生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_金属パラジウムおよび金ならびに酢酸銅を含む酢酸ビニル用触媒
出願番号:2000517797
年次:2009
IPC分類:B01J 23/89,B01J 37/02,C07C 67/055,C07C 69/15


特許情報キャッシュ

ニコラウ,イオアン ブロウサード,ジェリー・エイ コリング,フィリップ・エム JP 4287995 特許公報(B2) 20090403 2000517797 19981012 金属パラジウムおよび金ならびに酢酸銅を含む酢酸ビニル用触媒 セラニーズ・インターナショナル・コーポレーション 500175107 社本 一夫 100089705 今井 庄亮 100071124 増井 忠弐 100076691 栗田 忠彦 100075236 小林 泰 100075270 細川 伸哉 100102727 ニコラウ,イオアン ブロウサード,ジェリー・エイ コリング,フィリップ・エム US 08/959,897 19971028 20090701 B01J 23/89 20060101AFI20090611BHJP B01J 37/02 20060101ALI20090611BHJP C07C 67/055 20060101ALI20090611BHJP C07C 69/15 20060101ALI20090611BHJP JPB01J23/89 ZB01J37/02 101DC07C67/055C07C69/15 B01J21/00-38/74 C07C67/055 C07C69/15 特表平08−510685(JP,A) 国際公開第97/038790(WO,A1) 特表2002−502420(JP,A) 7 US1998021488 19981012 WO1999021650 19990506 2003525723 20030902 7 20050921 横山 敏志 【0001】発明の背景発明の分野本発明は、エチレン、酸素および酢酸の反応により酢酸ビニルを製造するための新規な改良触媒に関する。関連技術の説明を含めた背景情報担体に保持された金属パラジウムおよび金からなる触媒を用いてエチレン、酸素および酢酸の反応により酢酸ビニルを製造することは、既知である。そのような触媒を用いる方法によりかなりの生産レベルで酢酸ビニルを製造できるが、望ましくない副生物、特に二酸化炭素の生成によりそのような生産レベルは制限される。生成物または副生物の生成率は選択率として表すことができる。これは、反応体から生成しうる理論的最大量に対する%として表されるその生成物の量と定義される。したがって、より低いCO2選択率として表される二酸化炭素生成低下をもたらす手段がきわめて望ましい。【0002】以下の参考文献は、本明細書に開示する本発明の資料と考えることができる。【0003】米国特許第3,775,342号、1973年11月27日発行、および米国特許第3,822,308号、1974年7月2日発行(両方ともクロニッヒら)にはそれぞれ酢酸ビニル用触媒の製造方法が開示されている。これらの方法は、担体を、パラジウムおよび金などの貴金属の溶存塩を含有する溶液A、ならびに担体上でこれらの貴金属塩と反応してそれらの金属の水不溶性化合物を形成しうる化合物を含有する溶液Bで同時にまたは順に処理し、それらの水不溶性化合物を還元剤で処理して水不溶性貴金属化合物を金属に変換し、この触媒を洗浄して水溶性化合物を除去し、還元剤で処理する前または後にカルボン酸アルカリ金属塩などのアルカリ金属化合物を付与することを含む。溶液Aは、所望により銅を含めた他の金属数種の塩を含有してもよい。【0004】米国特許第5,332,710号、1994年7月26日発行(ニコラウら)には、エチレン、酸素および酢酸の反応により酢酸ビニルを製造するのに有用な触媒の製造方法が開示されている。この方法は、パラジウムおよび金の水溶性塩を多孔質担体に含浸させ、含浸担体を反応性溶液に浸漬し、タンブリングしてそれらの化合物を沈殿させることによりパラジウムおよび金を担体上に不溶性化合物として固定し、次いで化合物を還元してそれらの金属の形にすることを含む。【0005】米国特許第5,347,046号、1994年9月13日発行(ホワイトら)には、エチレン、酸素および酢酸の反応により酢酸ビニルを製造するための触媒が開示されている。