タイトル: | 特許公報(B2)_半導体装置の不良解析方法 |
出願番号: | 2000255686 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | H01L 21/66,H01L 21/3065,H01L 21/3205,G01N 1/28,G01N 1/32 |
金子 守 板橋 厚 JP 3768082 特許公報(B2) 20060210 2000255686 20000825 半導体装置の不良解析方法 三洋電機株式会社 000001889 ▲角▼谷 浩 100131071 金子 守 板橋 厚 20060419 H01L 21/66 20060101AFI20060330BHJP H01L 21/3065 20060101ALI20060330BHJP H01L 21/3205 20060101ALI20060330BHJP G01N 1/28 20060101ALI20060330BHJP G01N 1/32 20060101ALI20060330BHJP JPH01L21/66 SH01L21/302 104ZH01L21/302 105BH01L21/88 BG01N1/28 GG01N1/32 B H01L 21/66 H01L 21/3065 H01L 21/3205 G01N 1/28-32 特開昭64−046660(JP,A) 3 2002076084 20020315 7 20021009 河本 充雄 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の不良解析方法に関し、LSIの検査解析時のエッチング技術に関する。【0002】【従来の技術】現状のLSIの不良解析では、発見の困難な欠陥も数多く存在している。その故障原因の多くは電気配線の断線ショートに起因するものである。この欠陥の正体は、装置のチャンバー内で発生するダストによるものが多い。【0003】微細化に伴ってクリーンルーム内のダスト、プロセス装置のチャンバー内で発生するダストの影響が確率的に増大するためである。【0004】現在のLSIの故障解析は、LSIテスター等により故障箇所を特定した後、薄膜を一層ずつ除去し、故障箇所を光学顕微鏡やSEM等で観察して、欠陥を見つける方法が主流である。【0005】尚、メタル配線の除去は、熱した硫酸やリン酸、アルカリ水溶液等を使うウェットエッチング法により行っている。【0006】【発明が解決しようとする課題】LSIの断線ショート故障は、現象は単純でありながら、原因を可視化し、明瞭に証明するのが困難である。なぜならば、一般に故障箇所の特定、あるいは推定を行った後、パッシベーション膜、メタル配線、層間絶縁膜等の薄膜を一層ずつ除去し、前記光学顕微鏡やSEM等で観察することで欠陥を特定するわけであるが、この処理に伴って上記欠陥が失われてしまうことが多いためである。【0007】特に、メタル配線の除去では、ウェットエッチングを使わざるを得ない状況にあるが、ウェットエッチングはエッチングが等方的に進むため、エッチング制御が困難であるといった問題がある。例えば、2層目の配線を除去するとコンタクトホールから浸透したエッチャントが1層目の配線の一部まで溶解し、その後の解析に支障をきたす。即ち、コンタクトホールの形状や1層目の配線の観察ができなくなるためである。破壊検査とはいえ解析に伴ってサンプルを許容限界以上に壊すのは大きな欠点である。即ち、解析に必要なメタル配線を追いかけることができなくなるからである。【0008】図4及び図5は、従来の2層メタル配線構造の半導体装置におけるメタル配線除去工程を説明するための図であり、図示したように半導体シリコン基板(図示省略)上にBPSG膜等から成る下層の層間絶縁膜11が形成され、当該下層の層間絶縁膜11上に下層のメタル配線12(Al−Si,Al−Cu,Al−Si−Cu等)が形成され、当該下層のメタル配線12上を被覆するように上層の層間絶縁膜13が形成され、当該上層の層間絶縁膜13に形成されたコンタクトホール14を介して上層のメタル配線15(Al−Si,Al−Cu,Al−Si−Cu等)が形成されて成る半導体装置がある。【0009】そして、図5に示すように2層目(上層)のメタル配線15に対してウェットエッチング処理を施すと、当該上層のメタル配線15と共に、コンタクトホール14から浸透したエッチャントが1層目(下層)のメタル配線12の一部まで溶解している。【0010】このように上層のメタル配線15と下層のメタル配線12とは、同じ材質であるため、従来方法では選択的なエッチングが困難であった。