生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_化粧品での使用のための安定したクリーム状ゲル組成物、その製造方法および化粧品
出願番号:2000150435
年次:2005
IPC分類:7,A61K7/00,C08J3/02,C08L83/04,C08L83/05


特許情報キャッシュ

ブライアン イー フライ JP 3631941 特許公報(B2) 20041224 2000150435 20000522 化粧品での使用のための安定したクリーム状ゲル組成物、その製造方法および化粧品 ワツカー−ケミー ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 390008969 Wacker−Chemie GmbH 矢野 敏雄 100061815 山崎 利臣 100094798 久野 琢也 100099483 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 100114890 ブライアン イー フライ US 09/317093 19990522 20050323 7 A61K7/00 C08J3/02 C08L83/04 C08L83/05 C08L83/04 C08L83:07 JP A61K7/00 R A61K7/00 J C08J3/02 A C08L83/04 C08L83/05 C08L83/04 C08L83:07 7 A61K 7/00-7/50 特開平01−207354(JP,A) 特開平10−168318(JP,A) 特開昭60−071664(JP,A) 特開平01−207354(JP,A) 特開平10−168318(JP,A) 特開昭60−071664(JP,A) 19 2000355521 20001226 11 20000522 福井 悟 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、化粧品学的用途に使用するのに適したオルガノポリシロキサンゲルに関する。【0002】【従来の技術】オルガノポリシロキサンは長年に亘って、多くの化粧品学的用途に使用されている。これらの用途の幾つかにおいて、例えば、オルガノポリシロキサン、例えばシリコーン油は、他の化粧品成分のためのキャリアーの油として、その固有の形でか、あるいは異なるエマルジョンの形で使用されている。多くのエマルジョンの形において、界面活性剤はシリコーン油を安定な懸濁液または分散液中で保持するために必要である。やや最近になって、多くの化粧品は、オルガノポロシロキサンゲルを含むクリームまたはペーストを使用している。【0003】米国特許第5654362号明細書には、ヒドロシリル化白金触媒および低分子量のシリコーン油の存在下で、直鎖のSi−H官能性ポリシロキサンとα,ω−ジエン、例えば1,5−ヘキサジエンとを反応させることによって製造されたシリコーンゲルが開示されている。この反応は、ゲルが形成されるまで続けられ、その後にシリコーンゲルは粉末に粉砕され、かつ溶剤の増粘に使用されてもよいか、あるいはさらにシリコーン油を添加することによるシリコーンペーストの形成に使用されてもよい。製品は、溶剤、例えばシリコーン油を増粘してゲル様のコンシステンシーを生じさせるために使用される。種々の化粧品、例えば制汗剤、消臭剤、スキンクリーム等が開示されている。製造において、高い燃焼性を有するジエン炭化水素を使用することは有利ではない。さらに、米国特許第4980167号明細書に示されているように、固形粉末から形成されるクリームは、認容される性質を提供するものではないとされ、この場合、このような調剤は、滑性を欠くものであるとされる。【0004】米国特許第5859069号明細書には、平均粒径1.0〜15.0μmの球形の粒子を有するオルガノポリシロキサンエラストマー粉末、シリコーン油およびポリエーテル変性シリコーンから製造されたゼラチン状の外用スキントリートメント組成物が開示されている。この米国特許明細書には、シリコーン樹脂を用いる従来の調剤が、例えば皮膚上に膜状の感覚を残すような使用には適さないことが示されている。