タイトル: | 特許公報(B2)_クロロベンゾオキサゾールの製造法 |
出願番号: | 2000539003 |
年次: | 2012 |
IPC分類: | C07D 263/58 |
ハンス−ヨーアヒム・レセル モハメド・アスラム ジャン−ピエール・デムト ギュンター・シュレーゲル ヴォルフガング・ヴェルター JP 4996009 特許公報(B2) 20120518 2000539003 19981208 クロロベンゾオキサゾールの製造法 バイエル・クロップサイエンス・アーゲー 507203353 BAYER CROPSCIENCE AG 高木 千嘉 100091731 結田 純次 100127926 三輪 昭次 100105290 西村 公佑 100080355 ハンス−ヨーアヒム・レセル モハメド・アスラム ジャン−ピエール・デムト ギュンター・シュレーゲル ヴォルフガング・ヴェルター DE 197 55 904.2 19971216 20120808 C07D 263/58 20060101AFI20120719BHJP JPC07D263/58 C07D 263/58 CAplus(STN) REGISTRY(STN) 特開平06−041100(JP,A) 特開平06−321923(JP,A) 特開昭59−070677(JP,A) 特開昭60−087275(JP,A) 特開昭60−246379(JP,A) 特開昭61−033179(JP,A) 特開昭60−193974(JP,A) 独国特許出願公開第02059725(DE,A1) 中西 香爾,モリソンボイド 有機化学(中) 第6版,東京化学同人,1994年,p.682-683 12 EP1998007969 19981208 WO1999031076 19990624 2002508363 20020319 9 20051202 磯部 洋一郎 【0001】本発明は、活性化合物、例えば作物保護剤または医薬のための活性化合物の合成に使用することができる中間体の製造法の技術分野に関する。クロロベンゾオキサゾールは、すでに作物保護剤および医薬のための中間体として非常に重要である。その性質およびその製造法は、特にDE-A-3207153、EP-A-43573およびGB-A-913910に記載されている。【0002】上記刊行物の方法を使用することによって、例えばクロロベンゾオキサゾールは、2−メルカプト−1,3−ベンゾオキサゾールから、種々の塩素化剤を使用してメルカプト基を塩素と交換することによって製造できる。処理が必要な塩化硫黄が副生物として得られる。【0003】さらなる製造法としては、適切に置換された1,3−ベンゾオキサゾール−2−オンを過剰の五塩化リンを使用してクロロベンゾオキサゾールに転化するものが含まれる(EP-A-572893、EP-A-141053、DE-A-3406909)。2,6−ジクロロベンゾオキサゾールを製造する場合、例えば6−クロロベンゾオキサゾール−2−オンを使用する。この方法で使用する過剰のPCl5の再処理は、特に手間がかかる。【0004】非置換チオ類似物である1,3−ベンゾチアゾール化合物を、塩素化触媒の存在下で直接塩素化することによって2−クロロベンゾ−1,3−チアゾールに転化できることはすでに知られている(DE-A-3234530)。しかし、この選択的な一塩素化反応は、類似のベンゾオキサゾールでは知られておらず、それどころかDE-A-2059725は、この場合、置換可能な部位を占有するにあたっての選択性が全くなく、分子中で過塩素化が起こることを示している。【0005】上記方法の不都合な点がない、クロロベンゾオキサゾールを製造するための別の方法が必要である。ここで驚くべきことに、クロロベンゾオキサゾールは、ベンゾオキサゾールから直接塩素化して得られることがわかった。この方法では、一塩素化および別法としてある種の二塩素化の両方を実施することができる。【0006】従って、本発明は、式(I)【化3】[式中、R1、R2およびR4は、それぞれ互いに独立して、H、ハロゲン、CN、NO2、C1〜C5−アルキル、C1〜C5−アルコキシ、アリールまたはアリールオキシ(ここで、最後に記載した4個の基は、それぞれ置換されていないか、または置換されている)であり、そして【0007】(a) R3=H、ハロゲン、CN、NO2、C1〜C5−アルキル、C1〜C5−アルコキシ、アリールまたはアリールオキシ(ここで、最後に記載した4個の基は、それぞれ置換されていないか、または置換されている)であるか、または(b) R3=塩素である]のクロロベンゾオキサゾールを製造する方法であって、式(II)【化4】[式中、R1、R2およびR4は、式(I)に定義した通りであり、(a)の場合、R3は式(I)に定義した通りであり、(b)の場合、R3は水素である]のベンゾオキサゾールを、酸触媒存在下で塩素化剤と反応させて一塩素化生成物(I)を得るか、または(b)の場合、過剰の塩素化剤と反応させてR3=塩素である二塩素化生成物(I)を得ることからなる、前記式(I)のクロロベンゾオキサゾールの製造法を提供する。