タイトル: | 特許公報(B2)_湿布貼付具 |
出願番号: | 2000304381 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | A61M 35/00,A61K 9/70 |
山永順一 JP 4742185 特許公報(B2) 20110520 2000304381 20001004 湿布貼付具 山永 順一 597164448 山永順一 JP 2000038974 20000217 20110810 A61M 35/00 20060101AFI20110721BHJP A61K 9/70 20060101ALN20110721BHJP JPA61M35/00 ZA61K9/70 401 A61M 35/00 A61H 7/00 A61K 9/70 特開平01−280475(JP,A) 特開平10−075986(JP,A) 実開昭50−114995(JP,U) 特開平11−089882(JP,A) 3 2001299933 20011030 8 20070622 特許権者において、実施許諾の用意がある。 宮崎 敏長 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、一人で手が届かない背中の中央部に、容易に湿布を貼り付けできる湿布貼付具に関するものである。【0002】【従来の技術】従来、この種の湿布貼付具としては、平板状のもの(例えば実用新案登録第3003156号参照)や、ローラーを取り付けたもの(例えば特開平10−57416号公報参照)が知られている。【0003】【発明が解決しようとする課題】従来、ローラーを利用したこの種の湿布貼付具は、平板状の湿布貼付具が面で当たるため背中の凹凸になじまないのに対し、線で当たるためなじみやすく、貼付性においては優れているが、装着時にローラーが一緒に回って装着しずらい欠点や、貼った湿布を剥がす時に別の道具を必要とするなどの不都合があった。【0004】本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、湿布を湿布貼付具に簡単に装着でき、一人で手が届かない背中の中央部に、容易に湿布を貼り付けできる湿布貼付具を提供するものである。【0005】【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の湿布貼付具は、柄(1)の先端部に保持枠(2)を設け、保持枠(2)の内部にローラー(4)を回動自在に取り付ける。そして、保持枠(2)の後壁(6)をローラーの外周接線延長上に傾斜させて形成し、後壁(6)の下部に支点軸(7)を介して固定板(8)を開閉自在に取り付けたものである。【0006】そして、上記固定板(8)は、左固定板(8L)と右固定板(8R)に2分割し、それぞれ単独に開閉できるようにした方がよい。【0007】また、柄(1)の後部に、持ちやすいように把持部(13)を設けてもよいし、後端部に剥し部(14)を設けてもよい。【0008】さらに、柄(1)の中間部に、接触子桿(16)を揺動自在に取付け、その先端部に接触子(17)を設け、指先で出し入れするようにしてもよい。【0009】【発明の実施の形態】発明の実施の形態を、実施例にもとづき図面を参照して説明する。図1〜図4は本発明の一実施例の図面であって、背中に沿うように弓なりに曲げた柄(1)の先端部に保持枠(2)を取付ける。そして、その内部に回転軸(3)を介してローラー(4)を回動自在に取付け、ローラー(4)の外周にはスポンジ等の弾性体(5)を巻着する。また、保持枠(2)の後壁(6)をローラーの外周接線延長上に傾斜させて形成し、その下部に支点軸(7)を介して固定板(8)を開閉自在に取付ける。【0010】上記湿布貼付具に湿布を装着する場合、図5図6に示すように、湿布貼付具を床(9)或いは台上に置いて固定板(8)を開き、あらかじめ剥離フィルムを剥した湿布(11)を、粘着面(10)を上向きにしてローラーの上部と後壁(6)の面上に載せ、湿布(11)の上部端の方を後壁(6)との間に挟み込む様にして固定板(8)を閉じると、湿布(11)の粘着面(10)に固定板(8)の裏面が粘着し、湿布(11)が湿布貼付具に固定される。【0011】次に、本発明の湿布貼付具を用いて、湿布を背中(12)に貼り付ける要領について、図7(a)〜(d)にもとづき説明する。まず図7(a)に示すように湿布(11)を装着した湿布貼付具の柄(1)の後部を手で持って背中の方へ持ってゆき、図7(b)に示すようにローラー(4)を背中(12)に押し付けると、湿布(11)の上部が背中に貼り付く。次に、図7(c)に示すように、湿布貼付具を上方へ引き上げると固定板(8)から湿布(11)が引き剥がされ、さらに、図7(d)に示すように、湿布貼付具を下方に持って行き、ローラー(4)を転がして背中の凹凸に倣って湿布(11)の全面を密着させる。【0012】図8図で示される実施例では、固定板(8)を左固定板(8L)と右固定板(8R)に2分割し、それぞれ単独に開閉できるようにしている。【0013】図9(a)(b)(c)は、前記固定板を左右に2分割した場合の、湿布貼付具に湿布を装着する手順を示すもので、まず図9(a)に示すように、左右の固定板(8L)(8R)を開いた状態で,粘着面(10)を上向きにして、湿布(11)の左右の上端部をつまんでローラー(4)の上部と後壁(6)の面上に載せ、図9(b)に示すように、本例では、まず右側のつまんでいる指を離し、右の固定板(8R)を閉じる。