ポリエーテル変性シリコーンは、絶対的に必要であることが開示されており;かつ1.0質量%未満の量で使用される場合には、ゲル化は不十分になり、かつ組成物は化粧品での使用に適さなくなる。球形の粉末、シリコーン油5〜75質量%およびポリエーテル変性シリコーン1〜20質量%を含有するゼラチン状の外用スキントリートメント組成物が開示されている。球形のエラストマー粒子の製造は、直接的には開示されていない。さらに、ポリエーテル変性シリコーンの必要条件はコストを増加させる。【0005】先に開示された米国特許第5654362号明細書と同様に米国特許第5811487号明細書には、Si−H官能性シロキサンとα,ω−不飽和炭化水素との反応によって製造されたシリコーンエラストマーで増粘された低分子量のシロキサン油が記載されている。しかしながら、この米国特許第5811487号明細書では、Si−Hシロキサンはモノアルケニル官能化されたポリエーテルと最初に部分的に反応され、ポリエーテル官能価を提供する。前記の米国特許第5859069号明細書の教示によれば、ポリエーテル官能化されたオルガノポリシロキサンは、分散された水を含有する組成物を製造するために必要であることが述べられている。【0006】米国特許第5760116号明細書には、直鎖のアルケニル官能化されたポリオルガノシロキサンおよびSi−H官能性MQ樹脂のヒドロシリル化付加生成物を含有する組成物が開示されている。モノビニル官能性直鎖ポリオルガノシロキサンは、例示された調剤、例えばジビニル官能性ポリオルガノシロキサンの他にアルケニル官能化されたポリオルガノシロキサンに含まれる。最初に、これらの成分からゲルを製造し、その後に1000センチストークスを下廻る粘度を有する他のシリコーン中でゲルを分散させることによって形成される均質な液体組成物が開示されている。また、このシリコーン組成物を含有する化粧品組成物が開示されている。【0007】米国特許第5854336号明細書には、シリコーンゴムおよびキャリアー油から成るシリコーンエラストマー組成物を反応器中へ供給し、この反応器中で組成物を混合し、この組成物を反応器から高圧ポンプへ、かつこのポンプからゴム粒子をより小さい大きさに減少させるための装置に運搬することを含む化粧品の製造方法が開示されている。粒子の大きさを減少させるための装置は、好ましくは高い圧力が供給されたホモジナイザー、最も好ましくはソノレーター(sonolator)である。高圧ポンプおよび装置、例えばソノレーターの使用は、製品のコストを増加させる。【0008】ヨーロッパ特許出願公開第0790055号明細書(EP0790055A1)には、スキンケア調剤またはメーキャップ調剤に使用するための部分的に網状化されたエラストマーのオルガノポリシロキサンおよび脂肪性の成分、例えばトリグリセリドを含有する組成物が開示されている。「部分的に網状化された」の意味は、明細書中には示されていないが、この場合、これは、米国特許第5266321号明細書中の適したオルガノポリシロキサンの記載を参考にする。【0009】また、シリコーンゲルを使用する化粧品の例は、国際PCT出願 WO97/44010;WO98/18438;WO98/00105;WO98/00104;WO98/00103;WO98/00102等に開示されている。前記特許明細書により、調剤の範囲は、液体および固体の双方の制汗剤、フェイシャルクリーム、保湿剤および他の製品を含むことを明らかにすることができる。また、これら参考文献の概要から、オルガノポリシロキサンゲルの種類によってかなりの相違があることが明らかになるはずである。特に、これらのゲルの幾つかは、これが望ましくない場合には、認容されない油っぽい感触を提供する。他のゲルは製造がより困難であり、かつ不必要に調剤のコストを増加させる。よく知られた簡単な方法で、かつ本質的に無毒の成分からゲルを製造し、他のゲルの糸引きが解消された製品を製造することが可能であることが望ましく、かつ、この場合、この製品は極度に高圧の装置、例えばソノレーター等を使用することなしに乳化することができる。【0010】【発明が解決しようとする課題】前記のような課題が課された。