タイトル: | 特許公報(B2)_スルフィン酸誘導体およびそれらの製造と使用 |
出願番号: | 1999518466 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | C07C 313/04,C08F 4/40,D06L 3/10,D21C 9/10 |
バークホッファー,ヨーゼフ ロットマン,ハリー JP 4392628 特許公報(B2) 20091023 1999518466 19980701 スルフィン酸誘導体およびそれらの製造と使用 エル、ブリュックゲマン カーゲー 赤岡 迪夫 バークホッファー,ヨーゼフ ロットマン,ハリー DE 19743759.1 19971002 20100106 C07C 313/04 20060101AFI20091210BHJP C08F 4/40 20060101ALI20091210BHJP D06L 3/10 20060101ALI20091210BHJP D21C 9/10 20060101ALI20091210BHJP JPC07C313/04C08F4/40D06L3/10D21C9/10 Z C07C313/00 C08F 4/00 D06L 3/00 D21C 9/00 CA/REGISTRY(STN) 西独国特許出願公開第19510278(DE,A) 西独国特許出願公告第01240035(DE,B) 特開平05−097794(JP,A) 特開平03−056455(JP,A) 特開昭63−048260(JP,A) Tetrahedron, 1994年, 50(18), p.5401-5412 15 EP1998004055 19980701 WO1999018067 19990415 2001509819 20010724 15 20050616 前田 憲彦 本発明は、スルフィン酸誘導体およびそれらの製造と、並びに種々の適用分野におけるそれらの使用に関する。既知のように、スルフィン酸H2SO2は最も強力な既知の還元剤の一つである。その遊離酸は不安定である。従ってその安定なそして対応して管理可能な誘導体の形においてのみ商業的に利用可能である。今日以下のスルフィン酸誘導体が商業的に重要性を得ている。1.亜ジチオン酸ナトリウム(製紙において繊維の漂白、バット染色および織物漂白、鉱物漂白、工業排水中の重金属還元)2.ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム二水塩(繊維色抜きプリント、織物漂白、乳化重合におけるレドックス共触媒、重金属還元、医薬品)3.ホルムアミジンスルフィン酸(製紙において繊維漂白、織物漂白)4.ホルムアルデヒドスルホキシル酸亜鉛(織物プリントおよび織物漂白)上に述べたスルフィン酸誘導体のすべては水溶液または分散液の形で使用される。水性媒体中では、亜ジチオン酸およびアルカリ金属ホルムアミジンスルフィン酸塩−遊離ホルムアミジンスルフィン酸は水に実質上不溶であり、そしてその酸の形では非常に僅かの還元作用を持つのみである――は短時間だけ安定である。その結果、室温においてさえもそれらはすぐれた還元能力および繊維に対しすぐれた漂白効果を示す。ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウムおよびホルムアルデヒドスルホキシル酸亜鉛の水性調製物は室温で数ヶ月安定である。その結果、この両方のホルムアルデヒドスルホキシル酸塩は90℃以上の温度でそれらの真の還元作用を示す。強アルカリ性または強酸性媒体中、または適当な強い酸化剤の存在下においては、両方のホルムアルデヒドスルホキシル酸塩は勿論90℃以下の温度で還元効果を有する。ホルムアルデヒドスルホキシル酸塩のこの特定の性質、すなわち5℃ないし90℃の温度において非常に均一なそして容易にコントロールできる還元効果を発揮することは、フリーラジカル開始乳化重合に使用可能とする。この場合、ホルムアルデヒドスルホキシル酸塩は種々の乳化重合系に使用される。SBS(スチレンブタジエンゴム)の冷時製造の場合、重合は有機過酸化物を用いて開始される。約5℃の低い重合温度においては、有機過酸化物は必要なフリーラジカルに分解しない。過酸化物開裂は触媒量の鉄(II)塩によって開始されなければならない。酸化段階2にある鉄は酸化段階3へ変換され、もはや過酸化物開裂に不適とする。ホルムアルデヒドスルホキシル酸塩の助けにより、鉄(III)イオンは鉄(II)イオンへ還元され、過酸化物開裂およびフリーラジカル開始が継続する。