タイトル: | 特許公報(B2)_化粧料 |
出願番号: | 2000272978 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | A61K 36/00,A61K 36/18,A61K 36/60,A61K 36/48,A61K 36/75,A61K 36/47,A61K 36/81,A61K 8/97,A61P 17/00,A61P 43/00,A61Q 15/00 |
浜 正勝 荒 勝俊 森 啓 小池 謙造 土倉 豊樹 西澤 義則 境野 信 小久保 烈王 JP 4532706 特許公報(B2) 20100618 2000272978 20000908 化粧料 花王株式会社 000000918 王子製紙株式会社 000122298 有賀 三幸 100068700 高野 登志雄 100077562 中嶋 俊夫 100096736 的場 ひろみ 100101317 山本 博人 100111028 浜 正勝 荒 勝俊 森 啓 小池 謙造 土倉 豊樹 西澤 義則 境野 信 小久保 烈王 20100825 A61K 36/00 20060101AFI20100805BHJP A61K 36/18 20060101ALI20100805BHJP A61K 36/60 20060101ALI20100805BHJP A61K 36/48 20060101ALI20100805BHJP A61K 36/75 20060101ALI20100805BHJP A61K 36/47 20060101ALI20100805BHJP A61K 36/81 20060101ALI20100805BHJP A61K 8/97 20060101ALI20100805BHJP A61P 17/00 20060101ALI20100805BHJP A61P 43/00 20060101ALI20100805BHJP A61Q 15/00 20060101ALI20100805BHJP JPA61K35/78 AA61K35/78 BA61K35/78 CA61K35/78 DA61K35/78 JA61K35/78 KA61K35/78 LA61K35/78 RA61K8/97A61P17/00A61P43/00 111A61Q15/00 A61K 36/00-36/9068 A61K 8/97 CA/BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 特開平07−126134(JP,A) 特開2000−224982(JP,A) 特開昭60−174153(JP,A) 特開平10−001438(JP,A) 特開平11−171784(JP,A) 国際公開第99/048456(WO,A1) 特開昭61−014811(JP,A) 特表平11−500466(JP,A) 特開平09−118611(JP,A) 特開平01−171557(JP,A) 特開平11−180885(JP,A) 特開平10−036278(JP,A) 国際公開第00/003689(WO,A1) 特開平10−033190(JP,A) 特公平03−029396(JP,B2) 特開平03−190809(JP,A) 特開平09−313582(JP,A) 特開2001−039822(JP,A) 特開2001−122792(JP,A) 特開2001−139430(JP,A) 特開2001−220344(JP,A) OHSHIMA T et al,Leucine dehydrogenase of Bacillus sphaericus:Sulfhydryl groups and catalytic sites,Agric Biol Chem ,1978年,Vol.42,No.9,Page.1739-1743 OHSHIMA T,Modification of leucine dehydrogenase by pyridoxal 5'-phosphate.,Agric Biol Chem ,1984年,Vol.48,No.2,Page.349-354 Hermier,Jean et al,Separation and properties of the Bacillus