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タイトル:特許公報(B2)_歯科用グラスアイオノマーセメント組成物
出願番号:1999297966
年次:2010
IPC分類:A61K 6/06


特許情報キャッシュ

藤堂 敦弘 岡田 香 関口 敏弘 広田 一男 JP 4498501 特許公報(B2) 20100423 1999297966 19991020 歯科用グラスアイオノマーセメント組成物 株式会社ジーシー 000181217 野間 忠之 100070105 藤堂 敦弘 岡田 香 関口 敏弘 広田 一男 20100707 A61K 6/06 20060101AFI20100617BHJP JPA61K6/06 A A61K6/00-6/10 特開平07−196429(JP,A) 特開平11−151251(JP,A) 特開平08−217612(JP,A) 特開2001−048717(JP,A) 1 2001122720 20010508 8 20060915 辰己 雅夫 【0001】【発明の属する技術分野】 本発明は、歯科の修復や予防に用いられる歯科用グラスアイオノマーセメント組成物に関するものである。【0002】【従来の技術】 歯牙の治療に一般に使用されている歯科用セメントは、数多くの種類がある。代表的なものでは、酸化亜鉛とリン酸とを反応させるリン酸亜鉛セメント,酸化亜鉛とポリカルボン酸とを反応させるカルボキシレートセメント,アクリル系モノマーの重合を利用したレジンセメント,水酸化カルシウムと油性成分とを反応させる水酸化カルシウムセメント,酸化亜鉛とユージノールとを反応させる酸化亜鉛ユージノールセメント,フルオロアルミノシリケートガラス粉末とポリカルボン酸とを利用したグラスアイオノマーセメント等がある。【0003】 これらの歯科用セメントは歯科の治療において幅広い範囲の治療に用いられており、例えばクラウン,インレー,ブリッジ等の歯科用補綴物と歯質との合着又は矯正装置と歯質との合着に使用する合着用セメント、歯牙の窩洞を充填するための充填用セメント、小窩裂溝を埋めるためのシーラント用セメント、窩洞の裏層に用いる裏層用セメント、支台築造用セメントなど幅広い用途に用いられている。【0004】 中でも歯科用グラスアイオノマーセメントは生体に対し優れた親和性を持ち、歯質に対する接着性もあり、硬化体が半透明性を有し審美性に優れていることに加え、硬化後に経時的にフッ素を徐放し歯質強化作用も期待できるという利点があることから、歯科の広範な用途で現在最も一般的に使用されている歯科用セメントである。【0005】 この歯科用グラスアイオノマーセメントは、フルオロアルミノシリケートガラス粉末とポリカルボン酸と水とを主成分とする歯科用セメントであり、具体的にはポリアクリル酸の水溶液がフルオロアルミノシリケートガラス粉末に作用してガラス中の金属イオン(アルカリ金属イオン,アルカリ土類金属イオンやアルミニウムイオン)を遊離し、これらがポリアクリル酸のカルボキシル基とイオン結合し架橋構造を形成してゲル化し硬化する(以後、アイオノマー反応と呼ぶことがある)歯科用セメントである。 更に今日では、歯科用グラスアイオノマーセメントに重合可能なモノマーを配合し、アイオノマー反応に加えてモノマーの重合反応を併用したレジン強化型歯科用グラスアイオノマーセメントなるものが開発されている。このセメントはアイオノマー反応のみで硬化する従来型歯科用グラスアイオノマーセメントと比較して、曲げ強さ等の機械的強度や歯質への接着性が向上している。【0006】 歯科用グラスアイオノマーセメントはアイオノマー反応を利用しているため初期硬化するための時間が必要であり、その初期硬化まで次の臨床操作に移ることができない。更に初期硬化前後に歯科用グラスアイオノマーセメント混合物の表面が水分に触れると、硬化反応途中の金属イオンが溶出したり、水分の含有量が多くなったりしてセメント表面が白濁,脆弱化等を起こして硬化物の最終的な表面性能が低下してしまうという問題、いわゆる感水と呼ばれる欠点が指摘されていた。