生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_パラ−キシレン製造方法
出願番号:2000566220
年次:2011
IPC分類:C07C 5/27,C07C 15/08


特許情報キャッシュ

アビチャンダニ、ジーバン・サーヒブ ベック、ジェフリー・スコット ブラウン、スティーブン・ハロルド チーミニ、ロナルド・ジョージフ クウォック、セルマ ジョンソン、アイビー・ドーン リグラス、ディミトリス・コンスタンチン スターン、デビッド・ローレンス JP 4808313 特許公報(B2) 20110826 2000566220 19990812 パラ−キシレン製造方法 エクソンモービル オイル コーポレイション 590001854 山崎 行造 100071010 岡田 希子 100107799 林 秀男 100114742 アビチャンダニ、ジーバン・サーヒブ ベック、ジェフリー・スコット ブラウン、スティーブン・ハロルド チーミニ、ロナルド・ジョージフ クウォック、セルマ ジョンソン、アイビー・ドーン リグラス、ディミトリス・コンスタンチン スターン、デビッド・ローレンス US 09/139,463 19980825 US 09/139,465 19980825 20111102 C07C 5/27 20060101AFI20111013BHJP C07C 15/08 20060101ALI20111013BHJP JPC07C5/27C07C15/08 C07C 5/00 C07C 15/00 CA/REGISTRY(STN) 特開昭64−056628(JP,A) 特開昭51−016619(JP,A) 特開昭53−137920(JP,A) 特開昭55−000394(JP,A) 特開昭63−196528(JP,A) 特開平08−245436(JP,A) 6 US1999018353 19990812 WO2000010944 20000302 2002523385 20020730 10 20060802 前田 憲彦 【0001】本発明は、C8+芳香族供給原料からパラ−キシレンを製造する方法に関する。パラ−及びオルト−キシレンは、価値のある化学中間体である。石油化学コンビナートにおいては、粗蒸留物及びリホーマーC8ハートカットの両方からこれらの化合物を回収することにより、パラ−及びオルト−キシレンの大部分が製造される。回収は、高純度のオルト−キシレンを生じる、C8ハートカット蒸留(「オルト−スプリッター」)、及び選択的な結晶化又は収着工程のようないくつかの選択的な分離方法を経て行われる。これらの分離技術に由来する残部は、主としてメタ−及びオルト−キシレン、エチルベンゼン、及びベンゼンを、比較的低濃度の他の芳香族類とともに含む。【0002】この循環流れの化学的価値を高めるためのいくつかの技術が存在する。例えば、この流れを、異性化を経て、キシレン類の平衡混合物を含むもの、すなわち、およそ50重量%(wt%)のメタ−キシレン、及びパラ−及びオルト−キシレンを各々25重量%を含むもの、へ転化するための工業的方法がある。また、これらの方法は、クラッキング、又は水素化分解(作用金属によるエチルベンゼンクラッキングから形成されるエチレンの水素化)のような機構を経てこの再循環ループ中のエチルベンゼン濃度を減少させもする。【0003】これらの方法は、長年にわたり、工業的に実施されてきているが、異性化コンビナートの資本経費をかなり減少させることが可能であるならば、意味ある改良が実現することができる。現在使用されている工業的な方法は、比較的少量の生成物を製造するために、大容量の加工容器を要求する。したがって、存在する装置によって製造され得る生成物の量を増加させ、そしてまた、同量の生成物を製造するためにより小さい容量の装置の使用を許容することができる方法を見出すことが望ましい。【0004】C8芳香族混合物の主要な原料は、触媒的に改質されたナフサ及び熱分解蒸留物である。これらに起源を有するC8芳香族画分は、組成が非常に広範に変わるが、通常、10重量%乃至32重量%の範囲のエチルベンゼン(EB)と、残部(残部は、50重量%のメタ−キシレン及び各25重量%のパラ−キシレン及びオルト−キシレン)である。【0005】個々の異性体生成物は、適する物理的方法により天然に生じる混合物から分離され得る。エチルベンゼンは、分別蒸留により分離され得るが、これは費用のかかる操作である。オルト−キシレンは、分別蒸留により分離され得、そして工業上そのように生産されている。