【0011】【課題を解決するための手段】そこで、本発明は半導体シリコン基板上に形成したメタル配線に起因する不良原因を解析する半導体装置の不良解析方法において、ウェットエッチング処理とドライエッチング処理とを組み合わせ、ウェットエッチング処理によりメタル配線の表面にダメージを与えておき、その状態でドライエッチング処理を施すことで、除去したいメタル配線のみを除去することを特徴とする。【0012】これにより、従来のウェットエッチング処理した場合に発生していたコンタクトホールからのエッチャントの浸透が抑止される。【0013】【発明の実施の形態】以下、本発明の半導体装置の不良解析方法に係る一実施形態について図面を参照しながら説明する。【0014】ここで、本発明の特徴は、従来の解析手法であるウェットエッチング処理とは異なるドライエッチング方法によりメタル配線除去を可能にしたことである。即ち、従来のドライエッチングでは、一般的な装置の普通の条件で、イオンを数時間以上照射してもメタル配線は全く変化せず、CVD酸化膜だけが損傷を受けるだけであった。【0015】ここで、ドライエッチング処理におけるエッチングガスとして、例えばCHF3、CF4、SF6ガスあるいは不活性ガスであるArガス等を用いて、メタル配線を通常のエッチング時の処理時間程度でエッチングしたが変化は見られなかった。尚、処理時間を(例えば、10時間とか通常のエッチング処理時間として考えられない時間まで)延長してエッチングすれば変化が見られたかもしれないが、この場合では作業時間が長くなり、現実的ではない。また、臭素(Br)を含んだHBr(臭化水素)ガス、更には塩素(Cl)を含んだCCl4(四塩化炭素)ガス等を用いるドライ・エッチングも考えられる。これらのガスは、ウエハプロセスにおけるメタル配線のエッチングにしばしば使われるガスであり、メタル配線除去の目的を達成するためには使用できる可能性が高い。しかし、このようなガスは、有害なガスであり、取り扱う上で危険が伴うと共に、大掛かりな安全装置が必要とされ、装置自体も高価なものであり、コスト面で不利である。【0016】一方、ウェットエッチングでは数分間でメタル配線は、完全に溶解してしまう。【0017】このように、ウェットエッチングだけでもドライエッチングだけでも、所望のエッチング状態は得られない。【0018】そこで、本発明者は、ウェットエッチングとドライエッチング、それぞれの利点を生かしたプロセスを開発した。【0019】先ず、図1において、1は半導体シリコン基板(図示省略)上に形成されたBPSG膜等から成る下層の層間絶縁膜で、当該下層の層間絶縁膜1上に下層のメタル配線2(Al−Si,Al−Cu,Al−Si−Cu等)が形成され、当該下層のメタル配線2上を被覆するように上層の層間絶縁膜3が形成され、当該上層の層間絶縁膜3に形成されたコンタクトホール4を介して上層のメタル配線5(Al−Si,Al−Cu,Al−Si−Cu等)が形成されて成る半導体装置がある。【0020】以下、このような2層メタル配線構造の半導体装置における不良解析を行うための、上層(2層目)のメタル配線の除去方法について説明する。【0021】図2において、上層の層間絶縁膜3には損傷を与えずに、上層のメタル配線5(表面)だけをわずかに溶解する中間的な状態を得るために、ウェットエッチング処理でアンダーエッチング状態を作る(図2に示すように、上層のメタル配線5表面をエッチング除去し、表面にダメージを与える)。【0022】本工程では、例えば、過酸化水素水と硫酸(H2O2:H2SO4の混合比=3:1〜4:1として、今まで使用してきた通常のウェットエッチングに用いる際の混合比=1:1に比して硫酸を減らすことで、エッチングレートを極端に低下させている。)との混合した直後の液体を用いて、数分間(およそ1〜2分程度)上層のメタル配線5の表面をライトエッチングしてダメージを与えている。即ち、過酸化水素水と硫酸を混合した直後には、化学反応により大量の発熱(およそ90℃程度)が起こる。このときの化学反応で酸素が活性化している状態を利用し、この処理によりメタル配線のアルミ粒塊の結合力を弱める。尚、反応終了後の冷却したエッチャントには、ライトエッチング効果は見られない。【0023】また、ライトエッチング用のウェットエッチャントとして、上記過酸化水素水と硫酸との混合液の他に、例えば、過酸化水素水と硝酸、過酸化水素水と塩酸、過酸化水素水とフッ酸、過酸化水素水とアンモニア水等の各混合液や後述する水酸化アンモニウム(NH4OH)や水酸化カリウム(KOH)等のアルカリ水溶液でも同様にライトエッチング反応が起きることを確認している。【0024】更に、ポジ型のホトレジスト膜用の現像液でも同様にライトエッチング反応が起きることを確認している。