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タイトル:特許公報(B2)_高純度ニコチンアミドの製造方法
出願番号:2000561167
年次:2012
IPC分類:C07D 213/803,C07D 213/82,C07B 61/00


特許情報キャッシュ

グレンゼ,マーティン ヴォーヒーズ,スーザン・エル JP 4901002 特許公報(B2) 20120113 2000561167 19990721 高純度ニコチンアミドの製造方法 ヴァーテラス・スペシャリティーズ・インコーポレーテッド 398005087 Reilly Industries,Inc. 社本 一夫 100089705 今井 庄亮 100071124 増井 忠弐 100076691 小林 泰 100075270 富田 博行 100096013 狩野 剛志 100083747 グレンゼ,マーティン ヴォーヒーズ,スーザン・エル US 60/093,553 19980721 20120321 C07D 213/803 20060101AFI20120301BHJP C07D 213/82 20060101ALI20120301BHJP C07B 61/00 20060101ALN20120301BHJP JPC07D213/803C07D213/82C07B61/00 300 C07D 213/00〜213/90 CAplus(STN) REGISTRY(STN) 特開昭47−031983(JP,A) 米国特許第04447614(US,A) 特開昭51−127084(JP,A) 工業化学雑誌,1957年,Vol.60, No.7,pp.875-879 27 US1999016536 19990721 WO2000005211 20000203 2002521365 20020716 15 20060718 新留 素子 【0001】関連出願の表示本出願は参照としてその全部が本願に組込まれる19987月21日に出願された米国特許出願番号60/093,553に基づく優先権を主張する。【0002】背景本発明は、一般にニコチンアミドの製造に関する。特に、本発明は陽イオン交換樹脂処理と弱塩基樹脂処理との両方の処理を用いて粗原料ニコチンアミドからUSP等級のニコチンアミドを効果的、経済的に大規模生産する方法に関する。【0003】更なる背景として、ニコチンアミド(これはナイアシンアミド及び3‐ピリジンカルボキサミドとして知られる)及びニコチン酸(これはナイアシン及び3‐ピリジンカルボン酸として知られる)、両者は一般にビタミンB3と呼ばれており、B‐ビタミン複合体及びコエンチームI及びIIの前駆体のメンバーである。これらの化合物は人間及び動物の食餌にとって重要な補充物である。ビタミンB3不足により生じる米国におけるペリグラ病関連の死者は主にビタミンB3の利用が増大した結果、1929年の7,358人から1956年の70人にまで減少した。ビタミンB3を補充された食餌を与えられた動物の成育速度は増大し、そして反すう動物の場合、ミルクの製造能力は高まる。【0004】1985年において、ナイアシンアミド及びナイアシンに対する米国の需要は6,700メートルトンであると見積もられた。B3ビタミンの一般的な議論については、Kirk-Othmer,化学技術百科事典、第3版、24巻、59〜93頁を参照。【0005】これらの化合物は触媒的ないし化学量論的に過剰な塩基を用いたバッチ及び連続的方法で3‐シアノピリジンを加水分解することにより製造される。報告されたこれらの方法の大多数はバッチ法である。例えば、過剰量のアンモニアで3‐シアノピリジンを107℃〜109℃で12時間加水分解してニコチンアミドとナイアシンの混合物を得ることが報告されている。定期刊行物、米国化学協会、65、2256〜7頁(1943年)を参照。更に、高分子塩基のDowex1×4(水酸化物の形の)を用いて3‐シアノピリジンを加水分解してニコチンアミドを得ることが報告されている。オランダ特許出願番号7706612‐A;CA90:186814eを参照。米国特許No.4314064は3‐シアノピリジンの連続的加水分解を記述し、ここで0.3〜3.0モルのアルカリ金属水酸化物がそれぞれ100モルのシアノピリジンに対して3〜20バールの圧力で使用され、そして所定の反応温度を維持するために冷却又は加熱される。同様に3‐シアノピリジンが連続的な方法でアンモニア水溶液と1:0.5のモル比及び200℃〜260℃で40〜50分の接触時間で反応して、ニコチンアミドを得ることが報告されている。USSRの応用化学の定期刊行物(英訳:45:2716〜2718(1972)を参照。【0006】塩基の存在下におけるシアノピリジンの水和の代わりに、バクテリア及び酵素の加水分解法が研究された。住友化学株式会社に譲渡された米国特許No.5,395,758はアグロバクテリウム属バクテリアの培養されたブイヨンを用いて3‐シアノピリジンをニコチンアミドに転化することを記述する。日東化学株式会社に譲渡された日本特許No.9300770000はニコチンアミドを選択的に生成するためにコリネバクテリウム(Corynebacterium)属又はノカルジア(Nocardia)属のバクテリアの作用を利用した3‐シアノピリジンの水和を記述する。【0007】ニコチンアミドは極めて大規模に商業的に製造されているため、一度生成したニコチンアミド生成物の回収は全体のプロセスの中で重要な構成要素である。これは、ニコチンアミド生成物を高純度で、しかも仕上げ(workup)におけるコスト及び技術的困難性を最小化しつつ回収しなければならない、人間が消費するするためのUSP等級のニコチンアミドの製造に特に当てはまる。