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タイトル:特許公報(B2)_アスコルビン酸オキシダーゼの安定化方法および生体成分測定用試薬
出願番号:2001032199
年次:2011
IPC分類:C12N 9/96,C12Q 1/26,C12N 9/04


特許情報キャッシュ

橋本 麻美子 渡辺 光雄 JP 4620881 特許公報(B2) 20101105 2001032199 20010208 アスコルビン酸オキシダーゼの安定化方法および生体成分測定用試薬 ユニチカ株式会社 000004503 三菱化学メディエンス株式会社 591122956 青山 葆 100062144 北原 康廣 100103115 橋本 麻美子 渡辺 光雄 20110126 C12N 9/96 20060101AFI20110111BHJP C12Q 1/26 20060101ALI20110111BHJP C12N 9/04 20060101ALN20110111BHJP JPC12N9/96C12Q1/26C12N9/04 Z C12N 9/96 C12Q 1/26 C12N 9/04 PubMed BIOSIS/WPI(DIALOG) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 特開平09−019297(JP,A) 特開平06−253894(JP,A) 特開平07−163339(JP,A) 3 2002233363 20020820 12 20071220 池上 文緒 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、アスコルビン酸オキシダーゼの安定化方法および生体成分測定用試薬に関する。【0002】【従来の技術】アスコルビン酸はその強い還元力により食品の酸化を防止する目的で食品に添加されることが多い。また、これを摂取すれば生体中の血清、尿などでその濃度が高まることが知られている。したがって、アスコルビン酸が添加された食品の分析や血清、尿などの生体試料中成分を分析する臨床検査の分野において測定試料中のアスコルビン酸により測定が妨害されることが知られており、この影響の回避方法が種々報告されている。その中でもアスコルビン酸オキシダーゼを測定試薬中に含有させ試料由来のアスコルビン酸を酸化することで影響を回避する方法がよく用いられている。【0003】【発明が解決しようとする課題】アスコルビン酸オキシダーゼは溶液中では容易に失活しやすいため、試薬保存中にアスコルビン酸の分解能が低下する欠点があった。アスコルビン酸の分解能の低下を防止する手段として、アスコルビン酸オキシダーゼに種々の安定化剤を添加することが行われている。安定化剤の例としては、硼酸、シュクロースなどがあげられ、これらの方法によってアスコルビン酸オキシダーゼの溶液中での安定性は改善される。しかし、アスコルビン酸の測定への干渉を完全に回避するには至らず、液状で長期間アスコルビン酸の干渉を回避する能力を維持することは困難であった。【0004】【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記現状に鑑み、長期間にわたってアスコルビン酸の測定値への干渉を回避することが可能な方法を鋭意検討した結果、アスコルビン酸オキシダーゼとカルボン酸および/またはその塩(以後、カルボン酸(塩)と略する)を共存させることによって、アスコルビン酸オキシダーゼが安定化され、上記課題を解決するに至った。【0005】すなわち、本発明は、アスコルビン酸オキシダーゼを含有する溶液にカルボン酸(塩)類の1種または2種以上を配合させることを特徴とするアスコルビン酸オキシダーゼの安定化方法に関する。また、本発明は、アスコルビン酸オキシダーゼとカルボン酸(塩)類の1種または2種以上とを含有する生体成分測定用試薬に関する。【0006】【発明の実施の形態】本発明に使用するアスコルビン酸オキシダーゼとしては、特に限定されないが、例えば、カボチャ、キュウリなどのウリ科植物から得られたもの、微生物由来のものを挙げることができる。また、これらが遺伝子組替え技術により作製されたものや化学修飾されたものなどについても含まれる。