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タイトル:特許公報(B2)_機能性ビタミンD誘導体の製造方法および25−ヒドロキシおよび1α,25−ジヒドロキシビタミンD代謝物の検出用試薬セット
出願番号:2000555865
年次:2008
IPC分類:C07C 401/00,G01N 33/53,G01N 33/566


特許情報キャッシュ

アルムブルスター, フランツ ポール フェルター, ヴォルフガング シュヴィング, イェンス ビルクマイヤー, クリスティアン JP 4187929 特許公報(B2) 20080919 2000555865 19990625 機能性ビタミンD誘導体の製造方法および25−ヒドロキシおよび1α,25−ジヒドロキシビタミンD代謝物の検出用試薬セット イムンディアグノスティック アクチェンゲゼルシャフト 500586646 ビオメディカ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 500586657 佐藤 隆久 100094053 アルムブルスター, フランツ ポール フェルター, ヴォルフガング シュヴィング, イェンス ビルクマイヤー, クリスティアン DE 198 28 379.2 19980625 DE 198 40 435.2 19980904 20081126 C07C 401/00 20060101AFI20081106BHJP G01N 33/53 20060101ALI20081106BHJP G01N 33/566 20060101ALI20081106BHJP JPC07C401/00G01N33/53 HG01N33/53 UG01N33/566 C07C 401/00 G01N 33/00 CAplus(STN) REGISTRY(STN) 国際公開第97/024127(WO,A1) 特開平02−104570(JP,A) 特開平02−101060(JP,A) 特開平02−000274(JP,A) 8 EP1999004418 19990625 WO1999067211 19991229 2002518474 20020625 30 20050418 前田 憲彦 【0001】【発明の属する技術分野】 本発明は、25−ヒドロキシビタミンDの誘導体の製造法と、当該製造法により製造した25−ヒドロキシビタミンDの誘導体を含む、試料中の25−ヒドロキシビタミンDおよび1,25−ジヒドロキシビタミンD代謝物の検出用試薬セットに関する。【0002】【従来の技術】D−ビタミンまたはカルシフェロールは、日光により触媒されて、それらのプロビタミンからステラン環のB環の開裂を通して生じる。それらの最も重要な代表物はビタミンD3(コレカルシフェロール)およびビタミンD2(エルゴカルシフェロール)であり、それらは側鎖がわずかに異なるだけであるが、知られている限りでは、それらは同様に代謝され、同じ生物学的作用を有する。プロビタミンD2は食物とともに摂取されなければならないのに対して、プロビタミンD3はヒトの生体内で生成され得る。索引によって、それ以上限定的に表されないように、ビタミンDという用語は一般に、以下のすべてのビタミンDの型を含む。皮膚で生成された、または食物とともに摂取されたビタミンDは、血漿中でビタミンD結合または輸送タンパク質(DBP)に結合され、肝臓に輸送され、そこで25−ヒドロキシビタミンD(25−OH−D)に代謝される。ビタミンD結合タンパク質DBPはGc−グロブリンまたは「グループ特異的成分」(J. G. Haddad, J. Steriod Biochem. Molec. Biol. (1995) 53, 579-582)としても知られている。血清中の測定可能な25−ヒドロキシビタミンDの95%を超えるものが、通常、25−ヒドロキシビタミンD3である。25−ヒドロキシビタミンD2は、人がビタミンD2の投薬を受けているとき、または、米国においてしばしば習慣であるように、食品がビタミンD2によって補充されているときにのみ、より大きい比率で見出される。【0003】25−ヒドロキシビタミンDは血液循環中での主なビタミンD代謝物であり、その血清中での濃度は通常、ビタミンD状態、すなわち、ビタミンDが生体にどの程度まで利用可能であるかを示す。必要であれば、25−ヒドロキシビタミンDは、大きい生物学的活性を有するホルモン様物質の1α,25−ジヒドロキシビタミンDに、腎臓において代謝される。1α,25−ジヒドロキシビタミンDの定量は、どのくらいビタミンDが活性型で存在するかを示す。【0004】試料中の25−ヒドロキシビタミンDの定量は、好適には、ビタミンD結合タンパク質の結合サイトからの放射性25−ヒドロキシビタミンDの置換に基づく、競合的タンパク質結合分析の原理に従って行われ、試料中に存在する25−ヒドロキシビタミンDが定量され得る。また、この数年にわたって、125I−標識ビタミンD誘導体およびビタミンD誘導体に対する抗体を用いるラジオイムノアッセイは、診断において確立されている。血清中の25−ヒドロキシビタミンDの通常レベルのデータは、研究室によって様々である。しかしながら、血清中の25−ヒドロキシビタミンD濃度は、通常、5ng/mlより大きく、80ng/mlより小さいことが一致している。競合的タンパク質結合分析は、25−ヒドロキシビタミンDと同じタンパク質の結合特性をもたなければならない放射性ビタミンD誘導体の使用を要求する。これはまた、生物学的活性1α,25−ジヒドロキシビタミンDおよび他のビタミンD代謝物の競合的結合分析にも当てはまる。【0005】【発明が解決しようとする課題】欧州特許明細書0 312 360および0 363 211、およびTanabe他、J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1989, 1220-1221およびJ. Nutri. Sci. Vitaminol., 1991, 37, 139-147は、様々な125I−標識ヒドロキシ−およびジヒドロキシビタミンD誘導体、および結合の研究におけるそれらの使用を開示している。これらの誘導体は、それらは生産するのが問題であり、極端に不安定であるという不都合が難点となっている。光、放射線、プロトン、水素、酵素、フリーラジカルまたは遊離または結合型のヨウ素の存在は、ビタミンD結合タンパク質DBPまたは特異的抗体に対するビタミンD誘導体の配置および結合特性に大きな影響をもつ。特に、それらはステラン系のA環の回転を起こす、または触媒することができる。それにより、ビタミンD分子の3β−ヒドロキシ基はプソイド−1α位に回転され、それにより、5,6−トランス−ビタミンDが得られる。ビタミンDのいわゆるプソイド−1α−ヒドロキシ−アナログは、ビタミンDと同様に代謝されるかもしれないが、しかしながら、それらは重要な点で異なる構造を有し、例えばDBP/Gc−グロブリンまたは抗ビタミンD抗体のようなビタミンD結合タンパク質と結合しなかったり、著しく、より弱く結合したりする。【0006】【化2】【0007】上記の転位は一例として理解されるべきである。その他の化学反応および転位も起こる。同じことは3H−または14C−標識ビタミンD誘導体に当てはまる。これらのビタミンD誘導体は同様に、それらが信頼性のある結合試験を許容する程度に安定ではない。放射性標識は保管、輸送および廃棄のコストをさらに増加させ、一般に、健康や環境に対して不利である。さらに、125ヨウ素の半減期は比較的短い。