族エポキシ化合物が用いられる。このような二官能芳香族エポキシ化合物を、二官能芳香族アルコールとの交互共重合体における一方のモノマー成分とすることにより、硬化物の強度、耐熱性、電気絶縁性等に優れたエポキシ化合物が得られる。【化9】(式中、R3、R4、R5、R6は同一の又は互いに異なる、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、R7、R8、R9、R10は同一の又は互いに異なる、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を表わし、R11、R12は同一の又は互いに異なる、水素原子、メチル基又はハロゲン化メチル基を表わす。)【0015】前記ビフェノール型、ビキシレノール型、ビスフェノール型又はナフタレン型のジグリシジルエーテルとしては、例えばビフェノール化合物、ビキシレノール化合物、ビスフェノール化合物又はジヒドロキシナフタレンとエピクロルヒドリンとの反応から製造されるものを使用することができる。また、市販のエポキシ化合物も使用することができ、例えば、ビフェノール型ジグリシジルエーテルとしてはジャパンエポキシレジン社製の商品名「エピコートYL−6056」等、ビキシレノール型ジグリシジルエーテルとしてはジャパンエポキシレジン社製の商品名「エピコートYX−4000」等、ビスフェノール型ジグリシジルエーテルとしては旭化成エポキシ社製の商品名「アラルダイト#260」、「アラルダイト#6071」等のビスフェノールA型エポキシ化合物、或いは大日本インキ化学工業社製の商品名「エピクロン830S」等のビスフェノールF型エポキシ化合物、或いは大日本インキ化学工業社製の商品名「エピクロンEXA1514」等のビスフェノールS型エポキシ化合物、ナフタレン型ジグリシジルエーテルとしては大日本インキ化学工業社製の商品名「エピクロンHP−4032(D)」等を挙げることができ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。【0016】本発明に使用する二官能芳香族アルコールは、その構造に特徴があり、耐熱性を高くするために芳香環を有し、対称構造或いは剛直な構造を有したものを使用することができる。このような化合物としては、例えば1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,8−ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン誘導体、ビキシレノール、ビフェノール等のビフェノール誘導体、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、アルキル基置換ビスフェノール等のビスフェノール誘導体、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン等のハイドロキノン誘導体等を挙げることができ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。【0017】前記した二官能芳香族エポキシ化合物の中でも、特にビフェノール型又はビスフェノール型ジグリシジルエーテルが好ましく、また前記した二官能芳香族アルコールの中でも、軟化点の高い1,5−、1,6−又は2,6−置換体、特に対称的な1,5−及び2,6−置換体を用いることが好ましい。【0018】二官能芳香族エポキシ化合物と二官能芳香族アルコールとの反応に使用される触媒としては、グリシジル基とフェノール性水酸基が定量的に反応するホスフィン類、アルカリ金属化合物、アミン類を単独で又は併用して用いるのが好ましい。これ以外の触媒は、ゲル化するので好ましくない。ホスフィン類としては、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のトリアルキルもしくはトリアリールホスフィン又はこれらと酸化物との塩類などが挙げられる。アルカリ金属化合物としては、ナトリウム、リチウム、カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、ハロゲン化物、アルコラート、アミドなどが挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。アミン類としては、脂肪族又は芳香族の第一級、第二級、第三級、第四級アミン類などが挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。アミン類の具体例としては、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルピペラジン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ヘキサメチレンテトラミン、ピリジン、テトラメチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。【0019】これらの触媒は、二官能芳香族エポキシ化合物及び二官能芳香族アルコールの仕込量100質量部に対して、0.001〜1質量部、好ましくは0.01〜1質量部の範囲で用いることが好ましい。この理由は、触媒の使用量が0.001質量部未満では、反応に時間がかかり経済的でなく、一方、1質量部を超えると、逆に反応が早いために制御がし難くなるので好ましくない。【0020】また、二官能芳香族エポキシ化合物と二官能芳香族アルコールは、前記触媒の存在下、不活性ガス気流中或いは空気中で約130〜180℃の温度範囲で反応させることが好ましい。【0021】前記一般式(5)で示される多核エポキシ化合物は、後述するような公知の溶媒中又は無溶媒下、アルカリ金属水酸化物の存在下にて、前記二官能芳香族エポキシ化合物と二官能芳香族アルコールとの反応生成物におけるアルコール性水酸基とエピハロヒドリンとを反応させることによって製造することができる。