subtilis leucine dehydrogenase and alanine dehydrogenase, Bulletin de la Societe de Chimie Biologique ,1965年,Vol.45,No.6,pp.1217-1234,(abstract)[online]STN,CAPLUS,AN.1966:12615,DN.64:2337e-h 1 2002087973 20020327 11 20060823 鶴見 秀紀 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、ヒトの不快な体臭の発生を抑制する化粧料に関する。【0002】【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ヒトの不快な体臭の防除技術には、収斂作用を有する物質や各種のアルミニウムやジルコニウム塩を用いて発汗を抑制する方法、トリクロサン、塩化ベンザルコニウム等の抗菌物質を用いて不快臭発生原因菌の増殖を抑制する方法、発生した低級脂肪酸等の不快な体臭を亜鉛華等により金属塩に変換したり、フラボノイド等の消臭物質により消臭する方法及び香水やオーデコロン等によりマスキングする方法等がある。【0003】しかし、制汗技術、消臭技術及びマスキング技術は、効果の持続性という点で充分でなく、また抗菌技術においては、不快臭の発生原因菌以外に皮膚常在菌をも殺菌することで皮膚の一次バリアー機能を破壊するおそれが示唆されている。【0004】本発明は、皮膚の常在菌を殺すことなく、不快な体臭を持続的に抑制できる化粧料を提供することを目的とする。【0005】【課題を解決するための手段】本発明者らは、ヒトの不快な体臭の原因物質の一つとされるイソ吉草酸に着目し、その生成経路について検討したところ、細菌由来のロイシン脱水素酵素を阻害することによりイソ吉草酸の生成が抑えられることを見出すと共に、特定の植物抽出物等が該酵素の阻害活性を有し、皮膚常在菌を殺すことなく不快な体臭の発生を抑制できる化粧料として使用できることを見出した。【0006】すなわち本発明は、ロイシン脱水素酵素阻害剤を含有する化粧料を提供するものである。【0007】【発明の実施の形態】イソ吉草酸は、ヒトの体臭、主に足臭及び腋臭の原因臭とされる低級脂肪酸である。本発明者らは、斯かるイソ吉草酸が汗に含まれるロイシンから皮膚に棲息する細菌(枯草菌(Bacillus subtilis)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)又はプロピオン酸菌(Propionibacterium spp.))由来のロイシン脱水素酵素及び分岐鎖αケト酸脱水素酵素等の酵素系による代謝を介して生成されること、更にロイシン脱水素酵素が上記皮膚上細菌の全てに存在することを明らかにした(参考例1〜2)。従って、ロイシン脱水素酵素酵素を阻害することによりイソ吉草酸の生成を確実に抑制できると考えられる。【0008】一方、ロイシン脱水素酵素を阻害する物質は、これまでに報告された例はなく、本発明において初めて、ミズキ、ハコネウツギ、シシアクチ、アデク、カンレンボク、エゾミソハギ、ハウチワノキ、マルハチ、テリハハマボウ、シロテツ、ヤマヒハツ、ゴンズイ、デコラゴムノキ、カナダツガ、カツモイノデ、クサソテツ、オウゴンメタセコイヤ、ムレスズメ、ナツツバキ、ブラシノキ、ズボイシア、ブラッシュボックス(Brush Box)、フジウツギ及びオミナエシから選ばれる植物の抽出物又はオイゲノールに当該阻害活性があることが見出された(実施例1)。従って、当該植物成分等をロイシン脱水素酵素阻害剤の代表例として挙げることができる。また、本発明におけるロイシン脱水素酵素阻害剤は、皮膚のバリアー機能の維持に関与する皮膚常在菌に対して抗菌性、望ましくは殺菌性を示さないものが好ましく、斯かる点においても上記植物抽出物及びオイゲノールが好ましい。ここで、殺菌性を示さないとは、Tween80を0.5%及びL−ロイシンを0.2%含むSCD培地に、被験物質を添加したものに皮膚常在菌を接種し、37℃、24時間反応後に、胞子形成菌(Bacillus subtilis)はコントロールに対し菌数が1/10以下に減少せず、通常細菌(Staphylococcus epidermidis及びCorynebacterium minutissimumon)はコントロールに対し1/100以下に減少しないことをいう。