この触媒は、好ましくは担体材料上に析出させたパラジウム族金属および/またはその化合物、金および/またはその化合物、ならびに銅、ニッケル、コバルト、鉄、マンガン、鉛または銀、あるいはその化合物を含む。【0006】発明の概要本発明によれば、エチレン、酸素および酢酸の反応により、低い二酸化炭素選択率で酢酸ビニルを製造するのに有用な触媒であって、その多孔質表面に触媒として有効な量の金属パラジウムおよび金ならびに酢酸銅(II)が析出した多孔質担体を含む触媒が提供される。酢酸銅(II)中の銅は二酸化炭素選択率を低下させる効果をもつと考えられ、これに伴って、触媒中に酢酸銅(II)が存在しない場合より酢酸ビニル生産率が向上することが多い。【0007】発明の詳細な説明本発明の触媒中の担体は、球、タブレット、円筒形、リング、星形その他、さまざまな規則的または不規則な任意の形状の粒子からなり、約1〜約10mm、好ましくは約3〜9mmの寸法(直径、長さまたは幅など)をもつことができる。約4〜約8mmの直径をもつ球が好ましい。担体材料はいずれか適切な多孔質担体、たとえばシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、チタニア、ジルコニア、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、チタン酸塩、スピネル、炭化ケイ素、カーボンなどからなるものであってよい。【0008】担体材料は、たとえば約10〜約350m2/g、好ましくは約100〜約200m2/gの表面積、たとえば約50〜2000Åの平均孔径、およびたとえば約0.1〜2ml/g、好ましくは約0.4〜約1.2ml/gの細孔容積(pore volume)をもつことができる。【0009】本発明方法に用いる触媒を製造する際には、担体材料をまず担体粒子の多孔質表面に触媒量のパラジウムおよび金を析出させる処理をする。この目的を達成する各種方法のいずれも採用でき、それらはすべて、担体にパラジウムおよび/または金の水溶性化合物の水溶液1以上を同時にまたは順に含浸させることを含む。塩化パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)ナトリウム、塩化パラジウム(II)カリウム、硝酸パラジウム(II)または硫酸パラジウム(II)は適切な水溶性パラジウム化合物の例であり、塩化金(III)またはテトラクロロ金(III)酸のアルカリ金属塩、たとえばナトリウム塩またはカリウム塩を水溶性金化合物として使用できる。テトラクロロ金(III)酸のアルカリ金属塩および塩化パラジウム(II)が、それらの良好な水溶性のため含浸に好ましい塩類である。含浸は“初期湿潤(incipient wetness)”法により達成でき、その際、含浸に用いる水溶性金属化合物溶液(1以上)の量は担体材料の吸収容量の約95〜100%である。溶液(1以上)の濃度は、担体に吸収された溶液(1以上)中のパラジウム元素および金元素の量が予め定めた目的量に等しくなるようなものである。そのような含浸を1回より多く行う場合、吸収された含浸溶液全量中のそれらの金属の量が目的とする最終量に等しい限り、それぞれの含浸は2種類の触媒活性金属の1つまたは任意の組合わせの、最終触媒中における目的量の全部または一部のみに等しい水溶性化合物を含むことができる。特に、後記に詳しく述べるように、1より多い水溶性金化合物溶液を担体に含浸させることが望ましいであろう。含浸は、たとえば約1〜約10gのパラジウム元素およびたとえば約0.5〜約10gの金元素を付与するものであり、金の量はパラジウムの重量に対し約10〜約125重量%である。【0010】担体にパラジウムおよび/または金の水溶性塩を含浸させた後、その都度、水溶液中で適切なアルカリ化合物、たとえばアルカリ金属の水酸化物、ケイ素塩、ホウ酸塩、炭酸塩または炭酸水素塩と反応させることにより、水不溶性化合物、たとえば水酸化物として“固定”する(すなわち沈殿させる)。水酸化ナトリウムおよびカリウムが好ましい固定用アルカリ化合物である。アルカリ化合物中のアルカリ金属は、水溶性塩中に存在する触媒活性カチオンと反応するのに必要な量の、たとえば約1〜約2倍、好ましくは約1.1〜約1.8倍の量とすべきである。