生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_酸化鉄−ビスマス化合物複合顔料及びこれを配合した化粧料
出願番号:2000091614
年次:2011
IPC分類:C09C 1/00,C01G 29/00,C09C 3/06,A61K 8/00,A61Q 1/02


特許情報キャッシュ

小川 克基 大野 和久 JP 4786011 特許公報(B2) 20110722 2000091614 20000329 酸化鉄−ビスマス化合物複合顔料及びこれを配合した化粧料 株式会社 資生堂 000001959 岩橋 祐司 100092901 小川 克基 大野 和久 20111005 C09C 1/00 20060101AFI20110915BHJP C01G 29/00 20060101ALI20110915BHJP C09C 3/06 20060101ALI20110915BHJP A61K 8/00 20060101ALI20110915BHJP A61Q 1/02 20060101ALI20110915BHJP JPC09C1/00C01G29/00C09C3/06A61K8/00A61Q1/02 C09C 1/00 C09C 3/06 特開昭62−174002(JP,A) 特開平08−231880(JP,A) 特開平04−230305(JP,A) 4 2001279126 20011010 12 20070213 仁科 努 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、顔料、特に化粧料の仕上がりを改善する顔料に関する。【0002】【従来の技術】化粧料、特にファンデーション等のメークアップ化粧料においては、色調を調整するために、従来より酸化チタン、酸化亜鉛等の白色顔料や酸化鉄等の着色顔料が用いられてきた。また、酸化チタンは屈折率が2.5〜2.7と化粧品用粉末の中で最も高く、隠蔽力が強い。従って、このような酸化チタンの配合により、ファンデーションやフェースパウダー等にカバー力を与えていた。【0003】【発明が解決しようとする課題】しかしながら、酸化チタンの使用によって、シミ、そばかす等の肌の色ムラは隠すことはできるが、光沢がなく、カバー力を高めるために多量に配合した場合には、白く平板な仕上がりとなってしまい、素肌感や透明感が得られないという問題を生じることがある。一方、酸化チタンの配合量を少なくすると、シミやそばかすが十分に隠蔽されないため、均一な仕上がりが得られないことがあり、また、自然な仕上がりや透明感の点でも十分とは言えない。これは、酸化チタンの屈折率が皮膚の屈折率(約1.56)に比べてあまりに高すぎるためである。【0004】このような酸化チタンの問題点を改善するものとして、酸化チタンと酸化鉄とを焼成して得られた肌色系焼結顔料が報告されている(特開平7−3181号公報)。しかしながら、このような焼結顔料によっても自然な仕上がりや透明感といった点で満足できるものではなく、さらなる改善が望まれていた。また、屈折率2.15のオキシ塩化ビスマスや屈折率2.05の酸化亜鉛の配合により、ファンデーション等のメークアップ化粧料にある程度の隠蔽性を持たせることは可能であるが、オキシ塩化ビスマスは光(UV)によって白色から灰色に変色してしまうという問題点があった。また、酸化亜鉛は、化粧料中の脂肪酸などと反応してゲル化することがあるなど、何れも製品安定性の点で問題があった。【0005】本発明は、前記従来技術の課題に鑑み為されたものであり、その目的は、適度な隠蔽性がありながら、酸化チタンでは得られない新しい質感を付与することができ、化粧料に配合した場合には、シミやそばかす等の色ムラを均一にカバーしながら、素肌感と透明感のある自然な仕上がりを与えることのできる顔料及び化粧料を提供することにある。