【0011】【課題を解決するための手段】低い粘性の油および少量のヒドロシリル化白金触媒の存在下で、ビニル官能性MQ樹脂とSi−H官能性ポリ(メチル水素)ジメチルシロキサンとのヒドロシリル化反応によって簡単に製造することができる低い粘性を有し、好ましくは揮発性のシリコーン油を含有するオルガノポリシロキサンゲルが、予期せずして見い出された。また、比較的少量のヒドロシリル化触媒毒、例えば有機硫黄化合物、特にメルカプトアルキルオルガノポリシロキサンの添加は、有機硫黄化合物が使用されない場合よりも、長時間に亘ってその安定性を保持する組成物を製造することが見い出された。生じたゲルは、高い圧力または他の複雑な混合装置を使用することなく、簡単にホモジナイズすることで安定したクリームまたはペーストを形成する糸引きのないゲルである。【0012】本発明のオルガノポリシロキサンゲルは、低い粘性を有し、かつ好ましくは揮発性のシリコーン油を含有し、ビニル官能性MQ樹脂と末端よりもむしろその骨格中に分布されたSi−H官能価を有するSi−H官能性ポリオルガノシロキサンとの架橋によって製造されたゲルマトリックスに密接に関連する。【0013】低い粘性を有し、かつ好ましくは揮発性のオルガノポリシロキサンは、低分子量のポリジアルキルシロキサンオリゴマーまたは環式シロキサンであってもよい。さらに好ましくは、低い粘性を有するオルガノポリシロキサンは、ポリジメチルシロキサンオリゴマーまたは環式のポリジメチルシロキサンである。また、他のアルキル基、アリール基、アルカリール基およびアラルキル基も認容され、勿論、例えばフェニル基、ベンジル基、C1〜C18アルキル基等も認容される。しかしながら、コストの問題およびそれぞれの調剤から、珪素原子と結合するメチル基を有するオルガノポリシロキサンは非常に好ましい。最も好ましくは、オルガノポリシロキサンは、トリメチルシリル末端基を含むオルガノポリシロキサン骨格中で、平均2〜50個の珪素原子を有するトリメチルシリル末端化された直鎖のポリジメチルシロキサンである。揮発性が望まれる場合には、珪素原子の数は、例えば10個を下廻り、かつ好ましくは6個を下廻って大幅に制限されるべきである。しかしながら、比較的低い粘性を有するが、非揮発性の油が認容される場合には、オルガノポリシロキサンの骨格を多数の珪素原子、例えば50〜500個の珪素原子に延長することが可能である。これらの非揮発性の油は、約10cStよりも大きく、かつ約2000cStまでの粘度を有するべきである。また、オルガノポリシロキサンは、架橋が粘性を過度に増加させない限りは、わずかに架橋されていてもよい。粘度は好ましくは100cStを下廻り、より好ましくは10cStを下廻り、かつ最も好ましくは、揮発性のオルガノポリシロキサンの場合には5cStを下廻る。【0014】好ましくは、オルガノポリシロキサンは、揮発性のオルガノポリシロキサンである。前記に示したように、揮発性は、オルガノポリシロキサンの骨格中で、多くとも約6〜10個の珪素原子を有するオルガノポリシロキサンオリゴマーの選択によって、直鎖のオルガノポリシロキサンで達成されてもよい。好ましくは、しかしながら、珪素原子3〜6個を有する環式オルガノポリシロキサン、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等が使用される。直鎖のオルガノポリシロキサンのように、メチル基の他の基、例えばC1〜C18アルキル基、好ましくはC1〜C4アルキル基、アリール基等が存在していてもよい。さらに、また直鎖のポリシロキサンの場合には、オルガノポリシロキサンゲルの安定性を妨げないか、あるいはこれらを化粧品中で使用する能力を妨げない官能基が認容されていてもよい。特に、例は、ヒドロキシル(シラノール)基、アルコキシ基、例えば比較的加水分解的に安定な前記のもの等を含む。一般に、反応基、例えばアセトキシ基、メトキシ基、エトキシ基等を含有する化合物は、これらが幾つかの特定の目的のために化粧品中で保持されない限りは、回避されるべきである。オルガノポリシロキサンゲル中に任意のハロゲン官能性化合物を含有することは好ましくない。