他の乳化重合系においては、過酸化水素またはペルオキソ二硫酸塩のような過酸化化合物がフリーラジカル形成剤として使用される。フリーラジカル形成速度を増すため、再び還元剤が使用される。挙げることのできる例はホルムアルデヒドスルホキシル酸塩、重亜硫酸塩、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸およびナトリウムエリスロベートである。ホルムアルデヒドスルホキシル酸塩、特にホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウムは特に効果的なそして良い価値のある還元剤であることが証明されている。しかしながら還元プロセスの間、ホルムアルデヒドスルホキシル酸はホルムアルデヒドを放出する。ホルムアルデヒドを含んではならないプラスチックもしくはポリマー分散液は亜硫酸塩、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸またはナトリウムエリスロベートを使用して重合される。ホルムアルデヒド不含還元剤はより弱い還元剤であるから、ホルムアルデヒドスルホキシル酸塩に比較してより不完全な重合の不利益を許容しなければならない。さらにアスコルビン酸、イソアスコルビン酸およびナトリウムエリスロベートの使用はポリマーの望ましくない黄変へ導く。本発明の目的は、それらの化学的性質がホルムアルデヒドスルホキシル酸塩にできるだけ似ているが、しかし使用中または使用後ホルムアルデヒドを放出しない新規なスルフィン酸誘導体を提供することである。驚くべきことに、今やこの目的は後でもっと詳しく記載するタイプのスルフィン酸誘導体によって達成されることが判明した。このため本発明は式(I):のスルフィン酸化合物およびその塩を提供する。式中、Mは、水素原子、アンモニウムイオン、一価の金属イオン、または周期律表Ia,IIa,IIb,IVaまたはVIIIb族の二価金属イオンの当量であり;R1は、OHまたはNR4R5であって、ここでR4およびR5は独立にHまたはC1−C6−アルキルであり;R2は、H、アルキル、アルケニル、シクロアルキルまたはアリール(これらの基はC1−C6−アルキル、OH、O−C1−C6−アルキル、ハロゲンおよびCF3から独立に選ばれた1,2または3個の置換基を持つこともできる。)であり;R3は、COOM,SO3M,COR4,CONR4R5またはCOOR4(M,R4およびR5は前記に同じ。)であり、またはもしR2が未置換もしくは前記のような置換アリールであれば、R3もHである。本発明の目的に対し、以下に挙げた表現は以下の意味を有する。アルキルは、好ましくは1〜6個、特に1〜4個の炭素原子を持つ直鎖もしくは分岐鎖アルキルを表す。アルキル基の例はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル等である。同じことはO−アルキル中のアルキル基にも当てはまる。アルケニルは、好ましくは3〜8個、特に3〜6個の炭素原子を持つ直鎖もしくは分岐鎖アルケニル基を表す。好ましくはアルケニル基はアリル基である。シクロアルキル基は、特にC3−C6−シクロアルキルであり、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが特に好ましい。アリール(アラルキル中のアリールも)は、好ましくはフェニルまたはナフチルである。もしアリール基がフェニル基でありそして置換されているならば、それは好ましくは二つの置換基を有する。それらは特に2位および/または4位にある。ハロゲンは、F,Cl,BrおよびI、好ましくはClおよびBrを表す。Mは、好ましくはアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、またはアルカリ土類金属イオンもしくは亜鉛イオンの当量である。好適なアルカリ金属イオンは特にナトリウムおよびカリウムイオンである。好適なアルカリ土類金属イオンは特にマグネシウムおよびカルシウムイオンである。R1は好ましくはヒドロキシルまたはアミノ基である。R2は好ましくは水素原子、または上記のように置換されていてもよいアルキルもしくはアリールである。それは好ましくは1または2のヒドロキシルおよび/またはアルコキシ置換基を持つ。R3は好ましくはCOOMまたはCOOR4(MおよびR4は前記に同じ。)