【0022】前記エピハロヒドリンとしては、例えばエピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、エピヨードヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン、β−メチルエピブロムヒドリン、β−メチルエピヨードヒドリンなどが用いられる。【0023】前記一般式(5)で示される多核エポキシ化合物において、エピハロヒドリンの使用量は前記二官能芳香族エポキシ化合物と二官能芳香族アルコールとの反応生成物におけるアルコール性水酸基1当量に対して0.1倍当量以上使用すればよい。但し、水酸基1当量に対して15倍当量を超える量の使用は、容積効率が悪くなり好ましくない。【0024】また、溶媒としては、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等の公知の溶媒が挙げられる。この溶媒の使用量は、前記二官能芳香族エポキシ化合物と二官能芳香族アルコールとの反応生成物に対して5〜300質量%が好ましい。この理由は、5質量%未満ではアルコール性水酸基とエピハロヒドリンとの反応が遅くなり、一方、300質量%を超えると容積効率が悪くなり好ましくない。【0025】また、アルカリ金属水酸化物としては、苛性ソーダ、苛性カリ、水酸化リチウム、水酸化カルシウムなどが使用でき、特に苛性ソーダが好ましい。このアルカリ金属水酸化物の使用量は、前記二官能芳香族エポキシ化合物と二官能芳香族アルコールとの反応生成物におけるエポキシ化したいアルコール性水酸基1当量に対して0.5〜2倍当量とすることが好ましい。【0026】前記二官能芳香族エポキシ化合物と二官能芳香族アルコールとの反応生成物におけるアルコール性水酸基とエピハロヒドリンとの反応温度は、20℃以上、好ましくは30℃以上、100℃以下が望ましい。この理由は、反応温度が20℃未満であると反応が遅くなり、長時間の反応が必要となり、一方、反応温度が100℃を超えると副反応が多く起こり好ましくない。【0027】また、前記二官能芳香族エポキシ化合物と二官能芳香族アルコールとの反応生成物におけるアルコール性水酸基とエピハロヒドリンとの反応は、ジメチルスルホキシド又は四級アンモニウム塩などの第4級塩基性塩化合物又は1,3−ジメチル−2−イミダゾリンとアルカリ金属水酸化物の共存下、該アルカリ金属水酸化物の量を調整することにより行なうこともできる。【0028】用い得る第4級塩基性塩化合物の具体例としては、例えばテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムハライド、テトラメチルアンモニウムバイカーボネート、テトラメチルアンモニウムベンゾエート、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラメチルホスホニウムハイドロオキサイド等が挙げられる。但し、上記の触媒は単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。その使用量は、前記二官能芳香族エポキシ化合物と二官能芳香族アルコールとの反応生成物であるエポキシ化合物のエポキシ化させたい水酸基1当量に対して、0.001〜2当量の範囲が好ましく、より好ましくは0.05〜0.2当量の範囲である。0.001当量未満の場合はその効果が発現し難く、原料として使用するエポキシ化合物のグリシジルエーテル基がエポキシ化合物の水酸基と反応して高分子量化したりするので好ましくない。一方、2当量を越える量を添加しても、それ以上の格別な効果の向上は見られない。【0029】前記一般式(5)で示される多核エポキシ化合物に、不飽和基含有モノカルボン酸を反応させて本発明の不飽和エポキシアクリレート化合物を得るにあたっては、前記一般式(5)で示される多核エポキシ化合物に、該化合物中に含まれるエポキシ基1モルに対して不飽和基含有モノカルボン酸を0.2〜1.3モルの割合で配合し、溶媒中又は無溶媒下、約60〜150℃、好ましくは70〜130℃に加熱して、好ましくは空気の存在下に反応を行なう。反応中の重合によるゲル化を防止するため、メチルハイドロキノン、ハイドロキノン等のハイドロキノン類;p−ベンゾキノン、p−トルキノン等のベンゾキノン類などの公知慣用の重合禁止剤を用いるのが好ましい。また、反応時間を短縮するために、エステル化触媒を用いるのが好ましい。エステル化触媒としては、例えば、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、トリエチルアミン等の三級アミン及びその塩酸塩又は臭素酸塩;テトラメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の四級アンモニウム塩;パラトルエンスルホン酸等のスルホン酸;ジメチルスルホキシド、メチルスルホキシド等のスルホニウム塩;トリフェニルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン等のホスフィン類;塩化リチウム、臭化リチウム、塩化第一錫、塩化亜鉛等の金属ハロゲン化物などの公知慣用のものを用いることができる。【0030】前記不飽和基含有モノカルボン酸の代表的なものとしては、アクリル酸、メタアクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、フェニルグリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸カプロラクトン付加物など水酸基含有アクリレートの不飽和二塩基酸無水物付加物などが挙げられる。ここで特に好ましいのはアクリル酸、メタアクリル酸である。これら不飽和基含有モノカルボン酸は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。【0031】本発明の多核エポキシアクリレート化合物の数平均分子量は、400〜10,000、好ましくは500〜7,000、より好ましくは500〜5,000である。