生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_ピロリジン誘導体の製造法
出願番号:2000243298
年次:2011
IPC分類:C07D 207/12


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村岡 秀郎 佐藤 治代 JP 4678629 特許公報(B2) 20110210 2000243298 20000810 ピロリジン誘導体の製造法 東レ・ファインケミカル株式会社 000187046 吉澤 浩明 100113619 村岡 秀郎 佐藤 治代 20110427 C07D 207/12 20060101AFI20110407BHJP JPC07D207/12 C07D CA/REGISTRY(STN) 2 2002053551 20020219 4 20070621 冨永 保 【0001】【発明の属する技術分野】本発明はピロリジン誘導体を製造する方法に関するものである。また本発明の目的は、穏和な条件でかつ選択性良くピロリジン誘導体を得る手法を提供することにある。ピロリジン誘導体は、医薬合成中間体として有用な化合物である。【0002】【従来の技術】エポキシピロリジン化合物を還元し、目的とするピロリジノール誘導体を得る手法としては、例えば、リチウムアルミニウムハイドライド(LAH)、あるいはジイソブチルアルミニウムハイドライド(DIBAL-H)を還元剤として用いるもの、Pd/Cなどの金属触媒存在下、水素添加反応により還元するもの(テトラヘドロン・レターズ 36、4689、(1995))、リチウムボロハイドライドを還元剤として用いるもの(テトラヘドロン・レターズ 36、1621、(1995)、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー 60、398、(1995))などが知られている。【0003】【発明が解決しようとする課題】しかしいずれの例も、エポキシピロリジン化合物の窒素上の置換基がBoc(t−ブトキシカルボニル)基、Cbz(ベンジルオキシカルボニル)基などのアミノ保護基を有するもの、すなわち、出発物質のエポキシピロリジン化合物がアミンの塩基性を有さない中性化合物でしか記述がなく、一方、窒素上の置換基がベンジル基などのアミノ保護基を有するもの、すなわち、出発物質のエポキシピロリジン化合物がアミンの塩基性を有する化合物に関しては、その反応例がない。【0004】 本発明者らはこれらの問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、選択性良くピロリジン誘導体を製造できることを見出し、本発明に到達した。すなわち本発明は、「【0006】3、4−エポキシピロリジン化合物を還元し、【0008】3−ピロリジノール誘導体を得ることを特徴とするピロリジン誘導体の製造法であって、3、4−エポキシピロリジン化合物が、1−ベンジル−3、4−エポキシピロリジンであり、3−ピロリジノール誘導体が、1−ベンジル−3−ピロリジノールであるピロリジン誘導体の製造法。」である。【0009】ピロリジン誘導体が有用な医薬合成中間体であることは周知の通りである。このエポキシピロリジン化合物を合成中間体として経由し、有用なピロリジン誘導体に変換することは医農薬分野における意義は大きいものと言える。よって、このエポキシピロリジン化合物から複雑な処理工程を介さず、選択性よく目的とするピロリジン誘導体を得ることは非常に有用である。【0010】 本発明において反応させるエポキシピロリジン化合物は、【0018】1−ベンジル−3、4−エポキシピロリジン、1−パラニトロベンジル−3、4−エポキシピロリジンであり、中でも好ましいのは1−ベンジル−3、4−エポキシピロリジンである。【0019】本発明において、使用する還元剤はアルミニウムハイドライド化合物が好ましい。具体例としては、リチウムアルミニウムハイドライド(LAH)、ソジウムアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド(DIBAL-H)、ソジウム ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムハイドライドなどが挙げられるが、中でも特にLAH、ソジウム ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムハイドライドが好ましく用いられる。また、使用量については、 エポキシピロリジン化合物1モルに対し、0.25〜3.0モル用いるのが好ましい。この範囲において反応を効率良くかつ経済的に行うことができる。【0020】本発明において使用される溶媒は、用いる還元剤に対し不活性なものであれば任意に選ぶことができる。具体例としては、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。中でもジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランが好ましく用いられる。これら溶媒は単一で用いてもあるいは混合して用いても構わない。【0021】本発明における反応温度については特に制限はないが、室温条件が好ましい。【0022】【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定するものではない。なお、ここで用いている試薬類のメーカーグレードは、いずれも1級レベルに相当するものである。【0023】実施例11−ベンジル−3、4−エポキシピロリジン17.5g(0.1mol)、テトラヒドロフラン30g(片山化学社製)を反応容器に加え、撹拌した。そこへ粉末のリチウムアルミニウムハイドライド(LAH)3.80g(0.1mol;Merck社製)を投入し、室温条件下で5時間反応させた。反応終了後、氷浴で冷却し、メタノールをゆっくり滴下して未反応のLAHをクエンチした。十分な量のメタノールを加えて水素泡が出なくなったことを確認した後、水を加え、過剰分のメタノールを濃縮した。さらにトルエンを加えて抽出し、濃縮を経て、1−ベンジル−3−ピロリジノールを15.4g(収率87.0%)得た。【0024】実施例2還元剤として65wt%ソジウム ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムハイドライドのトルエン溶液31.1g(0.1mol;Red-Al、aldrich社製)を用い、実施例1と同様に反応を行ったところ、得られた1−ベンジル−3−ピロリジノールは11.68g(収率65.9%)であった。【0025】実施例3溶媒をテトラヒドロフランの代わりにジイソプロピルエーテル(片山化学社製)を用いて実施例1と同様に反応を行ったところ、得られた1−ベンジル−3−ピロリジノールは15.2g(収率85.9%)であった。【0026】 参考例1 出発原料を7、8−エポキシ−9−ベンジル−9−アザビシクロ[4.2.1]ノナン22.9g(0.1mol)に変えて実施例1と同様に反応を行ったところ、得られた7−ヒドロキシ−9−ベンジル−9−アザビシクロ[4.2.1]ノナンは18.2g(収率78.9%)であった。【0027】【発明の効果】本発明の製法は、複雑な処理工程を介さず、穏和な条件で、かつ選択性良くピロリジン誘導体が得られる製造法である。また、得られるピロリジン誘導体は種々の合成中間体として利用でき、医農薬分野において有用である。 3、4−エポキシピロリジン化合物を還元し、3−ピロリジノール誘導体を得ることを特徴とするピロリジン誘導体の製造法であって、3、4−エポキシピロリジン化合物が、1−ベンジル−3、4−エポキシピロリジンであり、3−ピロリジノール誘導体が、1−ベンジル−3−ピロリジノールであるピロリジン誘導体の製造法。 還元剤がアルミニウムハイドライド化合物であることを特徴とする請求項1記載のピロリジン誘導体の製造法。


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