生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_リパーゼ阻害剤
出願番号:1999299329
年次:2004
IPC分類:7,A23L1/30,A23L3/3472,A61K35/78,C12N9/99,A61P3/06,A61P43/00


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岩田 尚人 石渡 健一 JP 3559482 特許公報(B2) 20040528 1999299329 19991021 リパーゼ阻害剤 株式会社ファンケル 593106918 佐々 紘造 100098556 岩田 尚人 石渡 健一 20040902 7 A23L1/30 A23L3/3472 A61K35/78 C12N9/99 A61P3/06 A61P43/00 JP A23L1/30 B A23L3/3472 A61K35/78 C C12N9/99 A61P3/06 A61P43/00 111 7 A23L 1/30 A23L 3/3472 A61K 35/78 C12N 9/99 A61P 3/06 A61P 43/00 111 JICSTファイル(JOIS) 国際公開第99/000109(WO,A1) 特開平07−061927(JP,A) Pharm. Acta Helv.,1991年,Vol.66,No.9-10,p.242-245 Gordian,1983年,Vol.83,No.9,p.171-172,174-176 河野友美編,調味料 新・食品事典7,(株)真珠書院 ,1991年,p.248〜260 2 2001120237 20010508 5 20010207 内田 淳子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、リパーゼ阻害剤に関し、更に詳しくは、生体内での脂質の消化吸収に関与する膵リパーゼを有効に阻害して肥満・高脂血の予防および抑制することができるとともに、リパーゼに起因する食品等の劣化や悪臭の防止、さらには、リパーゼに起因する皮膚炎などの疾患の防止・予防に利用できるリパーゼ阻害剤に関する。【0002】【従来の技術】近年、日本人の食事は高カロリー化が進み、高脂血症、動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病の要因となる肥満を引き起こしている。その治療および予防法としては、食事療法や運動療法などが提案され実施されている。食事療法においては、脂肪が食品成分中もっとも高カロリーであり、その減量が肥満の予防に効果的と考えられている。しかしながら、食事制限は過度のストレスがかかり日常生活で継続することは困難であり、消化吸収抑制作用を有する食品が開発されている。【0003】食事中の脂肪は、膵リパーゼによって一旦分解されて小腸から吸収される。このため、膵リパーゼを阻害して余剰の脂肪を排泄させる薬剤としてテトラヒドロリプスタチン(Biochem.J.,256,357,1988)が開発されている。このリパーゼ阻害剤は副作用の報告例が多く、より安全性の高いリパーゼ阻害剤が求められ、植物等に含まれるリパーゼ阻害作用の応用も報告されている。例えば、果実やその種子の抽出物(明治大学農学部研究報告,69,16,1985)、大豆タンパク質(Agric.Biol.Chem.,37,1225,1973)、穀類タンパク質(Nutrition Reports Int.,32,1107,1985)、大根種子タンパク質(日本食品工業学会誌,35,430,1988)、ハーブ(Biosci.Biotech.Biochem.,56,1478,1992)、小麦(New Food Industry,40,65,1997)、海藻類(Lipids,34,441,1999)、ウーロン茶の成分(特開平1−102022)、ピーマン、かぼちゃ、しめじ、まいたけ、ひじき、緑茶、紅茶、ウーロン茶の水抽出物(特開平3−219872)、ブドウ種子、カキ葉、プーアル茶など12種の植物抽出物(特開平9−227398)、シソ科植物(特開平10−262606)、タンニン類では、縮合型タンニンとして(Br.J.Nutr.,60,275,1988)(特開平9−291039)、カワラケツメイに含まれる特定タンニン(特開平8−259557)、エピガロカテキンガレート(特開平3−228664)のリパーゼ阻害作用が報告されている。【0004】さらに、生薬類に関しては、微生物由来リパーゼに対するものとして、シャクヤク、オオレン、オオバク、ボタンピ、ゲンノショウコ、茶などの14種の抽出物(特開昭64−90131)、ドッカツ、リョウキョウ、ビンロウシなど6種の抽出物(特開平5−255100)が開示されている。