パラ−キシレンは、分別結晶化、選択的収着、又は膜分離により異性体混合物から分離され得る。【0006】エチルベンゼンの沸点は、パラ−キシレン及びメタ−キシレンの沸点に非常に近い。その結果、従来の方法、例えば、蒸留による、C8+芳香族混合物からのエチルベンゼンの完全な除去は、通常は実行できない。エチルベンゼンの分離カラムは、異性化器−分離器ループにおいて使用されるか、又は、エチルベンゼンは異性化器−分離器ループにおいて触媒的に転化され得る。【0007】キシレン異性化のための多くの方法において、エチルベンゼンの転化は、最大化されていない。これは、キシレン類をあまり価値のない化合物に転化する競合反応を制御する必要があるためである。したがって、エチルベンゼンが、触媒的に転化される場合、操作条件を選択するために第一に考慮しなければならないことは、キシレン類のトランスアルキル化からのキシレン類の損失を最小限にすることである。【0008】本発明は、改良された効率及びより低い費用で、パラ−キシレンがC8+芳香族供給原料から製造され得る方法を提供することを目的とする。したがって、本発明は、キシレン類及びエチルベンゼンを含むC8+芳香族供給原料からパラ−キシレンを製造するための方法にあり、本発明の方法は、以下の工程:(a) 第一段階において、前記供給原料をエチルベンゼン転化に供し、第一の流出物流れを供給する工程、(b) C9+芳香族類及び任意にオルト−キシレンを、前記第一の流出物流れから除去して第一の涸渇した流れを提供する工程、(c) 前記第一の涸渇した流れからパラ−キシレンを回収し、第二の涸渇した流れを提供する工程、(d) 前記第二の涸渇した流れ中のキシレン類を異性化し、第二の流出物流れを提供する工程、そして(e) パラ−キシレンを回収する前に、前記第二の流出物流れを前記第一の涸渇した流れへ再循環する工程、を含む。【0009】好ましくは、第一段階(a)は、供給原料中のキシレン類の異性化をも行う。キシレンの異性化は、二床式反応器で行われ得、ここにおいて、エチルベンゼン転化は、反応器の第一の部分で行われ、そしてキシレンの異性化は反応器の第二の部分で行われ、又は、好ましくは、エチルベンゼン転化反応器のすぐ下流に位置する別の反応器で行われ得る。【0010】本発明の二段階方法は、従来の一段階方法よりも効率的にキシレン類を異性化するという利点を有する。第一のエチルベンゼン転化/異性化段階は、供給原料中のエチルベンゼンをベンゼン及びエタンへ転化する。流出物を処理してC9+芳香族類及び任意にオルト−キシレンを除去し、第一の涸渇した流れを提供し、そして次に、第一の涸渇した流れが、ベンゼン、トルエン、及びより軽質の炭化水素類を除去するために処理され、第二の涸渇した流れを提供する。従って、第二の涸渇した流れを第二の異性化段階で処理するとき、第一のエチルベンゼン転化/異性化段階からの流出物の体積が減少され、そして流出物は、その工程の目的物であるキシレン類に富む。従って、第二の異性化段階における容器は、より小さくてよくそしてより効率的に操作することが可能である。【0011】第二の異性化段階における再循環ループは、第二の流出物流れを第一の涸渇した流れへ再循環させるが、パラ−キシレンの生成を最大限にするという利点をももたらす。オルト−キシレン及びメタ−キシレンは、第二の異性化段階の間、この方法から除去されないので、キシレンに富む流出物流れは、すべてのキシレンが、パラ−キシレンに転化するまでか又はベンゼン/トルエン分離器においてより炭素数の小さい炭化水素類として方法から除去されるまで、再循環される。【0012】好ましくは、トルエンは、その方法のエチルベンゼン転化段階の間、キシレンの損失を最小限にするために、第一段階の前に供給原料へ添加される。トルエンは、外部の起源からこの方法に、又は、第一の流出物流れから回収されたトルエンを共供給することにより、添加され得る。ある場合には、トルエンは、外部の起源と第一の流出物流れから回収されたトルエンとの組み合わせから得ることもできる。好都合なことには、トルエンは、パラ−キシレン回収の前に、第一の涸渇した流れから除去することができる。トルエンを添加した後、供給原料中の好ましいトルエン濃度は、1重量%乃至25重量%、より好ましくは10乃至20重量%である。好ましくは、トルエンは、供給原料中のトルエンのキシレン類に対する比が、1対10乃至1対2の範囲で、最も好ましくは1対4乃至1対6の範囲で増加するように添加する。