尚、このようなポジ型のホトレジスト膜用の現像液は、例えばTMA−OH(水酸化テトラメチルアンモニウム溶液:N(CH3)4OH)が主成分の2.4%の水溶液である。このヒドロキシル基(−OH)がメタル配線の溶解に寄与しているものと推測する。更に言えば、このヒドロキシル基(−OH)がアルミニウムの溶解の主たる働きをしており、水酸化アンモニウム(NH4OH)や水酸化カリウム(KOH)でもアルミニウムの溶解は可能である。【0025】尚、現在では使用経験の長い過酸化水素水と硫酸との混合液や比較的エッチングレートの安定しているアルカリ水溶液を使用している。【0026】続いて、完全異方性エッチング可能なRIE(Reactive Ion Etching)装置を用意する。この装置では、プラズマが一定の進行方向に揃うため、プラズマの運動エネルギーをメタル配線に集中的に向けることができる。【0027】そして、上記RIE装置をO2プラズマ・アッシング装置として流用する。【0028】本工程では、エッチングガスとして酸素(O2)ガス流量を10〜20SCCM、RF出力を200〜300W、RF周波数を13.56MHz、真空度2.6〜6.7Paの各条件でドライエッチングを行う。【0029】このとき、図3に示すように上層の層間絶縁膜3にダメージを与えることなく、除去したい上層のメタル配線5のみ(コンタクトホール4内のメタル配線5は残した状態で)除去することができる。ここでは、上述したウェットエッチング工程で上層のメタル配線5表面にダメージを与えておくことで、上記ドライエッチング工程において、従来のドライエッチング処理だけでは不可能であったメタル配線の溶解を可能にしている。【0030】更に、上記ドライエッチング処理工程の改良として、酸素(O2)ガスにハロゲンガスを添加したエッチングガスを用いても良い。【0031】この改良プロセスは、そのメタル配線の分解メカニズムは、上記酸素(O2)プラズマ・アッシャーと同様であるが、SF6やCF4等のハロゲンガスを添加することで、ハロゲンガスによる高真空度、高出力のドライエッチング効果により、メタル配線の除去能力が増大し、メタル配線を除去すると共に、メタル配線の側壁のシリコン酸化膜(例えば、アルミナ(Al2O3)等)も除去することができる。【0032】本工程では、エッチングガスとして酸素(O2)ガス流量を10〜20SCCM及びSF6やCF4等のハロゲンガス流量を10〜20SCCM、RF出力を200〜300W、RF周波数を13.56MHz、真空度2.6〜6.7Paの各条件でドライエッチングを行う。【0033】尚、上述した各ドライエッチング工程では、アッシングの効果をより引き出すために、高真空度で高出力に設定している。【0034】【発明の効果】本発明によれば、完全異方性エッチングを応用したウェットエッチング処理とドライエッチング処理とを組み合わせたプロセスにより、従来のウェットエッチング処理によるメタル配線除去の場合と異なり、コンタクトホールからのエッチャントの浸透が無くなり、除去したいメタル配線だけを選択的に除去することができるため、より確実な解析が行える。【図面の簡単な説明】【図1】本発明の一実施形態の半導体装置の不良解析方法を示す平面図である。【図2】本発明の一実施形態の半導体装置の不良解析方法を示す平面図である。【図3】本発明の一実施形態の半導体装置の不良解析方法を示す断面図である。【図4】従来の半導体装置の不良解析方法を示す断面図である。【図5】従来の半導体装置の不良解析方法を示す断面図である。 半導体シリコン基板上に形成されたAl−Si,Al−Cu,Al−Si−Cuから成る下層配線と、当該下層配線を被覆する層間絶縁膜に形成されたコンタクト孔を介して下層配線に接続されたAl−Si,Al−Cu,Al−Si−Cuから成る上層配線とを有する半導体装置の不良解析方法において、 前記上層配線をウエットエッチングすることで、その表面にダメージを与える工程と、 前記ダメージを受けた上層配線に対して、酸素ガスまたは酸素ガスにハロゲンガスを添加した混合ガスを用いて、RF出力が200W〜300Wで、真空度が2.6Pa〜6.7Paの条件でドライエッチング処理する工程と、を有することを特徴とする半導体装置の不良解析方法。 前記ウエットエッチング処理におけるウエットエッチャントが、過酸化水素水と硫酸、過酸化水素水と硝酸、過酸化水素水と塩酸、過酸化水素水とフッ酸、過酸化水素水とアンモニア水の各混合液であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の不良解析方法。 前記ウエットエッチング処理におけるウエットエッチャントが、アルカリ水溶液であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の不良解析方法。