また、ヘミセルロースや小麦ふすまなど(J.Food Sci.,49,956,1984)(Am.J.Clin.Nutr.,42,629,1985)、大豆種子のフォスファチジルコリン(明治大学農学部研究報告,73,9,1986)、ミオイノシトール(J.Food Sci.,53,250,1988)、フラボノイドに関しては、ルテオリン、アピゲニン、ケンフェロール、ケルセチン、ミリセチン(特開平7−61927)、柑橘類に多く含まれるヘスペリジン(Biosci.Biotech.Biochem.,61,102,1997)のリパーゼ阻害活性が報告されている。しかし、これらの先行技術はクローブ抽出物のリパーゼ阻害作用については記載がない。【0005】【発明が解決しようとする課題】本発明は、生体内で脂肪の消化吸収に関与する膵リパーゼに対して強い阻害作用を示し、肥満や高脂血の予防や抑制に寄与するとともに、食品等の劣化や悪臭発生の防止に利用できる安全性の高いリパーゼ阻害剤およびこれを添加した食品組成物を提供するものである。【0006】【課題を解決する手段】天然の香辛料は種々の薬効が知られており、長年食品として利用されてきたことから安全性は極めて高い。これらの香辛料の抽出物より膵リパーゼを阻害するものを鋭意探索した。その結果、クローブに代表される香辛料およびその抽出物が優れた膵リパーゼ阻害作用を有することを見出した。即ち、本発明は、クローブのエタノール抽出物を有効成分とするリパーゼ阻害剤、及びクローブのエタノール抽出物を含有してなる食品組成物である。【0007】【発明の実施の形態】クローブ、例えばSyzygium aromaticumの開花前の蕾は強い香りを持ち、殺虫剤、鎮痛剤、胃腸薬等に用いられる。レモングラス、例えばCymbopogon citratusの葉は腹痛、下痢、頭痛、発熱等の治療に使われる。シナモン、例えばCinnamomum verumの葉は吐き気や高血圧の治療に用いる。オールスパイス、例えばPimenta dioicaの未成熟の漿果は悪寒を抑える。【0008】本発明の植物は乾燥物、乾燥粉末あるいは植物そのものを使用できる。本発明の抽出物は、例えば、植物またはその乾燥物を粉砕、破砕、裁断し、これに極性あるいは非極性の溶媒を加えることによって得られる。本発明の抽出物は、そのままでも使用できるが、単独あるいは適当な担体とともに噴霧乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥、流動乾燥等の方法により粉末状あるいはペースト状にして使用することができる。これらの植物および抽出物は、高いリパーゼ阻害活性を有し、脂肪の消化吸収の阻害に基づく肥満の抑制および予防に利用可能で、また、リパーゼによる食品等の劣化や悪臭の発生防止に利用できる。【0009】【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。【0010】実施例1乾燥した表1に示す植物を粉砕し、粉砕物に対して10倍量の蒸留水を加え100℃にて1時間加熱した。これを遠心分離の後ろ過し抽出物とした。クローブ粉末についてはエタノール抽出も行った。クローブ粉末に10倍量のエタノールを加え、一晩放置した。これをろ過し、減圧乾固の後蒸留水に再溶解し試験に用いた。【0011】リパーゼ阻害活性の測定は次のようにして行った。基質に三酪酸ジメルカプロール(BALB)を使用し、生成するジメチルカプロールと5,5‘−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)(DTNB)との反応によって生じる5−チオ−2−ニトロ安息香酸の定量を412nmの吸光度を測定することによって行った。抽出物50μl、ブタ膵リパーゼ(30μg/ml、Sigma社)50μl、10mg/mlDTNB,3.48m/mlフェニルメチルフルフォニルフルオライド(PMSF)を含む0.1Mトリス緩衝液(pH8.5)350μlを30℃で5分間インキュベートした後、6.69mg/mlBALB,5.73mg/mlラウリル硫酸ナトリウムを含むエタノール溶液50μlを加え30℃で30分間インキュベートした。アセトン1mlを加え反応を停止させ、412nmの吸光度を測定した。結果を表−1に示す。【0012】【表1】【0013】【発明の効果】このように、本発明によるリパーゼ阻害剤は、リパーゼ阻害活性がきわめて高い。またこの効果は、クローブのエタノール抽出物に顕著であった。 クローブのエタノール抽出物を有効成分とするリパーゼ阻害剤。 クローブのエタノール抽出物を含有することを特徴とする食品組成物。


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