【0013】共供給されたトルエンは、エチルベンゼン転化反応における(すなわち、エチルベンゼン転化反応器の床における又は二床エチルベンゼン転化/キシレン異性化反応器の上床における)キシレンの損失を、共供給トルエンなしでの90%のエチルベンゼン転化において1.7重量%から、19%共供給トルエンにおいて0.8%へ減少させることが分かった。トルエンは、転化されるこの反応の生成物の一つであるので、キシレン異性化ユニットにおいて、共供給されたトルエンは、キシレンの不均化のような副反応を抑制する。【0014】本発明の好ましい態様において、スリップ流れは、パラ−キシレンが回収された後であって、異性化段階の前に、第二の涸渇した流れから取られ、そして、供給原料へ再循環される。もう一つの好ましい態様においては、スリップ流れは、パラ−キシレンが回収された後であって、異性化段階の前に第二の涸渇した流れから取られ、エチルベンゼン転化の後の第一の流出物流れへ再循環される。最も好ましい態様においては、二つのスリップ流れが、パラ−キシレンが回収された後であって、異性化段階の前に第二の涸渇した流れから取られ、一つのスリップ流れは、供給原料へ再循環され、そして他方は第一の流出物流れへ再循環される。【0015】第二の涸渇した流れの一部の回収は、第二の涸渇した流れからC9+芳香族類およびオルト−キシレンを除去する手段を提供し、そして、第二の流出物流れの再循環流れを制御する手段を提供する。第二の涸渇した流れの50重量%まで、及びより好ましくは5重量%乃至25重量%は、スリップ流れを通じて再循環され得る。【0016】供給原料 一般に、エチルベンゼン及びキシレン類を含有する芳香族C8混合物はいずれも、本発明の方法への供給原料として使用することができる。一般に、このような供給原料混合物は、典型的には0重量%乃至30重量%のC9+芳香族含量、5重量%乃至50重量%のエチルベンゼン含量、0重量%乃至35重量%のオルト−キシレン含量、20重量%乃至90重量%のメタ−キシレン含量、及び0重量%乃至25重量%のパラ−キシレン含量を有する。例えば、供給原料は、10重量%乃至15重量%のエチルベンゼンを、キシレン類及びC9+芳香族からなる残部と共に含み得る。好ましくは、供給原料は、少なくとも30重量%、より好ましくは少なくとも50重量%のメタ−キシレンを含む。この基準に合致する供給原料は、「メタ−キシレンに富む」供給原料と称される。さらに、上記C8芳香族混合物に加えて、供給原料は、非芳香族炭化水素類、すなわち、ナフタレン類及びパラフィン類を30重量%までの量で含み得る。【0017】エチルベンゼン転化段階本発明に従って、上記の供給原料は、適する転化条件下で、初めに触媒系と接触され、キシレン損失を最小限にしながらエチルベンゼン転化を行う。エチルベンゼン転化を成し遂げるのに効率的な条件は、200℃乃至550℃の温度、0psig乃至1,000psigの圧力、0.1時−1と200時−1との間のWHSV、及び0.2と10との間のH2/HCモル比を含む。より好ましくは、転化条件は、325℃乃至475℃の温度、50psig乃至400psigの圧力、3時−1と50時−1との間のWHSV、及び1と5との間のH2/HCモル比を含む。【0018】エチルベンゼン転化は、脱アルキル化により進行されて、ベンゼン及びエタン及び/又はエチレンを製造するか、又は異性化により進行されて追加のキシレン類を製造することができる。【0019】本発明のエチルベンゼン転化段階において使用するのに適する触媒の例は、ZSM−5(米国特許第3,702,886号及び再発行特許第29,948号)、ZSM−11(米国特許第3,709,979号)、ZSM−12(米国特許第3,832,449号)、ZSM−22(米国特許第4,556,477号)、ZSM−23(米国特許第4,076,842号)、ZSM−35(米国特許第4,016,245号)、ZSM−48(米国特許第4,397,827号)、ZSM−57(米国特許第4,046,685号)、ZSM−58(米国特許第4,417,780号)、及びSAPO−5、SAPO−11、及びSAPO−41(米国特許第4,440,871号)のような中間の細孔サイズのゼオライト類を含む。【0020】エチルベンゼン転化触媒は、所望のエチルベンゼン転化反応ための活性及び/又は選択性を高めるために、好ましくは修飾され得る。適する修飾法は、シリカ選択性化、コーク選択性化、蒸熱処理、水素化/脱水素化作用金属の添加及びこれらの組合せを、当技術分野で公知の他の技術とともに含む。例えば、修飾された触媒は、シリカ結合中間細孔サイズの分子ふるい、例えばZSM−5を含み得る。