タイトル: | 特許公報(B2)_連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定方法および測定装置並びに顆粒パウダーの製造方法 |
出願番号: | 1999258633 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | G01N 15/00,B22C 3/00,B22D 11/07 |
松尾 晶 益尾 典良 JP 4330721 特許公報(B2) 20090626 1999258633 19990913 連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定方法および測定装置並びに顆粒パウダーの製造方法 日鐵住金建材株式会社 000006839 萩原 康弘 100094972 松尾 晶 益尾 典良 20090916 G01N 15/00 20060101AFI20090827BHJP B22C 3/00 20060101ALI20090827BHJP B22D 11/07 20060101ALI20090827BHJP JPG01N15/00 ZB22C3/00 AB22D11/07 G01N3/00〜3/62、G01N15/00〜15/14、G01N33/00〜33/46、B02C1/00〜7/18;15/00〜17/24、B22C1/00〜3/00、B22D11/00〜11/22、B22F9/00〜9/30 特開平06−063713(JP,A) 特開昭60−054253(JP,A) 実開平02−087546(JP,U) 特開昭59−200944(JP,A) 実開昭57−039945(JP,U) 特開平11−083723(JP,A) 特開平11−108919(JP,A) 特開平07−209037(JP,A) 特開平01−118350(JP,A) 8 2001083071 20010330 12 20060707 福田 裕司 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、鋼の連続鋳造において鋳型内に添加する顆粒パウダーの強度を評価する指標を得るための顆粒強度測定方法および測定装置、並びに得られた測定結果に基づき、それに適した顆粒パウダーを製造する方法に関するもので、特にパウダーを使用する現場における顆粒パウダーの粉化の程度をオフラインで容易に推定し、粉化の少ないパウダーを設計するために必要な資料を的確に把握しようとするものである。【0002】【従来の技術】一般に鋼の連続鋳造では、鋳型内の保温、鋳型と鋳型内凝固鋳片間の潤滑、鋳型内鋳片の抜熱コントロール、溶鋼から浮上する介在物の吸収等の目的で連鋳パウダーが使用されている。通常連鋳パウダーの鋳型への供給は、作業者により鋳型の近傍まで運ばれた後、手作業にて鋳型内に投入し使用に供されている。【0003】連鋳パウダーの形状は一般的には粉状もしくは顆粒状であるが、作業環境改善の点から粉塵の発生が少ない顆粒パウダーの使用が増加の傾向にある。またパウダー搬送作業や鋳型内へのパウダー投入作業の負担軽減、または省力化の点からパウダーの自動搬送が指向されてきており、使用場所から離れた位置に設置した貯蔵槽内のパウダーを使用場所近傍に設置した中継槽を経由して鋳型の上まで搬送する方法や、さらに最近では、中継槽まで搬送されたパウダーを鋳型内に自動散布する装置の開発、およびその適用が進められている。貯蔵槽から中継槽までパウダーを搬送する方法としては、配設されている配管内を気体やスクリュー、スプリング等を用いて搬送する方法が採られているが、特にパウダー貯蔵槽と中継槽の間の距離が長い場合には、他の設備との干渉上、配管に曲がり部があっても容易に搬送が可能な気体搬送が一般的に使用されている。【0004】しかしながら中継槽までパウダーを気体搬送するためには、パウダーを貯蔵槽から配管を通じて数m、長い場合には百m以上の距離を搬送する必要があり、顆粒パウダーの強度が小さい場合には、搬送途中でパウダーが破砕するため顆粒パウダーが粉化してしまう恐れがある。けれども従来はパウダーを手作業により鋳型内に投入していたり、気体搬送であっても搬送距離が短かかったことから、パウダーの顆粒強度に対する要求は、製造後の顆粒パウダーが使用箇所までの輸送運搬途中で余り粉化しない程度の、または運搬された顆粒パウダーを使用するに際してハンドリング時に粉化しない程度の顆粒強度が確保されていることで事足りていた。【0005】このためパウダーの顆粒強度を表す一般的な指標は無く、特に気体搬送を前提にしてパウダー顆粒強度をオフラインにおいて評価することは全く行われていなかった。したがって、従来からパウダーの顆粒強度を測定する方法は無く、単に顆粒パウダー等を含む粉体の粒度分布を測定する方法または装置について、例えば特開平6ー138015号、特開平9ー159597号、公報等に開示されているのみで、顆粒強度を評価する手段は未開発の状態にあった。