エポキシ化合物の数平均分子量が400未満では、得られる硬化物の強靱性が十分でなく、一方、10,000を超えると溶媒に対する溶解性が低下するので好ましくない。【0032】本発明の多核エポキシアクリレート化合物は、単独で又は他のエポキシ樹脂との併用で、通常のエポキシ化合物の場合と同様に、硬化剤さらに必要により硬化促進剤等を添加することにより熱硬化させることができる。使用する硬化剤としては、アミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノール系化合物などがある。具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、フェノールノボラック、及びこれらの変性物、イミダゾール、BF3−アミン錯体、グアニジン誘導体などが挙げられる。これらの硬化剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。硬化促進剤としては、例えばイミダゾール類、第3級アミン類、フェノール類、金属化合物等が挙げられる。【0033】エポキシ樹脂としては、具体的には、ジャパンエポキシレジン社製のエピコート828、エピコート834、エピコート1001、エピコート1004、大日本インキ化学工業社製のエピクロン840、エピクロン850、エピクロン1050、エピクロン2055、東都化成社製のエポトートYD−011、YD−013、YD−127、YD−128、ダウケミカル社製のD.E.R.317、D.E.R.331、D.E.R.661、D.E.R.664、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイド6071、アラルダイド6084、アラルダイドGY250、アラルダイドGY260、住友化学工業社製のスミ−エポキシESA−011、ESA−014、ELA−115、ELA−128、旭化成工業社製のA.E.R.330、A.E.R.331、A.E.R.661、A.E.R.664等(何れも商品名)のビスフェノールA型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のエピコートYL903、大日本インキ化学工業社製のエピクロン152、エピクロン165、東都化成社製のエポトートYDB−400、YDB−500、ダウケミカル社製のD.E.R.542、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイド8011、住友化学工業社製のスミ−エポキシESB−400、ESB−700、旭化成工業社製のA.E.R.711、A.E.R.714等(何れも商品名)のブロム化エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のエピコート152、エピコート154、ダウケミカル社製のD.E.N.431、D.E.N.438、大日本インキ化学工業社製のエピクロンN−730、エピクロンN−770、エピクロンN−865、東都化成社製のエポトートYDCN−701、YDCN−704、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドECN1235、アラルダイドECN1273、アラルダイドECN1299、アラルダイドXPY307、日本化薬社製のEPPN−201、EOCN−1025、EOCN−1020,EOCN−104S、RE−306、住友化学工業社製のスミ−エポキシESCN−195X、ESCN−220、旭化成工業社製のA.E.R.ECN−235、ECN−299等(何れも商品名)のノボラック型エポキシ樹脂;大日本インキ化学工業社製のエピクロン830、ジャパンエポキシレジン社製エピコート807、東都化成社製のエポトートYDF−170、YDF−175、YDF−2004、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドXPY306等(何れも商品名)のビスフェノールF型エポキシ樹脂;東都化成社製のエポトートST−2004、ST−2007、ST−3000(商品名)等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のエピコート604、東都化成社製のエポトートYH−434、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドMY720、住友化学工業社製のスミ−エポキシELM−120等(何れも商品名)のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドCY−350(商品名)等のヒダントイン型エポキシ樹脂;ダイセル化学工業社製のセロキサイド2021、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドCY175、CY179等(何れも商品名)の脂環式エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のYL−933、ダウケミカル社製のT.E.N.、EPPN−501、EPPN−502等(何れも商品名)のトリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のYL−6056、YX−4000、YL−6121(何れも商品名)等のビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂又はそれらの混合物;日本化薬社製EBPS−200、旭電化工業社製EPX−30、大日本インキ化学工業社製のEXA−1514(商品名)等のビスフェノールS型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のエピコート157S(商品名)等のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のエピコートYL−931、