タイトル: | 特許公報(B2)_非イオン性界面活性剤とハロゲンアニオン類とを含む改善されたヨウ素抗菌溶液 |
出願番号: | 2000516530 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | A01N 59/12,A01N 25/04,A01N 25/30,A61K 9/08,A61K 33/14,A61K 33/18,A61K 47/32,A61K 47/34,A61P 31/02,A01P 3/00 |
フォーレット クリス ヘムリング トーマス ジー. JP 4467179 特許公報(B2) 20100305 2000516530 19980806 非イオン性界面活性剤とハロゲンアニオン類とを含む改善されたヨウ素抗菌溶液 ウエスト アグロ, アイエヌシー. 598084286 渡辺 望稔 100080159 三和 晴子 100090217 フォーレット クリス ヘムリング トーマス ジー. US 08/956,774 19971021 20100526 A01N 59/12 20060101AFI20100428BHJP A01N 25/04 20060101ALI20100428BHJP A01N 25/30 20060101ALI20100428BHJP A61K 9/08 20060101ALI20100428BHJP A61K 33/14 20060101ALI20100428BHJP A61K 33/18 20060101ALI20100428BHJP A61K 47/32 20060101ALI20100428BHJP A61K 47/34 20060101ALI20100428BHJP A61P 31/02 20060101ALI20100428BHJP A01P 3/00 20060101ALI20100428BHJP JPA01N59/12A01N25/04A01N25/30A61K9/08A61K33/14A61K33/18A61K47/32A61K47/34A61P31/02A01P3/00 A01N A61K 特開平07−017819(JP,A) 英国特許第01475695(GB,B) 特表平05−502660(JP,A) 7 US1998016274 19980806 WO1999020107 19990429 2001520173 20011030 14 20050621 冨永 保 【0001】(発明の分野) 本発明は各々かなりの量の有効ヨウ素と非イオン性活性剤とを含み、ヨウ素の溶解を補助する作用を持つ低価格のハロゲン化物イオンをかなりの量追加した改善されたヨウ素系の抗菌水溶液に広く関する。より具体的には、安定な水溶液を与えつつ、ヨウ素溶解補助用途のハロゲン化物イオンである塩化物イオンと非イオン性界面活性剤との組み合わせにより、相対的により高価であるヨウ化物イオンの必要性を著しく減少させるか、または排除する水溶液(希釈可能な濃縮液であっても、最終的な使用形態の溶液の状態であってもよい)に関する。【0002】(従来技術の説明)硬い面の殺菌または皮膚への局部塗付用に使用されるヨウ素系の抗菌組成物は広く使用されている。前者の類の組成物は通常、金属機器の表面、例えば牛乳処理装置の表面の殺菌に使用されている。局部塗付用の組成物は主に手術前の殺菌製剤、ハンドクリーナのような製品や乳腺炎予防のための牛の乳首ディップに使用される。例えば、米国特許3,728,449号明細書および5,368,868号明細書には洗浄剤のヨウ素生成物が示されている。【0003】米国特許2,931,777号明細書には非イオン性界面活性剤の使用により、殺菌製剤中のヨウ素の溶解性が改善されることが示されている。混合物は通常、非イオン性界面活性剤にヨウ素を加えて非水性の溶液を調製した後、これに水を加えて目的の水溶液とする。ヨウ素は非イオン性界面活性剤に溶解しているので、ヨウ素の約14〜55%はヨウ化物イオンおよび/または有機結合されたヨウ素に転換されている。分子状のヨウ素のみが殺菌性を有するので、当初添加したヨウ素のうち、ヨウ化物または有機化合物に転換された部分は殺菌効果を与えることなく製剤にコストを付与する。しかし、水溶液中に有効なヨウ素分子が溶解している状態を維持するためには十分な量のヨウ化物が存在していることが必要である。【0004】米国特許3,028,299号明細書は、非イオン性界面活性剤またはカチオン性界面活性剤を含む溶液中のヨウ素の溶解を補助するためヨウ素1部当たり0.25部のヨウ化物を添加する概念を開示する。