であるか、またはもしR2が前記のように置換されていてもよいアリールであるならば、水素原子でもよい。好ましい具体例は、式(I)において、Mがアルカリ金属イオンか、アルカリ土類金属イオンもしくは亜鉛イオンの当量であり、R1がヒドロキシルまたはアミノ基であり、R2がHまたはアルキルであり、R3がCOOMまたはCOOR4(MはH、アルカリ金属イオン、またはアルカリ土類金属イオンの当量であり、R4はC1−C6−アルキルである。)である化合物をカバーする。別の好ましい具体例は、式(I)において、Mがアルカリ金属イオンか、アルカリ土類金属イオンまたは亜鉛イオンの当量であり、R1がヒドロキシルまたはアミノ基であり、R2が未置換アリールまたは前記のように置換されたアリール特にヒドロキシフェニルまたはC1−C4−アルコキシフェニールであり、R3が水素原子である化合物をカバーする。これらの新規化合物は亜ジチオン酸塩から製造される。有利にはスルフィン酸化合物にも望ましい陽イオンを有する塩が使用される。亜ジチオン酸塩を対応する芳香族アルデヒドと反応させることにより、R2が未置換もしくは置換アリール基であり、R3が水素原子である化合物が製造される。この反応は例として亜ジチオン酸ナトリウムと2−ヒドロキシベンズアルデヒドを使用し、以下の反応式によって例証することができる。式(I)のすべての他の化合物は、亜ジチオン酸塩を対応する1,2−ジカルボニル化合物またはそのスルホン酸均等物と反応させることによって製造される。使用される1,2−ジカルボニル化合物は、特にグリオキシル酸または対応するケト化合物およびそれらのエステルである。この反応は亜ジチオン酸ナトリウムおよびグリオキシル酸を使用し、以下の反応式によって例証することができる。反応は一般に塩基の存在下水性媒体中で実施される。水性媒体はメタノール、エタノール、イソプロパノールのような水溶性有機溶媒を含むことができる。使用し得る塩基は特にアルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物である。反応は一般に環境温度で実施され、発熱反応であるため反応混合物の加熱は一般に必要でない。所望の生成物は一般に反応混合物から沈殿するか、またはメタノール、イソプロパノール、アセトン等の極性水溶性有機溶媒を加えることによって沈澱することができる。得られる生成物は塩の形であり、これはもし望むならば酸性イオン交換体による酸性化もしくは処理によって遊離酸へ変換することができる。さらに生成物は一般に対応する金属亜硫酸塩との混合物に製造される。多くの場合、この混合物は対応するスルホン酸および結晶水を含んでいる。新規化合物は通常の方法で、例えば水もしくは水性エタノールからの再結晶により同伴成分から分離することができる。実際に使用するためには、同伴成分を分離することは必要でない。反対に、新規化合物の作用はこれら同伴成分によって増強される。このため本発明は言及した成分との混合物を提供する。この目的のため、亜硫酸金属塩40%までの量およびスルホン酸60%までの量が存在し得る。水分は30%まででよい。これら新規化合物はその還元作用がホルムアルデヒドスルホキシル酸塩に匹敵する還元剤である。しかしながらそれらは使用前、使用中または使用後ホルムアルデヒドを排出しない利点を有する。このため新規化合物はホルムアルデヒドの発生が望ましくない分野において優先的に使用される。例えば、それらは織物印刷、特に色抜き印刷に、織物漂白もしくはバット染色に還元剤として、またはカオリン等の鉱物および繊維、例えばセルロース繊維の漂白のための還元剤として使用することができる。しかしながらそれらは重合を低温で実施することを許容するため過酸物開始剤と共に乳化重合における共触媒として好ましくは使用される。この目的のため、もし望むならばFe2+,Mn2+等の酸化し得る金属イオンと共にこのスルフィン酸を使用することができる。その時これら金属イオンはスルフィン酸化合物のカウンターイオン、すなわちM=Fe2+,Mn2+等として有利に使用される。使用のため、新規化合物は一般に慣用の添加剤および補助剤と共に使用される。この点に関し、還元性化合物を使用してはならないことを除き、特に制限はない。以下の実施例は限定なしで本発明を例証する。実施例中に与えられた純度数値は製造される結晶水を含んでいる製品に関する。すなわち、純度は結晶水含量を考慮に入れるとき有意義にさらに高くなる。