タイトル: | 特許公報(B2)_化粧料 |
出願番号: | 2001041293 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | A61K 8/89,A61K 8/58,A61K 8/92,A61K 8/37,A61Q 1/00,A61Q 1/02,A61Q 1/04,A61Q 1/10 |
竹之内 裕子 JP 4495870 特許公報(B2) 20100416 2001041293 20010219 化粧料 花王株式会社 000000918 特許業務法人アルガ特許事務所 110000084 有賀 三幸 100068700 高野 登志雄 100077562 中嶋 俊夫 100096736 村田 正樹 100117156 山本 博人 100111028 伊藤 健 100132285 竹之内 裕子 20100707 A61K 8/89 20060101AFI20100617BHJP A61K 8/58 20060101ALI20100617BHJP A61K 8/92 20060101ALI20100617BHJP A61K 8/37 20060101ALI20100617BHJP A61Q 1/00 20060101ALI20100617BHJP A61Q 1/02 20060101ALI20100617BHJP A61Q 1/04 20060101ALI20100617BHJP A61Q 1/10 20060101ALI20100617BHJP JPA61K8/89A61K8/58A61K8/92A61K8/37A61Q1/00A61Q1/02A61Q1/04A61Q1/10 A61K 8/89 A61K 8/37 A61K 8/58 A61K 8/92 A61Q 1/00 A61Q 1/02 A61Q 1/04 A61Q 1/10 特開平10−067645(JP,A) 特開平10−194930(JP,A) 特開2000−281554(JP,A) 特開平11−349442(JP,A) 特開平09−175940(JP,A) 特開平11−228343(JP,A) 特開2000−072624(JP,A) 特開2000−351712(JP,A) 1 2002241215 20020828 8 20060921 大島 忠宏 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、化粧料に関し、特に、滑らかな塗擦感を有し、皮膚を平滑にし、毛穴やシワ等の皮膚形態を補正し、化粧持続性及び経日安定性に優れた化粧料に関する。【0002】【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】化粧料において、滑らかな塗擦感を有しながら、皮膚を平滑にし、毛穴やシワ等の皮膚形態を補正する試みは、主にローリング効果及び光学的性質から半透明の球状粉末を用いることによってなされてきた。しかし、一般的に球状粉末は皮膚への付着性が劣る為、単に化粧料に配合するのみでは、塗擦時に縒れたり(モロモロになったり、消しゴムのカス様になったり)する欠点が発生しやすく、それらを制御する製剤技術の確立も困難であった。同時に、皮膚への付着性にかかる問題により、優れた化粧持続性を得ることも困難であり、また、乳液及びクリーム状の製剤とした場合、経日変化に伴う「離漿」或いは「固化」という不安定な事象が生じ悩まされ続けたものである。【0003】【課題を解決するための手段】本発明者は、斯かる事情に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、特定の有機球状粉体と、(B)環状シリコーンと、特定の油剤類とを配合した化粧料が、滑らかな塗擦感を有し、皮膚を平滑にし、毛穴やシワ等の皮膚形態を補正し、化粧持続性及び経日安定性に優れた化粧料を提供できることを見出し、本発明を完成させるに至った。【0004】すなわち、本発明は、本発明は、(A)メチルシロキサン網状重合体及び/又は架橋型メチルポリシロキサンと、(B)環状シリコーンと、(C)融点100〜120℃のポリエチレンワックスと、(D)常温で固形のトリグリセリドとを含有することを特徴とする化粧料にある。【0005】【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳述する。【0006】本発明で使用されるメチルポリシロキサン網状重合体及び架橋型メチルポリシロキサンは既に化粧品原料として市販されているものであり、何ら限定なく使用できる。それらの中で、球状で粒径が1.0〜20.0μmの範囲のものが好ましい。粒径が1.0μm未満の場合には補正効果が低減する傾向が生じる場合があり、20μmを超えると皮膚への付着性が劣る場合があり好ましくない。【0007】メチルシロキサン網状重合体としては、アルキルシロキサン網状重合体等、架橋型メチルポリシロキサンとしては架橋型ジアルキルポリシロキサン等が挙げられる。メチルシロキサン網状重合体又は架橋型メチルポリシロキサンは、別名シリコーン樹脂粉末やシリコーンゴム粉末とも称呼されるものであり、具体的には、GE東芝シリコーン社製のトスパールシリーズ(トスパール145A等)、東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製のトレフィルシリーズ(トレフィルE506W、トレフィルE505C、トレフィルE506C、トレフィルE505W等)などを挙げることができる。また、これらを単独でも組み合わせて用いてもよく、各種の溶媒等に分散したものや他の成分と事前に混合されたものも何ら問題なく使用できる。これらのものとして例えば、トレフィルE507液、BY29−119及びBY29−122等が挙げられる。