生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_有機ジスルフィドの製法
出願番号:2000583857
年次:2010
IPC分類:C07C 319/24,C07C 303/16,C07C 321/14,C07B 61/00


特許情報キャッシュ

ヴェルナー ヘッセ ハンス−ヨーゼフ シュテルツェル クリスティアン トラグート JP 4460780 特許公報(B2) 20100219 2000583857 19991125 有機ジスルフィドの製法 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 508020155 BASF SE 矢野 敏雄 100061815 山崎 利臣 100094798 久野 琢也 100099483 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 100114890 ラインハルト・アインゼル 230100044 ヴェルナー ヘッセ ハンス−ヨーゼフ シュテルツェル クリスティアン トラグート DE 198 54 427.8 19981125 20100512 C07C 319/24 20060101AFI20100415BHJP C07C 303/16 20060101ALI20100415BHJP C07C 321/14 20060101ALI20100415BHJP C07B 61/00 20060101ALN20100415BHJP JPC07C319/24C07C303/16C07C321/14C07B61/00 300 C07C 319/24 C07C 303/16 C07C 321/14 C07B 61/00 特開昭61−260057(JP,A) 特公昭39−023546(JP,B1) 8 EP1999009145 19991125 WO2000031029 20000602 2002530371 20020917 8 20061127 近藤 政克 【0001】本発明は、有機ジスルフィドの製法に関する。【0002】有機ジスルフィドを製造するための種々の方法が従来技術から公知である。【0003】EP-A-0171092は、アルコール、硫黄および硫化水素を反応させて直接にジアルキルジスルフィドおよび水を得るジアルキルジスルフィドの製法を記載している。この方法は、有利にはゼオライトをベースとする触媒上、温度200〜400℃、大気圧〜600psigの圧力範囲で実施される。この方法の欠点は、多成分の生成混合物が、ジアルキルジスルフィドが僅かな収率でしか単離できずに得られるということである(理論収率約50%)。【0004】US 5,202,494は、MgO/Na2Oをドープした酸化アルミニウム触媒上でメルカプタンを酸素と反応させてジアルキルジスルフィドと水を得る方法を記載している。この方法は、蒸留処理中に系から除去しなくてはならない高沸点成分を生じる。【0005】FR-B 1358398は、メルカプタンと硫黄元素とからジアルキルジスルフィドを製造する方法を開示しており、その際、硫黄は有機溶剤中の溶液の形で、特に有機ジアルキルジスルフィドの形で使用されている。使用される触媒はアミンである。この方法の欠点は、クリーンであるために高価なメルカプタンを出発材料として使用しなくてはならないことである。【0006】従って、本発明の課題は、低コストでありかつ容易に入手可能な原料から出発し、所望のジアルキルジスルフィドを良好な収率で提供する有機ジスルフィドを製造する方法を提供することであった。【0007】前記の課題は、アミンを触媒として用いて、メルカプタンを有機ジスルフィド中に溶解した硫黄で酸化させることにより有機ジスルフィドを製造する方法により達成されることが見出された。本発明による方法は、アルコールと硫化水素とをメルカプタン合成に好適な触媒上で反応させて得られるメルカプタンの“粗メルカプタン流”としての使用を含む。【0008】本発明の方法のために、“粗メルカプタン流”は、アルコールおよび硫化水素に由来するメルカプタン合成から抽出または蒸留により精製されていないルカプタン流である。“粗メルカプタン流”は、完全に反応していない硫化水素、水、および二次成分としてジアルキルスルフィド、少量のアルコールおよびジアルキルエーテルを含有していてもよい。