タイトル: | 特許公報(B2)_プロスタグランジンおよびベンジルアルコールを含む液剤 |
出願番号: | 2000554404 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | A61K 31/5575,A61K 9/08,A61K 47/10 |
ロバート・ジー・リ JP 4472175 特許公報(B2) 20100312 2000554404 19990608 プロスタグランジンおよびベンジルアルコールを含む液剤 ファルマシア・アンド・アップジョン・カンパニー・エルエルシー 504396379 室伏 良信 100096666 ▲高▼橋 宏次 100131934 宮澤 純子 100137040 四本 能尚 100133927 ロバート・ジー・リ US 09/094,985 19980617 20100602 A61K 31/5575 20060101AFI20100513BHJP A61K 9/08 20060101ALI20100513BHJP A61K 47/10 20060101ALI20100513BHJP JPA61K31/5575A61K9/08A61K47/10 A61K 31/5575 A61K 9/08 A61K 47/10 CA/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 特公昭48−043852(JP,B1) 国際公開第98/041208(WO,A1) 欧州特許出願公開第00268066(EP,A1) 14 US1999011808 19990608 WO1999065527 19991223 2002518348 20020625 14 20060419 辰己 雅夫 【0001】発明の分野本発明は、ルタリーゼ(LutalyseR)なる登録商標名で市販されている化合物、ジノプロスト・トロメタミン(dinoprost tromethamine)のごときプロスタグランジン用の改良処方の製造に関する。【0002】発明の背景ルタリーゼ(LutalyseR)なる登録商標名で市販されている化合物、ジノプロスト・トロメタミンは米国特許第3,917,864号(出典明示して本明細書の一部とみなす)に記載され、特許請求されている。この化合物を適当に投与すると、多くの哺乳動物、特にウマ、ウシおよびブタのごとき農業動物の黄体の退行を誘導し得る。該有効成分はしばしば注射によって投与することを意図して液剤として処方化されている。ここに本発明者らは、最新に入手可能な処方を超える利点を供する注射用ジノプロスト・トロメタミン液剤の驚くべきかつ新たな処方を示す。この新たな処方化方法はジノプロスト・トロメタミンおよび他のプロスタグランジン薬物に好適なようである。【0003】発明の概要本発明は、組成物それ自体および製造方法による生成物の双方としての新たな処方、ならびにこれらの処方の新たな製造方法を含む。該処方には、ジノプロスト・トロメタミンのごときプロスタグランジンおよびベンジルアルコールを含む液剤が含まれ、該ベンジルアルコールは約1.2ないし2.0%の間とし得、液剤全体は約5.5−7.5、より好ましくは約6−7、最も好ましくは約6.4−6.6の間、あるいは約6.5のpHに調整する。ジノプロスト・トロメタミンの濃度は、1−10mg/ml、好ましくは3−7mg/mlおよびより好ましくは5mg/mlとし得る。ベンジルアルコールの濃度は、約12−20mg/mlの間とし得、ジノプロスト・トロメタミンの濃度は約4−6mg/mlの間とし得る。好ましくは、ジノプロスト・トロメタミンの濃度は最終液剤中で約5mg/mlであって、ベンジルアルコールの濃度は最終液剤中で約16.5mg/mlである。該液剤は約6.5または6.6のpHに調整し得る。【0004】また、特定の方法によって製造した生成物も開示する。