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイド163等(何れも商品名)のテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドPT810、日産化学工業社製のTEPIC等(何れも商品名)の複素環式エポキシ樹脂;日本油脂社製ブレンマーDGT等のジグリシジルフタレート樹脂;東都化成社製ZX−1063等のテトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂;新日鉄化学社製ESN−190、ESN−360、大日本インキ化学工業社製HP−4032、EXA−4750、EXA−4700等のナフタレン基含有エポキシ樹脂;大日本インキ化学工業社製HP−7200、HP−7200H等のジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂;日本油脂社製CP−50S、CP−50M等のグリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂;さらにシクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートの共重合エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらエポキシ樹脂は単独で又は2種以上を用いることができる。【0034】本発明の多核エポキシアクリレート化合物は、単独で又は他の感光性(メタ)アクリレート化合物との併用で、通常の感光性(メタ)アクリレート化合物の場合と同様に、光重合開始剤を配合して、活性エネルギー線の照射により硬化させることができる。【0035】前記感光性(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートなどの水酸基含有のアクリレート類;ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレートなどの水溶性のアクリレート類;トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの多官能アルコールの多官能ポリエステルアクリレート類;トリメチロールプロパン、水添ビスフェノールA等の多官能アルコールもしくはビスフェノールA、ビフェノールなどの多官能フェノールのエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物のアクリレート類;上記水酸基含有アクリレートのイソシアネート変成物である多官能もしくは単官能ポリウレタンアクリレート;ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル又はフェノールノボラックエポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸付加物であるエポキシアクリレート類、及び上記アクリレート類に対応するメタクリレート類などが挙げられ、これらは単独で又は2種以上を使用することができる。【0036】前記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノアミノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアミノアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾイルパーオキシド、クメンパーオキシド等の有機過酸化物;2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、リボフラビンテトラブチレート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等のチオール化合物;2,4,6−トリス−s−トリアジン、2,2,2−トリブロモエタノール、トリブロモメチルフェニルスルホン等の有機ハロゲン化合物;ベンゾフェノン、4,4´−ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類又はキサントン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。これら公知慣用の光重合開始剤は、単独で又は2種類以上の混合物として使用でき、さらにはN,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類などの光開始助剤を加えることができる。また可視光領域に吸収のあるCGI−784等(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)のチタノセン化合物等も、光反応を促進するために添加することもできる。特に好ましい光重合開始剤は、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノアミノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン等であるが、特にこれらに限られるものではなく、紫外光もしくは可視光領域で光を吸収し、(メタ)アクリロイル基等の不飽和基をラジカル重合させるものであれば、光重合開始剤、光開始助剤に限らず、単独であるいは複数併用して使用できる。【0037】また、前記した多核エポキシアクリレート化合物は、単独で又は他の感光性(メタ)アクリレート化合物との併用で、有機過酸化物やアゾ化合物などによる加熱重合法、有機過酸化物と促進剤による常温重合法などによって硬化させることができる。【0038】有機過酸化物としては、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ビス−4−t−ブチルシクロヘキシルパーオキシジカーボネートなどがあり、アゾ化合物としては、アゾビスイソブチルロニトリルなど公知のものを単独又は2種以上の混合で用いることができる。