これは、液体担体中の有機ケイ素選択性化剤の少なくとも一つのコーティングで被覆され、続いて、酸素含有雰囲気中において触媒を焼成することにより選択性化されている。コーク選択性化は、触媒に損傷を与えずに有機化合物を分解するのに十分な条件下で、触媒を分解可能な有機化合物と接触させることによって行われ得る。蒸熱処理もまた、当技術分野で公知のように、触媒の活性を修飾するために行うことができる。このような修飾によって、所望のエチルベンゼン転化反応のための触媒の選択性を増大することができる。【0021】本発明の方法のエチルベンゼン転化段階は、非常に高いエチルベンゼン転化レベル、典型的には50重量%を超える、例えば、70重量%を超える、例えば、80重量%を超える、例えば、85重量%を超える、例えば90重量%以上のレベルで操作され得る。【0022】好ましくは、本発明の方法のエチルベンゼン転化段階は、供給原料中のキシレン類のある種の異性化をも行うことができる。これは、二床反応器を使用して行うことができ、ここにおいて、エチルベンゼンの転化は、反応器の第一の部分で行われ、そしてキシレンの異性化は、反応器の第二の部分で行われ、又は、好ましくはエチルベンゼン転化反応器のすぐ下流に位置する、別の反応器で行うことができる。キシレンの異性化部分又は反応器において使用される触媒は、好ましくは、ZSM−5のような中間の細孔サイズのゼオライトであり、これは、所望のキシレン異性化反応のための活性及び/又は選択性を高めるために、公知の方法で修飾されている。【0023】好ましくは、エチルベンゼン転化触媒及びキシレン異性化触媒は、Pt、Pd、Ni、Rd、Fe、W、及びReのような水素化金属を含む。【0024】適する組み合わせられたエチルベンゼン転化/キシレン異性化反応段階は、米国特許第4,899,011号及び5,689,027号に開示されている。【0025】キシレン異性化ループエチルベンゼン転化段階からの流出物は、キシレンスプリッターへ供給され、従来のキシレン異性化ループへ渡される前に、C9+芳香族類及び任意にオルト−キシレンを除去する。このループにおいて、パラ−キシレンは、典型的には選択的収着又は結晶化により生成物流れとして先ず回収され、そして、次に、パラ−涸渇された流出物は、さらなるキシレン異性化反応器へ供給され、ここで、キシレン類は、転化されて熱平衡濃度へ戻る。キシレン異性化反応器からの流出物は、次に、パラ−キシレン回収ユニットへ再循環される。【0026】さらなるキシレン異性化反応器は、エチルベンゼン転化ユニットのキシレン異性化段階において使用されるのと同一又は異なる触媒を使用することができ、及び、前記キシレン異性化段階と同一又は異なる条件下で操作することもできる。しかし、操作の容易性を増大し、そして資本経費を減少させるために、液相条件下でさらなるキシレン異性化反応器を操作するのが望ましい。【0027】本発明は、添付する図面を参照してより詳細に説明される。【0028】 図1は、当技術分野に公知のキシレン異性化方法を示し、ここにおいて、C8+芳香族類からなる供給原料110をキシレンスプリッター112へ供給し、ここにおいて、C9+芳香族類及びオルト−キシレンを主要な原料流れ114から除去する。C9+芳香族類及びオルト−キシレンは、オルト−キシレン塔116において分離され、そして、副産物としてその方法から取除かれる。主要な原料流れ114は、次に、パラ−キシレン回収ユニット118において処理され、ここにおいて、パラ−キシレンは、生成物120として供給原料から除去される。残りの供給原料は、異性化ユニット122において処理され、ここにおいて、供給原料中のキシレン類は、熱平衡濃度へ転化され、そして、エチルベンゼンは、より炭素数の小さい芳香族類へ転化され得る。ベンゼン126及びトルエン128は、異性化ユニット124の流出物から分離され、そして、涸渇した流出物130は、キシレンスプリッター112の上流で、供給原料110へ戻されて再循環される。【0029】図2は、二つの異性化段階を有する本発明の第一実施例に従うキシレンの生成方法を示す。C8+芳香族供給原料210は、エチルベンゼン転化/キシレン異性化反応器222へ供給され、ここにおいて、供給原料中のエチルベンゼンは、反応器の第一部分において転化される。供給原料は反応器の第二の部分で異性化され、そしてキシレン類は、熱平衡濃度へ転化される。エチルベンゼン転化/キシレン異性化反応器222からの流出物は、第一の流出物流れ224を提供し、この流れは、キシレンスプリッター212へ運ばれ、ここにおいて、C9+芳香族類213(及び、本発明のある種の態様においては、オルト−キシレン)を副産物として除去し、そして、第一の涸渇した流れ234を提供する。