【0007】本発明に用いられるカルボン酸(塩)としては、ヒドロキシポリカルボン酸(塩)としてはL−酒石酸およびL−酒石酸ナトリウム、L−酒石酸カリウム、L−酒石酸ナトリウムカリウムなどの酒石酸(塩)、クエン酸、クエン酸ナトリウムなどのクエン酸(塩)があげられる。ジカルボン酸としては、コハク酸、3、3−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、α−ケトグルタル酸などのジカルボン酸およびその塩類があげられる。【0008】モノカルボン酸としては、ピルビン酸、ピルビン酸ナトリウム、ピルビン酸リチウム、プロピオン酸などのモノカルボン酸およびその塩類があげられる。これらカルボン酸(塩)は単独であるいは2種類以上を組み合わせて使用できるが、好ましくはピルビン酸、ピルビン酸ナトリウム、ピルビン酸リチウムなどのピルビン酸(塩)である。【0009】本発明の生体成分測定用試薬は、少なくともアスコルビン酸オキシダーゼおよびカルボン酸(塩)類を含む溶液であれば、試薬構成は一液でも二液以上でもよくあるいは凍結乾燥形態でもよい。この試薬のカルボン酸(塩)の含有濃度としては、0.1重量%以上であればアスコルビン酸オキシダーゼ安定化効果が得られるが、好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜5.0重量%である。【0010】本発明において対象となり得る生体成分測定用試薬としては、とくに限定されるものではないが、公知の酸化酵素を用いる系があげられる。具体例をあげると、ビリルビンオキシダーゼを用いた直接型あるいは総ビリルビン測定試薬、グルコースオキシダーゼとペルオキシダーゼ(以下、PODと略する)を用いたグルコース測定試薬、コレステロールオキシダーゼとPODを用いた遊離コレステロール測定試薬、グリセロールキナーゼとグリセロール−3−リン酸オキシダーゼとPODを用いた中性脂肪測定試薬、ホスホリパーゼDとコリンオキシダーゼとPODを用いたリン脂質測定試薬、クレアチンアミジノヒドラーゼとザルコシンオキシダーゼとPODを用いたクレアチニン測定試薬、ウリカーゼとPODを用いた尿酸測定試薬などである。【0011】以下、直接型ビリルビン測定用試薬に関して具体的に説明する。この試薬に用いる緩衝液はpH6.5以下が適当であり、望ましくはpH4.7〜6.5までの間に緩衝能を持つものであればなんでもよく、例えば、フタル酸−水酸化ナトリウム緩衝液、リンゴ酸−水酸化ナトリウム緩衝液、クエン酸−クエン酸ナトリウム緩衝液等が挙げられる。緩衝液の濃度は10〜500mMが適し、好ましくは30〜200mMである。【0012】ビリルビンオキシダーゼとしては、例えば、ミロセシウム属またはトラキデルマ属に属する菌株から得られる酵素が挙げられ、その使用量は0.01〜200単位/mlが適し、好ましくは0.1〜20単位/mlである。本発明に使用するアスコルビン酸オキシダーゼとしては、特に限定されないが、例えば、カボチャ、キュウリなどのウリ科植物から得られたもの、微生物由来のものを挙げることができる。また、これらが遺伝子組替え技術により作製されたものや化学修飾されたものなどについても含まれる。その濃度は、0.1〜100単位/mlが適当である。【0013】本発明の測定用試薬に用いられるカルボン酸(塩)としては、ヒドロキシポリカルボン酸(塩)としてはL−酒石酸およびL−酒石酸ナトリウム、L−酒石酸カリウム、L−酒石酸ナトリウムカリウムなどの酒石酸(塩)、クエン酸、クエン酸ナトリウムなどのクエン酸(塩)があげられる。ジカルボン酸としては、コハク酸、3,3−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、α−ケトグルタル酸などのジカルボン酸およびその塩類があげられる。【0014】モノカルボン酸としては、ピルビン酸、ピルビン酸ナトリウム、ピルビン酸リチウム、プロピオン酸などのモノカルボン酸およびその塩類があげられる。これらカルボン酸(塩)は単独であるいは2種類以上を組み合わせて使用できるが、好ましくはピルビン酸、ピルビン酸ナトリウム、ピルビン酸リチウムなどのピルビン酸(塩)である。この試薬のカルボン酸(塩)の含有濃度としては、0.1重量%以上であればアスコルビン酸オキシダーゼ安定化効果が得られるが、好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜5.0重量%である。