金属の固定は初期湿潤法により行うことができ、その場合、含浸した担体を、たとえば150℃の温度で1時間乾燥させ、担体材料の細孔容積の約95〜100%の量のアルカリ物質溶液と接触させ、約1/2〜約16時間放置する;または回転浸漬(roto−immersion)法により行うことができ、その場合、含浸した担体を乾燥させずにアルカリ物質溶液に浸漬し、少なくとも沈殿した水溶性化合物の薄いバンドが担体粒子の表面もしくはその付近に形成される初期の沈殿期間中、回転および/またはタンブリングする。回転およびタンブリングは、たとえば約1〜約10rpmで、たとえば少なくとも約0.5時間、好ましくは約0.5〜約4時間、行うことができる。考慮される回転浸漬法は米国特許第5,332,710号に開示されており、その開示内容全体を本明細書に援用する。【0011】次いでまず固定金属化合物を含有する触媒をアニオン(たとえばハロゲン化物)が含まれなくなるまで洗浄した後、固定した、すなわち沈殿したパラジウムおよび金化合物を、たとえばエチレンを含む蒸気相(たとえば窒素中5%)中で150℃において5時間還元し、たとえば150℃の温度で1時間乾燥させることができる。あるいはそのような還元は、洗浄および乾燥の前に、液相中、室温で、水和ヒドラジン水溶液により行うことができ、その際、担体上に存在するすべての金属化合物を還元するのに必要な量より過剰のヒドラジンは、たとえば約8:1〜約15:1であり、次いで洗浄および乾燥させる。担体上に存在する固定金属化合物を還元するために、当技術分野で慣用される他の還元剤および還元手段を採用できる。固定金属化合物の還元により主に金属が生成するが、少量の金属酸化物が存在してもよい。1回より多い含浸工程および固定工程を用いる製造方法では、還元を各固定工程後に行うか、または金属元素すべてが担体に固定された後に行うことができる。【0012】以上の一般法の一例として、触媒活性金属元素を担体に固定し、酢酸銅(II)の含浸前に、これらの水溶性金属化合物を還元して目的の金属形にする“分離固定”法を採用できる。この方法では、前記の具体的方法で担体にまず水溶性パラジウム化合物の水溶液を初期湿潤法により含浸させ、次いで初期湿潤法または回転浸漬法、好ましくは回転浸漬法により固定用アルカリ溶液で処理することによってパラジウムを固定する。次いで触媒を乾燥させ、触媒中の目的量の金を含む可溶性金化合物の溶液を別個に含浸させ、そして初期湿潤法または回転浸漬法、好ましくは回転浸漬法により固定用アルカリ溶液で処理することによって金を固定する。金を初期湿潤法で固定する場合、可溶性金化合物と溶液中のすべての金を固定された不溶性金化合物(たとえば水酸化金)に変換するのに必要な量より過剰な量の固定用アルカリ化合物との単一水溶液を用いて、この固定を含浸工程と組み合わせることができる。蒸気相で還元剤としてエチレンなどの炭化水素または水素を用いる場合、固定した金属化合物を含有する触媒をアニオンが含まれなくなるまで洗浄し、乾燥させ、前記のようにエチレンその他の炭化水素で還元する。液相でヒドラジンを還元剤として用いる場合、固定した金属化合物を含有する触媒を洗浄および乾燥前に過剰の水和ヒドラジン水溶液で処理して金属化合物を金属に還元し、次いで前記のように触媒を洗浄および乾燥させる。【0013】酢酸銅(II)含浸前の触媒を調製するための他の具体的方法は、“改変型回転浸漬”法である。この場合、金の一部のみをパラジウムと共に最初の含浸で含浸させ、これらの金属を固定用アルカリ化合物との反応により回転浸漬法で固定し、固定した金属化合物をたとえばエチレンまたは水和ヒドラジンで還元して遊離金属にし、エチレン還元前またはヒドラジン還元後に洗浄および乾燥を行う。次いで触媒に残りの金を水溶性金化合物溶液の形で含浸させ、前記のように洗浄および乾燥の後または前に触媒をエチレンまたはヒドラジンで再び還元する。この改変型回転浸漬法については国際特許出願公開第WO94/08714号(1994年4月28日付け)にさらに詳しく記載されており、その開示内容全体を本明細書に援用する。【0014】担体材料上に析出した金属の形のパラジウムおよび金を含有する触媒を以上のいずれかの方法で製造した後、これに酢酸銅(II)(1水和物または無水)の水溶液を、好ましくは初期湿潤法で含浸させる。次いで触媒を乾燥させ、これにより最終触媒は最終触媒1リットル当たり銅元素約0.3〜約5.0g、好ましくは約0.5〜約3.0gの量の酢酸銅(II)を含有する。