分離器225は、ベンゼン及びトルエン227を第一の涸渇した流れ234から、副産物として除去する。ベンゼン及びトルエンを除去された第一の涸渇した流れ230は、パラ−キシレン回収ユニット218において処理され、ここにおいて、パラ−キシレンは、生成物220として、好ましくは、選択的収着及び/又は結晶化により回収される。パラ−キシレン回収ユニット218からの流出物は、第二の涸渇した流れ236を提供し、これは、異性化ユニット232へ供給され、ここにおいて、キシレンは、熱平衡濃度へ転化され、そして、エチルベンゼンのほとんどがベンゼン及びエタンへ転化される。異性化ユニット232からの第二の流出物流れ238は、約50%のメタ−キシレン、25%のオルト−キシレン、及び25%のパラ−キシレンの割合で、主としてキシレン類からなる。第二の流出物流れ238は、ベンゼン/トルエン分離器225の上流にある、第一の涸渇した流れ234へ再循環される。異性化ユニットからのキシレンに富む第二の流出物流れ238の再循環は、パラ−キシレンの生成を最大化する。パラ−キシレン回収ユニット218および異性化ユニット232において処理される物質の体積は、その方法において上流でC9+芳香族類及びC7−芳香族類を除去することにより減少させることができるので、これらのユニットの大きさを減少することができる。【0030】第一実施例の好ましい態様の一つにおいて、パラ−キシレン回収ユニット218からの流出物236の一部が、スリップ流れ240としてエチルベンゼン転化/キシレン異性化反応器222の上流で供給原料210へ再循環され、及び/又は、スリップ流れ242として反応器の222の第一の流出物流れ224へ再循環される。スリップ流れ240は、供給原料210を、C8芳香族類に富むものにさせるという利点をもたらし、そして、パラ−キシレン回収ユニット218及び異性化ユニット232を通じたC8芳香族類の再循環を制御するための手段を提供する。スリップ流れ240は、方法の異性化/パラ−キシレン回収ユニット段階218/232から、C9+芳香族類、及び任意にオルト−キシレンを除去する手段を提供する。【0031】典型的には、スリップ流れ240、242は、第二の涸渇した流れ236の50重量%まで、及び好ましくは5重量%乃至25重量%を再循環する。スリップ流れ240及び242の両方が使用される場合、スリップ流れ240を通じての供給原料210への再循環の量は、スリップ流れ242を通じて第一の流出物流れ224へ再循環される量に対し、典型的には、5対1乃至1対1、好ましくは2対1である。スリップ流れ240及び242を通る流量は、第二の涸渇した流れ236の組成、供給原料210の組成、及びエチルベンゼン転化/キシレン異性化反応器222及び異性化反応器232において使用される触媒に基づいて選択される。【0032】図1に模式的に示すような、従来のキシレン異性化プラントが、キシレンスプリッター112の上流にエチルベンゼン転化ユニットを加え、そして方法流れの形を変えることにより、改良され、図2に示すような方法を提供する。方法流れは、キシレンスプリッター112からの軽質芳香族出口114を、異性化ユニット122の下流のベンゼン分離ユニット125の入口へ連結し、そして、トルエン分離ユニット127の重質芳香族出口130を、パラ−キシレン回収ユニット118の入口へ連結することにより、形を変える。好ましい態様においては、スリップ流れは、パラ−キシレン回収ユニット流出物119から取除かれ、そして、エチルベンゼン回収ユニットの上流の供給原料110へ再循環される。このような改良は、最小限の資本経費しか要求しないが、これは、「基本的な」ハードウェアはすでに存在するからである。根本的な設計のための予想された節約は、より大きいであろう。【0033】図3は、第二の異性化段階を有し、そしてトルエンを供給原料へ再循環させる、本発明の第二の実施例に従うキシレンの製造方法を示す。C8+芳香族供給原料310は、エチルベンゼン転化/キシレン異性化反応器322へ供給され、ここにおいて、供給原料310中のエチルベンゼンは、反応器の第一の部分において転化される。次に、供給原料310は、反応器322の第二の部分において異性化され、そしてキシレン類は、熱平衡濃度へ転化される。エチルベンゼン転化/キシレン異性化反応器322からの流出物は、第一の流出物流れ324を提供し、これは、C9+芳香族類(及び、本発明のある種の態様においては、オルト−キシレン)を、副産物313として、第一の流出物流れ324から除去し、そして、第一の涸渇した流れ334を提供するキシレンスプリッター312へ送られる。