【0009】このような“粗メルカプタン流”は、一般的に複雑な多段の加圧蒸留により精製されるが、このことはコスト高をまねく。蒸留工程を分配することにより、加圧工程が回避され、かつ全体のプロセスは圧力なしに実施することができる。このことは、コスト的に利点をもたらす。それというのも、複雑な圧力化装置が不必要となるからである。高められた安全性もまた確実になる。【0010】使用される“粗メルカプタン流”は、メルカプタン合成に好適な触媒上で、アルコールと硫化水素との反応により製造される。この方法は、有利には気相中で350と450℃の間の温度で実施される。使用できる触媒は、当業者に公知でありかつメルカプタン合成に好適な全ての触媒である。有利には、ドープされた酸化アルミニウムを挙げることができる。使用されるドーパントは、1.KOH(EP-A 0564706)、2.K2CO3(EP-A 0749961)、3.B2O3、K3WO4(React. Kinet. Catal. Lett. 36, 1, p. 159)、4.CaO(EP-A 0564706)である。特に有利には、US 3935276およびHillis O. Folkins and Elmer L. Miller, I& EC Process Design and Development, 第1巻、No.4、1962年10月に記載されているような活性化Al2O3上のタングステン酸カリウムの触媒としての使用が挙げられる。排出のリスクを減少させるために、本発明による方法は、一般的に1〜3bar (abs)、有利にはほぼ大気圧で、そうでない場合には通常10〜15barで実施される。【0011】“粗メルカプタン流”を製造するために、気体状の硫化水素およびアルコールを有利には簡単な環状反応器中に装入し、かつ固体触媒上、有利には活性化Al2O3上のタングステン酸カリウム上で反応させる。このガス流は、アミンを触媒として用い、有機ジスルフィド中に溶解した硫黄で酸化されて有機ジスルフィドを生じる。【0012】溶剤として使用する有機ジスルフィドおよび製造すべき有機ジスルフィドは、有利には同一の化合物である。このことは、付加的な溶剤を分離する必要がないことを意味する。【0013】以下のコンセプトは反応に関連する:有機ジスルフィド中に硫黄が溶解している場合には、有機ポリスルフィドが形成される。本発明によれば、有機ポリスルフィドは、式R(−S)n−R[式中、メルカプタンが実際の反応中で存在する場合には、基Rは使用される有機ジスルフィドまたは使用されるメルカプタンとは無関係である]のスルフィドであり、Rが同一の種類であれば付加的な処理工程を回避するために好適であるが、Rが同一の種類である必要はない(最終生成物および溶剤は同一であるのが有利である)。nは、一般的に3〜12の整数、有利には3〜9の整数である。濃縮溶液は、物理的に溶解されたS8硫黄をまた付加的に含有している。溶解された硫黄および有機ポリスルフィド(以後合わせて“S”と表す)は、室温と製造すべき有機ジスルフィドの沸点との間の温度で、メルカプタンの存在で以下の等式に従って反応してて有機ジスルフィドを生じる。【0014】2RSH+“S” → R−S−S−R+H2Sここで、溶解された硫黄と高いポリスルフィドは最も早く反応するが、他方でトリスルフィド(n=3)までの低いポリスルフィドは、ゆっくりと反応するにすぎない。“粗メルカプタン流”中に硫化水素がなお存在するため、例えば、以下のような反応式による有機ジスルフィドと有機トリスルフィドの間の平衡が仮定される:2R−SH+R−S−S−S−R=R−S−S−R+H2S従って、形成される有機トリスルフィドは、完全に反応せずに有機ジスルフィドを生じる。従って、得られる最終生成物は、純粋なポリスルフィド不含有機ジスルフィドではなく、常に有機ジスルフィドと有機トリスルフィドとの混合物であり、これは更に精製される。さらに、この生成混合物は、触媒として使用したアミンを含有する。【0015】本発明による方法中で使用できるアミンは、1級、2級および3級脂肪族または芳香族アミンである。有利には、1級、2級または3級脂肪族アミンを挙げることができる。特に有利には、使用される有機ジスルフィドの沸点を上回る沸点を有しかつ通常0.5g/l未満の著しく低い水溶性を有する液体または固体のアミンを挙げることができる。殊に有利には、使用されるアミンは、140℃を上回る沸点かつ0.1g/l未満の水溶性を有する。