【0006】【課題を解決するための手段】前記目的を解決するために、本発明者らが鋭意検討を行った結果、酸化鉄とビスマス化合物の複合顔料が上記問題点を解決することを見い出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明にかかる複合顔料は、ビスマス化合物表面に、酸化鉄を被覆したことを特徴とする。【0007】本発明の顔料において、酸化鉄がベンガラ又は黄酸化鉄であり、且つ酸化鉄が複合顔料中0.1〜5重量%であることが好適である。また、本発明の顔料において、ビスマス化合物が、平均粒子径1〜30μm、アスペクト比3〜60である板状のオキシ塩化ビスマス又はビスマス酸化物であることが好適である。本発明にかかる化粧料は、前記の何れかに記載の複合顔料を0.1〜50重量%配合することを特徴とする。また、本発明の化粧料がメークアップ化粧料であることが好適である。【0008】【発明の実施の形態】本発明において基板となるビスマス化合物としては、オキシ塩化ビスマス(BiOCl)、又は三酸化ビスマス(Bi2O3)等のビスマス酸化物が好適であり、特に好ましくは屈折率2.15のオキシ塩化ビスマスである。その形状は、平均粒子径が1〜30μm、特に5〜30μmであり、アスペクト比(平均粒子径/平均厚み)が3〜60、特に5〜50の板状(薄片状)であることが好適である。粒子径が小さすぎると塗布時のなめらかさなどの感触の点で劣り、大きすぎると塗布時にざらつきを生じたり、光沢が出過ぎることがある。また、アスペクト比を上記範囲とすることにより、適度な隠蔽性と光沢が得られる。【0009】板状ビスマス化合物は、公知の方法により製造することができる。例えば、オキシ塩化ビスマスの場合、希塩酸中で三塩化ビスマスを加水分解し、オキシ塩化ビスマスの結晶を得る。この結晶を濾取し、水洗した後、苛性ソーダ水でpHを中性付近に調整し、得られた結晶を濾取、水洗、乾燥し、製造することができる。なお、市販品を用いればより簡便である。市販品の薄片状オキシ塩化ビスマスとしては、BIRON MTU、BironLF−2000(メルク社製)等が挙げられる。【0010】本発明の複合顔料は、ビスマス化合物表面に酸化鉄を被覆(あるいは付着)することにより得られる。酸化鉄としてはベンガラ(α−Fe2O3)、黄酸化鉄(α-FeOOH)あるいはその混合物が好ましい。複合顔料の製造方法としては、公知の反応を用いることができる。例えば、水性媒体中でビスマス化合物表面に酸化鉄を析出させる析出法や、ビスマス化合物と鉄化合物とを混合し、これを300℃〜500℃で焼成する焼成法がある。【0011】析出法では、例えば、板状オキシ塩化ビスマスを塩化鉄のような水溶性鉄塩の水溶液に懸濁し、尿素等のアルカリ剤によりpHを8〜10に調整して黄酸化鉄をオキシ塩化ビスマス表面に析出させ、これを濾取、水洗後、300℃以下、好ましくは250℃以下で乾燥することにより、黄酸化鉄被覆板状オキシ塩化ビスマスを得ることができる。反応に用いる鉄塩の濃度は、所望する黄酸化鉄の被覆量によって適宜決定すればよい。また、反応温度は40℃〜還流温度が好ましい。また、このような黄酸化鉄被覆板状オキシ塩化ビスマスを、さらに大気中で300〜500℃で焼成してもよい。400℃以上で焼成すると、黄酸化鉄の一部あるいは全部をベンガラに転移させることができる。【0012】焼成法では、例えば、板状オキシ塩化ビスマスと黄酸化鉄粉末とをヘンシェルミキサー等で混合し、これを大気中、300〜500℃で1〜5時間、好ましくは350〜400℃で1.5〜2.5時間焼成後、粉砕、分級することにより、ベンガラ被覆板状オキシ塩化ビスマスを得ることができる。オキシ塩化ビスマスと黄酸化鉄の混合割合は、所望するベンガラ被覆量によって適宜決定すればよい。なお、析出法ではビスマス化合物表面が酸化鉄で均一に被覆されるために透明性が高くなり、焼成法では酸化鉄がビスマス化合物表面にランダムに付着するため表面反射が低減されるという傾向がある。