促進剤としては、コバルト、鉄、マンガンなどのオクチル酸、ナフテン酸の塩などの多価金属の塩類、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、p−トルイジン、エタノールアミンなどの有機アミン類など公知のものを単独又は2種以上の混合で用いることができる。【0039】このように、本発明の多核エポキシアクリレート化合物は、単独で、あるいは光硬化成分及び/又は熱硬化成分と配合され、活性エネルギー線照射及び/又は加熱により硬化させて、その硬化物を得ることができる。例えば、本発明の多核エポキシアクリレート化合物、光重合開始剤、あるいはさらにエポキシ樹脂、硬化剤、さらに必要により増感剤、硬化促進剤等が配合されたエポキシアクリレート樹脂組成物は、従来知られている方法と同様の方法で容易にエポキシアクリレート樹脂組成物の硬化物を得ることができる。さらに、例えば、本発明の多核エポキシアクリレート化合物と硬化剤、充填剤及びその他の添加剤とを必要に応じて押出機、ニーダ、ロール等を用いて均一になるまで充分に混合してエポキシアクリレート樹脂組成物を得、そのエポキシアクリレート樹脂組成物を溶融後、注型あるいはトランスファー成形機などを用いて成形し、さらに20〜200℃に加熱することにより硬化物を得ることができる。また、エポキシ樹脂組成物を溶剤に溶解させ、ガラス繊維、カーボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させ、加熱乾燥して得たプリプレグを、熱プレス成形、又は活性エネルギー線を照射して硬化物を得ることもできる。なお、上記エポキシアクリレート樹脂組成物では、必要に応じて無機又は有機充填剤等の種々の配合剤を混合することができる。【0040】また、本発明の多核エポキシアクリレート化合物、光重合開始剤、硬化剤、さらに必要により硬化促進剤等が配合されたエポキシアクリレート樹脂組成物を溶剤に溶解させ、塗布方法に適した粘度に調整することができる。このような溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤などが挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で又は2種類以上の混合物として使用することができる。なお、有機溶剤の配合量は、塗布方法に応じた任意の量とすることができる。【0041】【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を示してより具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりである。また、以下において「部」は、特に断りのない限りすべて質量部であるものとする。【0042】合成例1ガス導入管、撹拌装置、冷却管及び温度計を備えたフラスコに1,5−ジヒドロキシナフタレン169部とエポキシ当量194g/当量の3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル1130部を仕込み、窒素雰囲気下にて、撹拌下120℃で溶解させる。その後、トリフェニルホスフィン0.65部を添加し、フラスコ内の温度を150℃まで昇温し、温度を150℃で保持しながら、約90分間反応させ、エポキシ当量350g/当量のエポキシ化合物(1−a)を得た。次に、フラスコ内の温度を70℃以下まで冷却し、エピクロルヒドリン2080部、ジメチルスルホキシド1690部を加え、撹拌下70℃まで昇温し保持する。その後、96%水酸化ナトリウム180部を90分間かけて分割添加する。添加後、さらに3時間反応させる。反応終了後、過剰のエピクロルヒドリン及びジメチルスルホキシドの大半を120℃、50mmHgの減圧下にて蒸留し、副生塩とジメチルスルホキシドを含む反応生成物をメチルイソブチルケトンに溶解させ水洗する。その後、油層よりメチルイソブチルケトンを蒸留回収して、エポキシ当量262g/当量の多核エポキシ化合物(1−b)を得た。得られた多核エポキシ化合物(1−b)は、エポキシ当量から計算すると、前記一般式(4a)(但し、Zは水素原子)におけるアルコール性水酸基1.57個のうち約0.86個がエポキシ化されている。従って、アルコール性水酸基のエポキシ化率は55%である。次いで、上記多核エポキシ化合物(1−b)471部を撹拌装置、冷却管及び温度計を備えたフラスコに入れ、カルビトールアセテート400部を加え、加熱溶解し、メチルハイドロキノン0.46部と、トリフェニルホスフィン1.38部を加え、95〜105℃に加熱し、アクリル酸129部を徐々に滴下し、16時間反応させた。以下、この反応溶液をA−1ワニスと称す。なお、本合成例で得られたエポキシアクリレート化合物の赤外線吸収スペクトル(フーリエ変換赤外分光光度計FT−IRを用いて測定)及び核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDCl3、基準物質TMS(テトラメチルシラン))をそれぞれ図1及び図2に示す。【0043】合成例2合成例1で得た多核エポキシ化合物(1−b)528部を撹拌装置、冷却管及び温度計を備えたフラスコに入れ、カルビトールアセテート400部を加え、加熱溶解し、メチルハイドロキノン0.46部と、トリフェニルホスフィン1.38部を加え、95〜105℃に加熱し、アクリル酸72部を徐々に滴下し、16時間反応させた。以下、この反応溶液をA−2ワニスと称す。【0044】合成例3ガス導入管、撹拌装置、冷却管及び温度計を備えたフラスコに1,5−ジヒドロキシナフタレン274部とエポキシ当量194g/当量の3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル1025部を仕込み、窒素雰囲気下にて、撹拌下120℃で溶解させる。その後、トリフェニルホスフィン0.65部を添加し、フラスコ内の温度を150℃まで昇温し、温度を150℃で保持しながら、約90分間反応させ、エポキシ当量723g/当量のエポキシ化合物(3−a)を得た。