今日まで、ニコチンアミドを商業的規模で製造するには粗ニコチンアミド生成物媒体からこれを結晶化することが必要であった。結晶化はUSP等級のニコチンアミドを大規模に効果的に回収する典型的な方法であることが実証されてきたが、これは欠点がある。第1に、結晶化は時間を消費し、大型の結晶化容器の使用が必要であり、そして濾過工程が必要である。また濾過工程からの濾液はしばしば多量の未回収のニコチンアミドを含有する。この生成物は廃棄されるか、又はこの濾液は次の結晶化工程に再循環されて別の単離された生成物を生じる。このような再循環プロセスが数回繰返されると、濾液中に不純物が蓄積され、その結果次の再循環がますます困難になって結局は実施不可能になる。従って、かなりのニコチンアミドを含有する極めて不純な疲弊した濾液が最終的に生成し、これは貯蔵されるか、又は廃棄物として廃棄される。これらの欠点はニコチンアミドの製造規模を考慮した場合、拡大する。それにもかかわらず、USP等級のニコチンアミドを商業的に回収する実施可能な方法が求められている。【0008】別の方法で粗ニコチンアミド媒体を処理してニコチンアミドを回収する試みが幾つかの文献に示される。例えば、英国特許出願879,551はニコチン酸アンモニウムを含む溶液をアンバーライト(Amberlite)IRA‐400を含有するカラムに通し、水洗し、そして2%硝酸で溶離することにより、ニコチンアミドを分離することを記述する。フランス特許No.1335502はニコチンアミドを水に溶解することにより無味のニコチンアミド生成物を調製し、この媒体を無毒の陽イオン交換樹脂と混合して上記ニコチンアミドを上記樹脂上に吸着し、次いで上記樹脂を水洗し乾燥することを記述する。米国特許No.3143465はP(O)OH基を有するポリスチレン樹脂上にニコチンアミド及び潜在的な他の生成物を吸着することにより類似の形式の生成物を調製することを記述する。【0009】日本の公開72‐18875はアンバーライトIRA‐410又はIRC‐50のような強塩基性イオン交換樹脂に通すことによりニコチン酸ナトリウム又はカリウムを含有するニコチンアミドを精製することを記述する。日本の公開72‐31983は3‐シアノピリジンを水酸化ナトリウム又はカリウム及び水で加熱してニコチンアミドを調製し、この得られた混合物を水で希釈して上記ニコチンアミドの濃度を25%より減少させ、次いでこの溶液を強塩基性イオン交換樹脂のカラムに通すことを記述する。Ratajczak等のPrzem. Chem. 1981,60(6),335‐7はスルホン酸陽イオン交換体のWofatit KS-10を使用して、ニコチンアミドの結晶化から得られる母液を精製することを報告する。米国特許No.4447614及び4447615はニコチンアミドの回収方法を記述し、これは酸又はアルカリを添加し、そして2‐メチルプロパノール‐1からニコチンアミドを結晶化することにより、粗ニコチンアミド反応混合物のpHを調節することを含む。結晶化からの上記母液は再循環され、そして蒸留により、又はスルホン化スチレン‐ジビニルベンゼン共重合体及び/又は強塩基性スルホン化スチレン‐ジビニルベンゼン共重合体第四級アンモニウム樹脂により、ときどき処理される。Atsuaki等の工業化学雑誌60,875‐9(1957)は粗30%ニコチンアミド溶液を活性炭素で3時間処理し、水で10%の最終濃度まで希釈し、そしてアンバーライトIRA‐410及びアンバーライトIRC‐50を含有する二重床カラムに15℃において1.8cc/分の速度で通過させることを記述する。【0010】上述の背景を考慮すると、商業的なニコチンアミド製造の分野において、USP等級のニコチンアミドのような高純度のニコチンアミドを回収するための効率的で経済的な方法が依然として必要とされる。本発明はこれらの要望に対応するものである。【0011】発明の要約本発明の特徴は従来の方法で行われた比較的高価な回収工程を回避することができ、及び/又は生成したニコチンアミド及び副生物として生じたニコチン酸のようなその他の有益な物質を最大限に回収できるニコチンアミドを製造するための改良された方法を発見したことにある。従って、本発明の1つの好ましい態様は3‐シアノピリジンを水性塩基性媒体の存在下で約20〜約85重量パーセントの3‐シアノピリジン濃度で反応させて、約20〜約85重量パーセントのニコチンアミド、及びニコチン酸塩を含有する反応媒体(a reacted medium)を形成する。この反応媒体を陽イオン交換樹脂で処理して陽イオンを除去し、これにより上記ニコチン酸塩をニコチン酸に変換し、その結果、約20〜約85重量パーセントのニコチンアミド、及びニコチン酸を含有する陽イオンが減少した水性媒体が生成する。この陽イオンが減少した水性媒体を弱塩基樹脂で処理してニコチン酸を除去し、その結果、約20〜約85重量パーセントのニコチンアミドを含有するニコチン酸が減少した水性媒体が生成する。次いで、USP等級のニコチンアミドを蒸発により回収する。このようにして、USP等級のニコチンアミドを比較的高価で時間を要するプロセスである結晶化及び濾過の工程を必要とすることなく製造できる。【0012】本発明のその他の好ましい態様はニコチンアミド及びニコチン酸ナトリウムを含有する水性媒体からSP等級のニコチンアミド生成物を回収する方法を提供する。この方法では、陽イオンが上記水性媒体から除去されて、ニコチン酸ナトリウムがニコチン酸に変換される。このニコチン酸を上記水性媒体から除去し、次いで水を蒸発して、USP等級のニコチンアミドを得る。