一方、3H−および14C−標識ビタミンD誘導体を用いた競合的結合分析は、特別のシンチレーションカウンターを要求し、主に同じ問題により、装置に関して、より要求が多い。【0008】Ray他はBiochemistry, 1991, 30, 4809-4813 で、ビタミンD3の多様な発色団との結合を開示している。しかしながら、色素標識された誘導体は血清中で安定でなく、さらに、特に光感受性が強いという事実とは別に、色素標識ビタミンD3誘導体に対する検出感度は、それらを天然のビタミンD代謝物の競合的結合分析に用いるには低すぎる。【0009】 本発明の目的は、競合的結合分析または、非常に一般的に、25−ヒドロキシビタミンDおよび1,25−ジヒドロキシビタミンDのようなビタミンD代謝物のイムノアッセイに用いることができる、入手可能なビタミンD誘導体の製造方法を開発することである。これは、以下のような性質とみなされる:まず、ビタミンD誘導体について、試料中の検出対象のビタミンD代謝物の濃度よりも高い検出感度が存在する、あるいは、検出感度がより低い濃度範囲にあること;第2に、誘導体が血清、血漿または尿中で、通常のプロトン性条件下で安定であり、血清酵素に対して安定であること;最後に、第3に、誘導体が光および保管に関して数週および数ヵ月にわたって十分に安定であること。【0010】【課題を解決するための手段】 この目的は、次式を有するビタミンD誘導体の製造によって達成される。【0011】【化3】【0012】ここで、Oはエーテル基の酸素原子を表す;Xは0.8から4.2nmの長さで、好適にはC8−からC12−基の置換された、または置換されていない炭化水素基を表し、それは、S、O、NまたはPのような通常のヘテロ原子を有してもよく、特に最も好適なものはヘキサアミド−、オクタアミド−、またはデカアミド−アミドプロピルエーテルリンカー基;Yは水素またはヒドロキシ基を表す;Aは抗体またはビタミンD結合タンパク質DBPのような結合タンパク質と高い親和性で結合する官能基;RはビタミンD代謝物の側鎖、好適にはビタミンD2またはD3の側鎖、特に好適にはビタミンD2またはD3の25−ヒドロキシル化された側鎖。【0013】高い親和性は結合タンパク質、すなわち抗体またはDBPと、抗原または官能基Aとの間の解離定数(K)が108よりも大きいときに存在する。1016より大きい解離定数は、多くの応用に有利である。好適な実施形態では、Aはビオチン、ジゴキシゲニン、チロシン、置換されたチロシン、置換されたアミノ酸、特徴的なアミノ酸およびペプチド配列、FITC、タンパク質および、Aタンパク質およびGタンパク質のようなタンパク質群、またはさらにビタミンD誘導体、特に最も好適には25−ヒドロキシビタミンDから選択される。【0014】 スペーサー基Xは好適には、置換された、および置換されていない0.8から4.2nm、好適には約1.2nmの長さを有するC体から選択される。アミノカルボン酸、特にアミノウンデシル酸、ペプチドおよびケト基、または0.8から4.2nm、好適には約0.9から1.5nmの長さを有する置換された、又は置換されていないアミノポリエーテル基が特に好適である。A基と、ビタミンD基の結合または検出サイトとの間の、この分離は、結合タンパク質が各場合で考えられている結合サイトに結合でき、それにより、互いに妨害しないようにするために必要である。例えば、ビタミンD結合タンパク質DBP(Gc−グロブリン)については、19−メチレン基、適用可能であればA環の1−ヒドロキシ基、およびビタミンD側鎖が認識サイトに属し、結合ポケットに受容されることが考慮されるべきである。同様なことが、様々なビタミンD誘導体に対する特異的抗体にも当てはまる。もし、スペーサー基Xが短すぎれば、選択された官能基Aに、ビタミンD結合タンパク質に加えて、さらに結合タンパク質が結合できない。好適な例としては、これは、機能性ビオチン基がビタミンD結合タンパク質の結合ポケット内に位置するとき、第2の結合タンパク質、例えばストレプトアビジンは、もう到達できないことを意味する。一方、スペーサー基Xが長すぎれば、分子の折り畳み(folding)が起こる可能性があり、それはまた、同時に起こる2つの結合パートナーの結合を妨害する。【0015】さらに、本発明に従ったスペーサー基は、A環の180°回転を明らかに活発に妨害することから、驚くほど立体的効果をもつ。この理論に限定されず、A環のエーテル基の3β−酸素原子が、天然のヒドロキシ基に対応して水和しており、したがって、その他の電子的および立体的な効果とは別に、5,6−二重結合への攻撃を防止することが疑われる。さらに重要な観点は、本発明に従ったエーテル基は、血清または血漿中に常に存在するエステラーゼによって解離されないことである。【0016】最も特に好適なものは、次式(II)の25−ヒドロキシビタミンD3-3β-3'[6-N-(ビオチニル)ヘキサアミド]アミドプロピルエーテル、および1α−ヒドロキシ−およびビタミンD2類似体である。【0017】【化4】【0018】さらに、好適なものは、第2の官能基としてビタミンD基を含む誘導体である。これらの誘導体の利点は、それらが系に対して異質な基および化合物を含まず、したがって、競合的結合分析の増加された感受性および信頼性を許し、また、それらが量的な検出において、ビタミンD結合タンパク質の第1および第2の結合での可能性のある結合異常を、補償するためである。特に好適なものは、以下の式(III)の化合物である:【0019】【化5】【0020】ここで、R、YおよびXは、上記の(I)におけるように定義される。したがって、対称なビタミンD誘導体が特に好ましい。【0021】本発明に従った25-ヒドロキシ−および1α,25-ジヒドロキシビタミンD誘導体は光、保管および血清に対して驚くほど安定であり、すべての競合的免疫診断法において、例えば、人または動物の医療および研究での慣例の診断的使用に、感受性が高く信頼性のある25-ヒドロキシ−および1α,25-ジヒドロキシビタミンDのようなビタミンD代謝物の定量を許可する。【0022】本発明に従って、式(I)をもつ化合物は、以下の工程を含む方法によって得られる:a)アセトニトリルのような適切な溶媒中、水素化カリウムおよび第3ブタノールの存在下における、アクリロニトリルによるビタミンDまたは25-ヒドロキシビタミンDの3-ヒドロキシ基のシアノエチル化;b)その結果であるニトリル基の、水素化リチウムと水素化リチウムアルミニウムとの混合物によるアミンへの還元; およびc)官能基Aと適切であれば、スペーサー基のアミンへの連結、例えば、LC−BHNSのような活性なビオチニル化(biotinylation)試薬による化合物のビオチニル化、または、2つのアミノビタミンD基が一緒になっている、式(III)と一致するビタミンD誘導体を、カルボジイミドによるセバシン酸のようなジカルボン酸との縮合によって得ること。【0023】本発明に従った機能性ビタミンD誘導体の製造方法は、より短い反応時間でより高い収率を与える。従来の方法と異なり、すなわち、工程a)において水素化カリウムおよび第3ブタノールの存在下で3-ヒドロキシ基のシアノエチル化が行われる。この方法によって、シアノエチル化がビタミンDの3-ヒドロキシ基でのみ行われ、ビタミンDのその他のヒドロキシ基は反応から保護されることが達成される。反応は0〜20℃で、好適には5〜8℃で、アセトニトリルのような中性溶媒中で行われる。【0024】次の還元では、シアノエチルエーテルのニトリル基がアミンに定量的に還元され、それは、その後、例えば商業的に入手可能なビオチニル化試薬との反応によって、他の一つの官能基と比較的単純に連結できる。