次に、フラスコ内の温度を70℃以下まで冷却し、エピクロルヒドリン1779部、ジメチルスルホキシド1690部を加え、撹拌下70℃まで昇温し保持する。その後、96%水酸化ナトリウム192部を90分間かけて分割添加する。添加後、さらに3時間反応させる。反応終了後、過剰のエピクロルヒドリン及びジメチルスルホキシドの大半を120℃、50mmHgの減圧下にて蒸留し、副生塩とジメチルスルホキシドを含む反応生成物をメチルイソブチルケトンに溶解させ水洗する。その後、油層よりメチルイソブチルケトンを蒸留回収して、エポキシ当量458g/当量の多核エポキシ化合物(3−b)を得た。得られた多核エポキシ化合物(3−b)は、エポキシ当量から計算すると、前記一般式(4a)(但し、Zは水素原子)におけるアルコール性水酸基2.93個のうち約1.32個がエポキシ化されている。従って、アルコール性水酸基のエポキシ化率は45%である。次いで、上記多核エポキシ化合物(3−b)518部を撹拌装置、冷却管及び温度計を備えたフラスコに入れ、カルビトールアセテート400部を加え、加熱溶解し、メチルハイドロキノン0.46部と、トリフェニルホスフィン1.38部を加え、95〜105℃に加熱し、アクリル酸82部を徐々に滴下し、16時間反応させた。以下、この反応溶液をA−3ワニスと称す。【0045】合成例4ガス導入管、撹拌装置、冷却管及び温度計を備えたフラスコに2,6−ジヒドロキシナフタレン169部とエポキシ当量194g/当量の3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル1130部を仕込み、窒素雰囲気下にて、撹拌下120℃で溶解させる。その後、トリフェニルホスフィン0.65部を添加し、フラスコ内の温度を150℃まで昇温し、温度を150℃で保持しながら、約90分間反応させ、エポキシ当量371g/当量のエポキシ化合物(4−a)を得た。次に、フラスコ内の温度を70℃以下まで冷却し、エピクロルヒドリン1952部、ジメチルスルホキシド1690部を加え、撹拌下70℃まで昇温し保持する。その後、96%水酸化ナトリウム231部を90分間かけて分割添加する。添加後、さらに3時間反応させる。反応終了後、過剰のエピクロルヒドリン及びジメチルスルホキシドの大半を120℃、50mmHgの減圧下にて蒸留し、副生塩とジメチルスルホキシドを含む反応生成物をメチルイソブチルケトンに溶解させ水洗する。その後、油層よりメチルイソブチルケトンを蒸留回収して、エポキシ当量267g/当量の多核エポキシ化合物(4−b)を得た。得られた多核エポキシ化合物(4−b)は、エポキシ当量から計算すると、前記一般式(4a)(但し、Zは水素原子)におけるアルコール性水酸基1.65個のうち約0.99個がエポキシ化されている。従って、アルコール性水酸基のエポキシ化率は60%である。次いで、上記多核エポキシ化合物(4−b)473部を撹拌装置、冷却管及び温度計を備えたフラスコに入れ、カルビトールアセテート400部を加え、加熱溶解し、メチルハイドロキノン0.46部と、トリフェニルホスフィン1.38部を加え、95〜105℃に加熱し、アクリル酸127部を徐々に滴下し、16時間反応させた。以下、この反応溶液をA−4ワニスと称す。【0046】合成例5ガス導入管、撹拌装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に水酸基当量80g/当量の1,5−ジヒドロキシナフタレン224.2部とジャパンエポキシレジン社製エポキシ当量189g/当量のビスフェノールA型エポキシ化合物(商品名「エピコート828」)1075.8部を仕込み、窒素雰囲気下にて、撹拌下110℃で溶解させた。その後、トリフェニルホスフィン0.65部を添加し、反応容器内の温度を150℃まで昇温し、温度を150℃で保持しながら、約90分間反応させ、エポキシ当量452g/当量のエポキシ化合物(5−a)を得た。次に、反応容器内の温度を40℃まで冷却し、エピクロルヒドリン1920部、トルエン1690部を加えて溶解させた後、テトラメチルアンモニウムブロマイド70部を添加し、撹拌下60℃まで昇温し保持した。その後、48%水酸化ナトリウム水溶液364部を60分間かけて連続滴下した。滴下後、さらに6時間反応させた。反応終了後、過剰の未反応エピクロルヒドリン及びトルエンの大半を減圧蒸留により回収し、副生塩とトルエンを含む反応生成物をメチルイソブチルケトンに溶解させ、水洗した。有機溶媒層と水層を分離した後、有機溶媒層よりメチルイソブチルケトンを減圧蒸留して留去し、エポキシ当量277g/当量の多核エポキシ化合物(5−b)を得た。得られた多核エポキシ化合物(5−b)は、エポキシ当量から計算すると、前記一般式(4b)(但し、Zは水素原子)におけるアルコ−ル性水酸基1.98個のうち約1.59個がエポキシ化されている。従って、アルコ−ル性水酸基のエポキシ化率は約80%である。次いで、上記多核エポキシ化合物(5−b)277部を撹拌装置、冷却管及び温度計を備えたフラスコに入れ、カルビトールアセテート233部を加え、加熱溶解し、メチルハイドロキノン0.46部と、トリフェニルホスフィン1.38部を加え、95〜105℃に加熱し、アクリル酸72部を徐々に滴下し、16時間反応させた。以下、この反応溶液をA−5ワニスと称す。【0047】合成例6ガス導入管、撹拌装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に水酸基当量80g/当量の1,5−ジヒドロキシナフタレン219.2部とジャパンエポキシレジン社製エポキシ当量192g/当量のビキシレノール型エポキシ化合物(商品名「エピコートYX4000」)1080.8部を仕込み、窒素雰囲気下にて、撹拌下110℃で溶解させた。その後、トリフェニルホスフィン0.65部を添加し、反応容器内の温度を150℃まで昇温し、温度を150℃で保持しながら、約90分間反応させ、エポキシ当量451g/当量のエポキシ化合物(6−a)を得た。