ヨウ化物塩を直接非イオン性界面活性剤に添加すると、溶液中にヨウ素分子を溶解させておくのに必要なヨウ化物の量をわずかに減少させることができる。【0005】米国特許5,002,763号は、錯体のヨウ素生成物、特にポリビニルピロリドン(PVP)と、塩化水素およびヨウ素からなる特別に水溶性の錯体を扱っている。前記明細書によると、粉末状をした水溶性の(PVP)2 HCl:I2 錯体は、始めにPVP粉末とガス状のHClから中間錯体を形成し、その後ヨウ素を添加する2段階の予備プロセスによって得られる。【0006】(発明の開示) 本発明は広く各々かなりの量の通常の利用可能なヨウ素と非イオン性界面活性剤とに、かなりの量のヨウ素溶解補助用途のハロゲン化物イオンを追加してなる希釈可能な濃縮液または最終的な使用形態である水溶液の状態の改善されたヨウ素系抗菌水溶液を与える。そのような水溶液は非常に安定で、ヨウ素を溶解させる必要性を大幅に減少させ、または排除することが見出された。そのような効用は、本発明の溶液が有効ヨウ素の溶解補助剤としてかなり高価なヨウ化物イオン源の代わりに塩化ナトリウムのような非常に安価なハロゲン化物イオン源を用いていることにある。【0007】 本発明の濃縮溶液は8〜12質量%の有効ヨウ素と、5〜25質量%の非イオン性界面活性剤とを含む。溶解補助用途のハロゲン化物イオンは1.8〜3質量%の濃度で存在する。多くの例では、そのような濃縮溶液は少量の緩衝剤と、緩和剤、増粘剤および湿潤剤のような他の随意の配合剤を含む。濃縮溶液のpHは−1から7までの範囲である。【0008】 本発明においては、非イオン性界面活性剤として、ポリエトキシル化されたポリオキシプロピレンブロック共重合体、またはC4 〜C12のアルキル基を有するアルキルフェノールエトキシレートを使用できる。プルロニック類(Pluronic family)の非イオン性界面活性剤、特に分子量が2,000以上の界面活性剤を使用した場合に非常に良好な結果が得られている。【0009】 溶解性を増加させるハロゲン化物イオン源の選定は、主に費用によって決定される。通常、そのようなイオン源は塩化ナトリウム、または塩化水素酸が選定される。【0010】 塩化物イオンの使用量は、0.01〜5質量%である。【0011】皮膚用製剤が必要な場合、使用形態の製剤は通常、一つ以上の緩和剤、特にグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、ポリエトキシル化されたラノリン、ソルビトールおよびそれらの混合物から選定される緩和剤を含む。【0012】本発明のヨウ素溶液は一般に緩衝剤を含む。低分子量の脂肪酸のような緩衝液や、リン酸のような無機酸が使用可能である。濃縮液および目的の使用時の溶液の総合的な湿潤特性および粘度特性を改善するために湿潤剤および増粘剤を添加してもよい。有効な湿潤剤にはスルホコハク酸ナトリウム・ジオクチルエステルであり、増粘剤としてはキサンタンガムやアルギンが好適である。酸性殺菌剤の調製において、0〜50重量%のリン酸または硫酸のような酸源(acid source)が利用可能である。主要物質である非イオン性界面活性剤の錯化特性を補足するため、ポリビニルピロリドンのような追加の錯化剤も使用可能である。【0013】 本発明の濃縮液の調製において、ヨウ素、非イオン性界面活性剤およびヨウ素溶解補助用途のハロゲン化物イオンは水に添加し、実質的に均一な混合物とするために十分な時間混合することができる。周知の通り、これにより一部のヨウ素分子はヨウ化物に転換し、ヨウ素の錯体化が起こる。しかし、塩化物イオンが存在した場合、ヨウ素の転換量は実質的に減少し、殺菌剤として有効なヨウ素分子がより多く残ることとなる。例えば、5gのヨウ素95gのノニルフェノールエトキシレートの組み合わせでは、ヨウ素溶解後に有効ヨウ素としての残るヨウ素の量はわずか3.6gである。すなわち、ヨウ素の28%がヨウ化物に転換し、および/または有機的に結合したことになる。これと比較すると、本発明による溶液を9gのヨウ素、15gのPluronic P105、5gの塩化ナトリウムおよび71gの水の組み合わせで調製した場合、ヨウ素の溶解後、8.37gの有効ヨウ素が残る。すなわち、当初のヨウ素のうちわずか7%がヨウ化物に転換したことになる。