【0013】本発明の更に好ましい態様はUSP等級のニコチンアミドを製造するための商業的方法に関し、この方法は結晶化工程、濾過工程、生成した濾液を再循環してその中にニコチンアミドを回収する工程を含み、これらの工程の全てはイオン交換処理と組合されて再循環された濾液中におけるニコチン酸塩の蓄積を軽減する。上記商業的方法は:(a)3‐シアノピリジンを水性塩基中において約20〜約85重量パーセントの3‐シアノピリジン濃度で反応させて、約20〜約85重量パーセントのニコチンアミド、及びニコチン酸塩を含有する反応媒体を形成し;(b)上記反応媒体を陽イオン交換樹脂で処理して陽イオンを除去し、これにより上記ニコチン酸塩をニコチン酸に変換し、その結果、約20〜約85重量パーセントのニコチンアミド、及びニコチン酸を含有する陽イオンが減少した水性媒体が生成し;(c)上記陽イオンが減少した水性媒体を弱塩基樹脂で処理してニコチン酸を除去し、その結果、約20〜約85重量パーセントのニコチンアミドを含有するニコチン酸が減少した水性媒体が生成し;(d)上記ニコチン酸が減少した水性媒体を加熱条件下で水を蒸発させることにより濃縮し;(e)ニコチンアミドを結晶化するために工程(d)の後に上記ニコチン酸が減少した水性媒体を冷却し;(f)工程(e)の生成物を濾過して結晶性ニコチンアミドを回収し、そして未回収のニコチンアミドを含有する濾液を形成し;(g)工程(a)〜(c)を繰返し;(h)工程(f)からの濾液を工程(g)で得られた上記ニコチン酸が減少した水性媒体と合体し;(i)加熱条件下で水を蒸発させることにより工程(h)の生成物を濃縮し;(j)ニコチンアミドを結晶化するために工程(i)の生成物を冷却し;そして(k)工程(j)の生成物を濾過して結晶性ニコチンアミドを回収する:工程を含む。【0014】本発明の更に好ましい態様はニコチンアミド及びニコチン酸の製造方法を提供する。この方法は先ず3‐シアノピリジンを水性塩基と反応させて、ニコチンアミド及びニコチン酸塩を含有する反応媒体を形成する。この反応媒体を陽イオン交換樹脂で処理して陽イオンを上記樹脂に結合し、これにより上記ニコチン酸塩をニコチン酸に変換し、その結果、ニコチンアミド、及びニコチン酸を含有する陽イオンが減少した水性媒体が生成する。次いで、酸性溶離液を上記陽イオン交換樹脂に通して酸性流出液を生成する。この陽イオンが減少した水性媒体を弱塩基樹脂で処理してニコチン酸を上記樹脂に結合し、その結果、ニコチンアミドを含有するニコチン酸が減少した水性媒体が生成する。塩基性溶離液を上記弱塩基樹脂に通してニコチン酸塩を含有する塩基性流出液を生成する。上記酸性流出液を上記塩基性流出液と合体して上記ニコチン酸塩をニコチン酸に変換する。このようにして主生成物のニコチンアミドの製造及び回収がニコチン酸の製造及び回収に連結される。同時に酸性流出液の酸性度及び塩基性流出液の塩基性度が廃棄のために必要となるため、効果的に中和される。【0015】いくつかの態様において、本発明はUSP等級のニコチンアミドを安価な回収コストで及び/又はニコチンアミド及びニコチン酸のような有益な連産品をより効率的に回収するための改良された方法を提供する。好ましい方法は陽イオン交換及び弱塩基樹脂を利用した効率的で経済的な技術を採用し、この技術は結晶化/濾過の必要性を完全に取り除いてUSP等級のニコチンアミドを生成し、濾過工程からの濾液の繰返された再循環を促進し、又は引き続く結晶化を必要としないで上記濾液ニコチンアミドをUSP等級物質に変換できる。本発明のこれら及び他の特徴及び利点は本明細書を検討した当業者に容易に理解されるであろう。【0016】好ましい態様の記述本発明の原理の理解を深めるために、本発明の特定の態様が参照され、そして特定の用語がこれを記述するために使用される。しかしながら、これにより本発明の権利範囲は何ら限定されるものではなく、本発明の原理の変更、修正及び応用は本発明が関連する技術分野の専門家が普通に推考できるであろう。【0017】上述したように、本発明の特徴は“USP等級”のニコチンアミドを製造するための改良された方法を含み、このニコチンアミドは米国薬局方XXIII(1995)に発表された薬剤製品基準に適合するニコチンアミド生成物を意味する。この点に関して、上記米国薬局方はUSP等級のニコチンアミド生成物のために下記の基準を与える:検定 要求性能同定 A‐IR 合格同定 B‐UV(FCC) 合格(0.63〜0.67)UVによる検定(JP) 98.5最小融解範囲(FCC) 128〜131℃乾燥減量(FCC) 0.5%最大終局強熱残分(FCC) 0.1%最大重金属(FCC) 0.002%最大HPLCによるニコチンアミド 98.5〜101.5%本発明の一つの態様によれば、USP等級のニコチンアミド生成物が結晶化を行うことなく粗製のニコチンアミドの製造の後に得られる。特に、粗ニコチンアミドは3‐シアノピリジン、少なくとも1つの塩基、及び水を反応させることにより生成でき、その結果ニコチンアミドを含有する反応媒体が提供される。この反応媒体はまたニコチン酸塩及び/又はニコチン酸及び/又は3‐シアノピリジンを含有する不純物を含む。ニコチンアミドを生成する加水分解反応は、例えば、バッチ又は連続的方法を含む適切な方法で実施できる。適切な加水分解方法は、例えば、米国特許No.5756750及び4314064に記載されている。【0018】このような方法において、少なくとも1モルの水が一般的に3‐シアノピリジンのモル当り使用され、そしてより典型的には僅かに過剰モルの水が3‐シアノピリジンに対して使用されるであろう。