【0025】本発明はさらに血清、血漿、尿および他の試料中の25-ヒドロキシ−および1α,25-ジヒドロキシビタミンDの検出方法における、本発明に従った機能性ビタミンD誘導体の使用を含む。ここで、本発明に従った機能性ビタミンD複合物は媒介として用いられて、それにより、ビタミンD結合タンパク質と天然ビタミンD代謝物が結合サイトに対して競合しても、または、天然ビタミンDへの競合的結合成分として、それ自身が用いられても、いずれでもよい。試験系での定量法は好適にはEIA、ELISA、RIA、IRMA、LiAまたはILMA、FIAまたはIFMAであり、それらは固相技術と同様に液相で、手作業または自動試験装置に適合された方法で行われる。【0026】25−ヒドロキシ−および1α,25-ジヒドロキシビタミンD誘導体を検出するための特に好適な方法は、以下の工程を含む:a)担体(キャリヤー)をストレプトアビジンで被覆するb)1つまたは複数の多機能ビオチン−ビタミンD誘導体の添加、c)試料と、一定量のビタミンD結合タンパク質の添加、d)標識された抗ビタミンD結合タンパク質抗体を用いた、結合した結合タンパク質の検出。抗ビタミンD結合タンパク質抗体の標識は、直接的、例えば放射性標識か、または、例えば酵素または発色反応を触媒できるペルオキシダーゼのような活性酵素フラグメントによる間接的が可能である。【0027】25−ヒドロキシ−および1α,25-ジヒドロキシビタミンD誘導体を検出するためのさらに好適な方法は、以下の工程を含む:a)担体を抗ビタミンD結合タンパク質抗体で被覆する、b)ビタミンD結合タンパク質を加える、c)試料と一定量のビオチン−ビタミンD誘導体を加える、d)標識されたストレプトアビジンを用いて、結合した誘導体の量を検出する。ストレプトアビジンは好適にはペルオキシダーゼによって間接的に標識され、担体は好適には、例えば、マイクロ滴定(タイトレーション)プレートの反応バイアル壁、または高分子または磁気材料またはその両方の粒子、例えばプラスチックまたはセルロース微粒子である。【0028】これらの方法は、徹底的な安全基準が要求されることなく、25−ヒドロキシ−および1,25−ジヒドロキシビタミンDの非放射性の定量を可能にする。ここで提案されている競合的方法は、したがって、骨粗しょう症の予防の観点で、D−ビタミン欠乏症またはD−ビタミン過剰症が疑われる場合に、一般の診断用および研究における慣例的な検査に適している。【0029】本発明のさらに別の観点は、25−ヒドロキシ−および1,25−ジヒドロキシビタミンDのようなビタミンD代謝物を検出するためのキットであり、特に、本発明に従った機能性ビタミンD誘導体を含む。キットは、自由に選択されることができるビタミンD結合タンパク質(Gc−グロブリン)、抗ビタミンD結合タンパク質抗体、ストレプトアビジンおよび予備調製された、または予備調製されていないマイクロタイトレーションプレートおよび/または磁気または他の微粒子および他の試薬を含む。【0030】【発明の実施の形態】本発明のさらに別の利点、特徴および実施形態は、以下の実施例および添付した図面に示される。図1は、本発明に従った、二官能性25-OHビタミンD複合物を製造するための合成径路を表す。まず、25-OHビタミンDはアセトニトリル、水素化カリウムおよび第3ブタノールの混合物中で、アクリロニトリルによってシアノエチル化される。塩基として作用する水素化カリウムの存在により、および、25−ヒドロキシ基での非特異的な反応を防ぐための第3ブタノールの存在により、ビタミンDの3-ヒドロキシ基が選択的にシアノエチル化されることが達成される。25-OHビタミンD-3β−シアノエチルエーテルの収率は40分の反応時間で、通常、約74%となる。【0031】従来の調製の後、25-OHビタミンD-3β−シアノエチルエーテルは水素化リチウムと混合され、25−ヒドロキシ基はリチウムアルコキシドに変換される。その後、ニトリルのLiAlH4による25-OH-ビタミン-D-3β-3'-アミノプロピルエーテルへの還元が続く。この工程は、副生成物が生成せず、定量的である。最後に必要であれば、LC−BHNS(ビオチニル-N-ε−アミノカプロイル−ヒドロキシ−スクシンイミドエステル)のような活性なビオチニル化試薬によるビオチニル化が行われる。結果的なスペーサー基Xは、アミノカプロイル鎖に対応する約0.8から0.9nmの長さを有する。【0032】25-OH-ビタミン-D-3β-3'[6-N-(ビオチニル)ヘキサアミド〕アミドプロピルエーテルは温度に安定であり、水性のわずかに酸性の媒質中で、多ヶ月にわたって保管できる。化合物は、血清の酵素によって開裂されないため、血清、血漿および尿中の慣例的な診断的検査に理想的に適している。【0033】図2は、25-OH-ビタミンD用の競合的ELISAの概略図を表す。ここで、25-OH-ビタミンD複合物(25-OH-ビタミン-D-3β-3'[6-N-(ビオチニル)ヘキサアミド〕アミドプロピルエーテル)は、ストレプトアビジンを介して固相に結合されている。そのとき、液相では、ビタミンD結合タンパク質と標準または試料からの25-OH-ビタミンDの25-OH-ビタミンD複合物への競合的結合が行われる。検出はペルオキシダーゼで標識された、ビタミンD結合タンパク質に対する抗体によって行われる。習熟した人は、例えばアルカリ性ホスファターゼまたはガラクトシダーゼ等の他のマーカー酵素もまた採用され得ることを知っている。【0034】図3は、ビタミンD結合タンパク質が、まず、抗ビタミンD結合タンパク質抗体を介して固相に結合された競合的、非放射性ELISAの概略図を示す。その後、液相で25-OH-ビタミンDビオチンと、標準または試料からの25-OH-ビタミンDとの競合的結合が行われる。検出のために、ペルオキシダーゼで標識されたストレプトアビジンが、それから用いられる。示された原理は、ビオチンのかわりに上記のような他のトレーサー基と他のマーカー酵素に、もちろん変更できる。【0035】図4は、ビタミンD結合タンパク質が直接固相に結合された競合的ELISAの概略図を示す。25-OH-ビタミンD3−ビオチンと、標準または試料からの25-OH-ビタミンD3との競合的結合は液相で行われ、ペルオキシダーゼで標識されたストレプトアビジンが定量に用いられる。【0036】図5AからCは、25-OH-または1,25−ジヒドロキシビタミンD3−ビオチンを用いた、図2に示された原理に従った競合的ELISAの典型的な検量線を示す。結合したビタミンD結合タンパク質の量は、ペルオキシダーゼが結合した抗ビタミンD結合タンパク質抗体と、基質としてのテトラメチルベンジジン(TMB)とを用いる、標準化された発色反応によって決定された。かわりの基質は、例えばOPD(1,2-フェニルジアミンX2HCl)、ABTSおよびその他でもよい。検量線には0、8、20、50、125および312nMol/lの濃度のビタミンD試料が用いられた。縦軸は450nmにおける2回の測定の平均値としての光学濃度を示し、横軸は25-OH-または1,25−ジヒドロキシビタミンDの濃度をnMol/lで示す。【0037】図6は、25-OH-ビタミン-D3-ビオチンと、標準または試料からの25-OH-ビタミンDとが液相で、ビタミンD結合タンパク質の結合サイトについて競合する、競合的タンパク質結合検定(CPBA)の概略図を表す。125I−標識ストレプトアビジンが定量に用いられる。