次に、図9(c)に示すように、左側のつまんでいる指を離し、左の固定板(8L)を閉じて湿布(11)を湿布貼付具に固定する。【0014】図10で示される実施例では、柄(1)の後部に把持部(13)を設けている。【0015】図11で示される実施例では、柄(1)の後端部を、肉厚を次第に薄くしながらローラー取付け側と同じ側に曲げ、剥し部(14)を形成して剥し手段を設けている。また、この剥し手段の形状はヘラ状でも孫の手状でもよい。【0016】図12は、この剥し手段を用いて湿布を剥す要領を示したもので、湿布貼付具を逆さまにして保持枠(2)に近い柄(1)の根元を持ち、剥し部(14)を背中(12)に押し当て、その先端を湿布(11)の接着面に潜り込ませながら押し下げて剥ぎ取る。【0017】図13・14で示される実施例では、柄(1)の中間部に支点軸(15)を介して接触子桿(16)を揺動自在に取付け、その先端部に接触子(17)を設け、後端部に指掛部(18)を形成している。更に、柄(1)との間にバネ(19)を取付け、接触子(17)が常に柄(1)の方向へ押し戻されるようにし、指掛部(18)を指先で押したり戻したりさせて接触子(17)を出し入れする。また、接触子(17)を出して背中に当てたときに、湿布を貼り付けた上端部と一致するように、接触子(17)が引っ込んだ位置を固定板(8)に接近させたところにする。【0018】この実施例の場合を図15(a)(b)で説明すると、まず図15(a)に示すように指掛部(18)を指で柄(1)の方向へ押し付け、接触子(17)をローラー(4)より突出させた状態で背中の方へ持ってゆき、接触子(17)を背中(12)に接触させて貼り付ける位置を感触で認識し、図15(b)に示すように、指掛部(18)から指を外してローラー(4)を背中(12)に押し付けることにより、正確な位置に容易に湿布(11)を貼り付けることができる。【0019】【発明の効果】以上説明したように構成されているので、本発明の湿布貼付具は下記のような効果がある。【0020】請求項1の湿布貼付具においては、ローラーにより背中の凹凸に密着させて貼ることができる。また、湿布の上部端の方を後壁の面上に置いてから粘着面を固定板で固定するので、装着時にローラーが一緒に回っても関係なく装着性がよい。【0021】請求項2においては、左右どちらかの指で湿布をつまんだまま固定板を閉じることができるので、つまんだ湿布を離す時に湿布が指先にくっ付いてずれることがなく、簡単にかつ正確に湿布を湿布貼付具に固定することができる。【0022】柄の後端部に設けた剥し手段を用いることにより、貼付使用済みの湿布を剥がすのに別の道具を必要とせず便利である。【0023】請求項3の貼付け位置を探る接触子を用いることにより、湿布の貼付け位置をあらかじめ認識することができ、正確な位置に貼ることが出来る。また、接触子を指先で出し入れする方式にしたので、湿布を装着する時に接触子が邪魔にならない。【図面の簡単な説明】【図1】本発明の湿布貼付具の側面図である。【図2】本発明の湿布貼付具の平面図である。【図3】図1のA−A線断面図(ローラー取付け部断面図)である。【図4】図1のB−B線断面図(固定板取付け部断面図)である。【図5】本発明の湿布貼付具に湿布を装着し、固定板で固定した状態の部分側断面図である。【図6】本発明の湿布貼付具に湿布を装着し、固定板で固定した状態の部分平面図である。【図7】本発明の湿布貼付具で湿布を貼る状態を段階的に表わした(a)〜(d)の説明図である。【図8】本発明の他の実施例で、固定板を左右に分割した場合の、図1のB−B線断面図(固定板取付け部断面図)である。【図9】本発明の他の実施例で、固定板を左右に分割した場合の、湿布を装着する状態を段階的に表わした(a)〜(c)の説明図である。【図10】本発明の他の実施例で、柄の後部に把持部を設けた湿布貼付具の部分側面図である。【図11】本発明の他の実施例で、柄の後端部に剥し手段を設けた湿布貼付具の部分側面図である。【図12】本発明の他の実施例で、剥し手段を設けた湿布貼付具を使って、一度貼った湿布を剥ぎ取る状態を表わした説明図である。【図13】本発明の他の実施例で、接触子を取り付けた湿布貼付具の一部を切り欠いた側面図である。【図14】本発明の他の実施例で、接触子を取り付けた湿布貼付具の平面図である。【図15】本発明の他の実施例で、接触子を取り付けた湿布貼付具を使って、湿布を貼り付ける状態を段階的に表わした(a)〜(b)の説明図である。【符号の説明】1 柄2 保持枠3 回転軸4 ローラー5 弾性体6 後壁7 支点軸8 固定板8L 左固定板8R 右固定板9 床10 粘着面11 湿布12 背中13 把持部14 剥し部15 支点軸16 接触子桿17 接触子18 指掛部19 バネ 柄(1)の先端部に保持枠(2)を設け、保持枠(2)の内部にローラー(4)を回動自在に取り付け、保持枠(2)の後壁(6)をローラーの外周接線延長上に傾斜させて形成し、後壁(6)の下部に支点軸(7)を介して固定板(8)を開閉自在に取り付けた湿布貼付具。 固定板(8)を左固定板(8L)と右固定板(8R)の左右に2分割し、それぞれの固定板が単独に開閉できるようにした請求項1記載の湿布貼付具。 柄(1)の中間部に、接触子桿(16)を揺動自在に取付け、その先端部に接触子(17)を設け、指先で出し入れするようにした請求項1記載の湿布貼付具。