注釈によれば、本明細書中では、これらの製造方法によっては、一般に、オルガノポリシロキサン樹脂中で前記の基のわずかな量を回避できない。【0015】オルガノポリシロキサンゲルの必要な成分は、ビニル官能性MQ樹脂または類似のM、D、Qおよび/またはT単位を含有する高度に架橋された樹脂である。このような樹脂は、公知技術によるものである。オルガノポリシロキサンの技術において、「樹脂」の用語は、一般にポリマーに適用されるものではないが、3次元構造を形成する能力を有するシランの反応によって製造される、前記の比較的高度に架橋され、かつしばしば比較的高分子量を有する製品での使用のために制限されている。Mの用語は一官能性の単位に関し、一方、Qの用語は四官能性の単位に関する。いいかえれば、MQ樹脂は有利には、シリコーンが架橋された分子中で一つの酸素のみと結合されているM単位およびそれぞれの珪素原子が4つの別の酸素原子と結合されているSiO4/2Q単位を含有し、結果として高いレベルの架橋が生じる。多くのMQ樹脂において、また少量の二官能性R2SiO2/2および三官能性RSiO3/2(DおよびT単位それぞれに)が存在する。MQ樹脂はしばしばシラン、例えばテトラエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシランおよびトリメチルエトキシシランの加水分解によってしばしば製造される。生じるMQ樹脂は、この製造方法から生じるような幾つかの残留するアルコキシ官能価をしばしば保持し、かつ場合によっては他の官能価、例えばシラノール官能価を同様に有する。好ましいMQ樹脂は、MQ樹脂804で、ワッカーシリコーン社、エイドリアン、ミシガン州(Wacker Silicones Corporation, Adrian, Michigan)から入手可能な、この場合、この樹脂は約1.8質量%のビニル官能価を有する。ビニルオキシ基、アリル基、アリルオキシ基、プロペニル基等を含むビニル基の他に不飽和基を有するMQ樹脂は、一般に入手しにくいが、また使用されてもよい。種々の不飽和樹脂は、単独でか、あるいは他の不飽和樹脂との混合物で使用されてもよい。【0016】Si−H官能性オルガノポリシロキサン架橋剤は、本発明のゲル調剤の必須の部分である。本出願人は、Si−H末端オルガノポリシロキサンが架橋剤として使用される場合には、これらのゲルは網状の形になりやすいことを予期せずして見い出した。むしろ、架橋剤はそのポリマー骨格に沿って少なくとも幾つかのSi−H官能性単位を含有するSi−H官能性オルガノポリシロキサンでなければならない。さらに、末端のSi−H単位を前記のSi−H官能性単位に含んでいても、あるいは含んでいなくてもよい。好ましい架橋剤はEL架橋剤525、珪素結合された水素原子を有するポリ(メチル水素)ジメチルシロキサン約0.54質量%である。【0017】MQ樹脂の不飽和結合とSi−H結合とのモル比は、好ましくは0.2〜1.5の範囲であり、好ましくは0.3〜1.2の範囲であり、かつ最も好ましくは0.4〜0.9の範囲である。0.85:0.88の比は、極めて満足のいくものであることが証明されている。【0018】また、ヒドロシリル化触媒が必要とされる。適したヒドロシリル化触媒は公知であり、かつ多くの販売元から広く入手可能である。好ましいヒドロシリル化触媒は、白金化合物、例えば米国特許第3159601号明細書;同3159662号明細書;同3220972号明細書;同3715334号明細書;同3775452号明細書および同3814730号明細書およびドイツ国特許出願公開第19536176号明細書(DE19536176A1)で開示されたようなものであり、化粧品での使用に適した溶剤、例えばプロパンジオール中に供給される。他の溶剤も同様に使用されてもよく、化粧品学的に認容性であるか、あるいは低い圧力にさらすかまたはストリッピングによってゲルから除去可能な溶剤が提供されてもよい。低い粘性のシリコーン、MQ樹脂および架橋剤の量は重要ではないが、これらは、使用中に分離しないであろう安定したゲルが得られる前記の量で存在しなければならない。極めて少ないMQ樹脂または極めて少ない架橋剤が使用される場合には、組成物はしばしばゲルの代わりに液体で保持される。