【0008】本発明によれば、式(I)の2−クロロ誘導体を、高い収率および純度で選択的に製造することができる。さらに、本発明者らの実験によれば、ベンゾオキサゾール、好ましくは置換されていないベンゾオキサゾールを対応する2−クロロベンゾオキサゾールに塩素化する反応を、過剰の塩素化剤を用いて続ける場合、2,6−二塩素化ベンゾオキサゾール、好ましくは2,6−ジクロロベンゾオキサゾールが選択的に得られることがわかった。このような選択性を予見することはできなかった。【0009】DE-A-2059725に記載されている結果によると、ベンゾオキサゾールの塩素化は、非選択的な多塩素化になると予想される。さらに、ベンゾチアゾールを塩素化して2−クロロベンゾチアゾールを得るために記載されている条件(DE-A-3234530)が、ベンゾオキサゾール分子へ転用できるということは予想されなかった。その理由は、ベンゾオキサゾール骨格そして特にベンゾオキサゾール自体が、それぞれ非常に敏感な(反応性の)分子系および分子であると知られているからである。従って、DE-A-2059725およびDE-A-3234530からの技術的な教示を全く矛盾することなく説明することは可能である。しかし、驚くべきことに、本発明の条件下ではベンゾオキサゾールを使用しても選択的に塩素化を実施することが可能であり、そして通常、式(I)のクロロ誘導体が、高い収率および選択性で得られる。【0010】上記式(I)[式中、R1、R2およびR4は、それぞれ互いに独立して、H、ハロゲン、CN、NO2、C1〜C5−アルキル、C1〜C5−ハロアルキル、C1〜C5−アルコキシ、C1〜C5−ハロアルコキシ、フェニルまたはフェノキシ(ここで、最後に記載した2個の基は、それぞれ置換されていないか、またはハロゲン、CN、NO2、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、C1〜C4−アルコキシおよびC1〜C4−ハロアルコキシからなる群から選択される1個またはそれ以上の基により置換されており、好ましくはH、ハロゲン、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、CF3、CCl3、OCF3またはOCHF2、特にHまたは塩素であり、そして(a) 式(I)のR3が、R1、R2およびR4について可能な基の群から選択される基、好ましくはHまたは塩素であるか、または(b) 式(I)のR3が塩素である)]のクロロベンゾオキサゾールを製造するための本発明の方法は、特に重要である。【0011】式(I)および(II)においては、基アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシならびにさらに対応している不飽和のおよび/または置換された基は、各々の場合、炭素骨格が直鎖または分枝鎖でありうる。特記しない限り、これらの基についてはより低級な炭素骨格、例えば1〜4個の炭素原子、そして不飽和基の場合2〜4個の炭素原子を有するものが好ましい。また、アルコキシ、ハロアルキルなどのような複合的な意味におけるアルキル基は、例えばメチル、エチル、n−またはi−プロピル、n−、i−、t−または2−ブチル、ペンチル、ヘキシル、例えばn−ヘキシル、i−ヘキシルおよび1,3−ジメチルブチル、ヘプチル、例えばn−ヘプチル、1−メチルヘキシルおよび1,4−ジメチルペンチルである。【0012】ハロゲンは、例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素であり、ハロアルキル、−アルケニル、および−アルキニルは、それぞれハロゲン、好ましくはフッ素、塩素および/または臭素、特にフッ素または塩素によって、部分的にまたは完全に置換されたアルキル、アルケニルおよびアルキニル、例えばCF3、CHF2、CH2F、CF3CF2、CH2FCHCl2、CCl3、CHCl2、CH2CH2Clであり、ハロアルコキシは、例えばOCF3、OCHF2、OCH2F、CF3CF2O、OCH2CF3およびOCH2CH2Clであり、これはハロアルケニルおよび他のハロゲン置換された基にも対応して適用される。【0013】アリールは、単環式の炭素環の芳香環であり、また置換されている場合には、二環式または多環式芳香族系を含み、そしてこれは、少なくとも一つの芳香環および場合によりさらなる芳香環または部分的に不飽和のもしくは飽和した環を含み、アリールは、例えばフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インデニル、インダニル、ペンタレニル、フルオレニル等、好ましくはフェニルである。