【0015】有利には、金属の形のパラジウムおよび金を含有する触媒に酢酸アルカリ金属塩、好ましくは酢酸カリウムまたはナトリウム、最も好ましくは酢酸カリウムの溶液を含浸させることもできる。乾燥後、最終触媒は最終触媒1リットル当たり約10〜約70g、好ましくは約20〜約60gの酢酸アルカリ金属塩を含有してもよい。触媒に酢酸アルカリ金属塩を含浸させるこの任意の操作を実施する場合、これは酢酸銅(II)を含浸させる前または後に行うことができる。しかし好ましくは、酢酸アルカリ金属塩の含浸を酢酸銅(II)の含浸と組み合わせる。すなわち、金属パラジウムおよび金を含有する触媒に酢酸銅(II)と酢酸アルカリ金属塩の両方の単一溶液を含浸させて最終触媒にし、これにより、乾燥後に目的量の両酢酸塩を含有する最終触媒が得られる。【0016】本発明の触媒を用いて酢酸ビニルを製造する場合、エチレン、酸素または空気、酢酸、および望ましくは酢酸アルカリ金属塩を含有するガス流を触媒上に通過させる。ガス流の組成は爆発限界を考慮して、広い限界内で変更できる。たとえばエチレン:酸素のモル比は約80:20〜98:2であってよく、酢酸:エチレンのモル比は約100:1〜約1:100、好ましくは約10:1〜約1:8であってよく、ガス状酢酸アルカリ金属塩の含量は用いる酢酸の重量に対し約1〜100ppmであってよい。ガス流は他の不活性ガス、たとえば窒素、二酸化炭素および/または飽和炭化水素を含有してもよい。採用できる反応温度は高められた温度、好ましくは約150〜220℃の温度である。用いる圧力はわずかな減圧、常圧、または高められた圧力であってよく、好ましくは最高約20ゲージ気圧の圧力である。【0017】本発明の触媒を用いる酢酸ビニル製造方法の有利な変法は、プロセスへの反応体供給流にハロゲンを含有しない銅化合物を添加するものである。ハロゲンを含有しない銅化合物は、好ましくはわずかに水溶性または酢酸可溶性(たとえば20℃で少なくとも約0.3g/l)であり、たとえば酢酸銅(II)(無水または1水和物)(これが好ましい)、硝酸銅(II)3水和物もしくは6水和物、硫酸銅(II)(無水または5水和物)、またはギ酸銅(II)(無水または5水和物)であってよい。反応に供給する銅化合物の量は、たとえば供給流中の酢酸に対し約10ppb(parts per billion)〜約50ppm(parts per million)、好ましくは約20ppb〜約10ppmの銅元素を付与する量であってよい。この特色により、長期間の使用中に触媒の揮発により触媒の酢酸銅(II)が失われる量が少なくなり、二酸化炭素選択率の上昇が低下する。【0018】以下の実施例により本発明をさらに説明する。実施例この実施例では、担体上にパラジウムおよび金をそれらの金属状態で含有する触媒を“分離固定”法により製造し、次いで酢酸銅(II)および酢酸カリウムを含浸させる。【0019】公称直径7mm、表面積約160〜175m2/g、および細孔容積約0.68ml/gをもつサッド・ヘミー(Sud Chemie)KA−160シリカ球からなる担体材料に、まず触媒1リットル当たり約7gのパラジウム元素を付与するのに十分な塩化パラジウム(II)ナトリウム水溶液を初期湿潤法で含浸させた。次いで、触媒を回転浸漬法により、Na/Clモル比が約1.2:1となる水酸化ナトリウム水溶液で処理することによって、パラジウムを水酸化パラジウム(II)として担体に固定した。次いで触媒を流動床乾燥機内で100℃において1時間乾燥させ、次いでこれに初期湿潤法で、触媒に4g/lの金元素を付与するのに十分な量のテトラクロロ金酸ナトリウムおよびNa/Clモル比が約1.8:1となる水酸化ナトリウムの水溶液を含浸させて、金を水酸化金として担体に固定した。次いで塩素を含まなくなるまで(約5時間)触媒を水で洗浄し、150℃で1時間、窒素流中で乾燥させた。次いで、触媒を蒸気相のエチレン(窒素中5%)と150℃で5時間接触させることにより、水酸化パラジウムおよび水酸化金を金属に還元した。最後に、触媒に初期湿潤法で、触媒1リットル当たり約1.9gの銅元素を付与するのに十分な量の酢酸銅(II)1水和物および触媒1リットル当たり40gの酢酸カリウムを付与するのに十分な量の酢酸カリウムの水溶液を含浸させ、流動床乾燥機内で100〜150℃において1時間乾燥させた。