極めて多い架橋剤または極めて多いMQ樹脂が得られる場合には、固体または粉状のゲルまたは製品が得られる。実際の量は、簡単な試験によって定められてもよい。好ましい組成物は、約60%〜約90%の低い粘性のオルガノポリシロキサン、約5%〜約25%のMQ樹脂および約1%〜約8%のSi−H官能性架橋剤を含有する。より好ましくは、揮発性のオルガノポリシロキサン60〜85質量%、MQ樹脂10〜20質量%および架橋剤1〜5質量%を含む組成物である。これらの百分率は、ゲルの総質量に対する質量%である。【0019】ゲルの製造は、簡単に実施される。一般に、触媒を除くすべての成分が添加され、かつ均一化された混合物が得られるまでゆっくりと撹拌し、続けて断続的に撹拌しながら触媒を添加した。組成物は、室温でゲルが形成されるまで置いてもよいか、あるいは加熱されてもよい。好ましくは、組成物を70℃〜130℃、より好ましくは90℃〜110℃の温度で、混合物が凝固するか、ゲルになるまで加熱される。一般に、ゲル化は2〜5時間以内、好ましくは最大約3時間以内および一般的には約45分以内で生じる。その後にゲルは標準的な高剪断混合技術、例えばウルトラトラックス(Ultra−Turax 商標)ミキサー等を使用して、なめらかなコンシステンシーにホモジナイズされる。高圧ミキサーおよび再循環混合技術は必要ではない。【0020】ゲルのクリーム状のコンシステンシーへの均質化に続いて、多くの化粧品成分、例えばグリセリン、香料、皮膚軟化剤、ラノリン、油、顔料、UV吸収剤、染料等は添加されてもよい。また、増粘剤、例えば熱分解法シリカおよび他の成分は、この時点でペースト様の製品を形成するクリームの粘性を増加させるために添加されてもよい。【0021】添加されてもよい化粧品成分の数および種類は、過度に重要ではなく、かつ従来技術の一つから簡単に選択されてもよい。本明細書中の用語「化粧品学的に認容性の成分」は、皮膚への使用で、化粧品学的に認容性の化粧品調剤によって添加されてもよいすべての成分を含む。このような成分の多くは、標準的な参考文献、例えばINTERNATIONAL COSMETIC INGREDIENT DICTIONARY AND HANDBOOK、1997年、Cosmetic、Toiletry and Fragrance Assoc.,ワシントンD.Cで挙げられている。【0022】本発明のクリーム状のゲルは、すべての化粧品調剤、この場合、これは、スキンケア製品、例えば制汗剤、消臭剤、サンケア剤、アフターサンケア剤、保湿剤、クリームおよびローション;着色された化粧品、例えばフェイシャルパウダー、アイパウダー、アイシャドウ、リキッドファンデーション、リキッドパウダーファンデーションおよびリップスティック;およびヘアケア製品、例えばヘアコンディショナー、ボリュームエンハンサー(volume enhancers)等を制限することなく含むシリコーンエマルジョンおよび以前から使用されている他の製品に使用されてもよい。【0023】本発明は、一般に記載されているけれども、本明細書中に例証の目的のみで提供されかつ別記しない限りは制限されないある特殊な例に関連して、他の解釈をすることができる。【0024】【実施例】比較例C1組成物を、デカメチルシクロペンチルシロキサン67.9部、MQ樹脂8048部およびH−ポリマー1000、Si−H末端化されたオルガノポリシロキサン架橋剤24部を用いて製造した。ワッカーシリコーンから入手可能な白金触媒、触媒OL 0.053部を添加し、かつこの混合物を3時間に亘って100℃に加熱した。加熱時間の終了時に、なおも粘度265センチポイズを有する液体が観察された。【0025】比較例C2組成物を比較例C1と同様の方法で製造したが、この組成物は、デカメチルシクロペンタシロキサン79.9部、MQ樹脂804 8部、H−ポリマー1000 12部および触媒0.053部を含有していた。製品は化粧品での使用が認容されない網状のゲルにゲル化した。【0026】比較例C3組成物を、比較例C2のゲルを剪断ミキサーを用いてデカメチルシクロペンタシロキサン84部および架橋されたポリマー16部の総量に希釈することによって製造した。