ベンジルアルコールの濃度が約1.2ないし2%、より好ましくは1.4ないし1.8%の間、但し最も好ましくは1.65%であって、ジノプロスト・トロメタミンの濃度が1−10mg/mlである、約5.5−7.5、より好ましくは約6−7、および最も好ましくは約6.4−6.7の間、または約6.5のpHに調整されたプロスタグランジンおよびベンジルアルコールの溶液は、a)ジノプロスト・トロメタミンを水に溶解し、ついで、希釈したベンジルアルコールを添加するか、またはベンジルアルコールを希釈し、ついでジノプロストをベンジルアルコール水溶液(希釈したベンジルアルコールは、約4および1.2%、より好ましくは1.2−3.3%、なおより好ましくは1.8ないし2.6%の間の溶液、および最も好ましくは2.0%のベンジルアルコールの溶液とし得る)に添加することによるか、あるいは、b)約4.0%−1.2%、より好ましくは1.2−3.3%、なおより好ましくは1.8ないし2.6%の間のベンジルアルコールの溶液、および最も好ましくは2.0%のベンジルアルコールの溶液を用いて、ジノプロストを1の容器中で溶解し、ベンジルアルコールをもう1の容器中の水に溶解し、つづいて2の容器の内容物を混合することによるかのいずれかの方法によって製造する。つづいて、これを約5.5および7.5の間、より好ましくは約6および7の間のpHに弱酸または弱塩基を用いて調整し、必要なら、5.5−7.5、より良好には約6−7の間、またはなおより良好に適当には約6.5の最終pH調整を行う。この方法によって処方化するプロスタグランジンは、ジノプロスト・トロメタミンとし得る。この方法においては、ベンジルアルコール水溶液のpHを、それを水溶液のジノプロスト・トロメタミンと混合する前または後に、5.5−7.5の間に調整し得る。該pHはHClまたはNaOHのごとき酸または塩基を用いて調整し得る。ベンジルアルコールの最終濃度は、約1.2および2.0%の間、またはより好ましくは約1.4および1.8%の間、なおより好ましくは約1.6−1.7%の間、あるいは最終液剤において水中の約16.5mg/mlのベンジルアルコールでもある約1.65%とし得る。【0005】また、I)まずプロスタグランジンを水に溶解し、ついでベンジルアルコールを添加するか、またはII)ベンジルアルコールを水に希釈して約4%以下の溶液とし、ついでプロスタグランジンを添加するかのいずれかを含む、プロスタグランジンの医薬処方の調製法も開示する。前者の方法を用いる場合には、a)ジノプロスト・トロメタミンを水に溶解し、ついで(4%ないし1.2%の)ベンジルアルコールの希釈溶液を添加し、pHを約5.5−7.5または6−7の間または約6.5に調整するか、または、b)1の容器中の水にジノプロスト・トロメタミンを溶解し、もう1の容器中の水にベンジルアルコールを溶解し、つづいて2の容器の内容物を一緒に混合し、pHを約5.5−7.5、約6.0−7.0の間、または約6.5に弱酸または弱塩基を用いて調整することによってそれを行い得る。該プロスタグランジンはジノプロスト・トロメタミンとし得る。この方法におけるベンジルアルコールの濃度は、約1.2ないし2.0%、または1.4−1.8%、1.5−1.7%、1.6−1.7%の間とし得、好ましくは1.65%または16.5mg/mlである。【0006】異なるが、関連する方法を用いることができ、そこではジノプロストを水に添加し、ついでpHをpH8.0以上まで上昇させ、ついでベンジルアルコール(純粋または希釈したベンジルアルコール)を添加し、ついでpHを弱酸または弱塩基を用いて約5.5−7.5、または6−7の間または約6.5まで低下させる。【0007】ジノプロスト・トロメタミンの濃度は該方法において1−10mg/ml、好ましくは3−7mg/ml、より好ましくは4−6mg/ml、およびなおより好ましくは5mg/mlである。この方法においては、pHは、ベンジルアルコールを水と混合した後であるがジノプロスト・トロメタミン水溶液をベンジルアルコール水溶液に添加する前および/またはベンジルアルコール水溶液をジノプロスト・トロメタミン水溶液に添加した後の双方でベンジルアルコール水溶液で調整し得、あるいはpHは水溶液のベンジルアルコールを生成する前後およびジノプロストを希釈したアルコール水溶液に添加する前後のいずれかに調整し得、その手法を用いる場合やこれらのうちのいずれかの手法を用いる場合には、いずれかまたは双方のpH調整につき、最終pHは約5.5−7.5、またはより好ましくは6.0もしくは7.0、またはより好ましくは約6.4−6.6の間または約6.5に調整し得る。