【0020】この例で製造した触媒を、エチレン、酸素および酢酸の反応による酢酸ビニル製造におけるその活性について試験した。これを行うために、上記で製造した触媒約60mlをかごの上下両方にある熱電対により温度を測定できるステンレス鋼網かごに入れた。かごを再循環式のバーティー(Berty)連続撹拌槽反応器に入れ、電気加熱マントルにより約45%の酸素転化率を与える温度に保持した。約130l/時の(N.T.P.で測定)エチレン、約26l/時の酸素、約128l/時の窒素、約131g/時の酢酸、および約2mg/時の酢酸カリウムのガス混合物を、約12気圧の圧力下でかごに導通した。反応は約18時間後に終了した。最終生成物の最適分析が得られるように生成物流を約10℃で濃縮することによるオフライン液体生成物分析と組み合わせたオンラインガスクロマトグラフィー分析により、生成物の分析を行った。そのような分析で、CO2選択率7.35%、重質残分(heavy ends)選択率0.98%、および下記の方法でコンピューター計算した反応の相対活性(活性係数として表示)1.70が示された:コンピュータープログラムは、活性係数と触媒温度(反応中の)、酸素転化率、および酢酸ビニル合成中に起きる反応の反応速度パラメーターを関連づける、一連の方程式を用いる。より一般的には、活性係数は一定の酸素転化率を達成するのに必要な温度に反比例する。【0021】この例で得られた7.35%のCO2選択率は、酢酸銅(II)を含有しない同様にして製造した7mmのパラジウム−金触媒により通常得られる選択率より実質的に低い。酢酸銅(II)を含有しない、実施例1の記載と同様にして製造した7mmのPd/Au触媒は、9.3%のCO2選択率および約2.2の活性を示すことが認められた。 金属パラジウムおよび金の析出物を含有する多孔質担体に酢酸銅(II)溶液を含浸させることを含む、エチレン、酸素および酢酸の反応により酢酸ビニルを製造する方法であって、その際、多孔質担体は、水溶性パラジウム塩の水溶液を多孔質担体に含浸させ、パラジウムをアルカリ化合物との反応により水不溶性化合物として固定し、次いでこの触媒に水溶液金塩の溶液を含浸させ、後者の含浸に際し存在する溶液中の金を、その溶液中に溶存する水溶性塩とアルカリ化合物を反応させて水不溶性金化合物を沈殿させることにより固定し、そして触媒中に存在するパラジウムおよび金の水不溶性化合物をそれらの金属状態に還元することを含む工程で調製されるものである方法。 金属パラジウムおよび金の析出物を含有する多孔質担体に酢酸銅(II)溶液を含浸させることを含む、エチレン、酸素および酢酸の反応により酢酸ビニルを製造する方法であって、その際、多孔質担体は、最終触媒において目的とする全量のパラジウム元素を含有する水溶性パラジウム塩および最終触媒において目的とする量の一部の金元素のみを含有する水溶性金塩の溶液を担体に含浸させ、含浸担体をアルカリ化合物の溶液に浸漬した状態で回転および/またはタンブリングさせることにより溶液中のパラジウムおよび金を水不溶性化合物として固定し、固定したパラジウムおよび金をそれらの金属状態に還元し、この触媒に、触媒中の金元素の全量が最終触媒において目的とする金元素量に等しくなる量の水溶性金塩の他の溶液を含浸させ、この溶液は添加した金を水不溶性化合物として固定するアルカリ化合物をも含有し、そして固定した添加金をその金属状態に還元することを含む工程で調製されるものである方法。 含浸は、含浸触媒上に析出した酢酸銅(II)が触媒1リットル当たり0.3〜5.0gの銅元素を含有するものである、請求項1または2記載の方法。 酢酸銅(II)が触媒1リットル当たり0.5〜3.0gの銅元素を含有する、請求項1または2記載の方法。 多孔質担体が触媒1リットル当たり1〜10gのパラジウムおよび0.5〜10gの金を含有し、金の量はパラジウムの重量に対し10〜125重量%である、請求項1または2記載の方法。 酢酸銅(II)の溶液が、溶存する酢酸アルカリ金属塩をも含有する、請求項1または2記載の方法。 酢酸アルカリ金属塩が、触媒1リットル当たり10〜70gの量で触媒上に析出した酢酸カリウムである、請求項1または2記載の方法。


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