【0014】 塩化物イオンを含んだ非イオン性界面活性剤中にヨウ素を溶解するプロセスは、開始時に少量のヨウ化物イオンを添加することにより促進されることが確認されている。前述の実施例では、溶解補助プロセス開始時に、ヨウ素総量の7%をヨウ化物イオンの状態で添加すると、有効ヨウ素を同じ濃度に維持しながら、混合物の溶解速度はヨウ化物を添加しない場合の3倍に促進される。【0015】本発明による使用形態の溶液は、対応する濃縮液の単純な希釈により最も容易に調製される。若しくは、使用形態の溶液は中間的に濃縮液を調製することなく直接調製することもできる。後者の場合では、好ましいプロセスは濃縮液について参照に記述したのと全く同じである。すなわち、使用形態の溶液の構成成分を同時に混合する、好ましくは適当な量のヨウ化物イオンの存在下で混合する。【0016】本発明の濃縮液および使用形態の溶液は優れた安定性を呈する。特に、これらの溶液は室温貯蔵条件下で、少なくとも約3カ月間にわたって、より好ましくは少なくとも約1年間にわたって有効ヨウ素を許容可能な範囲に維持している。有効ヨウ素の量を十分維持できるのは、有効ヨウ素を基準値である製造時の量の±20%以内に維持する溶液の能力による。さらに、組成物の溶液安定性は約2〜40℃の温度で長期間(例えば少なくとも一週間)貯蔵した後、製品を本質的に完全な均一状態に維持している。凍結時、特に連続的な数回の凍結・解凍サイクルを実施した後、製品は分離した状態になる場合もあるが、単純な振とうまたは攪拌によって容易に均一な混合状態に戻る。【0017】(好ましい実施形態)本発明における好ましい方法を以下の実施例に開示する。これらの実施例は説明のために与えるが、本発明の全体の範囲はこれらの実施例に限定されない。【0018】(実施例1)15gのPluronic P105、5gの塩化ナトリウム、9gのヨウ素および71gの脱イオン水を室温で4時間混合し、濃縮された殺菌ヨウ素生成物を得た。この生成物の初期の有効ヨウ素濃度は8.4%であった。50℃で2週間貯蔵した後の有効ヨウ素濃度は8.3%まで低下した。【0019】(実施例2) ガラス製の反応容器内で20gのPluronic P105と、5gの塩化ナトリウムと、0.8gのヨウ化ナトリウムと、63.2gの脱イオン水とを混合することにより濃縮された殺菌ヨウ素生成物を得た。混合物は構成成分の全てが完全に溶解するまで混合させた。次に、11gのヨウ素を溶液に添加し、強く混合させた。ヨウ素を完全に溶解するのに室温で約24時間を要した。最終的な生成物中の初期の有効ヨウ素濃度は10.35質量%であった。50℃で2週間経た後のヨウ素濃度は10.08質量%まで低下した。【0021】(実施例3) 本実施例では、そのまま使用可能な生成物を調製するのに実施例2の濃縮ヨウ素生成物を使用した。初めに4gのPluronic P105を85.8gの水に溶解した。次に0.2gのリン酸(緩衝液)を十分な量の水酸化ナトリウムと共に混合し、pHを5.5に調整した。続いて、実施例2の殺菌ヨウ素生成物を混合物に混合させた。【0022】(実施例4) 本実施例では、実施例3に示したような濃縮液を予め調製する必要なしにそのままの状態で使用可能な殺菌ヨウ素生成物を調製した。中間の溶液を形成するため、84.74gの水を0.06%Keltrol(増粘剤)を混合させた。この中間溶液に3gのPluronic P105、0.25gのクエン酸および0.5gの塩化ナトリウムを加え、pHを5.5に調整するため十分な量の水酸化ナトリウム(50%、0.28g)を添加した。その後、1.07gのヨウ素と0.1gのヨウ化ナトリウムを添加し、ヨウ素が溶解するまで強く混合させた。最後に10gのグリセリン緩和剤を添加し、最終目的の使用形態の殺菌ヨウ素溶液を得た。初期の有効ヨウ素濃度は0. 87質量%であり、50℃で2週間経た後のヨウ素濃度は0.866質量%であった。【0023】(実施例5) 中間の溶液を得るのに0.1gのKeltrol(増粘剤)と96.29gの水とを混合し、そのまま使用可能な殺菌ヨウ素溶液を得た。この中間の溶液に0.2%塩化ナトリウム、1.0%Pluronic P105、0.05%ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、2%グリセリン、0.1%クエン酸を加え、混合物のpHを5.5に調整するため十分な量の水酸化ナトリウム(50%)を添加した。次に0.11gのヨウ素と0.10%ヨウ化ナトリウムを添加し、クエン酸または水酸化ナトリウムを用いてpHを5.5に再度調整した。