これは3‐シアノピリジンを水性媒体に約20〜約85重量%の3‐シアノピリジンのレベルまで添加することにより有利に達成できる。好ましい方法の形では、3‐シアノピリジンは約30%〜約60%の反応媒体のレベルまで加えられる。塩基に関しては、その選択及びその使用のレベルは当業者のそれの範囲内にあるパラメーターである。塩基は反応媒体中に可溶性又は不溶性であってもよい。例えば、アンモニア又は水溶性アルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物、特に水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムがしばしば使用される。不均質塩基触媒が更に使用されてもよい。例えば、塩基性アミノ基を含有する樹脂のような特定の塩基性樹脂を反応媒体中にスラリー化して、3‐シアノピリジンの加水分解を触媒化し、ニコチンアミドを生成してもよい。水酸化ナトリウム及びカリウムのような強塩基を用いる場合には、少量の塩基で十分であるが、アンモニアのような弱塩基を用いる場合には、多量の塩基が必要である。所望の生成物又は生成物の混合物を得るためにこれらのパラメーターを制御することはこの分野の専門家の理解し得る範囲内にあるであろう。【0019】通常、約0.01〜約50当量の塩基が100モルの3‐シアノピリジンに対して使用できる。この点に関して、塩基の当量数は塩基が一塩基、二塩基、等であるかを考量して通常の方法で決定できる。従って、塩基の当量数は塩基のモル数に1モルの塩基が反応するプロトン数を掛けることにより決定できる。アルカリ金属水酸化物が塩基として使用される本発明の好ましい形においては、約0.3〜5モルのアルカリ金属水酸化物が100モルの3‐シアノピリジンに対して使用され、特に好ましくは約0.5〜3.0モルのアルカリ金属水酸化物が100モルの3‐シアノピリジンに対して使用されるであろう。【0020】便利な形として、加水分解工程は1%〜20%、より典型的には約1%〜約10%のアルカリ金属水酸化物水溶液中で実施できる。このアルカリ金属水酸化物は反応の初めに全てが添加されるか、又は反応工程を通じて部分的に添加される。このような反応によりニコチン酸アルカリ金属(例えば、ニコチン酸ナトリウム又はカリウム)、ニコチン酸、及び3‐シアノピリジンを含有する粗ニコチンアミド生成物が生じる。【0021】反応の温度及び持続時間は使用条件が3‐シアノピリジンの加水分解を実質的に終了させるのに十分である限り、例えば、約80%、より好ましくは約95%より大きい転化率である限り、変化してもよい。反応温度は通常、約100℃〜約250℃の範囲内に、より典型的には約120℃〜約200℃の範囲内にある。反応は、例えば米国特許No.4314064に記述されているように制御された温度及び圧力条件の下で、又は、例えば米国特許No.5756750に記述されているような断熱温度条件の下で連続的に実施できる。反応の持続時間は温度、塩基触媒の強度、及びその他の類似要素に応じて変化するが、典型的には連続法の場合、約1〜約30分、好ましくは約1〜15分の範囲であり、そしてバッチ法の場合、約1〜約60分の範囲である。【0022】好ましい連続法の場合、高い生産速度、選択性、及び収率が典型的に得られる。例えば、ニコチンアミドを3‐シアノピリジンの加水分解により生成する場合、反応器容量のリッター当り1時間に付き約200〜数千kg、好ましくは約200〜1000kg、最も好ましくは約400〜約900kgの範囲の生産速度が得られる。商業的規模の方法の場合には、合計が時間当たり少なくとも約100リッター、典型的には時間当たり約100〜約1000リッターの範囲になる粗反応媒体中において、時間当たり少なくとも約150kgのニコチンアミド、典型的には約150kg〜約1000kgの範囲のニコチンアミドが製造される。好ましい連続法におけるニコチンアミドの収率は典型的に約95%〜約99.5%の範囲内にある。【0023】上述の加水分解法は一般にニコチンアミド及び不純物を含有する反応媒体を生じ、この不純物はニコチン酸塩、ニコチン酸、及び3‐シアノピリジンを含有する。上記ニコチン酸塩は反応媒体の約0.05〜約5.0重量%の範囲内で存在し、上記ニコチン酸は約0.1〜約5重量%の範囲内で存在し、そして上記3‐シアノピリジンは約0.05〜約0.5重量%の範囲内で存在する。このような粗原料反応媒体は、従来の商業的方法においては、濃縮され、塩基でpH調整され、結晶化され、そしてUSP等級のニコチンアミド生成物を単離するために濾過されていた。【0024】本発明の一つの特徴は、反応物原料が処理されてニコチンアミドが上述のように単離される場合、USP等級のニコチンアミドがニコチンアミドの結晶化なしに商業的に製造できることを発見したことである。特に、本発明方法は反応原料を陽イオン交換樹脂と弱塩基樹脂の両方で処理することを含む。陽イオン交換樹脂で処理すると、ニコチン酸塩の対陽イオン、例えばナトリウム、カリウム、又はアンモニウムイオンが効果的に除去され、また弱塩基樹脂で処理すると、ニコチン酸塩イオンが効果的に除去される。【0025】陽イオン交換樹脂は商業的で公知の技術により入手できるものから選択できる。好ましい陽イオン交換樹脂は架橋共重合体構造物中に導入されたスルホン酸又は他の強酸性の官能性から選択される官能基を有する。上記架橋重合体構造物は好ましくはスチレン及びジビニルベンゼンの共重合体である。商業的に入手可能な陽イオン交換樹脂の代表例は、例えば、Dowex Marathon C、Dowex 50WX2、Dowex 50WX4、Dowex 50WX8、Amberlite IR-122、及びAmberlite 200を含む。