【0006】【発明が解決しようとする課題】上述したように、貯蔵槽内の顆粒パウダーを使用場所近傍の中継槽まで気体搬送すると、パウダーの粉化が発生し、粉化の程度が大きい場合には粉塵が多量に発生するため、作業環境の悪化、粉塵や集塵によるパウダー歩留まりの低下、鋳型内に投入されたパウダーの溶融不良、ひいては鋳造の操業性を悪化させる原因となる。したがって、気体搬送を行った後に使用される顆粒パウダーにおいては、搬送時の粉化ができるだけ小さくなるような顆粒強度を保持させる必要があった。【0007】そこで本発明者らは、顆粒強度を評価する方法として、図1に示すような従来から用いられていた農薬粒剤の強度試験法を参考にして、パウダーの顆粒強度の測定を行っていた。この方法は、磁性容器1の中に顆粒強度測定用のパウダーサンプル3と数個の磁製ボール2を入れ、所定時間磁製容器を回転させることによりパウダーを粉化させ、磁製容器回転前後のパウダーの粒度変化(もしくは微粉の増加量)から粉化の程度を評価し顆粒強度の目安とするものであった。しかしながらこの方法での顆粒強度評価では、パウダーが気体搬送されない場合、すなわちパウダーの使用方法が従来から行われているように作業者がパウダーを鋳型に近い場所まで運び、手作業で鋳型内に投入する作業を行なうという作業環境におけるパウダーの強度評価方法としては有効であるが、長い距離気体搬送されるパウダーの顆粒強度評価方法としては必ずしも有効ではないことが判明した。【0008】上記したように有効なオフラインにおける顆粒強度評価方法が無い場合、気体搬送によって使用されるパウダーの粉化の程度を評価するには、実際に現場の気体搬送工程で使用してみる以外には適当な方法が無かった。しかして、実使用に際してパウダーの顆粒強度が小さく粉化による前記操業トラブルが発生した場合には、貯蔵槽(ホッパー)を含めた全搬送工程に滞留するパウダーを全部抜き取らなければならないという事態が起こることもあった。【0009】本発明は以上のような課題を解決するためになされたもので、パウダー使用現場における気体搬送に必要十分な顆粒強度を有するパウダーを設計するために、パウダー顆粒強度をオフラインにおいて判定するための実効性ある測定方法および装置、ならびに該パウダーを製造する方法を提供することを目的とするものである。【0010】【課題を解決するための手段】 本発明は上記課題を解決するためになされたもので、下記手段をとるものである。 請求項1の発明は、連続鋳造用鋳型内の溶鋼表面の保護剤として投入する顆粒パウダーの強度測定方法において、所定の長さに設定した気送管路内で顆粒パウダーを気体搬送させ、搬送前後の顆粒パウダーの特性変化から顆粒強度を測定することを特徴とする連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定方法にある。 請求項2の発明は、前記顆粒パウダーを気体搬送させるに際し、配管長さと気体流量の積を1(m・m3/min)以上にすることを特徴とする連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定方法にある。【0011】 請求項3の発明は、前記気送管路として円形状に形成した回動管路を用いて顆粒強度を測定することを特徴とする連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定方法にある。 請求項4の発明は、連続鋳造用鋳型内の溶鋼表面の保護剤として投入する顆粒パウダーの強度測定方法において、円形容器内に入れた顆粒パウダーを1箇所もしくは複数箇所から吹き込む気体によって旋回運動させ、所定時間経過後の粉体特性の変化から顆粒強度を測定することを特徴とする連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定方法にある。 請求項5の発明は、請求項1記載の連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定方法を実施する連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定装置であって、気送管路の上流側から圧搾気体源、圧搾気体流量調整手段および顆粒パウダー供給槽をそれぞれ設け、気送管路の下流側に固気分離槽を設けたことを特徴とする連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定装置にある。