【0038】図7は、25-OH-ビタミン-D−ビオチンと、標準または試料からの25-OH-ビタミンDとが液相で、抗ビタミンD抗体の結合サイトについて競合する、競合的ラジオイムノアッセイ(RIA)の概略図を表す。125I−標識ストレプトアビジンが定量に用いられる。検出が、非放射性であるが発蛍光団または発光団によって標識されているストレプトアビジンによって行われる場合、いわゆるLIAまたはFIAアッセイが含まれる。【0039】図8は、25-OH-ビタミンD−IRMAの概略図を表す。まず、25-OH-ビタミン-D-ビオチンはストレプトアビジンを介して固相に結合される。複合物および標準または試料からの25-OH-ビタミン-D3へのビタミンD結合タンパク質の競合的結合は、それから液相で行われる。複合物に結合した結合タンパク質の量は、125I−標識抗体によって決定される。【0040】図9は、IRMAサンドイッチ法(免疫放射線検定法)の概略図である。この目的のため、抗ビタミンD3抗体は固相に結合される。ビタミンD結合タンパク質はそれからこれらに結合した。競合は次の段階で、25-OH-ビタミンD複合物と標準または試料からの25-OH-ビタミンDとの間で起こる。結合した複合物の定量は125I−標識ストレプトアビジンによって行われる。【0041】図10は、さらに別のIRMAサンドイッチ法の概略図を表す。まず、ビタミンD3結合タンパク質は固相に結合される。それから、その上で、25-OH-ビタミンD3複合物と、標準または試料からの25-OH-ビタミンD3との間で競合的結合が行われる。結合した複合物の量は、125I−標識ストレプトアビジンによって決定される。【0042】図11は、微粒子を用いた競合的ELISAの概略図を表す。ここで、25-OH-ビタミンD−ビオチンは、ストレプトアビジンを介して微粒子に結合される。25-OH-ビタミンD誘導体は、それからそこに結合される。ビタミンD結合タンパク質と、対象となっている試料は、それから液相に加えられる。結合タンパク質と、標準または試料からの25-OH-ビタミンD3は、複合物の結合サイトについて競合する。結合した成分は、それらが磁石によって微粒子を介して保持されて分離され、一方、結合していない物質と一緒の残りは、除去される。結合した結合タンパク質の量は、ビタミンD結合タンパク質に対する1次抗体と、ペルオキシダーゼで標識された2次抗体とを用いる2つの段階のプロセスで決定される。【0043】図12は、微粒子を用いる競合的ELISAの概略図を表す。25-OH-ビタミン-D−ビオチンはストレプトアビジンを介して微粒子に結合される。それから、(標準または試料からの)25-OH-ビタミンD3とともに液体試料が、非飽和量の抗体と同様に、加えられる。複合物と天然ビタミンD3は、抗体の結合について競合する。結合した抗体の量は、微粒子の凝集によって行われる。これは、例えば比濁分析(nephelometric analysis)または比濁分析(turbimetric analysis)によって直接、決定されることが可能である。【0044】図13は、ビタミンD結合タンパク質が、例えば125ヨウ素によって放射性に、または、ルテニウム(II)トリス−(ビピリジン)-NHS−エステルによって電気化学発光に、直接標識される競合的結合アッセイの概略を示す。標識はペルオキシダーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ等のような酵素であってもよく、また、FITCであってもよい。【0045】図14は、透析患者から、および正常の患者からの血清中の1,25−ジヒドロキシビタミンD含量の違いを棒グラフに表す。【0046】競合的ELISAのような既知のタンパク質検出方法は、検出される化合物が結合タンパク質または複合物と、結合サイトについて競合するという原理に基づいている。そこで、結合した結合タンパク質または複合物の量は決定され、検量線に基づいて、検出される化合物の濃度が決定される。【0047】図に示される試験の原理は、他のビタミンD誘導体に単純に移されることが可能である。1α,25-ジヒドロキシビタミンD2およびD3は、特に挙げられる。この場合、結合タンパク質またはレセプターまたは抗体は、1α,25-ジヒドロキシビタミンD類似体を特異的に認識するものが選択されなければならない。関連した二官能性1α,25-ジヒドロキシ誘導体は、25-OH-ビタミン-D-1α−ヒドロキシラーゼを用いた25-OH-ビタミンD-3β−シアノエチルエーテルの反応、アミンへの還元、および最終的に第2の官能基の付加によって、酵素的に得ることが可能である。さらに、ビタミンD2およびビタミンD3の誘導体はここで提案される。その合成は、実施例1に示す径路に従って行うことができる。【0048】【実施例】実施例1:25-OH-ビタミン(Vit.)-D3-3β-3'[6-N-(ビオチニル)−ヘキサアミド]アミドプロピルエーテル(4)の合成すべての反応は、暗所の乾燥窒素雰囲気で行われた。中間生成物は−20℃で保存された。HPLC用純度の溶媒が用いられた。25-OH-ビタミンD3は、ビオモル ファインケミカリエン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング, ハンブルク(BIOMOL Feinchemikalien GmbH, Hamburg)から、LC−BHNS(長鎖ビオチニル-N-ε-アミノカプロイル−ヒドロキシスクシンイミドエステル)はシグマ(Sigma Chemie) から、および他のすべての試薬はフルカ, ダルムシュタット(Fluka, Darmstadt) から得られた。質量分析(FAB)はフィニガン(Finigan)-MAT-90を用いて、NMR測定はブルカー(Bruker)-ARX-400(400MHz)またはブルカー(Bruker)-ARC-250F(250MHz)を用いて行われた。【0049】(i)25-OH-ビタミンD3-3β−シアノエチルエーテル(2)塩化メチレン(CH2Cl2)に溶解された5mgの25-OH-ビタミンD3(12.5μMol)が、窒素で満たされたバイアルに移され、溶媒が蒸発させられた。固体残留物は1mlのアセトニトリルに溶解され、第3ブタノールとアセトニトリル(9:1v/v)との混合物の10滴、および100μlのアセトニトリル中の130μMolのアクリロニトリル(10eq.)〔保存液:アセトニトリルで1mlに希釈された86μlのアクリロニトリル(1.3mMol)〕と混合された。透明な溶液が15分間6℃で攪拌された。25μlの第3ブタノール/アセトニトリル(9:1v/v)中の6.25μMolの水素化カリウム(0.5eq.)〔保存液:1mlの第3ブタノール/アセトニトリル(9:1v/v)中の10mgのKH(250μMol)〕が加えられた。そこで生じる凝集は再び直ちに溶解した。混合物は6℃で攪拌された。メチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)中の20%ペトロールエーテルを用いた、個々の試料のシリカゲル上の繰り返された薄層クロマトグラフィー(DC)は、10分後に最初の化合物の90%がすでに反応したことを示した。15分後、約5滴の水と0.5mlのMTBEを用いて数滴の反応混合物が調製された。有機相の薄層クロマトグラフィーは、さらに析出物を示さなかった。40分後、反応混合物の全体が水/MTBEで調製された。4mgの油状の生成物が得られた。