【0026】弱塩基樹脂は商業的で公知の技術により入手できるものから選択できる。好ましい弱塩基樹脂は架橋重合体構造物中に導入された塩基形状のアミノ基を含む。この点に関して、強塩基樹脂、特に第四級アンモニウム機能を有するものはニコチンアミド生成物をニコチン酸に加水分解する触媒作用に有害である傾向を示すことが判明した。従って、本発明においては、このような加水分解が著しく生じることを回避する弱塩基樹脂が採用される。このような弱塩基樹脂のアミノ基は好ましくは脂肪族アミノ基、例えば、モノアルキルアミノ又はジアルキルアミノ基を含み、特に、このアルキル基は1〜約5個の炭素原子を含む。従って、代表的なアミノ基はジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、等を含む。この樹脂の架橋重合体構造物は好ましくはスチレンとジビニルベンゼンの共重合体である。本発明に使用できる好ましい商業的に入手可能な弱塩基樹脂はAmberlyst A21、Dowex Marathon C、Dowex WGR-2、Amberlite IRA-93、及びAmberlite IRA-68を含む。【0027】上記樹脂の処理は好ましくは平方フィート当り毎分少なくとも約0.1ガロンの速度で、典型的には平方フィート当り毎分約1ガロン〜約10ガロンの速度の範囲で溶液を処理するように構成された接触装置内で連続的に実施される。平方フィート当り毎分約1ガロン〜約4ガロンの線流量が好ましい。【0028】本発明の好ましいUSP等級のニコチンアミドの単離方法は複数の樹脂カラム及び処理流体と溶離液流を上記カラムに流す手段を含む一又はそれ以上の接触装置を用いて実施される。より好ましいこの種の装置は連続接触装置(“CCA”)である。例えば、本発明に有用な連続接触装置はAdvanced Separations Technology株式会社(AST,Inc.)、Lakeland、フロリダ州から入手できるISEP又はCSEP連続接触器を含み、また1988年8月16日に付与された米国特許No.4,764,276、1989年2月28日に付与された米国特許No.4,808,317及び1985年6月11日に付与された米国特許No.4,522,726に概略的に記述される。これらの特許に記述されるこのようなCCA装置の簡単な説明を以下に述べる。本発明に良好に使用されるCCA装置の構造及び操作に関する詳細については、“ISEP(商標)連続吸着の原理”を含むAST株式会社から入手できる文献及び上述の米国特許を参照できる。【0029】本発明に使用される好ましいCCAは複数の部屋を有する液体‐固体接触装置であって、上記部屋はイオン交換樹脂を収納できるように構成され、また単独又は組合されて本発明方法のための接触領域を形成する。部屋はそれぞれ入口と出口を有し、そして上記入口及び出口と協同する供給口及び排出口を通り越して部屋を前進させるために中心軸の周りに取り付けられて回転する。特に、液体が部屋上方のバルブアセンブリーに連結する導管を通ってこれらの部屋の頂部の入口に別々に供給され、このバルブアセンブリーは部屋が前進する時に部屋の入口と協同する複数の供給口を提供する。同様に、導管が部屋の下方のバルブアセンブリーにより各部屋の下端において上記出口に接続し、この出口は部屋が前進する時に上記出口と協同する排出口を提供する。上記バルブアセンブリーはスロットを有する可動板を含み、このスロットは上記可動板が回転コンベヤにより回転する時に上記入口を開閉する。上記可動板のスロットの寸法及びスロットの位置を変えることにより、供給導管から部屋への流れ及び部屋から排出導管への流れを所定の方法で制御できる。ある可動板から別の可動板への運動は連続運動であるか、又は索引付き運動であってもよい。液体が部屋に流入し、そして部屋から流出する時間は部屋が中心軸の周りに回転する速度の関数である。【0030】このような2つのCCA装置は本発明の方法に好ましく用いられる。このような第1の装置には陽イオン交換樹脂が充填され、第2の装置には弱塩基樹脂が充填され、そして反応原料が連続的な処理のために一方から他方へ上記2つの樹脂に供給される。この供給原料流は好ましくは複数の樹脂カラム、例えば、5個のカラムを通って供給原料を同時に供給するために分割され、次いで隣接する接触装置に供給するために再び合体する。このようにして、多量の商業規模の反応原料が比較的速やかに処理され、またナトリウム及びニコチン酸イオンが効果的に除去される。【0031】最も好ましい態様では、反応原料を陽イオン交換樹脂、弱塩基樹脂、陽イオン交換樹脂、次いで弱塩基樹脂に連続的に通し、続いて蒸発してUSP等級のニコチンアミド生成物を得る。これは、図1に示すように、2つの接触装置を使用して、反応媒体及び中程度に処理された媒体を上記2つの接触装置の間を前後に通過させることにより達成できる。図1は二重‐CCA機構の配管及びフローパターンを示す概略図である。図1において、C1〜C5を含む上方のブロック列は陽イオン交換樹脂を装填された第1のCCAを示し、A1〜A5を含む下方のブロック列は弱塩基樹脂を装填された第2のCCAを示す。粗アミド原料流は樹脂ベッドC1を通って下向きに流れる。このベッドC1は単一の樹脂カラムでもよいが、好ましくは複数の樹脂容器を示す。C1を通過した後に、上記第1の陽イオンで処理されて陽イオンが減少した流れは第2のCCAの樹脂ベッドA1に通される。樹脂ベッドA1は同様に単一の樹脂容器であってもよいが、好ましくは多重容器であり、これを通って上記流れは上方又は下方、好ましくは上方に流れる。