【0009】ここで、ミズキとは、ミズキ科(Cornaceae)のミズキ(Cornus controversa Hemsl.)を、ハコネウツギとは、スイカズラ科(Caprifoliaceae)のハコネウツギ(Weigela coraeensis Thunb.)を、シシアクチとは、ヤブコウジ科(Myrsinaceae)のシシアクチ(Ardisia quinquegona Blume)を、アデクとは、フトモモ科(Myrtoceae)のアデク(Syzygium buxifolium Hook.et Arh.)を、カンレンボクとは、オオギリ科(Nyssaceae)のカンレンボク(Nyssa sylvatica Marsh.)を、エゾミソハギとは、ミソハギ科(Lythraceae)のエゾミソハギ(Lytbrum salicaria L.)を、ハウチワノキとは、ムクロジ科(Sapindaceae)のハウチワノキ(Dodonaea viscosa L.)を、マルハチとは、ヘゴ科(Cyatheaceae)のマルハチ(Cyperes alternifolius)を、テリハハマボウとは、アオイ科(Malvaceae)のテリハハマボウ(Hibiscus glaber)を、シロテツとは、ミカン科(Rutaceae)のシロテツ(Boninia glabra Planch.)を、ヤマヒハツとは、トウダイグサ科(Euphorbiaceae)のヤマヒハツ(Antidesma japonicum S.et Z.)を、ゴンズイとは、ミツバウツギ科(Staphyleaceae)のゴンズイ(Euscaphis japonica Kanitz)を、デコラゴムノキとは、クワ科(Moraceae)のデコラゴムノキ(Ficus elastica)を、カナダツガとは、マツ科(Pinaceae)のカナダツガ(Tsuga)を、カツモイノデとは、ウラボシ科(Polypodiaceae)のカツモイノデ(Ctenitis subglandulosa)を、クサソテツとは、オシダ科(Aspidiaceae)のクサソテツ(Matteuccia struthiopteris L.Todaro)を、オウゴンメタセコイヤとは、スギ科(Taxodiaceae)のオウゴンメタセコイヤ(Metaseouoia glvptostroboides Hu et Cheng)を、ムレスズメとは、マメ科(Leguminosae)のムレスズメ(Caragana sinica)を、ナツツバキとは、ツバキ科(Theaceae)のナツツバキ(Stewartia pseudo-camellia Maxim)を、ブラシノキとは、フトモモ科(Myrtaceae)のブラシノキ(Callistemon speciosus)を、ズボイシアとは、ナス科(Solanaceae)のズボイシア(Duboisia myoporides R.Br.)を、ブラッシュボックス(Brush Box)とは、フトモモ科(Myrtaceae)のブラッシュボックス(Lophostemon confertus)を、フジウツギとは、フジウツギ科(Loganiaceae)のフジウツギ(Buddleja japonica Hemsl.)を、オミナエシとは、オミナエシ科(Valerifoliaceae)のオミナエシ(Patrinia scabiosifolia Fisch)をそれぞれ意味する。【0010】本発明の上記植物は、その植物の全草又は葉、根、果実、種子、花のうち1又は2以上をそのまま又は粉砕して用いられ、これを常温又は加温下において抽出するか又はソックスレー抽出器等の抽出器を用いて抽出することにより得られる各種溶媒抽出液、その希釈液、その濃縮液、その乾燥末又はペースト状に調製したものが本発明の植物抽出物として使用される。【0011】抽出に用いる溶剤としては、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状及び環状エーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;ピリジン類等が挙げられ、これらは混合物として用いることもでき、特にジクロロメタン−メタノールの混合溶剤が好ましい。