これは、歯科用グラスアイオノマーセメントのアイオノマー反応が水の存在下におけるフルオロアルミノシリケートガラス(塩基)とポリカルボン酸(酸基)との酸・塩基反応によるものであり、外部からの水の影響を敏感に受けることが原因である。【0007】 この欠点に対して従来は、硬化前の歯科用グラスアイオノマーセメントを唾液などの外部からの水分が触れないよう慎重に合着,充填,塗布などの操作を行い、その上からレジン系等のバーニッシュと呼ばれる被膜材を塗布し乾燥させて歯科用グラスアイオノマーセメント表面に被膜を形成し、初期硬化中の20〜25分間防湿する作業が行われていた。【0008】 また、本出願人はバーニッシュ等の操作を特に行わなくてもフルオロアルミノシリケートガラス粉末とポリカルボン酸と水との混合物に光を照射することで感水時間・初期硬化時間を短縮することができる歯科用グラスアイオノマーセメントの硬化方法を開発し、特願平11―226354号として出願した。この方法を用いると感水による影響を或る程度抑えることは可能であるが、実際には感水の影響を完全に抑えることは難しく、更に効果のある歯科用グラスアイオノマーセメント組成物の開発が望まれていた。【0009】【発明が解決しようとする課題】 本発明は、フルオロアルミノシリケートガラス粉末とポリカルボン酸と水との混合物に光を照射する前記本出願人が提案した歯科用グラスアイオノマーセメントの硬化方法に使用した場合に、更に効果的に感水時間・硬化時間を短縮することができる歯科用グラスアイオノマーセメント組成物を提供することを課題とする。【0010】【課題を解決するための手段】 そこで本発明者等は、歯科用グラスアイオノマーセメント組成物に光を照射するとアイオノマー反応による硬化反応が促進されることに関して更なる検討をした結果、歯科用グラスアイオノマーセメント組成物に色素を組成物全体の0.1〜5重量%含有させ標準光D65下においてL*a*b*表色系で表すところのL*の値が60以下の色をなすようにすると、更に効果的に硬化反応が促進されることを究明し、本発明に係る歯科用グラスアイオノマーセメント組成物を完成したのである。【0011】【発明の実施の形態】 即ち、本発明に係る歯科用グラスアイオノマーセメント組成物は、色素を組成物全体の0.1〜5重量%含有する歯科用グラスアイオノマーセメント組成物であって、標準光D65下においてL*a*b*表色系で表すところのL*の値が60以下の色をなすことを特徴とする歯科用グラスアイオノマーセメント組成物である。【0012】【0013】 本発明に係る歯科用グラスアイオノマーセメント組成物は、フルオロアルミノシリケートガラス成分とポリカルボン酸と水とを主成分とし、水の存在下でフルオロアルミノシリケートガラス成分とポリカルボン酸とが硬化反応(即ち、アイオノマー反応)を起こして硬化するという機構を持つ従来から使用されている歯科用グラスアイオノマーセメントに色素を組成物全体の0.1〜5重量%加えることによって、標準光D65下においてL*a*b*表色系で表すところのL*の値を60以下の色とした歯科用グラスアイオノマーセメント組成物であり、現在、歯科治療で広く用いられている波長320〜780nmの光を照射される場合に主として使用される。【0014】 従来から歯科用グラスアイオノマーセメント組成物には歯牙に近似した色に着色するためにTiO2,べんがら等の顔料が極微量ながら(歯科用グラスアイオノマーセメント組成物の全体量に対して0.001〜0.01重量%程度)使用されていた。しかし、これら従来の歯科用グラスアイオノマーセメントは、歯冠色を有することを目的として前記顔料が使用されていたため標準光D65下においてL*a*b*表色系で表すところのL*の値が大きく(L*=64〜85程度)光の反射が大きいので、前記本出願人が提案した歯科用グラスアイオノマーセメントの硬化方法に使用した場合に、歯科用グラスアイオノマーセメントの初期硬化を向上させる効果を発揮させるようにその顔料が機能するものではなかった。