また、シリコーン樹脂/ゴム複合パウダーである信越化学工業社製X−52−1139K、X−52−1139Gも挙げられる。これらの中で弾性を有するシリコーンエラストマー球状粉体であるトレフィルEシリーズが特に好ましい。【0008】これらのメチルポリシロキサン網状重合体及び/又は架橋型メチルポリシロキサンの配合量は、好ましくは化粧料全量に対し1.0〜30.0質量%(以下、単に%と記する)である。1.0%未満では補正効果の発現が認知されにくく、30.0%を超えると皮膚への付着性が劣る傾向が生じる場合があり、化粧持続性が悪くなるときがある。【0009】本発明で使用される環状シリコーンは、環状シリコーンであれば特に限定されず、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン及びドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどが挙げられ、それらの混合物であっても差し支えない。 配合量は化粧料全量に対し20〜70%が好ましく、予め前記メチルポリシロキサン網状重合体及び/又は架橋型メチルポリシロキサンと3本ロール等で混練しておくと、滑らかな塗擦感などの効果がより発現しやすい。【0010】本発明で使用されるポリエチレンワックスは融点が100〜120℃のものであれば何ら限定されるものではない。従来、特開平11−349442号公報などに示されるように、ポリエチレン微粉末として主にローリング効果としての応用が数多く見られるものである。その配合量は化粧料全量に対し、0.5〜5.0%が好ましく、更に好ましくは1.0〜3.0%である。0.5%未満では十分な化粧持続性を得ることができない場合がある。また、5.0%を超えると粘着性が強く出てしまったり、滑らかな塗擦感を得ることができなくなってしまう場合がある。【0011】本発明で用いられる常温で固形状のトリグリセリドは、化粧料に用いられるものであれば特に限定されず、ペースト状をも含み、例えば、トリステアリン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリド、トリベヘン酸グリセリル、硬化油、硬化ヒマシ油、粉末卵黄油、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、イソステアリン酸硬化ヒマシ油、水素添加乳脂、パーム硬化油等を挙げることができる。【0012】その配合量は化粧料全量に対し、0.5〜5.0%が好ましく、特に好ましくは1.0〜4.0%である。0.5%未満だと「離漿」等の現象をおこしやすくなってしまうため好ましくない。また、5.0%を超えると滑らかな塗擦感が得られない場合があったり、低温化での「固化」といった現象が生じる場合があり、使い勝手が悪くなる時がある。【0013】融点100〜120℃のポリエチレンワックスと、常温で固形状のトリグリセリドとは5:1〜1:5の質量比で組み合わせて用いることにより、更に滑らかな塗擦感を持ち、化粧持続性に優れた化粧料を得ることができる。【0014】本発明に係る化粧料には更に化粧料で一般に用いられる成分を配合できる。有機球状粉体としては、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体、ポリエチレンパウダー、シルク、セルロース等を適宜粒径を考慮して組み合わせると、より好ましい滑らかさが得られる。【0015】本発明に係る化粧料は、口紅、下地化粧料、ファンデーション、チーク、アイシャドウ等種々の形態とすることができ、特にファンデーションや下地化粧料等の基礎メイクアップ化粧料とすることが好ましい。【0016】【実施例】以下に実施例を挙げて本発明について更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、表中の数値は配合量(%)を示す。【0017】実施例に先立ち、各実施例で採用した評価方法及び試料の調製方法を説明する。【0018】・評価方法(1)使用特性試験アンケートによりシワや毛穴の目立ちが気になると答えた女性パネラー20人の顔面に実施例、比較例の各試料を塗布してもらい、「滑らかな塗擦感」「縒れにくい」「化粧持続性がある」「毛穴、シワ隠し効果がある」という項目について回答させ、以下の評価基準に従って使用特性を評価した。【0019】・評価基準回答人数が15人以上 ;○回答人数が7〜14人 ;△回答人数が6人以下 ;×【0020】(2)保存安定性試験所定の方法で調製した試料を0℃、30℃、45℃の恒温槽内に放置し,3週間後の保存安定性を目視にて下記の基準に従って評価した。【0021】離漿なし ;○わずかに離漿 ;△離漿あり ;×【0022】・試料調製方法常法に従い、表1記載の(A)を加温混合溶解後、(B)成分に(A)成分を加え、約80℃まで加熱し攪拌し溶解させることにより、目的の試料を得た。【0023】表1記載の組成の試料を上記の方法で調製して上記各試験を行った。その結果を併せて表1に示す。なお、架橋型メチルポリシロキサンとして、東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製のトレフィルE−506Cを、メチルシロキサン網状重合体としてGE東芝シリコーン社製のトスパール145Aを用いた。【0024】【表1】【0025】表1に示すように実施例1〜4の化粧料は、比較例1〜6の化粧料より明らかに種々の効果において優れていた。【0026】以下の処方に従い、常法により化粧料を調製した。いずれの化粧料も滑らかな塗擦感を有し,毛穴やシワ等の皮膚形態を補正し、尚且つ経日安定性に優れていた。