【0012】また、オイゲノールは、天然に多量にオイゲノールを含むけい葉油、めぼうき油、ベイ油等から常法により抽出して得ることができるが、本発明においては、クローブバッドオイル、クローブリーフオイル等のオイゲノール含有香料を用いてもよい。【0013】かくして得られる植物抽出物及びオイゲノールは、ロイシン脱水素酵素阻害作用を有し、皮膚上でのイソ吉草酸の生成を抑制する(後記実施例1〜3)。また、皮膚の常在菌を殺すことがないため、これを有効成分として含有する組成物(ロイシン脱水素酵素阻害剤)は、皮膚の一次バリアー機能を破壊することなく、不快な体臭の発生を抑制することができるデオドランド剤として使用できる。【0014】当該デオドランド剤は、化粧料、外用医薬品又は医薬部外品等の製剤、例えばクリーム、乳液、ローション、パウダー、スプレー、スティック等として用いることができ、またいくつかの使用方法を併用することも可能である。【0015】化粧料、外用医薬品又は医薬部外品として用いる場合のロイシン脱水素酵素阻害剤の含有量は、一般的に0.1〜20重量%とするのが好ましく、特に0.5〜10重量%とするのが好ましい。また、植物抽出物としての含有量は、一般的に固形分換算で0.0001〜10重量%とするのが好ましく、特に0.001〜5重量%とするのが好ましい。また、オイゲノールについては0.001〜0.1重量%とするのが好ましい。【0016】これらの化粧料、外用医薬品又は医薬部外品には、通常用いられる各種成分、例えば化粧料成分として一般的に使用される油分、界面活性剤、アルコール類、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、増粘剤、色素類、香料等の他、紫外線吸収剤、美白剤、しわ改善剤、保湿剤、皮脂分泌抑制剤、柔軟剤、角質保護剤、薬効剤、酸化防止剤、溶剤等の成分を任意に組み合わせ配合して製剤化することができる。【0017】本発明の化粧料は、足、腋、頭部、陰部等不快臭の発生しやすい箇所に局所的に適用することにより、不快臭の発生を制御することができる。斯かる場合の化粧料の使用量は、有効成分の含有量により異なるが例えば液状製剤の場合皮膚面1cm2当たり1〜20mg、固形状の製剤の場合、同じく1〜50mgとするのが好ましい。【0018】【実施例】製造例1 ミズキ有機溶媒抽出物の製造:ミズキの葉を乾燥し(乾燥重量21g)、ジクロロメタン−メタノール(1:1)混合溶媒(300mL)を用い室温で3日間抽出した。抽出液は濾過後、減圧下溶媒を留去し、有機溶媒抽出物(約2.14g)を得た。【0019】製造例2 ハコネウツギ有機溶媒抽出物の製造:ハコネウツギの葉を乾燥し(乾燥重量20g)、ジクロロメタン−メタノール(1:1)混合溶媒(300mL)を用い室温で3日間抽出した。抽出液は濾過後、減圧下溶媒を留去し、有機溶媒抽出物(約2.39g)を得た。【0020】製造例3 シシアクチ有機溶媒抽出物の製造:シシアクチの葉を乾燥し(乾燥重量3.9g)、ジクロロメタン−メタノール(1:1)混合溶媒(100mL)を用い室温で3日間抽出した。抽出液は濾過後、減圧下溶媒を留去し、有機溶媒抽出物(約0.54g)を得た。【0021】製造例4 アデク有機溶媒抽出物の製造:アデクの葉を乾燥し(乾燥重量13g)、ジクロロメタン−メタノール(1:1)混合溶媒(200mL)を用い室温で3日間抽出した。抽出液は濾過後、減圧下溶媒を留去し、有機溶媒抽出物(約0.82g)を得た。【0022】製造例5 ミズキ水抽出物の製造:製造例1において有機溶剤で抽出済みの葉を乾燥し、蒸留水200mLを加え、5℃で2日間抽出した。次に抽出液は濾過後、凍結乾燥し、水抽出物(1.74g)を得た。【0023】製造例6 ハコネウツギ水抽出物の製造:製造例2において有機溶剤で抽出済みの葉を乾燥し、蒸留水200mLを加え、5℃で2日間抽出した。次に抽出液は濾過後、凍結乾燥し、水抽出物(2.82g)を得た。