【0050】IR(NaCl/CH2Cl2): 3422 OH2941, 2872 CH2252 ニトリル1105 エーテル【0051】HPLC分析(3% MeOH/CH2Cl2)は93%の生成物および7%の析出物を示した。したがって、4mgの生成物は74%の収率に対応する3.7mg(8.2μMol)の標的化合物を含んだ。【0052】(ii)25-OH-ビタミンD3-3β−3'アミノプロピルエーテル(3)(i)からの3.75mg(8.3μMol)のニトリルが2mlのエーテルに溶解され、そこに、1mlのエーテルに溶解された125μMolの水素化リチウム(保存液:7mlのエーテル中の7mgの新しい微粉末化されたLiH)が加えられ、1時間、室温、窒素雰囲気で撹拌された。169μMolのLiAlH4が、1mlのエーテル中の懸濁液として(ベース:3mlのエーテル中の18mgの新しい微粉末化されたLiALiAlH4)加えられた。さらに1時間後、混合物は1mlの濃KOH、5mlのH2Oおよび4 X 20mlのMTBEと調製された。試料の、1:1MTBE/ペトロールエーテルを用いたシリカゲル上の薄層クロマトグラフィーは開始点のみを示した。ジオールはRi0.27で、ニトリルはRi0.4であった。得られた物質は、さらに分析および精製せずに、さらに処理された。【0053】(iii)25-ヒドロキシビタミンD3-3β−3'[6-N-(ビオチニル)ヘキサアミド)アミドプロピルエーテル(4)(ii)からの3mg(6.6μMol)の25-OH-ビタミンD3-3β−アミノプロピルエーテル(3)は、1mlのジメチルホルムアミド(DMF)に溶解された。それから、窒素雰囲気で、3mg(6.6μMol)のLC−BNHSと1μl(17.5μMol)のトリエチルアミンが加えられた。18時間の室温での撹拌が行われ、DMFが蒸発され、残留物がCH2Cl2中の20%メタノール(MeOH)で予備精製された。そのように得られた12mg(>100%)の物質が、HPLC(条件:クナウアー クロマシル(Knauer Kromasil)-100, 5μM, 250 X 4 mm, CH2Cl2中の10% MeOH, 1.5 ml/ 分, OD 265 nm, 7分間)によって精製された。収量は1.2 mg(1.5μMol)となった。これは25-OH-ビタミンD3に対して12%、ニトリル化合物に対して18%に相当する。【0054】【表1】【0055】MS(Finigan MAT 90); (FAB): 5.9.97 および28.11.97の797 (MH+); CDCl3/TMS中、400MHzでの1H−NMR(ブルカー(Bruker) ARX 400)。分析のデータは表1に示される。【0056】実施例2:25-OH- ビタミン(Vit.)D3-3β-3'[6-N-(ビオチニル)ヘキサアミド)アミドプロピルエーテルの安定性それぞれの場合で、20mgの精製された実施例1からの25-OH-D3-ビオチン化合物(25-OH-ビタミンD3-3β-3'[6-N-(ビオチニル)-ヘキサアミド]アミドプロピルエーテル)は、NMR試験管の中に入れられ、そこに1mlの溶媒が加えられた。溶媒は重水素クロロホルム:重水素アセトニトリル:D2Oの3:2:1の比の、pH値4から5の間の混合物であった。試料は、以下に示す条件下で200日間保存され、NMRスペクトルは通常の間隔で調べられた。【0057】試料1:−20℃で遮光された試料2:+4から6℃で遮光された試料3:室温で遮光された試料4:室温で強い光にさらした(窓の縁の上で)【0058】試料1および2は全体の時間にわたって、NMRスペクトルに物質的な変化を何も示さなかった。HPLC分析は、試料1と2がプロトン性溶媒中で200日後であっても元のままであったことを確かにした。試料3は100日後、NMRスペクトルの最小限の変化を示した。HPLC分析は、78%より多い化合物は、まだ元のままであったことを示した。試料4は2ヵ月後に分解した。安定性の調査は、光が排除される場合、プロトン性溶媒中および冷却なしであっても、化合物が非常に安定であることを示す。【0059】実施例3:25-ヒドロキシビタミンD-ELISA、25-ヒドロキシビタミンD3-3β−3'[6-N-(ビオチニル)-ヘキサアミド]アミドプロピルエーテル検出は、図2に表される原理に従って行われた。この目的のため、25-OH-ビタミンD-3β−3'[6-N-(ビオチニル)ヘキサアミド]アミドプロピルエーテルはストレプトアビジンを介して固相に結合される必要があった。【0060】(i) マイクロタイトレーションプレートをストレプトアビジンで被覆するマイクロタイトレーションプレートのそれぞれのウェル内に、100ngのストレプトアビジンが入れられ、200μlの60nM NaHCO3、pH9.6に溶解され、プレートは一夜、4℃でインキュベートされた。ウェル中のストレプトアビジン溶液は除去され、各ウェルが200μlの洗浄緩衝液(0.05% Tween-20を含むPBS, pH 7.4)により5回洗浄された。それから、250μlのアッセイ緩衝液が各ウェル内に入れられた。アッセイ緩衝液には、5gのカゼインが100mlの0.1N NaOHに溶解され、pH7.4のPBSで1Lの容量に補充された。溶液は1時間煮沸され、容量は蒸留水で1リットルに補充され、pH値は7.4に合わされ、微生物の生育を防止するため0.1gのチメロサールが加えられた。マイクロタイトレーションプレートのウェルはアッセイ緩衝液と1時間室温でインキュベートされ、それからアッセイ緩衝液が除去され、各ウェルが各回200μlの洗浄緩衝液で5回洗浄された。【0061】(ii)25-ヒドロキシビタミンD3-3β-3'[6-N-(ビオチニル)ヘキサアミド]アミドプロピルエーテルの結合各ウェル内に100μlのビオチン−ビタミンD-溶液(100μlの洗浄緩衝液中の10ngの25-OH-ビタミンD-3β−3'[6-N-(ビオチニル)ヘキサアミド]アミドプロピルエーテル)が導入され、室温で1時間、暗所で振盪しながらインキュベートされた。それから、ビオチン-ビタミンD-溶液がウェルから除去され、各ウェルが各回200μlの洗浄緩衝液で5回洗浄された。液相で、標準または試料からの25-OH-ビタミンDの存在下で、ビタミンD結合タンパク質の競合的結合が行われた。【0062】(iii)試料調製50μlの血清が200μlの(予め−20℃に冷却された)無水エタノール(エタノールabs)と1.5mlのエッペンドルフ反応ベッセル内でボルテックスにより混合され、−20℃で20分間、沈殿させた。試料はエッペンドルフテーブル遠心分離器の回転の最大速度で遠心分離され、結果物が取り出されてELISAに配置された。【0063】通常、血漿または血清試料は約2週間、4℃で、安定であると考えることができる。より長い保存の場合は、それらが分析されるまで、それらは急速冷凍されなければならない。保存前に、尿試料は1N NaOH でpH値6から8の間に合わせられなければならない。それから、それらは4℃で約14日間保存されてもよく、より長い保存の場合には、分析が実行されるまで、これらも急速冷凍されなければならない。【0064】(iv)競合的結合各場合に、ヤギ血清から単離された100μlのビタミンD結合タンパク質(3%(w/V)PEG6000を含むアッセイ緩衝液中で1:15000)が、10μlの標準、対照(コントロール)または試料(試料調製物からの10μlの結果物)と一緒にウェル中に入れられた。マイクロタイトレーションプレートは24時間、4℃で暗所で振盪されながらインキュベートされた。それから、溶液がウェルから除去され、ウェルが各回200μlの洗浄緩衝液で5回洗浄された。