【0015】 本発明に係る歯科用グラスアイオノマーセメント組成物は、光の照射により温度が上昇して初期硬化時間が促進し感水による影響が少なくなるという特徴を有するものであり、光照射が可能な状況であれば一般的な歯科用グラスアイオノマーセメントとして従来と同様の用途に使用可能である。中でも一定期間後に歯牙から撤去する必要があるフッ素予防用のシーラント用セメント,矯正装置の合着用セメント等に用いるとその色の違いにより歯牙との識別が容易であり撤去作業が行い易いという特徴があり、その他にもその色の違いにより確認し易いことから支台築造用セメント,裏装用セメントとしても優れている等の特徴がある。【0016】 本発明に係る歯科用グラスアイオノマーセメント組成物に使用されているフルオロアルミノシリケートガラス成分としては、一般的に歯科用グラスアイオノマーセメントに使用されているフルオロアルミノシリケートガラス粉末等が使用可能である。中でも、その主な組成として、ガラスの総重量に対してAl3+:10〜25重量%、Si4+:5〜30重量%、F-:1〜30重量%、Sr2+:0〜20重量%、Ca2+:0〜20重量%、アルカリ金属イオン(Na+、K+等):0〜10重量%であり、これらを含む原料を混合・溶融した後、冷却・粉砕し平均粒径0.02〜20μm程度の粉末に調製して作製されたものが好ましい。【0017】 本発明に係る歯科用グラスアイオノマーセメント組成物に使用されるポリカルボン酸としては、一般的な歯科用グラスアイオノマーセメントに使用されているポリカルボン酸であり、α-β不飽和モノカルボン酸あるいはα-β不飽和ジカルボン酸の重合体を示すことができる。具体的にはアクリル酸,メタアクリル酸,2-クロロアクリル酸,3-クロロアクリル酸,アコニット酸,メサコン酸,マレイン酸,イタコン酸,フマール酸,グルタコン酸,シトラコン酸等の重量平均分子量が5000〜40000の共重合体又は単独重合体である。これらの成分は、通常は水と混合され水溶液として供給され、粉成分と混合して使用されるが、粉成分に配合され使用されることもある。 また、例えば、フルオロアルミノシリケートガラス粉末に水に増粘効果のある物質を加えてペースト状とし、ポリカルボン酸溶液と混合して使用するペースト−ペースト系としたもの、アイオノマー反応が開始されないようにマイクロカプセル処理等を行って1ペースト状とした歯科用グラスアイオノマーセメント等もある。【0018】 本発明に係る歯科用グラスアイオノマーセメント組成物の混合物表面の色は、光の反射率の低いと考えられる色であることが必要であり、その色をL*a*b*表色系で表現すると、標準光D65下に於いてL*の値が60以下の色である。 L*a*b*表色系は1976年に国際照明委員会(CIE)で規格化され、日本でもJIS Z8729「L*a*b*表色系及びL*u*v*表色系による物体色の表示方法」において採用されている。なお、本発明に係る歯科用グラスアイオノマーセメント組成物を規定する光源は常用光源D65(JIS Z8716「表面色の比較に用いる常用光源蛍光 ランプD65−形式及び性能」)を挙げることができる。 このL*a*b*表色系では明度をL*として0〜100の数値で表し、L*=0を真黒、L*=100を真白としている。L*の値が高いか又は低い程色相や彩度の影響が少なくなり、L*の値が60を超える場合は全ての色相の反射率が高い傾向があり、本発明に於いては感水時間・初期硬化時間を短縮する効果を得ることができない。【0019】 L*a*b*表色系でa*,b*は色相と彩度を示し、−60〜60の値で表される。a*,b*は色の方向を示しており、a*は赤方向、−a*は緑方向、b*は黄方向、−b*は青方向を示している。数値の絶対値が大きくなるに従って色が鮮やかとなり、小さいほどくすんだ色となる。 色相及び彩度による歯科用グラスアイオノマーセメントの感水時間・初期硬化時間に対する影響は確認されていないのでL*a*b*表色系でのa*,b*の値は特に限定しない。【0020】 本発明に係る歯科用グラスアイオノマーセメント組成物に使用される色素としては、L*の値を60以下とすることができるものであれば顔料,染料、天然,合成に拘らず使用可能である。