【0015】その他の成分として、直接型ビリルビンの分別に必要なアルカリ金属等のフッ化物塩やチオール基を有する化合物、サンプルに由来する測定誤差要因を解消したり正確な測定のためにp−トルエンスルホン酸、安息香酸等の芳香族カルボン酸、界面活性剤、アラニン、セリン等のアミノ酸、マンニトール等の糖類、ポリエチレングリコール等のポリオール類、NaCl等の塩類、アルブミン等の蛋白質、防腐剤等を添加することができる。【0016】本発明においては、前記成分を適宜選択して常法により混合することにより、直接型ビリルビン測定用試薬を得ることができる。好ましい具体例において、第1液は、pH4.7〜6.5に調製されたフタル酸緩衝液10〜200mM、トリトンX−100 0.005〜0.5重量%、アラニン5〜100mM、p−トルエンスルホン酸1〜100mM、人血清アルブミン0.001〜1重量%、フッ化ナトリウム0.05〜200mMおよびN−アセチルシステイン0.02〜10mMを含み、第2液は、アスコルビン酸オキシダーゼ0.1〜100単位/ml、カルボン酸(塩)0.1〜10重量%、ビリルビンオキシダーゼ0.05〜100単位/mlおよびpH4.7〜6.5に調製されたフタル酸緩衝液10〜200mMを含む。【0017】かくして得られた本発明の試薬(2液系)を用いて直接型ビリルビンを測定する具体的な方法を以下に示す。まず、前記の直接型ビリルビン測定用第1液(0.6ml)に各種ビリルビンを含む検体(血清等)を適量加え、分光光度計のセル室内にて予備加温後、460nmにおける吸光度を測定する。これに、前記の直接型ビリルビン測定用第2液(0.15ml)を添加し、1〜10分間反応させて直接型ビリルビンのみを酸化させた後、460nmにおける吸光度を測定し、この値と先に測定した吸光度の液量補正値とから吸光度変化量(A)を求める。次に、既知濃度の直接型ビリルビンを含む標準物質を同様に測定し吸光度変化量(B)を求める。検体を作用させて求めた吸光度変化量および標準物質を作用させて求めた吸光度変化量から、次式により検体中の直接型ビリルビン含量を求めることができる。検体中の直接型ビリルビン濃度(mg/dl)=(A/B)×標準物質中の直接型ビリルビン濃度(mg/dl)なお、検体量としては0.005〜0.1mlが好ましい。測定波長は460nmに限定されるものではなく、400〜480nmの任意の波長を選ぶことができる。また、第1液、第2液、検体の液量は適宜変化させることができる。【0018】次に、総ビリルビン測定用試薬に関して説明する。この試薬に用いる緩衝液はpH7〜11が適当で、望ましくはpH7.5〜10までの間に緩衝能を持つものであればなんでもよく、例えば、トリス−塩酸緩衝液、リン酸緩衝液、ホウ緩衝液等が挙げられる。緩衝液の濃度は10〜500mMが適し、好ましくは30〜200mMである。【0019】ビリルビンオキシダーゼとしては、例えば、ミロセシウム属またはトラキデルマ属に属する菌株から得られる酵素が挙げられ、その必要量は0.01〜200単位/mlが適し、好ましくは0.1〜20単位/mlである。【0020】その他の成分として、チオール基を有する化合物、p−トルエンスルホン酸、安息香酸等の芳香族カルボン酸、界面活性剤、アラニン、セリン等のアミノ酸、マンニトール等の糖類、ポリエチレングリコール等のポリオール類、NaCl等の塩類、アルブミン等の蛋白質等を必要に応じて添加することができる。【0021】本発明においては、前記成分を適宜選択して常法により混合することにより、総ビリルビン測定用試薬を得ることができる。【0022】次にビリルビン以外の生体成分を測定するための測定用試薬、すなわち、グルコースオキシダーゼとPODを用いたグルコース測定試薬、コレステロールオキシダーゼとPODを用いた遊離コレステロール測定試薬、グリセロールキナーゼとグリセロール−3−リン酸オキシダーゼとPODを用いた中性脂肪測定試薬、ホスホリパーゼDとコリンオキシダーゼとPODを用いたリン脂質測定試薬、クレアチンアミジノヒドラーゼとザルコシンオキシダーゼとPODを用いたクレアチニン測定試薬、ウリカーゼとPODを用いた尿酸測定試薬などのようにオキシダーゼとPODと組み合わせ発色反応を行う原理の試薬は、オキシダーゼ、POD、色原体、カプラーとアスコルビン酸オキシダーゼ、カルボン酸(塩)からなる。【0023】ここで用いられるPODとしては、西洋ワサビ由来のものを用いることができる。