とりわけ有利なアミンは、6〜60個の炭素原子を有する1級、2級または3級アミンである。例えば、トリデシルアミン、脂肪アミン、例えばN,N−ジメチル−C12/14−アミン、ジシクロヘキシルアミンが好適である。通常、アミンは、使用される硫黄に対して0.1〜10質量%、有利には0.5〜5質量%、特に有利には1〜3質量%の量で使用する。【0016】本発明による方法は、任意のメルカプタンから有機ジスルフィドを製造するために好適である。一般的には、脂肪族、脂環式、アリール、アリールアルキルまたはアラルキル基を含有するメルカプタンを使用する。脂肪族基は、線状または分枝状であってもよく、非置換であるかまたは官能基、例えばヒドロキシル、ハロゲン、チオ、チオエーテル、スルホニル、スルホキシル、スルフェニル、アミノ、イミノ、ニトロまたはニトロソ基により置換されているか、飽和またはモノ−もしくは多価不飽和されていてもよい。脂環式基は、二重結合および/またはヘテロ原子、特にSまたはNを含有していてもよい。例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、アミル、ヘキシルまたはベンジルメルカプタンを使用することができる。これは、ジメチル、ジエチル、ジ−n−プロピル、ジイソプロピル、ジ−n−ブチル、ジイソブチル、ジアミル、ジヘキシルまたはジベンジルジスルフィドを生じる。有利には、1〜3個の炭素原子を有する飽和脂肪族基、例えばメチル、エチルまたはn−プロピルメルカプタンを含有するメルカプタンの使用を挙げることができる。特に有利には、メチルメルカプタンを挙げることができる。従って、特に有利に製造される有機ジスルフィドは、ジメチルジスルフィドである。【0017】本発明による方法は、有利には連続的な方法として実施される。この方法は、特に有利には閉ループ(closed loop)である。すなわち、貴重な副生成物を再使用することができる。【0018】従って、本発明は、さらに以下の工程:(a)アルカノールを好適な触媒上で硫化水素と反応させて、メルカプタン、水、硫化水素ならびに有機スルフィドおよびエーテルのような少量の他の副生成物を含有する“粗メルカプタン流”を取得し、(b)アミンを含む触媒を用いて、“粗メルカプタン流”を有機ジスルフィドに溶解した硫黄と反応カラム中で反応させ、形成される低沸点成分を工程(a)に復帰し、(c)系から除去された水相、および有機硫黄相をから成る、得られた混合物を相分離し、(d)場合により低沸点成分、所望の有機ジスルフィド、ポリスルフィド、溶解された硫黄、アミンおよび少量の他の副生成物を含有する有機硫黄相を精製し、ここで、有機ジスルフィドを取り出し、形成される低沸点成分を工程(a)に復帰し、形成されるポリスルフィド(n=3〜12)、溶解された硫黄およびアミンを、更なる硫黄および場合により新たなアミンの添加とともに工程(b)に復帰することから成り、工程(c)の相分離および水相の系からの除去を、工程(a)または工程(b)の直後に実施してよい方法に関する。【0019】“粗メルカプタン流”の製造は、有利には簡単な管状反応器中、気相中で実施され、次に得られたガス流を反応カラム、例えばバブルキャップカラムの低い部分に導入する。工程(b)では、このガス流は、触媒として必要なアミンが溶解した有機ジスルフィド中の硫黄溶液と向流で交わる。反応カラムの塔頂で生成された低沸点成分は、工程(a)に復帰させることができる。反応カラムの塔底では、有機トリスルフィドおよび場合により他の低いポリスルフィドとの混合物中に有機ジスルフィドが得られる。さらに、反応カラムの塔底液は、アミンおよびメルカプタン合成から導入された水を含有していてもよい。【0020】反応カラム中のスチル温度は、一般的には20〜120℃、有利には50〜100℃、特に有利には90〜95℃である。塔頂温度は、一般的には−20〜+30℃、有利には0〜+20℃、特に有利には0〜+10℃である。工程(b)は、一般的に大気圧で実施される。【0021】液相は、工程(c)で有機硫黄相から、有利には相分離器中で分離され、かつ処理される。この相分離は、メルカプタン合成の直後に実施することができる(工程(a))。水相が工程(b)の直後に分離される場合には、反応カラムの塔底温度は、80℃以上、有利には90と95℃の間が有利であり、その結果、流出すべき水相はごく少量の低沸点の硫黄化合物、例えば硫化水素を含有する。