【0065】(v) 競合的結合の検出各場合に、100μlのウサギ抗ビタミンD結合タンパク質(3%(w/v)のPEG6000を有するアッセイ緩衝液中で1:10000に希釈された)がウェル中に導入され、暗所で振盪されながら、室温で1時間インキュベートされた。溶液がウェルから除去され、それぞれのウェルが5回、各回に200μlの洗浄緩衝液で洗浄された。定量は100μlの抗ウサギIgG-ペルオキシダーゼ(洗浄緩衝液中で1:20000に希釈された)を用いて行われた。【0066】インキュベーションは1時間、室温で行われた。その後、抗体溶液が除去され、各ウェルが5回、各回に200μlの洗浄緩衝液で洗浄された。発色反応のため、100μlのテトラメチルベンジジン(TMB)基質溶液(使用の準備がされている、ノーヴュム ディアグノスティカ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング, ディーツェンバッハ, ドイツ(NOVUM Diagnostika GmbH, Dietsenbach, Germany)) がウェル内に導入された。30分後、ウェル当たり50μlの2M H2SO4の添加により発色が停止された。光学濃度の測定が450nmで行われた。以下の表2および3は、マイクロタイトレーションプレートのピペットで分ける分類と、光学濃度の値を示す。【0067】標準として、25-OH-ビタミンD3のアッセイ緩衝液中の以下の濃度:0、8、20、50、125および312nMol/L(図5Aの検量線参照)の溶液が用いられた。対照または試料として、D−ビタミン欠乏症をもつ患者からの4つの血清(試料番号24、203、963、965)と、4つのランダムに選ばれた正常の血清(試料番号NP18、NP25、NP34、NP37−試験系3および4)が提供された。ビタミンD欠乏の血清については、さらに、3H-25-OH-ビタミンDを補助とする競合的結合アッセイによって、25−OH−ビタミンD濃度が決定された。さらに別の”対照”として、それぞれの25-OH-ビタミンDの濃度が、製造元の情報または3H-25-OH-ビタミンDを用いた競合的結合アッセイ(CBPA)といった、他の定量から既知である4つの溶液が提供された。【0068】【表2】【0069】NSB:非特異的結合緩衝液(ビタミンD結合タンパク質のないアッセイ緩衝液)【0070】【表3】【0071】列1および2の平均値と既知の25-OH-ビタミンD濃度から、図5Aに示す検量線が作成された。縦軸は、450nmでの2回の測定の平均値としての光学濃度を示し、横軸は、25-OH-ビタミンDの濃度をnMol/lで示す。結果は、表5にまとめられている。【0072】実施例4:競合的パートナーとして3H-25-OH-ビタミンDを用いた比較の結合分析他の表示がなければ、すべての試薬、緩衝液および物質は上記の実施例3と同じであった。競合的結合パートナー(トレーサー)として、トリチウム標識25-OH-ビタミンD3が提供された。実施例3と異なり、測定試料は抽出によって(個々の値に)精製された。この目的のため、それぞれの場合に50μlの試料〔非特異的アッセイ緩衝液NSB、標準、コントロール、患者の試料(血漿、血清または尿)〕が1.5mlの使い捨て反応容器内に導入され、200μlのアセトニトリルが加えられて混合され、容器壁は自由に遠心分離され、混合物は20から30分間、4℃でインキュベートされた。混合物は1700×gで10分間、遠心分離された。定量は、2つの値を用いた結果により行われた。【0073】この目的のため、25μlの透明な結果物がガラス試験管に(またはザルシュテット, ダルムシュタット( Sarstedt, Darmstadt)のスペシャルRIAコンテナー内に)移され、10μlのトレーサー(3H-25-OH-D)、300μlのアッセイ緩衝液および100μlの(NSB内ではない)ビタミンD結合タンパク質が加えられた。試験管の内容物は混合され、1時間、4℃でインキュベートされ、結合していない放射性トレーサーを除去するため、100μlの活性化されたチャコール懸濁液(0.1%のNaN3と、活性化されたチャコールを含むリン酸緩衝液)が加えられた。試験管の内容物は混合され、3から5分間、4℃でインキュベートされ、10分間、1700×gで遠心分離することにより活性チャコールがペレット化された。それから、それぞれの場合に400μlの結果物が、カウンター容器(7ml)に移され、アクアセーフ(Aquasafe)TM300またはハイセーフ(HiSafe)TMIIIのようなシンチレーター液2mlの添加後、結果物に存在する放射能がカウントされた(ベータカウンターで2分)。検量線の作成後の、対照に対する測定値は表5に示される。【0074】実施例3によるELISAとの比較は、両方のアッセイ手順(ELISAおよびCBPA)について、血漿または血清中の25-OH-ビタミンDについての通常の範囲が約25−125nmol/lである場合であることを示す。試験系の感度限界は、BO+2SDとして決定された。それは約2.5nmol/lとなる。【0075】交差反応:活性化されたチャコールで処理された血清に、25-OH-ビタミンD2(125nmol/l)、24,25-(OH)2-ビタミンD3(250nmol/l)および1,25-(OH)2−ビタミンD3(250nmol/l)が加えられた。25-OH-ビタミンD2は60%まで交差反応し、24,25-(OH)2-ビタミンD3は100%まで交差反応し、一方、1,25-(OH)2−ビタミンD3は交差反応性を何も示さなかった。本発明に従った多機能性25-OH-ビタミンD複合物についても、同様な結果が見出されているか、または期待されている。【0076】再現性:25−ジヒドロキシビタミンD3を含む試料の繰り返し測定(n=11)において、以下の結果が得られた。同様なことは、本発明に従った多機能性25−OH−ビタミンD複合物を補助とする測定にも当てはまる:【0077】【表4】【0078】実施例3で述べた試料について、以下の25−OH−ビタミンD濃度が、実施例3および4に従った方法により決定された。【0079】【表5】【0080】製造業者によって示された値は、競合的結合アッセイにおいて決定された濃度よりも、一般に高かった。これは、供給された試料においては、かなりの部分の25-OH-ビタミンDがすでに分解していたか、光の作用を通して変化していたことを示唆する。【0081】実施例5:HPLCによるELISA−定量の確認そこで、様々な試料について25−OH−ビタミンD濃度が、実施例3に従ったELISAによって、および確認の目的でHPLCによって定量された。検量線には0、8、20、50、125および312nMol/lのビタミンD3濃度を有する標準が用いられた。全ての試料および標準は2つの値で測定された。試料の25-OH-ビタミンD3濃度は、それから、2つの値の平均値からの検量線に基づいて決定された。結果は以下の表6に示される。【0082】【表6】【0083】実施例6:ELISA検出における25−ヒドロキシビタミンD複合物の長期安定性試薬が一時的に4から6℃、暗所で保存された場合、60および100日後に、本発明に従ったビオチン−25−OH−ビタミンD複合物を用いたELISA検出が、時間の経過によりどの程度まで変化したか決定するため、検量線が、実施例3と同じ標準溶液および試薬を用いて繰り返された。以下の表は、30分の発色(実施例3参照)後のそれぞれの光学濃度を示す。