比較例C2の場合と同様に、化粧品の製造に不適切な網状のゲルが製造された。【0027】比較例C4ゲルの製造を、デカメチルシクロペンタシロキサン67.9部、MQ樹脂804 28部およびEL架橋剤525 4部、さらに1,2−プロパンジオール中の塩化白金酸から成る白金触媒0.053部を使用して試みた。ゲルの形成ではなくむしろ粉末固体が製造された。この場合には、MQ樹脂および架橋剤の量は、揮発性シリコーンの量に対して極めて高かった。【0028】比較例C5比較例C4の固体を使用して、剪断下で、固体をデカメチルシクロペンタシロキサン84部および架橋されたシリコーン16部を有するために、希釈することによってゲルが製造された。ゲルは製造されたがすばやく分離し、化粧品での使用には不適切であることを示した。【0029】実施例1比較例C4と同様の方法で、化粧品のゲルを、デカメチルシクロペンタシロキサン80部、MQ樹脂804 17.5部および白金触媒0.053部を有するEL架橋剤525 2.5部および使用することによって製造した。使用中に分離されることのない極めて良好なゲルが製造された。このゲルをウルトラトラックス(Ultra−Turax 商標)ミキサーでホモジナイズし、化粧品での使用に適したクリーム状の極めてなめらかなコンシステンシーを有する半透明のゲルが製造された。【0030】実施例2実施例1と同様の方法で行ったが、デカメチルシクロペンタシロキサン90部、MQ樹脂804 8.21部およびEL架橋剤525 1.74部を使用した。剪断の後に、最初に形成された、軟らかい、クリーム状の半透明なゲルが製造された。【0031】実施例3実施例1と同様の方法で行ったが、組成物のゲル化に続いて、さらにデカメチルシクロペンタシロキサンを添加した。このようにして生じた組成物は、出発成分としてデカメチルシクロペンタシロキサン85部、MQ804樹脂 13.1部およびEL架橋剤525 1.87部を含有した。剪断した場合には、軟らかいクリーム状の透明なゲルが得られた。【0032】実施例4実施例1と同様の方法で行ったが、触媒の量を半分にした。液状の透明なゲルが得られた。【0033】実施例5実施例1と同様の方法で行ったが、デカメチルシクロペンタシロキサン90部、MQ樹脂804 8.0部、EL架橋剤525 1.99部および触媒0.0263部を使用した。なめらかな透明の湿ったゲルが得られた。【0034】実施例6実施例1と同様の方法で行ったが、デカメチルシクロペンタシロキサン90部、MQ樹脂804 8.1部、EL架橋剤525 1.87部および触媒0.050部を含有した。剪断の後に、透明なクリーム状のゲルが得られた。【0035】前記の実施例は、広い多様性の半透明および透明な安定したゲルが、不飽和MQ樹脂および架橋剤の骨格中に分布されたSi−H官能価を有するSi−H官能性架橋剤を使用することによって形成されてもよいことを示している。比較例は、網状のゲルを導くα,ω−Si−H官能性架橋剤の使用を示し、架橋剤の性質にかかわらず、極めて高い架橋密度は、粉状の製品を導いた。本発明の方法によって製造されるゲルが「安定」、すなわち、これらのゲルが2つまたはそれ以上の相に分離されないばかりか、「粉状」または固形の製品に凝固しないけれども、ゲルの「硬度」は時間を超えて幾らか増加した。硬度の増加は致命的な欠陥ではないが、しかしながら、示された目的とする特性を有するゲルが意図される場合には、製造中に考慮しなければならない。このゲル硬度の増加は、ヒドロシリル化反応を通して製造された他のゲルへの影響が教示されている。【0036】本願は、比較的重要でない場合には、ヒドロシリル化タイプのゲルの軟化がそ時間を経て保持されてもよいが、ヒドロシリル化触媒抑制剤の有効量を、好ましくは最初のゲル化の後に調剤に添加する。このような抑制剤が使用される場合には、例えヒドロシリル化反応がこの時点で十分に終了したとしても、一般に触媒量を幾らか増加させなければならない。【0037】触媒抑制剤は使用可能なすべてのヒドロシリル化触媒抑制剤から選択されてもよい。しかしながら、ゲルが化粧品のためのものを意味する場合には、幾つかの抑制剤は毒性の理由または消費者の認容性のために推奨されない。