実施例12−ヒドロキシフェニルヒドロキシメチルスルフィン酸ナトリウム塩、2−ヒドロキシベンズアルデヒド50mlと50%濃度水酸化ナトリウム水溶液45gを市販のヒドロ亜硫酸ナトリウム(亜ジチオン酸ナトリウム)90gの水溶液へ加えた。発熱反応が終了した後、生成した粗製品をメタノールを使用して分離し、そしてメタノール/エタノール/水混液から再結晶した。2−ヒドロキシフェニルヒドロキシメチルスルフィン酸ナトリウム塩が純度75.8%をもって製造された。スルフィン酸含量はヨード滴定を用いて決定された。IR分光データ(T=透過率)は以下のとおりである。実施例24−メトキシフェニルヒドロキシメチルスルフィン酸ナトリウム塩:4−メトキシベンズアルデヒド63gと、50%濃度水酸化ナトリウム水溶液45gを市販のヒドロ亜硫酸ナトリウム水溶液90へ加えた。得られた溶液の蒸発は粗製品を沈澱させた。このスルフィン酸のナトリウム塩はメタノール/エタノール/水混液からの再結晶により純度68%をもって得られた。対応スルホン酸のナトリウム塩が第2成分として存在した。実施例32−ヒドロキシ−2−スルフィナート酢酸ナトリウム塩:水800ml中の市販ヒドロ亜硫酸ナトリウム358gと、50%濃度グリオキシル酸268gと、50%濃度水酸化ナトリウム溶液285gの反応は2−ヒドロキシ−2−スルフィナート酢酸ジナトリウムを95%の収率で与えた。固体の粗製品はスルフィン酸43%(水和した水なしで)を含んでいた。メタノール/エタノール/水混液からの結晶化は良好な結晶においてスルフィン酸の水和物を与えた。イオウ含有成分はヨード滴定を使用して決定された。このスルフィン酸は約75℃においてインダンスレン紙との反応を示す。IRスペクトルは以下のピークを示す。13C核磁気共鳴スペクトル(63MHz):δ(ppm):93.8(s);177.7(s)実施例42−ヒドロキシ−2−スルフィナート酢酸亜鉛塩:水性媒体中亜鉛末33gと二酸化イオウの反応は亜ジチオン酸亜鉛を与えた。これをその場で50%濃度グリオキシル酸136gと反応させた。発熱反応終了後、ZnO75gを加えた。濾液中に存在する粗生成物をメタノールを用いて沈澱した。スルフィン酸20%とスルホン酸48%(ヨード滴定により決定)よりなっていた。実施例52−ヒドロキシ−2−スルフィナートプロピオン酸ジナトリウム塩:水中の市販ヒドロ亜硫酸ナトリウム89gから出発し、ピルビン酸40gと、50%濃度水酸化ナトリウム溶液約78gとの反応により粗製品が得られた。粗製品はスルフィン酸40%を含有し、そしてメタノール/エタノール/水混液から再結晶した。含量はヨード滴定により決定した。対応するスルホン酸のジナトリウム塩が第2成分として存在した。測定されたIR分光信号は以下のとおりであった。実施例62−ヒドロキシ−2−スルフィナートプロピオン酸エチルナトリウム塩:水溶液中の市販ヒドロ亜硫酸ナトリウム90gをピルビン酸エチル60gと、50%濃度水酸化ナトリウム39gと反応させた後、2−ヒドロキシ−2−スルフィナートプロピオン酸エチルナトリウム塩が水和物として発熱反応の間に沈澱した。分離し、乾燥した粗製品はスルフィン酸79%(結晶水なしで計算)を含んでいた。この含量はヨード滴定により決定された。IR分光信号は以下のように要約できる。実施例7黒色布上の色抜き印刷のため、以下の処方を有する印刷ペーストを選択した。印刷ペーストのためのベース処方:実施例3に相当するホルムアルデヒド不含還元剤、または比較混合物のためホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウムを次にこのベース処方へ加えた。次に得られた混合物を黒い布へ次々に適用し、乾燥キャビネット中で乾燥した。次に布を102℃で10分間エージングし、その間に染料を還元した。シックナーおよび他の薬品を除去するため布を良く洗浄し、還元剤を前もって適用した場所において脱色された布地が明瞭になった。色抜き印刷が良く実行されたことが明白である。調製物の洗浄はどのような種類の問題も提供しなかった。2−ヒドロキシ−2−スルフィナート酢酸のジナトリウム塩は、このように現行技術に従った織物色抜き印刷に使用することができる。この色抜き印刷の結果は表1に要約される。実施例8カオリンの漂白カオリンの出発濃度は250g/lであった。スラリーはpH6.5を持っていた。攪拌機を用いて30分間カオリン懸濁液をホモジナイズした後、pHを半濃硫酸を用いて2.5に調節した。