他方で、温度は水がカラムの大部分を占め、かつスチルを介してもはや流出できない程度に高くなってはならない。【0022】本発明によるこの方法の利点は、反応混合物中に存在する硫化水素を反応カラムの塔頂からメルカプタン合成に再利用できることである。二次成分、例えば有機スルフィド、アルコールおよびエーテルもこのように再利用され、管状反応器中で反応してメルカプタンが得られる(工程(a))。【0023】水を除去した後に、有機硫黄相を精製する(工程(d))。精製は、好適な方法により実施できる。有利には、蒸留による精製、特に有利には減圧下の蒸留が挙げられる。減圧を使用することで著しく高いスチル温度を回避でき、このように有機ポリスルフィドおよび硫黄の、例えばCS2およびメルカプタンへの分解を妨げることができる。【0024】蒸留は、有利には少なくとも10個の理論段を有する蒸留塔中で実施される。蒸留の間に得られる少量の低沸点成分、例えばメルカプタン、有機スルフィドまたはCS2を分離し、かつ工程(a)に復帰することができる。有機ジスルフィドを取り出すが、取り出しは、有利には蒸留塔の側留取出し口中で実施する。スチル溶液またはいくつかのスチル溶液は、硫黄元素を有利には液体の形でこの混合物中に溶解することにより、工程(b)に復帰されるが、場合により、触媒であるアミンを補充し、かつこの混合物を反応カラムの上部に再導入する。【0025】本発明による方法は、正味の反応式;2ROH+H2S+S → R−S−S−R+2H2Oによる密閉系を提供する。その際、有機ジスルフィドを予備反応器および2個のカラムを用いて連続的に製造することができる。本発明による方法中で製造される有機ジスルフィドは、特にスルホン酸の製造に使用することができる。これに関連して、有機ジスルフィドは、特にアルキルスルホン酸を製造するために好適であり、有利にはHNO3を用いて有機ジスルフィドを酸化することによりアルキルスルホン酸を製造するために好適である。【0026】添付の図面において、図1は、有機ジスルフィド合成の典型的な過程図を示している。【0027】ここで、Aは、工程(a)を実施する管状反応器であり;Bは、工程(b)を実施する反応カラムであり;Cは、工程(c)を実施する相分離装置であり;Dは、工程(d)を実施する蒸留カラムであり;NRR’は、工程(b)で触媒として使用されるアミンであり;Pは、精製物(有機ジスルフィド)であり;DADSは、有機ジスルフィドである。【0028】他の略記については前記明細書中に記載される。【0029】以下の実施例は、本発明を詳細に説明するものである。【0030】実施例1. 連続実験設備の例2工程から成るジメチルジスルフィド(DMDS)合成は、以下の流れ図面(図1)の全ての成分を含む連続稼働実験装置中で実施される。【0031】MeSH管状反応器(600mm長さ、直径25mm)に、タングステン酸カリウム14質量%を含有する酸化アルミニウムから製造した触媒を充填した。温度400℃(反応器の中央部)および圧力1.1barabsで、気体メタノール48g/h(1.5mol)、硫化水素34g/h(1mol)および反応カラムからの戻り気体40g/h(組成:H2S72%、MeSH12%、ジメチルスルフィド(DMS)16%、少量のメタノールおよびジメチルエーテル)を、管状反応器へ供給した。反応器の排出口における気体の組成:H2S13.0%、MeSH50.8%、DMS10.3%、H2O21.6%、MeOH2.4%、ジメチルエーテル(DME)1.2%。【0032】この気体を反応カラムの下部(20個のプレートを含むバブルキャップカラム)に注入し、下方へ流れる硫黄溶液に対して向流に流し(蒸留カラムからの蒸留溶液(still solution)へ、硫黄19g/hおよびジシクロヘキシルアミン0.1g/hを測り入れる)、この際MeSHはH2Sの構成体と反応する。カラムの塔頂で排出されかつ前記の組成を有する気体を圧縮し、戻り気体として、MeSH管状反応器へ回復し、ここではごく少ない割合で気体を系から除去する。約90℃に加熱した蒸留溶液は2相であり、上相部はMeSH合成時に形成される水である。この相を相分離装置へ通して相を分離させ、上相の水相を排出コンテナーに回収する(26g/h)。下相の有機硫黄相を、減圧(300mbar)で作動する蒸留カラムへ側面から通過させた。DMDS生成物を側留引き取り装置中で単離し(53g/h)、99.6%の純度を有した(ジメチルトリスルフィド0.1%、ジメチルスルフィド(DMS)、MeSH、CS2のような低沸点成分0.3%)。