また、本発明の複合顔料は、本発明の効果が損なわれない範囲で、通常化粧品用粉末に行われる表面処理を行ってもよい。例えば、シリコーン、金属石鹸、レシチン、アミノ酸、コラーゲン、フッ素化合物等で処理することができる。【0013】本発明の複合顔料は、肌の色調に近似した黄色〜赤色(アースカラー)であり、マンセル表示系における色相(H)としては5R〜5Yの範囲である。また、適度な光沢があり、化粧料、特にファンデーション等の肌色系のメークアップ化粧料に配合すると、シミやそばかす等の肌の色ムラをカバーしながら、奥行きや深みを感じさせる、透明感のある自然な仕上がりの化粧料とすることができる。これは、例えば、オキシ塩化ビスマスを基板とした場合にはその屈折率が2.15と肌の屈折率よりもやや高めで適度なカバー力を有しており、酸化鉄がこのオキシ塩化ビスマスのカバー力を損なうことなく顔料の外観色を肌に近い色調に整えて、違和感のない自然な仕上がりを与えるものと考えられる。また、基板のビスマス化合物を板状(薄片状)とすることにより、肌への密着性が高まって肌の色ムラが効果的に隠蔽される。また、適度な光沢があるため肌の質感に近い透明感のある仕上がりが発現される。さらに、本発明の複合顔料では、オキシ塩化ビスマスの光による変色が抑えられるので、化粧料の製品安定性を改善することができる。【0014】複合顔料中の酸化鉄量としては0.1〜5重量%であり、好ましくは0.3〜3重量%である。酸化鉄が少な過ぎると粉末が着色しないので、化粧料に配合しても所望するような自然な仕上がりが得られないことがある。また、退色防止効果も十分に発揮されない。一方、酸化鉄が多すぎると着色が強すぎ、化粧料へ配合するとやはり不自然な仕上がりになることがある。また、光沢も損なわれる傾向がある。なお、本発明において、複合顔料中の酸化鉄量は仕込量から換算したものである。【0015】本発明にかかる複合顔料を化粧料に配合する場合、複合顔料の配合量は通常0.1〜50重量%であるが、シミ、そばかす等に対するカバー効果を十分に発揮させるためには、化粧料中5重量%以上配合することが好ましい。一方、配合量が多すぎると、化粧料としての隠蔽性や光沢が強すぎて不自然な仕上がりとなることがある。【0016】本発明の化粧料には、その他の化粧品用粉末を配合することができる。例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、群青、酸化セリウム、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、ベントナイト、クレー、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、含フッ素金雲母、合成タルク、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、チッ化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、カラミン、炭酸マグネシウム、及びこれらの複合体等の無機粉末;シリコーン粉末、シリコーン弾性粉末、ポリウレタン粉末、セルロース粉末、ナイロン粉末、PMMA粉末、スターチ、ポリエチレン粉末、及びこれらの複合体等の有機粉末が挙げられる。これら粉末は表面処理したものでもよい。【0017】また、その他の化粧料成分も配合可能である。例えば、油性成分として、流動パラフィン、固形パラフィン、ワセリン、セレシン等の炭化水素油、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル油、天然油脂、パーフルオロポリエーテル、ラノリン、カルナバロウ等のワックス、脂肪酸、高級アルコール、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ビニルピロリド樹脂等の樹脂類等が挙げられる。