分離器325及び327は、第一の涸渇した流れ334からベンゼン326及びトルエン328を除去するために使用する。ベンゼン及びトルエンを除去した第一の涸渇した流れ330は、パラ−キシレン回収ユニット318において処理されるが、ここにおいて、パラ−キシレンは、生成物320として除去される。パラ−キシレン回収は、選択的収着及び/又は結晶化により成し遂げられる。パラ−キシレン回収ユニット318からの流出物は、第二の涸渇した流れ336を提供し、これは、異性化ユニット332へ供給され、ここにおいて、キシレンは、熱平衡濃度へ転化され、そして、エチルベンゼンのほとんどがベンゼン及びエタンへ転化される。異性化ユニット332からの流出物は、第二の流出物流れを提供し、これは、ベンゼン除去段階326の下流であって、トルエン328の除去の前の、第一の涸渇した流れ329へ再循環される。ベンゼン除去段階326の下流で第一の涸渇した流れ329から除去されたトルエン328は、エチルベンゼン転化/キシレン異性化反応器322の上流で供給原料310へ再循環される。【0034】第一実施例におけるように、パラ−キシレン回収ユニット318からの第二の涸渇した流れ336の第一のスリップ流れ340は、エチルベンゼン転化/キシレン異性化反応器322で上流の供給原料310へ再循環され得、そして、第二のスリップ流れ342は、エチルベンゼン転化/キシレン異性化反応器322の第一の流出物流れ324へ再循環され得る。【0035】好ましい態様において、供給原料310のトルエン濃度は、組成を変化させるために、供給原料310へトルエンを添加することにより増大される。最も好ましい態様においては、トルエンのキシレン類に対する比を増加させるために、供給原料310へトルエンを加える。トルエンは、外部の起源に由来することもでき、又は、エチルベンゼン転化ユニット322の下流で、この方法から除去し、且つ供給原料310へ再循環することができる。トルエン濃度が増加した後、供給原料310中のトルエンの濃度は、1重量%乃至25重量%であり、好ましい濃度は10重量%乃至20重量%である。【0036】もう一つの好ましい態様においては、第二の涸渇した流れ336の、供給原料310への、及び/又はスリップ流れ340及び/又は342を通じた第一の流出物流れ324への再循環に加え、供給原料310のトルエン濃度は、供給原料310へトルエンを添加することにより増加される。この態様において、スリップ流れ340の、添加されるトルエンに対する重量比は、1対1乃至10対1であり、好ましくは3対1乃至5対1である。【図面の簡単な説明】【図1】 図1は、当技術分野に公知のエチルベンゼン転化/キシレン異性化方法のダイアグラムである。【図2】 図2は、キシレン異性化二段階を有する本発明の第一実施例に従う方法のダイアグラムである。【図3】 図3は、キシレン異性化二段階及び供給原料へのトルエンの再循環を有する本発明の第二実施例に従う方法のダイアグラムである。 キシレン類及びエチルベンゼンを含むC8+芳香族供給原料からパラ−キシレンを製造する方法であって、以下の工程:(a) 第一段階において、前記供給原料をエチルベンゼン転化及びキシレン類の異性化に供し、第一の流出物流れを供給する工程、(b) C9+芳香族類及び任意にオルト-キシレンを、前記第一の流出物流れから除去して第一の涸渇した流れを提供する工程、(c) 前記第一の涸渇した流れからパラ-キシレンを回収し、第二の涸渇した流れを提供する工程、(d) 前記第二の涸渇した流れ中のキシレン類を異性化し、第二の流出物流れを提供する工程、そして(e) パラ-キシレンを回収する前に、前記第二の流出物流れを前記第一の涸渇した流れへ再循環する工程、を含む、方法。 さらに、工程(a)の前に、トルエンを供給原料へ添加する工程を含む、請求項1記載の方法。 供給原料へ添加されるトルエンの少なくとも一部が、前記第一の涸渇した流れからのトルエンの分離により得られる、請求項2記載の方法。 前記トルエンの分離の前に、前記第二の流出物流れを、前記第一の涸渇した流れへ再循環させる、請求項3記載の方法。 さらに、前記第二の涸渇した流れからのスリップ流れを、前記供給原料及び/又は前記第一の流出物流れへ再循環させることを含む、請求項1記載の方法。 前記第二の涸渇した流れの50%までが再循環される、請求項5記載の方法。


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