上記第1の塩基で処理されてA1を出た媒体であって、ニコチン酸塩イオンが減少した媒体は、第1のCCA装置に戻され、ここで再び1又は多重の樹脂が充填された容器から成る類似の樹脂ベッドC2に通される。C2を出た後に、この第2の陽イオンで処理されて、陽イオンが更に減少した媒体は第2のCCAに運ばれる。ここで、この流れは1又は多重の樹脂が充填された容器から成る樹脂ベッドA2に通される。この樹脂ベッドA2は樹脂による生成物の精製を完了させ、次いでこの生成物は容易に蒸発させてUSP等級のニコチンアミドを回収する。この図示された方法において、上記流れは上記ベッドを通って下方又は上方に運ばれる。この機構では、陽イオン交換樹脂について下方の流れ処理が好ましいが、弱塩基樹脂については上方の流れ処理が好ましい。【0032】図示のように、移動路において、第1の塩基で処理された流れ及び次の反応原料を連続して処理した後に、例えば、C5において陽イオン交換樹脂ベッドを脱イオン水で洗浄し、例えば、C4において硫酸のような強酸溶液でストリップし、次いで脱イオン水で再び洗浄する。第1洗浄物から生じる流れはかなりの量の残留ニコチンアミドを含有し、そしてシステムに加えられるアミド供給原料流と合体する。酸ストリップから生じる流れは陽イオン及び酸の塩、例えば硫酸ナトリウムを含有しており、これは第2水洗浄物からの流れと合体して酸塩の流れを生成する。【0033】第2CCA装置において、第2の陽イオンで処理された流れ及び次の第1の陽イオンで処理された流れを連続して処理した後に、弱塩基樹脂を、例えば、A5において脱イオン水で洗浄する。第1水洗浄物からの出口流を粗ニコチンアミド原料流に供給して合体する。第1の洗浄の後に、弱塩基樹脂ベッドを塩基性溶液、例えば水酸化ナトリウム、でストリップしてニコチン酸塩イオンを除去する。従って、このストリップからの出口流はニコチン酸ナトリウムのようなニコチン酸塩を含有するであろう。この出口流は、例えば、A3において脱イオン水を有する次の洗浄物からの出口流と合体して、ニコチン酸塩(例えば、ニコチン酸ナトリウム)の流れを形成する。【0034】本発明のその他の態様では、塩基性ニコチン酸塩流は酸性酸塩流と合体してニコチン酸ナトリウムをニコチン酸に変換できる。この合体した媒体からのニコチン酸の沈殿を促進するために、必要ならば、強酸をさらに加えてもよい。このようにして、ニコチンアミドとニコチン酸の両方が製造される間に、方法全体の経済性が改良され、後者のニコチン酸は価値ある食品添加物であることが判る。【0035】樹脂の処理を通じて、粗ニコチンアミド及び中程度に処理された流れは媒体中でニコチンアミド及びニコチン酸の沈殿を防止する温度に維持される。典型的には、上記流れ温度は約35℃より高い温度、通常は約35℃〜100℃、より好ましくは約40℃〜約80℃の範囲に維持されるであろう。【0036】上述の処理は特定の粗ニコチンアミド反応媒体ばかりでなく別の粗ニコチンアミド反応媒体からも直接にUSP等級のニコチンアミドを効率よく経済的に単離するために使用できる。例えば、あるプロセスにおいて、ニコチンアミドは冷却によりニコチンアミドを結晶化させ、次いで濾過する工程を含む方法により粗反応媒体から回収される。この工程からの濾液はかなりの量の未回収ニコチンアミド(例えば、約20〜80重量%)をニコチン酸ナトリウム(約0.1〜5重量%)、ニコチン酸(約1〜15重量%)、及び3‐シアノピリジン(約0.05〜1重量%)と共にしばしば含有する。このような濾液媒体も本発明に従って処理されて、更に結晶化工程を要することなく高度に純粋な(例えば、USP等級の)ニコチンアミド生成物を単離できる。【0037】本発明の更に他の態様では、樹脂の精製がUSP等級のニコチンアミドを回収するために結晶化/濾過と組合されて使用される。このプロセスにおいて、樹脂の精製は上述のように結晶化の前に実施され、これにより不純物、特にニコチン酸塩及びニコチン酸が濾液中に蓄積することが最小化され、その間、樹脂の精製が繰返し循環されて多くの未回収ニコチンアミドが単離される。ニコチン酸の蓄積は特に問題が多い。ニコチン酸はニコチンアミドよりも水に溶け難く、従って水溶液から最初に結晶化する傾向がある。これはニコチンアミドの結晶化を誘起させてニコチンアミド結晶の粒径を劇的に減少させる。小さなニコチンアミド結晶は大きな結晶よりも取扱い並びに利用が困難であるため、この小さな結晶の生成を回避することが望ましい。またニコチンアミド反応原料について結晶化工程の前に上述の樹脂精製を実施すると、上記原料のpHを塩基で調節する必要がなくなるか、又は少なくとも減少させることができ、その結果、この複雑で費用のかかる工程を製造方法から除去又は減少できる。従って、この樹脂精製が実施されると、より好ましい方法が実現し、また結晶化/濾過工程の前にpHを調節する塩基の添加が不必要となり、USP等級のニコチンアミドを提供できる。【0038】本発明に基づいて結晶化又は蒸発により単離されて製造されたニコチンアミドは食品添加物として普通に使用できる。高純度の、例えば、99.5%又はそれ以上のニコチンアミドを得るために、そして最も好ましくはUSP等級のニコチンアミドを得るために、好ましい方法が実施される。【0039】本発明及びその好ましい特徴及び態様の更なる理解を深めるために、以下の実施例を提供する。しかしながら、これらの実施例は例示のためであって、何ら限定のためではないことが理解されるであろう。【0040】実施例1この実施例では、USP等級のニコチンアミド生成物を粗原料のニコチンアミド生成物媒体から回収した。