例えば、食用赤色2号,食用赤色3号,食用赤色40号,食用赤色102号,食用赤色104号,食用赤色105号,食用赤色106号,食用黄色4号,食用黄色5号,食用緑色3号,食用青色1号,食用青色2号のような合成タール色素、β−カロチン,ビタミン−Aなどのカロチノイド系色素、ナフトールエローに代表されるニトロ染料、オイルエロー,コンゴーレッドに代表されるアゾ染料、オーラミン,フクシンに代表されるトリフェニル染料、インジゴに代表されるインジゴイド染料、アリザリンに代表されるアントラキノン染料、フタロシアニンに代表されるフタロシアニン染料、酸化クロム,バリウムイエロー,エメラルドグリーン,べんがらなどに代表される無機顔料、トルイジンレッド,ジニトロアニリンオレンジ,クロモフタルイエロー,クロモフタルレッド,クロモフタルブルーなどに代表されるアゾ顔料、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニン顔料、キノリンイエローレーキ,食用赤色2号アルミニウムレーキ,食用赤色3号アルミニウムレーキ,食用赤色40号アルミニウムレーキ,食用黄色4号アルミニウムレーキ,食用黄色5号アルミニウムレーキ,食用緑色3号アルミニウムレーキ,食用青色1号アルミニウムレーキ,食用青色2号アルミニウムレーキに代表される染付けレーキ、アントラピリミジンイエロー,チオインジゴレッド,ペリノンレッド,ペリレンレッド,キナクリドンレッドに代表される縮合多環顔料、ルモーゲンイエローなどに代表される蛍光顔料、その他、メチレンブルー,ローダミン,銅クロロフィル,銅クロロフィリンナトリウムなどが用いられる。 これらの色素の中でも安全性や効果の面からβ−カロチン,ビタミン−Aなどのカロチノイド系色素,ルモーゲンイエローなどの蛍光顔料が好ましい。また、色素の配合量は各色素の発色傾向やその他の特性により異なるが、硬化前の混合物表面の色をL*の値が60以下とするためには組成物中に0.1〜5重量%含有されることが必要である。【0021】 色素は、予めフルオロアルミノシリケートガラス,ポリカルボン酸,水の各成分や粉,液,ペーストの歯科用グラスアイオノマーセメント組成物を構成する成分の何れに含有されていてもよい。 更に、本発明に係る歯科用グラスアイオノマーセメント組成物には必要に応じて公知の紫外線吸収剤,可塑剤,酸化防止剤,抗菌剤,界面活性剤等が添加される。【0022】【実施例】 以下に実施例を挙げて本発明に係る歯科用グラスアイオノマーセメント組成物を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 なお、実施例,比較例に使用した歯科用グラスアイオノマーセメントは、4種類全てが水の存在下でのフルオロアルミノシリケートガラス粉末とポリカルボン酸との反応のみで硬化する歯科用グラスアイオノマーセメントであって重合性モノマーを含まないセメントである。【0023】[実施例1] 市販の歯科用グラスアイオノマーセメント(製品名:フジアイオノマータイプIII,ジーシー社製)の粉末100gに色素(製品名:β−カロチン,和光純薬工業社製)7gを加えて赤色に着色した。この粉末1.2に対して同製品(製品名:フジアイオノマータイプIII,ジーシー社製)の液(ポリカルボン酸水溶液)1の割合(重量)で混合し30秒間練和し、直径10mm、高さ5mmのアクリルリングに充填し、透明なセルロイド板を乗せて圧接し、混和開始から1分後にセルロイド板の上から可視光線照射器(製品名:ジーシーラボライトLV−II,ジーシー社製,波長400〜520nm)を用いて20秒間光照射した。光照射直後にセルロイド板を外してアクリルリングごと試料を37℃の水中に浸漬した。同様の方法で各試料に光照射し、練和開始から2分後(この場合は光照射から40秒後),3分後,4分後・・・と1分おきに30分後までの試料を室内に放置後、37℃の水中に浸漬した。24時間後に各試料を水中から取り出し乾燥させ、試料表面の感水による白濁を目測で観察し白濁が確認されなくなる試料の練和開始からの時間を感水時間とした。更に同様にして光照射時間を40秒,60秒に変更して感水時間を測定した。