【0084】【表7】【0085】それぞれの非特異的結合を示す、様々な検量線の値が図(図5B参照)に表される場合、相対的な垂直方向の位置を別として、検量線が同じ形状を持つことが容易に見られる。これは、ELISA試験の感度および特異性が、上記の期間にわたって変化しなかったことを示す。【0086】実施例7:抗ビタミンD結合タンパク質を用いた25(OH)-ビタミンD3−ELISA−MTP試行(トライアル)は基本的に、実施例3のプロトコルおよび図4に表された原理に従って行われた。以下の緩衝液が用いられた: a)洗浄緩衝液:pH7.4、0.05%Tween−20を含むPBS、b)アッセイ緩衝液:5gのカゼインが100mlの0.1N NaOHに溶解され、pH7.4、1lにPBSで補充された。それから、3%(w/v)のPEG−6000および0.1gのチメロサールTMが加えられた。すべてのインキュベーションが、暗所で振盪されながら行われた。【0087】(i) マイクロタイトレーションプレートの被覆それぞれの場合に、マイクロタイトレーションプレートのウェル内にpH9.6の60mM NaHCO3内の100μlのウサギ抗ビタミンD結合タンパク質が導入され、プレートが一夜4℃でインキュベートされた。溶液が除去され、各ウェルが200μlの洗浄緩衝液で5回、洗浄された。それから、各ウェルの中に250μlのアッセイ緩衝液が導入され、プレートが1時間室温でインキュベートされた。アッセイ緩衝液が除去され、各ウェルが各回に200μlの洗浄緩衝液で5回、洗浄された。【0088】(ii)試料調製50μlの血清、血漿または標準が、1.5mlのエッペンドルフ反応容器内で、200μlの(予め−20℃に冷却された)無水エタノール(エタノールabs)と混合され、ボルテックスされ、その後20分間、−20℃で沈殿させた。試料は、エッペンドルフテーブル遠心分離器で最大回転で遠心分離された。結果物は採取され、ELISAに用いられた。【0089】(iii) ELISAまず、それぞれの個別のウェル内に、アッセイ緩衝液で希釈された100μlのビタミンD結合タンパク質が導入され、1時間、室温でインキュベートされた。その後、プレートが外され、それぞれの個別のウェルが各回に200μlの洗浄緩衝液で5回、洗浄された。【0090】その後、ウェル内に、アッセイ緩衝液で希釈された各回に100μlのビオチン−ビタミンDが、10μlの標準、試料または対照と一緒に導入された。プレートは24時間、4℃でインキュベートされた。溶液は再び除去され、それぞれのウェルが5回、各回に200μlの洗浄緩衝液で洗浄された。【0091】3番目の段階として、それぞれの場合に洗浄緩衝液で1:10000に希釈された、ペルオキシダーゼが結合されたストレプトアビジンの100μlがウェル内に導入され、45分間、室温でインキュベートされた。プレートが外され、各ウェルが5回、各回に200μlの洗浄緩衝液で洗浄された。【0092】発色反応のため、各ウェルに100μlのTMB−基質溶液が導入された。十分な発色後(30分)、反応はウェル当たり50μlの2M H2SO4によって停止された。光学濃度の測定は450nmで行われた。実施例3または表5と同じ結果と同様なものが得られた。【0093】実施例8:25−ヒドロキシビタミンDおよび1α,25−ジヒドロキシビタミンDの検出用のテストパックまたは試薬セットの内容物:テストパックの内容物またはテスト試薬およびそれらの調製:標準、例えば、洗浄緩衝液中で使用準備されている0、8、20、50、125および312nmol/lの濃度の25−OH−ビタミンD標準の6個のバイアル。【0094】例えば、ストレプトアビジンで被覆され、滅菌され包装され、予備洗浄されたマイクロタイトレーションプレート。緩衝溶液、例えば洗浄緩衝液、NSB−緩衝液およびアッセイ緩衝液、停止液。対照、例えば、ヒト血清中の25−OH−ビタミンD対照の2つのバイアル。対照1(30nmol 25−OH−D/L)、対照2(80nMol 25−OH−D/L)。【0095】トレーサー、例えば、洗浄緩衝液(100ng/ml)中のビオチン−ビタミンD(25−OH−ビタミンD3−3β−3’[6-N-(ビオチニル)−ヘキサアミド]アミドプロピルエーテル]が入ったバイアル。ビタミンD結合タンパク質、例えば、安定剤として0.1%NaN3を含むリン酸緩衝液中のヤギ血清由来結合タンパク質の入ったバイアル。【0096】マーカー、例えば、洗浄緩衝液中の抗ウサギIgG−ペルオキシダーゼのバイアル。TMB−発色剤溶液、例えば、洗浄緩衝液中の安定化されたテトラメチルベンジジン−発色剤溶液のバイアル。【0097】実施例9:1,25-ジヒドロキシビタミンDの定量用ELISA 1,25-ビタミンD3の検出が、1,25-ジヒドロキシビタミンD3−ビオチン化合物がトレーサーとして提供されたことを除き、図2に表された原理に従って行われた。競合において、標準または試料からの1,25-ジヒドロキシビタミンD3は、1,25-ジヒドロキシビタミンD結合タンパク質、モノクローナルマウス抗1α,25−ジヒドロキシビタミンD抗体(B. Mawer他,Steroids, 1985, 46, 741-754)と一緒に、合わせられた。標準または試料からの1,25-ジヒドロキシビタミンD3、および固定化された1,25-ジヒドロキシビタミンD3−ビオチン化合物は、その後、抗体の結合サイトについて競合する。検出は、ペルオキシダーゼ標識抗体(ヤギ抗マウスIgG−POX)によって行われる。【0098】(i) マイクロタイトレーションプレートのストレプトアビジンによる被覆は、洗浄緩衝液が界面活性剤として0.1%のトリトンTM X−100を含んだが、実施例3のように行われた。実施例3と異なり、マイクロタイトレーションプレートのウェルは、ストレプトアビジン溶液による処理後、洗浄緩衝液でさらに洗浄されなかったが、それぞれの場合に1時間、250μlの水性ソルビトール溶液(カリオン(Karion)TM F 水中で1:4)で処理された。トレーサー(1,25-ジヒドロキシビタミンD−ビオチン)の結合は、各ウェルに200μlのトレーサー溶液(洗浄緩衝液中の20ngの1,25-ジヒドロキシビタミンD3-3β-3'[6-N-(ビオチニル)−ヘキサアミド)アミドプロピルエーテル)が導入されたことを除き、実施例3のように行われた。1,25-ジヒドロキシビタミンD-ビオチンは、第1段階の後、過剰の3−シアノエチル化1-OH-ビタミンD中間体化合物が分離されたことを除き、図1に図解されるように合成された。しかしながら、以下の中間体化合物の一つ、または混合された合成の後、特に1,25-ジヒドロキシビタミンD3-3β-3'[6-N-(ビオチニル)−ヘキサアミド〕アミドプロピルエーテルを、HPLCによって望まれたように分離することもできる。【0099】(ii)ヒト血清中で25-OH-ビタミンD3の1,25-ジヒドロキシビタミンD3に対する比は、通常、1000:1の範囲にあるため、1,25-ジヒドロキシビタミンDの定量は、吸収と組み合わせられた分配クロマトグラフィーによる試料の完全な調製を要求する。第1段階で、この目的のため、エクストレルート(Extrelut)TM キーゼルグーア(Kieselguhr)カラム(メルク、ダルムシュタット)が、それぞれ500μlのトリス緩衝液で平衡化され、その後、各場合に500μlの標準、対照または測定試料が2つずつカラムに加えられ、その後、試料はカラム内を10分間流れることができる。ビタミンD化合物のエクストレルート(Extrelut)TMカラムからの分離は、各場合に3分の間隔で4回の1mlジイソプロピルエーテルによって行われた。