この方法におけるベンジルアルコールの濃度は、約1.2ないし2.0%、または1.4−1.8%、1.5−1.7%、1.6−1.7%の間、好ましくは約1.65%または16.5mg/mlとし得る。【0008】発明のさらなる説明ジノプロスト・トロメタミンはプロスタグランジンの1つのタイプである(出典明示して本明細書の一部とみなす、米国特許第3,917,864号を参照されたし)。本発明以前には、大部分のプロスタグランジン、特にジノプロスト・トロメタミンは化学的および物理学的に安定な薬物の液剤を生成するためにはアルカリ性溶液に処方化する必要があると広く考えられていた。例えば、Mats Hamberg,Lian−Ying Zhang, Sune Bergstroem, “On the pH−dependent degradation of 15(S)−15 methyl−prostaglandin F2 alpha (Carboprost)”Eur. J. Pharm. Sci., 3(1), 27−38 (English) 1995年を参照されたし。この実験により、用いた緩衝液のpH値を9.1からより高い値まで上昇させた場合にはプロスタグランジンのトロメタミン塩の安定性が徐々に増大することが見出され、37℃に維持し、但し緩衝液をpH9.55に維持した場合には薬物をわずか3−4%の分解で少なくとも1年間保存し得ると結論付けられた。この実験は、プロスタグランジンについてどのように考えられ、より高いpHで維持した場合にはそれがより安定であることの典型である。ここに本発明者らは、もはやアルカリ性処方を必要としないジノプロスト・トロメタミンの新たな処方の新たな製造方法を発見した。ジノプロスト・トロメタミンおよび他のプロスタグランジンを化学的に安定にかつ溶液で維持するために通常用いられるアルカリ性の除去は、高pH溶液よりもより少ない注射部位の複雑化の要因を有する注射可能な処方用でさえ許容し得る。【0009】この新たなプロスタグランジンの処方および製造方法に対するこれらの重要なpH関連の改良に加えて、本発明者らは、液剤の微生物コンタミネーションを低減させることに優れた注射可能な液剤の新規の製造方法を発見した。ここに本発明者らは、高濃度のベンジルアルコールを含有し、かつ、いまだ清澄溶液のままで存在するジノプロスト・トロメタミンの滅菌液剤の新規の製造方法を創製した。典型的に、本明細書中で用いるベンジルアルコールおよびpHのレベルでは、プロスタグランジンは溶液のものからはずれ、沈澱を形成することが予想されようが;処方のユニークな様式、保存および注射に好適な処方のため、本明細書中で生成した処方は清澄かつ溶解した薬物を含有し、沈澱を含有しない真の溶液である。【0010】注射可能なプロスタグランジン薬物処方を製造する科学者は多くの障害に直面する。まず、前記したごとく、プロスタグランジン薬物は典型的にはより高いpHでより安定である。pHが低下するにしたがい、2の原理の望ましくない影響が生じる。プロスタグランジン薬物は不安定になり、進行的に化学的に分解し、それは物理的に溶液から析出する。約6以下のpHにおいては、ジノプロスト・トロメタミンのごとき大部分のプロスタグランジンは液体溶液で安定ではない。残念ながら、pHを上昇させることは他の問題を示す。液剤を多用途バイアルとして利用する場合には、注射可能な薬物液剤は微生物の増殖およびコンタミネーションに付される。注射につき薬物に注射針を繰返し挿入し、引抜くことは、時々夾雑物が薬物バイアルに入ることを許容する。ベンジルアルコールのごとき保存料の添加剤をしばしばかかる液剤に添加して、可能性のあるコンタミネーションから生じる微生物増殖を阻害している。残念ながら、微生物増殖に対するベンジルアルコールの阻害効果は、それ自体、より高いpHで阻害される。ベンジルアルコールを含有する液剤のpHが上昇するにしたがい、その液剤中の微生物の増殖も増大する。したがって、プロスタグランジン薬物の処方者は、良好な薬物安定性を有するがコンタミネーションのより大きな機会および薬物沈澱を有する高いpHか、または微生物コンタミネーションをより良好に阻害するがより短い期間の化学的安定性または貯蔵寿命を有するより低いpHかの、えり好みのできない選択が示される。