この粗原料は39.7%のニコチンアミド、2.15%のニコチン酸ナトリウム及び0.14%の3‐シアノピリジンを含有する。この実施例では、これら及び全ての他のパーセントは特に示さない限り、重量パーセントである。上記媒体の合計ナトリウム量は0.38%であった。乾燥量基準で、上記反応粗原料は93.7%のニコチンアミド、5.07%のニコチン酸ナトリウム、0.33%の3‐シアノピリジン、及び0.9%の合計ナトリウムを含有した。陽イオン樹脂及び弱塩基樹脂を回収プロセスで利用した。この陽イオン交換樹脂はスチレンとジビニルベンゼンの共重合体(ゲル形状)のDowex Marathon Cであった。この弱塩基樹脂はスチレンとジビニルベンゼンのジメチルアミン‐機能化クロロメチル化共重合体(単分散寸法分布のマクロ孔質形状)のDowex Marathon WBAであった。脱イオン水で洗浄の後、それぞれ内径が15mm、高さが30cmであり、カラムの頂部に約1.5インチのヘッドスペースを残すカラム内に上記樹脂を充填した。次に上記反応粗原料を陽イオン交換樹脂(28ミリリットル/分で)、弱塩基樹脂(20ミリリットル/分で)、陽イオン交換樹脂(28ミリリットル/分で)、及び弱塩基樹脂(20ミリリットル/分で)に通して連続して処理した。反応粗原料の10ベッド容積毎に上記陽イオン交換樹脂を水洗(20ミリリットル/分、1.25ベッド容積)、12%硫酸ストリップ(7ミリリットル/分、1ベッド容積)、及び他の水洗(20ミリリットル/分、1.25ベッド容積)を含むサイクルで再生した。反応粗原料の5ベッド容積毎に上記弱塩基樹脂を水洗(20ミリリットル/分、1.6ベッド容積)、4%水酸化ナトリウムストリップ(20ミリリットル/分、1ベッド容積)、及び他の水洗(2.6ベッド容積)を含むサイクルで再生した。上記粗原料を陽イオン交換樹脂と弱塩基樹脂に最初に通過させ、そして陽イオン交換樹脂と弱塩基樹脂に2番目に通過させた後に、上記粗原料をHPLCにより分析した。このような実験の典型的な結果を下記の表1に示す。表1の下方領域は無水ベースに基づく典型的な生成物分析を示す。表1の最も右側の欄は蒸発による回収の後の(結晶化は実施されない)生成物の分析結果を示す。これから明らかなように、上記処理により乾燥重量ベースで最初の0.9%のナトリウムは検知不可能なレベルまで減少し、また最初の5.07%のニコチン酸塩は0.13%まで(ニコチン酸として)減少し、これによりUSP等級のニコチンアミドが得られた。【0041】【表1】本発明を上記に詳細に具体例を参照して説明したが、当業者はこれらの具体例に修正と変更を本発明の精神及び範囲を逸脱することなく行うことができることは理解できるであろう。これらの全ての修正と変更は保護されるべきである。またここに引用された全ての刊行物はこの分野の技術レベルを示しており、参考文献として挙げられる。【図面の簡単な説明】【図1】 図1は不純物を含有するニコチンアミド生成物媒体を陽イオン交換樹脂及び弱塩基樹脂で処理する二重連続接触装置を使用する本発明の好ましいUSP等級のニコチンアミド製造方法を示す概略図である。 3‐シアノピリジンを水と塩基の存在下で20〜85重量パーセントの3‐シアノピリジン濃度で反応させて、20〜85重量パーセントのニコチンアミド、及びニコチン酸塩を含有する反応媒体を形成し; 上記反応媒体を陽イオン交換樹脂と接触させて陽イオンを除去し、これにより上記ニコチン酸塩をニコチン酸に変換し、その結果、20〜85重量パーセントのニコチンアミド、及びニコチン酸を含有する陽イオンが減少した水性媒体が生成し; 上記陽イオンが減少した水性媒体を弱塩基樹脂と接触させてニコチン酸を除去し、その結果、20〜85重量パーセントのニコチンアミドを含有するニコチン酸が減少した水性媒体が生成し;そして 蒸発により上記ニコチンアミドを米国薬局方XXIIIに規定された基準に適合する状態で単離する: 工程を含むニコチンアミドを製造する商業的方法。 上記3‐シアノピリジン濃度が30〜60重量パーセントである請求項1の方法。 上記ニコチン酸塩は0.05〜5重量パーセントの濃度で上記反応媒体中に存在する請求項2の方法。 上記2つの接触工程は連続接触装置中で実施される請求項3の方法。 上記蒸発によりにニコチンアミドを単離する工程はニコチン酸が減少した水性媒体を流下薄膜型蒸発缶に通すことを含む請求項3の方法。 上記米国薬局方XXIIIに規定された基準に適合するニコチンアミドの溶融液を準備し; 上記溶融液を塊にまで凝固させ;そして 上記塊を粒状のニコチンアミド生成物にまで縮小する ことを更に含む請求項1の方法。 上記凝固させる工程は、上記溶融液を冷却表面上に塗布して純粋なニコチンアミドから成る凝固層を形成し、また上記縮小工程は上記凝固層をフレーキングすることを含む、請求項6の方法。 ニコチンアミド及びニコチン酸ナトリウムを含有する水性媒体を準備し; 上記水性媒体を陽イオン交換樹脂と接触させて、陽イオンが減少した水性媒体を形成することによって、上記水性媒体から陽イオンを除去して、上記水性媒体中でニコチン酸ナトリウムをニコチン酸に変換し; 上記陽イオンが減少した水性媒体を弱塩基樹脂と接触させることによって、上記水性媒体から上記ニコチン酸を除去し;そして 上記水性媒体から水を蒸発させて米国薬局方XXIIIに規定された基準に適合するニコチンアミドを得る: 工程を含む前記米国薬局方XXIIIに規定された基準に適合するニコチンアミドを製造する方法。 上記2つの接触工程は連続接触装置中で実施される請求項8の方法。 上記弱塩基樹脂は脂肪族アミノ基を有する請求項9の方法。 