例えば、ドデカネチオールのような化合物は、それ自体の香気のために回避されるべきである。しかしながら、香料を含む化粧品または極めて少量が使用されるものにおいては、まさにこれらの抑制剤が認容されてもよい。抑制剤の量は、一般に、総量100質量部のゲルに対して、約0.001〜2質量部、好ましくは0.01質量部〜1質量部の範囲である。さらに好ましくは、0.05質量部〜0.5質量部、最も好ましくは0.1質量部〜0.4質量部が使用される。量は、好ましくは、全く硬度が増加しないか、あるいは極めて少ない硬度の増加のみが室温で2週間に亘る貯蔵中に生じる、申し分のないものである。抑制剤を、好ましくはゲル化に続けてか、あるいは一連のゲル化に続けて添加する一方で、抑制剤を、触媒を添加すると同時であるか、あるいはまさにその直前に添加してもよい。また、触媒は、このような場合において必要であってもよい。【0038】実施例7実施例1と同様の方法で行ったが、デカメチルシクロペンタシロキサン81.8部、MQ樹脂804 15.7部、EL架橋剤525 2.24部および触媒0.100部を含有した。ゲル化を前記実施例のように、90℃〜110℃で十分な時間に亘る撹拌によって達成した。この実施例において、ゲル化は33分後に観察された(傾斜約2.5℃/分)。このゲル化の最初の観察に続いて、撹拌および加熱を1時間に亘って続けた。その後に冷却水を満たした。冷却を約−1℃/分の速度で行った。材料が50℃に達した時にメルカプトプロピルシルセスキシロキサン0.2部を添加した。その後にゲルを剪断した。クリーム状の半透明のゲルが得られた。ゲルの軟性は、2時間に亘る貯蔵の間になおも変わらなかった。【0039】実施例8実施例7と同様の方法を行ったが、デカメチルシクロペンタシロキサン79.8部、MQ樹脂804 17.41部、EL架橋物525 2.49部および触媒0.100部を含有した。ゲル化に続いてメルカプトプロピルシルセスキシロキサン0.2部を、撹拌しながら添加した。【0040】その後にゲルが剪断された。軟性が2週間に亘っての貯蔵中に著しく変化しないクリーム状の半透明のゲルが得られた。【0041】ゲルに関する「クリーム状」の用語は、最初のゲルがクリーム状のコンシステンシーに剪断されていることを意味する。生じるクリーム状のゲルは、この場合、流動可能であるか、あるいはかなり硬化したものであってもよい。「クリーム状」の用語の存在下で、透明、半透明または不透明なこれらの剪断されたゲルは、反応成分のゲル化によってすぐに形成されたゲルから識別された。請求項に記載されたクリーム状ゲル組成物の成分は、別記しない限りは単数または複数でもよいことを意味する。【0042】実施例9実施例8と同様の方法を行い、貯蔵安定性のクリーム状のゲルを、デカメチルシクロペンタシロキサン79.60部、MQ樹脂804 17.36部および架橋物525 2.48部から製造し、1,2−プロパンジオール中のヘキサクロロ白金酸0.523部によってゲルに変えた。ゲル化を、1時間に亘って100℃に加熱すると同時に撹拌によって行った。38分後(93℃)に混合物はゲル化した。1時間後に熱を除去し、かつ生成物を40分に亘って55℃に冷却した。混合物を、9600rpmで運転されているIKA SD41 Super−Dispax(登録商標)ミキサーを通して再循環させることによって剪断した。抑制剤、メルカプトプロピルシルセスキシロキサン0.5部を、プロペラミキサーを用いて、800rpmで目的のクリーム状のゲルに剪断した。製品は貯蔵安定性の、6週間に亘ってなめらかさおよびクリーム状を保持するゲルであった。【0043】本発明の実施態様が例証され、かつ記載される一方で、前記の実施態様は本発明のすべての可能な形態を例証および記載しているわけではない。むしろ、本明細書中に使用された用語は、制限されることのない用語の記載であり、かつ、様々の変更が、本発明の精神および範囲から逸脱することなくおこなわれてもよいことが理解される。 