そのまま使用可能な殺菌ヨウ素溶液の有効ヨウ素濃度は0.090質量%であり、50℃で2週間経た後のヨウ素濃度は0.090質量%であった。【0024】(実施例6) 第三のそのまま使用可能な殺菌ヨウ素溶液は、初めに0.1gのKeltrolと87.4gの水とを混合することにより調整した。次に6.0gのPluronic P127を加え、pHを5.5に調整するために0.5gのクエン酸と十分な量の水酸化ナトリウム(50%)を添加した。続いて、混合物に0.4gの塩化ナトリウムと0.60gのヨウ素を溶解させ、最後に5gのグリセリンを添加することにより調製が完了した。【0025】本実施例では、含有するヨウ素の溶解度を決定するため、含有するヨウ化カリウム、塩化ナトリウムおよび水の量を変えた数種類の溶液を分析した。ヨウ素の溶解度は、過剰なヨウ素を添加し、可能な限りのヨウ素が溶解するまで混合させた試験水溶液の100部を取ることにより測定した。表1に試験溶液の組成と各々の溶液に溶解するヨウ素の最大量を示す。塩化物塩のみでは試験水溶液中のヨウ素の溶解度への影響はほとんどなかった。しかし、非イオン性界面活性剤の存在下で塩化ナトリウムを添加したものでは、次の実施例で示すようなこれら組み合わされた組成物の相乗作用により、ヨウ素の溶解度が大きく改善された。【0026】(表1:水溶性の塩溶液中のヨウ素の溶解度)【0027】(実施例8) 本実施例は、ヨウ素の溶解度に対するPluronic P105と、ポリアルキレンオキシドブロック共重合体と塩化ナトリウムとの組み合わせによる相乗作用を示す。Pluronic P105、塩化ナトリウムおよび水の含有量を変えた数種類の溶液を用いてヨウ素溶解補助能力を試験した。ヨウ素の溶解度は非イオン性界面活性剤、塩化物塩を含む試験水溶液に、ヨウ素を0.5部または1部ずつ増量しながら添加し、その100部を取ることにより分析する。添加したヨウ素が溶解した場合、再度ヨウ素を添加し、これ以上溶解しなくなるまでその手順を繰り返した。表2には各々の試験溶液に溶解するヨウ素の最大量と、溶解限界を超えたヨウ素の最小量の範囲を示している。【0028】表2のデータは、Pluronic P105のようなポリアルキレンオキシドブロック共重合体と塩化ナトリウムとを混合することにより、ヨウ素の溶解度が大幅に改善されることを示している。例えば、5%塩化ナトリウム水溶液のみでは、0.048%のヨウ素しか溶解できず、塩化ナトリウムを加えていない15%Pluronic P105水溶液は溶液100部当たり1.5部のヨウ素しか溶解できなかった。しかし、15%Pluronic P105と5%塩化ナトリウムとを混合した水溶液は溶液100部当たり10〜11部のヨウ素を溶解した。【0029】表2は最大量のヨウ素を溶解する塩化ナトリウムの最適濃度を確認している。それ故、この最適濃度に対し過剰の塩化ナトリウムを添加しても、溶液のヨウ素溶解能を必ずしも改善しない。非イオン性界面活性剤に対し過剰な量の塩化ナトリウムを添加すると、界面活性剤の曇り点を低下させる傾向がある。そのため、広い温度範囲で安定な溶液を得るにはヨウ素の溶解を補助する上で最小限の量の塩を添加するのが一般によい。【0030】(表2:25℃のPluronic P105/塩化ナトリウム混合物中のヨウ素の最大溶解度)【0031】(実施例9) 本実施例では、Igepal CO720(ノニルフェノールポリエチレンオキシド)の単独溶液または塩化ナトリウムとの混合溶液中におけるヨウ素の最大溶解度を試験した。表3に示すように、塩化ナトリウムとノニルフェノールポリエチレンオキシド界面活性剤との混合溶液は、ノニルフェノールポリエチレンオキシド単独または塩化ナトリウム単独よりも、より効率的にヨウ素を溶解し、それにより溶液中のヨウ素の溶解度に対する界面活性剤と塩化物塩との劇的な相乗作用を表している。ヨウ素の溶解度は実施例8に示したのと同様の方法を用いて、NaCl、Igepal CO720および水の含有量を変えた数種類の試験溶液を用いて試験した。これら試験の結果を表3に示した。【0032】(表3:25℃のIgepal CO720/NaCl混合物中のヨウ素の溶解度)【0035】(実施例10) 本実施例では、塩化物アニオンを含む非イオン性界面活性剤中におけるヨウ素の溶解プロセスが少量のヨウ化物アニオンの添加によって促進されている。