上記水性媒体はニコチンアミドの結晶化及び濾過からの濾液を含む請求項10の方法。 上記水性媒体は水及び塩基の存在下で3‐シアノピリジンをニコチンアミドにまで加水分解することにより得られる粗原料反応媒体を含む請求項10の方法。 上記水性媒体は0.05〜5重量パーセントのニコチン酸塩を含む請求項12の方法。 (a)3‐シアノピリジンを水性塩基中において20〜85重量パーセントの3‐シアノピリジン濃度で反応させて、20〜85重量パーセントのニコチンアミド、及びニコチン酸塩を含有する反応媒体を形成し; (b)上記反応媒体を陽イオン交換樹脂と接触させて陽イオンを除去し、これにより上記ニコチン酸塩をニコチン酸に変換し、その結果、20〜85重量パーセントのニコチンアミド、及びニコチン酸を含有する陽イオンが減少した水性媒体が生成し; (c)上記陽イオンが減少した水性媒体を弱塩基樹脂と接触させてニコチン酸を除去し、その結果、20〜85重量パーセントのニコチンアミドを含有するニコチン酸が減少した水性媒体が生成し; (d)上記ニコチン酸が減少した水性媒体を加熱条件下で水を蒸発させることにより濃縮し; (e)ニコチンアミドを結晶化するために工程(d)の後に上記ニコチン酸が減少した水性媒体を冷却し; (f)工程(e)の生成物を濾過して結晶性ニコチンアミドを回収し、そして未回収のニコチンアミドを含有する濾液を形成し; (g)工程(a)〜(c)を繰返し; (h)工程(f)からの濾液を工程(g)で得られた上記ニコチン酸が減少した水性媒体と合体し; (i)加熱条件下で水を蒸発させることにより工程(h)の生成物を濃縮し; (j)ニコチンアミドを結晶化するために工程(i)の生成物を冷却し;そして (k)工程(j)の生成物を濾過して結晶性ニコチンアミドを回収する: 工程を含むニコチンアミドを製造する商業的方法。 上記工程(b)及び(c)は連続接触装置を用いて実施される請求項14の方法。 上記反応媒体は少なくとも0.05重量パーセントのニコチン酸塩を含む請求項15の方法。 上記反応媒体は0.05〜5重量パーセントのニコチン酸塩を含む請求項16の方法。 上記水性塩基はアルカリ土類金属水酸化物水溶液又はアルカリ金属水酸化物水溶液である請求項16の方法。 上記水性塩基は水酸化ナトリウム水溶液である請求項18の方法。 (a)3‐シアノピリジンを水性塩基中において3‐シアノピリジンで反応させて、ニコチンアミド及びニコチン酸塩を含有する反応媒体を形成し; (b)上記反応媒体を陽イオン交換樹脂と接触させて陽イオンを上記樹脂に結合し、これにより上記ニコチン酸塩をニコチン酸に変換し、その結果、ニコチンアミド、及びニコチン酸を含有する陽イオンが減少した水性媒体が生成し; (c)工程(b)の後に酸性溶離液を上記陽イオン交換樹脂と接触させて酸性流出液を生成し; (d)工程(b)からの陽イオンが減少した水性媒体を弱塩基樹脂と接触させてニコチン酸を上記樹脂に結合し、その結果、ニコチンアミドを含有するニコチン酸が減少した水性媒体が生成し; (e)工程(d)の後に塩基性溶離液を上記弱塩基樹脂と接触させてニコチン酸塩を含有する塩基性流出液を生成し;そして (f)工程(c)からの酸性流出液を工程(e)からの塩基性流出液と合体して上記ニコチン酸塩をニコチン酸に変換する: 工程を含むニコチンアミド及びニコチン酸を製造する方法。 上記酸性溶離液は強酸水溶液である請求項20の方法。 上記酸性溶離液は塩酸水溶液又は硫酸水溶液である請求項21の方法。 上記塩基性溶離液はアルカリ金属水酸化物水溶液又はアルカリ土類金属水酸化物水溶液である請求項21の方法。 上記塩基性溶離液は水酸化ナトリウム水溶液である請求項23の方法。 20%〜85%の水性ニコチンアミド、0.05%〜5%のニコチン酸塩、及び0.1%〜5%のニコチン酸を含有する粗原料ニコチンアミド媒体を準備し; 上記媒体を35℃〜100℃の温度において陽イオン交換樹脂と接触させて陽イオンを除去し、これにより、30%〜60%のニコチンアミドを含有する陽イオンが減少した媒体が生成し; 上記陽イオンが減少した媒体を35℃〜100℃の温度において弱塩基樹脂と接触させてニコチン酸塩イオンを除去し、これにより、30%〜60%のニコチン酸塩イオンが減少した水性媒体が生成し;そして 上記ニコチンアミドを蒸発により単離する: 工程を含むニコチンアミドを製造する商業的方法。 上記単離したニコチンアミドは米国薬局方XXIIIに規定された基準に適合するニコチンアミドである請求項25の方法。 (a)3‐シアノピリジンを水性塩基中において20〜85重量パーセントの3‐シアノピリジン濃度で反応させて、20〜85重量パーセントのニコチンアミド、及びニコチン酸塩を含有する反応媒体を形成し; (b)上記反応媒体を陽イオン交換樹脂と接触させて陽イオンを除去し、これにより上記ニコチン酸塩をニコチン酸に変換し、その結果、20〜85重量パーセントのニコチンアミド、及びニコチン酸を含有する陽イオンが減少した水性媒体が生成し; (c)上記陽イオンが減少した水性媒体を弱塩基樹脂と接触させてニコチン酸を除去し、その結果、20〜85重量パーセントのニコチンアミドを含有するニコチン酸が減少した水性媒体が生成し; (d)上記ニコチン酸が減少した水性媒体を加熱条件下で水を蒸発させることにより濃縮し; (e)ニコチンアミドを結晶化するために工程(d)の後に上記ニコチン酸が減少した水性媒体を冷却し;そして ここで、工程(b)〜(e)はpH調整用の塩基を添加することなく実施される: 工程を含むニコチンアミドを製造する商業的方法。


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