使用した硫黄に対するDMDSの収率は、従って94.9%である。蒸留カラムの塔頂で形成される低沸点成分は、この場合、図1の反応カラムの塔頂へ再循環されない。【0033】2.比較例硫黄50g、DMDS25g、トリイソブチルアミン1gを、フリットを備えた温度調節ガラス管に導入し、60℃に温度調節した。次いで、気体メチルメルカプタンを、スチールシリンダーからフリットを介して上方向に24g/hの量で、溶液に通過させた。気相および液相の組成をガスクロマトグラフィーにより時間の関数として分析した。反応開始時、メチルメルカプタンの大部分が反応して硫化水素を形成した。液体上の気相は最初H2Sを約75%含有した。反応終了時に、ほぼ純粋なメチルメルカプタンが溶液を通過するまで、H2S含量を低下させる。反応は13時間後に終了した。以下の組成を有する溶液118gを得た:H2S0.5%、MeSH5.8%、DMDS55.2%、ジメチルトリスルフィド32.9%、ジメチルポリスルフィド4.2%、アミン0.9%。【0034】3.比較例硫黄50g、DMDS25g、トリデシルアミン1gを、フリットを備えた温度調節ガラス管に導入し、60℃に温度調節した。次いで、気体メチルメルカプタンをスチールシリンダーからフリットを介して24g/hの量で、溶液に通過させた。気相および液相の組成をガスクロマトグラフィーにより、時間の関数として分析した。反応開始時、メチルメルカプタンの大部分が反応して硫化水素を形成した。液体上の気相は最初H2Sを約79%含有した。反応終了時に、ほぼ純粋なメチルメルカプタンが溶液を通過するまで、H2S含量を低下させた。反応は12時間後に終了した。以下の組成を有する溶液156gを得た:H2S0.1%、MeSH7.7%、DMDS90.5%、ジメチルトリスルフィド0.8%、ジメチルポリスルフィドなし、アミン0.8%。使用した硫黄に対するDMDSの収率は83%である。反応気体といっしょにDMDSが排気させる結果、損失量が増加する。【図面の簡単な説明】【図1】図1は、有機ジスルフィド合成の典型的な過程図である。 触媒としてアミンを使用し、メルカプタンを有機ジスルフィド中に溶解した硫黄で酸化することにより有機ジスルフィドを製造する方法において、アルコールと硫化水素とをメルカプタン合成用の触媒上で反応させて得られるメルカプタンを"粗メルカプタン流"として使用し、かつ該アミンが液体または固体であり、かつ使用する有機ジスルフィドの沸点を上回る沸点ならびに0.5g/lよりも少ない水溶性を有する、有機ジスルフィドの製法。 メルカプタン合成用の触媒が活性化Al2O3上のタングステン酸カリウムを含有する、請求項1記載の製法。 溶剤として使用する有機ジスルフィドおよび製造される有機ジスルフィドが同一の化合物である、請求項1または2記載の製法。 6〜60個の炭素原子を有する1級、2級または3級アミンを使用する、請求項1から3までのいずれか1項記載の製法。 有機ジスルフィドがジメチルジスルフィドである、請求項1から4までのいずれか1項記載の製法。 方法を連続して実施する、請求項1から5までのいずれか1項記載の製法。 以下の工程:(a)アルカノールを触媒上で硫化水素と反応させて、メルカプタン、水、硫化水素ならびに有機スルフィドおよびエーテルから選択される少量の他の副生成物を含有する"粗メルカプタン流"を取得し、(b)アミンを含む触媒を用いて、"粗メルカプタン流"を有機ジスルフィドに溶解した硫黄と反応カラム中で反応させ、形成される低沸点成分を工程(a)に復帰し、(c)系から除去された水相、および有機硫黄相から成る、得られた混合物を相分離し、(d)場合により低沸点成分、所望の有機ジスルフィド、ポリスルフィド、アミンおよび少量の他の副生成物を含有する有機硫黄相を精製し、ここで、有機ジスルフィドを取り出し、形成される低沸点成分を工程(a)に復帰し、形成されるポリスルフィドおよびアミンを、更なる硫黄および場合によりアミンの添加とともに工程(b)に復帰することから成り、工程(c)の相分離および水相の系からの除去を、工程(a)または工程(b)の直後に実施する、請求項1から6までのいずれか1項記載の製法。 工程(d)の精製を減圧下に蒸留により実施する、請求項7記載の製法。


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