次に、反応容器内の温度を40℃まで冷却し、エピクロルヒドリン1899部、トルエン1690部を加えて溶解させた後、テトラメチルアンモニウムブロマイド69部を添加し、撹拌下60℃まで昇温し保持した。その後、48%水酸化ナトリウム水溶液360部を60分間かけて連続滴下した。滴下後、さらに6時間反応させた。反応終了後、過剰の未反応エピクロルヒドリン及びトルエンの大半を減圧蒸留により回収し、副生塩とトルエンを含む反応生成物をメチルイソブチルケトンに溶解させ、水洗した。有機溶媒層と水層を分離した後、有機溶媒層よりメチルイソブチルケトンを減圧蒸留して留去し、エポキシ当量278g/当量の多核エポキシ化合物(6−b)を得た。得られた多核エポキシ化合物(6−b)は、エポキシ当量から計算すると、前記一般式(4a)(但し、Zは水素原子)におけるアルコ−ル性水酸基1.95個のうち約1.56個がエポキシ化されている。従って、アルコ−ル性水酸基のエポキシ化率は約80%である。次いで、上記多核エポキシ化合物(6−b)278部を撹拌装置、冷却管及び温度計を備えたフラスコに入れ、カルビトールアセテート233部を加え、加熱溶解し、メチルハイドロキノン0.46部と、トリフェニルホスフィン1.38部を加え、95〜105℃に加熱し、アクリル酸72部を徐々に滴下し、16時間反応させた。以下、この反応溶液をA−6ワニスと称す。【0048】比較合成例1クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エピクロンN−695、大日本インキ化学工業社製、エポキシ当量220g/当量)527部をガス導入管、撹拌装置、冷却管及び温度計を備えたフラスコに入れ、カルビトールアセテート300部を加え、加熱溶解し、ハイドロキノン0.46部と、トリフェニルホスフィン1.38部を加えた。この混合物を95〜105℃に加熱し、アクリル酸173部を徐々に滴下し、16時間反応させた。以下、この反応溶液をB−1ワニスと称す。【0049】比較合成例2クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エピクロンN−695、大日本インキ化学工業社製、エポキシ当量220g/当量)602部をガス導入管、撹拌装置、冷却管及び温度計を備えたフラスコに入れ、カルビトールアセテート300部を加え、加熱溶解し、ハイドロキノン0.46部と、トリフェニルホスフィン1.38部を加えた。この混合物を95〜105℃に加熱し、アクリル酸98部を徐々に滴下し、16時間反応させた。以下、この反応溶液をB−2ワニスと称す。【0050】比較合成例3フェノールノボラック型エポキシ樹脂(EPPN−201、日本化薬社製、エポキシ当量190g/当量)508部をガス導入管、撹拌装置、冷却管及び温度計を備えたフラスコに入れ、カルビトールアセテート300部を加え、加熱溶解し、ハイドロキノン0.46部と、トリフェニルホスフィン1.38部を加えた。この混合物を95〜105℃に加熱し、アクリル酸192部を徐々に滴下し、16時間反応させた。以下、この反応溶液をB−3ワニスと称す。【0051】比較合成例4ガス導入管、撹拌装置、冷却管及び温度計を備えたフラスコにビスフェノールA313部とビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピクロン−840、大日本インキ化学工業社製、エポキシ当量180g/当量)987部を仕込み、窒素雰囲気下にて、撹拌下120℃で溶解させる。その後、トリフェニルホスフィン0.65部を添加し、フラスコ内の温度を150℃まで昇温し、温度を150℃で保持しながら、約90分間反応させ、エポキシ当量475g/当量のエポキシ化合物(a')を得た。次に、フラスコ内の温度を70℃以下まで冷却し、エピクロルヒドリン1851部、ジメチルスルホキシド1690部を加え、撹拌下70℃まで昇温し保持する。その後、96%水酸化ナトリウム110部を90分間かけて分割添加する。添加後、さらに3時間反応させる。反応終了後、過剰のエピクロルヒドリン及びジメチルスルホキシドの大半を120℃、50mmHgの減圧下にて蒸留し、副生塩とジメチルスルホキシドを含む反応生成物をメチルイソブチルケトンに溶解させ水洗する。その後、油層よりメチルイソブチルケトンを蒸留回収して、エポキシ当量336g/当量の多核エポキシ化合物(b')を得た。得られた多核エポキシ化合物(b')は、エポキシ当量から計算すると、前記一般式(5)(但し、Mは水素原子、X=Y)におけるアルコール性水酸基2.00個のうち約0.9個がエポキシ化されている。従って、アルコール性水酸基のエポキシ化率は45%である。次いで、上記多核エポキシ化合物(b')494部を撹拌装置、冷却管及び温度計を備えたフラスコに入れ、カルビトールアセテート400部を加え、加熱溶解し、メチルハイドロキノン0.46部と、トリフェニルホスフィン1.38部を加え、95〜105℃に加熱し、アクリル酸106部を徐々に滴下し、16時間反応させた。以下、この反応溶液をB−4ワニスと称す。【0052】実施例1〜6及び比較例1〜4前記合成例1〜6及び比較合成例1〜4で得られた各ワニスを用いた表1に示す配合成分を、3本ロールミルで混練し、感光性及び熱硬化性樹脂組成物を得た。各組成物の特性値を表2に示す。【表1】【0053】【表2】【0054】なお、上記表2中の性能試験の方法は以下の通りである。上記各実施例及び比較例の組成物を80℃で30分乾燥させ、露光量500mJ/cm2の条件で露光し、硬化させ、また、さらに実施例2及び比較例2については露光後、150℃で1時間硬化させ、ガラス転移点、引張弾性率、引張強度、伸び率、吸水率、鉛筆硬度、電気絶縁抵抗を測定し、また、密着性、耐酸性試験、耐アルカリ性試験を目視評価した。各物性の評価は次の方法で行なった。【0055】(1)ガラス転移点:予め水洗・乾燥を行なったテフロン板に上記各実施例及び比較例の組成物を、スクリーン印刷法で塗布し、熱風循環式乾燥炉で80℃で40分乾燥させた。これを室温まで冷却した後、露光量500mJ/cm2の条件で露光し、熱風循環式乾燥炉で硬化を180℃で60分間行なった。