また各オキシダーゼにより生じる過酸化水素の呈色には色原体とカプラーが必要であり、色原体としてはN-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメチルアニリン(TOOS)、N-アセチルシステイン、フェノール、2−クロロフェノール、4−クロロフェノール、2,4−ジクロロフェノールなどのフェノール誘導体、もしくはアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジエチル−m−トルイジン、N,N−ジエチル−m−アニシジン、N−エチル−N−(3−メチルフェニル)−N'−アセチルエチレンジアミン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−アニシジン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイジン、N−エチル−N−スルホプロピル−m−トルイジン、N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジンなどのアニリン誘導体などが挙げられる。また,カプラーとしては、4−アミノアンチピリン、3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラゾンなどが挙げられる。オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、色原体、カプラーの添加量は測定に支障をきたさない限り特に限定されるものではない。【0024】【実施例】以下、実施例をもって詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中、略号は以下のものを示す。TOOS:N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメチルアニリン、ATP:アデノシン三リン酸、BES:N,N'-ビス(2−ヒドロキシエチル) -2-アミノエタンスルホン酸、MES:2−(モルフォリノ)エタンスルホン酸、TES:N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸、TAPS:N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-3-アミノプロパンスルホン酸、EDTA:エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、【0025】実施例 1:血清中の遊離コレステロールの測定下記試薬A〜Cを調製した。試薬A:(第1試薬)ペルオキシダーゼ 10U/ml、TOOS 2.0mM、MES 100mM、pH6.3(第2試薬) コレステロールオキシダーゼ 1.5U/ml、4-アミノアンチピリン 0.6mM、MES 100mM、pH6.3試薬B:(第1試薬)ペルオキシダーゼ 10u/ml、TOOS 2.0mM,MES 100mM、pH6.3、アスコルビン酸オキシダーゼ 2U/ml (カボチャ由来)(第2試薬)コレステロールオキシダーゼ 1.5U/ml、4−アミノアンチピリン 0.6mM、MES 100mM、pH6.3試薬C:(第1試薬)ペルオキシダーゼ 10U/ml、TOOS 2.0mM,MES 100mM、pH6.3、アスコルビン酸オキシダーゼ 2U/ml、ピルビン酸ナトリウム 1.0%(第2試薬) コレステロールオキシダーゼ 1.5U/ml、4−アミノアンチピリン 0.6mM、MES 100mM、pH6.3さらに試薬A〜Cを、1年間10℃で静置したものをそれぞれ試薬A'〜C'とした。【0026】サンプルとしては下記サンプル1〜6を用意した。(サンプル1)人プール血清:蒸留水=9:1、(サンプル2)人プール血清:200mg/dlアスコルビン酸水溶液=9:1、(サンプル3)人プール血清:400mg/dlアスコルビン酸水溶液=9:1、(サンプル4)人プール血清:600mg/dlアスコルビン酸水溶液=9:1、(サンプル5)人プール血清:800mg/dlアスコルビン酸水溶液=9:1、(サンプル6)人プール血清:1000mg/dlアスコルビン酸水溶液=9:1。