【0012】 請求項6の発明は、請求項3記載の連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定方法を実施する連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定装置であって、気送管路の上流側から圧搾気体源、圧搾気体流量調整手段および顆粒パウダー供給槽をそれぞれ設け、該パウダー供給槽に接続する搬送路を有する円形状に形成した回動管を設置し、該回動管の内部に固気分離機構を設けたことを特徴とする連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定装置装置にある。 請求項7の発明は、請求項4記載の連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定方法を実施する連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定装置であって、外部の圧搾気体源に接続する円形状の気体槽を有し、かつ気体槽のさらに内側に顆粒パウダーの搬送路となるパウダー旋回槽を有する円形容器であって、気体槽とパウダー旋回槽の間の壁に1箇所もしくは複数箇所の気体吹き込み口を設け、かつ円形容器上部に固気分離機構を設けたことを特徴とする連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定装置にある。 請求項8の発明は、前記それぞれの連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定方法のいずれかで測定された顆粒強度にもとづいて、顆粒パウダーの製造に際して配合するバインダーの種類および配合量を調整し、使用現場に最適な強度特性を有する顆粒パウダーを製造することを特徴とする連続鋳造用顆粒パウダーの製造方法にある。【0013】【発明の実施の態様】本発明者らは、連続鋳造用パウダーの顆粒強度測定に当たって、顆粒パウダーを簡易な配管内を気体により搬送し、搬送前後の粉体特性の変化から顆粒強度の判定を行ってみた。その結果、搬送によって発生するパウダーの粉化の程度を評価する手段として極めて有用であることを見出した。すなわちオフラインにおいて測定した評価値を用いても、パウダー使用現場への適用が充分可能であることが判った。【0014】以下に本発明の詳細を作用と共に具体的に述べる。顆粒強度の大小を評価する方法として、本発明者らは先に述べたように農薬造粒品の摩耗強度試験法を参考に磁製容器の中に顆粒強度測定用のパウダーと数個の磁製ボールを入れ、所定時間磁性容器を回転させることによりパウダーを崩壊、粉化させ、磁製容器回転前後のパウダーの粒度変化から粉化の程度を判定するというパウダー顆粒強度の評価方法(この場合特定した粒度(例えば100メッシュ)アンダー分の増加重量の割合を崩壊率と定義し、顆粒強度の指標とした)を用いていたが、この顆粒強度評価方法は、パウダーを気体搬送する場合のパウダー粉化に対する顆粒強度評価方法としては不適当であることが判明した。【0015】すなわちこの評価方法によって顆粒強度が大であると判定されたパウダーであっても、使用現場における気体搬送の結果では粉化の程度が大きく、実際の使用に際して、前記した操業トラブルが起こる事例が多く発生し、不適当であることが判った。したがって、この評価方法による顆粒強度の評価結果とパウダー気体後の粉化の程度とが必ずしも一致しないことが判明した。【0016】本発明者らは、気体搬送工程におけるパウダーの粉化の程度は、顆粒の摩耗強はないかと考えた。すなわち前述の磁製容器使用による顆粒強度評価方法は、パウダーに外部より押し潰すような力が加わった場合の顆粒の強度(崩壊強度)を測定するものであり、一方パウダーを長い距離気送搬送する場合のパウダーの粉化は、崩壊強度よりもむしろパウダーと配管との摩擦や、パウダー顆粒同士の摩擦によって起こる顆粒表面の剥離現象の大小によって左右される摩耗強度が、大きく寄与していることによるのではないかと考えるに至った。【0017】そこで顆粒パウダーの摩耗強度を測定する方法として、パウダーを搬送気体(エアー)により長さ1〜200mの簡易配管内を搬送し、搬送前後の粉体特性の変化から判定する方法を試みた。上記摩耗強度を測定する方法の適用に当たって、本発明者らの開発した連続鋳造用パウダーの顆粒強度測定装置の一例を図面によって以下に説明する。【0018】図2において、コンプレッサーやエアータンク等のエアー源4より、レギュレーター5や流量計6を通して所定の流量に調整したエアーをパウダー搬送用配管7内に通じ、パウダー供給タンク8から供給される所定量のパウダー10をパウダー集積槽(固気分離槽を兼用)11まての所定距離間搬送することにより、該配管7内を搬送されたパウダー10をパウダー集積槽11の底部に集積させる。ここで搬送するパウダー量は5kg程度あれば充分であるが、パウダーのサンプリングに伴う誤差を除くため、あらかじめ縮分器により縮分されたパウダーを使用する場合には1〜2kgの量でも十分である。