これを室温まで冷却した後、テフロン板から硬化塗膜をはがし、評価サンプルを得た。この評価サンプルのガラス転移点をDMA法により測定した。【0056】(2)引張弾性率、(3)引張強度(引張破壊強さ)、(4)伸び率(引張破壊伸び):JIS K 7127に準拠して求めた。【0057】(5)吸水率、(6)鉛筆硬度:JIS K 5400に準拠して求めた。【0058】(7)密着性:JIS D 0202に準拠して目視判定した。判定基準は以下のとおりである。○:全く剥がれが認められないもの△:ほんの僅か剥がれたもの×:完全に剥がれたもの【0059】(8)電気絶縁性:上記各実施例及び比較例の組成物を、IPC B−25のクシ型電極Bクーポンにパイロット精工社製ロールコーターを用いて全面に塗布し、80℃で30分、さらに180℃で1時間硬化させ、評価基板を作製した。このクシ型電極にDC500Vのバイアス電圧を印加し、絶縁抵抗値を測定した。【0060】(9)耐酸性試験:電気絶縁性に用いたのと同じ評価基板を10容量%硫酸水溶液に20℃で30分間浸漬後取り出し、塗膜の状態と密着性とを総合的に判定評価した。判定基準は以下のとおりである。○:変化が認められないもの△:ほんの僅か変化しているもの×:塗膜にフクレあるいは膨潤脱落があるもの【0061】(10)耐アルカリ性試験:10容量%硫酸水溶液を10容量%水酸化ナトリウム水溶液に代えた以外は、耐酸性試験と同様に試験評価した。【0062】表2に示す結果から明らかな如く、本発明の多核エポキシアクリレート化合物から得られた硬化物は、高いガラス転移点を有し、機械的強度に優れ、吸水率、密着性、電気絶縁抵抗、硬度、耐薬品性等にも優れた特性を有している。これに対して、比較例の芳香族エポキシアクリレート化合物から得られた硬化物は、ガラス転移点、吸水率、硬度等が劣っていた。【0063】【発明の効果】以上のように、本発明の化合物は、異種の芳香環を規則的に繰り返し含有する線状多核エポキシアクリレート化合物、特に軟化点の高いビフェニル骨格とナフタレン骨格、あるいはビスフェノール骨格とナフタリン骨格とが交互に共重合された交互共重合型の線状多核エポキシアクリレート化合物であるため、活性エネルギー線の照射による硬化および熱硬化のいずれも可能であり、高いレベルで耐熱性と強靱性のバランスがとれ、基材に対する密着性に優れると共に、耐水性、耐薬品性、電気絶縁性等に優れた硬化物が得られる。また、光重合開始剤及び/又は硬化剤と共に本発明の多核エポキシアクリレート化合物を含有する組成物は、光硬化及び熱硬化のいずれも可能であると共に、その硬化物は上記のように優れた特性を有するので、各種レジスト剤、接着剤、注型剤、積層材、塗料、封止剤などの用途に有利に使用できる。【図面の簡単な説明】【図1】合成例1で得た多核エポキシアクリレート化合物の赤外線吸収スペクトルである。【図2】合成例1で得た多核エポキシアクリレート化合物の核磁気共鳴スペクトルである。 下記一般式(1)で示される多核エポキシアクリレート化合物。 (式中、XとYは異なる芳香環を表わし、Xはビフェノール型ジグリシジルエーテル、ビキシレノール型ジグリシジルエーテル、ビスフェノール型ジグリシジルエーテル及びナフタレン型ジグリシジルエーテルよりなる群から選ばれた少なくとも1種の1分子中に2個のグリシジル基を有する芳香族エポキシ化合物の芳香環残基を表わし、Yはジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、ビキシレノール、ビスフェノール、及びハイドロキノンよりなる群から選ばれた少なくとも1種の1分子中に2個のフェノール性水酸基を有する芳香族アルコールの芳香環残基を表わし、Zは互いに無関係に、下記一般式(2)もしくは(3)で示される基又は水素原子を表わし、かつZの少なくとも1個は一般式(2)で示される基であり、Z’は互いに無関係に、下記一般式(2’)もしくは(3’)で示される基を表わし、nは1〜20の整数を表わす。) (式中、R1は水素原子又はメチル基を表わし、R2は不飽和モノカルボン酸残基を表わす。) 下記一般式(4a)又は(4b)で示される多核エポキシアクリレート化合物。(式中、R3、R4、R5、R6は同一の又は互いに異なる、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、R7、R8、R9、R10は同一の又は互いに異なる、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を表わし、R11、R12は同一の又は互いに異なる、水素原子、メチル基又はハロゲン化メチル基を表わし、Zは互いに無関係に、下記一般式(2)もしくは(3)で示される基又は水素原子を表わし、かつZの少なくとも1個は一般式(2)で示される基であり、Z’は互いに無関係に、下記一般式(2’)もしくは(3’)で示される基を表わし、nは1〜20の整数を表わす。)(式中、R1は水素原子又はメチル基を表わし、R2は不飽和モノカルボン酸残基を表わす。) 前記一般式(4a)又は(4b)において、R3〜R6又はR7〜R10が全て水素原子であることを特徴とする請求項2に記載の多核エポキシアクリレート化合物。 前記一般式(4a)又は(4b)において、R3〜R6又はR11、R12が全てメチル基であることを特徴とする請求項2に記載の多核エポキシアクリレート化合物。 前記一般式(4a)又は(4b)において、二価のナフタレン環残基が1,5−、1,6−、2,6−又は2,7−置換体であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の多核エポキシアクリレート化合物。 前記請求項1乃至5のいずれか一項に記載の多核エポキシアクリレート化合物と、光重合開始剤及び/又は硬化剤を必須成分として含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。 前記請求項6に記載の硬化性樹脂組成物を活性エネルギー線照射及び/又は加熱により硬化させて得られる硬化物。