5%塩化ナトリウムを添加した15%Pluronic P105溶液のケースでは、ヨウ素の約7%が反応してヨウ化物イオンを生じている。そのため溶解補助プロセス開始時に、ヨウ素の総量のうちの7%をヨウ化物の形態で添加した。15%のPlironic P105、5%塩化ナトリウムおよび0.74gのヨウ化ナトリウムからなる溶液は、開始時にヨウ化物を含まない溶液に比べ3倍の速さで8.37部のヨウ素を溶解し、溶解したヨウ素の大部分は有効ヨウ素の形態を維持していた。表4は少量のヨウ化ナトリウムの有無による、ヨウ素の溶解に要する時間の差を表している。【0036】(表4:ヨウ素の溶解速度に対するヨウ化物塩の影響)【0037】(実施例11) 塩化ナトリウムの使用に加えて、効果的に溶液中の溶解を補助させるために他の塩化物を使用した。表5は15%Pluronic P105溶液中のヨウ素の溶解度に対する塩化カリウム、塩化リチウムおよび塩化水素酸の影響を表している。【0038】(表5:ヨウ素の溶解度に対する異なる塩化物の影響)【0039】(実施例12) 本実施例では、数種類の溶液の自由ヨウ素の濃度を決定した。表6に示したデータは、塩化物またはヨウ化物の濃度の増加が、溶液中の自由ヨウ素値を下げる効果があることを示している。この効果は塩化物またはヨウ化物が非イオン性界面活性剤中に存在するヨウ素と錯体を形成することによる。表6に示すように、塩化物を含む試験溶液の自由ヨウ素値は、等量のヨウ化物を含む対応する溶液の値よりもかなり高い。高い自由ヨウ素値は通常、より効果的な殺菌剤に対応する。自由ヨウ素濃度を最適化するには通常、殺菌効果に関し十分な濃度であるが、腐食を生じない程度の濃度であることが望ましい。自由ヨウ素濃度はヨウ素を錯化する塩化物または臭化物と、ヨウ化物との混合物を使用することにより最適化することができる。【0040】(表6:塩化物またはヨウ化物を含む溶液に関する自由ヨウ素値)【0041】(実施例13) ヨウ素の長期の安定性は調製溶液にヨウ素酸塩のような酸化剤を添加することによって改善される。米国特許4,271,149号には、ヨウ素とヨウ化物種を含む系に酸化剤を添加することにより改善された安定性が得られることが示されている。同様の安定性はヨウ素と塩化物を含む調製溶液にヨウ素酸塩を添加することで得られる。表7はヨウ素酸塩の添加の有無と生成物中のヨウ素の安定性との関係を示している。【0042】(表7:塩化物およびヨウ素酸塩を含む生成物中のヨウ素)【0043】以下の表は本発明による濃縮液および使用形態の溶液の必須構成成分および随意の構成成分のおおよその一般範囲、好ましい範囲および最も好ましい範囲を要約している。【0044】 水性の抗菌組成物であって、 ヨウ素分子として存在する有効ヨウ素を0.05〜5質量%の量で含み、 ヨウ化物イオンを0.01〜0.5質量%の濃度で含み、 非イオン性界面活性剤を0.01〜5質量%の量で含み、前記非イオン性界面活性剤が、ポリエトキシル化されたポリオキシプロピレンブロック共重合体、または、C4 〜C12のアルキル基を有するアルキルフェノールエトキシレートであり、 塩化物イオンを0.01〜5質量%の濃度で含み、 前記組成物のpHが2〜8であり、 2〜40℃の温度で、少なくとも一週間という長期間貯蔵した後、本質的に完全な均一状態を維持しており、 そのままで使用可能な溶液である抗菌組成物。 水性の抗菌組成物であって、 ヨウ素分子として存在する有効ヨウ素を8〜12質量%の量で含み、 ヨウ化物イオン0.1〜5質量%の濃度で含み、 非イオン性界面活性剤を5〜25質量%の量で含み、前記非イオン性界面活性剤が、ポリエトキシル化されたポリオキシプロピレンブロック共重合体、または、C4 〜C12のアルキル基を有するアルキルフェノールエトキシレートであり、 塩化物イオンを1.8〜3質量%の濃度で含み、 前記組成物のpHが−1〜7であり、 2〜40℃の温度で、少なくとも一週間という長期間貯蔵した後、本質的に完全な均一状態を維持しており、 希釈可能な濃縮物である抗菌組成物。 酸源(acid source)含んだ請求項1または2に記載の抗菌組成物。 ある量のポリビニルピロリドンを含んだ請求項1〜3のいずれかに記載の抗菌組成物。 緩衝剤を含んだ請求項1〜4のいずれかに記載の抗菌組成物。 緩和剤を含んだ請求項1〜5のいずれかに記載の抗菌組成物。 前記塩化物イオンが、塩化ナトリウムおよび塩化水素酸からなる群から選択されるイオン源から得られる請求項1〜6のいずれかに記載の抗菌組成物。