その他、アルコール類、多価アルコール、色素、pH調整剤、保湿剤、増粘剤、界面活性剤、分散剤、安定化剤、着色剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、香料等も適宜配合できる。【0018】本発明の化粧料としては、特にメークアップ化粧料が好適であり、乳化ファンデーション、パウダーファンデーション、油性ファンデーション、フェースパウダー、アイシャドー、チークカラー、口紅、ボディパウダー、パヒュームパウダー、ベビーパウダー、下地用化粧料等が挙げられる。なお、本発明の複合顔料は、隠蔽性がありながら、酸化チタンのような平板な印象ではなく、奥行きを感じさせる透明感のある質感を付与することができるので、顔料や質感改良剤として、化粧料の以外の各種製品分野に適用することも可能である。例えば、自動車用塗料、家電製品用、建材用塗料等の塗料の他、プラスティック製品、印刷インク等、顔料を用いる製品が挙げられる。【0019】以下、具体例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、配合量は特に指定のない限り、重量%で示す。製造例1板状オキシ塩化ビスマス(屈折率2.15、平均粒子径20μm、アスペクト比21)100gを、塩化第二鉄水溶液500ml(鉄分として3g含有)中に添加し、これに尿素8.4gを添加してpH9に調整後、2時間加熱還流した。反応液を濾過して得られた粉末を水で洗浄し、120℃で乾燥後、300℃で1時間焼成し、黄色の黄酸化鉄被覆板状オキシ塩化ビスマス(平均粒子径20μm、アスペクト比21)96gを得た(マンセル表示系におけるH V/Cは、9.62YR 7.75/2.05)。得られた複合顔料中の黄酸化鉄量は、仕込量から約4.6重量%であった。【0020】製造例2板状オキシ塩化ビスマス(屈折率約2.15、平均粒子径10μm、アスペクト比16)98重量部と、黄酸化鉄粉末2重量部とを乾式混合し、電気炉にて400℃で1時間、大気中で焼成した。焼成物を粉砕、分級し、赤橙色のベンガラ被覆板状オキシ塩化ビスマス(平均粒子径10μm、アスペクト比16)を得た(マンセル表示系におけるH V/Cは、6.23YR 7.59/3.23)。得られた複合顔料中のベンガラ量は、仕込量から2重量%であった。【0021】退色試験板状オキシ塩化ビスマスと黄酸化鉄の混合割合を変えて、製造例2と同様に複合顔料を製造し、被験粉末とした。粉末セルに所定量の被験粉末を充填し、一定のトルク値で加重をかけてフタをした。1.5kwのキセノンランプを用い、30cmの距離から30時間、50℃で照射した。照射前後に測色機(ミノルタ社製CM−1000)で測定し、色差(△E)を算出した。色差が大きいほど、退色が大きいことを示す。その結果、図1からわかるように、板状オキシ塩化ビスマスと黄酸化鉄を焼成して得られた本発明の複合顔料では、板状オキシ塩化ビスマスのみを焼成した場合に比べて光照射による色差が小さく、退色が抑えられた。【0022】反射特性試験板状オキシ塩化ビスマスと黄酸化鉄の混合割合を変えて、製造例2と同様に複合顔料を製造し、その反射特性を調べた。方法は、化粧品用ブラシで複合顔料をテープに均一に塗布し、これを変角光沢度計(日立社製)にて入射角45度、受光角90〜160度で測定した。結果を図2に示す。図2から明らかなように、酸化鉄量が多くなるに従って全体にY値(明度)が低下し、つやが少なくなることがわかる。以上のことから、酸化鉄量としては、複合顔料中0.1〜5重量%、特に0.3〜3重量%が好適である。【0023】実用試験被験化粧料を20名の女性パネラーの顔面に塗布し、肌のくすみ、シミ、そばかす等の色ムラに対するカバー効果、仕上がりの自然さ、透明感について評価を行った。