【0011】微生物増殖を防ぐかまたは望ましい致死率を達成するのに通常十分である、pH8の標準溶液を用いて開始するか、またはそのうえに約9または10mg/mlの典型的なベンジルアルコール濃度を用いて開始する場合には、pHを単に低下させても好適な医薬組成物は製造されないであろう。微生物の攻撃のためベンジルアルコールのレベルはより高いpHに上昇させなければならないが;しかしながら、ベンジルアルコールの濃度を上昇させる様式は、ジノプロスト・トロメタミンのごときプロスタグランジンを溶液で維持するために重要である。【0012】ここに本発明者らは、有効レベルのベンジルアルコールを有する最適処方を用いて安定な薬物の清澄な液剤を許容する非−アルカリ性環境でプロスタグランジン処方を製造する秘訣を発見し、開示する。プロスタグランジン処方は、ベンジルアルコールを含有する非−アルカリ性環境で製造し得るが、但しベンジルアルコールは典型的な濃度よりもより高くまで上昇させ、かつ、成分を混合する順序は本明細書中に開示するごときである。典型的には、液剤の処方化においては、まず、最も低い溶解性の成分を液剤に添加し、最後により溶解性の高い成分を添加する。ここに本発明者らは、ジノプロスト・トロメタミンを溶液で維持するために典型的な手法を変える。ジノプロスト・トロメタミンを水に添加し、つづいて正味のベンジルアルコールを添加する場合、ジノプロスト・トロメタミンは溶液から析出するであろう。ここに本発明者らは、ジノプロスト・トロメタミンを水に溶解した後に水に溶解したベンジルアルコールの溶液を添加することを教示する。別法として、ベンジルアルコールを水に溶解し、つづいて希釈したベンジルアルコール溶液にジノプロスト・トロメタミンを溶解し得る。ベンジルアルコールは水で約4%の溶解度を有する。ベンジルアルコールのいずれの溶液も許容されるべきであり、5、6、7、8、9または10%のベンジルアルコールのエマルションも許容される可能性がある。本発明者らは、希釈したベンジルアルコール(ここに、希釈したベンジルアルコールは約4および1.2%、より好ましくは1.2−3.3%、なおより好ましくは1.8ないし2.6%の間のベンジルアルコールの溶液、最も好ましくはベンジルアルコールの2.0%溶液)をむしろ選び、またはb)約4.0%−1.2%、より好ましくは約1.2−3.3%、なおより好ましくは約1.8ないし2.6%の間、および最も好ましくは約2.0%のベンジルアルコール溶液を用いて、1の容器中でジノプロストを溶解し、もう1の容器中で水にベンジルアルコールを溶解することによる。最終pHは約5.5−7.7、6.0−7.0の間または6.5に調整する。これは、いずれかの以下の手法を用いて1または2の容器で行い得る。【0013】本発明者らは幾つかの一般的な手法を記載する。I)まずジノプロスト・トロメタミンのごときプロスタグランジンおよび適量の希釈した(約4ないし1.2%の)ベンジルアルコールを水に溶解し、ここにまずベンジルアルコールを水に添加するか、またはまずプロスタグランジンを添加するかのいずれかとし得ることは注記する;ついで、pHを塩酸(HCl)もしくは水酸化ナトリウム(NaOH)のような無機酸もしくは無機塩基、または有機酸もしくは有機塩基のごとき適当な酸または塩基を用いて調整する。II)まず1の容器中で水にジノプロスト・トロメタミンを溶解し、もう1の容器中で水でベンジルアルコールを希釈し得る。容器を混合し、pHを約5.5−7.7、6−7のほぼ間または6.5に再度調整し、水を添加して最終サイズを得、溶液を混合する。III)別法として、プロスタグランジンを水に溶解し、pHを約8.0、好ましくはより高いpHあたりまで上昇させ、(あるいは、プロスタグランジンを添加する前にpHを上昇させ)、ついでpHを低下させる前に非希釈(正味)または希釈したベンジルアルコールを添加する。この別法IIIを用いて繰返すためには、プロスタグランジンを溶解した後にpHを上昇させ、ついで正味または希釈したベンジルアルコールのいずれかを添加し、その後、このpHを約5.5−7.5、より好ましくは約6−7の範囲、または最も好ましくは約6.5まで低下させなければならない。好ましいプロスタグランジンはジノプロスト・トロメタミンである。