【0027】各サンプル4μlに、サンプル1〜6のそれぞれに対応して、各試薬A〜C'(A、A'、B、B'、CおよびC'を意味する;以下同様)の第1試薬を200μl添加し、37℃で5分間加温後、試薬A〜C'の第2試薬を100μl添加し、37℃で5分間加温後、精製水を対照に546nmの吸光度を測定した。得られた吸光度をもとに、あらかじめ標準液を用いて作成した検量線から遊離コレステロール濃度を求めた。その結果を表1に示す。表中、数字は単位 mg/dlを示す。【0028】【表1】【0029】表1から明らかなように、試薬AおよびA'ではアスコルビン酸の影響を受けて遊離コレステロールを正確に測定できない。またアスコルビン酸オキシダーゼのみを含む試薬Bでは10℃、1年間保存処理しない場合にはアスコルビン酸の干渉回避が可能であるが、長期間保存した試薬B'では高濃度のアスコルビン酸の干渉を回避する能力が失われていた。しかし本発明の試薬Cでは保存する前後いずれにおいてもアスコルビン酸濃度が高いサンプルでもその影響を回避することできる。【0030】実施例 2:血清中の尿酸の測定下記試薬D〜Fを調製した。試薬D:(第1試薬)ペルオキシダーゼ 10U/ml、TOOS 2.0mM、BES100mM、pH7.0、(第2試薬)ウリカーゼ 1U/ml、4−アミノアンチピリン 0.6mM、BES100mM、pH7.0、試薬E:(第1試薬)ペルオキシダーゼ 10U/ml、TOOS 2.0mM、BES100mM、pH7.0、アスコルビン酸オキシダーゼ 2U/ml(Acremonium sp.由来)(第2試薬)ウリカーゼ 1U/ml、4−アミノアンチピリン 0.6mM、BES100mM、pH7.0試薬F:(第1試薬)ペルオキシダーゼ 10U/ml、TOOS 2.0mM、BES100mM、pH7.0、アスコルビン酸オキシダーゼ 2U/ml(Acremonium sp.由来)、ピルビン酸ナトリウム 0.2%(第2試薬)ウリカーゼ 1U/ml、4−アミノアンチピリン、0.6mMBES100mM、pH7.0また実施例1と同様に、それぞれの試薬を10℃、1年間静置した試薬D'〜F'を用意した。サンプルとしては実施例1と同じサンプル1〜6を用意した。【0031】各サンプル6μlに、サンプル1〜6のそれぞれに対応して、各試薬D〜F'の第1試薬を200μl添加し、37℃で5分間加温後、各試薬D〜F'の第2試薬を100μl添加し、37℃で5分間加温後、精製水を対照に546nmの吸光度を測定した。得られた吸光度をもとに、あらかじめ標準液を用いて作成した検量線から尿酸濃度を求めた。その結果を表2に示す。表中、数字は単位 mg/dlを示す。【0032】【表2】【0033】表2から明らかなように、アスコルビン酸濃度が高いサンプルにおいても、本発明の試薬Fは長期間にわたって妨害物質の干渉を回避することできる。【0034】実施例 3:中性脂肪の測定下記試薬G〜Iを調製した。試薬G:(第1試薬)グリセロールキナーゼ 1U/ml、グリセロール−3−リン酸オキシダーゼ 5U/ml、ペルオキシダーゼ 10U/ml、TOOS 2mM、ATP 3mM、TES緩衝液 50mM,pH7.0、(第2試薬)リポプロテインリパーゼ 3U/ml、4−アミノアンチピリン 0.6mM、TES緩衝液 50mM,pH7.0、試薬H:(第1試薬)グリセロールキナーゼ 1U/ml、グリセロール−3−リン酸オキシダーゼ 5U/ml、ペルオキシダーゼ 10U/ml、TOOS 2mM、ATP 3mM、TES緩衝液 50mM,pH7.0、アスコルビン酸オキシダーゼ 2U/ml(Acremonium sp.由来)(第2試薬)リポプロテインリパーゼ 3U/ml、4−アミノアンチピリン 0.6mM、TES緩衝液 50mM、pH7.0試薬I:(第1試薬)グリセロールキナーゼ 1U/ml、グリセロール−3−リン酸オキシダーゼ 5U/ml、ペルオキシダーゼ 10U/ml、TOOS 2mM、ATP 3mM、TES緩衝液 50mM、pH7.0、アスコルビン酸オキシダーゼ 2U/ml(Acremonium sp.由来)、ピルビン酸ナトリウム 1.0%(第2試薬)リポプロテインリパーゼ 3U/ml、4−アミノアンチピリン 0.6mM、 TES緩衝液 50mM,pH7.0実施例1と同じく、10℃、1年間保存した試薬G'〜I'を用意した。またサンプルとしては実施例1と同じサンプル1〜6を用意した。