エクストレルートTMの抽出物は直接、シリカカートリッジ(メルク、ダルムシュタット)に移され、エクストレルートTMカラムは廃棄された。シリカカラムは2mlのイソプロパノール/ヘキサン(4/96 v/v)で5回と、2mlのイソプロパノール/ヘキサン(6/94 (v/v))で3回、洗浄された。その後、1,25-ジヒドロキシビタミンDはシリカカラムから2回の2mlのイソプロパノール/ヘキサン(25/75 v/v)により溶出され、37℃の窒素雰囲気で、または真空遠心分離で乾燥された。標準および調査試料は最終的に、各場合に200μlのマウス抗1,25-ジヒドロキシビタミンD抗体溶液(RRAアッセイ緩衝液中の1:150000:50mM KH2PO4、15mM KCl、1.25mM EDTA、3mM メルカプトエタノール、pH7.5)とともに、20μlのエタノールp.a.に合わせられ、ストレプトアビジンで処理されたマイクロタイトレーションプレートに1,25−ジヒドロキシビタミンD−ビオチントレーサーを加えるのと出来るだけ同時に、1時間、室温でプレインキュベートされた。【0100】(iii) トレーサーで被覆されたマイクロタイトレーションプレートのウェルは、各回に300μlのトリトンTM洗浄緩衝液で、5回洗浄され、吸収紙の上に叩き出された。それから、プレインキュベーションからの200μlの抗体試料溶液がウェル内に移され、1時間、暗所で振盪されながら室温でインキュベートされた。ウェルからの溶液の除去後、それらは5回、各回に200μlの洗浄緩衝液で洗浄された。定量は、実施例3と類似して、200μlのウサギ抗マウスIgG−ペルオキシダーゼ(洗浄緩衝液中で1:10000)との1時間の室温でのインキュベーション、300μlの洗浄緩衝液を用いたウェルの5回の洗浄、200μlのTMB基質溶液(使用準備されたもの、ノーヴュム ディアグノスティカ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング, ディーツエンバッハ(NOVUM Diagnostika GmbH,Dietzenbach))を用いた暗所での発色反応、15分後の50μlの2M H2SO4の添加による発色反応の停止、および450nmでの光の減衰の定量により行われた。【0101】以下の表8は、11人の透析患者および6人の無作為に選択された正常の人々からの血清中の1,25- ジヒドロキシビタミンDの定量の結果を示す。検量線の決定用または標準として、1,25−ジヒドロキシビタミンDのアッセイ緩衝液中の以下の濃度:0、6.6、20、60および180pg/mlの溶液が用いられた(図5Cの検量線参照)。【0102】【表8】【0103】図14は、透析および通常の患者に見られる値を棒グラフに再び表し、その値によれば透析患者の血清は平均で、顕著に少ない活性1,25-ジヒドロキシビタミンDを含む。透析患者の値の大きな分散は、また、ビタミンD欠乏の典型的な結果に、よりよく対処するために、透析患者の血清中の活性1,25-ジヒドロキシビタミンDの量をより綿密に監視する必要性を示す。【図面の簡単な説明】【図1】 本発明に従った二官能性(bifunctional)ビタミンD誘導体の25-ヒドロキシビタミンD3-3β-3'[6-N-(ビオチニル)ヘキサアミド〕アミドプロピルエーテル)の合成径路図である。【図2】 本発明に従った25-OH-ビタミンD複合物の補助による、25-OH-ビタミンDの検出のための様々なELISAを表す図である。【図3】 本発明に従った25-OH-ビタミンD複合物の補助による、25-OH-ビタミンDの検出のための様々なELISAを表す図である。【図4】 本発明に従った25-OH-ビタミンD複合物の補助による、25-OH-ビタミンDの検出のための様々なELISAを表す図である。【図5】 図5Aは図2による25-OH-ビタミンDの競合的ELISAの検量線である。図5Bは図5Aに従った、3、60および100日経過の25-OH-ビタミンDビオチントレーサーを有するELISAの検量線である。図5Cは図2に類似する、1,25−ジヒドロキシビタミンDの競合的ELISAの検量線である。【図6】 本発明に従った25-OH-ビタミンD複合物の補助による、25-OH-ビタミンDの競合的RIAを表す図である。【図7】 本発明に従った25-OH-ビタミンD複合物の補助による、25-OH-ビタミンDの競合的RIAを表す図である。【図8】 本発明に従った25-OH-ビタミンD複合物の補助による、25-OH-ビタミンDの競合的放射性IRMAを表す図である。【図9】 本発明に従った25-OH-ビタミンD複合物の補助による、25-OH-ビタミンDの競合的放射性IRMAを表す図である。【図10】 本発明に従った25-OH-ビタミンD複合物の補助による、25-OH-ビタミンDの競合的放射性IRMAを表す図である。【図11】 微粒子を用いた競合的ELISAを表す図である。【図12】 微粒子を用いた競合的ELISAを表す図である。【図13】 本発明に従った25-OH-ビタミンD複合物および直接標識されたビタミンD結合タンパク質の補助による、25-OH-ビタミンDの競合的結合アッセイを表す図である。【図14】 透析患者および正常の患者からの血清中の1,25-ジヒドロキシビタミンD含量の比較の棒グラフである。 次式のビタミンD誘導体を製造する方法であって、 RはビタミンD2またはビタミンD3の25−ヒドロキシ側鎖を表し、; Yは水素またはヒドロキシを表し、; Aは、スペーサー基を介して結合され、タンパク質に高い親和性で結合できる官能基を表し、; 以下の工程;すなわち、 a)アセトニトリルのような適切な溶媒中、水素化カリウムと第3ブタノールの存在下でのビタミンDの開始化合物の3−ヒドロキシ基のシアノエチル化; b)水素化リチウムの添加と、25−ヒドロキシ基のリチウムアルコキシドへの変換と、引き続くニトリル基の水素化リチウムアルミニウムによる還元;および c)スペーサー基を官能基Aとともに、アミノプロピルエーテル側鎖に結合させる;工程によることを特徴とする上記ビタミンD誘導体を製造する方法。 官能基Aがビオチン、ジゴキシゲニン、チロシン、FITC置換チロシン、置換されたアミノ酸、特異的なアミノ酸およびペプチド配列、FITC、タンパク質およびペプチド類、Aタンパク質、Gタンパク質およびビタミンD誘導体から選択される 請求項1記載の方法。 官能基Aが25−ヒドロキシビタミンDまたは1α,25−ジヒドロキシビタミンDである 請求項1記載の方法。 機能性ビタミンD基が3β位において、エーテルブリッジを介してスペーサー基と結合している 請求項3記載の方法。 工程c)が、ビオチニル−N−ε−アミノカプロイル−ヒドロキシ−スクシンイミドエステル(LC−BHNS)または活性化されたビオチニル化試薬によって行われる 請求項2記載の方法。 スペーサー基はアミノカルボン酸基、アミノウンデシル酸基またはアミノポリエーテル基である 請求項1記載の方法。 請求項1記載の前記方法の工程a)およびb)を特徴とする 3−アミノプロピルエーテル−25−ヒドロキシまたは3−アミノプロピルエーテル−1α,25−ジヒドロキシビタミンD中間体化合物を製造する方法。 請求項1から6のいずれかに従って製造されたビタミンD誘導体の標準化された量の固体または溶液を含む、25−ヒドロキシ−および1α,25−ジヒドロキシビタミンD代謝物の検出用試薬セット。


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