◎ :良いと回答したパネラーが17名以上○ :良いと回答したパネラーが12〜16名△ :良いと回答したパネラーが9〜11名× :良いと回答したパネラーが5〜8名××:良いと回答したパネラーが4名以下【0024】試験例1 パウダーファンデーション下記の処方でパウダーファンデーションを常法により調製し、評価を行った。結果を表1に示す。(処方)セリサイト 17 重量%合成マイカ 10タルク to100被験粉末(表1参照) 18ベンガラ 0.8黄酸化鉄 2黒酸化鉄 0.1シリコーン弾性粉末 1球状ポリエチレン 4ジメチルポリシロキサン 3流動パラフィン 5ワセリン 5ソルビタンセスキイソステアレート 1パラベン 適量酸化防止剤 適量香料 適量【0025】【表1】【0026】表1から解るように、ベンガラ被覆酸化チタンはカバー効果が優れていたが、仕上がりが不自然であり、透明感やつやも劣っていた。また、板状硫酸バリウムを基板とするベンガラ被覆板状硫酸バリウムの場合には、仕上がりの自然さや透明感は良好であったものの、カバー力に欠けていた。これに対し、本発明の複合顔料は、基板である板状オキシ塩化ビスマス場合と同等以上の良好なカバー効果を発揮するとともに、板状オキシ塩化ビスマスやその他の粉末に比べて仕上がりの自然さ、透明感、つやにおいても非常に優れていた。【0027】試験例2 乳化リキッドファンデーション下記の処方でW/O型乳化リキッドファンデーションを常法により調製し、評価を行った。結果を表2に示す。(処方)シリコーン処理マイカ 10 重量%シリコーン処理セリサイト 7被験粉末 16球状PMMA粉末 4環状ジメチルシロキサン to100ジメチルポリシロキサン 4スクワラン 3ポリエーテル変性シリコーン 2ソルビタンセスキイソステアレート 1分散剤 適量ジプロピレングリコール 2イオン交換水 20パラベン 適量抗酸化剤 適量香料 適量【0028】【表2】【0029】表2より、シリコーンなどによる表面処理によっても本発明の複合顔料の効果は損なわれず、従来のシリコーン処理板状顔料に比して優れた効果を発揮することが理解される。【0030】試験例3 配合量製造例2の複合顔料の配合量を変えて、試験例1のパウダーファンデーションを調製し、評価を行った。結果を表3に示す。【0031】【表3】【0032】表3から解るように、カバー力と仕上がりの自然さなどの点では、複合顔料の化粧料中における配合量は5〜50重量%、さらには10〜40重量%が好適である。なお、本発明の複合顔料とともに二酸化チタンを併用した場合には、この限りではなく、より少ない配合量でも効果を発揮することができる。表4は、試験例1のパウダーファンデーションの被験粉末として、複合顔料(製造例2)と酸化チタンを用い、両者の配合量を変えて調製したものの評価結果である。なお、被験粉末の増減は、タルクで調整した。【0033】表4からわかるように、本発明の複合顔料と二酸化チタンとを化粧料中に適量併用すると、複合顔料が少なくても隠蔽性が向上して肌の色ムラを均一にカバーでき、しかもつややかで透明感のある自然な仕上がりの化粧料を得ることができる。複合顔料:二酸化チタンの重量比としては、1:0.5〜1:3が好適である。【0034】【表4】【0035】【実施例】実施例1 両用パウダーファンデーションシリコーン処理セリサイト 18 重量%シリコーン処理マイカ to100シリコーン処理タルク 15シリコーン処理黄酸化鉄被覆板状オキシ塩化ビスマス 24(被覆率0.7重量%、平均粒子径14μm、アスペクト比12)ステアリン酸アルミ処理微粒子酸化チタン 6シリコーン処理ベンガラ 1.2シリコーン処理黄酸化鉄 2.5シリコーン処理黒酸化鉄 0.9ポリウレタン粉末 6パラベン 適量ジメチルポリシロキサン 4メチルフェニルポリシロキサン 3オクチルメトキシシンナメート 3ポリエーテル変性シリコーン 2酸化防止剤 適量香料 適量【0036】実施例2 