【0035】各サンプル3μlに、サンプル1〜6のそれぞれに対応して、試薬G〜I'の第1試薬を250μl添加し、37℃で5分間加温後、試薬G〜I'の第2試薬を125μl添加し、37℃で5分間加温後、精製水を対照に546nmの吸光度を測定した。得られた吸光度をもとにあらかじめ標準液を用いて作成した検量線から中性脂肪濃度を求めた。その結果を表3に示す。表中の数値は単位 mg/dlを示す。【0036】【表3】【0037】表3から明らかなように、アスコルビン酸濃度が高いサンプルにおいても、本発明の試薬Iは長期間にわたって妨害物質の影響を回避することできる。【0038】実施例 4:血清リン脂質の測定下記試薬J〜Lを調製した。試薬J:(第1試薬)ホスフォリパーゼD 0.5U/ml、ペルオキシダーゼ 10U/ml、TOOS 2mM、トリス緩衝液 50mM(第2試薬)コリンオキシダーゼ 10U/ml、4−アミノアンチピリン 0.6mM、トリス緩衝液 50mM、pH7.7【0039】試薬K:(第1試薬)ホスフォリパーゼD 0.5U/ml、ペルオキシダーゼ 10U/ml、TOOS 2mM、トリス緩衝液 50mM,pH7.7、アスコルビン酸オキシダーゼ 2U/ml(Acremonium sp.由来)(第2試薬)コリンオキシダーゼ 10U/ml、4−アミノアンチピリン 0.6mM、トリス緩衝液 50mM,pH7.7【0040】試薬L:(第1試薬)ホスフォリパーゼD 0.5U/ml、ペルオキシダーゼ 10U/ml、TOOS 2mM、トリス緩衝液 50mM、pH7.7、アスコルビン酸オキシダーゼ 2U/ml、ピルビン酸ナトリウム 1.0%(第2試薬)コリンオキシダーゼ 10U/ml、4−アミノアンチピリン 0.6mM、トリス緩衝液、pH7.7実施例1と同じく、10℃、1年間保存した試薬J'〜L'を用意した。50mMサンプルとしては実施例1と同じサンプル1〜6を用意した。【0041】各サンプル3μlに、サンプル1〜6のそれぞれに対応して、試薬J〜L'の第1試薬を250μl添加し、37℃で5分間加温後、試薬J〜L'の第2試薬を125μl添加し、37℃で5分間加温後、精製水を対照に546nmの吸光度を測定した。得られた吸光度をもとにあらかじめ標準液を用いて作成した検量線からリン脂質濃度を求めた。その結果を表4に示す。表中の数値は単位 mg/dlを示す。【0042】【表4】【0043】表4から明らかなように、アスコルビン酸濃度が高いサンプルにおいても、本発明の試薬Lは長期間にわたって妨害物質の影響を回避することできる。【0044】実施例 5:血清クレアチニンの測定下記試薬M〜Oを調製した。試薬M:(第1試薬)クレアチンアミジノヒドロラーゼ 100U/ml、ザルコシンオキシダーゼ 10U/ml、ペルオキシダーゼ 10U/ml、TOOS 2mM、TAPS緩衝液 50mM、pH8.0(第2試薬)クレアチニンアミドヒドロラーゼ 300U/ml、4−アミノアンチピリン 0.6mM、TAPS緩衝液 50mM、pH8.0【0045】試薬N:(第1試薬)クレアチンアミジノヒドロラーゼ 100U/ml、ザルコシンオキシダーゼ 10U/ml、ペルオキシダーゼ 10U/ml、TOOS 2mM、TAPS緩衝液 50mM、pH8.0、アスコルビン酸オキシダーゼ 2U/ml(Acremonium sp.由来)(第2試薬)クレアチニンアミドヒドロラーゼ 300U/ml、4−アミノアンチピリン 0.6mM、 TAPS緩衝液 50mM、pH8.0【0046】試薬O:(第1試薬)クレアチンアミジノヒドロラーゼ 100U/ml、ザルコシンオキシダーゼ 10U/ml、ペルオキシダーゼ 10U/ml、TOOS 2mM、TAPS緩衝液 50mM、pH8.0、アスコルビン酸オキシダーゼ 2U/ml(Acremonium sp.由来)、ピルビン酸ナトリウム 1.0%(第2試薬)クレアチニンアミドヒドロラーゼ 300U/ml、4−アミノアンチピリン 0.6mM TAPS緩衝液、pH8.0実施例1と同じく、10℃、1年間保存した試薬M'〜O'を用意した。50mMサンプルとしては実施例1と同じサンプル1〜6を用意した。【0047】各サンプル6μlに、サンプル1〜6のそれぞれに対応して、試薬M〜O'の第1試薬を300μl添加し、37℃で5分間加温後、試薬M〜O'の第2試薬を100μl添加し、37℃で5分間加温後、精製水を対照に546nmの吸光度を測定した。得られた吸光度をもとにあらかじめ標準液を用いて作成した検量線からクレアチニン濃度を求めた。