結果を表1に示す。 上記方法で練和した歯科用グラスアイオノマーセメント組成物に関して、20秒,40秒,60秒間光照射を行い、JIS T6607「歯科用グラスポリアルケノートセメント」の「5.4硬化時間測定」を準用して光照射時間を含む練和開始からの硬化時間を測定した。結果を表1に示す。 更に、混合物表面の光の反射率を測色光源(商品名:サンリーム,ダイワライティング社製)から1m離れた位置でフォトダイオードアレイタイプの分光光度計(商品名:スペクトラスキャンPR650,フォトリサーチ社製)にて混合物表面に対して約45°、ライトトラップ上の混合物中央直径3mm部分を測定し混合物表面のL*値を測定した。結果を表1に纏めて示す。【0024】[実施例2] 市販の歯科用グラスアイオノマーセメント(製品名:フジIXGP,ジーシー社製)の粉末100gに色素(製品名:食用青色1号,ダイワ化成社製)を3g加えて青色に着色した。粉:液を3.6:1の割合(重量)で混合し実施例1と同様にして、試料表面の感水時間,硬化時間及び明度を測定した。結果を表1に示す。【0025】[実施例3] 市販の歯科用グラスアイオノマーセメント(製品名:フジアイオノマータイプII,ジーシー社製)の液(ポリカルボン酸水溶液)100gに色素(クロモフタルイエロー,日本チバガイギー社製)を1.6g加えて黄色に着色した。粉:液を2.7:1の割合(重量)で混合し、実施例1と同様にして、試料表面の感水時間,硬化時間及び明度を測定した。結果を表1に示す。【0026】[実施例4] 市販の歯科用グラスアイオノマーセメント(製品名:フジリュート,ジーシー社製)の粉末200gに色素[(製品名:クチナシ〈72〉,台商社製)]を2.2g、(製品名:べんがら,日本弁柄工業社製)を1.6g加えて橙色に着色した。粉:液を2:1の割合(重量)で混合し、実施例1と同様にして、試料表面の感水時間,硬化時間及び明度を測定した。結果を表1に示す。【0027】[比較例1] 色素を含有しない以外は市販の歯科用グラスアイオノマーセメント(製品名:フジアイオノマータイプIII,ジーシー社製)を用いて実施例1と同様の試験方法を行い、感水時間,硬化時間及び明度の測定を行った。結果を表1に示す。【0028】[比較例2] 色素を含有しない以外は市販の歯科用グラスアイオノマーセメント(製品名:フジIXGP、ジーシー社製)を用いて実施例2と同様の試験方法を行い、感水時間,硬化時間及び明度の測定を行った。結果を表1に示す。【0029】[比較例3] 色素を含有しない以外は市販の歯科用グラスアイオノマーセメント(製品名:フジアイオノマータイプII,ジーシー社製)を用いて実施例3と同様の試験方法を行い、感水時間,硬化時間及び明度の測定を行った。結果を表1に示す。【0030】[比較例4] 色素を含有しない以外は市販の歯科用グラスアイオノマーセメント(製品名:フジリュート,ジーシー社製)を用いて実施例4と同様の試験方法を行い、感水時間,硬化時間及び明度の測定を行った。結果を表1に示す。【0031】【表1】【0032】【発明の効果】 以上に詳述した如く、実施例,比較例から明らかなように本発明に係る歯科用グラスアイオノマーセメント組成物は、フルオロアルミノシリケートガラス粉末とポリカルボン酸と水との混合物に光を照射する歯科用グラスアイオノマーセメント組成物の硬化方法に使用した場合、更に感水時間及び硬化時間を短縮する効果があることが確認できる。 また、光照射を行う時間により感水時間・硬化時間の短縮程度が調整できることから、操作時間を術者が任意に設定することも可能である歯科用グラスアイオノマーセメント組成物であり、歯科医療に貢献する価値の非常に大きなものである。 色素を組成物全体の0.1〜5重量%含有する歯科用グラスアイオノマーセメント組成物であって、標準光D65下においてL*a*b*表色系で表すところのL*の値が60以下の色をなすことを特徴とする歯科用グラスアイオノマーセメント組成物。


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