フェースパウダー(白粉)タルク to100 重量%マイカ 25黄酸化鉄被覆板状オキシ塩化ビスマス 8(被覆率1.0重量%、平均粒子径20μm、アスペクト比18)微粒子酸化チタン 3球状シリコーン粉末 8ワセリン 1スクワラン 3エステル油 1パラベン 適量酸化防止剤 適量香料 適量【0037】実施例3 W/O型乳化クリームファンデーションタルク 8 重量%セリサイト 7ベンガラ被覆板状オキシ塩化ビスマス 15(被覆率0.3重量%、平均粒子径8μm、アスペクト比6)ベンガラ 0.3黄酸化鉄 1.2黒酸化鉄 0.6球状ポリエチレン粉末 6スクワラン 10オリーブ油 10ステアリン酸 2グリセリルモノステアレート 2POE(40)ソルビタンモノステアレート 2グリセリン 5トリエタノールアミン 0.8pH調整剤 適量防腐剤 適量イオン交換水 to100【0038】実施例4 ルースパウダー(粉末状白粉)タルク to100 重量%合成マイカ 12黄酸化鉄被覆板状オキシ塩化ビスマス 43(被覆率2重量%、平均粒子径30μm、アスペクト比32)球状PMMA粉末 4スクワラン 3パラベン 適量香料 適量【0039】【表5】【0040】表5に示すように、実施例1〜4の化粧料は、何れもカバー力があり、しかも、仕上がりの自然さ、透明感において優れ、また、適度なつやを有するものであった。以下、本発明の複合顔料粉末の化粧料以外の製品への配合例を例示する。【0041】配合例1 自動車上塗り用塗料A:アクリル・メラミン樹脂 100重量部(アクリデック47−712:スーパーベッカミンG821−60=7:3[重量]混合物)B:複合顔料(製造例2) 20重量部C:アクリル・メラミン樹脂用シンナー 適量(酢酸エチル:トルエン:n−ブタノール:ソルベッソ#150=5:3:1:4[重量]混合物)(製法)AとBとを混合し、これにCを加えてスプレー塗装に適した粘度に調整し、自動車用のスプレー塗装に供する。【0042】配合例2 着色プラスティック高密度ポリエチレン樹脂(ペレット) 100 重量部複合顔料(製造例1) 1 重量部マグネシウムステアレート 0.1重量部ジンクステアレート 0.1重量部(製法)上記成分をドライブレンドし、射出成型機を用いた着色プラスティック成形に供する。【0043】配合例3 印刷インクA:CCSTメジウム 40重量部(ニトロセルロース系樹脂 東洋インク(株))B:複合顔料(製造例2) 8重量部C:NC102溶剤(東洋インク(株)) 適量(製法)AとBを混合したインクに、Cを加えて粘度を20csに調整し、印刷に供する。【0044】【発明の効果】本発明によれば、ビスマス化合物を酸化鉄で被覆することにより、ビスマス化合物の光による退色性が大幅に低減され、且つ隠蔽性と適度な光沢を有するアースカラーの着色顔料が得られる。これは化粧料、各種塗料、着色プラスティック、印刷インク等の各種製品において、着色顔料としてあるいは質感改良剤として有用である。特に、化粧料に配合した場合には、カバー力があり、且つ自然で透明感のある仕上がりの化粧料を得ることができる。【図面の簡単な説明】【図1】本発明にかかる複合顔料の光に対する退色防止効果を示す図である。【図2】本発明にかかる複合顔料中の酸化鉄量による反射特性の変化を示す図である。 ビスマス化合物表面に、光沢複合顔料中0.1〜5重量%のベンガラ又は黄酸化鉄を光沢複合顔料の表層に被覆したことを特徴とする光沢複合顔料。 請求項1記載の顔料において、ビスマス化合物が、平均粒子径1〜30μm、アスペクト比3〜60である板状のオキシ塩化ビスマス又はビスマス酸化物であることを特徴とする光沢複合顔料。 請求項1又は2記載の光沢複合顔料を0.1〜50重量%配合することを特徴とする化粧料。 請求項3記載のメークアップ化粧料。


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