【0019】搬送用配管7の直径は搬送するパウダーの量や気体流量によって適宜決定すればよいが、作業能率や装置の簡便さの点からは内径で10〜40mm程度のものが好ましい。また配管の材質としては、金属、プラスチック、ビニール等いずれのものも使用できるが、配管長さを長くしかつ装置を小さくするためには、柔軟性に富み環状に重ね合わせることのできるビニール製のパイプが最も使用に適している。【0020】使用する気体の流量は、種々のパウダー強度の比較のためには一定とすることが望ましいが、配管径にもよるが気体流量が0.1〜1.0m3 /min程度であれば特に問題はない。しかしながら、配管の長さ、気体流量の設定にあたっては、配管長さと気体流量の積を1(m・m3 /min)以上にすることが重要であり、配管長さと気体流量との積が1(m・m3 /min)以下である場合には粉化の程度が小さく、パウダー強度の差異を明確に判別することが困難となる。すなわちパウダー粉化の程度は、気送距離が長くなる程、また気体流量が大である程大きくなるとの知見が得られたことから、パウダー粉化の程度は気送距離と気体流量で調整することが可能であることが判った。【0021】気体搬送距離すなわち配管7の長さの簡単な設定方法としては、実際の使用現場におけるパウダー搬送距離と同程度(10〜200m)に設定することが望ましく、配管7の長さを使用現場における搬送距離と同程度に設定することにより、パウダー搬送後の粉化の程度と使用現場における粉化の程度との比較が容易になる。【0022】以上に述べた測定条件(配管径、配管長さ、気体流量)でパウダーを搬送した場合、数十秒の搬送時間で搬送を完了することができる。その後パウダー集積槽(固気分離槽)11に集積したパウダー13の粉体特性を測定し、パウダー搬送前(パウダー供給タンク8に入れる前)のパウダー粉体特性と比較することにより、搬送による粉化の程度、すなわち顆粒強度を測定することができる。【0023】本発明で顆粒強度の比較に使用する粉体特性は、搬送による粉化によって容易に変化する特性であることが重要であり、具体的には▲1▼粒度分布、▲2▼嵩比重、▲3▼安息角、▲4▼崩壊角、▲5▼流動長、▲6▼比表面積などがあり、これらのいずれかを使用すれば良いが、測定が簡便であること、異なる種々のパウダーの強度比較が容易なこと、粉化による変化の幅が大きいことなどを考慮した場合、▲1▼〜▲6▼の特性の中では▲1▼の粒度分布を用いるのが最も適している。なお、粒度分布の測定に際しては、例えば、網目の異なる複数の篩の使用、レーザー回折法等公知の測定法を適用することができる。【0024】搬送前後の粒度分布の比較から顆粒強度を判定する方法としては、図3(a)に示すように粒度変化分の総重量で表す方法や図3(b)に示すように、ある特定の粒度以下の重量変化で表す方法が考えられる。いずれの方法によっても粉化の程度、すなわち顆粒強度を充分に評価することはできるが、図3(b)の方法がより簡便であり、また実用上においても充分な顆粒強度評価指標となりうる。【0025】顆粒強度の指標としては、下記の(1)式で定義する気送破砕率で求めることができる。この場合、気送破砕率が大である程顆粒強度は小さく、気送破砕率が小である程顆粒強度は大きい。気送破砕率(%)= A−B ・・・・・・(1)ただし、A:搬送後のパウダーの特定メッシュアンダー分重量%B:搬送前のパウダーの特定メッシュアンダー分重量%搬送前のパウダーをあらかじめ特定のメッシュの篩で篩分けし、篩上のパウダーを搬送サンプルとして使用する場合は、気送破砕率は(2)式で定義することができる。気送破砕率(%)= A ・・・・・・(2)ただし、A:搬送後のパウダーの特定メッシュアンダー分重量%【0026】上記に本発明の詳細を述べたが、実際のパウダー使用現場における顆粒パウダーの貯蔵槽と連鋳機近傍に設置する中間槽との間の気送管路は、金属材質であり、また他の設備との干渉上、直線状管路と曲がり管路との組み合わせで配管されることが多いが、本発明の測定装置においては気送管の材質や気送管路の途中の曲がり部の状態はほとんど考慮する必要は無い。すなわち測定装置の気送管の材質や管路の曲がり部を含む程度が使用現場と異なっていても、気送破砕率と使用現場における粉化の程度との間には極めて強い相関が認められることが判明した。この原因としては、使用現場における気体搬送によるパウダーの粉化が、主としてパウダーと配管との摩擦やパウダー顆粒同士の摩擦によって起こるためと考えられる。【0027】また気送破砕率の値と使用現場における粉化の程度とは同程度であることが望ましいが、必ずしも一致する必要は無く、気送破砕率が使用現場における粉化の程度の概略30%〜300%であり、かつ気送破砕率と使用現場における粉化の程度の間に十分な相関関係が認められるならば、気送破砕率から容易に使用現場での粉化の程度を推定することが可能である。