実施例3に相当する2−ヒドロキシ−2−スルフィノ酢酸ジナトリウム塩またはホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウムを10%濃度溶液として添加し、そしてカオリン懸濁液の固形分に基づいていた(表2を見よ)。反応条件:温度:室温pH:2.5反応時間:2時間2−ヒドロキシ−2−スルフィナート酢酸ジナトリウム塩を含んでいる調製物はカオリンの漂白において良好な結果を得る。ヒドロキシアセチルスルフィン酸ジナトリウム塩を含んでいる調製物はホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウムよりも3〜4倍速く反応した。鉱物、特にカオリンの漂白における漂白は現行の技術に従って可能である。実施例9(比較例)水400g,Airvol 205(ポリビニルアルコール、88%加水分解、重合度=500;Air Products and Chenricals,Inc.製)の10%水溶液286g,Airvol 107(ポリビニルアルコール、98%加水分解、重合度=500、Air Products and Chenricals,Inc.製)の10%溶液286g,Igepa1 CO−887(非イオン界面活性剤、Rhone−Poulanc,Inc.製;エチレンオキシド約30モルを含むIgepalの70%濃度水溶液)47gを3.8リットル加圧反応器へ仕込み、1%濃度の硫酸鉄(II)水溶液4.8gと混合した。反応混合物を50%濃度リン酸溶液1.75gを用いてpH3.3へ調節した。次に酢酸ビニルモノマー1710gを計量して加えた。反応混合物を900rpmで攪拌し、35℃へ加熱した。次にエチレンガス200gを20.4気圧まての圧力において導入した。次に、水 270gイソアスコルビン酸 30g29%濃度水酸化アンモニウム 0.8gの組成を有するイソアスコルビン酸10%濃度水溶液(pH=4)を加えた。重合は、脱イオン水589gと、35%濃度過酸化水素11.1gの組成を有する0.65%濃度過酸化水素水溶液合計10gを使用して開始した。重合開始後、イソアスコルビン酸アンモニウム/イソアスコルビン酸溶液の残りの295.1gを4時間の間に計り入れた。0.65%濃度過酸化水素溶液の残りの590.1gは、反応混合物が1時間を要して35℃から55℃へ暖まり、そして反応混合物がその後55℃に3時間維持されるように重合をコントロールするために加えられた。重合時間合計4時間の後、遊離酢酸ビニルモノマーの含量はなお1.5%であった。反応混合物を35℃へ冷却し、過剰のエチレンを脱気するため無圧力容器へ移した。エマルジョン中に残っている遊離酢酸モノマーはその後10%濃度イソアスコルビン酸水溶液20gと、3.5%過酸化水素の添加によって重合させ、その結果遊離酢酸ビニルモノマー0.5%以下の最終含量へ低下させた。ポリマーエマルジョンのpHは14%濃度のアンモニア水を使用して所望のpH(表3を見よ)へ調節した。ポリマーエマルジョン(ラテックス)の物理的性質は表3に要約される。実施例10(比較例)乳化重合を実施例9におけるように繰り返し、そしてイソアスコルビン酸アンモニウム/イソアスコルビン酸の代わりに、水270gと、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム22.1gよりなる水溶液を使用した。結果は表3に要約される。実施例11(乳化重合における共触媒)乳化重合を実施例9におけるように繰り返し、そしてイソアスコルビン酸アンモニウム/イソアスコルビン酸の代わりに、実施例3の還元剤(粗製品)33gと水270gよりなる水溶液を使用した。結果は表3に要約される。実施例12砕木パルプ漂白砕木パルプ漂白のための条件:ストック濃度:5.4%漂白温度:75℃漂白剤添加:漂白剤0.2/0.4/0.6/0.8/1.0%,絶乾(乾燥重量)漂白時間:30分漂白のため砕木パルプ100gを各々の場合ポリエチレンバッグに秤取した。漂白剤を添加するため、水溶液を調製した(これら溶液1mlは各漂白剤絶乾0.2%を含有)。漂白液をピペットした後、バッグを直ちにしばり、中味を閉じたバッグをこねることによって完全に混合した。漂白温度はサーモスタット(水浴)を使用して調節した。必要な漂白時間後、パルプスラリーを計量フラスコへ移し、漂白後のpHを測定した。次に体積を水道水で300mlとし、パルプスラリーを攪拌することによって混合物をホモジナイズした。パルプララリー全部を使用して慣用の吸引シートフィーマーを使用してシートを形成した。