アリールオキシは、好ましくは上記アリール基に対応するオキシ基、特にフェノキシである。【0014】置換された基、例えば置換されたアルキル、アリール、フェニルまたはフェノキシは、例えば置換されていない親化合物から誘導された置換された基であり、置換基は、例えばハロゲン、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、シアノ、アジド、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ホルミル、カルバモイルおよびモノ−およびジアルキルアミノカルボニル、置換されたアミノ、例えばアシルアミノ、モノ−またはジアルキルアミノ、およびアルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、ならびに環状基の場合はさらにアルキルおよびハロアルキルからなる群から選択される1個またはそれ以上、好ましくは1、2または3個の基である。炭素原子を有する好ましい基は、1〜4個の炭素原子、特に1または2個の炭素原子を有するものである。通常、ハロゲン、例えばフッ素および塩素、C1〜C4−アルキル、好ましくはメチルまたはエチル、C1〜C4−ハロアルキル、好ましくはトリフルオロメチル、C1〜C4−アルコキシ、好ましくはメトキシまたはエトキシ、C1〜C4−ハロアルコキシ、ニトロおよびシアノからなる群から選択される置換基が好ましい。ここでは、メチル、メトキシおよび塩素の置換基が特に好ましい。【0015】出発物質、式(II)のベンゾオキサゾールは、知られている方法でまたは知られている方法と類似の方法で製造できる。例えば、ベンゾオキサゾールは2-アミノフェノールをオルトギ酸エステルと、またはギ酸もしくはホルムアミドと反応させることによって得られる(Houben-Weyl, “Methoden der organischen Chemie" Vol. E8a)。【0016】塩素化反応に適した溶媒は、反応条件下で不活性であるかもしくは適切な方法で反応に関与する有機もしくは無機の溶媒、ハロゲン化反応で慣用的に使用されるもの、またはそれらの混合物である。特定の場合には、反応成分を溶媒として使用することも可能である。適切な有機溶媒の例は、− 芳香族または脂肪族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレンおよびパラフィン、− ハロゲン化脂肪族または芳香族炭化水素、例えば塩素化アルカンおよびアルケン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、− ニトリル、例えばアセトニトリル、− カルボン酸およびその誘導体、例えば酢酸またはそのエステルである。適切な無機溶媒の例は、− オキシ塩化燐またはSOCl2であり、これらは追加的に塩素化剤として使用するのにも適している。【0017】また、都合のよい方法では、反応を溶媒なし(neat)で、すなわち出発物質(II)の溶融物もしくは生成物(I)の溶融物、またはそれらの混合物で実施することも可能である。【0018】適切な触媒は、酸性物質またはその混合物、例えば鉱酸またはその酸性塩;酸性イオン交換剤;ゼオライト(H形);他の酸性無機物、例えばモンモリロナイトまたはルイス酸、例えば遷移金属の塩、例えばFeHal3、AlHal3、Sb2Hal5、ZnHal2、SnHal2、SnHal4、TiHal4、CuHal、CuHal2等であり、Halは、各々の場合、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群より選択されたハロゲンであり、好ましくは塩素、臭素またはヨウ素、特に塩素である。塩化鉄(III)、三塩化アルミニウムまたはモンモリロナイト、特にFeCl3またはAlCl3を使用するのが好ましい。【0019】触媒の量は、広い範囲で変化させることができる。触媒の最適量は個々の触媒に左右され、使用する式(II)の化合物の量を基準にして、例えば触媒0.05〜10モルパーセント、好ましくは0.1〜3モルパーセントである。【0020】反応を実施できる温度は、溶媒、式(I)および(II)の特定の化合物、触媒ならびに塩素化剤に応じて広い範囲内で変化させることができ、適切な反応温度は、通常20〜200℃の範囲である。一塩素化もしくは二塩素化をするかどうか、または多塩素化副反応が可能かどうかに応じて反応温度を適切に選ばなければならず、そして必要により予備実験で最適化する。温度は、好ましくは60〜150℃、特に80〜140℃の範囲である。【0021】一般に、適切な塩素化剤は、有機化合物を塩素で処理するために使用できる全ての試薬、またはその混合物もしくは組合せである。例えば、適切な塩素化剤は、塩素、SO2Cl2、PCl3、PCl5、POCl3、SCl2、S2Cl2、SOCl2である。