【0027】応用例1(化粧下地)配合成分 配合量(%)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ポリエチレンワックス 1.5(イーストマンケミカル社製エポーレンN−11)トリステアリン酸グリセリル 1.5粉末卵黄油 0.2架橋型メチルポリシロキサン 5.0(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製トレフィルE−507)デカメチルシクロペンタシロキサン 25.0メチルシロキサン網状重合体 2.0(GE東芝シリコーン社製 トスパール145)球状ナイロン末(東レ社製 SP−500) 0.5パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 3.0モノイソステアリン酸ソルビタン 2.0シャクヤクエキス 0.2(一丸ファルコス社製シャクヤクリキッド)塩化ナトリウム 0.5パラベン 0.3シルク抽出液 0.5(一丸ファルコス社製シルクゲンGソルブル)1,3−ブチレングリコール 3.0濃グリセリン 3.0精製水 残 量【0028】応用例2(ソリッドファンデーション)配合成分 配合量(%)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ポリエチレンワックス 3.0(三洋化成社製サンワックス151−P)粉末卵黄油 0.2水素添加乳脂(横関油脂工業社製) 1.0硬化油 1.0ドデカメチルシクロヘキサシロキサン 30.0メチルポリシロキサン(6cs) 5.0メチルフェニルポリシロキサン(22cs) 5.0モノイソステアリン酸ジグリセリル 2.0グリチルレチン酸ステアリル 0.1マカデミアナッツ油 0.51,3−ブチレングリコール 3.0マルチトール液(林原生物化学研究所社製マビット) 1.0メチルシロキサン網状重合体 12.0(GE東芝シリコーン社製 トスパール130)酸化チタン 20.0ベンガラ 0.5黄酸化鉄 2.5黒酸化鉄 0.4マイカ 5.0タルク 4.1精製水 残 量【0029】応用例3(アンダーカバー)配合成分 配合量(%)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ポリエチレンワックス 3.0(製鉄化学社製 フローセンFG−801N)トリベヘン酸グリセリル 2.5硬化ヒマシ油 1.0架橋型メチルポリシロキサン 10.0(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製トレフィルE−507)デカメチルシクロペンタシロキサン 45.0ホホバ油 5.0パルミチン酸デキストリン 2.0メチルシロキサン網状重合体 3.0(GE東芝シリコーン社製 トスパール145)酸化チタン 20.0ベンガラ 0.5黄酸化鉄 2.5黒酸化鉄 0.4マイカ 5.1【0030】応用例4(クリームアイシャドウ)配合成分 配合量(%)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ポリエチレンワックス 2.0(製鉄化学社製 フローセンFG−801N)硬化油 3.5モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油 0.5架橋型メチルポリシロキサン 15.0(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製トレフィルE−507)ドデカメチルシクロヘキサシロキサン 35.0メチルシロキサン網状重合体 5.0(GE東芝シリコーン社製 トスパール145)ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン) 1.5メチルポリシロキサン共重合体(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 SH3775M)ジカプリル酸プロピレングリコール 2.0カロット油 0.5長鎖分岐脂肪酸(12〜31)コレステリル 0.5(日本精化社製 YOFCO CLE−NH)カモミラエキス 0.2ジプロピレングリコール 5.0マルチトール液(林原生物化学研究所社製マビット) 1.5塩化ナトリウム 0.5パラベン 0.3酸化チタン 1.0Nε−ラウロイル−L−リジン 2.0硫酸バリウム 1.0雲母チタン 7.0チタン酸リチウムコバルト 0.5黄酸化鉄 0.1ポリアクリル酸アルキル 0.5(松本油脂製薬社製 マイクロスフェアーM−305)精製水 残 量【0031】応用例5(リップクリーム)配合成分 配合量(%)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ポリエチレンワックス 2.0(東洋インキ製造社製 BARECO 655)トリベヘン酸グリセリル 3.0トリ(カプリル・かプリン・ミリスチン・ 1.0ステアリン酸)グリセリド架橋型メチルポリシロキサン 20.0(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製トレフィル E−505C)デカメチルシクロペンタシロキサン 60.0水素添加ポリブテン 10.0リンゴ酸ジステアリル 4.0【0032】【発明の効果】本発明によれば、非常に滑らかな塗擦感を持ち、毛穴やシワを補正し、且つ化粧持続性及び経日安定性に優れた化粧料を提供することができる。 (A)メチルシロキサン網状重合体及び/又は架橋型メチルポリシロキサン 1.0〜30.0質量%と、(B)環状シリコーン 20〜70質量%と、(C)融点100〜120℃のポリエチレンワックス 0.5〜5.0質量%と、(D)常温で固形のトリグリセリド 0.5〜5.0質量%とを含有することを特徴とする化粧料。