その結果を表5に示す。表中、数値は単位 mg/dlを示す。【0048】【表5】【0049】表5から明らかなように、アスコルビン酸濃度が高いサンプルにおいても、本発明の試薬Oは長期間にわたって妨害物質の影響を回避することできる。【0050】実施例 6:血清直接ビリルビンの測定下記試薬P〜Tを調製した。試薬P:(第1試薬)フタル酸水素カリウム緩衝液 120mM,pH5.5、 N-アセチルシステイン 2.5mM EDTA 0.1mM、 p-トルエンスルホン酸 50mM、 NaF 2.5mM(第2試薬)フタル酸水素カリウム緩衝液 120mM,pH5.5、ビリルビンオキシダーゼ 0.1 U/mL、アスコルビン酸オキシダーゼ4U/mL【0051】試薬Q:(第1試薬)フタル酸水素カリウム緩衝液 120mM,pH5.5、 N-アセチルシステイン 2.5mM EDTA 0.1mM、 p-トルエンスルホン酸 50mM、 NaF 2.5mM(第2試薬)フタル酸水素カリウム緩衝液 120mM,pH5.5、ビリルビンオキシダーゼ 0.1 U/mL、アスコルビン酸オキシダーゼ 4U/mL(Acremonium sp.由来)、ピルビン酸ナトリウム 0.5%試薬R:(第1試薬)フタル酸水素カリウム緩衝液 120mM、pH5.5、 N-アセチルシステイン 2.5mM EDTA 0.1mM、p-トルエンスルホン酸 50mM、NaF 2.5mM(第2試薬)フタル酸水素カリウム緩衝液 120mM、pH5.5、ビリルビンオキシダーゼ 0.1 U/mL、アスコルビン酸オキシダーゼ 4U/mL(Acremonium sp.由来)、ピルビン酸ナトリウム 1.0%【0052】試薬S:(第1試薬)フタル酸水素カリウム緩衝液 120mM、pH5.5、N-アセチルシステイン 2.5mM EDTA 0.1mM、p-トルエンスルホン酸 50mM、NaF 2.5mM(第2試薬)フタル酸水素カリウム緩衝液 120mM、pH5.5、ビリルビンオキシダーゼ 0.1U/mL、アスコルビン酸オキシダーゼ 4U/mL(Acremonium sp.由来)、ピルビン酸ナトリウム 2.0%試薬T:(第1試薬)フタル酸水素カリウム緩衝液 120mM、pH5.5、N-アセチルシステイン 2.5mM EDTA 0.1mM、p-トルエンスルホン酸 50mM、NaF 2.5mM(第2試薬)フタル酸水素カリウム緩衝液 120mM、pH5.5、ビリルビンオキシダーゼ 0.1 U/mL、アスコルビン酸オキシダーゼ 4U/mL(Acremonium sp.由来)、ピルビン酸ナトリウム 5.0%実施例1と同様に、25℃、1ヶ月静置した試薬P'〜T'を調製した。サンプルとしては実施例1と同じサンプル1〜6を用意した。【0053】サンプル14μlに、サンプル1〜6のそれぞれに対応して、各試薬P〜T'の第1試薬を280μl添加し、37℃で5分間加温後、各試薬P〜T'の第2試薬を70μl添加し、37℃で5分間加温後、精製水を対照に450 nmの吸光度を測定した。得られた吸光度をもとに、あらかじめ標準液を用いて作成した検量線からビリルビン濃度を求めた。その結果を表7に示す。表中、数字は単位 mg/dlを示す。【0054】【表6】【0055】表6から明らかなように、アスコルビン酸濃度が高いサンプルにおいても、本発明の試薬Q〜Tは長期間にわたってその影響を回避して血清直接ビリルビンを測定することができる。【0056】【発明の効果】本発明によれば、カルボン酸を添加するという非常に簡単で、経済的な方法により、アスコルビン酸オキシダーゼを液状で長期間安定化させることができ、サンプルに含まれるアスコルビン酸の影響をうけずに目的の生体液中の成分を正確に定量することができるようになる。 ピルビン酸(塩)の1種または2種以上を配合させることを特徴とするアスコルビン酸オキシダーゼの安定化方法。 アスコルビン酸オキシダーゼを含有する溶液中のピルビン酸(塩)の濃度が0.1重量%以上である請求項1に記載のアスコルビン酸オキシダーゼの安定化方法。 アスコルビン酸オキシダーゼとピルビン酸(塩)の1種または2種以上とを含有する体液中の生体成分測定用試薬であって、試薬中のピルビン酸(塩)の濃度が0.1重量%以上である生体成分測定用試薬。


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