また、これらの混合物または他の塩素化剤と共に使用することも可能である。好ましいのは、気体の塩素を導入することまたは塩素化剤としてPOCl3、PCl5もしくはSOCl2を使用することである。さらに好ましいのは、PCl3および塩素、またはPCl5および塩素の組合せを使用してその場でPCl5を生成することである。このため、例えばPCl3またはPCl5は、化学量論量未満の量(この場合、それらも補助塩素化試薬としてみなされる)、例えば式(II)の化合物を基準にして0.5〜20モルパーセント、好ましくは1〜10モルパーセントの量で使用され、そして塩素化剤の残りは塩素ガスの形で導入される。【0022】使用する塩素化剤の量は、一塩素化(aの場合)では、式(II)の化合物のモルあたり塩素化剤が等モルまたはわずかに過剰、好ましくは1.0〜1.8モル、または1.0〜1.2モルであるのが都合よく、また二塩素化(bの場合)では、式(II)の化合物のモルあたり塩素化剤が2倍のモル量またはわずかに2倍よりも多いモル量、好ましくは2.0〜2.4モルであるのが好ましい。塩素化剤が塩素化剤1モルあたり1モル当量よりも多い塩素を生成する場合、塩素化剤の量は適切に減少させる。【0023】合成は、まず最初に出発物質(式(II)のベンゾオキサゾール誘導体)を溶融物として入れるか、または生成物の溶融物もしくは適切な溶媒中に入れて、触媒を加えることによって実施するのが好ましい。適切ならば、それから補助塩素化剤、例えばPCl3またはPCl5を加える。所望の温度で効率よく撹拌をして、それから塩素をゆっくり導入するか、または他の塩素化剤を計り込む。向流原理によって作動する反応器中で反応を実施することによって、かなり高い比率の転化を達成できる。【0024】所望の生成物が、高純度および非常に高い収率で選択的に得られる。例えば精密蒸留によって非常に純粋な生成物を得ることができる。以下の実施例によってさらに詳細に実験を説明するが、本発明をこれらの実施態様に限定するものではない。特記しない限り量は重量に基づく。【0025】実施例1ガス導入管およびドライアイス冷却器を備えた撹拌フラスコに、6−クロロベンゾオキサゾール20g(0.1302モル)およびクロロベンゼン50mlを入れ、塩化鉄(III)(FeCl3)0.1gを添加した後、100℃に加熱した。効率的に撹拌しながら、合計11.0g(0.155モル)の塩素ガスを、約4時間にわたって液体表面下にゆっくり導入した。反応の経過をガスクロマトグラフィ(GC分析)によってモニターした。出発物質が消費された後、バッチを冷ました。GC分析によれば、出発物質の95%が2,6−ジクロロベンゾオキサゾールに転化された。溶媒を除去した後、粗生成物を減圧下で蒸留することができる。これにより、2,6−ジクロロベンゾオキサゾール23.07g(0.122モル)を得た。GCによる純度:99.5%=理論量の93.8%。【0026】実施例2実施例1の方法を使用して、同じ条件下で1,3−ベンゾオキサゾール11.9g(0.1モル)を反応させて2−クロロベンゾオキサゾールを得た。これにより、14.35gの2−クロロベンゾオキサゾールを得た。GC:99%純粋=理論量の92.5%の収率。【0027】実施例3実施例1の方法を使用して、モンモリロナイトKSF 0.5gを添加して、ベンゾオキサゾール11.9g(0.1モル)を100℃で塩素ガスと反応させた。1.1倍のモル量の塩素ガスを添加した後、GCは2−クロロベンゾオキサゾールに完全に転化していることを示した。120〜125℃で塩素ガス(追加として1.0倍モル量)をさらに導入すると、2,6−ジクロロベンゾオキサゾールへの転化率が80.6%となった。【0028】実施例46−クロロベンゾオキサゾール(>99%純粋)10g(0.065モル)をオキシ塩化燐70mlに溶解し、乾燥三塩化アルミニウム0.26gと混合した。混合物を90℃に加熱し、次いで効率的に撹拌しながら液体表面下に塩素ガスを導入し、そして反応の経過をガスクロマトグラフィ(GC分析)によってモニターした。約6時間後、出発物質は消費されていた。バッチを冷やし、そして反応混合物を短いVigreuxカラムを備えた蒸留装置に移した。過剰のPOCl3を前留分中に分離した。続いて減圧下で純粋な2,6−ジクロロベンゾオキサゾールの画分を留去した。これにより、GCによる99%以上の純度を有する2,6−ジクロロベンゾオキサゾール11.6gを得た。これは、理論量の94%以上の収率に相当する。【0029】実施例56−クロロベンゾオキサゾール(>99%純粋)10g(0.065モル)およびクロロベンゼン100mlを五塩化燐13.54g(0.065モル)および塩化鉄(III)0.05g(乾燥)と共に、撹拌しながら130〜133℃に加熱した。約6時間後、反応は終了した。反応混合物を冷やし、シリカゲル60の層によってろ過した。