得られたシートをシートフォーマー中12分間真空乾燥した。形成したすべてのシートの白色度R457は白色度測定装置(Datacolorからのエレフォ2000)を用いて決定した。結果は表4に要約される。実施例13脱インクパルプ漂白脱インクパルプ漂白のための条件:ストック濃度:7.4%漂白温度:75℃漂白剤添加:漂白剤0.2/0.4/0.6/0.8/1.0%,絶乾(乾燥重量)漂白時間:60分漂白のため脱インクパルプ70gを各々の場合ポリエチレンバッグに秤取した。漂白剤を添加するため、水溶液を調製した(これら溶液1mlは各漂白剤0.2%を含有)。漂白液をピペットした後、バッグを直ちにしばり、中味を閉じたバッグをこねることによって完全に混合した。漂白温度はサーモスタット(水浴)を使用して調節した。必要な漂白時間後、パルプスラリーを計量フラスコへ移し、漂白後のpHを測定した。次に体積を水道水で300mlとし、パルプスラリーを攪拌することによって混合物をホモジナイズした。パルプララリー全部を使用して慣用の吸引シートフィーマーを使用してシートを形成した。得られたシートをシートフォーマー中15分間真空乾燥した。形成したすべてのシートの白色度R457は白色度測定装置(Datacolorからのエレフォ2000)を用いて決定した。結果は表5に要約される。 式(I):のスルフィン酸化合物およびその塩:式中、Mは水素原子、アンモニウムイオン、一価の金属イオン、または周期律表Ia,IIa,IIb,IVaまたはVIIIb族の二価金属イオンの当量であり:R1はOHであり;R2はH,C1−C6アルキル、C3−C8アルケニル、C3−C6シクロアルキル、フェニルまたはナフチル(これらの基はC1−C6−アルキル、OH,O−C1−C6−アルキル、ハロゲンおよびCF3から独立に選ばれた1,2または3個の置換基を持つこともできる。)であり;R3はCOOMまたはCOOR4であり;そしてR4はHまたはC1−C6アルキルである。 式IにおいてMがアンモニウムイオンもしくはアルカリ金属イオンであるか、またはアルカリ土類金属イオンもしくは亜鉛イオンの当量である請求項1のスルフィン酸化合物。 式(I)においてR2が水素原子であるか、または1個または2個のヒドロキシルもしくはアルコキシ置換基を持つことができるアルキルもしくはアリール基である請求項1のスルフィン酸化合物。 R3がCOOMである請求項1のスルフィン酸化合物。 Mはアルカリ金属イオン、またはアルカリ土類金属イオンもしくは亜鉛イオンの当量、である請求項1のスルフィン酸化合物。 以下の式(M=Na,K,Mg,Ca,Zn)の化合物: 請求項1ないし5のいずれかのスルフィン酸化合物と、該スルフィン酸化合物に対応するスルホン酸もしくはその塩と、さらに対応する亜硫酸塩を含みもしくは含まない混合物。 以下の組成を有する請求項7の混合物:式(I)の化合物 20〜90重量%式(I)の化合物に対応するスルホン酸 0〜60重量%M2SO3 0〜40重量% 以下の組成を有する請求項8の混合物:2−ヒドロキシ−2−スルフィナート 40〜73重量%酢酸ジナトリウム塩2−ヒドロキシ−2−スルホナート酢酸 2〜7重量%ジナトリウム塩亜硫酸ナトリウム 0〜33重量%水 5〜30重量% 以下の組成を有する請求項8の混合物:2−ヒドロキシ−2−スルフィナート 20〜70重量%酢酸亜鉛塩2−ヒドロキシ−2−スルホナート酢酸 5〜60重量%亜鉛塩水 5〜30重量% 以下の組成を有する請求項8の混合物:2−ヒドロキシ−2−スルフィナート 38〜70重量%プロピオン酸ジナトリウム塩2−ヒドロキシ−2−スルホナート 5〜30重量%プロピオン酸ジナトリウム塩亜硫酸ナトリウム 0〜33重量%水 5〜30重量% 以下の組成を有する請求項8の混合物:2−ヒドロキシ−2−スルフィナート 60〜80重量%プロピオン酸エチルナトリウム塩2−ヒドロキシ−2−スルホナート 0〜5重量%プロピオン酸エチルナトリウム塩亜硫酸ナトリウム 0〜5重量%水 5〜20重量% ある化合物を請求項1ないし6のいずれかのスルフィン酸化合物と還元を許容する条件下で接触させることよりなる化合物の還元方法。 前記スルフィン酸化合物は乳化重合における共触媒またはプラスチック製造におけるレドックス触媒系である請求項13の方法。 前記スルフィン酸化合物は、織物印刷、織物漂白もしくはバット染色における還元剤であるか、または鉱物精製もしくは織物仕上げのための還元漂白剤である請求項13の方法。