【0024】製造例7 シシアクチ水抽出物の製造:製造例3において有機溶剤で抽出済みの葉を乾燥し、蒸留水200mLを加え、5℃で2日間抽出した。次に抽出液は濾過後、凍結乾燥し、水抽出物(0.22g)を得た。【0025】製造例8 アデク水抽出物の製造:製造例4において有機溶剤で抽出済みの葉を乾燥し、蒸留水200mLを加え、5℃で2日間抽出した。次に抽出液は濾過後、凍結乾燥し、水抽出物(0.55g)を得た。【0026】製造例9製造例1〜8と同様にして、下記表1に示す植物の水抽出物を得た。【0027】【表1】【0028】参考例1 各種アミノ酸塗布時の臭い発生率腋の下に図1に示す各種アミノ酸1%溶液を無臭男性6名の片腋に0.5mL塗布し、酸臭の発生を官能評価した。結果を図1に示す。【0029】腋の下に塗布後15分〜30分で、ロイシンのみ100%(6名)酸臭が確認され、バリンで33%(2名)、フェニルアラニンで17%(1名)確認された。また、足底でも同様の結果が得られ、特に足底ではイソ吉草酸特有の臭いが強いことが判った。【0030】参考例2 体臭発生菌の確認(1)官能評価足底から採取した汗5mL(ろ過滅菌)にバッファー(pH7.2,20mMトリス−HClバッファー)で洗浄(3回)した図2に示す5種類の菌体(Staphylococcus aureus、Staphylococcus lugdunensis、Propionibacterium avidum、Propionibacterium granulosum、Bacillus subtilis)を最終菌体量が約108 cfu/mLになるように接種し、37℃、2時間(嫌気性菌は嫌気で)インキュベートした後、反応液の臭い成分を抽出(エーテルで抽出後、N2で固化)し、臭いの官能評価をした。結果を図2に示す。【0031】(2)菌体内ロイシン脱水素酵素(LeuDH)活性の測定0.5%Tween 80、0.2%L−ロイシンを添加したSCD寒天培地で生育させた(30℃、2日)表2に示す5種類のイソ吉草酸臭発生菌の菌体をpH7.0、50mMリン酸バッファーで集菌、洗浄し、球菌は、50unitsリゾスタフィン、桿菌は、0.2%リゾチームで酵素処理(37℃、1時間)した後、超音波破砕し、遠心上清のロイシン脱水素酵素活性を以下の方法により測定した。pH10.5、250mMグリシンバッファー1.5mL、60mM L−ロイシン10mL、100mM NAD+93μl、蒸留水317μlを入れ30℃で予備加温した(ブランク(対照)も同じ)。遠心上清を100μl入れ、ブランクには使用した酵素液(リゾチーム又はリゾスタフィン)を100μl入れ、反応を開始した。30℃で340nmにおける吸光度を測定し、1分間当たりの吸光度変化(ΔOD/min)を求め、サンプルのΔOD/min−ブランクのΔOD/minからロイシン脱水素酵素活性を求めた。また、遠心上清及び、使用した酵素液(リゾチーム又はリゾスタフィン)のタンパク量をBIO−RAT法で測定し、タンパクあたりの活性を求めた。結果を表2に併せて示す。【0032】【表2】【0033】ヒトの皮膚から分離した5菌種のイソ吉草酸発生菌は、ロイシン脱水素酵素活性が高いことが示された。【0034】実施例1 植物抽出物のロイシン脱水素酵素阻害活性pH10.5、250mMグリシンバッファー1.5mL、60mM L−ロイシン1.0mL、100mM NAD+93μl、蒸留水107μlに図3に示す検体(抽出物)を300μl、コントロールは、抽出物と同濃度のEtOH水溶液を300μl入れ、30℃で予備加温した(ブランクも同じ)。pH9.5,100mMグリシンバッファーで約2.5units/mLに希釈したLeuDH(和光:ロイシン脱水素酵素、組み換え体、Bacillus由来)を10μl入れ、ブランクにはpH9.5、100mMグリシンバッファーを10μl入れ、反応を開始した。30℃で340nmにおける吸光度を測定し、1分間当たりの吸光度変化(ΔOD/min)を求めた。検体のΔOD/min−ブランクのΔOD/minをコントロールと比較し、検体の阻害率を求めた。検体(抽出物)の色が濃いものは、1mmセルを使用するか、検体濃度を1/2から1/10に希釈して試験をした。結果を図3に示す。