【0028】測定装置において気体流量を大きくできない場合や、配管長さを長くすることができない場合には粉化の程度が小さくなり過ぎることもあるが、この場合にはパウダーの搬送を何回か繰り返すことにより粉化の程度を大きくすることができるし、あるいは気送管路途中に図4に示すような曲がり管を組み合わせることにより粉化効率を上げ、粉化の程度を大きくすることもできる。また、あらかじめ異なる長さに設定した複数の気送管路の中から、使用箇所に近い配管長を選択して顆粒強度を測定することも可能である。【0029】本発明の顆粒強度測定方法ではパウダーと配管の壁、パウダー顆粒同士の摩耗を考慮し、搬送気体として例えばエアーによりパウダー搬送を行うことを特徴としているが、パウダー搬送の手段として圧搾エアーを使用せずに、パウダー集積槽11側からの減圧、吸引によってパウダー搬送を行っても全く同様の搬送作業を行い得る。また本測定装置における配管長さは10〜200m程度であるが、気送管路を短くし測定装置の大きさを小さくする方法としては、図2のパウダー供給タンクの後に搬送用気送管を円形にした回動管路を設け、事実上無限長さとした装置を使用することもできる。【0030】この一例としては、図5に示すような装置が考えられる。同図(a)は平面図を示し、同図(b)は側面図を示したもので、気送管7内を搬送されてきた顆粒パウダー10は、円形状の回動管16内を周動し容器壁との摩擦やパウダー顆粒同士の摩擦で一部粉化する。所定時間周動した時点で気体吹き込みを終了せしめて、気体吹き込み前後の顆粒パウダーの気送破砕率を前記した(1)、(2)式から求めるものである。ここで搬送気体は装置上部に設けた排気口19から排出されるが、パウダー10が搬送気体とともに排気口19から排出されることが危惧されるようなときには、排気口19に所定の網目(例えば200メッシュ)を持った網を設置しておき、気送破砕率の算出時に過誤が起こらないようにする。【0031】また同様に、測定装置の大きさを小さくする方法としては、直線状の気送管路を全く使用せずに、円形容器内でパウダーを旋回運動させる装置を使用することもできる。この一例としては、図6(a)の平面図,(b)の側面図に示すように円形容器内のパウダー旋回槽24内に顆粒パウダーを直接装入し、この顆粒パウダーを気体槽21から通じる1箇所もしくは、複数箇所のエアー吹き込み口24から吹き出すエアーによって旋回運動させれば、配管内を搬送する場合と同様の粉化の効果が得られる。この方法の場合も所定時間パウダーを旋回運動させた時点でエアー吹き込みを終了させ、エアー吹き込み前後の顆粒パウダーの粒度から気送破砕率を求めれば良い。【0032】【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。図2に示した本発明の顆粒強度測定装置を用いて、表1に示す測定条件で中空顆粒パウダーの顆粒強度を測定した。顆粒強度の判定は、図3 (b) の方法を採用し、100メッシュ(約150μm)アンダー分の重量変化で評価した。【0033】【表1】【0034】表1の条件で測定した種々のパウダーのオフラインにおける気送破砕率と、使用現場における気体搬送後のパウダー粉化量との関係について、パウダー気体搬送距離と搬送条件が異なるA、B、Cの3箇所において実施したもので、評価は気体搬送した場合のパウダー粉化量(100メッシュアンダー分増加量)をもって表し、その結果を第7図に示した。また比較としては、従来法として示した図1の装置によって測定したパウダーの崩壊率(100メッシュアンダー分増加量)とD箇所まで気体搬送した場合のパウダー粉化量(100メッシュアンダー分増加量)との関係を図8に示した。【0035】第7図に示すように、各使用箇所における気体搬送後の粉化の程度とオフラインでの気送破砕率とは非常に高い相関があるが、第8図に示すように、従来の顆粒強度の評価指標である崩壊率と気体搬送後の粉化の程度との相関は殆ど認められなかった。以上のことから、気送破砕率をオフラインにおいて測定することにより、使用箇所に適した気体搬送後の粉化の程度を容易に推定できることが裏付けられた。【0036】【発明の効果】以上のように、本発明により使用箇所(製鉄所)における自動搬送後の粉化の程度をオフラインにおいて容易に推定することが可能となると共に、あらかじめ粉化を防止するに十分な顆粒強度を保持させた顆粒パウダーを設計することができるようになり、その工業的価値は極めて高い。