【0014】前記したいずれの手法についても、最終ベンジルアルコール濃度は1.2%ないし2.0%w/w、より好ましくは1.4ないし1.8%の濃度範囲、最も好ましくは約1.65%とするか、またはHClもしくはNaOHのいずれかの溶液を用いてpHを調整しつつ、処方の各ml最終体積が各mlの水と混合した5mgのジノプロスト・トロメタミンおよび16−17mg、より好ましくは16.5mgのベンジルアルコールを含有することが好ましい。いずれの酸溶液も用い得るが、酸または塩基の1−10%溶液はよく作用する。より大きな体積にはより高い濃度が望まれ得る。より多量の溶液については、HClまたはNaOHのいずれかの10%溶液を用いてpHを調整しつつ、4.0kgのジノプロスト・トロメタミンと13.2kgのベンジルアルコールを水溶液に混合し、最終水性体積を800Lとすることができる。【0015】本発明に好適なpH範囲は約5.5−7.5のpHであるが、約6.0−7.0のpHが好ましく、6.5または6.6のpHが最も好ましい。ジノプロスト・トロメタミンの濃度は1−10mg/mlとし得、好ましくは3−7mg/mlであり、より好ましくは4−6mg/ml、なおより好ましくは5mg/mlである。最終ベンジルアルコールの範囲は1.2%ないし2.0% w/v(重量/体積)、または約12ないし20mg/mlであるが、14−18mg/mlが好ましく、約16−17mg/mlがより好ましく、または約16.5mg/mlが最も好ましい。最終液剤を生成するために用いるベンジルアルコール濃度は、約4および1.2%、より好ましくは1.2−3.3%、なおより好ましくは1.8ないし2.6%の間のベンジルアルコールの溶液、および最も好ましくは2.0%のベンジルアルコールの溶液である。前記した情報から、当業者であれば本発明のすべての態様を実施し得るにちがいない。下記の特異的な実施例は本発明の開示を説明する目的のものであって、それを限定するものではない。【0016】本発明の特異的な実施例および具体例必要量のジノプロスト・トロメタミンおよびベンジルアルコールを注射用水に溶解する。注射用水とは、合衆国薬局方(United States Pharmacopia (U.S.P))による、注射に好適な水溶液を意味する。pHは水酸化ナトリウムまたは塩酸溶液を用いて調整する。液剤は滅菌グレードのメンブレンフィルターを通す濾過により滅菌し、直列フィルターを通してバイアルに無菌的に充填する。容器は乾熱によって滅菌し、脱発熱化した(depyrogenated)。【0017】サイクル・パラメータを設定して、元のエンドトキシン濃度のlog 3の低下に等しい最小処理致死率(minimum process lethality)を得る。ゴム製締め具は蒸気滅菌によって滅菌した。サイクル・パラメータを設定して、元の胞子濃度のlog 6の低下に等しい最小処理致死率および15分の最小F0値を得る。【0018】前記した処理および手法をより良好に視覚的に説明するためにチャートを以下の頁に供する。チャートはさらなる説明を提供するが、前記の説明を限定すると考えてはならない。【0019】【表1】【0020】【表2】【0021】【表3】【0022】【表4】【0023】【表5】【0024】処方を調製する種々のステージの詳細な説明処方に必要な成分の選択および計量:ベンジルアルコールおよびジノプロスト・トロメタミン。式から必要なジノプロスト・トロメタミンの量を計算する:必要量=A/B、A=必要活性量、B=ジノプロスト・トロメタミン・ロットの実際の効力/100。50.0kgのロットについては、(それが効力結果として100%を有しているなら)335.5gのジノプロスト・トロメタミンに等価である250gのジノプロスト活性が必要である。98.0%の効力を有するジノプロスト・トロメタミンのロットを用いる場合には、必要な計算量は:335.5/0.98=342.35gのジノプロスト・トロメタミンである。【0025】2の調製容器の選択し、成分を計量した。容器1に約10Lの注射用水を添加する。計算し、計量した量のジノプロスト・トロメタミンを添加し、混合する。容器2に約35Lの注射用水を添加する。必要量のベンジルアルコールを添加し、混合する。塩酸の1%溶液および/または水酸化ナトリウムの1%溶液を用いてpHをpH=6.5に調整する。【0026】容器1の内容物を容器2に移して混合する。