塩化メチレンで溶出し、低沸点成分を除去して生成物を得、冷やして凝固させたところ、GCによればこれは他の成分を含んでいなかった。2,6−ジクロロベンゾオキサゾール12.25g(理論量の100%)を得た。【0030】実施例6効率的に撹拌しながら、1,3−ベンゾオキサゾール(>99%純粋)10g(0.083モル)を、POCl3 100mlおよび塩化鉄(III)(乾燥)0.2gと共に、100℃に加熱した。この温度で、塩素ガスを液体表面下に導入した。反応のGC対照から、まず最初に2−クロロベンゾオキサゾールが形成され、これがさらに置換され、それから反応して2,6−ジクロロベンゾオキサゾールが得られたことがわかった。すべての出発物質が消費されると反応は終了した。GC分析によれば、21.5%の2−クロロベンゾオキサゾールおよび71%の2,6−ジクロロ-ベンゾオキサゾールが形成された。蒸留によって粗混合物を得た。POCl3および2−クロロベンゾオキサゾールを第一の画分に集めた。これはさらなるバッチに直接使用することができる。第二の画分では、2,6−ジクロロベンゾオキサゾール11.0g(GC>99%純粋)(理論量の>70%)が得られた。2−クロロベンゾオキサゾールの再利用を考慮に入れて、理論量の>92%の全収率が得られた。【0031】実施例76−クロロベンゾオキサゾール10g(0.065モル)、三塩化燐0.45gおよび無水三塩化アルミニウム0.09gを、まず最初に30mlのオキシ塩化燐(POCl3)に加えた。加熱撹拌しながら、塩素ガスを毎時塩素0.6当量の比率で導入した。内部温度が80℃に達した後、塩素ガスの流れを6時間当たり塩素0.6当量に減少させ、そして温度を100℃に高めた。反応をガスクロマトグラフィによってモニターした。出発物質の全てが消費されたあと、ほとんどのPOCl3を留去し、そして残留物を減圧下で分別蒸留にかけた。これにより、2,6−ジクロロベンゾオキサゾール11.9gの純粋な画分を得た。そして、これを冷却して凝固させた(GC>99%純粋)(理論量の>97%)。 式(I)[式中、R1、R2およびR4は水素であり、R3は水素または塩素である]のクロロベンゾオキサゾールを製造する方法であって、式(II)[式中、R1、R2、R3およびR4は、式(I)に定義したとおりである]のベンゾオキサゾールを、酸触媒存在下で、1.0〜1.8モル当量の塩素化剤と反応させて、一塩素化生成物を得る方法。 式(I)[式中、R1、R2およびR4は水素であり、R3は塩素である]のジクロロベンゾオキサゾールを製造する方法であって、式(II)[式中、R1、R2、R3およびR4は水素である]のベンゾオキサゾールを、酸触媒存在下で、2.0〜2.4モル当量の塩素化剤と反応させるか、または、一塩素化生成物が消費されるまで過剰量の塩素化剤と反応させて、二塩素化生成物を得る方法。 化合物(I)が、2−クロロベンゾオキサゾールである、請求項1に記載の方法。 化合物(I)が、2,6−ジクロロベンゾオキサゾールである、請求項2に記載の方法。 反応を、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ハロゲン化脂肪族炭化水素およびハロゲン化芳香族炭化水素からなる群から選ばれる有機溶媒の存在下で実施する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。 反応を、オキシ塩化燐またはSOCl2からなる群から選ばれる無機溶媒の存在下で実施する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。 使用する塩素化剤が、塩素、SO2Cl2、PCl3、PCl5、POCl3、SCl2、S2Cl2、SOCl2または上記試薬の混合物である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。 使用する塩素化剤が、PCl3またはPCl5と組み合わせた塩素である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。 使用する式(II)の化合物の量に基づいて0.05〜10モルパーセントの量で触媒を使用する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。 使用する触媒がモンモリロナイトまたはルイス酸である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。 使用する触媒がFeCl3またはAlCl3である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。 反応温度が20〜200℃である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。