【図面の簡単な説明】【図1】従来方法での顆粒強度の測定に使用していた装置の概要図【図2】本発明での顆粒強度の測定に使用する装置の概要図【図3】本発明のパウダー搬送前後の粒度分布の比較から顆粒強度を判定方法を示す模式図【図4】本発明での顆粒強度の測定に使用する装置の一部分を示した概要図(曲がり管路)【図5】本発明での顆粒強度の測定に使用する装置の他の例を示した概要図(円形状管路)【図6】本発明での顆粒強度の測定に使用する装置の他の例を示した概要図(直線状管路の無い円形管路)【図7】本発明を用いた場合のオフラインにおける気送破砕率と実機(製鉄所)での気体搬送後の粉化率の関係を示す図【図8】従来法を用いた場合のオフラインにおける崩壊率と実機での気体搬送後の粉化率との関係を示す図【符号の説明】1 磁性容器2 磁性ボール3 顆粒パウダー4 エアー源5 レギュレーター6 流量計7 搬送用配管8 パウダー供給タンク9 遮蔽弁10 顆粒パウダー11 集積槽(固気分離槽)12 集塵機(兼排気口)13 搬送後の顆粒パウダー14 直線状管路15 曲がり管路16 回動管外壁17 回動管内壁18 気体旋回流19 排気口20 圧搾エアー入口21 気体槽22 気体槽外壁23 気体槽内壁24 エアー吹き込み口25 パウダー旋回26 エアー旋回流27 排気口 連続鋳造用鋳型内の溶鋼表面の保護剤として投入する顆粒パウダーの強度測定方法において、所定の長さに設定した気送管路内で顆粒パウダーを気体搬送させ、気送前後の顆粒パウダーの特性変化から顆粒強度を測定することを特徴とする連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定方法。 前記気送管路内で顆粒パウダーを気体搬送させるに際し、配管長さ、気体流量の設定にあたって、配管長さと気体流量の積を1(m・m3/min)以上にすることを特徴とする請求項1記載の連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定方法。 前記気送管路として円形状に形成した回動管路を用いて顆粒強度を測定することを特徴とする請求項1記載の連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定方法。 連続鋳造用鋳型内の溶鋼表面の保護剤として投入する顆粒パウダーの強度測定方法において、円形容器内に入れた顆粒パウダーを1箇所もしくは複数箇所から吹き込む気体によって旋回運動させ、所定時間経過後の粉体特性の変化から顆粒強度を測定することを特徴とする連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定方法。 請求項1記載の連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定方法を実施する連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定装置であって、気送管路の上流側から圧搾気体源、圧搾気体流量調整手段および顆粒パウダー供給槽をそれぞれ設け、気送管路の下流側に固気分離槽を設けたことを特徴とする連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定装置。 請求項3記載の連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定方法を実施する連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定装置であって、気送管路の上流側から圧搾気体源、圧搾気体流量調整手段および顆粒パウダー供給槽をそれぞれ設け、該パウダー供給槽に接続する搬送路を有する円形状に形成した回動管を設置し、該回動管の内部に固気分離機構を設けたことを特徴とする連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定装置。 請求項4記載の連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定方法を実施する連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定装置であって、外部の圧搾気体源に接続する円形状の気体槽を有し、かつ気体槽のさらに内側に顆粒パウダーの搬送路となるパウダー旋回槽を有する円形容器であって、気体槽とパウダー旋回槽の間の壁に1箇所もしくは複数箇所の気体吹き込み口を設け、かつ円形容器上部に固気分離機構を設けたことを特徴とする連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定装置。 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の連続鋳造用顆粒パウダーの強度測定方法で測定された顆粒強度にもとづいて、顆粒パウダーの製造に際して配合するバインダーの種類および配合量を調整し、使用現場に最適な強度特性を有する顆粒パウダーを製造することを特徴とする連続鋳造用顆粒パウダーの製造方法。