塩酸の1%溶液および/または水酸化ナトリウムの1%溶液を用いて、pHをpH=6.6に調整する。注射用水を添加して、最終サイズを得て混合し、必要なら最終pHを再度調整する。実際の処方では、以下のさらなる手法も採用し得る。要するなら、生物負荷試験用に試料を抜取り、その液剤を滅菌メンブレンフィルター、例えば0.22μmのフィルターを用い得る、を通して滅菌容器に濾過し得る。液剤は滅菌メンブレンフィルターを通す濾過によって滅菌し得、直列フィルターを通してバイアルに無菌的に充填し得る。容器は乾熱によって滅菌し、脱発熱化し得る。サイクル・パラメータを設定して、元のエンドトキシン濃度のlog 3の低下に等しい最小処理致死率を得ることができる。ゴム製締め具は蒸気滅菌によって滅菌し得る。サイクル・パラメータを設定して元の胞子濃度のlog 6の低下に等しい最小処理致死率および15分の最小F0値を得ることができる。重量を満たすために、規則的な時間に試料を抜取る。バイアルを滅菌止め具で密閉し、キャップでシールする。分析用試料を抜取る。【0027】他の考察以下の考察を注記する。濾過前のバルク液剤のpHは塩酸または水酸化ナトリウムのような酸または塩基の希釈溶液を用いて調整し得る。処理中の試料は、ベンジルアルコールを注射用水に添加して5、10および15分後に流体調製槽の上部および底部から採取して、有効成分、ジノプロスト・トロメタミンを添加する前にその均一な溶解を確認し得る。ジノプロスト溶液をベンジルアルコール溶液に添加し、液剤を体積とした後に、混合15および25分後に流体調製槽の上部および底部から試料を採取して、効力および均一性の双方を確認し得る。科学的実験により、本明細書中に記載した手法が欧州連合薬局方および合衆国薬局方の双方によって決定される、許容し得るレベルの保存力のある効力を有する処方を生成することが示された。 プロスタグランジンおよび12ないし20mg/mlのベンジルアルコールを含み、かつ6.0ないし7.0のpHを有する水性液剤。 プロスタグランジンがジノプロスト・トロメタミン(dinoprost tromethamine)である請求項1記載の水性液剤。 1ないし10mg/mlのジノプロスト・トロメタミンを含む請求項2記載の水性液剤。 4ないし6mg/mlのジノプロスト・トロメタミンおよび14ないし18mg/mlのベンジルアルコールを含む請求項2記載の水性液剤。 5mg/mlのジノプロスト・トロメタミンおよび16.5mg/mlのベンジルアルコールを含む請求項2記載の水性液剤。 6.5ないし6.6のpHを有する請求項1ないし5いずれか1記載の水性液剤。 プロスタグランジンおよびベンジルアルコールを水に溶解し、ついで、酸または塩基を用いて溶液のpHを6.0および7.0の間に調整することを含み、ここに最終のプロスタグランジン濃度が1ないし10mg/mlであることを特徴とする請求項1ないし6いずれか1記載の水性液剤の調製方法。 ベンジルアルコールを、それをプロスタグランジン・水混合液に添加する前に、水で希釈して12ないし40mg/mlの濃度とする請求項7記載の方法。 プロスタグランジンをベンジルアルコール・水混合液に溶解する前に、ベンジルアルコールを水に添加して、40ないし100mg/mlのエマルションまたは12ないし40mg/mlの溶液を得る請求項7記載の方法。 プロスタグランジンおよびベンジルアルコールを各々別々に水に溶解し、ついで、2の溶液を合する請求項7ないし9いずれか1記載の方法。 ベンジルアルコールを水で希釈して18ないし26mg/mlの濃度とし、pHをHClまたはNaOHで調整し、ベンジルアルコールを16ないし17mg/mlの最終濃度に調整する請求項7ないし10いずれか1記載の方法。 プロスタグランジンがジノプロスト・トロメタミンである請求項7ないし11いずれか1記載の方法。 ベンジルアルコール−水溶液のpHを、それを水中のジノプロスト・トロメタミン溶液と混合する前に、6および7の間に調整する請求項12記載の方法。 ベンジルアルコールを水で12ないし33mg/mlの濃度まで希釈し、最終のベンジルアルコール濃度を14ないし18mg/mlに調整し、pHを6.0および7.0の間に調整し、およびジノプロスト・トロメタミンの濃度が4ないし6mg/mlである請求項12記載の方法。