【0035】ミズキ、ハコネウツギ、シシアクチ、アデク、カンレンボク、エゾミソハギ、ハウチワノキ、マルハチ、テリハハマボウ、シロテツ、ヤマヒハツ、ゴンズイ、デコラゴムノキ、カナダツガ、カツモイノデ、クサソテツ、オウゴンメタセコイヤ、ムレスズメ、ナツツバキ、ブラシノキ、ズボイシア、ブラッシュボックス(Brush Box)、フジウツギ、オミナエシ及びオイゲノールには優れたロイシン脱水素酵素活性阻害効果が認められた。【0036】実施例2 イソ吉草酸生成抑制作用足底から採取した汗5mL(ろ過滅菌)にミズキ抽出物(固形分として100ppm)を添加し、バッファー(pH7.2、20mMトリス−HClバッファー)で洗浄(3回)した皮膚分離菌(Bacillus subtilis)を最終菌体量が約108cfu/mLとなるように接種し、37℃、2時間インキュベートし、ミズキ抽出物無添加と、イソ吉草酸生成量と菌数を比較した。【0037】イソ吉草酸の生成量は、スクリュウキャップ付試験管に反応(培養)液5mL、安息香酸40ppm(内部標準)、三フッ化ホウ素メタノール錯体メタノール溶液2mLを入れ、80℃、1時間反応し、空冷後、ヘキサン1.5mL加え攪拌後、遠心分離しヘキサン層を回収し、回収したヘキサン層を濃縮し、ガスクロマトグラフィーより測定した(カラム条件;J&W DB−1、流速1.8mL/min、スプリット比1:50、昇温条件;80℃:5min、80℃→300℃:20℃/min、300℃:15min)。また、菌数測定は、生理食塩水で希釈後、SCDLP寒天培地に塗抹し、30℃、24時間培養し、コロニーをカウントすることにより行った。結果を図4及び図5に示す。【0038】ミズキ抽出物を100ppm添加することにより、イソ吉草酸生成量が、約4割抑制された。また、菌数は、ミズキ無添加と同レベルで、菌を殺さず、ロイシン脱水素酵素を阻害することでイソ吉草酸の生成を抑制したと考えられる。【0039】実施例3 オイゲノールのイソ吉草酸生成抑制効果皮膚分離菌株の枯草菌(Bacillus subtilis)を使用し、オイゲノール0.02%及び0.04%でイソ吉草酸の生成抑制効果を確認した。SCD培地に0.5%Tween80、0.2%ロイシンを加えた培地にサンプル10%/50%EtOHを各濃度になるように添加し、培養は、培地5mLに培地で洗浄(3回)した皮膚分離菌株(Bacillus subtilis)を最終菌体量がだいたい108cfu/mLになるように接種し、37℃、24時間インキュベートし、イソ吉草酸生成量及び菌数を測定した。イソ吉草酸の生成量は及び菌数の測定は実施例2と同様に行った。結果を図6及び図7に示す。【0040】菌数は、コントロールと同等であった。また、イソ吉草酸生成量は、オイゲノールでは減少していた。これらのことから、オイゲノールは、濃度によっては、菌を殺さず、ロイシン脱水素酵素を阻害することでイソ吉草酸の生成を抑制すると考えられる。【発明の効果】本発明の化粧料は、皮膚の常在菌を殺すことなく、不快な体臭の発生を持続的に抑制できることから、優れた消臭効果と高い安全性を有する。【図面の簡単な説明】【図1】図1は各種アミノ酸塗布時の臭い発生率を示した図である。【図2】図2は各種体臭発生菌についての足底汗の臭いを評価した図である。においスコアにおける「0」は無臭、「1」は微香、「2」は弱い臭い、「3」は認知できる強さの臭い、「4」はやや強い臭い、「5」は強い臭いを示す。【図3】図3は植物抽出物等のロイシン脱水素酵素阻害の阻害率を示した図である。【図4】図4はミズキ抽出物を用いた場合のイソ吉草酸の生成量を示した図である。【図5】図5はミズキ抽出物を用いた場合の菌数の変化を示した図である。【図6】図6はオイゲノールを用いた場合の菌数の変化を示した図である。【図7】図7はオイゲノールを用いた場合のイソ吉草酸の生成量を示した図である。 ミズキ、シシアクチ、アデク、カンレンボク、エゾミソハギ、ハウチワノキ、マルハチ、テリハハマボウ、シロテツ、ヤマヒハツ、ゴンズイ、デコラゴムノキ、カナダツガ、カツモイノデ、クサソテツ、オウゴンメタセコイヤ、ムレスズメ、ナツツバキ、ブラシノキ、ズボイシア、ブラッシュボックス(Brush Box)、フジウツギ及びオミナエシから選ばれる植物の抽出物を有効成分とするロイシン脱水素酵素阻害剤。