化粧品用の安定したクリーム状ゲル組成物において、1)a)低い粘性を有するオルガノポリシロキサン60質量%〜95質量%;b)b)i ビニル官能性MQ樹脂とb)ii ポリ(メチル水素)(ジメチル)シロキサンとの有効なゲル化量のヒドロシリル化生成物;から成る混合物をゲル化し、その際、前記ヒドロシリル化は、場合によっては有効量のヒドロシリル化触媒によって促進され、2)このゲルを剪断することで、分離に対して耐性を有するクリーム状ゲルを形成させる工程によって製造される、化粧品用の安定したクリーム状ゲル組成物、この場合、すべての百分率は、全ゲル組成物に対する質量%である。 前記の低い粘性を有するオルガノポリシロキサンが2〜10個の珪素原子を有する直鎖または分枝鎖のオルガノポリシロキサンから成るか、あるいは3〜6個の珪素原子を有する環式オルガノポリシロキサンから成る、請求項1に記載の組成物。 前記の低い粘性を有するオルガノポリシロキサンの繰り返すシロキサン部分がジメチルシロキシ基である、請求項2に記載の組成物。 低い粘性を有するオルガノポリシロキサンが75質量%〜90質量%の量で存在し、ビニル官能性MQ樹脂が5質量%〜25質量%の量で存在し、かつポリ(メチル水素)(ジメチル)シロキサンが1質量%〜8質量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。 低い粘性を有するオルガノポリシロキサンが80質量%〜90質量%の量で存在し、かつビニル官能性MQ樹脂が10質量%〜20質量%の量で存在し、かつポリ(メチル水素)(ジメチル)シロキサンが1質量%〜5質量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。 剪断の前に、付加的に低い粘性を有するオルガノポリシロキサンが添加されている、請求項1に記載の組成物。 貯蔵中の前記クリーム状ゲルの軟化を減少させるのに有効な量のヒドロシリル化触媒抑制剤を有する、請求項1に記載の組成物。 前記抑制剤がメルカプトアルキル官能性シロキサンである、請求項7に記載の組成物。 前記抑制剤が、メルカプトアルキル官能性シルセスキシロキサンまたはメルカプトアルキル官能化された低い粘性を有するポリオルガノシロキサン油である、請求項8に記載の組成物。 化粧品用のクリーム状ゲルの製造方法において、a)a)i 低い粘性を有するオルガノポリシロキサンa)ii ビニル官能性MQ樹脂a)iii ポリ(メチル水素)(ジメチル)シロキサンから成る組成物を準備し;b) a)iiをa)iiiでヒドロシリル化し、ゲルを形成させ;c) 前記ゲルを剪断し、クリーム状のゲルを形成させることを特徴とする、化粧品用のクリーム状ゲルの製造方法。 さらに、a)iv ヒドロシリル化を促進するのに有効な量のヒドロシリル化触媒を含む、請求項10に記載の方法。 さらに、軟化を減少させる量のヒドロシリル化触媒抑制剤を添加する、請求項11に記載の方法。 前記抑制剤を工程b)中または工程b)の後で添加する、請求項10に記載の方法。 請求項1のクリーム状ゲルおよび化粧品学的に認容性の成分を含む化粧品。 前記化粧品が、制汗剤、消臭剤、サンケア剤、アフターサンケア剤、保湿剤、フェイスクリーム、ハンドクリーム、スキンローション、フェイシャルパウダー、アイシャドウ、リキッドファンデーション、リキッドパウダーファンデーション、リップスティック、ヘアコンディショナーおよびボリュームエンハンサーから選択されたものの一つである、請求項14に記載の化粧品。 60質量%を超える低い粘性を有するオルガノポリシロキサンおよびビニル官能性MQ樹脂をポリ(メチル水素)(ジメチル)シロキサンで、ヒドロシリル化触媒の存在下でヒドロシリル化することによって製造されたゲル化組成物を含有するクリーム状オルガノポリシロキサンゲルの軟化を減少させる方法において、軟化に有効な量のヒドロシリル化触媒抑制剤を添加することを特徴とする、クリーム状のオルガノポリシロキサンゲルの軟化を減少させるための方法。 前記ヒドロシリル化触媒抑制剤が有機硫黄化合物である、請求項16に記載の方法。 前記抑制剤がメルカプトアルキル官能性オルガノポリシロキサンである、請求項16に記載の方法。 前記の抑制剤がメルカプトプロピルシルセスキシロキサンである、請求項16に記載の方法。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る